JP2018199894A - 施工性に優れたオレフィン系床材 - Google Patents

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Abstract

【課題】20℃の常温時でへこみ性等の力学特性に優れ、−5℃の低温時でも柔らかく、施工性に優れたオレフィン系床材を提供する。【解決手段】オレフィン系床材1は、上から表面樹脂層2、中間樹脂層3、裏面樹脂層4が積層一体化されてなる床材であって、表面樹脂層2、中間樹脂層3及び裏面樹脂層4は樹脂成分として化学構造中に塩素原子を有しない樹脂のみが実質的に用いられてなる樹脂層であり、中間樹脂層3は樹脂成分としてガラス転移点が−50℃以上〜0℃未満である樹脂と、ガラス転移点が0℃以上〜50℃以下である樹脂とを含み、ガラス転移点が−50℃以上〜0℃未満である樹脂が中間樹脂層全体に対してa質量%含有し、ガラス転移点が0℃以上〜50℃以下である樹脂が中間樹脂層全体に対してX質量%含有し、X≦a≦3Xの関係式を満たすことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、ビル、マンション、家屋、商業施設等の建築物の床材、或いは鉄道、バス等の車輌の床材として好適に用いられる床材に関する。
従来、ビル、マンション、家屋、商業施設等の建築物の床材、或いは鉄道、バス等の車輌の床材としては、難燃性、耐摩耗性、耐熱性に優れることから、可塑剤を多量に含有せしめた塩化ビニル樹脂(PVC)からなる床材が多く採用されている。
しかしながら、PVC製床材は、燃焼時において多量の発煙と共に塩化水素等の有害ガスを発生することから、火災時において避難者が該有害ガス等を吸入してしまう等の防災上の問題、また焼却廃棄処理によって環境汚染をもたらすという問題がある。また、PVC製床材は、可塑剤を多量に含有しているので、特有の臭気があるし、このような可塑剤による臭気はシックハウス症候群の原因の1つとも言われている。また、長年の使用により可塑剤が揮発減量し床材としての柔軟性が低下するという問題や、長年の使用により可塑剤が表面にブリードしてきて曇りを生じやすく外観体裁が悪くなるという問題もあり、PVC材料に代えて、燃焼時に有害ガスの発生が少ないオレフィン系床材が開発されている。
例えば、特許文献1では、厚さ1〜50mmのオレフィン系素材からなる基材上に、厚さ50〜500μmのオレフィン系素材からなる表面装飾用シートを積層してなることを特徴とするオレフィン系床材が提案されており、干割れや変退色、反り、目透き等に強く、常温時の施工性に優れた床材である。しかしながら、特許文献1ではホモポリプロピレン樹脂のみからなる基材を使用しているため、−5℃の低温時では、基材が硬くなりすぎて、施工性が悪くなる恐れがある。
特開2002−105874号公報
本発明は、かかる技術的背景を鑑みてなされたものであって、20℃の常温時でもへこみ性等の力学特性に優れ、−5℃の低温時でも柔らかく、施工性に優れたオレフィン系床材を提供することが目的である。
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
[1] 中間樹脂層の上面側に表面樹脂層が積層一体化され、前記中間樹脂層の下面側に裏面樹脂層が積層一体化されてなる床材であって、前記表面樹脂層、前記中間樹脂層及び前記裏面樹脂層は、樹脂成分として、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂のみが実質的に用いられてなる樹脂層であり、前記中間樹脂層は、樹脂成分として、ガラス転移点が−50℃以上〜0℃未満である樹脂と、ガラス転移点が0℃以上〜50℃以下である樹脂とを含み、前記ガラス転移点が−50℃以上〜0℃未満である樹脂が前記中間樹脂層全体に対してa質量%含有し、前記ガラス転移点が0℃以上〜50℃以下である樹脂が前記中間樹脂層全体に対してX質量%含有し、X≦a≦3Xの関係式を満たすことを特徴とするオレフィン系床材。
[2] 前記中間樹脂層は、充填剤を含有し、前記中間樹脂層の線膨張率が10.0×10−5/K以下である前項1に記載のオレフィン系床材。
[1]の発明では、中間樹脂層の上面側に表面樹脂層が積層一体化され、中間樹脂層の下面側に裏面樹脂層が積層一体化されてなる床材であって、表面樹脂層、中間樹脂層及び裏面樹脂層は、樹脂成分として、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂のみが実質的に用いられてなる樹脂層であるから、燃焼時の有毒ガスの発生が少なく、燃焼安全性に優れて防災面で好都合であると共に環境保全にも十分に資することができる。中間樹脂層は、樹脂成分として、ガラス転移点が−50℃以上〜0℃未満である樹脂と、ガラス転移点が0℃以上〜50℃以下である樹脂とを含み、ガラス転移点が−50℃以上〜0℃未満である樹脂が中間樹脂層全体に対してa質量%含有し、ガラス転移点が0℃以上〜50℃以下である樹脂が中間樹脂層全体に対してX質量%含有し、X≦a≦3Xの関係式を満たすから、20℃の常温時でもへこみ性等の力学特性に優れると共に、−5℃の低温時でも柔らかく施工性に優れたオレフィン系床材を提供することができる。
[2]の発明では、中間樹脂層は、充填剤を含有し、中間樹脂層の線膨張率が10.0×10−5/K以下であるから、床材の膨れ発生を抑制し、施工後の突き上げ発生を防止することができる。
本発明に係るオレフィン系床材の一実施形態を示す断面図である。
本発明に係るオレフィン系床材の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態のオレフィン系床材1は、中間樹脂層3の上面側に表面樹脂層2が積層一体化され、前記中間樹脂層3の下面側に裏面樹脂層4が積層一体化されてなる床材であって、前記表面樹脂層2、前記中間樹脂層3及び前記裏面樹脂層4は、樹脂成分として、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂のみが実質的に用いられてなる樹脂層であり、前記中間樹脂層3は、樹脂成分として、ガラス転移点が−50℃以上〜0℃未満である樹脂と、ガラス転移点が0℃以上〜50℃以下である樹脂とを含み、前記ガラス転移点が−50℃以上〜0℃未満である樹脂が前記中間樹脂層3全体に対してa質量%含有し、前記ガラス転移点が0℃以上〜50℃以下である樹脂が前記中間樹脂層3全体に対してX質量%含有し、X≦a≦3Xの関係式を満たすことを特徴とする。
前記表面樹脂層2、前記中間樹脂層3及び前記裏面樹脂層4は、樹脂成分として、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂のみが実質的に用いられてなる樹脂層である。化学構造中に塩素原子を有しない樹脂からなるため、燃焼時の有毒ガスの発生が少なく、燃焼安全性に優れている。
前記オレフィン系床材1は、中間樹脂層3の上面側に表面樹脂層2が積層一体化され、前記中間樹脂層3の下面側に裏面樹脂層4が積層一体化されてなる。
前記表面樹脂層2及び前記裏面樹脂層4に用いられる樹脂成分としては、特に限定されるものではないが、例えば、ホモポリプロピレン樹脂、ポリプロピレン−エチレン−ランダム共重合体、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。中でも、ホモポリプロピレン樹脂がより好ましい。
前記表面樹脂層2の厚さは、0.03mm〜1.0mmであることが好ましく、0.03mm未満では耐摩耗性が悪くなり、1.0mmを超えると重くなりコスト的にも好ましくない。中でも0.05mm〜0.5mmがより好ましい。
前記裏面樹脂層4の厚さは、0.03mm〜1.0mmであることが好ましく、中でも0.05mm〜0.5mmがより好ましい。中でも、前記表面樹脂層2の厚さと同じであることが好ましい。この場合、床材の上反り発生及び逆反り発生(中央部に対して縁部側が下方に反る状態)ともに防止することができる。
前記中間樹脂層3は、1層であっても良いし、2層であっても良い。前記中間樹脂層3が2層の場合は、2層間に補強層を含んでいることが好ましい。
前記補強層としては、特に限定されるものではないが、例えば、ガラス不織布、ガラス織布、ガラスネットなどが挙げられる。中でも、ガラスネットを用いるのが好ましい。
前記補強層の目付としては、20g/m〜100g/mに設定されるのが好ましい。20g/m以上とすることで熱寸法安定性を向上させることができると共に、100g/m以下とすることで接着性試験(JIS A 5536−2015 6.3.3 剥離接着強さに準拠)でこの補強層の材料破壊が生じないようにすることができる。中でも、前記補強層の目付は、30g/m〜70g/mに設定されるのがより好ましい。
前記中間樹脂層3を構成する樹脂成分としては、ガラス転移点が−50℃以上〜0℃未満である樹脂と、ガラス転移点が0℃以上〜50℃以下である樹脂とを含んでいる必要がある。なお、ガラス転移点とは、示差走査熱量計を用い、JIS−K−7121−1987に準拠して、5℃/分の昇温速度条件でガラス転移温度を意味する。
前記ガラス転移点が−50℃以上〜0℃未満である樹脂が前記中間樹脂層全体に対してa質量%含有し、前記ガラス転移点が0℃以上〜50℃以下である樹脂が前記中間樹脂層全体に対してX質量%含有し、X≦a≦3Xの関係式を満たすことが必要である。X>aである場合、−5℃の低温時に硬くなるため、施工作業性が悪くなり、a>3Xである場合、20℃の常温時でもへこみ性等の力学特性が悪くなるため好ましくない。中でも、1.5X≦a≦2Xであることがより好ましい。
前記ガラス転移点が−50℃以上〜0℃未満である樹脂としては、例えば、低結晶性樹脂、非晶性樹脂等が挙げられ、中でも低結晶性樹脂であることがより好ましく、特に、低立体規則性ポリオレフィンであることがさらに好ましい。前記低結晶性樹脂としては、結晶化度が30%付近である樹脂を意味しており、例えば、低立体規則性ポリオレフィンが挙げられる。前記低結晶性樹脂は分子量(Mw)が低く、溶融時の流動性が高いため、フィラーの分散性向上が可能となり、接着性を向上させることができる。前記非晶性樹脂としては、結晶化度が極めて低いか、結晶化状態になり得ない樹脂であり、かつガラス転移点温度のみ存在する樹脂を意味しており、例えば、アタクチックポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリスチレンが挙げられる。
前記ガラス転移点が0℃以上〜50℃以下である樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリアセタール等が挙げられ、中でも、樹脂を混練する際の分散性の点から、ポリプロピレンであることがより好ましい。
前記中間樹脂層3を構成する他の樹脂成分としては、オレフィン系樹脂、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー等が挙げられ、中でも、オレフィン系樹脂、オレフィン系エラストマーを用いるのがより好ましい。
前記中間樹脂層3の厚さは、0.6mm〜4.0mmであることが好ましく、0.6mm以上であることで床材としての踏み心地性を向上させることができ、4.0mm未満であることで軽量化であると共に、コスト的にも好ましい。中でも1.0mm〜3.0mmがより好ましい。
前記表面樹脂層2の下面に印刷層が形成されていても良い。前記印刷層に用いられる樹脂は、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂のみが実質的に用いられてなる樹脂層であることが好ましい。
前記印刷層は、特に限定されるものではないが、例えば、インクジェット法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、転写印刷法等により形成することができる。
前記印刷層を積層する場合は、前記印刷層の下面側にプライマー層が形成されている必要がある。前記プライマー層を形成することによって、前記印刷層と前記中間樹脂層3との接着強度を向上させることができる。
前記プライマー層は、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂のみが実質的に用いられてなる樹脂層であることが好ましく、中でも、変性ポリオレフィン樹脂を含有してなるプライマー塗布層であるのが好ましい。
前記表面樹脂層2と、前記印刷層と、前記プライマー層とを、上から順番に積層された印刷フィルムとして用いることが好ましい。
前記印刷フィルムとしては、特に限定されるものではないが、0.05mm〜1.2mmであることが好ましい。
前記中間樹脂層3には、充填剤を含有せしめることが好ましい。
前記中間樹脂層3は、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂成分100質量部に対して充填剤80〜230質量部を含有せしめることが好ましい。
前記中間樹脂層3は、線膨張率が10.0×10−5/K以下である中間樹脂シートが前記裏面樹脂層4の上面側に積層されたものであるのが好ましい。線膨張率が10.0×10−5/Kを超えると床材の膨れ発生を抑制することができず、さらに施工後の突き上げ発生も防止できないので好ましくない。中でも5.0×10−5/K〜8.0×10−5/Kがより好ましい。
前記充填剤としては、特に限定されるものではないが、炭酸塩、ケイ酸塩、水酸化マグネシウム等が挙げられる。
前記表面樹脂層2、前記中間樹脂層3及び前記裏面樹脂層4には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、熱安定剤、難燃剤、耐候剤、着色剤、帯電防止剤、充填剤等の各種添加剤を適宜含有せしめてもよい。
前記裏面樹脂層4の下面にプライマー塗布層が形成されているのが好ましい。これにより、施工時の敷設対象面に塗布される接着剤との接着性を向上させることができる。
本発明のオレフィン系床材1の厚さは、特に限定されないものではないが、1.0mm〜6.0mmに設定されるのが好ましい。中でも1.5mm〜3.0mmがより好ましい。
本発明のオレフィン系床材1はタイル状床材として構成しても良いし、シート状床材(例えば幅600mm〜2500mm程度の長尺シート等)として構成しても良く、特に限定されない。
本発明に係るオレフィン系床材1の製造方法としては、特に限定されず、例えばカレンダー加工機、押出加工機等の公知の装置やホットラミネート加工機等の公知の積層技術を用いて積層することにより製造することができる。また、その積層順序も特に限定されない。
次に、本発明の具体的実施例について説明するが、本発明はこれら実施例のものに特に限定されるものではない。
<実施例1>
ガラス転移点が−50℃以上〜0℃未満である樹脂として低立体規則性ポリオレフィン(ガラス転移点−20℃、比重870kg/m、MFR350g/10min)20質量%、ガラス転移点が0℃以上〜50℃以下である樹脂としてポリプロピレン(ガラス転移点10℃)10質量%、オレフィン系エラストマー20質量%、炭酸塩30質量%、ケイ酸塩20質量%からなる樹脂組成物をニーダーで160℃、7分混練し、160℃の二本ロールを用いて厚さ1.5mmの中間樹脂シート(中間樹脂層3)を作成した。次に、表面樹脂層2として、厚さ0.05mmのホモポリプロピレン樹脂フィルムを準備した。次に、裏面樹脂層8として、厚さ0.05mmのホモポリプロピレン樹脂フィルムを準備した。下側から、厚さ0.05mmのホモポリプロピレン樹脂フィルム、作成しておいた中間樹脂シート、厚さ0.05mmのホモポリプロピレン樹脂フィルムとを、この順に重ねて、熱プレス機を用いて160℃、1.0MPaの条件で5分間圧縮成形を行うことによって、図1に示す厚さ1.6mmのオレフィン系床材1を得た。
<実施例2>
ガラス転移点が−50℃以上〜0℃未満である樹脂として、ガラス転移点が−30℃である非晶性樹脂(アタクチックポリプロピレン)を用いる設定にした以外は、実施例1と同様にして、オレフィン系床材1を得た。
<実施例3>
ガラス転移点が−50℃以上〜0℃未満である樹脂として低立体規則性ポリオレフィン(ガラス転移点−20℃、比重870kg/m、MFR350g/10min)15質量%、ガラス転移点が0℃以上〜50℃以下である樹脂としてポリプロピレン(ガラス転移点10℃)10質量%、オレフィン系エラストマー25質量%、炭酸塩30質量%、ケイ酸塩20質量%からなる樹脂組成物をニーダーで160℃、7分混練し、160℃の二本ロールを用いて厚さ1.5mmの中間樹脂シート(中間樹脂層3)を作成して用いる設定にした以外は、実施例1と同様にして、オレフィン系床材1を得た。
<実施例4>
ガラス転移点が0℃以上〜50℃以下である樹脂として、ガラス転移点が20℃であるポリブテン用いた設定にした以外は、実施例1と同様にして、オレフィン系床材1を得た。
<実施例5>
ガラス転移点が−50℃以上〜0℃未満である樹脂として低立体規則性ポリオレフィン(ガラス転移点−20℃、比重870kg/m、MFR350g/10min)17質量%、ガラス転移点が0℃以上〜50℃以下である樹脂としてポリプロピレン(ガラス転移点10℃)17質量%、オレフィン系エラストマー16質量%、炭酸塩30質量%、ケイ酸塩20質量%からなる樹脂組成物をニーダーで160℃、7分混練し、160℃の二本ロールを用いて厚さ1.5mmの中間樹脂シート(中間樹脂層3)を作成して用いる設定にした以外は、実施例1と同様にして、オレフィン系床材1を得た。
<比較例1>
ガラス転移点が−50℃以上〜0℃未満である樹脂を用いず、ガラス転移点が0℃以上〜50℃以下である樹脂としてポリプロピレン(ガラス転移点10℃)30質量%、オレフィン系エラストマー20質量%、炭酸塩30質量%、ケイ酸塩20質量%からなる樹脂組成物をニーダーで160℃、7分混練し、160℃の二本ロールを用いて厚さ1.5mmの中間樹脂シート(中間樹脂層3)を作成して用いる設定にした以外は、実施例1と同様にして、オレフィン系床材を得た。
<比較例2>
ガラス転移点が0℃以上〜50℃以下である樹脂を用いず、ガラス転移点が−50℃以上〜0℃未満である樹脂として低立体規則性ポリオレフィン(ガラス転移点−20℃、比重870kg/m、MFR350g/10min)20質量%、オレフィン系エラストマー30質量%、炭酸塩30質量%、ケイ酸塩20質量%からなる樹脂組成物をニーダーで160℃、7分混練し、160℃の二本ロールを用いて厚さ1.5mmの中間樹脂シート(中間樹脂層3)を作成して用いる設定にした以外は、実施例1と同様にして、オレフィン系床材を得た。
<比較例3>
ガラス転移点が−50℃以上〜0℃未満である樹脂として低立体規則性ポリオレフィン(ガラス転移点−20℃、比重870kg/m、MFR350g/10min)10質量%、ガラス転移点が0℃以上〜50℃以下である樹脂としてポリプロピレン(ガラス転移点10℃)20質量%、オレフィン系エラストマー20質量%、炭酸塩30質量%、ケイ酸塩20質量%からなる樹脂組成物をニーダーで160℃、7分混練し、160℃の二本ロールを用いて厚さ1.5mmの中間樹脂シート(中間樹脂層3)を作成した用いる設定にした以外は、実施例1と同様にして、オレフィン系床材を得た。
<比較例4>
ガラス転移点が−50℃以上〜0℃未満である樹脂として低立体規則性ポリオレフィン(ガラス転移点−20℃、比重870kg/m、MFR350g/10min)24質量%、ガラス転移点が0℃以上〜50℃以下である樹脂としてポリプロピレン(ガラス転移点10℃)6質量%、オレフィン系エラストマー20質量%、炭酸塩30質量%、ケイ酸塩20質量%からなる樹脂組成物をニーダーで160℃、7分混練し、160℃の二本ロールを用いて厚さ1.5mmの中間樹脂シート(中間樹脂層3)を作成して用いる設定にした以外は、実施例1と同様にして、オレフィン系床材を得た。
上記のようにして得られた各オレフィン系床材に対して、下記評価方法に基づいて評価を行った。これらの評価結果を表1に示す。
<柔軟性(施工作業性)評価法>
JIS K 6251−2010に準拠して、ダンベル状5号形、引張速度10mm/min、−5℃の条件下で引張弾性率を測定し、下記判定基準に基づいて評価を行い、「○」以上を合格とした。
(判定基準)
−5℃の場合、引張弾性率が1600MPa未満を「○」、1600MPa以上を「×」
<へこみ性>
JIS A 1454−2016 10.2残留へこみ試験A法に準拠して、20℃で残留へこみ量(mm)を測定し、残留へこみ量が0.1mm以下を「○」、0.1mmを超えたものを「×」とし、「○」以上を合格とした。
<膨れ防止性評価法>
40cm×40cmの大きさの平面視正方形状に切り出した床材を、20℃雰囲気下で表面が平滑な木材製固定板の上にシリコーン系接着剤で接着し、20℃雰囲気下で72時間放置した後、床材の4辺を金具で固定板に固定し、さらに60℃のオーブン内に4時間放置した。しかる後、オーブン内から床材を取り出し、床材の表面を目視観察し、膨れが全く生じていないものを「◎」、膨れがほんの僅かしか認められず実質的に膨れがないと判断できるものを「○」、膨れが少し生じたものを「△」、膨れが目立って生じたものを「×」とし、「〇」以上を合格とした。
<突き上げ防止性評価法>
40cm×40cmの大きさの平面視正方形状に切り出した床材9枚を、縦3枚、横3枚ずつ碁盤目状に隙間なく整列配置した状態で、20℃雰囲気下で表面が平滑な木材製固定板の上にシリコーン系接着剤で接着し、20℃雰囲気下で72時間放置した後、これら整列配置された9枚の床材の4辺(全体としての4辺)を金具で固定板に固定し、さらに60℃のオーブン内に4時間放置した。しかる後、オーブン内から床材を取り出し、隣り合う床材同士で突き上げが全く発生しなかったものを「◎」、隣り合う床材同士で突き上げがほんの僅かな程度認められたものの実用上問題がないと判断できるものを「〇」、隣り合う床材同士で突き上げが少し発生したものを「△」、隣り合う床材同士で突き上げが目立って発生したものを「×」とし、「〇」以上を合格とした。
表1から明らかなように、本発明の実施例1〜5のオレフィン系床材は、−5℃の柔軟性(施工作業性)、20℃でのへこみ性に優れると共に、膨れ防止性、突き上げ防止性に優れていた。
これに対して比較例1のオレフィン系床材は−5℃の柔軟性(施工作業性)が劣っていた。比較例2のオレフィン系床材は、20℃のへこみ性が劣っていた。比較例3のオレフィン系床材は、−5℃の柔軟性(施工作業性)が劣っていた。比較例4のオレフィン系床材は、20℃のへこみ性が劣っていた。
本発明に係るオレフィン系床材は、例えば、ビル、マンション、家屋、商業施設等の建築物の床材、鉄道、バス、船舶、介護施設、地下施設、病院、浴室、トイレ、洗面室等の床材等として好適である。
1・・・オレフィン系床材
2・・・表面樹脂層
3・・・中間樹脂層
4・・・裏面樹脂層

Claims (2)

  1. 中間樹脂層の上面側に表面樹脂層が積層一体化され、前記中間樹脂層の下面側に裏面樹脂層が積層一体化されてなる床材であって、前記表面樹脂層、前記中間樹脂層及び前記裏面樹脂層は、樹脂成分として、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂のみが実質的に用いられてなる樹脂層であり、前記中間樹脂層は、樹脂成分として、ガラス転移点が−50℃以上〜0℃未満である樹脂と、ガラス転移点が0℃以上〜50℃以下である樹脂とを含み、前記ガラス転移点が−50℃以上〜0℃未満である樹脂が前記中間樹脂層全体に対してa質量%含有し、前記ガラス転移点が0℃以上〜50℃以下である樹脂が前記中間樹脂層全体に対してX質量%含有し、X≦a≦3Xの関係式を満たすことを特徴とするオレフィン系床材。
  2. 前記中間樹脂層は、充填剤を含有し、前記中間樹脂層の線膨張率が10.0×10−5/K以下である請求項1に記載のオレフィン系床材。
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