JP7362353B2 - 記録方法、記録装置、及び記録物 - Google Patents

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本発明は、記録方法、記録装置、及び記録物に関する。
金属粒子を含有するインクは、用いる金属粒子の導電性を利用して、電気回路の形成に使用されてきたが、近年では、クリスマスカードなどのメタリック感を表現する用途においても使用されるようになってきている。特に、メタリック感のある画像にカラーの色調を持たせる、すなわち、「カラーメタリック画像」を記録するニーズがある。予めインク受容層が形成された記録媒体に、さらに、無機粒子を含有する処理剤を付与し、次いで、銀粒子を含有する水性インク、及び顔料を含有する水性インクを順に付与してカラーメタリック画像を記録する方法が提案されている(特許文献1参照)。
特開2015-193126号公報
本発明者らは、特許文献1に記載されたインクジェット記録方法でカラーメタリック画像を記録し、得られた画像について検討した。その結果、顔料インクの色調を認識しやすい画像とはならず、発色性が不十分である場合や、画像を保存すると光沢性が低下してメタリック感が損なわれる場合があることがわかった。
したがって、本発明の目的は、発色性に優れるとともに、保存した後にも優れた光沢性を有するカラーメタリック画像を記録することができる記録方法、及び記録装置を提供することにある。また、本発明の別の目的は、発色性に優れるとともに、保存した後にも優れた光沢性を有する、カラーメタリックの記録物を提供することにある。
上記の目的は、以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明にかかる記録方法は、第1インクを記録媒体に付与する工程と、第2インクを、前記第1インクを付与した領域の少なくとも一部に重なるように付与して、前記記録媒体に画像を記録する工程と、を有する記録方法であって、前記第1インクが、銀粒子を含有する水性インクであり、前記第2インクが、色材を含有する水性インクであり、前記記録媒体が、臭化物イオン及びヨウ化物イオンからなる群より選択されるハロゲン化物イオンを含有するインク受容層を有し、前記インク受容層における前記ハロゲン化物イオンの含有量(mmol/m)が、0.1mmol/m以上0.8mmol/m以下であることを特徴とする。
本発明によれば、発色性に優れるとともに、保存した後にも優れた光沢性を有するカラーメタリック画像を記録することができる記録方法、及び記録装置を提供することができる。また、本発明の別の実施態様によれば、発色性に優れるとともに、保存した後にも優れた光沢性を有する、カラーメタリックの記録物を提供することができる。
本発明の記録方法に好適に用いられるインクジェット記録装置の一例を模式的に示す図であり、(a)はインクジェット記録装置の主要部の斜視図、(b)はヘッドカートリッジの斜視図である。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。本発明においては、水性インクのことを、単に「インク」と記載することがある。物性値は、特に断りのない限り、常温(25℃)における値である。
本発明者らは、特許文献1に記載されたインクジェット記録方法を利用して得られた画像について、発色性、及び保存後の光沢性がいずれも不十分であった理由を検討した。インク受容層を有する従来の一般的な記録媒体には、記録される画像の耐水性などを高めるために、カチオン性化合物が用いられている。カチオン性化合物は塩酸塩の状態で利用されることが多い。このため、インク受容層は塩化物イオンを含有する。本発明者らの検討の結果、インク受容層中に塩化物イオンが少ないと、銀粒子を含有するインクに次いで付与されるインクの色調を認識しやすい画像とはならなかった。以下、本明細書では、色材を含有するインクの色調が認識されるメタリック画像のことを「発色性」を有する画像であると記載する。
先ず、塩化物イオンの含有量が小さいインク受容層を有する記録媒体に、銀粒子を含有するインク、及び色材を含有するインクを順に重ねて付与し、画像を記録した。得られた画像を解析したところ、銀粒子の多くが周囲の銀粒子と融着せず、一様な銀層が形成されていないために、銀層上に色材が留まっていないことがわかった。この理由は以下のように推測される。銀粒子が融着していない状態で、色材を含有するインクが付与されると、色材を含有するインクの液体成分に銀粒子が分散して、銀粒子が移動する。このような状態の銀層は、色材を留めることができず、発色性が発現しなかったと考えられる。
そこで、塩化物イオンの含有量が大きいインク受容層を有する記録媒体に、銀粒子を含有するインク、及び色材を含有するインクを順に重ねて付与し、画像を記録した。得られた画像を解析したところ、銀粒子の多くが周囲の銀粒子と融着した状態の銀層が形成され、銀層上に色材が留まっていることがわかった。この理由は以下のように推測される。インク受容層に塩化物イオンが多く存在する場合、銀粒子のうちの一部のイオン化された銀イオンと、塩化物イオンとが反応して塩化銀を形成する。このようにして形成された塩化銀を核として、銀粒子の融着が促進され、一様な銀層が形成される。銀粒子が融着している状態の銀層上に、色材を含有するインクが付与されても、上記の場合とは異なり、色材を含有するインクの液体成分に銀粒子が分散することはあまりない。このような状態の銀層であるため、色材を留めることができて、発色性が発現したと考えられる。
但し、本発明者らの検討の結果、塩化物イオンの含有量が大きいインク受容層を有する記録媒体に記録した画像を保存すると、時間の経過とともに光沢性が徐々に低下して、メタリック感が損なわれていくことがわかった。この理由は以下のように推測される。画像が窒素酸化物などの酸化性ガスや光に晒されると、銀層を構成する銀原子が活性化されて銀イオンになる。このようにして生じた銀イオンと塩化物イオンとが反応すると塩化銀が生成する。このようにして、画像を保存している間に塩化銀が徐々に生成し、銀粒子の融着を維持するのに必要な量以上の塩化銀が生成すると、塩化銀に起因して白化や変色が生じ、画像の光沢性が低下したと考えられる。
つまり、塩化物イオンは、インク受容層中の含有量が大きければ、カラーメタリック画像の発色性を発現させることができるものの、光沢性を低下させる要因となる。このことから、発色性及び保存後の光沢の低下抑制を両立するためには、インク受容層中の含有量が少なくても、銀粒子の融着を促進する必要がある。かかる前提のもとで、本発明者らが検討を行った結果、臭化物イオン及びヨウ化物イオンからなる群より選択されるハロゲン化物イオンを、インク受容層中に所定量含有させればよいことを見出した。
臭化物イオンやヨウ化物イオンが有効であることは、ハロゲン化銀の溶解度積により説明される。溶解度積Kspとは、難溶性物質の飽和水溶液における陽イオン濃度と陰イオン濃度の積である。イオン濃度の積が溶解度積Kspを超えると、ハロゲン化銀の沈殿が生成する。各種ハロゲン化銀の25℃における溶解度積は以下の通りである。下記の溶解度積から、一定量の銀イオンが存在する場合、塩化物イオンよりも臭化物イオンやヨウ化物イオンのほうがより少ない量でハロゲン化銀が生成することが示される。
・塩化銀の溶解度積=1.6×10-10(mol/L)
・臭化銀の溶解度積=4.0×10-13(mol/L)
・ヨウ化銀の溶解度積=8.5×10-17(mol/L)
本発明では、より少量でハロゲン化銀が生成する、臭化物イオン及びヨウ化物イオンからなる群より選択されるハロゲン化物イオンを含有するインク受容層を有する記録媒体を用いる。加えて、前記ハロゲン化物イオンの含有量(mmol/m)は、0.1mmol/m以上0.8mmol/m以下であることを要する。前記ハロゲン化物イオンの含有量が0.1mmol/m未満であると、ハロゲン化物イオンが少なすぎるため、銀粒子の融着を促進することができず、画像の発色性が発現しない。一方、前記ハロゲン化物イオンの含有量が0.8mmol/m超であると、ハロゲン化物イオンが多すぎるため、画像を保存している間にハロゲン化銀の結晶が過剰に形成され、白化や変色が生じ、画像を保存した後の光沢性の低下を抑制することができない。
[記録方法、記録装置]
本発明の記録方法では、銀粒子を含有する水性インクである第1インク、色材を含有する水性インクである第2インク、及び所定量のハロゲン化物イオン(臭化物イオン、ヨウ化物イオン)を含有するインク受容層が形成された記録媒体を用いる。そして、第1インクを記録媒体に付与する工程と、第2インクを、前記第1インクを付与した領域の少なくとも一部に重なるように付与して、前記記録媒体に画像を記録する工程と、を実施する。また、本発明の記録装置は、第1インクを記録媒体に付与した後に、第2インクを、第1インクを付与した領域の少なくとも一部に重なるように付与して記録媒体に画像を記録する手段を備える。
本発明の記録方法は、インクジェット方式の記録ヘッドを搭載したインクジェット記録装置を利用する、インクジェット記録方法であることが好ましい。すなわち、第1インク及び第2インクを、インクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に付与することが好ましい。インクを吐出する方式としては、インクに力学的エネルギーを付与する方式や、インクに熱エネルギーを付与する方式が挙げられる。本発明においては、インクに熱エネルギーを付与してインクを吐出する方式を採用することが好ましい。
本発明の記録方法では、紫外線や電子線などの活性エネルギー線の照射を行う工程を実施する必要はない。また、本発明の記録方法では、第1インク及び第2インクに先立って、機能性材料などを含有する処理液を記録媒体に付与してもよい。但し、上記の記録媒体を用いれば、通常は、第1インク及び第2インクとは別の処理液を付与する工程を実施する必要はない。したがって、少なくとも第1インクは、予め別の水性の処理液などを付与されることによって湿った状態(実質的に水を含有する状態)ではなく、乾燥した状態(実質的に水を含有しない状態)で、記録媒体に付与することが好ましい。
図1は、本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置の一例を模式的に示す図であり、(a)はインクジェット記録装置の主要部の斜視図、(b)はヘッドカートリッジの斜視図である。インクジェット記録装置には、記録媒体32を搬送する搬送手段(不図示)、及びキャリッジシャフト34が設けられている。キャリッジシャフト34にはヘッドカートリッジ36が搭載可能となっている。ヘッドカートリッジ36は記録ヘッド38及び40を具備しており、インクカートリッジ42がセットされるように構成されている。ヘッドカートリッジ36がキャリッジシャフト34に沿って主走査方向に搬送される間に、記録ヘッド38及び40から記録媒体32に向かってインク(不図示)が吐出される。そして、記録媒体32が搬送手段(不図示)により副走査方向に搬送されることによって、記録媒体32に画像が記録される。
<第1インク>
第1インクは、銀粒子を含有する水性インクである。この第1インクは、インクジェット用として好適に用いることができる。但し、第1インクは、活性エネルギー線硬化型である必要はないので、重合性基を有するモノマーなどを含有させる必要もない。以下、第1インクを構成する成分について説明する。
(銀粒子)
銀粒子は、銀原子で構成される。銀粒子は、銀原子以外にも、他の金属原子、酸素原子、硫黄原子、炭素原子などを含んで構成されていてもよい。但し、銀粒子中の銀原子の割合(%)は、50.0質量%以上であることが好ましい。第1インク中の銀粒子の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、2.0質量%以上15.0質量%以下であることが好ましい。
動的光散乱法により測定される、銀粒子の体積基準の累積50%粒子径は、200nm以下であることが好ましく、150nm以下であることがさらに好ましい。銀粒子の体積基準の累積50%粒子径とは、粒子径積算曲線において、測定された銀粒子の総体積を基準として小粒子径側から積算して50%となった粒子の直径のことである。累積50%粒子径が小さい場合、単位質量当たりの銀原子数に占める、銀粒子の表面に存在している銀原子の割合がより多くなり、銀粒子において動きやすい銀原子が多いことになる。銀粒子中で動きやすい銀原子の割合が多くなることで、ある銀粒子の表面に存在する銀原子が、その周囲の銀粒子の表面に存在する銀原子と金属結合を形成しやすいので、銀粒子が融着しやすくなる。すると、色材が銀層により留まりやすくなるため、画像の発色性が向上する傾向にある。累積50%粒子径は、1nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがさらに好ましい。
銀粒子の体積基準の累積50%粒子径は、第1インクや銀粒子の分散液を水で希釈したものを試料として、以下のようにして測定する。シリコーン材料で形成された基板に試料を塗布した後に、水を除去してサンプルを作製する。得られたサンプルを利用して、3,000個以上の銀粒子について、走査型電子顕微鏡(SEM)、透過型電子顕微鏡(TEM)などで観察し、画像処理を行って、上述の定義の粒子径を算出する。後述する実施例では、銀粒子を観察した後、画像解析・計測ソフトウェア(商品名「WinROOF2015」、三谷商事製)を利用して、粒子径を算出した。なお、銀粒子の粒子径は、インクや分散液について動的光散乱法により測定することもできるが、測定値が融着などの影響を受けて変動しやすいので、上記のように水で希釈して測定することが好ましい。
銀粒子の製造方法としては、例えば、銀の塊をボールミルやジェットミルなどの粉砕機で粉砕する方法(粉砕法)、銀イオン又は銀錯体を汎用の還元剤により還元して凝集させる方法(還元法)などが挙げられる。本発明においては、銀粒子の粒子径の制御、及び銀粒子の分散安定性の観点から、還元法により製造された銀粒子を用いることが好ましい。
銀粒子は、界面活性剤や樹脂などの分散剤を用いて分散されたものを用いることが好ましい。水性インク中の分散剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上5.0質量%以下であることが好ましい。また、水性インク中の分散剤の含有量(質量%)は、銀粒子の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.2倍以上1.5倍以下であることが好ましい。
銀粒子の分散剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤などの各種の界面活性剤を用いることができる。アニオン性界面活性剤としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルジアリールエーテルジスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩、グリセロールボレイト脂肪酸エステルなどが挙げられる。ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、フッ素系化合物、シリコーン系化合物などが挙げられる。カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルイミダゾリウム塩などが挙げられる。両性界面活性剤としては、アルキルアミンオキサイド、ホスファチジルコリンなどが挙げられる。
また、銀粒子の分散剤としては、アニオン性基を有するユニットとアニオン性基を有しないユニットとを持つ樹脂を用いることができる。樹脂の骨格としては、ビニル系樹脂、エステル系樹脂、アミノ系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、エーテル系樹脂、アミド系樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂などが挙げられる。
(水性媒体)
第1インクは、水性媒体として少なくとも水を含有する水性のインクである。第1インクには、水、又は水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を含有させることができる。水としては脱イオン水やイオン交換水を用いることが好ましい。第1インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、50.0質量%以上95.0質量%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤は、水溶性であれば特に制限はなく、アルコール類、(ポリ)アルキレングリコール類、グリコールエーテル類、含窒素極性溶剤類、含硫黄極性溶剤類などをいずれも用いることができる。第1インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、3.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。インクジェット記録方法に適用する際に、水溶性有機溶剤の含有量が上記した範囲を外れると、耐固着性や吐出安定性などの信頼性がやや低下する場合がある。
(界面活性剤)
第1インクは、銀粒子の分散剤として用い得る界面活性剤とは別に、さらに界面活性剤を含有することが好ましい。第1インク中の、銀粒子の分散剤として用いる界面活性剤以外の、界面活性剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上2.0質量%以下であることが好ましい。界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。なかでも、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどのノニオン性界面活性剤が好ましい。
(その他の添加剤)
第1インクには、上記成分の他に、尿素やその誘導体、トリメチロールプロパン、及びトリメチロールエタンなどの25℃で固体の水溶性有機化合物を含有させてもよい。また、第1インクには、上記成分以外にも必要に応じて、消泡剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、及びキレート剤などの種々の添加剤を含有させてもよい。
(インクの物性)
第1インクの25℃における粘度(mPa・s)は、1mPa・s以上6mPa・s以下であることが好ましく、1mPa・s以上4mPa・s以下であることがさらに好ましい。また、第1インクの25℃における表面張力(mN/m)は、10mN/m以上60mN/m以下であることが好ましく、20mN/m以上50mN/m以下であることがさらに好ましく、25mN/m以上40mN/m以下であることが特に好ましい。
<第2インク>
第2インクは、色材を含有する水性インクである。この第2インクは、インクジェット用として好適に用いることができる。但し、第2インクは、活性エネルギー線硬化型である必要はないので、重合性基を有するモノマーなどを含有させる必要もない。以下、第2インクを構成する成分について説明する。
(色材)
色材としては、染料、顔料が挙げられる。第2インク中の色材の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、1.0質量%以上10.0質量%以下であることが好ましく、2.0質量%以上8.0質量%以下であることがさらに好ましい。
染料は、アニオン性染料であることが好ましい。また、染料は、アゾ骨格、フタロシアニン骨格、アントラピリドン骨格、及びキサンテン骨格からなる群より選択される少なくとも1種を有する化合物であることが好ましい。顔料としては、カーボンブラック、酸化チタンなどの無機顔料;アゾ、フタロシアニン、キナクリドン、イソインドリノン、イミダゾロン、ジケトピロロピロール、ジオキサジンなどの有機顔料が挙げられる。顔料の分散方式としては、分散剤として樹脂を用いた樹脂分散顔料や、顔料の粒子表面に親水性基が結合している自己分散顔料などを用いることができる。また、顔料の粒子表面に樹脂を化学的に結合させた樹脂結合型顔料や、顔料の粒子表面を樹脂などで被覆したマイクロカプセル顔料などを用いることができる。色材としては、染料や、樹脂分散剤を利用する樹脂分散顔料を用いることが好ましい。
(水性媒体)
第2インクは、水性媒体として少なくとも水を含有する水性のインクである。第2インクには、水、又は水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を含有させることができる。水としては脱イオン水やイオン交換水を用いることが好ましい。第2インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、50.0質量%以上95.0質量%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤は、水溶性であれば特に制限はなく、アルコール類、(ポリ)アルキレングリコール類、グリコールエーテル類、含窒素極性溶剤類、含硫黄極性溶剤類などをいずれも用いることができる。第2インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、3.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。インクジェット記録方法に適用する際に、水溶性有機溶剤の含有量が上記した範囲を外れると、耐固着性や吐出安定性などの信頼性がやや低下する場合がある。
(その他の成分)
第2インクには、上記成分の他に、尿素やその誘導体、トリメチロールプロパン、及びトリメチロールエタンなどの25℃で固体の水溶性有機化合物を含有させてもよい。また、第2インクには、上記成分以外にも必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、及びキレート剤などの種々の添加剤を含有させてもよい。
(インクの物性)
第2インクの25℃における粘度(mPa・s)は、1mPa・s以上6mPa・s以下であることが好ましく、1mPa・s以上4mPa・s以下であることがさらに好ましい。また、第2インクの25℃における表面張力(mN/m)は、10mN/m以上60mN/m以下であることが好ましく、20mN/m以上50mN/m以下であることがさらに好ましく、25mN/m以上40mN/m以下であることが特に好ましい。
<記録媒体>
記録媒体は、所定のハロゲン化物イオンを含有するインク受容層を有する。インク受容層は通常、基材上に設けられる。以下、記録媒体の構成について説明する。
(基材)
基材としては、その少なくとも一方の面にインク受容層を設けられるものであればよく、紙などを用いることができる。具体的には、樹脂などで形成される合成紙、パルプなどで形成される紙が挙げられる。紙としては、木材パルプを主原料とし、必要に応じてポリプロピレンなどの合成パルプや、ナイロン及びポリエステルなどの合成繊維を加えて抄紙したものが挙げられる。木材パルプとしては、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)などが挙げられる。パルプは無塩素漂白パルプ(ECF、TCF)など、塩素を含まないものが好ましい。基材の厚さ(μm)は、50μm以上400μm以下であることが好ましい。
基材には樹脂層を設けてもよい。また、樹脂層は基材の一方の面のみに設けてもよいし、基材の両面に設けてもよい。樹脂層を形成する樹脂としては、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、オレフィン樹脂、スチレン-ブタジエン共重合体などの熱可塑性樹脂が挙げられ、なかでも、オレフィン樹脂が好ましい。オレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレンなどが挙げられ、なかでも、ポリエチレンが好ましい。ポリエチレンとしては、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)が好ましい。不透明度、白色度、色相などを調整するために、樹脂層を形成するための樹脂に、白色顔料、蛍光増白剤、群青などの添加剤を含有させてもよい。不透明度を高めるために、酸化チタンなどの白色顔料を含有させることが好ましい。樹脂層中の白色顔料の含有量(質量%)は、樹脂層全質量を基準として、0.0質量%を超えて25.0質量%以下であることが好ましい。
(インク受容層)
インク受容層は、臭化物イオン及びヨウ化物イオンからなる群より選択されるハロゲン化物イオンを含有するとともに、ハロゲン化物イオンの含有量が0.1mmol/m以上0.8mmol/m以下であることを要する。インク受容層は1層、又は2層以上であってもよく、2層以上の場合はそのうちの基材から最も遠い側のインク受容層が上記構成であることが好ましい。また、インク受容層は、基材の一方の面のみに設けても、又は両方の面に設けてもよい。
インク受容層に、臭化物イオン及びヨウ化物イオンからなる群より選択されるハロゲン化物イオンを含有させる手法としては、水溶性の金属ハロゲン化物を利用する手法が挙げられる。具体的には、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の、臭化物又はヨウ化物を用いることができる。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどが挙げられ、アルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウムなどが挙げられる。水への溶解性がより良好であるため、アルカリ金属の臭化物又はヨウ化物を用いることが好ましい。また、臭化物イオン及びヨウ化物イオンであればいずれであっても本発明の効果を得ることができるが、インク受容層の白色度の観点から臭化物イオンが好ましい。
インク受容層における臭化物イオン及びヨウ化物イオンからなる群より選択されるハロゲン化物イオンの含有量(mmol/m)は、0.1mmol/m以上0.8mmol/m以下である。前記含有量は、0.3mmol/m以上0.7mmol/m以下であることが好ましい。また、本発明においては、インク受容層は塩化物イオンを含有しなくてもよい。塩化物イオンを用いる場合、保存後の光沢の低下抑制の観点では、インク受容層における塩化物イオンの含有量(mmol/m)は、0.5mmol/m以下であることが好ましく、0.1mmol/m以下であることがさらに好ましい。なかでも、インク受容層は塩化物イオンを含有しないことが特に好ましい。
インク受容層におけるハロゲン化物イオンの含有量は、イオンクロマトグラフ法により求めることができる。具体的には、20mLのバイアル(口径:φ16mm)にイオン交換水10mLを入れ、記録媒体のインク受容層面側がバイアルの内容物に接触するように蓋をしてイオン交換水が漏れないように固定する。その後、バイアルを逆さまにして、25℃の環境に24時間静置する。これにより、インク受容層を水に接触させて、ハロゲン化物イオンを抽出する。得られた抽出液を利用して、イオンクロマトグラフ法によるアニオンの定量分析を行うことで、インク受容層におけるハロゲン化物イオンの含有量を求める。本明細書では、ハロゲン化物イオンの含有量は、インク受容層の単位面積あたりのミリモルで表す。
〔カチオン性樹脂〕
粒子径を有し、インク中に分散した状態で存在する顔料とは異なり、染料はインク中に溶解した状態で存在する。したがって、顔料と比較して、染料は銀層上に留まりにくく、発色性が相対的に低くなりやすい。第2インクの色材としてアニオン性染料を用いる場合、カチオン性樹脂を含有するインク受容層を用いることが好ましい。記録媒体に形成された銀層に第2インクを付与すると、第2インクの液体成分にインク受容層中のカチオン性樹脂の少なくとも一部が溶解する。そして、溶解したカチオン性樹脂の一部は、銀層の細孔を通って銀層の表面(第2インクが付与される面)やその近傍に滲み出す。このようにして滲み出したカチオン性樹脂が染料のアニオン性基と反応することで、染料が析出しやすくなって、銀層に留まりやすくなるため、染料を用いる場合でも、画像の発色性の低下を有効に抑制することができる。
カチオン性樹脂としては、アミン構造を有する樹脂などが挙げられ、塩型であってもよい。アミンは1級乃至4級のいずれであってもよい。カチオン性樹脂は、硝酸塩型又は硫酸塩型のアミン構造を有する樹脂であることが好ましい。アミン構造を有する樹脂の硝酸塩としては、ポリアリルアミン硝酸塩、ジシアンジアミド/ジエチレントリアミン樹脂の硝酸塩などが挙げられる。アミン構造を有する樹脂の硫酸塩としては、ポリアリルアミン硫酸塩、ジシアンジアミド/ジエチレントリアミン樹脂の硫酸塩などが挙げられる。カチオン性樹脂の重量平均分子量は、1,000以上100,000以下であることが好ましい。カチオン性樹脂のアミン価は、50mgKOH/g以上300mgKOH/g以下であることが好ましい。
インク受容層におけるカチオン性樹脂の含有量(g/m)は、0.2g/m以上5.0g/m以下であることが好ましい。前記含有量が0.2g/m未満であると、カチオン性樹脂が少なすぎるため、染料が析出しにくく、画像の発色性の低下を抑制する作用が十分に得られない場合がある。前記含有量が5.0g/m超であると、カチオン性樹脂が多すぎるため、インク受容層のインク吸収性が低下しやすく、インク受容層にインクの液体成分が留まり、インク中の染料が析出しにくくなる。これにより、銀層に染料が留まりにくくなるため、画像の発色性の低下を抑制する作用が十分に得られない場合がある。インク受容層におけるカチオン性樹脂の含有量(g/m)は、0.6g/m以上3.0g/m以下であることがさらに好ましい。
〔防錆剤、酸化防止剤〕
インク受容層は、防錆剤、及び酸化防止剤の少なくとも一方を含有することが好ましい。インク受容層に防錆剤や酸化防止剤を含有させておくと、窒素酸化物などの酸化性ガスや光による銀粒子のイオン化を抑制することができる。これにより、ハロゲン化銀が形成されにくくなり、画像を保存した後の光沢性の低下をより有効に抑制することができる。
防錆剤は、1,2,3-ベンゾトリアゾール又はその誘導体であることが好ましい。1,2,3-ベンゾトリアゾールの誘導体としては、1-(メトキシメチル)-1H-ベンゾトリアゾール、1-(ヒドロキシメチル)-1H-ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。インク受容層における防錆剤の含有量(g/m)は、0.02g/m以上0.15g/m以下であることが好ましい。
酸化防止剤は、アスコルビン酸又はその塩であることが好ましい。アスコルビン酸の塩を形成するカチオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属のイオン、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属のイオンなどが挙げられる。インク受容層における酸化防止剤の含有量(g/m)は、0.05g/m以上0.25g/m以下であることが好ましい。
〔無機粒子〕
インク受容層は、無機粒子を含有することが好ましい。無機粒子としては、アルミナ水和物、アルミナ、シリカ、コロイダルシリカ、二酸化チタンなどが挙げられる。無機粒子としては、インク吸収性が高い多孔質構造を形成することができるため、アルミナ水和物、アルミナ、シリカを用いることが好ましい。アルミナ水和物、アルミナ、及びシリカは併用してもよい。インク受容層中の無機粒子の含有量(質量%)は、インク受容層全質量を基準として、50.0質量%以上98.0質量%以下であることが好ましく、70.0質量%以上96.0質量%以下であることがさらに好ましい。
アルミナ水和物としては、ベーマイト型のアルミナ水和物、非晶質のアルミナ水和物が挙げられる。また、アルミナとしては、γ-アルミナ、α-アルミナ、δ-アルミナ、θ-アルミナ、χ-アルミナなどの気相法アルミナが挙げられる。これらのなかでも、画像の光学濃度やインク吸収性の観点から、γ-アルミナが好ましい。
アルミナ水和物及びアルミナは分散剤により分散された状態で、インク受容層を形成するための塗工液(以下、「第1塗工液」と記載することがある)に含有させることが好ましい。分散剤としては、酸を用いることが好ましく、なかでも、画像の滲みを抑制する観点から、R-SOHで表される化合物を用いることが好ましい。式中、Rは水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、又は炭素数以上4以下のアルケニル基を表す。Rは、オキソ基、ハロゲン原子、アルコキシ基、及びアシル基で置換されていてもよい。前記化合物としては、具体的には、メタンスルホン酸などが挙げられる。酸の含有量は、アルミナ水和物やアルミナの含有量を基準として、1.0質量%以上2.0質量%以下であることが好ましく、1.3質量%以上1.6質量%以下であることがさらに好ましい。
シリカは、湿式法、乾式法(気相法)により製造されたものに大別される。湿式法は、ケイ酸塩の酸分解により活性シリカを生成し、これを適度に重合させ、沈降させて「含水シリカ」を得る方法である。乾式法(気相法)は、ハロゲン化ケイ素の高温気相加水分解による方法(火炎加水分解法)や、ケイ砂とコークスとを電気炉中でアークによって加熱還元気化し、これを空気で酸化する方法(アーク法)によって「無水シリカ」を得る方法である。これらのなかでも、乾式法(気相法)により得られる気相法シリカを用いることが好ましい。気相法シリカは、比表面積が大きく、インク吸収性に優れるとともに、屈折率が低く、透明なインク受容層を形成し得るので、画像の発色性の観点で好適である。
無機粒子の一次平均粒子径は、150nm以下であることが好ましく、1nm以上100nm以下であることがさらに好ましく、3nm以上30nm以下であることが特に好ましい。無機粒子の一次平均粒子径は、電子顕微鏡によって観察した際の無機粒子の一次粒子の投影面積と等しい面積を有する円の直径の数平均粒子径である。このとき100点以上で測定を行う。
無機粒子は、上述の通り、分散剤によって第1塗工液中に分散されている状態で用いられることが好ましい。第1塗工液中の無機粒子の二次平均粒子径は、1nm以上500nm以下であることが好ましく、1nm以上300nm以下であることがさらに好ましく、10nm以上250nm以下であることが特に好ましい。無機粒子の二次平均粒子径は、動的光散乱法により測定された、体積基準の累積50%粒子径である。
インク受容層を形成する際に基材に塗布する無機粒子の塗布量(g/m)は、8g/m以上45g/m以下であることが好ましい。上記範囲とすることで、好ましいインク受容層の膜厚となりやすい。無機粒子の塗布量は、第1塗工液中の無機粒子の含有量や、第1塗工液の塗布量により調整することができる。
〔バインダ〕
インク受容層は、無機粒子を結着し、膜を形成するために、バインダを含有することが好ましい。バインダとしては、カチオン基を用いて重合体をカチオン化したもの;カチオン性界面活性剤を用いて重合体の表面をカチオン化したもの;カチオン性ポリビニルアルコール下で重合体を構成するモノマーを重合し、重合体の表面にポリビニルアルコールを分布させたもの;カチオン性コロイド粒子の懸濁分散液中で重合体を構成するモノマーを重合し、重合体の表面にカチオン性コロイド粒子を分布させたもの;メラミン樹脂、尿素樹脂などの熱硬化合成樹脂などの水性バインダ;ポリメチルメタクリレートなどのアクリル酸エステルやメタクリル酸エステルの重合体及び共重合体などの合成樹脂が挙げられる。
上記のバインダのなかでも、透明な膜を形成することができる、ポリビニルアルコール又はその誘導体(以下、「ポリビニルアルコール類」と記載することがある)を用いることが好ましい。ポリビニルアルコールの誘導体としては、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタールなどが挙げられる。
インク吸収性の観点から、インク受容層中のバインダの含有量(質量%)は、無機粒子の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.50倍以下であることが好ましく、0.30倍以下であることがさらに好ましい。また、無機粒子の結着性の観点から、前記質量比率は、0.05倍以上であることが好ましく、0.08倍以上であることがさらに好ましい。
第1塗工液を調製する際は、ポリビニルアルコール類を水溶液として使用することが好ましい。第1塗工液中のポリビニルアルコール類(固形分)の含有量(質量%)は、第1塗工液全質量を基準として、3.0質量%以上20.0質量%以下であることが好ましい。
〔架橋剤〕
インク受容層は、耐水性を高めるために、架橋剤を含有することが好ましい。架橋剤としては、ジルコニウム系化合物、アミド系化合物、アルミニウム系化合物、ホウ酸類などが挙げられる。特にバインダとしてポリビニルアルコール類を用いる場合は、ホウ酸類を用いることが好ましい。ポリビニルアルコール類は多数のヒドロキシ基を有するため親水性が高く、ヒドロキシ基とインク中の水とが反応して、インク受容層が膨潤しやすい。これにより、インク受容層のインク吸収性が低下しやすい傾向にある。インク受容層がポリビニルアルコール類を含有する場合であっても、架橋剤が共存すると、架橋剤とヒドロキシ基とが選択的に反応するので、インク受容層の膨潤が抑制され、インク吸収性の低下を抑制することができる。
ホウ酸類としては、オルトホウ酸(HBO)、メタホウ酸、ジホウ酸などが挙げられる。ホウ酸類は塩型であってもよく、水溶性の塩が好ましい。例えば、ナトリウム塩やカリウム塩などのホウ酸のアルカリ金属塩;マグネシウム塩やカルシウム塩などのホウ酸のアルカリ土類金属塩;ホウ酸のアンモニウム塩などが挙げられる。第1塗工液の経時安定性とクラックの発生を抑制する観点から、オルトホウ酸を用いることが好ましい。
インク受容層がポリビニルアルコール類及び架橋剤を含有する場合、理論上、ポリビニルアルコール類のヒドロキシ基と過不足なく反応する架橋剤の量を1.00当量としたとき、以下の条件を満たすことが好ましい。すなわち、インク受容層中の架橋剤の含有量は、ポリビニルアルコール類の含有量に対して、0.10当量以上1.20当量以下であることが好ましい。この範囲内であれば、ポリビニルアルコール類と架橋剤とが十分に反応するため、画像の発色性及び光沢性をバランスよく向上することができる。架橋剤の使用量は、製造条件などに応じて適宜調整することができる。インク受容層中の、架橋剤の含有量は、バインダの含有量を基準として、1.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましく、5.0質量%以上40.0質量%以下であることがさらに好ましい。
〔その他の成分〕
インク受容層は、上記成分以外にも必要に応じて、pH調整剤、増粘剤、離型剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、耐水化剤、硬化剤などの種々の添加剤を含有させてもよい。
〔紙面pH〕
記録媒体の紙面pHは6.0以下であることが好ましい。記録媒体の紙面pHは、インク受容層のpHのことであり、JAPAN TAPPI No.49-1「紙及び板紙-表面pH試験方法-第1部:ガラス電極法」にしたがって測定することができる。
(記録媒体の製造方法)
本発明で使用する記録媒体は、所定のハロゲン化物イオンを含有するとともに、前記ハロゲン化物イオンの含有量が所定の範囲内であるインク受容層を形成し得る方法であれば、どのような方法で製造したものであってもよい。具体的には、以下の(i)、(ii)のような方法で記録媒体を製造することができる。ここでは、所定のハロゲン化物イオンを発生させ得る化合物として金属ハロゲン化物を用いる場合を例に挙げて説明する。なお、防錆剤や酸化防止剤は第1塗工液及び第2塗工液のどちらに含有させてもよい。
(i)金属ハロゲン化物、無機粒子などを含有する第1塗工液を基材に塗布する方法
(ii)無機粒子などを含有する第1塗工液を基材に塗布した後、これとは別に、金属ハロゲン化物などを含有する第2塗工液を基材に塗布する方法
(i)の方法は1段階の塗布によりインク受容層を形成するものである。また、(ii)の方法は第1塗工液の塗布により多孔質層を形成した後に、多孔質層内に所定のハロゲン化物イオンを存在させるための第2塗工液を塗布することによって、インク受容層を形成するものである。(ii)の方法を利用する場合は、基材に第1塗工液を塗布した後、第2塗工液を塗布する前に、必要に応じて第1塗工液を乾燥させてもよい。これらの方法のいずれを採用するかは、製造装置の方式や生産性などに応じて決定することができる。
各塗工液は、カーテンコーター、エクストルージョン方式を用いたコーター、スライドホッパー方式を用いたコーターなどを用いて基材に塗布することができる。塗布の際には塗工液を加温してもよい。乾燥方法としては、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤーなどの熱風乾燥機を使用する方法、赤外線、加熱ドライヤー、マイクロ波などを利用した乾燥機を使用する方法などが挙げられる。
[記録物]
本発明の記録物は、インク受容層、前記インク受容層に隣接した第1層、及び前記第1層に隣接した第2層を有する。インク受容層は、臭化物イオン及びヨウ化物イオンからなる群より選択されるハロゲン化物イオンを含有するとともに、インク受容層における前記ハロゲン化物イオンの含有量(mmol/m)は0.1mmol/m以上0.8mmol/m以下である。第1層は銀で形成され、第2層は色材で形成される。かかる構成を有する記録物は、好適には、上記で説明した本発明の記録方法により作製することができる。そして、本発明の記録物は、上記で説明した通り、発色性に優れるとともに、保存した後にも優れた光沢性を有する。
以下、実施例、及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、成分量に関して「部」、及び「%」と記載しているものは特に断らない限り質量基準である。
<銀粒子の分散液の調製>
特表2010-507727号公報の実施例2の記載を参考にして、銀粒子の分散液1~3を調製した。この際、撹拌速度により粒子径を調整した。各分散液中の銀粒子の含有量は20.0%、樹脂の含有量は2.0%であった。銀粒子の体積基準の累積50%粒子径は、分散液1では32nm、分散液2では150nm、分散液3では160nmであった。銀粒子の体積基準の累積50%粒子径は以下の手順で測定した。先ず、イオン交換水で約2,000倍(質量基準)に希釈した分散液を、シリコーン材料で形成された基板に塗布して、水を乾燥により除去してサンプルを準備した。次いで、得られたサンプルを利用して、3,000個以上の銀粒子について、走査型電子顕微鏡で観察し、画像解析・計測ソフトウェア(商品名「WinROOF2015」、三谷商事製)を利用して画像処理を行って算出した値である。
<第1インクの調製>
表1に示す各成分(単位:%)を混合して、十分撹拌した後、ポアサイズ1.2μmのフィルターにて加圧ろ過を行い、第1インクを得た。アセチレノールE100は、川研ファインケミカル製のノニオン性界面活性剤の商品名である。
Figure 0007362353000001
<色材の準備>
(顔料分散液1)
顔料(C.I.ピグメントレッド122)10.0部、樹脂分散剤の水溶液30.0部、及びイオン交換水60.0部を混合して混合物を得た。樹脂分散剤の水溶液としては、酸価120mgKOH/g、重量平均分子量8,000のスチレン-アクリル酸共重合体を、その酸価と等モル量の水酸化カリウムで中和してイオン交換水に溶解させた、水溶性樹脂の含有量が10.0%である水溶液を用いた。得られた混合物、及び0.3mm径のジルコニアビーズ200部を、バッチ式縦型サンドミル(アイメックス製)に入れて、水冷しながら5時間分散させた。その後、遠心分離して粗大粒子を除去した。ポアサイズ3.0μmのセルロースアセテートフィルター(アドバンテック製)にて加圧ろ過して、顔料の含有量が10.0%、樹脂分散剤の含有量が3.0%の顔料分散液1を調製した。
(顔料分散液2)
顔料をC.I.ピグメントブルー15:3に変更したこと以外は、前述の顔料分散液1と同様の手順で、顔料の含有量が10.0%、樹脂分散剤の含有量が3.0%の顔料分散液2を調製した。
(顔料分散液3)
顔料をC.I.ピグメントイエロー74に変更したこと以外は、前述の顔料分散液1と同様の手順で、顔料の含有量が10.0%、樹脂分散剤の含有量が3.0%の顔料分散液3を調製した。
(染料1)
国際公開第2006/082669号の合成方法の記載に準じて、遊離酸型として下記式(1)で表される化合物のカリウム塩(染料1)を合成した。
Figure 0007362353000002
<第2インクの調製>
表2に示す各成分(単位:%)を混合して、十分撹拌した後、ポアサイズ1.2μmのフィルターにて加圧ろ過を行い、第2インクを得た。アセチレノールE100は、川研ファインケミカル製のノニオン性界面活性剤の商品名である。
Figure 0007362353000003
<基材の作製>
(基材1)
100.0部の広葉樹晒クラフトパルプのスラリーに、軽質炭酸カルシウム20.0部を添加した後、カチオン澱粉2.0部、及び無水アルケニルコハク酸系中性サイズ剤0.3部を添加して混合し、抄紙原料を得た。得られた抄紙原料について、長網多筒式抄紙機を用いて水分が10%(質量基準)となるまで乾燥させ、原紙を得た。得られた原紙の両面に、サイズプレスにより、酸化澱粉の7%水溶液を両面合計で4g/m塗布した後、水分が7%(質量基準)となるまで乾燥させて、坪量110g/mの基紙を得た。得られた基紙の両面に、溶融押し出し機により、高密度ポリエチレン70部と低密度ポリエチレン20部で構成される樹脂組成物を、片面あたり30g/mの塗工量となるように塗布して、基材1を得た。
(基材2)
100.0部の広葉樹晒クラフトパルプのスラリーに、軽質炭酸カルシウム20.0部を添加した後、カチオン澱粉2.0部、及び無水アルケニルコハク酸系中性サイズ剤0.3部を添加して混合し、抄紙原料を得た。得られた抄紙原料について、長網多筒式抄紙機を用いて水分が10%(質量基準)となるまで乾燥させ、原紙を得た。得られた原紙の両面に、サイズプレスにより、酸化澱粉の7%水溶液を両面合計で4g/m塗布した後、水分を7%(質量基準)となるまで乾燥させて、坪量200g/mの基紙を作製し、これを基材2とした。
(基材3)
ポリピロピレンで形成された合成紙(商品名「ユポハイグロスGAR 110」、ユポ・コーポレーション製)を基材3とした。
<第1塗工液の調製>
先ず、第1塗工液の調製に用いる各種の溶液を調製した。イオン交換水にポリビニルアルコール(商品名「PVA235」、クラレ製、重合度3500、ケン化度88%)を添加して、ポリビニルアルコールの含有量が8.0%であるPVA水溶液を得た。イオン交換水にオルトホウ酸(架橋剤)を添加して、架橋剤の含有量が3.0%であるオルトホウ酸水溶液を得た。イオン交換水に臭化カリウムを添加して、臭化カリウムの含有量が10.0%である臭化カリウム水溶液を得た。エタノールに1,2,3-ベンゾトリアゾールを添加して、1,2,3-ベンゾトリアゾールの含有量が10.0%であるBTA溶液を得た。
(第1塗工液1)
イオン交換水に、アルミナ水和物(商品名「DISPERSAL HP14」、サソール製)を添加して、アルミナ水和物の含有量が30.0%である分散液を得た。この分散液に、アルミナ水和物の含有量に対して、メタンスルホン酸(アルミナ水和物の分散剤)の含有量が1.6%となる量のメタンスルホン酸を添加した後、十分に撹拌して、コロイダルゾルを得た。得られたコロイダルゾルに適量のイオン交換水を添加して、無機粒子(アルミナ水和物)の含有量が27.0%である分散液1を得た。上記で得られた分散液1に、無機粒子の含有量に対して、ポリビニルアルコールの含有量が11.0%となる量のPVA水溶液を添加して混合した。次いで、無機粒子の含有量に対して、オルトホウ酸の含有量が2.0%となる量のオルトホウ酸水溶液を添加して混合した。このようにして、第1塗工液1を得た。
(第1塗工液2)
上記で得られた塗工液1に、無機粒子の含有量に対して、1,2,3-ベンゾトリアゾールの含有量が0.4%となる量のBTA溶液を添加して混合した。さらに、無機粒子の含有量に対して、臭化カリウムの含有量が0.2%となる量の臭化カリウム水溶液を添加して混合した。このようにして、第1塗工液2を得た。
(第1塗工液3)
イオン交換水に、湿式シリカ(商品名「NIPGEL AY-603」、東ソー・シリカ製)を添加して、湿式シリカの含有量が15.0%である分散液2を得た。上記で得られた分散液1に、アルミナ水和物及び湿式シリカの質量比率が97.5:2.5となる量の分散液2を添加して、混合した。このようにして、無機粒子(アルミナ水和物及び湿式シリカ)の含有量20.0%である分散液3を得た。上記で得られた分散液3に、無機粒子の含有量に対して、ポリビニルアルコールの含有量が5.5%となる量のPVA水溶液を添加して混合した。次いで、無機粒子の含有量に対して、ホウ酸の含有量が1.0%となる量のオルトホウ酸水溶液を添加して混合した。その後、無機粒子の含有量に対して、1,2,3-ベンゾトリアゾールの含有量が0.4%となる量のBTA溶液を添加して混合した。さらに、無機粒子の含有量に対して、臭化カリウムの含有量が0.4%となる量の臭化カリウム水溶液を添加して混合した。このようにして、第1塗工液3を得た。
(第1塗工液4)
上記で得られた分散液1に、無機粒子の含有量に対して、ポリビニルアルコールの含有量が9.5%となる量のPVA水溶液を添加して混合した。次いで、無機粒子の含有量に対して、ホウ酸の含有量が0.2%となる量のオルトホウ酸水溶液を添加して混合した。その後、無機粒子の含有量に対して、1,2,3-ベンゾトリアゾールの含有量が0.4%となる量のBTA溶液を添加して混合した。さらに、無機粒子の含有量に対して、臭化カリウムの含有量が0.3%となる量の臭化カリウム水溶液を添加して混合した。このようにして、第1塗工液4を得た。
(第1塗工液5)
上記で得られた塗工液1に、無機粒子の含有量に対して、臭化カリウムの含有量が0.2%となる量の臭化カリウム水溶液を添加して混合した。このようにして、第1塗工液5を得た。
(第1塗工液6)
上記で得られた塗工液1に、無機粒子の含有量に対して、1,2,3-ベンゾトリアゾールの含有量が0.4%となる量のBTA溶液を添加して混合した。このようにして、第1塗工液6を得た。
<第2塗工液の調製>
先ず、ポリアリルアミン(商品名「PAA-01」、ニットーボーメディカル製)に、硝酸を加えて、液体のpHが4.0程度になるように調整し、ポリアリルアミンの硝酸塩を含む液体を得た。表3に示す各成分(単位:部)を混合して、第2塗工液を得た。表3に示す「BTA溶液」及び「イオン交換水」以外の成分は固形分としての使用量(部)で示した。BTA溶液は第1塗工液の調製の際に用いたものと同じものである。
Figure 0007362353000004
(記録媒体)
第1塗工液を表4に示す乾燥後の厚さとなるように基材に塗工し、80℃で乾燥させた。その後、記録媒体1~20及び25~29については、さらに、第2塗工液を表4に示す乾燥塗工量となるように塗工し、80℃で乾燥させて、記録媒体を得た。記録媒体21~24は第2塗工液を使用せずに作製した。先に述べた方法で測定した記録媒体の紙面pHは、いずれも4.2であった。
Figure 0007362353000005
<記録物の作製、評価>
上記で調製した各インクをインクカートリッジに充填し、表5の左側に示す組み合わせで、熱エネルギーの作用によりインクを吐出する記録ヘッドを搭載したインクジェット記録装置(商品名「PIXUS MG3630」、キヤノン製)にセットした。本実施例では、第1インクについては、1/600インチ×1/600インチの単位領域に、約11.2ngのインク滴を2滴付与する条件で記録した画像を、記録デューティが100%であると定義する。また、第2インクについては、1/600インチ×1/600インチの単位領域に、約5.7ngのインク滴を2滴付与する条件で記録した画像を、記録デューティが100%であると定義する。本発明においては、下記の各項目の評価基準で、AAA、AA、A、及びBを許容できるレベルとし、Cを許容できないレベルとした。評価結果を表5に示す。
(発色性)
前記インクジェット記録装置を用いて、表5の左側に示す記録媒体に、記録デューティが100%となるように第1インクを付与して画像を記録した。その後、第1インクを付与した領域(第1インクの画像)に重なるように、3種の第2インクのそれぞれを、記録デューティが100%となるように付与して、3種のベタ画像を記録して、記録物を作製した。作製した記録物について、積分球型の分光測色計(商品名「CM-2600d」、コニカミノルタ製)を用いて、SCIモード(正反射光を含む条件)で、以下の測色を行った。以下の色度(a及びb)は、CIE(国際照明委員会)により規定されたL表示系の値である。先ず、第1インクのみで記録された部分の画像について色度(a 及びb )を測定した。また、第1インク及び第2インクで記録された部分の画像について、同様に色度(a 及びb )を測定した。ΔEab={(a -a +(b -b 1/2の式に基づいて色差ΔEabを算出し、以下に示す評価基準にしたがって発色性を評価した。ΔEabは第1インクの画像の色調を基準として、第1インク及び第2インクで記録された画像の色調を「ずれ」として示す指標である。したがって、ΔEabの値が大きいと、第2インクに使用した色材の色調を認識しやすい画像であることを意味する。本評価条件では、ΔEabが2.0以上である画像は、銀粒子の色調(銀色)ではなく、第2インクに使用した色材の色調が目視でも認識できる画像であると言える。
AAA:3種の第2インクのすべてについて、ΔEabが6.0以上10.0未満だった
AA:3種の第2インクのうち、2種のΔEabが6.0以上10.0未満であり、1種のΔEabが2.0以上6.0未満だった
A:3種の第2インクのうち、2種のΔEabが6.0以上10.0未満であり、1種のΔEabが2.0未満だった
B:3種の第2インクのうち、2種のΔEabが2.0以上6.0未満であり、1種のΔEabが2.0未満だった
C:3種の第2インクのすべてについて、ΔEabが2.0未満だった。
(光沢の低下抑制)
前記インクジェット記録装置を用いて、表5の左側に示す記録媒体に第1インクを付与して、記録デューティが100%であるベタ画像を記録した。このベタ画像を、25℃、相対湿度50%の環境に1日置いた後、光沢度計(商品名「VG-7000」、日本電色工業製)を用いて、ベタ画像の20°光沢度Gを測定した。その後、このベタ画像を、ガス腐食試験機(スガ試験機製)内に載置し、槽内温度25℃、相対湿度80%の条件で、ベタ画像に混合ガスを36時間曝露させた。混合ガスとしては、0.90ppmのNOガス、0.05ppmのSOガス、及び0.15ppmのOガスの混合物を用いた。曝露後のベタ画像について、同様に20°光沢度Gを測定した。そして、光沢残存率=G/G×100(%)の式に基づいて光沢残存率を算出し、画像の光沢性を評価した。
AA:光沢残存率が75%以上であった
A:光沢残存率が60%以上75%未満であった
B:光沢残存率が50%以上60%未満であった
C:光沢残存率が50%未満であった。
Figure 0007362353000006

Claims (20)

  1. 第1インクを記録媒体に付与する工程と、第2インクを、前記第1インクを付与した領域の少なくとも一部に重なるように付与して、前記記録媒体に画像を記録する工程と、を有する記録方法であって、
    前記第1インクが、銀粒子を含有する水性インクであり、
    前記第2インクが、色材を含有する水性インクであり、
    前記記録媒体が、臭化物イオン及びヨウ化物イオンからなる群より選択されるハロゲン化物イオンを含有するインク受容層を有し、
    前記インク受容層における前記ハロゲン化物イオンの含有量(mmol/m)が、0.1mmol/m以上0.8mmol/m以下であることを特徴とする記録方法。
  2. 前記インク受容層における前記ハロゲン化物イオンの含有量(mmol/m )が、0.3mmol/m 以上0.7mmol/m 以下である請求項1に記載の記録方法。
  3. 前記インク受容層が、前記臭化物イオンを含有する請求項1又は2に記載の記録方法。
  4. 前記インク受容層が、防錆剤、及び酸化防止剤の少なくとも一方を含有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の記録方法。
  5. 前記防錆剤が、1,2,3-ベンゾトリアゾール、1-(メトキシメチル)-1H-ベンゾトリアゾール、又は1-(ヒドロキシメチル)-1H-ベンゾトリアゾールであり、前記酸化防止剤が、アスコルビン酸又はその塩である請求項4に記載の記録方法。
  6. 前記インク受容層が、防錆剤を含有する請求項1に記載の記録方法。
  7. 前記インク受容層における前記防錆剤の含有量(g/m )が、0.02g/m 以上0.15g/m 以下である請求項6に記載の記録方法。
  8. 前記インク受容層が、酸化防止剤を含有する請求項1に記載の記録方法。
  9. 前記インク受容層における前記酸化防止剤の含有量(g/m )が、0.05g/m 以上0.25g/m 以下である請求項8に記載の記録方法。
  10. 前記インク受容層が、カチオン性樹脂を含有する請求項1乃至のいずれか1項に記載の記録方法。
  11. 前記カチオン性樹脂が、アミン構造を有する樹脂である請求項10に記載の記録方法。
  12. 前記インク受容層における前記カチオン性樹脂の含有量(g/m)が、0.2g/m以上5.0g/m以下である請求項10又は11に記載の記録方法。
  13. 前記インク受容層における前記カチオン性樹脂の含有量(g/m )が、0.6g/m 以上3.0g/m 以下である請求項10又は11に記載の記録方法。
  14. 前記第1インク中の前記銀粒子の含有量(質量%)が、インク全質量を基準として、2.0質量%以上15.0質量%以下である請求項1乃至13のいずれか1項に記載の記録方法。
  15. 前記銀粒子の体積基準の累積50%粒子径が、150nm以下である請求項1乃至14のいずれか1項に記載の記録方法。
  16. 前記第2インクの色材が、染料及び顔料の少なくとも一方を含む請求項1乃至15のいずれか1項に記載の記録方法。
  17. 前記第1インク及び前記第2インクを、インクジェット方式の記録ヘッドから吐出して前記記録媒体に付与する請求項1乃至16のいずれか1項に記載の記録方法。
  18. 第1インクを記録媒体に付与した後に、第2インクを、前記第1インクを付与した領域の少なくとも一部に重なるように付与して前記記録媒体に画像を記録する手段を備えた記録装置であって、
    前記第1インクが、銀粒子を含有する水性インクであり、
    前記第2インクが、色材を含有する水性インクであり、
    前記記録媒体が、臭化物イオン及びヨウ化物イオンからなる群より選択されるハロゲン化物イオンを含有するインク受容層を有し、
    前記インク受容層における前記ハロゲン化物イオンの含有量(mmol/m)が、0.1mmol/m以上0.8mmol/m以下であることを特徴とする記録装置。
  19. 前記第1インク及び前記第2インクを前記記録媒体に付与する手段が、インクジェット方式の記録ヘッドである請求項18に記載の記録装置。
  20. インク受容層、前記インク受容層に隣接した第1層、及び前記第1層に隣接した第2層を有する記録物であって、
    前記インク受容層が、臭化物イオン及びヨウ化物イオンからなる群より選択されるハロゲン化物イオンを含有し、
    前記インク受容層における前記ハロゲン化物イオンの含有量(mmol/m)が、0.1mmol/m以上0.8mmol/m以下であり、
    前記第1層が、銀で形成され、
    前記第2層が、色材で形成されることを特徴とする記録物。
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