JPH11172253A - リン系難燃剤及びそれを配合してなる難燃性樹脂組成物 - Google Patents

リン系難燃剤及びそれを配合してなる難燃性樹脂組成物

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JPH11172253A
JPH11172253A JP34149897A JP34149897A JPH11172253A JP H11172253 A JPH11172253 A JP H11172253A JP 34149897 A JP34149897 A JP 34149897A JP 34149897 A JP34149897 A JP 34149897A JP H11172253 A JPH11172253 A JP H11172253A
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flame retardant
zinc
phosphate
ethylenediamine
flame
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JP34149897A
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Kenji Koyama
憲治 小山
Akio Okizaki
章夫 沖崎
Yasumi Tanaka
保巳 田中
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Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 難燃効果、発煙抑制効果に優れた新たな高性
能な難燃剤、及びそれを用いた新たな難燃性樹脂組成物
を提供する。 【解決手段】 (A)エチレンジアミンリン酸亜鉛と、
(B)エチレンジアミンリン酸塩及び/又はリン系難燃
剤を含有する難燃剤を、樹脂100重量部に対して5〜
250重量部配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リン系難燃剤及び
それを配合してなる難燃性樹脂組成物に関するものであ
る。本発明の難燃剤を配合してなる難燃性樹脂組成物
は、難燃性、低発煙性に優れ、有害ガスが発生しない高
性能なものであり、各種電気部品をはじめとして、自動
車部品、建材、ケーブル、ワイヤーハーネス等の材料と
して広範に使用される。
【0002】
【従来の技術】各種プラスチック材料(樹脂)は、電線
・ケーブル・ワイヤーハーネスの絶縁材料やシース材
料、電気・電子・OA機器のパッケージ材や内部部品、
車両の内装材、建築材料等に多く使用されている。しか
しながら可燃性材料であるプラスチック材料を上述の用
途で使用する場合は、プラスチック材料に難燃剤を配合
し、難燃性を付与して使用されている。
【0003】従来から使用されている難燃剤としては、
リン酸エステル、ポリリン酸アンモニウム、赤リン等の
リン系難燃剤、テトラブロモビスフェノールA、デカブ
ロモジフェニルオキサイド、塩素化パラフィン等のハロ
ゲン系難燃剤、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウ
ム、ホウ酸亜鉛等の無機系難燃剤等がある。これらのう
ち、ハロゲン系難燃剤は難燃性に優れ、広く使用されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらハロゲン
系難燃剤を配合した樹脂は、燃焼時に煙が多く発生する
という問題点を有していた。煙の発生は火災時の人身災
害を増大させるものであり、材料の安全性は難燃化技術
とともに重要な技術となっている。
【0005】またポリリン酸アンモニウム等の従来のリ
ン系難燃剤は熱分解性で煙の発生は少ない材料である
が、難燃効果、耐水性等の点で必ずしも満足できるもの
ではない。
【0006】更に水酸化マグネシウムに代表される無機
系難燃剤は、低発煙効果に優れた材料であるが、難燃効
果の点で必ずしも満足できるものではないのが現状であ
る。
【0007】本発明は上記の課題に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、難燃効果、発煙抑制効果に優れた
新たな高性能な難燃剤、及びそれを用いた新たな難燃性
樹脂組成物を提供することである。
【0008】
【課題を解決する手段】本発明者らは、難燃性、低発煙
性に優れた難燃性樹脂組成物を開発するため、高性能な
難燃剤の開発に注力して鋭意検討を行った結果、本発明
を完成するに至った。
【0009】すなわち本発明は、(A)エチレンジアミ
ンリン酸亜鉛と(B)エチレンジアミンリン酸塩及び/
又はリン系難燃剤を含有することを特徴とする難燃剤、
更に(C)1,3,5−トリアジン誘導体を含有するこ
とを特徴とする難燃剤、並びに樹脂100重量部に対し
てこれらの難燃剤を5〜250重量部配合してなる難燃
性樹脂組成物である。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】まず、本発明の難燃剤について説明する。
【0012】本発明の難燃剤は、(A)エチレンジアミ
ンリン酸亜鉛と、(B)エチレンジアミンリン酸塩及び
/又はリン系難燃剤を含有する難燃剤、又は(A)エチ
レンジアミンリン酸亜鉛、(B)エチレンジアミンリン
酸塩及び/又はリン系難燃剤、並びに(C)1,3,5
−トリアジン誘導体を含有する難燃剤である。
【0013】本発明においてエチレンジアミンリン酸亜
鉛としては、エチレンジアミンとリン酸亜鉛との化合物
であれば特に限定するものではないが、例えば、一般式
がZn2282210で表わされ、かつX線回折パ
ターンが少なくとも表1
【0014】
【表1】
【0015】に示される面間隔を含んでいるエチレンジ
アミンリン酸亜鉛や、X線回折パターンが少なくとも表
【0016】
【表2】
【0017】に示される面間隔を含んでいるエチレンジ
アミンリン酸亜鉛等が挙げられる。
【0018】一般式がZn2282210で表わさ
れ、かつX線回折パターンが少なくとも上記表1に示さ
れる面間隔を含んでいるエチレンジアミンリン酸亜鉛
は、正四面体ZnO4と正四面体PO4で形成された3次
元的開骨格ZnPO4 -にH3NC24NH3 2+が吸蔵され
た構造を有し、CuKα線を用いて測定したX線回折パ
ターンは図1のようになる(R.H.Jonesら,S
tudies inSurface Science
and Catalysis,Zeolites an
d Related Microporous Mat
erials,Vol.84,p.2229(199
4),Elsevier Science B.
V.)。
【0019】また、X線回折パターンが少なくとも上記
表2に示される面間隔を含んでいるエチレンジアミンリ
ン酸亜鉛は、詳細な結晶構造については不明であるが、
CuKα線を用いて測定したX線回折パターンは図2の
ようになる。
【0020】本発明において用いられるエチレンジアミ
ンリン酸亜鉛の分解温度は約400℃であり、耐熱性に
優れた材料である。また、粉体物性は特に限定されない
が、BET比表面積が0.1〜20m2/g、2次粒径
が20μm以下程度である。
【0021】次に、エチレンジアミンリン酸亜鉛の製造
方法について説明するが、製造方法は特に限定されない
ため、好ましい実施態様について言及する。
【0022】本発明のエチレンジアミンリン酸亜鉛は、
エチレンジアミンリン酸亜鉛の晶析、濾過、洗浄、乾
燥、粉砕の各工程を経て製造される。
【0023】一般式がZn2282210で表わさ
れ、かつX線回折パターンが少なくとも上記表1に示さ
れる面間隔を含んでいるエチレンジアミンリン酸亜鉛の
場合、晶析はリン酸亜鉛水溶液とエチレンジアミン水溶
液との混合によって行われる。
【0024】リン酸亜鉛水溶液は亜鉛の化合物とリン酸
を亜鉛/リン比(モル比)が1/10〜2/5となる量
で混合し、亜鉛の化合物を均一に溶解して調製される。
亜鉛の化合物としては金属亜鉛、水酸化亜鉛、酸化亜
鉛、リン酸水素亜鉛、リン酸二水素亜鉛、又は塩化亜
鉛、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛等の可溶性亜鉛化合物等が挙げ
られるが特に限定されない。リン酸の濃度は特に限定さ
れず、14〜85wt%の濃度で行えばよい。エチレン
ジアミンの濃度は特に限定されず、5〜100wt%の
濃度で行えばよい。
【0025】リン酸亜鉛水溶液とエチレンジアミン水溶
液との混合は、エチレンジアミン/リン比(モル比)が
2/1〜1/2となる量で行なえばよい。混合方法は、
リン酸亜鉛水溶液にエチレンジアミン水溶液を添加、エ
チレンジアミン水溶液にリン酸亜鉛水溶液を添加、リン
酸亜鉛水溶液とエチレンジアミンを反応槽内に連続的に
添加等の混合方法が挙げられるが特に限定されない。混
合時は、反応槽内を均一にするために、攪拌しながら行
うことが好ましい。混合時の温度は5〜90℃、均一化
時間は5分〜3日間程度で十分である。
【0026】X線回折パターンが少なくとも上記表2に
示される面間隔を含んでいるエチレンジアミンリン酸亜
鉛の場合、晶析は亜鉛塩水溶液とエチレンジアミンを混
合してトリスエチレンジアミン亜鉛錯体を生成させ、ト
リスエチレンジアミン亜鉛錯体とリン酸との反応によっ
て行われる。
【0027】トリスエチレンジアミン亜鉛錯体は[Zn
(H2NC24NH232+で表わされ、エチレンジア
ミンがZn2+に対して正八面体6配位で配位した錯体で
ある。トリスエチレンジアミン亜鉛錯体の製造方法は特
に限定されないが、例えば温度5〜90℃で攪拌しなが
ら亜鉛塩水溶液とエチレンジアミンをモル比1/3で混
合することによって得られる。亜鉛塩水溶液の濃度は数
mol/l、亜鉛塩としては硝酸亜鉛、塩化亜鉛、硫酸
亜鉛等の水溶性の塩等が挙げられる。
【0028】トリスエチレンジアミン亜鉛錯体とリン酸
との反応は、トリスエチレンジアミン亜鉛錯体/リン酸
の混合比が2/1〜1/2(モル比)程度で行えばよ
い。混合時は反応槽内を均一にするために攪拌しながら
行なうことが好ましい。混合時の温度は5〜90℃、均
一化時間は5分〜3日間程度で十分である。
【0029】晶析したエチレンジアミンリン酸亜鉛は、
固液分離後、洗浄する。固液分離の方法は、特に限定さ
れず、ヌッチェ、ドラムフィルター、フィルタープレ
ス、ベルトフィルター等が例示される。洗浄水量は特に
限定されず、未反応のリン酸、エチレンジアミンが除去
されるまで洗浄すればよい。
【0030】次に、エチレンジアミンリン酸亜鉛結晶の
乾燥を行う。乾燥時の温度は特に限定されず、60〜2
50℃で行えばよい。
【0031】更に、乾燥したエチレンジアミンリン酸亜
鉛は軽く粉砕する。粉砕方法は自動乳鉢、ハンマーミル
等が挙げられるが特に限定されない。
【0032】上述の方法で本発明のエチレンジアミンリ
ン酸亜鉛が製造できる。
【0033】本発明においてエチレンジアミンリン酸塩
とは、エチレンジアミンとリン酸との塩をいい、特に限
定するものではないが、例えば、J.Amer.Che
m.Soc.,77,6513(1955)に記載され
た方法により合成することができる。また、本発明にお
いてリン系難燃剤とは、上記のエチレンジアミンリン酸
亜鉛及びエチレンジアミンリン酸塩以外のリン系難燃剤
をいい、特に限定するものではないが、例えば、赤リ
ン、ポリリン酸アンモニウム、リン酸エステル、リン酸
メラミン、ポリリン酸メラミン、リン酸グアニジン等が
挙げられる。
【0034】本発明において1,3,5−トリアジン誘
導体としては、1,3,5−トリアジン骨格を有するも
のであれば特に限定するものではないが、例えば、1、
3、5−トリアジン、メラミン、メチロ−ル化メラミ
ン、(イソ)シアヌ−ル酸及びそのメラミン等との塩や
エステル等が挙げられる。
【0035】本発明において、(A)エチレンジアミン
リン酸亜鉛と(B)エチレンジアミンリン酸塩及び/又
はリン系難燃剤との配合比は特に限定されるものではな
いが、(A)エチレンジアミンリン酸亜鉛と(B)エチ
レンジアミンリン酸塩及び/又はリン系難燃剤との配合
量の比が重量比で1/10〜10/1のものは非常に優
れた難燃効果を示すため特に好ましい。また、(A)エ
チレンジアミンリン酸亜鉛と(B)エチレンジアミンリ
ン酸塩及び/又はリン系難燃剤との合計配合量と、
(C)1,3,5−トリアジン誘導体の配合量の比は特
に限定されるものではないが、重量比で1/10〜10
/1のものは非常に優れた難燃効果を示すために特に好
ましい。
【0036】本発明の難燃剤には更に金属化合物を併用
してもよい。金属化合物としては特に限定されるもので
はないが、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミ
ニウム、水酸化カルシウム、ヒドロキシスズ酸亜鉛等の
金属水酸化物類や、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化
鉄、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酸化銅、酸
化モリブデン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化
ジルコニア、ほう酸亜鉛、ゼオライト等の金属酸化物類
が挙げられる。
【0037】次に、本発明の難燃性樹脂組成物について
説明する。
【0038】本発明の難燃性樹脂組成物は、樹脂100
重量部に対して本発明の難燃剤を5〜250重量部、特
に好ましくは10〜200重量部配合した組成物であ
る。本発明の難燃剤の配合量が5重量部よりも少ない場
合、難燃効果が不十分になる場合があり、また、250
重量部を超える場合、樹脂の機械物性が低下する場合が
ある。
【0039】樹脂は、用途に応じて特に限定されること
なく使用することができる。例えば、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレ
ン−プロピレン−ジエンモノマー三元共重合体、エチレ
ン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体等のオレフィン系モノマーの単独重合体又は
共重合体であるポリオレフィン、スチレンの単独重合
体、ゴム変性ポリスチレン、ゴムとアクリロニトリル又
は(メタ)アクリレートとスチレンとのグラフト重合体
等のビニル芳香族モノマーを主体とする単独重合体又は
共重合体であるポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル系
樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリアリレート等のポリエステル、6−ナ
イロン、6,6−ナイロン、12−ナイロン、46−ナ
イロン、芳香属ポリアミド等のポリアミド、ポリフェニ
レンエーテル、変性ポリフェニレンエーテル、ポリオキ
シメチレン等のポリエーテル、ポリカーボネート、スチ
レン−共役ジエン共重合体、ポリブタジエン、ポリイソ
プレン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリ
クロロプレン等のゴム、ポリ塩化ビニル等が挙げられ
る。また、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリ
エステル、ポリウレタン等の熱硬化性樹脂も例示され
る。これらの樹脂は単独で用いても複数を混合して用い
てもよい。
【0040】本発明の難燃剤を樹脂に配合する方法は、
エチレンジアミンリン酸亜鉛とエチレンジアミンリン酸
亜鉛以外のリン系難燃剤、又はエチレンジアミンリン酸
亜鉛、エチレンジアミンリン酸亜鉛以外のリン系難燃剤
及び1,3,5−トリアジン誘導体を予め複合化したも
のを樹脂に配合してもよいし、それぞれ別々に樹脂に配
合してもよい。複合化する方法としては特に限定されな
いが、例えばジルコニア、ウレタン樹脂等のボ−ルを用
いたボ−ルミル又は振動ミル、V型ブレンダ−、らいか
い機等による湿式又は乾式の方法で行えばよい。混合時
間は数時間〜数十時間程度で十分である。
【0041】樹脂に難燃剤を配合する方法としては、ロ
ール混練、ニーダ混練、押出し混練、バンバリー混練等
が挙げられるが、特に限定されるものでなく、使用する
樹脂に合った方法で行えばよい。
【0042】上述の方法で本発明の難燃樹脂組成物が製
造できる。
【0043】本発明の難燃性樹脂組成物は、必要に応じ
てその他の添加剤を配合しても何等差し支えない。添加
剤としてはその他の難燃剤、難燃助剤、可塑剤、潤滑
剤、充填剤、酸化防止剤、熱安定化剤、架橋剤、架橋助
剤、帯電防止剤、相溶化剤、耐光剤、顔料、発泡剤、防
カビ剤等が挙げられる。
【0044】
【発明の効果】本発明の難燃剤は難燃効果に優れ、これ
を配合してなる本発明の難燃性樹脂組成物は難燃性、低
発煙性に優れ、有害ガスが発生しない高性能なものであ
る。
【0045】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0046】調製例1 エチレンジアミンリン酸亜鉛の
調製(1) 水800gに75%リン酸80gを添加して調製したリ
ン酸水溶液に硫酸亜鉛7水和物144gを攪拌しながら
溶解させてリン酸亜鉛水溶液を調製した。
【0047】水200gにエチレンジアミン18gを添
加して調製したエチレンジアミン水溶液を上記リン酸亜
鉛水溶液に添加し、25℃で3時間スラリーを均一化し
てエチレンジアミンリン酸亜鉛を晶析させた。晶析後、
ヌッチェろ過にて固液分離し、3000gの水で洗浄し
た後、110℃で16時間乾燥してエチレンジアミンリ
ン酸亜鉛を調製した。得られたエチレンジアミンリン酸
亜鉛のX線回折パターンは上記表1に示す面間隔を含ん
でいた。得られたエチレンジアミンリン酸亜鉛のX線回
折パターンを図1に示す。
【0048】調製例2 エチレンジアミンリン酸亜鉛の
調製(2) 硝酸亜鉛7水和物59.5gを水540gに溶解させ、
この硝酸亜鉛水溶液にエチレンジアミン36g添加して
トリスエチレンジアミン亜鉛錯体水溶液を調製した。
【0049】水180gに85%リン酸23.1gを添
加して調製したリン酸水溶液を上記トリスエチレンジア
ミン亜鉛錯体水溶液に添加し、30℃で1時間スラリー
を均一化してエチレンジアミンリン酸亜鉛を晶析させ
た。晶析後、ヌッチェろ過にて固液分離し、3000g
の水で洗浄した後、110℃で16時間乾燥してエチレ
ンジアミンリン酸亜鉛を調製した。得られたエチレンジ
アミンリン酸亜鉛のX線回折パターンは上記表2に示し
た面間隔を含んでいた。得られたエチレンジアミンリン
酸亜鉛のX線回折パターンを図2に示す。
【0050】実施例1 難燃剤1〜難燃剤3の調整 調製例1で調製したエチレンジアミンリン酸亜鉛、エチ
レンジアミンリン酸塩(J.Amer.Chem.So
c.,77,6513(1955)に従って合成)及び
ポリリン酸アンモニウム(ヘキスト製、商品名「HOS
TAFLAMAP 462」)を、それぞれ重量比で
2:1:1、1:1:1、1:1:2で混合し、難燃剤
1〜難燃剤3を調製した。
【0051】実施例2 難燃剤4〜難燃剤6の調製 調製例1で調製したエチレンジアミンリン酸亜鉛、ポリ
リン酸アンモニウム(ヘキスト製、商品名「HOSTA
FLAM AP 462」)及びメラミンシアヌレ−ト
(日産化学製、商品名「MC−440」)を、それぞれ
重量比で2:1:1、1:1:1、1:2:1で混合
し、難燃剤4〜難燃剤6を調製した。
【0052】実施例3 難燃剤7〜難燃剤9の調製 調製例1で調製したエチレンジアミンリン酸亜鉛、リン
酸メラミン(三和ケミカル製、商品名「MPP−2」)
及びメラミンシアヌレ−トを、それぞれ重量比で2:
1:1、1:1:1、1:2:1で混合し、難燃剤7〜
9を調製した。
【0053】実施例4 難燃性の評価(1) エチレン−エチルアクリレ−ト共重合体(日本石油製、
商品名「レクストロンEEA」グレ−ドA1150)に
所定量の難燃剤を130℃の温度でロ−ル混練後、15
0℃の温度でプレス成形し、難燃性樹脂組成物を調製し
た。
【0054】難燃性の評価はJIS K 7201に規
格化されている酸素指数法による高分子材料の燃焼試験
方法、米国Underwriters Laborat
ories規格のUL94V(試験片の厚さ1/8イン
チ)に従って行った。
【0055】各難燃剤の配合量、難燃性樹脂組成物の難
燃性の評価結果を表3に示す。
【0056】
【表3】
【0057】実施例4 難燃性の評価(2) 低密度ポリエチレン(東ソー製、商品名「ペトロセン2
02」)に所定量の難燃剤を130℃の温度でロール混
練後、150℃の温度でプレス成形し、難燃性樹脂組成
物を調製した。
【0058】難燃性の評価は実施例1と同様の方法で行
った。各難燃剤の配合量、難燃性樹脂組成物の難燃性の
評価結果を表4に示す。
【0059】
【表4】
【0060】実施例5 難燃性の評価(3)及び発煙性
の評価 エチレン−酢酸ビニ−ル共重合体(東ソ−製、商品名
「ウルトラセン635」)に所定量の難燃剤を130℃
の温度でロール混練後、150℃の温度でプレス成形
し、難燃性樹脂組成物を調製した。
【0061】難燃性の評価は実施例1と同様の方法で行
った。各難燃剤の配合量、難燃性樹脂組成物の難燃性の
評価結果を表5に示す。
【0062】
【表5】
【0063】発煙性の評価は米国National B
ureau Standardによって開発された試験
法に従い、フレーミングモードでの最大比視覚密度で評
価した。各難燃剤の配合量、難燃性樹脂組成物の最大比
視覚密度を表5にあわせて示す。
【0064】比較例1〜比較例11 難燃性の評価 エチレン−酢酸ビニ−ル共重合体(東ソ−製、商品名
「ウルトラセン635」)に所定量の難燃剤を実施例4
と同様の方法で配合して難燃性樹脂組成物を調製した。
【0065】各難燃剤の配合量、難燃性樹脂組成物の難
燃性の評価結果を表6に示す。
【0066】
【表6】
【0067】比較例12〜比較例14 発煙性の評価 エチレン−酢酸ビニ−ル共重合体(東ソ−製、商品名
「ウルトラセン635」)に所定量の難燃剤を実施例5
と同様の方法で配合して難燃性樹脂組成物を調製し、発
煙性の評価を実施例5と同様の方法で行った。
【0068】各難燃剤の配合量、難燃性樹脂組成物の難
燃性の評価結果を表7に示す。
【0069】
【表7】
【0070】なお、この発煙性の評価は各難燃剤におい
て難燃性がUL94VでV0判定となる最小の配合量で
実施したものである。本発明の難燃剤は他の難燃剤に比
べて発煙抑制効果に優れた材料であることが分る。
【図面の簡単な説明】
【図1】調製例1で得られたエチレンジアミンリン酸亜
鉛のX線回折パターンを示す図である。
【図2】調製例2で得られたエチレンジアミンリン酸亜
鉛のX線回折パターンを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 5/54 C08K 5/54 C08L 101/00 C08L 101/00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)エチレンジアミンリン酸亜鉛と、
    (B)エチレンジアミンリン酸塩及び/又はリン系難燃
    剤を含有することを特徴とする難燃剤。
  2. 【請求項2】 (A)エチレンジアミンリン酸亜鉛、
    (B)エチレンジアミンリン酸塩及び/又はリン系難燃
    剤、並びに(C)1,3,5−トリアジン誘導体を含有
    することを特徴とする難燃剤。
  3. 【請求項3】 エチレンジアミンリン酸亜鉛が一般式Z
    2282210で表され、かつエチレンジアミン
    リン酸亜鉛のX線回折パターンが少なくとも以下に示さ
    れる面間隔を含んだものであることを特徴とする請求項
    1又は請求項2に記載の難燃剤。
  4. 【請求項4】 エチレンジアミンリン酸亜鉛のX線回折
    パターンが少なくとも以下に示される面間隔を含んだも
    のである請求項1又は請求項2に記載の難燃剤。
  5. 【請求項5】 リン系難燃剤が、赤リン、ポリリン酸ア
    ンモニウム、リン酸エステル、リン酸メラミン、ポリリ
    ン酸メラミン及びリン酸グアニジンからなる群より選ば
    れる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1
    乃至請求項4のいずれかに記載の難燃剤。
  6. 【請求項6】 1,3,5−トリアジン誘導体が、メラ
    ミン、シアヌ−ル酸、シアヌ−ル酸誘導体、イソシアヌ
    −ル酸、イソシアヌ−ル酸誘導体、メラミンシアヌレ−
    ト、及びメラミンイソシアヌレ−トからなる群より選ば
    れる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1
    乃至請求項5のいずれかに記載の難燃剤。
  7. 【請求項7】 樹脂100重量部に対して請求項1乃至
    請求項6のいずれかに記載の難燃剤を5〜250重量部
    配合してなる難燃性樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013084725A1 (ja) * 2011-12-06 2013-06-13 株式会社Adeka 難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物

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