JP3783774B2 - 難燃性印刷用膜材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷性、特にインクジェット印刷性に優れ、難燃性及び防炎性に優れ、高い耐久性を有していて、また、高い防炎性が要求される用途にも利用可能であって、屋内外看板、垂れ幕、カーテン、壁装材、室内装飾材などの用途に適した難燃性印刷用膜材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年パーソナルコンピュータが広く普及し、オフィスをはじめ、一般家庭においても、文書や画像データをカラープリントする機会が一般化している。このようなカラープリントの手段としては、昇華型熱転写プリンター、溶融型熱転写プリンター、レーザープリンター、又はインクジェットプリンターを用いられている。なかでもインクジェットプリンターは、動作時の騒音のレベル、ランニングコストが低いことに加え、目覚ましい技術の進歩によって銀塩写真に迫る出力品質が得られるようになり、急速に普及が進んでいる。その動作原理は、染料、或いは顔料を含む、油性インク又は水性インクを、圧電素子又は発熱素子等により、ノズルを介してインクの小滴を発生、飛散させ、紙やプラスチックシートなどのシート状記録材料表面に付着させることを特徴とするものである。また、インクジェットプリンターでプリントするにあたっては、シート状記録材料の表面に、インクジェットプリンターから射出されたインク小滴を速やかに吸収し、付着したインクの滲みや拡がりを適度に抑える機能を有するインク受理層を有する専用の印刷用シートを使用することが一般的である。
【0003】
インク受理層を形成する方法としては、例えば、特開昭57−102391号公報には、ポリビニルピロリドンとポリビニルブチラールを用いる方法が開示されており、特開平1−186372号公報にはポリアクリルアミド、合成非晶質シリカ、及びポリビニルアルコールを用いる方法が開示されており、特開平2−188287号公報には超微粒子状無水シリカとカチオン性ポリマーを用いる方法が開示されており、特開平4−270679号公報には水凝固されたウレタン樹脂からなる表面被膜を付与する方法が開示されており、特開平7−9757号公報にはポリアルキレンオキサイド共重合体を用いる方法が開示されており、特開平7−316991号公報にはインク受理層中のミクロポーラス密度を25〜550個/500μm平方に調整する方法が開示されているなど、様々な技術が提案されている。
【0004】
産業分野においても、印字幅が1mを超えるワイドフォーマットインクジェットプリンターが数多く市販されるようになり、オフセット印刷のように製版工程を必要とせず、作製部数が少ない場合でも低コストでプリントが得られるというメリットを活かして、屋内外看板、垂れ幕、壁装材、室内装飾材などを製作する手段の一つとして急速に普及している。また一般家庭向けに使用されるインクジェット記録用シートのほとんどは、紙又はポリエステルなどのプラスチックフィルムをベースとしたものである。印刷物が垂れ幕や室内装飾材などの産業用途向けに使用される場合には、印刷物に高い耐久性が求められるため、折れ皺が発生し易く、破れ易いなどの問題を抱える紙やプラスチックフィルム基材を含む印刷用シートはこれらの用途には適当でなく、多くの場合、風合いと強度に優れた、繊維布帛、あるいは繊維布帛の表面に合成樹脂被覆層が形成されているターポリンを基材とする印刷用膜材が用いられている。
【0005】
このような繊維布帛を用いる産業用途向けの膜材は、高層ビル、地下街、劇場、展示場、ホテル等の場所で使用される場合、用途に応じてテント類、幕類、カーテン類等に分類され、それぞれ消防法で定められた防炎性試験に合格することが義務付けられており、施工にあたっては所要防炎性能に適合した膜材を選択しなければならない。しかしながら、一般のポリエステル繊維布帛を含む印刷用膜材では、難燃性が低く、防炎性試験に適合できない。膜材に防炎性能を付与するにあたっては、基材(繊維基布、ターポリンなど)の組成だけでなく、インク受理層の組成にも配慮する必要がある。特にインク受理層に関しては、単にこれに難燃性化合物を配合しただけでは、印刷性の低下が大きく、実用に耐えうる印刷用膜材は得られない。
【0006】
一方、本発明者らは、特開2000−135859号公報において、インク受理層中にリン酸エステル系難燃剤を添加することによって優れた防炎性と印刷性を両立できることを開示したが、この技術では屋外で長期間使用した時の防炎耐久性が十分でないという問題があった。また、難燃性化合物として広く用いられている含臭素有機化合物は、難燃性を付与する目的においては優れた効果を有しているが、しかし耐光性が劣るため、難燃性を発現するに必要量の難燃剤を添加すると、得られた印刷用膜材は、屋外で使用されたときに黄変が目立つという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、印刷性、特にインクジェット印刷に対する適性に優れ、高い難燃性及び防炎性を有し、しかも優れた耐候・耐久性を有する難燃性印刷用膜材を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の難燃性印刷用膜材は、繊維布帛を含むシート状基材、及び前記シート状基材の少なくとも一面上に形成され、かつ樹脂バインダーを含むインク受理層を含み、前記インク受理層が、樹脂バインダー100質量部に対して、(1)平均粒子径が1μm〜10μmの無機顔料及び有機顔料から選ばれた少なくとも1種10〜200質量部と、(2)メラミンシアヌレート又はメラミンイソシアヌレート、及びタンパク質粉末の組み合わせからなる難燃化剤5〜150質量部とを含むことを特徴とするものである。
本発明の難燃性印刷用膜材において、前記インク受理層に含まれる樹脂バインダーが、ポリビニルアルコール系樹脂、ウレタン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂から選ばれた1種以上を含む、ことが好ましい。
本発明の難燃性印刷用膜材において、前記インク受理層が、ポリ燐酸アンモニウム化合物、前記メラミンシアヌレート及びメラミンイソシアヌレートとは異なるトリアジン誘導体化合物、リン酸エステル系化合物、含臭素有機化合物、水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウムから選ばれた少なくとも1種をさらに含んでいてもよい。
本発明の難燃性印刷用膜材において、前記インク受理層が、カチオン性ポリマーをさらに含んでいてもよい。
本発明の難燃性印刷用膜材において、前記インク受理層が、オキサゾリン系化合物、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物カルボジイミド系化合物、及びカップリング剤から選ばれた少なくとも1種からなる架橋剤をさらに含んでいてもよい。
本発明の難燃性印刷用膜材において、前記リン酸エステル系化合物が、オリゴマー状芳香族リン酸エステル系化合物から選ばれることが好ましい。
本発明の難燃性印刷用膜材において、前記樹脂バインダーが、ポリビニルアルコール系樹脂とウレタン系樹脂との、固形分質量比率が90:10〜10:90であるブレンドを含むことが好ましい。
本発明の難燃性印刷用膜材において、前記シート状基材が、前記繊維布帛の少なくとも1面を被覆し、かつ難燃性合成樹脂及び難燃剤含有合成樹脂から選ばれた少なくとも1員をさらに含む樹脂被覆層を含んでいてもよい。
本発明の難燃性印刷用膜材において、前記シート状基材用繊維布帛が、天然有機繊維、無機繊維、再生繊維、半合成繊維及び合成繊維から選ばれた少なくとも1種の繊維を含むことが好ましい。
本発明の難燃性印刷用膜材において、前記シート状基材用繊維布帛が、難燃化処理されたものであってもよい。
本発明の難燃性印刷用膜材において、前記シート状基材用繊維布帛が、綿、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維及びビニロン繊維から選ばれた1種以上を含むことが好ましい。
本発明の難燃性印刷用膜材において、前記シート状基材用繊維布帛に含まれる綿またはポリエステル繊維が、難燃化処理されたものであってもよい。
本発明の難燃性印刷用膜材において、前記シート状基材用繊維布帛に含まれる再生繊維、半合成繊維及び合成繊維が、それに混入された難燃剤を含有していてもよい。
本発明の難燃性印刷用膜材において、前記シート状基材用繊維布帛に含まれる天然有機繊維、再生繊維、半合成繊維及び合成繊維が、難燃化処理されたものであってもよい。
本発明の難燃性印刷用膜材において、前記シート状基材用繊維布帛が、難燃性レーヨン繊維、難燃性アクリル繊維、難燃性ビニロン繊維、ポリクラール繊維、難燃性ポリエステル繊維、及び難燃性ポリウレタン繊維から選ばれることが好ましい。
本発明の難燃性印刷用膜材において、前記シート状基材及び前記インク受理層の少なくとも一層が、紫外線吸収剤及び防カビ剤から選ばれた少なくとも1種を含んでいてもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明者は、従来技術の上記問題点について鋭意検討した結果、樹脂バインダー及び無機または有機微粒子を主成分として含むインク受理層に、ポリリン酸アンモニウム系化合物、トリアジン誘導体化合物、及びタンパク質粉末から選ばれた少なくとも1種を添加することによって、難燃性と印刷性との両方に優れ、しかも耐候・耐久性を著しく向上し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。これらの化合物は、他の難燃性化合物と比較して難燃性付与効果に優れ、少量の添加量で、インク受理層の上記性能を著しく高めることができる。また、理由は未だ十分には明らかでないが、上記添加剤は、他の難燃性化合物と比較して、印刷発色性の低下が少なく、良好な印刷性を維持することができるという特性を有している。
【0010】
本発明の難燃性印刷用膜材において、インク受理層に用いることができる樹脂バインダー用樹脂としては、酸化デンプン、エーテル化デンプンなどのデンプン類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース類、カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク等の天然または半合成水溶性高分子化合物類、ポリビニルアルコール及びその誘導体、ポリエチレンオキサイド系、アクリル酸系、無水マレイン酸系、ポリアクリルアミド系、ポリビニルピロリドン系、ポリアミン系等の合成水溶性高分子化合物類、アクリル酸エステル系、ポリアミド系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリビニルブチラール系、エポキシ系、ポリオレフィン系等の合成高分子化合物類、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系重合体数のラテックス、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの重合体または共重合体等のアクリル系重合体のラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体のラテックス、さらに、これらの各種重合体に、カチオン性基、シラノール基、シリル基などの官能基を付与して得られる官能基変性重合体類、などを用いることができる。これらのバインダー用樹脂は、単独に、あるいは2種以上を混合して用いても良い。とくにポリビニルアルコール系樹脂、ウレタン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂から選ばれ1種以上を用いることが好ましい。
【0011】
本発明の難燃性印刷用膜材のインク受理層に用いられるバインダー用樹脂において、ポリビニルアルコール系樹脂としては、酢酸ビニル樹脂をケン化することによって得られ、ケン化度80%以上、重合度500〜4000のポリビニルアルコール樹脂を用いることができ、また、共重合体変性ポリビニルアルコールを用いてもよい。変性ポリビニルアルコールとしては、アクリル酸、MMA、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸またはそのエステルを酢酸ビニルと共重合しケン化することによってCOONa基を導入したカルボキシル変性ポリビニルアルコール、シラノール基が導入されているシラノール変性ポリビニルアルコール、及びカチオン基が導入されているカチオン変性ポリビニルアルコールなどを挙げることができる。
【0012】
ポリウレタン系樹脂としては、高分子ポリオールとポリイソシアネート、及び必要により鎖延長剤を反応させて得られた樹脂を用いることができる。このようなウレタン系樹脂に用いられる高分子ポリオールとしては、分子鎖の両末端に水酸基を有するポリエステル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール、ポリエステルアミドポリオール、あるいはアクリレート系ポリオールなどを用いることができる。親水性を付与する目的で、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール等を前記ポリオール成分と混用してもよい。ポリイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの脂環式ポリイソシアネートを用いることができる。鎖延長剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコールなどの低分子ポリオール、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどの脂肪族ポリアミン、ピペラジン、1,4−ジアミノピペラジン、1,3−シクロヘキシレンジアミンなどの脂環式ポリアミン、ジフェニルメタンジアミン、トリレンジアミン、フェニレンジアミンなどの芳香族ポリアミン、エタノールアミン、プロパノールアミンなどのアルカノールアミンなどを用いることができる。とくにポリイソシアネート成分として脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネートを用いたウレタン系樹脂は、紫外線曝露によって黄変することがなく耐候性が良好なので好適である。また、前記ウレタン系樹脂として、カチオン基が導入されているウレタン系樹脂を用いてもよい。カチオン基を導入する方法としては、高分子ポリオールとポリイソシアネートから得られるウレタンプレポリマーを、N−メチルジエタノールアミン等の3級アミノ基を有する鎖延長剤で高分子化し、ポリマーの主鎖に導入された3級アミノ基を有機または無機酸で中和する方法、ジエチレントリアミンなどのポリアルキレンポリアミンで鎖延長し、エピクロルヒドリンを反応させた後に、残存するアミノ基を酸で中和する方法などを例示できる。3級アミノ基をもつウレタン系樹脂は、ヨウ化メチルやジメチル硫酸などの4級化剤で4級化されていてもよい。
【0013】
前記アクリル系樹脂としては、(メタ)アクリル酸エステルから選ばれた1種以上からなる重合体、及びこれらと共重合可能な重合性二重結合を有する単量体の1種以上との共重合体が用いられる。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレートなどのアルキルアルコールと(メタ)アクリル酸のエステルを用いることができる。
重合性二重結合を有する単量体としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸などのカルボキシル基含有単量体、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、アリルアルコール、ヒドロキシプロピルビニルエーテルなどの水酸基含有単量体、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルなどのエポキシ基含有単量体、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ビニルピリジンなどのアミノ基含有単量体、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどのアミド基含有単量体、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなどの脂肪族カルボン酸ビニルエステル、エチルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテルなどの脂肪族ビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、スチレン、ブタジエン、アクリロニトリルなどを用いることができる。
アクリル系樹脂は、乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法、塊状重合法など、いずれの重合法で得られたものでもよい。
【0014】
前記エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂としては、高圧法のラジカル共重合方式で製造され、酢酸ビニル成分含有率が比較的低い共重合体樹脂、及び低圧溶液重合法で製造され、酢酸ビニル成分含有率の比較的高い共重合体樹脂のいずれを用いても良い。エチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂中に占める酢酸ビニル成分含有率は、50〜95質量%であることが好ましい。また、エチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂としては、酢酸ビニル成分含有率が前記範囲内にあるものを、単独で用いてもよいし、また、酢酸ビニル成分含有率の異なる共重合体の2種以上を混合して用いてもよい。
【0015】
前記ポリエステル系樹脂としては、ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と、ジオールまたはそのエステル形成性誘導体とをエステル化し、重縮合させることによって得られる樹脂を用いることができる。また、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンなどの環状エステルやラクチドの開環重合によって得られる脂肪族ポリエステル系樹脂を用いてもよい。前記ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸及びこれらのエステル形成性誘導体、アジピン酸、コハク酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸及びこれらのエステル形成性誘導体、p−ヒドロキシ安息香酸、p−(β−ヒドロキシエトキシ)安息香酸等のヒドロキシカルボン酸及びこれらのエステル形成性誘導体などから選ばれた1種以上を用いることができる。また、親水性を付与する目的で、例えば、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−アンモニウムスルホイソフタル酸、4−ナトリウムスルホイソフタル酸、4−メチルアンモニウムスルホイソフタル酸などを、前記ジカルボン酸成分と併用してもよい。
また前記、ポリオール成分としては、脂肪族、芳香族並びに脂環式ポリオールのいずれであってもよく、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジプロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、キシリレングリコール、ジメチロールプロピオン酸、グリセリン、トリメチロールプロパン、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールなどから選ばれた1種以上を用いることができる。また、親水性を付与する目的で、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール等をジオール成分と併用してもよい。
【0016】
本発明の難燃性印刷用膜材において、インク受理層には、ウレタン系樹脂が樹脂バインダーの固形分合計質量に対して10%以上含まれることが好ましい。ウレタン系樹脂は、ポリ燐酸アンモニウム系化合物、トリアジン誘導体化合物、及び/又はタンパク質粉末と組み合わせたときの難燃性発現効果がとくに高く、本発明において好適に用いられる。とくに、ウレタン系樹脂とポリビニルアルコール系樹脂とのブレンドは、印刷性と難燃性のバランスがよく、本発明の難燃性印刷用膜材において好適に組み合わされる。このときのウレタン系樹脂とポリビニルアルコール系樹脂の固形分質量比率は、90:10〜10:90であることが好ましく、70:30〜30:70であることがさらに好ましい。
【0017】
本発明の難燃性印刷用膜材において、インク受理層に用いられる無機顔料としては、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、合成非晶質シリカ、アルミナ、リトボン等から選ぶことができる。とくに合成非晶質シリカ、及び/又は炭酸カルシウムを用いることが好ましい。非晶質合成シリカとしては、湿式沈降法、あるいはゲル法によって製造された合成非晶質シリカが好適に用いられる。これら無機顔料は、単独に、あるいは2種以上を混合して用いてもよい。インク受理層用有機顔料としては、スチレン系ビーズ、アクリル系ビーズ、ナイロン系ビーズ、キトサン系ビーズ、セルロース系ビーズ、尿素樹脂系ビーズなどの多孔質樹脂を用いることができる。これらの有機顔料は、単独に、あるいは2種以上を混合して用いてもよい。もちろん無機顔料と有機顔料を混合して用いてもよい。これらの顔料はインク受理層のインク吸収性を向上させる目的で配合され、平均粒子径が1〜10μmのものが好ましく使用される。尚、非晶質合成シリカの場合の平均粒子径とは、2次粒子径を指すものとする。これらの顔料の平均粒子径が1μm未満では十分なインク吸収性が得られず、それが10μmを超えるとインク受理層のインク吸収性と被膜強度の両方が低下してしまう。これらの顔料のインク受理層中への配合量は、バインダー樹脂100質量部に対して、10〜200質量部であり、より好ましくは、50〜150質量部である。顔料の含有量が10部未満では十分なインク吸収性が得られず、またそれが200質量部を超えると、インク受理層の被膜強度が低下し、脆くなるため、印刷用膜材として使用した時にシート状基材の変形に追随できずインク受理層に亀裂や剥がれが生じやすくなる。
【0018】
本発明の難燃性印刷用膜材において、インク受理層には、それに難燃性を付与することを目的として、メラミンシアヌレート又はメラミンイソシアヌレート及びタンパク質粉末の組み合わせからなる難燃化剤が含有されている。
【0019】
前記難燃化剤に、必要によりポリ燐酸アンモニウム系化合物、前記メラミン(イソ)シアヌレートとは異なるトリアジン誘導化合物の1種以上を含む難燃助剤が混用されていてもよい。
前記ポリ燐酸アンモニウム系化合物としては、好ましくはオルソ燐酸アンモニウム尿素との縮合生成物が用いられる。ポリ燐酸アンモニウム系化合物はこのまま用いてもよいが、メラミンなどで表面を被覆されたもの、あるいはマイクロカプセル化されたものを用いることが、得られる印刷用膜材の耐久性を向上させるために好ましい。本発明に用いられるポリ燐酸アンモニウム系化合物は、粒径20μm以下の粉末状を呈した性状のものであることが好ましく、この粒径は15μm以下であることがより好ましい。粒径が小さいほうがインク受理層中のポリ燐酸アンモニウム系化合物の分散状態が均質になるので、より安定した難燃性付与効果が得られる。粒径が20μmを超えるとインク受理層の平滑性が低下してしまうことがある。
【0020】
メラミンシアヌレートまたはメラミンイソシアヌレート(以下、これをメラミン(イソ)シアヌレートと記す)メラミンとシアヌール酸またはイソシアヌール酸(シアヌール酸は2つの互変異性体があり、化学的には、エノール型をシアヌール酸と称し、ケト型をイソシアヌール酸と呼んでいる。)との反応により得られるものであって、本発明の難燃性印刷用膜材に好適に用いられるメラミン(イソ)シアヌレートとは異種の前記トリアジン誘導体化合物としては、2−メチル−4,6−ジアミノートリアジン、メラミン、硫酸メラミン、燐酸メラミン、ポリ燐酸メラミン、メチロールメラミン、シアヌール酸トリメチルエステル、シアヌール酸トリエチルエステル、アンメリン、アンメリド、グアナミン、ベンゾグアナミンなどを用いることができる。本発明に用いられるメラミン(イソ)シアヌレート及び異種トリアジン誘導体化合物は、粒径20μm以下の粉末状を呈した形状のものであることが好ましく、15μm以下であることがより好ましい。粒径が小さいほうがインク受理層中のメラミン(イソ)シアヌレート及び異種トリアジン誘導体化合物の分散状態が均質になるので、より安定した難燃性付与効果が得られる。その粒径が20μmを超えるとインク受理層の平滑性が低下してしまうことがある。
【0021】
前記タンパク質粉末としては、皮革粉末(コラーゲン粉末)及び絹粉末から選ばれた1種以上を用いることができる。意外にもこれらのタンパク質粉末がインク受理層に添加されていると、火炎に接触したときインク受理層が速やかに炭化され、難燃性が向上する。また、これらのタンパク質粉末は吸湿性に富んでおり、インク受理層に添加されたときにインク吸収性が向上するという利点も有している。タンパク質粉末は、特開平8−113714号公報に開示されているように、皮革屑や絹フィプロイン原料を粉砕することによって得ることができる。本発明に用いられるタンパク質粉末の好ましい粒径は、20μm以下であり、より好ましくは15μm以下である。粒径が小さいほうがインク受理層中のタンパク質粉末の分散状態が均質になるので、より安定した難燃性付与効果が得られる。粒径20μmを超えるとインク受理層の平滑性が低下してしまうことがある。
【0022】
メラミンシアヌレート又はメラミンイソシアヌレート及びタンパク質粉末の組み合わせからなる難燃化剤の添加量は、インク受理層中の樹脂バインダー100質量部に対して、5〜150質量部であり、より好ましくは、10〜120質量部である。その添加量が5質量部未満では、十分な難燃性を得ることができず、またその添加量が150質量部を超えると、印刷性が低下することに加え、コスト高となる。
【0023】
本発明の難燃性印刷用膜材において、インク受理層には、前記難燃化剤とともに、難燃助剤として、リン酸エステル系化合物、含臭素有機化合物、水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウムから選ばれた1種以上を含む難燃助剤を含んでいてもよい。これらを添加すると、インク受理層中に添加された前記難燃化剤と前記難燃助剤との相乗効果により、より効果的に難燃性を付与することができる。難燃助剤用リン酸エステル系化合物としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリプロピルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリペンチルホスフェート、トリヘキシルホスフェート、ジメチルエチルホスフェート、メチルジブチルホスフェートなどの鎖状アルキルリン酸エステル、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、ジフェニルオクチルホスフェート、p−ベンジルフェニルホスフェート、ヒドキシフェニルジフェニルホスフェートなどの芳香族リン酸エステル化合物、トリスクロロエチルホスフェート、トリスジクロロプロピルホスフェート、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリス(ジブロモフェニル)ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチルホスフェート)などの含ハロゲンリン酸エステル、及びこれら化合物のオリゴマー状縮合体などを用いることができる。
【0024】
とくに、下記一般式(1)で例示されるオリゴマー状芳香族リン酸エステル縮合体が本発明に好適に利用される。
【化1】
Figure 0003783774
前記式(1)中、nは1〜10の整数を表し、R1 〜R4 は、各々互に独立にフェニル基、トリル基、又はキシリル基を表し、R5 は単核又は多核芳香族基、例えばヒドロキノン、レゾルシノール、ジフェニロールメタン、ジハイドロキシジフェニルなどのフェニレン誘導体基、ビスフェノールA、ビスフェノールSなどのビスフェノール誘導体基を表す。
式(1)の化合物は、具体的には、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)、ビスフェノールAテトラフェニルジホスフェート、ビスフェノールAテトラクレジルジホスフェート、1,3−フェニレンビス(ジフェニルホスフェート)、レゾルシノールジホスフェート、及びトリオキシベンゼントリホスフェートなどを包含する。
【0025】
前記難燃助剤用含臭素有機化合物のうち、臭素置換有機系化合物としては、デカブロモジフェニル、ペンタブロモエチルベンゼン、デカブロモジフェニルオキサイド、ペンタブロモシクロヘキサン、ビストリブロモフェノキシエタン、トリブロモフェノール、エチレンビスペンタブロモジフェニル、ヘキサブロモベンゼン、ヘキサブロモシクロドデカン、オクタブロモナフタリン、テトラブロモビスフェノールA及びその誘導体、テトラブロモビスフェノールS及びその誘導体、テトラブロモ無水フタル酸などの無水フタル酸誘導体、並びにトリブロモフェニルグリシジルエーテル、トリブロモフェニルアクリレート、エチレンビストリブロモフェニルエーテル、テトラデカブロモジフェノキシベンゼン、1,2−ビス(トリブロモフェノキシ)エタン、及びトリス(2,4,6−トリブロモフェノキシ)イソシアヌレートなどが挙げられる。
水酸化アルミニウムとしては、その製造方法に格別の制限はないが、例えば、ボーキサイトを原料としたバイヤー法でつくられたものを用いることができる。水酸化アルミニウムは、表面処理のないもの、または高級脂肪酸やカップリング剤等で表面処理されたもののいずれを用いてもよい。
水酸化マグネシウムとしては、その製造方法に格別の制限はないが、例えば、海水中のマグネシウムに水酸化カルシウムを添加し、水酸化マグネシウムを製造する方法でつくられたものを用いることができる。水酸化マグネシウムは、表面処理のないもの、または高級脂肪酸やカップリング剤等で表面処理されたもののいずれを用いてもよい。
【0026】
これらの難燃助剤の添加量は、リン酸エステル系化合物及び/又は含臭素有機化合物を用いる場合には、樹脂バインダー100質量部に対して1〜30質量部であることが好ましい。それが1質量部未満では、前記難燃化剤と、難燃助剤との相乗効果が十分に得られず、またそれが30質量部を超えて添加すると、屋外使用時の防炎耐久性、耐候性が低下することがあり、さらに印刷性が低下することがある。また、水酸化アルミニウム及び/又は水酸化マグネシウムを用いる場合には、樹脂バインダーに対して1〜50質量部であることが好ましい。それが1質量部未満では、前記難燃化剤との相乗効果が十分に得られず、またそれが50質量部を超えて添加すると、インク受理層の被膜強度が低下することがあり、さらに印刷性が低下することがある。難燃助剤が固体を呈している場合には、粒径が20μm以下の粉末状のものを選択することが好ましい。
【0027】
また、インク受理層の印刷性が損なわれない範囲内において、上記難燃化剤及び難燃助剤以外の難燃性化合物を添加してもよい。このような難燃性化合物としては、例えば、ジシアンジアミド、ジシアンジアミジシン、グアニジン、スルファミン酸グアニジン、燐酸グアニジン、及びジグアニドなどのシアナミド誘導体、あるいは尿素、ジメチロール尿素、ジアセチル尿素、トリメチル尿素、N−ベンゾイル尿素、及び燐酸グアニル尿素などの尿素誘導体、このほか、無機系難燃性化合物として、四硼酸ナトリウム、燐酸マグネシウム、二燐酸ナトリウム、燐酸亜鉛などの結晶水を持つ無機水和物、メタ錫酸、錫酸亜鉛、ヒドロキシ錫酸亜鉛などの錫系化合物、硼酸、硼酸亜鉛、硼酸アルミニウムなどの硼酸化合物、三酸化アンチモンなどを用いられることができる。
【0028】
本発明の難燃性印刷用膜材において、インク受理層に用いられるカチオン性ポリマーとしては、カチオン性基として、1級、2級および3級アミノ基、ならびに4級アンモニウム塩基を含む重合体、あるいは共重合体を用いることができる。このようなカチオン性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンイミン塩、ジメチルアミンエピハロヒドリン縮合体、ポリビニルアミン塩、ポリアリルアミン塩、ポリジアリルアルアミン塩、ポリアルキレンポリアミン類の塩、ポリジアリルジメチルアンモニウム塩、及びポリジアリルアミン−アクリルアミド共重合体の塩等が挙げられる。とくに、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどの3級アミノ基を有するカチオン性モノマーを単独で重合し、または他の共重合性モノマーと共重合させて得られた重合体、あるいは3級アミノ基を有するジオール、トリオール、ジアミンまたはトリアミン化合物をポリオール化合物とジイソシアネート化合物に反応させて得られるウレタン重合体を酸で中和するか、又は4級化剤によって4級化で得られたカチオン性ポリマーが好適である。
【0029】
このとき中和に用いられる酸としては、例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸、クエン酸等の有機酸類、あるいは、塩酸、リン酸、亜リン酸、硝酸等の無機酸類が挙げられる。また前記4級化剤としては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロロヒドリン、エピプロモヒドリン等のエポキシ化合物、またはジメチル硫酸、ジエチル硫酸、パラトルエンスルホン酸メチル等の硫酸化物、またはメチルクロライド、エチルクロライド、ベンジルクロライド、メチルブロマイド、エチルブロマイド等のハロゲン化アルキル類を用いることができる。
また前記カチオン性ポリマーは、染料を含むインクを用いて印刷したときに、染料分子に含まれるスルホン酸基、及び/又はカルボン酸基とイオン結合することにより染料のインク受理層への定着を促進し、インク画像の耐水性を向上させる目的で用いられる。とくに4級アンモニウム塩基を含む重合体が好適である。インク受理層へのカチオン性ポリマーの配合量は、バインダー樹脂100質量部に対して、40質量部以下である。それが40質量部を超えても定着効果に大きな向上はなく、コスト的に不利なばかりか、難燃性が低下することがある。
【0030】
本発明の難燃性印刷用膜材において、インク受理層の耐久性を高めることを目的として、インク受理層にオキサゾリン系化合物、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物、カルボジイミド系化合物、及びカップリング剤から選ばれた少なくとも1種の架橋剤を添加することができる。これによりインク受理層の塗膜強度、耐候性、難燃剤の耐水性及び耐移行性、さらにはシート状基材との密着性を向上させることができる。
【0031】
本発明のインク受理層に用いられるオキサゾリン系化合物としては、オキサゾール−4−カルボン酸の脱炭酸反応により得られるオキサゾールを原料として用い、これから誘導、生成される化合物が挙げられる。例えば、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンをスチレン、又はアクリル系化合物などのビニル重合性モノマーと共重合することによってオキサゾリン基がペンダントされた反応性ポリマーを得ることができる。また、種々のポリマーにオキサゾリン基をグラフトして得られる多官能オキサゾリンポリマーであってもよい。このようなオキサゾリン系化合物の具体例としては、エポクロスWS−500(商品名、日本触媒(株)製造、主鎖組成:アクリル)、エポクロスK−1020E(商品名、日本触媒(株)製造、主鎖組成:アクリル/スチレン)、エポクロスRPS−1001(商品名、日本触媒(株)製造、主鎖組成:スチレン)、NKアシストOX(商品名、日華化学(株)製造)等が挙げられる。
【0032】
前記架橋剤用エポキシ系化合物としては、フェノール類、またはアルコール類とエピクロルヒドリンとの重縮合によって得られるグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、例えばビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの重縮合によって得られるビスフェノールA型エポキシ樹脂などを用いることができる。特にフェノール誘導体としてフェノールノボラックを使用した多官能グリシジルエーテル型エポキシ樹脂などが3次元編目構造を生成するための架橋剤として好ましく使用できる。その他、カルボン酸類とエピクロルヒドリンとの重縮合によって得られるグリシジルエステル型エポキシ樹脂、アミン類または、シアヌール酸類、または、ヒダントイン類などとエピクロルヒドリンとの重縮合によって得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、及び脂還式エポキシ樹脂などを用いてもよい。これらのエポキシ系化合物は、ポリアミン、変性ポリアミン、酸無水物、イソシアネート、ポリメルカプタン及び有機酸などの重付加型硬化剤、3級アミン、イミダゾール、ルイス酸、ブレンステッド酸塩などの触媒型硬化剤、レゾール型フェノール樹脂、メチロール基含有尿素樹脂、メチロール基含有メラミン樹脂などの縮合型硬化剤などと併用してもよい。
【0033】
架橋剤用カルボジイミド系化合物としては、有機ジイソシアネートを、ホスホレン化合物、金属カルボニル錯体化合物、及び燐酸エステルなどのように、カルボジイミド化を促進する触媒の存在下に、反応させることにより得られたものが好適に用いられる。例えば、ジプロピルカルボジイミド、ジヘキシルカルボジイミド、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジ−P−トルオイルカルボジイミド、及びトリイソプロピルベンゼンポリカルボジイミドなどを用いることができる。とくに、トリイソプロピルベンゼンポリカルボジイミドなどのように多官能カルボジイミドが好ましい。
【0034】
架橋剤用イソシアネート系化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、及びリジンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート類、イソホロンジイソシアネート、及び水添トリレンジイソシアネートなど脂還式ジイソシアネート類、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、及びキシレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート類、トリス(ヘキサメチレンイソシアネート)イソシアヌレート、及びトリス(3−イソシアネートメチルベンジル)イソシアヌレートなどのイソシアヌレート類、並びに前記イソシアネート系化合物のイソシアネート基末端をフェノール類、オキシム類、アルコール類、又はラクタム類等のブロック化剤でブロックして得られるブロックイソシアネート系化合物類、あるいは、前記イソシアネート系化合物のイソシアネート基の一部にエチレングリコールなどの親水性単量体を付加した変性イソシアヌレート系化合物類、などを用いることができる。
【0035】
架橋剤用カップリング剤としては、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、ジルコニウム系化合物、アルミニウム系カップリング剤、及びジルコアルミニウム系カップリング剤から選ばれた少なくとも1種からなるものが用いられる。
シラン系カップリング剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、及びN−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノシラン類、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、及びγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどのエポキシシラン類、ビニルトリエトキシシラン、及びビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シランなどのビニルシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプトシラン類などを用いることができる。
【0036】
チタン系カップリング剤としては、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、及びテトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタンなどのアルコキシ類、トリ−n−ブトキシチタンステアレート、及びイソプロポキシチタントリステアレートなどのアシレート類などを用いることができる。
ジルコニウム系カップリング剤としては、例えば、テトラブチルジルコネート、テトラ(トリエタノールアミン)ジルコネート、及びテトライソプロピルジルコネートなどを用いることができる。
アルミニウム系カップリング剤としては、例えば、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレートなどを用いることができる。また、ジルコアルミニウム系カップリング剤としては、テトラプロピルジルコアルミネートなどを用いることができる。
【0037】
これら架橋剤の添加量は、インク受理層中の樹脂バインダー100質量部に対して、0.5〜30質量部であることが好ましい。0.5質量部未満では十分な架橋効果が発現せず、目的とする塗膜強度、耐候性、難燃剤の耐水性及び耐移行性を向上させることができないことがある。また、それが30質量部を超えて添加しても添加量に見合う効果が得られないばかりでなく、インク受理層のインク吸収性低下を招くことがある。
【0038】
本発明の難燃性印刷用膜材において、インク受理層には、防カビ剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、着色剤、分散剤、増粘剤、撥水剤、界面活性剤などの各種添加剤を必要に応じて配合することができる。
【0039】
本発明の難燃性印刷用膜材において、シート状基材にインク受理層を形成する手段としては、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ナイフコーター、ロールコーター、カーテンコーター、バーコーター、グラビアコーター、コンマコーター等が利用できる。あるいは、塗工液を含浸させたのちマングルロールにより絞りを加える方法、すなわちディップ−ニップ法を利用してもよい。
本発明の印刷用膜材におけるインク受理層の付着量は、5〜50g/m2 であることが好ましい。それが5g/m2 未満では、インクの吸収性が十分でなく、印刷用膜材としての利用価値が失われてしまうことがある。またそれが、50g/m2 を超えた場合には、インクがインク受理層に深く浸透しすぎて発色が低下し、またコスト的にも不利になることがある。
【0040】
本発明の難燃性印刷用膜材において、シート状基材用いられる繊維布帛は、天然繊維、例えば木綿、麻など、無機繊維、例えばガラス繊維、炭素繊維、金属繊維など、再生繊維、例えばビスコースレーヨン、キュプラなど、半合成繊維、例えば、ジ−及びトリアセテート繊維など、及び合成繊維、例えば、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド繊維、ケブラーなどのアラミド繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル繊維(飽和ポリエステル繊維)及びポリ乳酸繊維などの脂肪族ポリエステル繊維、ポリアリレート繊維、芳香族ポリエーテル繊維、ポリイミド繊維、アクリル繊維、ビニロン繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維などのポリオレフィン繊維及びポリ塩化ビニル繊維、などから選ばれた少なくとも1種からなる布帛から選ぶことができる。
【0041】
繊維布帛を形成する合成繊維は、必要に応じて難燃性合成繊維から選ばれてもよく、例えば、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、フッ素繊維、アラミド繊維、ノボロイド繊維、ポリアリレート繊維、ポリベンズイミダゾール繊維、ポリフェニレントリアゾール繊維、ポリオキサジアゾール繊維、ポリイミド繊維、ポリアミドイミド繊維、ポリエーテルイミド繊維、ポリエーテルエーテルケトン繊維、ポリフェニレンオキサイド繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、ポリバラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、ポリバラフェニレンベンゾビスチアゾール繊維などから選ばれた1種以上を用いることができる。難燃性合成繊維の具体例としては、塩化ビニル繊維、例えばテビロン(帝人)、ビクロン(呉羽化学)など、塩化ビニリデン繊維、例えばサラン(旭ダウ)、クレハロンなど、フッ素繊維、例えばテフロン(デュポン)、トヨフロン(東レ)など、アラミド繊維、例えばコーネックス(帝人)、ケブラー(デュポン)など、ノボロイド繊維、例えばカイノール(日本カイノール)、ポリアリレート繊維、例えばベクトラン(クラレ)など、ポリベンズイミダゾール繊維、例えばPBI(セラニーズ)など、ポリイミド繊維、例えばカプトン(デュポン)など、ポリアミドイミド繊維、例えばKermel(ローヌプーラン)など、ポリエーテルイミド繊維、PEI(帝人)など、ポリエーテルエーテルケトン繊維、PEEK(帝人)など、ポリフェニレンオキサイド繊維、例えばTenax(アクゾ)など、ポリフェニレンサルファイド繊維、例えばKPS(呉羽化学)など、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、例えばザイロン(東洋紡)など、が挙げられる。
【0042】
本発明の難燃性印刷用膜材において、シート状基材に用いられる繊維布帛用再生繊維、半合成繊維及び合成繊維は、それに混入された難燃剤を含有しているものであってもよい。このような難燃性改質繊維としては、例えば、難燃性レーヨン繊維、難燃性アクリル繊維、難燃性ビニロン繊維、ポリクラール繊維、難燃性ポリエステル繊維、難燃性ポリウレタン繊維など、からなる難燃性改質繊維群を例示することができる。難燃性改質繊維の具体例としては、難燃性レーヨン繊維、例えばりん系難燃剤をブレンドし紡糸して得られるベルフレーム(鐘紡)、トビレン(東邦レーヨン)など、難燃性アクリル繊維、例えばアクリルニトリルと塩化ビニルあるいは塩化ビニリデンを共重合して作られるカネカロン(鐘淵化学)、ルフネン(鐘紡)、エクスランNX(東洋紡)など、難燃性ビニロン繊維、例えばバイナール(クラレ)など、ポリクラール繊維、例えばポリビニルアルコールを乳化剤として塩化ビニルを乳化重合し、これにポリビニルアルコールを混合紡糸した後にアセタール化して作られるコーデラン(興人)など、難燃性ポリエステル繊維、例えば重合段階でりん系難燃剤などを添加して作られるテトロンアンフラ(東レ)、エクスター(帝人)、ナンネックス(クラレ)、ハイム(東洋紡)など、が挙げられる。
【0043】
本発明の難燃性印刷用膜材において、シート状基材に用いられる繊維布帛用天然有機繊維、再生繊維、半合成繊維及び合成繊維は、難燃化処理されたものであってもよい。例えば、難燃性を示さない繊維布帛を、難燃剤で後加工してこれを難燃化することができる。このような難燃剤としては、ハロゲン系化合物、リン酸エステル系化合物、リン系化合物、窒素化合物、ホウ素系化合物、硫黄系化合物などが使用できる。これらの難燃剤を単独、あるいは樹脂バインダーを含むエマルジョンまたは溶液中に分散させて加工液を調整し、噴霧、コーティングなどの方法により処理を施すことができる。
【0044】
前記シート状基材用難燃剤として用いられるハロゲン系化合物としては、ヘキサブロモシクロドデカン、テトラブロモビスフェノールAなどを用いることができる。前記難燃剤用リン酸エステル系化合物としては、トリブトキシエチルホスフェート、トリヘキシルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(1,3−ジクロソプロピル)ホスフェート、トリス(2−クロロエチル)ホスフェート、トリス(2,4,6−トリブロモフェニルホスフェート、ビス(β−クロロエチル)ビニルホスホン酸エステル、トリアリルホスフェート、レゾルシノール−ビス(ジフェニルホスフェート)などを用いることができる。
【0045】
前記シート状基材用難燃剤に用いられるリン系化合物としては、オルソリン酸、リン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、リン酸尿素、リン酸グアニル尿素、ポリホスホリルアミド、リン酸メラミン、ポリホスホリルアミドアンモニウム、ホスホリルトリアニライド、ホスホニトリル、トリス(2−カルバモイルエチル)ホスフィン、トリス(2−カルバモイルエチル)ホスフィンオキシド、ホスホリルアミド、ホスフィンアミド、ビニルホスホン酸などを用いることができる。前記シート状基材用難燃剤に用いられる窒素系化合物としては、トリメチロールメラミン、及びN−メチロールアクリルアミド、シアヌール酸誘導体などを含むトリアジン誘導体やグアニジン誘導体ホルムアルデヒド反応物などを用いることができる。さらに前記シート状基材用難燃剤に用いられるホウ素系化合物としては、ホウ酸、リン酸ホウ素、ホウ酸アンモニウムなどが用いられる。また、前記シート状基材用難燃剤に用いられる硫黄系化合物としては、チオ尿素、硫酸アンモニウム、スルファミン酸アンモニウムなどが用いられる。その他のシート状基材用難燃性化合物としては、三塩化アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、リン酸亜鉛、ホウ酸亜鉛、塩化亜鉛、塩化スズなどの無機化合物が用いられる。
【0046】
綿布帛の難燃化用後加工には、テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウム・クロライドとアンモニアガスで処理するプロバン法、N−メチロールジメチルホスホノプロピオンアミドとトリメチロールメラミンを併用するPyrovatexCP法、ビス(β−クロロエチル)ビニルホスホネートとメチルホスホネートの縮合物で処理する方法、アミノホスファゼンで処理する方法、スルファミン酸アンモニウム、リン酸アンモニウム及びグアニジン誘導体ホルムアルデヒド反応物等を混合した水溶液で処理する方法、などが好適に用いられる。ポリエステル布帛の難燃化用後加工には、ヘキサブロモシクロドデカン、あるいはレゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)をパッド処理したのち高温でキュアして繊維内部に難燃剤成分を吸着させる方法、などが好適である。繊維及び繊維布帛の難燃化については、上記例示に限定されるものではない。
【0047】
繊維布帛中の繊維は、短繊維紡績糸、長繊維糸条、スプリットヤーン、テープヤーンなど、いずれの形状でもよい。また基布組織は織物、編物、不織布またはこれらの複合体のいずれであってもよい。基布の編織組織にも格別の制限はないが、例えば少なくともそれぞれ、糸間間隙をおいて平行に配置された経糸及び緯糸を含む糸条により構成された粗目状の編織物、及び非粗目状編織物(糸条間に実質上間隙が形成されていない編織物)を包含する。粗目織物の目付は30〜700g/m2 であることが好ましく、また粗目編織物の透孔面積率は、粗目編織物の全表面面積に対して10〜95%程度であることが好ましい。また繊維基布が非粗目編織物である場合、その組織、目付、厚さなどに制限はないが、使用目的に応じて、平織、綾織、丸編、緯編、及び経編などの編織物を選ぶことができ、またその目付は50〜1000g/m2 程度とすることが好ましい。基布の強度については格別の制限はないが、張力下に固定されるような展張膜材として使用される用途については、40 kgf/3cm以上の引張強さを有することが好ましい。また、これらの繊維基布は、予め、フッ素系化合物やシリコーン系化合物などの撥水剤を用いて撥水処理したり、アミノ変性シリコーン化合物などの柔軟剤加工剤を用いて柔軟加工していてもよい。
【0048】
本発明において、シート状基材に用いられる繊維基布としては、繊維基布からなるシート状基材上に直接インク受理層を設ける場合においては、軽量性及びドレープ性に優れた布帛を選択して用いることが好ましく、例えば、難燃化処理された綿布帛及びポリエステル布帛、あるいは難燃性ポリエステル布帛が好適である。また、繊維布帛上に合成樹脂を被覆し、その上にインク受理層を形成する場合においては、強度及び寸法安定性を向上させるためにポリエステル布を繊維布帛として用いることが好ましい。高い防炎性が要求される場合には、プロバン加工法などによる防炎加工を施した綿布帛、難燃性ポリエステル布帛、及び難燃後処理を施したポリエステル布帛などが好適に使用される。
【0049】
本発明の難燃性印刷用膜材において、必要によりシート状基材は、その繊維基布の少なくとも1面に、難燃性合成樹脂及び難燃剤含有合成樹脂から選ばれた少なくとも1員を含む難燃性樹脂被覆層をさらに有していてもよい。難燃性樹脂被覆を形成することにより繊維布帛を含むシート状基材の耐久性を向上させることができ、これはとくにテント用途向けの膜材として好適なものとなる。難燃性樹脂被覆層は、透明または不透明のいずれでもよく、不透明の場合には任意の色相に着色されていてもよい。とくに、難燃性樹脂被覆層を白色に着色するとインク受理層上に形成された印刷画像の鮮明度が向上する。難燃性樹脂被覆層を白色に着色するには、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、アルミナ、カオリン、タルク、クレーなど公知の無機顔料のほか、アクリル系ビーズ、スチレン系ビーズなど公知の有機顔料を任意に使用することができる。また上記顔料とブルーインク剤又は蛍光増白剤を併用してもよい。また、樹脂被覆層は、繊維布帛の片面に2層以上積層されたものであってもよい。この場合、内側(すなわち繊維布帛側)の層をカーボンブラック等の暗色系顔料で着色し、外側(すなわちインク受理層側)の層を白色に着色することが好ましい。これにより遮光性が求められる用途に適した難燃性印刷用膜材を得ることができる。
【0050】
難燃性樹脂被覆層に用いられる難燃性合成樹脂及び難燃剤含有樹脂の種類に格別の制限はないが、シート状基材として難燃性を示すものでなければならない。樹脂自体が難燃性を有する樹脂被覆層用難燃性合成樹脂としては、例えば、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。また、樹脂自体は難燃性を示さないが難燃剤を添加することにより難燃性を示す難燃剤含有合成樹脂としては、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂、エチレン−(メタ)アクリレート系共重合体樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂などが挙げられる。とくに、ポリ塩化ビニル系樹脂、あるいはエチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂に難燃剤を添加した樹脂被覆層が好ましい。これらの樹脂はコストが安く、高周波ウェルダー加工ができるという特徴を有しているため、本発明の難燃性印刷用膜材におけるシート状基材用樹脂被覆層として好適である。
【0051】
前記合成樹脂に難燃性を付与する方法としては、通常の難燃性付与剤を添加する方法を用いることができる。難燃剤としては、例えば塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレンなどの含塩素有機化合物、デカブロモジフェニルエーテル、ヘキサブロモベンゼン、エチレンビスペンタブロモジフェニルなどの含臭素有機化合物、赤燐(特に酸化チタンによって表面被覆された白色処理赤リンが好ましい)、トリメチルホスフェート、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート、トリクレジルホスフェートなどのリン酸エステル系化合物、オリゴマー状芳香族リン酸エステル縮合体、ポリ燐酸アンモニウム系化合物、メラミンなどのトリアジン誘導体化合物、グアニジンなどのシアナミド系化合物、尿素系化合物、及び三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、リン酸亜鉛、ホウ酸亜鉛などの無機化合物などから選ばれた少なくとも1種を用いることができる。また、ヒンダードフェノール系化合物及びヒンダードアミン系化合物などのラジカル捕捉剤を用いてもよい。但し、合成樹脂に難燃性を付与する方法については、上記例示に限定されるものではない。
【0052】
繊維布帛に難燃性樹脂被覆層を形成する手段としては、コーティング法、トッピング法、ディッピング法など任意の方法を用いることができる。繊維布帛に積層される難燃性樹脂被覆層の厚さは、繊維布帛の目付けに応じて適宜に設定することができるが、取り扱い性を考慮して、シート状基材の質量が1000g/m2 を越えないような厚さに調整することが好ましい。シート状基材の質量を200g/m2 〜800g/m2 に調整することがより好ましい。
【0053】
また、難燃性樹脂被覆層の上には、インク受理層とシート状基材との密着性を向上させることを目的として、必要に応じて接着層を設けることができる。この接着層を形成するために用いられる接着剤としては、メラミン系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエチレンイミン系樹脂、ポリイソシアネート系樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂等を挙げることができ、これらの中から、難燃性樹脂被覆層の種類に応じて適宜選択することできる。また、樹脂被覆層の表面にコロナ放電処理やプラズマ処理を施してからインク受理層を形成してもよい。
【0054】
本発明の印刷用膜材において、前記シート状基材及びインク受理層の少なくとも1層が、耐候安定剤及び防カビ剤の少なくとも1種を含むことが好ましく、インク受理層がこれらを含むことがより好ましい。耐候安定剤を添加すると、難燃性印刷用膜材が、屋外における使用時の耐候性及び耐変色性が改善される。また防カビ剤を添加すると、印刷用膜材が高温多湿下で使用されたときのカビの発生を防ぐことができる。これらを併用することによって、本発明の難燃性印刷用膜材は長期間にわたって印刷画像の鮮明性を維持することができる。
【0055】
本発明の難燃性印刷用膜材に用いることができる前記耐候安定剤としては、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、セリウム系化合物などの紫外線吸収剤、及びヒンダードアミン系化合物などの光安定剤などを挙げることができる。
前記紫外線吸収剤としては、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、及び2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系化合物、並びに2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−ベンゾフェノン、2,2’,及び4,4’−テトラヒドロキシ−ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物が好適に用いられる。また、これらの分子内にヒドロキシエチル基やメタクリロイル基を導入した反応性紫外線吸収剤も好適である。これらの化合物は、インクジェット用イエローインクの褪色防止にも効果的である。
さらに前記安定剤としては、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、及びビス(1−オクチロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバゲートなどのようにピペリジル基のN位水素がメチル基などのアルキル基で置換されたもの、あるいはアルコキシ基で置換されたヒンダードアミン系化合物が好ましく用いられる。置換基としてラジカル重合性ビニルモノマーを導入した反応型のヒンダードアミン系化合物も好適である。
【0056】
これらの耐候安定剤の添加量は、とくにインク受理層に添加する場合には、インク受理層の樹脂バインダー100質量部に対して0.1〜5質量部であることが好ましく、0.3〜3質量部であることがより好ましい。それが0.1質量部未満では効果が十分でないことがあり、またそれを、2質量部を超えて添加しても添加量に見合う効果が得られずコスト高となることがある。
【0057】
本発明の難燃性印刷用膜材に用いることができる防カビ剤としては、例えば、6−ヒドロキシ−2−(3,5−ジメチル−1−ピラゾリル)−4−フェニルピリミジンなどのアミド系化合物、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール、2−(メトキシカルボニルアミノ)ベンゾイミダゾール、メチル−1−(ブチルカルボモイル)−2−(ベンズイミダゾール)カーバメイト、メチルベンズイミダゾールカーバメイト、ビスフェニル−(2−クロルフェニル)−1−イミダゾリルメタン、2−ヘプタデシル−2−イミダゾールなどのイミダゾール化合物、2−(チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾール、2−メチルカプトベンゾチアゾールナトリウム、及び1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンなどのチアゾール系化合物、5−クロロベンゾトリアゾール、及びトリルトリアゾールなどのトリアゾール系化合物、塩化ベンザルコニウム、ジデシルジメチル塩化アンモニウムなどの第4級アンモニウム塩、テトラクロロイソフタロニトリル、4−メチルスルホニルテトラクロロピリジンなどの有機ハロゲン化合物、トリフェニル錫ヒドロキシドなどの有機金属化合物、N,N‘−ジメチル−N‘−フェニル−N‘−フルオロジクロロメチルチオスルファミドなどのチオ系化合物、銀をシリカ、又はゼオライトなどに担持させた銀系複合体などを挙げることができる。
【0058】
とくに、イミダゾール系化合物、チアゾール系化合物及びトリアゾール系化合物から選ばれた少なくとも1種からなるものであることが好ましい。また、これらの有機化合物の1種以上をリン酸塩化合物やゼオライトなどの層状無機化合物にインターカレーションした複合体、あるいはシリカなどの無機酸化物に担持させた複合体であってもよい。さらに、これらの有機化合物と銀や亜鉛などの無機金属の1種以上を層状無機化合物にインターカレーションした複合体、あるいはシリカなどの無機酸化物に担持させた複合体であってもよい。
【0059】
これらの防カビ剤の添加量は、とくにインク受理層に添加する場合には、インク受理層の樹脂バインダー100質量部に対して0.1〜5質量部であることが好ましく、0.3〜3質量部であることがより好ましい。0.1質量部未満では効果が不十分になることがあり、またそれを5質量部を超えて添加しても添加量に見合う効果が得られずコスト高となることがある。
【0060】
本発明の印刷用膜材に使用できるインクジェットインクとしては、水性インク、油性インク、溶剤系インクの何れを用いてもよい。ここでいう水性インクとは、染料、あるいは顔料の分散溶媒として、水と水溶性有機溶剤を主成分として含むものである。水溶性有機溶剤としては、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類、ポリアルキレンオキシド類、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−ビニルピロリドンなどのピロリドン類が、水性インクの湿潤剤として使用され、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類が水性インクの浸透剤として使用される。これら水溶性有機溶剤の水に対する配合量としては、水性インクの全質量に対し5〜60%の範囲が好適である。その他必要に応じて水性インク組成中にpH調整剤、界面活性剤、脱酸素剤、導電性付与剤、水性高分子分散剤、キレート剤、消泡剤、防腐防黴剤などの各種添加剤を加えても良い。
また、油性インクは、顔料の分散溶媒として、ガス油、ナフサ、あるいは150℃以上の沸点を有する有機溶剤を主体とするインクである。
【0061】
溶剤系インクは、顔料の分散溶媒として、シクロヘキサン、アセトン、メチルエチルケトン、カルボン酸エステルなどの150℃以下の沸点を有する有機溶剤を主成分として含むインクである。油性インク、及び溶剤系インクの組成としては、染料(油溶性染料)、カーボンブラック、有機系顔料などの着色剤のほか、バインダー樹脂として、フェノール樹脂、アクリル樹脂、マレイン酸樹脂、ロジン樹脂、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂などの熱可塑性樹脂が使用され、その他必要に応じて、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、導電性付与剤、防腐防黴剤などの添加剤を加えても良い。
【0062】
インクジェットインクの着色剤として用いられる染料としては、天然染料、合成染料などの公知の染料、例えばニトロソ系、ニトロ系、アゾ系、スチルベン系、ジフェニルメタン系、トアリールメタン系、キノリン系、メチン系、ポリメチン系、チアゾール系、インダミン系、インドフェノール系、アジン系、オキサジン系、チアジン系、アミノケトン系、オキシケトン系、アントラキノン系、インジゴイド系、フタロシアニン系の染料が挙げられる。
一方、顔料としては、有機系顔料、無機系顔料などの公知の顔料、例えばアゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、インジコ系、ベンチジン系、チオインジコ系、ペリノン系、イソインドリノン系、酸化チタン、カドミウム系、酸化鉄系、カーボンブラック系の顔料が挙げられる。
【0063】
また、本発明の印刷用膜材は、インクジェット印刷に限らず、水性インキ、油性インキ等の印刷インキを用いてグラビア印刷、スクリーン印刷、及オフセット印刷などに用いることも可能である。これらの印刷インキとしては、顔料、バインダー、及び助剤から構成された公知の印刷インキを使用することができる。
前記水性インキとしては、有機系顔料、無機系顔料の着色剤成分と、水溶性樹脂、コロイダルディスパージョン、エマルジョン、ラテックスなどのバインダー樹脂成分と、可塑剤、軟化剤などの被膜柔軟化剤、アンモニア、水溶性アミンなどの水溶化剤、その他、耐摩耗性向上剤、顔料分散剤、色分け防止剤、消泡剤、増粘剤、沈降防止剤、レベリング剤、ツヤ消し剤などの添加助剤及び、水、アルコール類、グリコール類などの乾燥性調整剤から得られるものが使用できる。
【0064】
水性インキに用いられる有機系顔料及び無機系顔料としては従来公知のもの、例えば、アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、インジコ系、ベンチジン系、チオインジコ系、ペリノン系、ペリレン系、イソインドリノン系、酸化チタン、カドミウム系、酸化鉄系、カーボンブラック系などの顔料が挙げられる。これらの水性インキの製造に使用される顔料としては、上記有機系顔料及び、無機系顔料の粉末又はブレスケーキからなる生顔料を使用しても良いが、上記有機系顔料及び、無機系顔料を、非イオン系またはアニオン系の界面活性剤を分散剤として水に分散させた顔料水性分散体又は、親水性樹脂で顔料の表面処理コートを施した水易分散顔料又は、顔料と樹脂を2本ロールなどを用いて練肉、チップ化した着色チップからなる加工顔料を使用することが作業性、発色安定性、色相安定性の面で特に好ましい。
【0065】
水性インキに用いられる水溶性樹脂としては、例えば、デンプン、デキストリン、アルギン酸塩などの天然物、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどの天然物誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアミン、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル酸ナトリウム、メタアクリル酸ジメチルアミノエチルなどの合成樹脂などが挙げられる。これらの水溶性樹脂は主にインキの粘度及び流動性の調整、顔料分散及び固着を目的に助剤として併用することができる。
水性インキに用いられるコロイダルディスパージョンとしては、例えば、セラック樹脂、スチレン化セラック樹脂、スチレン−マレイン酸共重合樹脂、ロジン−マレイン酸樹脂、アクリル酸エステル又はメタアクリル酸エステルと不飽和カルボン酸との共重合によって得られるカルボキシル基含有アルカリ可溶性のアクリル系共重合樹脂などが挙げられ、これらのうち、セラック樹脂は水−アルコール混合系及び、アンモニア水に溶解して使用でき、スチレン−マレイン酸共重合樹脂は、酸価が約170〜350、軟化温度が130〜170℃のものをアンモニア及び、水溶性アミン(モノエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、モルホリンなど)の存在下で水溶化して、または、アルコール、グリコールエーテルなどに可溶化して使用でき、インキ皮膜の可塑剤としてオレイン酸などの不飽和脂肪酸、ポリエチレングリコール及びその誘導体を添加することが好ましい。また、カルボキシル基含有アルカリ可溶性のアクリル系共重合樹脂は、酸価が150〜200、軟化温度が100〜150℃のものをアンモニア及び、水溶性アミンの存在下で水溶化して、または、アルコール、グリコールエーテルなどに可溶化して使用でき、インキ皮膜柔軟化の可塑剤としてDBP,DOP,DOA,DBS,DOSなど軟質塩ビ分野で汎用に使用されている可塑剤を添加することが好ましい。
【0066】
水性インキに用いられるエマルジョンとしては、例えば、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂などの乳化重合樹脂など、また、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アルキッド樹脂、エポキシエステル樹脂、ロジンエステル樹脂などの乳化性樹脂などが挙げられる。また、水性インキに用いられるラテックスとしてはスチレン−ブタジエン系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン系樹脂、メチルメタアクリレート−ブタジエン系樹脂、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、塩化ビニリデン系樹脂などが挙げられる。このうち水性インキの樹脂バインダーとしては、アクリル系樹脂エマルジョンが好ましく使用でき、特にアクリル酸、メタアクリル酸、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステルなどの1種以上から選ばれたモノマーの乳化重合によって得られるアクリル系樹脂エマルジョン及び、これらのモノマーと共重合しうる他のモノマー、例えば、スチレン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、N−メチロールアクリルアミド、メタアクリル酸グリシジルなどと乳化共重合して得られるアクリル系樹脂共重合エマルジョンなどが好ましく使用できる。これらのアクリル系共重合樹脂エマルジョンには、インキの流動性、レベリング性、インキ光沢の改良のため、前記のコロイダルディスパージョンを適量ブレンドして併用することもできる。また、インキ皮膜柔軟化の可塑剤としては、DBP,DOP,DOA,DBS,DOSなどの軟質塩ビ分野で汎用に使用されている可塑剤の他、ブチルカルビトール、クエン酸トリエチル、P−トルエンスルホンアミド、トール油脂肪酸などを使用することができる。
【0067】
前記油性インキとしては、有機系顔料、無機系顔料の着色剤成分と、バインダー樹脂成分と、可塑剤、軟化剤などの被膜柔軟化剤、その他、耐摩擦性向上剤、顔料分散剤、色分け防止剤、消泡剤、増粘剤、沈降防止剤、レベリング剤、ツヤ消し剤などの添加剤成分と溶剤成分、もしくは水成分から構成されるものが使用できる。油性インキに用いられる有機系顔料及び無機系顔料としては従来公知の顔料、例えば、不溶性アゾ系、溶性アゾ系、銅フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、インジゴ系、ベンチジン系、チオインジコ系、ペリノン系、ペリレン系、イソインドリノン系、ポリアゾ系などの有機系顔料、無機系顔料としては、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、カドミウム系、酸化鉄系、カーボンブラック系などが挙げられる。
【0068】
油性インキに用いられるバインダー樹脂成分としては、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂(ダイマー酸とジアミンの縮合物)、アクリル系樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂(塩素化度25〜65質量%)、ニトロセルロース、セルロースエステル類、セルロースエーテル類、硬化ロジン(アビチエン酸との金属塩)、二量化ロジン、ロジンエステル、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ケトン樹脂、テルペン樹脂、環化ゴム、塩化ゴムなどが挙げられ、これらの樹脂を併用したものが使用できる。
【0069】
油性インキに用いられる溶剤としては、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピルなどのエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール系溶剤、メチルセロソルブ、エチルセロソルブなどの多価アルコール誘導体系溶剤などが挙げられ、これらの溶剤を併用して用いることができる。
【0070】
【実施例】
本発明を下記実施例により更に説明する。
[評価方法]
下記に示す試験方法に基づいて本発明の難燃性印刷用膜剤の性能評価を行った。
1.インクジェット印刷性
インク受容層が形成された印刷用膜材に、ピエゾ型ヘッドが搭載されたインクオンデマンド型インクジェットプリンタ(ぺんてる(株)社製PRP−22:水性インク、ぺんてる(株)社製DynajetII:油性インク、溶剤系インク)に、表1〜3に示す組成のインクジェットプリンタ用インクを装填し、水性インクによる印刷性、油性インクによる印刷性、及び溶剤インクによる印刷性をそれぞれ単独に評価した。出力解像度は360dpiで行い、風景写真画像を描画した。
【0071】
【表1】
Figure 0003783774
【0072】
【表2】
Figure 0003783774
【0073】
【表3】
Figure 0003783774
【0074】
<インク吸収性>
上記インクジェットプリンターにより、前記インクの各々を用いて印刷し、指触によりインクの乾燥状態を評価した。20秒以内に乾燥したものを「◎」、40秒以内に乾燥したものを「○」、60秒以内に乾燥したものを「△」、60秒を超えたものを「×」と表示した。
<発色性>
上記インクジェットプリンターにより、各印刷インクを用いて印刷し、印字濃度を評価した。印字濃度が、非常に濃いものを「◎」、濃いものを「○」、やや薄いものを「△」、薄いものを「×」と表示した。
【0075】
2.スクリーン印刷性
インク受理層が形成された印刷用膜材に、水性インキ(商標:テントアート(黒)、ターナー色彩製)、及び油性インキ(商標:セリコールPPE(911墨)、帝国インキ製造製)のそれぞれについて225メッシュのスクリーンを用いてストライプ柄(5mm幅直線印刷部と5mm幅非印刷部の交互連続パターン)を印刷し、インキの転写状態を観察した。インキの転写状態が均一なものを「○」、インキの転写状態が均一でないものを「×」と表示した。
【0076】
3.耐候性
印刷画像について、スガ試験機社製サンシャインウェザーメーターにて、ブラックパネル温度63℃、降雨設定18分/2時間の条件で耐候促進試験を480時間行い、促進前後のインク受理層表面外観の変化を観察した。外観変化と変色がほとんどないものを「◎」、外観変化はほとんどないが変色が僅かにあるものを、「○」、外観変化あるいは変色が認められるものを「△」、外観変化あるいは変色が顕著なものを「×」と表示した。
【0077】
4.防炎性
供試膜材について、消防法施工規則第4条の3第3項、第4項、第7項に規定されたテント、膜類の防炎性能試験に従って、着炎後3秒加熱試験を行った。また、耐久性試験として、耐候促進試験後の防災性能の変化を評価した。評価は、下記の基準を全て満たしたものを合格とした。
(合格基準)
残炎時間:1.5秒以下「◎」、3秒以下「○」、3秒以上「×」
残じん時間:3秒以下「◎」、5秒以下「○」、5秒以上「×」
炭化面積:20cm2 以下「◎」、30cm2 以下「○」、30cm2 以上「×」
【0078】
5.耐屈曲性
供試膜材についてデマッチャ・フレキシング・テスター((株)安田精機製作所製)を使用し、JISK6301の屈曲試験を1000回行った。屈曲試験後の試料の表面状態をルーペにて10倍に拡大して観察し、下記の基準にインク受理層の耐屈曲性を評価した。なお、試験機に装着する試験の形態は、インク受理層の折曲げと折畳みに対する耐久性が評価できるように、50mm幅×150mm長のサイズとし、幅の中心25mmから左右2つ折りに重ね合わせた25mm幅×150mm長のサイズとした。外観が全く変化がないものを「◎」、外観がほとんど変化していないものを「○」、亀裂または剥がれが生じているものを「×」と表示した。
【0079】
6.防カビ性
供試膜材について、JIS Z−2911 カビ抵抗性試験方法に従って防カビ性試験を行った。菌体として黒カビを使用し、ハロー効果の有無を目視で評価した。また、耐久性試験として、耐候促進試験後の防カビ性能の変化を評価した。試料面にカビの生育がまったく認められないものを「◎」、試料面にカビの生育がごくわずか認められるものを「○」試料面の1/3以下にカビの生育が認められるものを「△」、試験面の2/3以上にカビの生育が認められるものを「×」と表示した。
【0080】
[シート状基材の作製]
下記に示す方法によりシート状基材を作製した。シート状基材の作製に用いられた材料の「質量部」はすべて、固形分質量部である。
シート状基材1
繊維基布として、下記の織り組織を有する難燃化処理綿布帛(オルブライト アンド ウィルソン社製プロバン加工布)をシート状基材として使用した。このシート状基材1の防炎性は、残炎時間0.9秒、残じん時間0.9秒、炭化面積12cm2 であり、防炎性能試験に合格するものであった。
370 dtex(16英式番手) × 370 dtex(16英式番手)
難燃化処理綿布帛:──────────────────────────
66×62(本/25.4mm)
【0095】
比較例1
下記に示す組成を有するインク受理層の形成用塗布液を、固形分濃度が25質量%になるように調製した。これをシート状基材1の片面に乾燥質量が20g/m2 になるようにナイフコートし、インク受理層を形成した。なお、乾燥は130℃で2分間行った。得られた比較印刷用膜材の試験結果を表4に示す。
インク受理層組成
ウレタン樹脂 100質量部
(商標:アデカボンタイターHUX−670−15、
固形分濃度:31質量%、旭電化製)
非晶質合成シリカ 100質量部
(商標:ミズカシルP−78D、ゲル法シリカ、
平均粒子径:8.0μm、水澤化学工業製)
※全て固形分換算の質量部にて表示。
【0102】
[比較例2]
比較例1と同様にして印刷用膜材を作製した。但し、インク受理層塗工液にメラミン被覆ポリ燐酸アンモニウム系化合物(商標:テラージュC−60、平均粒子径:7.5μm、チッソ製)180質量部(固形分換算)を添加した。得られた印刷用膜材の試験結果を表4に示す。
【0103】
[比較例3]
比較例1と同様にして印刷用膜材を作製した。但し、インク受理層塗工液に非晶質合成シリカを添加せずメラミン被覆ポリ燐酸アンモニウム60質量部を添加した。得られた印刷用膜材の試験結果を表4に示す。
【0104】
[比較例4]
比較例1と同様にして印刷用膜材を作製した。但し、インク受理層塗工液に非晶質合成シリカを添加量を250質量部とし、さらに、メラミン被覆ポリ燐酸アンモニウム60質量部を添加した。得られた印刷用膜材の試験結果を表4に示す。
【0105】
【表4】
Figure 0003783774
【0106】
比較例1の印刷用膜材は、難燃性化合物を添加しなかったので難燃性が不合格であった。比較例2の印刷用膜材は、難燃性化合物としてメラミンシアヌレート又はメラミンイソシアヌレートとタンパク質粉末との組み合わせを含まず、かつメラミン被覆ポリ燐酸アンモニウム系化合物を過剰に添加したため、印刷性が低下した。比較例3の印刷用膜材では、無機顔料と有機顔料の何れもが添加されておらず、かつメラミンシアヌレート又はメラミンイソシアヌレート及びタンパク質粉末の組み合わせが添加されていなかったので、印刷性が低下した。比較例4の印刷用膜材では、無機顔料の添加量が過剰であり、かつメラミンシアヌレート又はメラミンイソシアヌレート及びタンパク質粉末の組み合わせが添加されていなかったため、インク受理層の耐屈曲性が低下した。
【0111】
[実施例
下記に示す組成を有するインク受理層の形成用塗布液を、固形分濃度が25質量%になるように調製した。これをシート状基材1の片面に乾燥質量が20g/m2 になるようにナイフコートし、インク受理層を形成した。なお、乾燥は130℃で2分間行った。得られた印刷用膜材の試験結果を表5に示す。
インク受理層組成
ポリビニルアルコール樹脂 70質量部
(商標:PVA117、クラレ製)
ウレタン樹脂 30質量部
(商標:IJR−7、
固形分濃度:40質量%、日華化学製)
非晶質合成シリカ 100質量部
(商標:ニップジェルAZ−400、ゲル法シリカ、
平均粒子径:3μm、日本シリカ工業製)
メラミンイソシアヌレート 20質量部
(商標:MC−640、
平均粒子径:1〜5μm、日産化学工業製)
コラーゲン粉末 20質量部
(平均粒子径:10μm)
ヘキサブロモシクロドデカン 10質量部
(商標:ニッカファイノンTS−3、
固形分濃度:50質量%、日華化学製)
三酸化チタン 5質量部
※全て固形分換算の質量部にて表示。
【0112】
[比較例5]
下記に示す組成を有するインク受理層の形成用塗布液を、固形分濃度が25質量%になるように調製した。これをシート状基材1の片面に乾燥質量が20g/m2 になるようにナイフコートし、インク受理層を形成した。なお、乾燥は130℃で2分間行った。得られた印刷用膜材の試験結果を表5に示す。
Figure 0003783774
【0113】
[比較例6]
下記に示す組成を有するインク受理層の形成用塗布液を、固形分濃度が25質量%になるように調製した。これをシート状基材1の片面に乾燥質量が20g/m2 になるようにナイフコートし、インク受理層を形成した。なお、乾燥は130℃で2分間行った。得られた印刷用膜材の試験結果を表5に示す。
Figure 0003783774
【0115】
【表5】
Figure 0003783774
【0116】
実施例の印刷用膜材は、インク受理層にリン酸エステル系化合物または含臭素有機化合物に併用することによって難燃性が向上し、難燃性化合物添加量を減量しても優れた難燃性を維持できた。また、この効果により印刷発色性がさらに向上した。一方、比較例5の印刷用膜材は、初期の難燃性は良好であるが、リン酸エステル系化合物のみであるため、耐候促進試験後の難燃性低下が顕著であった。比較例6の印刷用膜材も、含臭素有機化合物の紫外線曝露による変色許容範囲の添加量しか添加されていないため耐候促進試験後の難燃性が防炎性能試験の基準をややオーバーした。
【0148】
【発明の効果】
本発明の難燃性印刷用膜材は、樹脂バインダー及び無機または有機微粒子からなるインク受理層に、メラミンシアヌレート又はメラミンイソシアヌレート、及びタンパク質粉末の組み合わせからなる難燃化剤を添加することによって優れた印刷性と難燃性を兼ね備えている。さらに、ポリ燐酸アンモニウム系化合物、前記メラミンシアヌレート又はメラミンイソシアヌレートとは異種のトリアジン誘導体化合物、リン酸エステル系化合物、含臭素有機化合物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、カチオン性ポリマー、架橋剤、耐候安定剤、防カビ剤などを必要に応じて組み合わせることにより、本来の印刷性と難燃性を損なうことなくより優れた発色性、難燃耐久性、耐候性、防カビ性を獲得でき、長期間にわたって鮮明な印刷画像を維持できる。本発明の難燃性印刷用膜材は、これまでの印刷用膜材にはない特徴を有するものであり、防炎性が要求される屋内外看板、垂れ幕、カーテン、壁装材、室内装飾材などの用途に特に適している。

Claims (16)

  1. 繊維布帛を含むシート状基材、及び前記シート状基材の少なくとも一面上に形成され、かつ樹脂バインダーを含むインク受理層を含み、前記インク受理層が、樹脂バインダー100質量部に対して(1)平均粒子径が1μm〜10μmの無機顔料及び有機顔料から選ばれた少なくとも1種10〜200質量部と、(2)メラミンシアヌレート又はメラミンイソシアヌレート、及びタンパク質粉末の組み合わせからなる難燃化剤5〜150質量部とを含むことを特徴とする難燃性印刷用膜材。
  2. 前記インク受理層に含まれる樹脂バインダーが、ポリビニルアルコール系樹脂、ウレタン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂から選ばれた1種以上を含む、請求項1に記載の難燃性印刷用膜材。
  3. 前記インク受理層が、ポリ燐酸アンモニウム化合物、前記メラミンシアヌレート及びメラミンイソシアヌレートとは異なるトリアジン誘導体化合物、リン酸エステル系化合物、含臭素有機化合物、水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウムから選ばれた少なくとも1種からなる難燃助剤をさらに含む、請求項1又は2に記載の難燃性印刷用膜材。
  4. 前記インク受理層が、カチオン性ポリマーをさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の難燃性印刷用膜材。
  5. 前記インク受理層が、オキサゾリン系化合物、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物、カルボジイミド系化合物、及びカップリング剤から選ばれた少なくとも1種からなる架橋剤をさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の難燃性印刷用膜材。
  6. 前記リン酸エステル系化合物が、オリゴマー状芳香族リン酸エステル系化合物から選ばれる、請求項3に記載の難燃性印刷用膜材。
  7. 前記インク受理層に含まれる樹脂バインダーが、ポリビニルアルコール系樹脂とウレタン系樹脂との、固形分質量比率が90:10〜10:90であるブレンドを含む、請求項1,3,4及び5のいずれか1項に記載の難燃性印刷用膜材。
  8. 前記シート状基材が、前記繊維布帛の少なくとも1面を被覆し、かつ難燃性合成樹脂及び難燃剤含有合成樹脂から選ばれた少なくとも1員をさらに含む樹脂被覆層を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の難燃性印刷用膜材。
  9. 前記シート状基材用繊維布帛が、天然有機繊維、無機繊維、再生繊維、半合成繊維及び合成繊維から選ばれた少なくとも1種の繊維を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の難燃性印刷用膜材。
  10. 前記シート状基材用繊維布帛が、難燃化処理されたものである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の難燃性印刷用膜材。
  11. 前記シート状基材用繊維布帛が、綿、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維及びビニロン繊維から選ばれた1種以上を含む、請求項1及び8〜10のいずれか1項に記載の難燃性印刷用膜材。
  12. 前記シート状基材用繊維布帛に含まれる綿またはポリエステル繊維が、難燃化処理されたものである、請求項1及び8〜11のいずれか1項に記載の難燃性印刷用膜材。
  13. 前記シート状基材用繊維布帛に含まれる再生繊維、半合成繊維及び合成繊維が、それに混入された難燃剤を含有している、請求項1及び8〜12のいずれか1項に記載の難燃性印刷用膜材。
  14. 前記シート状基材用繊維布帛に含まれる天然有機繊維、再生繊維、半合成繊維及び合成繊維が、難燃化処理されたものである、請求項1及び8〜13のいずれか1項に記載の難燃性印刷用膜材。
  15. 前記シート状基材用繊維布帛が、難燃性レーヨン繊維、難燃性アクリル繊維、難燃性ビニロン繊維、ポリクラール繊維、難燃性ポリエステル繊維、及び難燃性ポリウレタン繊維から選ばれた1種以上を含む、請求項1及び8〜14のいずれか1項に記載の難燃性印刷用膜材。
  16. 前記シート状基材及び前記インク受理層の少なくとも一層が、紫外線吸収剤及び防カビ剤から選ばれた少なくとも1種を含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載の難燃性印刷用膜材。
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