JP2000154324A - 熱安定性の良好な難燃性樹脂組成物 - Google Patents

熱安定性の良好な難燃性樹脂組成物

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JP2000154324A
JP2000154324A JP10331438A JP33143898A JP2000154324A JP 2000154324 A JP2000154324 A JP 2000154324A JP 10331438 A JP10331438 A JP 10331438A JP 33143898 A JP33143898 A JP 33143898A JP 2000154324 A JP2000154324 A JP 2000154324A
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zinc
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Yoshiharu Niimi
佳治 新美
Mikio Gotou
民企男 後藤
Yasumi Tanaka
保巳 田中
Akio Okizaki
章夫 沖崎
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Tosoh Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 難燃性、発煙抑制性に優れ、しかも成形加工
性、成形時の熱安定性に優れた非ハロゲン系難燃性樹脂
組成物を提供する。 【解決手段】 樹脂100重量部に対し、エチレンジア
ミンリン酸亜鉛と必要に応じて難燃剤を、それらの総量
で10〜300重量部配合し、更にアニオン交換能を有
する無機物を0.1〜30重量部配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂にエ
チレンジアミンリン酸亜鉛と受酸剤を配合してなる難燃
性樹脂組成物に関するものである。
【0002】本発明の難燃性樹脂組成物は、難燃性に優
れ、また燃焼時の発煙性が低く、更には成形加工性、成
形時の熱安定性に優れるため、各種電気部品をはじめと
して、自動車部品、建材、電線やケ−ブル被覆材等の材
料として広範に使用される。
【0003】
【従来の技術】各種プラスチック材料(樹脂)は、電気
・電子・OA機器のパッケ−ジ材や内部部品、車両の内
装材、建築材料、電線・ケ−ブルの被覆材料等に多く使
用されている。しかしながらプラスチックは一般的に可
燃性材料であり、上述の用途で使用する場合は、難燃剤
を配合し、難燃性を付与して使用されている。
【0004】従来から使用されている難燃剤としては、
デカブロモジフェニルエ−テル、テトラブロモビスフェ
ノ−ルA、塩素化パラフィン等のハロゲン含有化合物、
水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ホウ酸亜鉛
等の金属化合物、ポリリン酸アンモニウム等のリン化合
物、赤燐等があり、これらの内、ハロゲン含有化合物が
難燃性に優れ最も広範に使用されている。
【0005】しかしながら、ハロゲン含有化合物を配合
した樹脂組成物は、成形加工時の熱安定性に劣ること、
発煙量が多いこと等の問題点を有している。
【0006】また水酸化マグネシウムに代表される金属
化合物は、燃焼時の低発煙性という面で優れているが、
難燃性の面で劣り、十分な難燃性を得るためには樹脂1
00重量部に対して100重量部を越える配合量が必要
であり、この様な場合、成形加工性に劣るという問題も
有している。
【0007】更にポリリン酸アンモニウムは、燃焼時の
低発煙性という面で優れているが、難燃性の面で劣り、
しかもポリリン酸アンモニウムは耐水性の面で劣るた
め、これを改良する方法としてメラミン樹脂等の樹脂で
被覆する事が一般的に行われているが、この被覆樹脂が
成形加工時の熱安定性を低下させるという問題も有して
いる。
【0008】これらの問題点を解決する方法として、特
開平10−87875号公報にはエチレンジアミンリン
酸亜鉛とリン含有化合物とを樹脂に配合する技術が開示
されている。同公報に開示された技術は難燃性能に優
れ、燃焼時の発煙性が低いというものではあるが、成形
加工性、成形時の熱安定性の面で十分に満足できるもの
でなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の課題に
鑑みてなされたものであり、その目的は、難燃性、発煙
抑制性に優れ、しかも成形加工性、成形時の熱安定性に
優れた難燃性樹脂組成物を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、難燃性、
発煙抑制性に優れ、しかも成形加工性、成形時の熱安定
性に優れた難燃性樹脂組成物を開発するため、鋭意検討
を行った結果、ポリオレフィン系樹脂に、エチレンジア
ミンリン酸亜鉛と受酸剤を配合した難燃性樹脂組成物
が、難燃性、発煙抑制性に優れ、しかも成形加工時の熱
安定性に優れることを見出し、本発明を完成させるに至
った。
【0011】すなわち本発明は、熱可塑性樹脂(A)1
00重量部に対し、エチレンジアミンリン酸亜鉛(B)
を10〜300重量部と、受酸剤(C)を0.1〜30
重量部配合してなる難燃性樹脂組成物である。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】本発明において(B)成分のエチレンジア
ミンリン酸亜鉛とは、エチレンジアミンとリン酸亜鉛と
の化合物であれば特に限定するものではないが、例え
ば、一般式がZn2282210で表され、かつX
線回折パタ−ンが少なくとも表1
【0014】
【表1】
【0015】に示される面間隔を含んでいるエチレンジ
アミンリン酸亜鉛や、X線回折パタ−ンが少なくとも表
【0016】
【表2】
【0017】に示される面間隔を含んでいるエチレンジ
アミンリン酸亜鉛等が好適なものとして挙げられる。
【0018】一般式がZn2282210で表さ
れ、かつX線回折パタ−ンが少なくとも上記表1に示さ
れる面間隔を含んでいるエチレンジアミンリン酸亜鉛
は、正四面体ZnO4と正四面体PO4で形成された三次
元的開骨格ZnPO4 2-にNH324NH3 2+が吸蔵さ
れた構造を有し、CuKα線を用いたX線回折パターン
は図1のようになる(R.H.Jonesら、Stud
ies in Surface Science an
d Catalysis、Zeolites and
Related Microporous Mater
ials、Vol.84、p.2229(1994)、
Elsevier Science B.V.)。
【0019】またX線回折パターンが少なくとも表2に
示される面間隔を含んでいるエチレンジアミンリン酸亜
鉛は、詳細な結晶構造については不明であるが、CuK
α線を用いたX線回折パターンは図2のようになる。
【0020】本発明において用いられるエチレンジアミ
ンリン酸亜鉛の分解温度は約400℃であり、耐熱性に
優れた材料である。また、粉体特性は特に限定されない
が、BET比表面積が0.1〜20m2/g、二次粒子
経が20μm以下程度である。
【0021】本発明において、エチレンジアミンリン酸
亜鉛(B)の配合量は、熱可塑性樹脂100重量部に対
して10〜300重量部、特に好ましくは20〜200
重量部である。配合量が10重量部より少ない場合は、
難燃性能が不十分となり、300重量部を超える場合
は、組成物の機械的強度を低下させ、更には成形性を悪
化させる場合がある。
【0022】本発明における(C)成分の受酸剤とは、
アニオン交換能を有する無機物をいい、特に限定されな
い。アニオン交換能を有する無機物としては、下記式
(1)又は(2) M1-x・Alx(OH)2・Ax/2・mH2O (1) (式中、MはMg、Ca、Znからなる群より選ばれた
1種又は2種以上の金属、Xは0<X≦0.33なる数
を示し、AはCO3又はSO4を示し、mは0<m<2な
る数を示す。) MX・AlY(OH)2X+3Y-2Z(A)z・mH20 (2) (式中、MはMg、Ca、Znからなる群より選ばれた
1種又は2種以上の金属、AはCO3又はHPO4、Xは
0<X≦8、Yは0≦Y≦6、Zは2≦Z≦6、mは0
≦m≦30なる数を示す。)で表させるハイドロタルサ
イト類並びに下記式(3) (Al2Li(OH)6nX・mH2O (3) (式中、Xは無機又は有機のアニオンであり、nはアニ
オンXの価数であり、mは3以下の数である。)で表さ
れるリチウムアルミニウム複合水酸化物等が例示され、
本発明ではこれらの群より選ばれる1種又は2種以上を
使用する。
【0023】本発明において受酸剤(C)の配合量は、
熱可塑性樹脂(A)100重量部に対し、0.1〜30
重量部である。配合量が0.1重量部より少ない場合
は、熱安定性が不十分となり、30重量部を超える場合
は、組成物の機械的強度を低下させる場合がある。
【0024】本発明においては、(B)成分として用い
られるエチレンジアミンリン酸亜鉛の他に、更に難燃剤
(D)を配合してもよい。
【0025】本発明において難燃剤(D)としては、特
に限定するものではなく、従来公知の難燃剤が使用でき
る。本発明においては、燃焼時の低発煙性から、赤燐、
リン化合物、金属化合物、及び1,3,5−トリアジン
誘導体からなる群より選ばれる1種又は2種以上の難燃
剤を使用することが好ましい。
【0026】リン化合物としては、難燃性においてエチ
レンジアミンリン酸塩(B)と相乗作用を示すものであ
れば特に限定されるものではないが、例えば、リン酸
塩、縮合リン酸及びリン酸エステル等が挙げられる。こ
れらのうち、ポリリン酸アンモニウム、アミド変性ポリ
リン酸アンモニウム、ポリリン酸メラミン、エチレンジ
アミンリン酸塩、リン酸メラミン、リン酸グアニジン、
リン酸エステルが特に好適な例として挙げられる。
【0027】金属化合物としては、金属水酸化物や金属
酸化物、金属の炭酸塩等が挙げられ、特に限定されな
い。金属水酸化物としては、例えば、水酸化マグネシウ
ム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、ヒドロキ
シスズ酸亜鉛等が挙げられる。これらのうち、水酸化マ
グネシウムが好適な例として挙げられる。金属酸化物と
しては、例えば、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化
鉄、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酸化銅、酸
化モリブデン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化
ジルコニウム、ほう酸亜鉛、ゼオライト等が挙げられ
る。金属の炭酸塩としては、炭酸カルシウムが特に好適
な例として挙げられる。
【0028】1,3,5−トリアジン誘導体としては、
エチレンジアミンリン酸亜鉛(B)や上記リン系難燃剤
と相乗作用を示すものであれば特に限定されないが、例
えば、メラミン、シアヌール酸、シアヌール酸誘導体、
イソシアヌール酸、イソシアヌール酸誘導体、メラミン
シアヌレート、メラミンイソシアヌレート等が挙げられ
る。これらのうち、メラミンシアヌレ−トが特に好適な
例として挙げられる。
【0029】本発明において、(D)成分として用いら
れる難燃剤は、その表面を処理されていてもよい。表面
処理に用いられる化合物としては、脂肪酸及びその誘導
体、シランカップリング剤、チタネートカップリング
剤、アルミニウムカップリング剤、メラミン樹脂、メラ
ミン、メラミンと反応し得る官能基を複数有する化合物
でメラミンを架橋したもの、フェノール樹脂、エポキシ
樹脂等が例示される。
【0030】本発明において、難燃剤(D)の配合量
は、熱可塑性樹脂(A)100重量部に対してエチレン
ジアミンリン酸亜鉛(B)と(D)の合計量で10〜3
00重量部、特に好ましくは20〜200重量部であ
る。配合量が10重量部より少ない場合は、難燃性能が
不十分となり、300重量部を超える場合は、組成物の
機械的強度を低下させ、更には成形性を悪化させる場合
がある。
【0031】本発明において熱可塑性樹脂(A)は、用
途に応じて特に限定されることなく使用することができ
る。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン
−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン
モノマー三元共重合体、エチレン−エチルアクリレート
共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のオレフィ
ン系モノマーの単独重合体又は共重合体であるポリオレ
フィン系樹脂、スチレン単独重合体、スチレン−アクリ
ロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、
アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン三元共重合体
等のビニル芳香族モノマーを主体とする単独重合体又は
共重合体であるポリスチレン系樹脂、ポリ(メタ)アク
リル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレート、ポリアリレート等のポリエステル系
樹脂、6−ナイロン、6,6−ナイロン、12−ナイロ
ン、46−ナイロン、芳香族ポリアミド等のポリアミド
系樹脂、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレン
エーテル、ポリオキシメチレン等のポリエーテル系樹
脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂等
が挙げられる。これらの樹脂は単独で用いても複数を混
合して用いてもよい。
【0032】本発明の難燃性樹脂組成物を得る方法とし
ては、特に限定するものではないが、例えば、熱可塑性
樹脂(A)、エチレンジアミンリン酸亜鉛(B)、受酸
剤(C)、更には必要に応じて難燃剤(D)を混合する
ことにより得られる。混合する機器としては、タンブラ
ー、ヘンシェル、リボンミキサー等が例示されるが、特
にこれらに限定されるものではない。また本発明の難燃
性樹脂組成物を溶融混練する方法としては、二軸押出
機、単軸押出機、バンバリーミキサー、加圧ニーダー等
が例示されるが特に限定されるものではなく、使用する
樹脂、成形する方法に合った方法で行えばよい。
【0033】本発明の難燃性樹脂組成物を成形加工する
方法としては特に限定されるものではないが、射出成
形、押出成形、ブロー成形、電線被覆、カレンダー成
形、フィルム成形等が挙げられる。
【0034】本発明では、必要に応じてその他の添加剤
を配合しても何等差し支えない。添加剤としては、難燃
剤、難燃助剤、可塑剤、滑剤、充填剤、酸化防止剤、熱
安定化剤、架橋剤、架橋助剤、帯電防止剤、相溶化剤、
耐候剤、顔料、発泡剤、防カビ剤等が挙げられる。
【0035】
【発明の効果】本発明の、熱可塑性樹脂(A)100重
量部に対し、エチレンジアミンリン酸亜鉛(B1)を1
0〜300重量部と、受酸剤(C)を0.1〜30重量
部配合してなる難燃性樹脂組成物は、難燃性、発煙抑制
性に優れ、しかも成形時の熱安定性に優れる。
【0036】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【0037】以下の実施例及び比較例においては原料と
して以下のものを用いた。
【0038】(A)熱可塑性樹脂 (A1):エチレン酢酸ビニル共重合樹脂(東ソー製、
ウルトラセン635) (A2):エチレン−エチルアクリレート共重合樹脂
(日本石油化学製、レクストロンA1150) (A3):スチレン−ブタジエン共重合樹脂(シェルジ
ャパン製、クレイトンD−1118) (C)受酸剤 (C1):ハイドロタルサイト(協和化学工業製、DH
T−4A) (C2):亜鉛含有ハイドロタルサイト(協和化学工業
製、ZHT−4A) (C3):リチウムアルミニウム複合酸化物(水沢化学
工業製、ミズカラックH−1) (D)難燃剤 (D1):ポリリン酸アンモニウム(クラリアント製、
HOSTAFLAM AP462) (D2):酸化マグネシウム(協和化学工業製、キスマ
5−A) (D3):メラミンシアヌレート(日産化学工業製、M
C−440) 調製例1 エチレンジアミンリン酸亜鉛(EDA−ZP
1)の調製 水800gに75%リン酸80gを添加して調製したリ
ン酸水溶液に、硫酸亜鉛7水和物144gを攪拌しなが
ら溶解させてリン酸亜鉛水溶液を調製した。
【0039】水200gにエチレンジアミン18gを添
加して調製したエチレンジアミン水溶液を上記リン酸亜
鉛水溶液に添加し、25℃で3時間スラリーを均一化し
てエチレンジアミンリン酸亜鉛を晶析させた。晶析後、
ヌッチェにて濾過し、3000gの水で洗浄した後、1
10℃で16時間乾燥してエチレンジアミンリン酸亜鉛
を得た。得られたエチレンジアミンリン酸亜鉛のX線回
折は表1に示した位置に表れた。CuKα線を用いたX
線回折パターンを図1に示す。
【0040】調製例2 エチレンジアミンリン酸亜鉛
(EDA−ZP2)の調製 硝酸亜鉛6水和物59.5gを水540gに溶解させ、
この硝酸亜鉛水溶液にエチレンジアミン36gを添加し
てトリスエチレンジアミン亜鉛錯体水溶液を調製した。
【0041】水180gに85%リン酸23.1gを添
加して調製したリン酸水溶液を上記トリスエチレンジア
ミン亜鉛錯体水溶液に添加し、30℃で1時間スラリー
を均一化してエチレンジアミンリン酸亜鉛を晶析させ
た。晶析後、ヌッチェにて濾過し、3000gの水で洗
浄した後、110℃で16時間乾燥してエチレンジアミ
ンリン酸亜鉛を得た。得られたエチレンジアミンリン酸
亜鉛のX線回折は表2に示した位置に表れた。CuKα
線を用いたX線回折パターンを図2に示す。
【0042】<成形時の熱安定性評価方法>20mm単
軸押出機にベルトダイを取り付けて、200℃で押出成
形を行い、押出成形の途中で10分間スクリューの回転
を止めた。その後、押出成形を再開し、成形直後の成形
品(ベルト)の色調を目視にて下記の判断基準で判断
し、成形時の熱安定性を評価した。
【0043】<色調差の判定基準> ○ 押出成形再開後でも色調が変わらない。
【0044】△ :押出成形再開後成形品表面に黒褐色
の筋が部分的に認められ る × :押出成形再開後成形品表面が全面的に黒褐色にな
った。
【0045】<難燃性評価>160℃に設定した圧縮成
形機で、厚み1mm、2mm、3mmのシートを成形
し、それぞれのシートについて難燃性の試験を行った。
尚、難燃性の試験は、アンダーライターズ・ラボラトリ
ーのサブジェクト94号の垂直燃焼試験方法に従って行
った。
【0046】実施例1〜実施例5 エチレン−酢酸ビニル共重合体(A1)、調製例1で調
製したエチレンジアミンリン酸亜鉛(EDA−ZP
1)、ハイドロタルサイト(C1)、ポリリン酸アンモ
ニウム(D1)を表3に示す割合で混合し、150℃に
設定した加圧ニーダーに投入し10分間溶融混練し、目
的とする難燃性樹脂組成物を得た。
【0047】当該難燃性樹脂組成物について、難燃評価
と押出成形時の熱安定性の評価をそれぞれ実施した。評
価結果を表3に示す。
【0048】
【表3】
【0049】表3から明らかなように、実施例の樹脂組
成物は難燃性に優れているのみならず、押出成形時の熱
安定性も良好であった。
【0050】比較例1〜比較例5 表4に示した配合で樹脂と難燃剤を混合し実施例1と同
じ組成と方法で難燃組成物を得、難燃性と熱安定性を評
価した。評価結果を表4に示す。
【0051】
【表4】
【0052】表4から明らかなように、比較例の樹脂組
成物は成形時の熱安定性が劣っていた。
【0053】実施例6〜実施例9 表5に示した組成で原料を配合し、実施例1と同様な方
法で難燃組成物を得、難燃性と熱安定性を評価した。評
価結果を表5に示す。
【0054】
【表5】
【0055】表5から明らかなように、実施例の樹脂組
成物は難燃性と成形時の熱安定性が良好であった。
【0056】実施例10 エチレン酢酸ビニル共重合樹脂(A1)、調製例2で調
製したエチレンジアミンリン酸亜鉛(EDA−ZP
2)、ハイドロタルサイト(C1)、ポリリン酸アンモ
ニウム(D1)を表6に示す組成で混合し、実施例1と
同様にして難燃組成物を得て、難燃性と熱安定性を評価
した。評価結果を表6に示す。
【0057】
【表6】
【0058】表6から明らかなように、実施例の樹脂組
成物は難燃性と成形時の熱安定性が良好であった。
【0059】実施例11 エチレン−エチルアクリレート共重合樹脂(A2)、調
製例2で調製したエチレンジアミンリン酸亜鉛(EDA
−ZP2)、ハイドロタルサイト(C1)、ポリリン酸
アンモニウム(D1)を表6に示す組成で混合し、実施
例1と同様の方法で難燃組成物を得て、難燃性と熱安定
性を評価した。評価結果を表6にあわせて示す。表6か
ら明らかなように、実施例の樹脂組成物は難燃性と成形
時の熱安定性が良好であった。
【0060】比較例6、比較例7 表6に示した組成で原料を配合し、実施例1と同様にし
て難燃組成物を得て、難燃性と熱安定性を評価した。評
価結果を表6にあわせて示す。表6から、ハイドロタル
サイト類を加えないと成形時の熱安定性が劣ることがわ
かる。
【0061】実施例12 エチレンー酢酸ビニル共重合体(A1)、スチレン−ブ
タジエン共重合体(A3)、調製例1で調製したエチレ
ンジアミンリン酸亜鉛(EDA−ZP1)、ハイドロタ
ルサイト(C1)、ポリリン酸アンモニウム(D1)、
メラミンシアヌレート(D3)を表7に示す割合で混合
し、実施例1と同様の方法で難燃組成物を得て評価し
た。評価結果を表7に示す。
【0062】
【表7】
【0063】表7から明らかなように、実施例の樹脂組
成物は難燃性と成形時の熱安定性が良好であった。
【0064】比較例8 ハイドロタルサイトを加えなかったこと以外、表7に示
した組成で樹脂と難燃剤を混合し、実施例1と同様にし
て難燃組成物を得、難燃性と熱安定性を評価した。評価
結果を表7に示す。
【0065】表7から明らかのように、比較例の樹脂組
成物は熱安定性が劣っていた。
【図面の簡単な説明】
【図1】調製例1において得られたエチレンジアミンリ
ン酸亜鉛の結晶構造を示すX線回折図である。
【図2】調製例2において得られたエチレンジアミンリ
ン酸亜鉛の結晶構造を示すX線回折図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/3492 C08K 5/3492 5/49 5/49 5/56 5/56 Fターム(参考) 4J002 AA011 BB061 BB071 BC051 DA058 DE057 DE078 DE147 DE287 DH046 DH058 EN036 EU188 FD138 FD206 FD207

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂100重量部(A)に対
    し、エチレンジアミンリン酸亜鉛(B)を10〜300
    重量部、(C)受酸剤を0.1〜30重量部配合してな
    る難燃性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 受酸剤(C)が、アニオン交換能を有す
    る無機物であることを特徴とする請求項1に記載の難燃
    性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 アニオン交換能を有する無機物が、下記
    式(1)又は(2) M1-x・Alx(OH)2・Ax/2・mH2O (1) (式中、MはMg、Ca、Znからなる群より選ばれた
    1種又は2種以上の金属、Xは0<X≦0.33なる数
    を示し、AはCO3又はSO4を示し、mは0<m<2な
    る数を示す。) MX・AlY(OH)2X+3Y-2Z(A)z・mH20 (2) (式中、MはMg、Ca、Znからなる群より選ばれた
    1種又は2種以上の金属、AはCO3又はHPO4、Xは
    0<X≦8、Yは0≦Y≦6、Zは2≦Z≦6、mは0
    ≦m≦30なる数を示す。)で表させるハイドロタルサ
    イト類並びに下記式(3) (Al2Li(OH)6n X・mH2O (3) (式中Xは無機又は有機のアニオンであり、nはアニオ
    ンXの価数であり、mは3以下の数である。)で表され
    るリチウムアルミニウム複合水酸化物からなる群より選
    ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項
    2に記載の難燃性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
    の難燃性樹脂組成物に、更に難燃剤(D)を、エチレン
    ジアミンリン酸亜鉛(B)と(D)との合計量で10〜
    300重量部配合してなる難燃性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 難燃剤(D)が、赤燐、リン化合物、金
    属化合物、及び1,3,5−トリアジン誘導体からなる
    群より選ばれる1種又は2種以上の難燃剤であることを
    特徴とする請求項4に記載の難燃性樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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