JP4679833B2 - 柔軟性難燃ポリエステル系化粧シート用組成物及び柔軟性難燃ポリエステル系化粧シート - Google Patents

柔軟性難燃ポリエステル系化粧シート用組成物及び柔軟性難燃ポリエステル系化粧シート Download PDF

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本発明は、柔軟性難燃ポリエステル系化粧シート用組成物及び柔軟性難燃ポリエステル系化粧シートに関する。さらに詳しくは、本発明は、風合が良好であり、施工時にシワやワレが入りにくいと共に、浮きが発生しにくく、欠点部を加熱により容易に修正することができる上、意匠性や施工性などを損なうことなく、従来非ポリ塩化ビニル(PVC)系素材では困難とされていた国土交通省防火認定規格のコーンカロリーメーター試験機による発熱試験で、不燃認定に適合し、壁装材などに適した柔軟性難燃ポリエステル系化粧シート用組成物、及び柔軟性難燃ポリエステル系化粧シートに関する。
家具、扉、什器などの表面材や、住宅、店舗用の壁装材などに広く使用される化粧シートの新素材として、ポリエステル樹脂に対する関心が高まり、さまざまな開発が進められている。例えば、壁紙、建材などの化粧シートを得る上で有用なエンボス加工性を有する積層フィルムとして、融点220〜300℃のポリエステル樹脂層と、融点150〜215℃であり、エンボス加工性を有するポリブチレンテレフタレート単位を主骨格とするコポリエステル樹脂層とからなる積層フィルムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、壁紙、建築表皮材などに使用され、表面感触と印刷適性に優れたポリエステル樹脂化粧シートとして、炭素数8〜14の芳香族ジカルボン酸から選択されるエステル単位を含む共重合ポリエステルに可塑剤を入れて軟質化した発泡性軟質ポリエステル系化粧シートが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかし、ポリエステル樹脂は、一般に、軟質塩化ビニル樹脂に比べると剛性が高く、加工時や施工時にシワやワレが入りやすく、折り曲げ加工性、伸ばし加工性にも劣る。さらに、施工時に化粧シートに浮きが発生しやすいなどの欠点がある。このために、軟質塩化ビニル樹脂製の化粧シートと同様に製造が容易であり、良好な風合を有し、施工性、加工性にも優れたポリエステル化粧シートの開発が望まれていた。
そこで、本発明者らは、このような要求に応えるべく、先に、風合が良好であり、施工時にシワやワレが入りにくいと共に、浮きが発生しにくく、欠点部を加熱により容易に修正することができる、壁装材に適した柔軟性ポリエステル化粧シート用組成物及び柔軟性ポリエステル化粧シートを提案した(例えば、特許文献3参照)。
一方、家具などの表面材や、住宅、店舗用の壁装材などに対しては、難燃性に優れることが要求される。しかしながら、国土交通省防火認定規格のコーンカロリーメーター試験機による発熱性試験で、非PVC系素材では、不燃認定試験に適合するもの(特に最も厳しい、下地基材が不燃石膏ボードのもの)は、これまでほとんどないのが実状であった。また、難燃性素材においては、ハロゲンやリンなどの有害な物質を含有しないことが望まれる。
特開平9−300564号公報(第2頁) 特開2000−290415号公報(第2頁) 特開2003−246916号公報
本発明は、このような事情のもとで、風合が良好であり、施工時にシワやワレが入りにくいと共に、浮きが発生しにくく、欠点部を加熱により容易に修正することができる上、意匠性や施工性などを損なうことなく、かつハロゲンやリンなどの有害物質を含まないで、従来非PVC系素材では困難とされていた国土交通省防火認定規格のコーンカロリーメーター試験機による発熱試験で、不燃認定に適合し、壁装材などに適した柔軟性難燃ポリエステル系化粧シート用組成物、及び柔軟性難燃ポリエステル系化粧シートを提供することを目的としてなされたものである。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定の柔軟性ポリエステル系素材、及びハロゲンやリンを含まない無機充填剤を用い、該充填剤の配合量及び規定シート厚みにおける1cm2当たりの有機質量の値を規定することにより、前記目的に適合し得る柔軟性難燃ポリエステル系化粧シート用組成物、及び柔軟性難燃ポリエステル系化粧シートが得られ、その目的を達成し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1)(A)(a−1)ガラス転移温度−10〜40℃のポリエチレンテレフタレートのエチレングリコール単位の一部を他のグリコール単位で置換した変性ポリエチレンテレフタレート系樹脂と(a−2)ガラス転移温度50〜120℃の非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂を、重量比20:80〜80:20の割合で含み、さらに(a−3)メタクリル酸エステル/アクリル酸エステルゴムグラフト共重合体を1〜40重量%含む樹脂成分と、その100重量部当たり、(B)ワックス0.2〜10重量部、及び(C)(c−1)ケイ酸系無機充填剤及び/又は(c−2)無機水和物を含み、かつ厚み100〜180μmのシートにした場合に、(イ)1cm2当たりの有機質量が9.2〜16.2mgであること、及び(ロ)前記(C)成分の含有量が10〜65重量部であり、建築基準法の防耐火試験方法と性能評価規格に従って、コーンカロリーメーター試験機による発熱性試験で、加熱開始後の最大発熱速度が、10秒以上継続して200kW/m2を超えず、総発熱量が8MJ/m2以下であることを特徴とする柔軟性難燃ポリエステル系化粧シート用組成物、
(2)(a−2)ガラス転移温度50〜120℃の非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂が、ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分がエチレングリコール40〜80モル%と1,4−シクロヘキサンジメタノール60〜20モル%との組合わせである上記(1)項に記載の柔軟性難燃ポリエステル系化粧シート用組成物、
)上記(1)又は(2)項に記載の柔軟性難燃ポリエステル系化粧シート用組成物に着色剤を配合し、製膜して得られる着色シートの表面をエンボス加工してなることを特徴とする柔軟性難燃ポリエステル系化粧シート(以下、化粧シートIと称す。)、
)トップコートが施されてなる上記()項に記載の柔軟性難燃ポリエステル系化粧シート、
)(A)(a−1)ガラス転移温度−10〜40℃のポリエチレンテレフタレートのエチレングリコール単位の一部を他のグリコール単位で置換した変性ポリエチレンテレフタレート系樹脂と(a−2)ガラス転移温度50〜120℃の非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂を、重量比20:80〜80:20の割合で含み、さらに(a−3)メタクリル酸エステル/アクリル酸エステルゴムグラフト共重合体を1〜40重量%含む樹脂成分と、その100重量部当たり、(B)ワックス0.2〜10重量部を含む樹脂組成物Iに着色剤を配合して製膜して得られる着色シートIと、(A)(a−1)ガラス転移温度−10〜40℃のポリエチレンテレフタレートのエチレングリコール単位の一部を他のグリコール単位で置換した変性ポリエチレンテレフタレート系樹脂と(a−2)ガラス転移温度50〜120℃の非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂を、重量比20:80〜80:20の割合で含み、さらに(a−3)メタクリル酸エステル/アクリル酸エステルゴムグラフト共重合体を1〜40重量%含む樹脂成分と、その100重量部当たり、(B)ワックス0.2〜10重量部、及び(C)(c−1)ケイ酸系無機充填剤及び/又は(c−2)無機水和物を含む樹脂組成物IIに着色剤を配合して製膜して得られる着色シートIIとを積層した厚み100〜180μmの積層シートであって、(イ)1cm2当たりの有機質量が9.2〜16.2mgであること、(ロ)該積層シートの全樹脂成分100重量部当たり、前記(C)成分の含有量が10〜65重量部であること、及び(ハ)前記着色シートIの表面がエンボス加工されていることを特徴とする柔軟性難燃ポリエステル系化粧シート(以下、化粧シートIIと称す。)、
)着色シートIが透明シートであり、この着色シートIと着色シートIIとの間に印刷層を有する上記()項に記載の柔軟性難燃ポリエステル系化粧シート、
)エンボス加工されてなる着色シートIの表面にトップコートが施されてなる上記()又は()項に記載の柔軟性難燃ポリエステル系化粧シート、
)着色シートIIの裏面側に粘着剤層を有する上記()、()又は()項に記載の柔軟性難燃ポリエステル系化粧シート、
)上記(1)又は(2)項に記載の柔軟性難燃ポリエステル系化粧シート用組成物に着色剤を配合し、製膜して得られる着色シートが複数枚積層され、その上面がエンボス加工されてなることを特徴とする柔軟性難燃ポリエステル系化粧シート(以下、化粧シートIIIと称す。)、
10)上面にトップコートが施されてなる上記()項に記載の柔軟性難燃ポリエステル系化粧シート、及び
11)裏面に粘着剤層を有する上記()又は(10)項に記載の柔軟性難燃ポリエステル系化粧シート、
を提供するものである。
本発明によれば、風合が良好であり、施工時にシワやワレが入りにくいと共に、浮きが発生しにくく、欠点部を加熱により容易に修正することができる上、意匠性や施工性などを損なうことなく、従来非PVC系素材では困難とされていた国土交通省防火認定規格のコーンカロリーメーター試験機による発熱試験で、不燃認定に適合し、壁装材などに適した柔軟性難燃ポリエステル系化粧シート用組成物、及び柔軟性難燃ポリエステル系化粧シートを提供することができる。
まず、本発明の柔軟性難燃ポリエステル系化粧シート用組成物(以下、単に化粧シート用組成物と称すことがある。)について説明する。
本発明の化粧シート用組成物は、(A)(a−1)ガラス転移温度−10〜40℃の変性ポリエチレンテレフタレート系樹脂と(a−2)ガラス転移温度50〜120℃の非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂を、重量比20:80〜80:20の割合で含み、さらに(a−3)メタクリル酸エステル/アクリル酸エステルゴムグラフト共重合体を1〜40重量%含む樹脂成分と、その100重量部当たり、(B)ワックス0.2〜10重量部、及び(C)(c−1)ケイ酸系無機充填剤及び/又は(c−2)無機水和物を含む組成物である。
本発明の化粧シート用組成物においては、(A)樹脂成分の1つとして用いられる(a−1)ガラス転移温度−10〜40℃の変性ポリエチレンテレフタレート系樹脂としては、例えばジカルボン酸成分として、テレフタル酸を主体とし、場合によりイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などを含むものを用い、一方グリコール成分として、エチレングリコールを含むと共に、テトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノール化合物のエチレンオキサイド付加物などを含むものを用いて共重合してなる変性ポリエチレンテレフタレート系樹脂などを挙げることができる。これらの中で、ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分がエチレングリコールとポリテトラメチレングリコールと1,4−シクロヘキサンジメタノールを主体として共重合したポリエチレンテレフタレート系樹脂を特に好適に用いることができる。
この変性ポリエチレンテレフタレート系樹脂は1種を用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上を併用する場合、その混合物のガラス転移温度が−10〜40℃の範囲にあればよい。
当該(A)樹脂成分におけるもう1つの成分である、(a−2)ガラス転移温度50〜120℃の非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂としては、例えばジカルボン酸成分として、テレフタル酸を主体として、場合によりイソフタル酸などの他のジカルボン酸を含むものを用い、一方、グリコール成分として、エチレングリコールを含むと共に、1,4−シクロヘキサンジメタノールやネオペンチルグリコールなどを含むものを用い、共重合してなる非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂などを挙げることができる。これらの中で、ジカルボン酸成分が、テレフタル酸であり、グリコール成分が、エチレングリコール40〜80モル%と1,4−シクロヘキサンジメタノール20〜60モル%である共重合ポリエチレンテレフタレートや、ジカルボン酸成分が、テレフタル酸であり、グリコール成分がエチレングリコールとネオペンチルグリコールを主体とした共重合ポリエチレンテレフタレートなどを好適に用いることができるが、特に前者の共重合ポリエチレンテレフタレートが好適である。ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分がエチレングリコール40〜80モル%と1,4−シクロヘキサンジメタノール20〜60モル%である共重合ポリエチレンテレフタレートとしては、例えば、イーストマンケミカル社のPETG6763などを挙げることができる。ジカルボン酸成分が、テレフタル酸であり、グリコール成分がエチレングリコールとネオペンチルグリコールを主体とした共重合ポリエチレンテレフタレートとしては、例えば、カネボウ合繊(株)のE−01、東洋紡績(株)のSR173CAなどを挙げることができる。
この非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂は1種を用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上を併用する場合、その混合物のガラス転移温度が50〜120℃の範囲にあればよい。
本発明においては、前記(a−1)成分と(a−2)成分の含有割合は、重量比で20:80〜80:20の範囲で選定される。(a−1)成分と(a−2)成分の含有割合が上記範囲にあると、柔軟性ポリエステル系素材となり、風合が良好で、施工時にシワやワレが入りにくい上、浮きが発生しにくく、欠点部を加熱により容易に修正し得る性質を有する化粧シート用組成物が得られる。(a−1)成分と(a−2)成分の好ましい含有割合は30:70〜70:30であり、特に35:65〜65:35の範囲が好ましい。
本発明においては、当該(A)樹脂成分は、得られる組成物の他の物性、例えば製膜性などを向上させるために、必要に応じ、(a−3)成分として、前記(a−1)成分及び(a−2)成分以外の樹脂を含むことができる。この(a−3)成分としては、メタクリル酸エステル−スチレン/ブタジエンゴムグラフト共重合体、アクリロニトリル−スチレン/ブタジエンゴムグラフト共重合体、アクリロニトリル−スチレン/エチレン−プロピレンゴムグラフト共重合体、アクリロニトリル−スチレン/アクリル酸エステルグラフト共重合体、メタクリル酸エステル/アクリル酸エステルゴムグラフト共重合体、メタクリル酸エステル−アクリロニトリル/アクリル酸エステルゴムグラフト共重合体、熱可塑性ポリエステルエラストマーなどを例示することができる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
当該(A)樹脂成分中の前記(a−3)成分の含有量は、1〜40重量%であることが好ましい。この(a−3)成分の含有量が上記範囲にあれば、化粧シート用組成物として要求される前記の諸性質を損なうことなく、製膜性などが向上した組成物を与えることができる。この(a−3)成分のより好ましい含有量は1〜30重量%であり、特に3〜20重量%の範囲が好ましい。
メタクリル酸エステル−スチレン/ブタジエンゴムグラフト共重合体としては、例えばポリブタジエンにメタクリル酸メチルとスチレンとをグラフト共重合したエラストマーなどを挙げることができる。アクリロニトリル−スチレン/ブタジエンゴムグラフト共重合体としては、例えば、ポリブタジエンにアクリロニトリルとスチレンとをグラフト共重合したエラストマーなどを挙げることができる。アクリロニトリル−スチレン/エチレン−プロピレンゴムグラフト共重合体としては、例えばエチレン−プロピレンゴムにアクリロニトリルとスチレンとをグラフト共重合したエラストマーなどを挙げることができる。アクリロニトリル−スチレン/アクリル酸エステルグラフト共重合体としては、例えばポリアクリル酸エステルにアクリロニトリルとスチレンとをグラフト共重合したエラストマーなどを挙げることができる。
メタクリル酸エステル/アクリル酸エステルゴムグラフト共重合体としては、例えばポリアクリル酸エステルにメタクリル酸メチルをグラフト共重合したエラストマーなどを挙げることができる。メタクリル酸エステル−アクリロニトリル/アクリル酸エステルゴムグラフト共重合体としては、ポリアクリル酸エステルにメタクリル酸メチルとアクリロニトリルをグラフト共重合したエラストマーなどを挙げることができる。
熱可塑性ポリエステルエラストマーとしては、例えば、テレフタル酸成分とグリコール成分からなるハードセグメントと、ポリアルキレングリコールからなるソフトセグメントを有するエラストマーなどを挙げることができる。これらの中で、メタクリル酸エステル/アクリル酸エステルゴムグラフト共重合体を特に好適に用いることができる。
また、必要に応じて、ポリブチレンテレフタレート、共重合ポリブチレンテレフタレートを用いることもできる。
本発明の化粧シート用組成物における(B)成分のワックスについては特に制限はなく、例えば、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどの炭化水素系ワックス、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、複合型ステアリン酸、オレイン酸などの脂肪酸系ワックス、ステアリン酸アミド、オキシステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルシルアミド、リシノール酸アミド、ベヘン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミドなどの脂肪族アミド系ワックス、ステアリン酸n−ブチル、モンタン酸エステルワックスなどの脂肪族エステル系ワックス、脂肪族金属石けん系ワックス、尿素−ホルムアルデヒドワックスなどを挙げることができる。これらの中で、脂肪族エステル系ワックスは、非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂との相溶性が良好であり、得られる組成物の透明性を損なうことなく、成形性を向上することができるので、特に好適に用いることができる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の化粧シート用組成物においては、この(B)成分のワックスは、前記(A)樹脂成分100重量部当たり、0.2〜10重量部の範囲で含有される。該(B)成分のワックスが上記範囲にあると得られる組成物の透明性や、その他の要求される諸性質を損なうことなく、成形性などを向上させることができる。該(B)成分の好ましい含有量は、0.5〜5重量部であり、特に1〜4重量部の範囲が好ましい。
本発明の化粧シート用組成物における(C)成分である(c−1)ケイ酸系無機充填剤や(c−2)無機水和物は、該組成物に所望の難燃性を付与するために用いられるものである。(c−1)成分のケイ酸系無機充填剤としては、クレー(ケイ酸アルミニウム)、タルク(含水ケイ酸マグネシウム)、シリカ、けい藻土(主成分:含水ケイ酸)、軽石粉(主要成分:SiO2、Al23)、雲母粉(アルミニウム、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、鉄などのケイ酸化合物)などを例示することができる。これらのケイ酸系無機充填剤は、1種を用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中で、特にタルクが好適である。
一方、(c−2)成分の無機水和物としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム及びこれらの混合物などを例示することができる。
本発明においては、(C)成分として、前記(c−1)成分のみを用いてもよいし、(c−2)成分のみを用いてもよく、(c−1)成分と(c−2)成分を併用してもよい。また、この(C)成分の無機系充填剤の粒径については特に制限はないが、平均粒径として、通常0.1〜13μm程度、好ましくは0.3〜10μmのものが適当である。
本発明の化粧シート用組成物においては、この(C)成分の無機系充填剤は、前記(A)成分100重量部に対して、10〜65重量部の割合で含有される。この(C)成分の含有量が10重量部未満では、後述のコーンカロリーメーター試験機による発熱性試験での最大発熱速度や総発熱量について、不合格になるおそれがあり、また65重量部を超えると作業性、施工性、耐折り曲げ性、施工安定性などが悪くなる原因となる。この(C)成分の好ましい含有量は、12〜50重量部であり、より好ましくは15〜45重量部である。
本発明の化粧シート用組成物は、厚み100〜180μmのシートにした場合に、1cm2当たりの有機質量が9.2〜16.2mgの範囲にあり、かつ建築基準法の防耐火試験方法と性能評価規格に従って、コーンカロリーメーター試験機による発熱性試験で、加熱開始後の最大発熱速度が、10秒以上継続して200kW/m2を超えず、総発熱量が8MJ/m2以下である。
有機質量が上記の範囲にあれば、意匠性や施工性などを損なうことなく、従来非PVC系素材では困難とされていた国土交通省防火認定規格のコーンカロリーメーター試験機による発熱試験で、不燃認定に適合する柔軟性難燃ポリエステル系化粧シートが得られやすい。この有機質量の好ましい値は、10.5〜16.2mgであり、より好ましくは11.5〜16.2mgである。
また、化粧シートの難燃性の面から、コーンカロリーメーター試験機による発熱性試験で、加熱開始後の最大発熱速度が200kW/m2を超えても超過継続時間が7秒以下であることが好ましく、200kW/m2以下であることがより好ましい。また、総発熱量は、7MJ/m2以下であることが好ましく、6MJ/m2以下であることがより好ましい。
さらに、この発熱性試験において、防火上有害な裏面まで貫通する亀裂及び穴が生じないことが望ましい。
なお、前記のコーンカロリーメーター試験機による発熱性試験は、建築基準法の防耐火試験方法と性能評価規格に従って実施し、試料のシート3枚について試験を行い、最大発熱速度(10秒以上継続)及び総発熱量を測定し、それぞれ平均値を採用する。
ここで、上記発熱試験の試験サンプルは、下記の方法により作製した。試験化粧シートにアクリル系粘着剤を50μmの厚さで塗布し、さらにこれを、クロロプレンゴム系表面処理剤を20g/m2(固形分)で表面処理した試験下地基材に貼り付けて、試験サンプルを作製した。なお、試験化粧シート、試験下地基材以外の粘着剤、表面処理剤については、すべて同一のもので行った。
本発明の化粧シート用組成物においては、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により、前記(C)成分の無機系充填剤と共に、有機系難燃性向上剤、例えばメラミンシアヌレートなどを適宜配合することができる。
本発明の化粧シート用組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により各種添加剤を含有させることができる。含有させる添加剤としては、例えば酸化防止剤、耐候安定剤、帯電防止剤、熱安定剤、離型剤、着色剤、界面活性剤、補強剤などを挙げることができる。
上記着色剤としては、特に限定されず、例えば、有機系顔料、無機系顔料等を挙げることができる。ここで、必要に応じて添加した酸化チタン等の無機系顔料については、上記発熱性試験において、(C)無機系充填剤と同様の効果が得られる。
本発明の柔軟性難燃ポリエステル系化粧シート用組成物は、風合が良好であり、施工時にシワやワレが入りにくいと共に、浮きが発生しにくく、欠点部を加熱により容易に修正することができる上、意匠性や施工性などを損なうことなく、従来非PVC系素材では困難とされていた国土交通省防火認定規格のコーンカロリーメーター試験機による発熱試験で、不燃認定に適合する柔軟性難燃ポリエステル系化粧シートを提供することができる。
本発明の化粧シート用組成物は、特に下地基材が、不燃石膏ボード、ケイカル板及び金属板の中から選ばれる不燃基材又は準不燃石膏ボードからなる準不燃基材を対象として用いることが好ましい。
次に、本発明の柔軟性難燃ポリエステル系化粧シート(以下、単に化粧シートと称すことがある。)について説明する。本発明の柔軟性難燃ポリエステル系化粧シートには、化粧シートI、化粧シートII及び化粧シートIIIの3つの態様がある。
本発明の化粧シートIは、前述の本発明の柔軟性難燃ポリエステル系化粧シート用組成物に着色剤を配合し、製膜して得られる着色シートの表面をエンボス加工してなる柔軟性難燃ポリエステル系化粧シートである。製膜方法に特に制限はなく、本発明組成物を押出機とTダイを用いて製膜することができ、あるいは、本発明組成物をカレンダー装置を用いて製膜することができる。
使用する押出機に特に制限はなく、例えば、単軸押出機、同方向回転二軸押出機、異方向回転二軸押出機などを挙げることができる。使用するTダイに特に制限はなく、例えば、マニホールドダイ、フィッシュテールダイ、コートハンガーダイなどを挙げることができる。使用するカレンダー装置に特に制限はなく、例えば、直立型3本ロール、直立型4本ロール、L型4本ロール、逆L型4本ロール、Z型ロールなどを挙げることができる。エンボス加工の方法に特に制限はなく、例えば、オンラインで製膜と同時にエンボス加工することができ、あるいは、オフラインで、ドラム加熱型エンボッサー、マルチシリンダー形エンボッサーなどを用いてエンボス加工することもできる。
本発明の柔軟性難燃ポリエステル系化粧シートは、適度な強さのコシを有するので、折り曲げたり、伸ばしたりする二次加工性に優れ、貼り付ける際の作業性が良好であり、空気の巻き込みや、裏面離型紙を剥離する際、化粧シート貼り付け時の位置合わせ及び修正時に化粧シートを剥がす際に生じる応力によるシワの発生がなく、施工後にシートの剥がれや浮きが発生することもない。さらに、本発明の化粧シートは、三次元施工性が良好であり、ハンドドライヤーなどを用いて加熱することにより、曲面にも追随して美麗に貼着することができ、貼り付けたのちに曲面部分を加熱してシワを修正することもできる。同様に、平面貼りの際に貼り付け作業ミスなどで生じたシワも、加熱して修正することができる。
本発明の化粧シートIIは、(A)(a−1)ガラス転移温度−10〜40℃の変性ポリエチレンテレフタレート系樹脂と(a−2)ガラス転移温度50〜120℃の非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂を、重量比20:80〜80:20の割合で含み、さらに(a−3)メタクリル酸エステル/アクリル酸エステルゴムグラフト共重合体を1〜40重量%含む樹脂成分と、その100重量部当たり、(B)ワックス0.2〜10重量部を含む樹脂組成物Iに着色剤を配合して製膜して得られる着色シートIと、(A)(a−1)ガラス転移温度−10〜40℃の変性ポリエチレンテレフタレート系樹脂と(a−2)ガラス転移温度50〜120℃の非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂を、重量比20:80〜80:20の割合で含み、さらに(a−3)メタクリル酸エステル/アクリル酸エステルゴムグラフト共重合体を1〜40重量%含む樹脂成分と、その100重量部当たり、(B)ワックス0.2〜10重量部、及び(C)(c−1)ケイ酸系無機充填剤及び/又は(c−2)無機水和物を含む樹脂組成物IIに着色剤を配合して製膜して得られる着色シートIIとを積層した厚み100〜180μmの積層シートであって、(イ)1cm2当たりの有機質量が9.2〜16.2mgであること、(ロ)該積層シートの全樹脂成分100重量部当たり、前記(C)成分の含有量が10〜65重量部であること、及び(ハ)前記着色シートIの表面がエンボス加工されていることを特徴とする柔軟性難燃ポリエステル系化粧シートである。
前記各成分の種類や配合量、及び有機質量については、前述の本発明の柔軟性難燃ポリエステル系化粧シート用組成物において、説明したとおりである。
この化粧シートIIにおいては、着色シートIを透明シートとし、この着色シートIと着色シートIIとの間に印刷層を設けることができる。印刷層を設ける面に特に制限はなく、透明シートの裏面と着色シートの表面のいずれにも設けることができる。印刷方法に特に制限はないが、グラビヤ印刷法を好適に用いることができる。積層された透明シートと着色シートの間に印刷層を設けることにより、質感に優れた意匠性を有する化粧シートを得ることができる。
この化粧シートIIにおいては、(A)樹脂成分に、前述の本発明の柔軟性難燃ポリエステル系化粧シート用組成物において説明した(a−3)成分を1〜40重量%の範囲で含有させることができる。
本発明の化粧シートIIIは、前述の本発明の柔軟性難燃ポリエステル系化粧シート用組成物に着色剤を配合し、製膜して得られる着色シートが複数枚積層され、その上面がエンボス加工されてなる化粧シートである。同一の厚みの化粧シートを製造する場合、1工程で1枚の化粧シートを製膜するよりも、2枚以上のシートを積層して1枚の化粧シートとする方が、平滑性の良好な化粧シートを得ることができる。2枚のシートを積層する場合、表面側のシートが着色していれば、裏面側のシートは透明シートでもよいが、多くの場合、同一の着色シートを複数枚積層する方が、全体の工程が合理化され、経済的に有利となる。
本発明の化粧シートI、II、IIIは、表面にトップコートを施すことが好ましい。トップコートを施すことにより、化粧シートの耐擦傷性を向上し、表面に傷のつきにくい優れた化粧シートとすることができる。トップコートの材料に特に制限はなく、例えば、アクリル樹脂、ポリウレタン、ポリアミドなどを挙げることができる。これらの中で、ポリオール成分とポリイソシアネート成分からなる二液型ポリウレタンを特に好適に用いることができる。
本発明の化粧シートI、II、IIIは、紫外線吸収剤を含有する紫外線硬化型樹脂コート層を設けることができる。このような紫外線硬化型樹脂コート層は、コート層の紫外線硬化波長とは異なる波長帯の特性吸収波長を有し、材料劣化を引き起こす特定の紫外線を吸収する紫外線吸収剤と光安定剤を含む材料を、化粧シート表面に塗布して、紫外線硬化することにより形成することができる。
本発明の化粧シートI、II、IIIは、転写箔を設けることができる。転写箔は、ポリエステル系支持フィルムに加え、剥離コート層、樹脂コート層、ホットメルト層、絵柄印刷層などを含めることができる。転写箔と化粧シートをラミネートしたのち、ポリエステル系支持フィルムのみを剥離することにより、化粧シートの表面に正確な絵柄模様又は表面保護コートを転写することができる。
本発明の化粧シートI、II、IIIは、裏面に粘着剤層を有しない化粧シートとすることができ、あるいは、裏面に粘着剤層を有する化粧シートとすることもできる。裏面に粘着剤層を有しない化粧シートは、使用する接着剤に制限はないが、でん粉糊、酢酸ビニルエマルジョンなどを用いて合板などに貼り付け、あるいは、アクリル系、ウレタン系、ポリエステル系接着剤などを用いて鋼板と積層して、建材を製造することができる。裏面に粘着剤層を有する化粧シートは、壁装用粘着化粧シートとして用いることができる。化粧シートの裏面に粘着剤層を設ける方法に特に制限はないが、例えば、紙基材にシリコーンコーティングを施した離型紙などに、溶剤型アクリル系粘着剤、非水系エマルジョン型アクリル系粘着剤、水系エマルジョン型アクリル系粘着剤、水溶性型アクリル系粘着剤などを塗布乾燥して粘着剤層を形成する。また、紫外線硬化型粘着剤を使用することも可能である。この離型紙上に形成された粘着剤層と化粧シートの裏面が接するように積層することが好ましい。粘着剤層には、必要に応じて、粘着付与樹脂、架橋剤などを配合することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
なお、参考例、実施例及び比較例においては、下記の材料を用いた。
(1)(a−1)変性PET系:変性ポリエチレンテレフタレート系樹脂、三菱レイヨン(株)製、商品名「DN124」、テレフタル酸/エチレングリコール/ポリテトラメチレングリコール/1,4−シクロヘキサンジメタノール共重合体、ガラス転移温度10℃。
(2)(a−2)非晶性PET系:非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂、イーストマンケミカルジャパン(株)製、商品名「PETG6763」、テレフタル酸/エチレングリコール/1,4−シクロヘキサンジメタノール共重合体、ガラス転移温度81℃。
(3)(a−3)FM21:メタクリル酸エステル/アクリル酸エステルゴムグラフト共重合体、鐘淵化学工業(株)製、商品名「カネエースFM21」、平均粒子径0.05〜0.3μm。
(4)(B)滑剤:モンタン酸エステルワックス、クライアントジャパン(株)製、商品名「リコワックスOP」、カルシウムけん化モンタン酸エステルワックス。
(5)(c−1)タルク:竹原化学工業(株)製、商品名「ハイトロンA」、平均粒子径2〜4μm、ケイ酸系無機充填剤。
(6)(c−2a)水酸化マグネシウム:協和化学工業(株)製、商品名「キスマ5A」、平均粒子径0.7〜1.1μm、無機水和物。
(7)(c−2b)水酸化アルミニウム:昭和電工(株)製、商品名「ハイジライトH−42M」、平均粒子径0.8〜1.2μm、無機水和物。
(8)メラミンシアヌレート:日産化学工業(株)製、商品名「MC640」平均粒子径1〜5μm。
(9)酸化チタン:堺化学工業(株)製、商品名「R−11P」、無機顔料。
(10)PP樹脂:出光石油化学(株)製、商品名「F−730NV」、ランダムPP。
また、参考例、実施例及び比較例において得られた化粧シートの評価は下記の方法により行った。
(1)コーン試験
不燃石膏ボード(参考例1〜5、8、9、実施例6、7及び、比較例1〜10)、準不燃石膏ボード(参考例10)又はケイカル板(参考例11)を対象にして、コーンカロリーメーター試験機による発熱性試験を、明細書本文に記載の方法に従って行った。
加熱開始後の最大発熱速度が10秒以上継続して200kW/m2を超えないものを○(合格)、超えるものを×(不合格)とした。また、総発熱量が8MJ/m2以下のものを○(合格)、8MJ/m2を超えるものを×(不合格)とした。
(2)作業性
プラスチック製スキージを用いて貼り付ける際の作業性を評価する。シートに適当なコシがあると施工しやすいが、コシがないと空気の巻き込みや、シワ入りなどを生じやすい。また、コシが強すぎると、貼り付け修正時のシワ発生、作業性の悪化、貼り付け後のシートの浮き、剥がれなどが発生する。さらに、貼り作業の際に、貼り付け作業ミスなどで生じたシワも加熱して修正することができない。なお、粘着剤層を有しない化粧シートは、剥離紙と粘着剤層の積層体を化粧シートの裏面に積層して貼り付け、剥離紙を剥ぎ取って片面に粘着剤層を形成して試験する。
なお、評価は下記の基準に従って行った。
○:良好な作業性を有する。
△:やや作業性に劣る。
×:作業性に劣る。
(3)三次元施工性
端面が曲面である図1に示す形状の厚さ50mmの試験板1のコーナー部に、化粧シート2をドライヤーで加熱しながら延伸して施工し、シートの外観を観察する。なお、粘着剤層を有しない化粧シートは、剥離紙と粘着剤層の積層体を化粧シートの裏面に積層して貼り付け、剥離紙を剥ぎ取って片面に粘着剤層を形成して試験する。
なお、評価は下記の基準に従って行った。
○:問題なく施工できる。
△:やや施工性に劣るが施工はできる。
×:施工できない、もしくは施工後の外観性に劣る。
(4)耐折り曲げ性
化粧シート3を中密度ファイバーボード4に貼り付け、図2(a)に示すようにファイバーボードを90度の開き角度でV字形にカットし、図2(b)に示すように直角に折り曲げ、折り曲げ部の外観を観察する。
なお、評価は下記の基準に従って行った。
○:問題なし。
△:やや外観性に劣るが問題なし。
×:シートの破壊、白化などの外観異常が発生。
(5)施工安定性
JIS A 6921 5.4.4に準じて化粧シートを貼り付け、4週間後にシートと下地の接着状態を観察する。シートのコシが強すぎると、シートの残留歪みを粘着剤が押さえきれず、シートの剥がれ、浮きなどが発生する。なお、粘着剤層を有しない化粧シートは、剥離紙と粘着剤層の積層体を化粧シートの裏面に積層して貼り付け、剥離紙を剥ぎ取って片面に粘着剤層を形成して試験する。
なお、評価は下記の基準に従って行った。
○:シートの剥がれ、浮きなどなし。
×:シートの剥がれ、浮きなどが発生。
参考例1〜5、8〜11、実施例6、7及び、比較例1〜10
第1表及び第2表に示す種類と量の各成分を混合し、押出機を用いて混練し、Tダイより押し出して、第1表及び第2表に示す厚さの化粧シートを製造した。各化粧シートの評価結果を第1表及び第2表に示す。
Figure 0004679833
Figure 0004679833
第1表及び第2表から明らかなように、実施例及び参考例の化粧シートは、いずれも有機質量が9.2〜16.2mgの範囲にあって、コーン試験で合格であり、かつ作業性、三次元施工性、耐折り曲げ性及び施工安定性の全てが良好である。
これに対し、比較例1〜4及び比較例10は、樹脂成分が、本発明の範囲外であり、化粧シートの特性の全て、あるいは一部が不良である。
また、比較例5及び8は、有機質量が16.2mgを超えており、コーン試験で不合格である。比較例7では、有機質量が9.2mg未満であり、作業性が悪い。
比較例6は、無機系充填剤の量が65重量部を超えており、作業性、三次元施工性、及び耐折り曲げ性が不良である。比較例9は、無機系充填剤の量が10重量部未満であり、コーン試験において、最大発熱速度が不合格である。
本発明の柔軟性難燃ポリエステル系化粧シート用組成物は、風合が良好であり、施工時にシワやワレが入りにくいと共に、浮きが発生しにくく、欠点部を加熱により容易に修正することができる上、意匠性や施工性などを損なうことなく、従来非PVC系素材では困難とされていた国土交通省防火認定規格のコーンカロリーメーター試験機による発熱試験で、不燃認定に適合し、壁装材などに適した柔軟性難燃ポリエステル系化粧シートに用いられる。
三次元施工性試験方法の説明図である。 耐折り曲げ性試験方法の説明図である。
符号の説明
1 試験板
2 化粧シート
3 化粧シート
4 中密度ファイバーボード

Claims (11)

  1. (A)(a−1)ガラス転移温度−10〜40℃のポリエチレンテレフタレートのエチレングリコール単位の一部を他のグリコール単位で置換した変性ポリエチレンテレフタレート系樹脂と(a−2)ガラス転移温度50〜120℃の非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂を、重量比20:80〜80:20の割合で含み、さらに(a−3)メタクリル酸エステル/アクリル酸エステルゴムグラフト共重合体を1〜40重量%含む樹脂成分と、その100重量部当たり、(B)ワックス0.2〜10重量部、及び(C)(c−1)ケイ酸系無機充填剤及び/又は(c−2)無機水和物を含み、かつ厚み100〜180μmのシートにした場合に、(イ)1cm2当たりの有機質量が9.2〜16.2mgであること、及び(ロ)前記(C)成分の含有量が10〜65重量部であり、建築基準法の防耐火試験方法と性能評価規格に従って、コーンカロリーメーター試験機による発熱性試験で、加熱開始後の最大発熱速度が、10秒以上継続して200kW/m2を超えず、総発熱量が8MJ/m2以下であることを特徴とする柔軟性難燃ポリエステル系化粧シート用組成物。
  2. (a−2)ガラス転移温度50〜120℃の非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂が、ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分がエチレングリコール40〜80モル%と1,4−シクロヘキサンジメタノール60〜20モル%との組合わせである請求項1に記載の柔軟性難燃ポリエステル系化粧シート用組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の柔軟性難燃ポリエステル系化粧シート用組成物に着色剤を配合し、製膜して得られる着色シートの表面をエンボス加工してなることを特徴とする柔軟性難燃ポリエステル系化粧シート。
  4. トップコートが施されてなる請求項に記載の柔軟性難燃ポリエステル系化粧シート。
  5. (A)(a−1)ガラス転移温度−10〜40℃のポリエチレンテレフタレートのエチレングリコール単位の一部を他のグリコール単位で置換した変性ポリエチレンテレフタレート系樹脂と(a−2)ガラス転移温度50〜120℃の非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂を、重量比20:80〜80:20の割合で含み、さらに(a−3)メタクリル酸エステル/アクリル酸エステルゴムグラフト共重合体を1〜40重量%含む樹脂成分と、その100重量部当たり、(B)ワックス0.2〜10重量部を含む樹脂組成物Iに着色剤を配合して製膜して得られる着色シートIと、(A)(a−1)ガラス転移温度−10〜40℃のポリエチレンテレフタレートのエチレングリコール単位の一部を他のグリコール単位で置換した変性ポリエチレンテレフタレート系樹脂と(a−2)ガラス転移温度50〜120℃の非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂を、重量比20:80〜80:20の割合で含み、さらに(a−3)メタクリル酸エステル/アクリル酸エステルゴムグラフト共重合体を1〜40重量%含む樹脂成分と、その100重量部当たり、(B)ワックス0.2〜10重量部、及び(C)(c−1)ケイ酸系無機充填剤及び/又は(c−2)無機水和物を含む樹脂組成物IIに着色剤を配合して製膜して得られる着色シートIIとを積層した厚み100〜180μmの積層シートであって、(イ)1cm2当たりの有機質量が9.2〜16.2mgであること、(ロ)該積層シートの全樹脂成分100重量部当たり、前記(C)成分の含有量が10〜65重量部であること、及び(ハ)前記着色シートIの表面がエンボス加工されていることを特徴とする柔軟性難燃ポリエステル系化粧シート。
  6. 着色シートIが透明シートであり、この着色シートIと着色シートIIとの間に印刷層を有する請求項に記載の柔軟性難燃ポリエステル系化粧シート。
  7. エンボス加工されてなる着色シートIの表面にトップコートが施されてなる請求項又はに記載の柔軟性難燃ポリエステル系化粧シート。
  8. 着色シートIIの裏面側に粘着剤層を有する請求項5、6又はに記載の柔軟性難燃ポリエステル系化粧シート。
  9. 請求項1又は2に記載の柔軟性難燃ポリエステル系化粧シート用組成物に着色剤を配合し、製膜して得られる着色シートが複数枚積層され、その上面がエンボス加工されてなることを特徴とする柔軟性難燃ポリエステル系化粧シート。
  10. 上面にトップコートが施されてなる請求項に記載の柔軟性難燃ポリエステル系化粧シート。
  11. 裏面に粘着剤層を有する請求項又は10に記載の柔軟性難燃ポリエステル系化粧シート。
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