JP6230364B2 - 記録媒体 - Google Patents

記録媒体 Download PDF

Info

Publication number
JP6230364B2
JP6230364B2 JP2013211990A JP2013211990A JP6230364B2 JP 6230364 B2 JP6230364 B2 JP 6230364B2 JP 2013211990 A JP2013211990 A JP 2013211990A JP 2013211990 A JP2013211990 A JP 2013211990A JP 6230364 B2 JP6230364 B2 JP 6230364B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
hydroxyl group
soluble resin
mass
content
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013211990A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014094560A (ja
JP2014094560A5 (ja
Inventor
仁藤 康弘
康弘 仁藤
久男 加茂
久男 加茂
直也 八田
直也 八田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2013211990A priority Critical patent/JP6230364B2/ja
Publication of JP2014094560A publication Critical patent/JP2014094560A/ja
Publication of JP2014094560A5 publication Critical patent/JP2014094560A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6230364B2 publication Critical patent/JP6230364B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • B41M5/50Recording sheets characterised by the coating used to improve ink, dye or pigment receptivity, e.g. for ink-jet or thermal dye transfer recording
    • B41M5/502Recording sheets characterised by the coating used to improve ink, dye or pigment receptivity, e.g. for ink-jet or thermal dye transfer recording characterised by structural details, e.g. multilayer materials
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • B41M5/50Recording sheets characterised by the coating used to improve ink, dye or pigment receptivity, e.g. for ink-jet or thermal dye transfer recording
    • B41M5/502Recording sheets characterised by the coating used to improve ink, dye or pigment receptivity, e.g. for ink-jet or thermal dye transfer recording characterised by structural details, e.g. multilayer materials
    • B41M5/506Intermediate layers
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • B41M5/50Recording sheets characterised by the coating used to improve ink, dye or pigment receptivity, e.g. for ink-jet or thermal dye transfer recording
    • B41M5/502Recording sheets characterised by the coating used to improve ink, dye or pigment receptivity, e.g. for ink-jet or thermal dye transfer recording characterised by structural details, e.g. multilayer materials
    • B41M5/508Supports
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • B41M5/50Recording sheets characterised by the coating used to improve ink, dye or pigment receptivity, e.g. for ink-jet or thermal dye transfer recording
    • B41M5/52Macromolecular coatings
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • B41M5/50Recording sheets characterised by the coating used to improve ink, dye or pigment receptivity, e.g. for ink-jet or thermal dye transfer recording
    • B41M5/52Macromolecular coatings
    • B41M5/5218Macromolecular coatings characterised by inorganic additives, e.g. pigments, clays
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • B41M5/50Recording sheets characterised by the coating used to improve ink, dye or pigment receptivity, e.g. for ink-jet or thermal dye transfer recording
    • B41M5/52Macromolecular coatings
    • B41M5/5254Macromolecular coatings characterised by the use of polymers obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds, e.g. vinyl polymers
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M2205/00Printing methods or features related to printing methods; Location or type of the layers
    • B41M2205/42Multiple imaging layers

Description

本発明は記録媒体に関する。
近年、商業印刷の分野におけるインクジェット記録方法の需要が高まっている。商業印刷においては、得られる画像の光学濃度が高いことや、高湿下での保存安定性が高い、即ち、耐湿性が高いことといった、インクジェット記録方法に用いる記録媒体として求められる性能に加えて、高速記録に対応した高いインク吸収性や、高速で搬送された際に、記録媒体の表面に搬送ローラーによる傷が付きにくいような性質、即ち、高い耐搬送傷性が求められる。
上述の通り、商業印刷には多くの性能は求められるが、中でも高速記録に対応した高いインク吸収性を得るための方法として、従来、基材上に2層のインク受容層を設けた記録媒体が知られている。特許文献1には、基材に近い側のインク受容層の、バインダーの含有量が、無機粒子であるアルミナ水和物の含有量に対して、7質量%以上12質量%以下であり、基材に遠い側のインク受容層の、バインダーの含有量が、アルミナ水和物の含有量に対して、4質量%以上6質量%以下である記録媒体が記載されている。
特開2008−265110号公報
しかしながら、本発明者らの検討の結果、特許文献1に記載の記録媒体は、耐搬送傷性が十分に得られないことが分かった。
したがって、本発明の目的は、得られる画像の光学濃度及び耐湿性が高く、かつ、インク吸収性及び耐搬送傷性に優れた記録媒体を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明にかかる記録媒体は、基材と、第1のインク受容層と、第2のインク受容層とをこの順に有し、前記第1のインク受容層は、無機粒子と、水酸基を有する水溶性樹脂と、水酸基を有さない水溶性樹脂と、ホウ酸とを含有する第1の塗工液によって形成され前記第1の塗工液における、前記無機粒子の含有量に対する前記水酸基を有する水溶性樹脂の含有量の質量比率が、5.0質量%以上17.0質量%以下であり、前記第1の塗工液における、前記無機粒子の含有量に対する前記水酸基を有さない水溶性樹脂の含有量の質量比率が、1.0質量%以上15.0質量%以下であり、前記第2のインク受容層は、無機粒子と、水酸基を有する水溶性樹脂と、ホウ酸とを含有する第2の塗工液によって形成され、かつ、条件(1):前記第2の塗工液は、水酸基を有さない水溶性樹脂を含有しない、又は、条件(2):前記第2の塗工液は、水酸基を有さない水溶性樹脂を含有するが、前記第2の塗工液における、前記無機粒子の含有量に対する前記水酸基を有さない水溶性樹脂の含有量が、前記第1の塗工液における、前記無機粒子の含有量に対する前記水酸基を有さない水溶性樹脂の含有量より小さい、を満足し、前記水酸基を有さない水溶性樹脂が、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミドから選択される少なくとも1種であることを特徴とする。
本発明によれば、得られる画像の光学濃度及び耐湿性が高く、かつ、インク吸収性及び耐搬送傷性に優れた記録媒体を提供することができる。
本発明の層構成の一例を説明するための記録媒体の断面の模式図である。
以下、好適な実施の形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。
本発明者らが種々の検討を行ったところ、基材の上に少なくとも2層のインク受容層を設け、基材に近い第1のインク受容層が、バインダーとして、水酸基を有する樹脂と水酸基を有さない樹脂とを共に含有し、一方、基材から遠い第2のインク受容層が、バインダーとして、水酸基を有する樹脂を含有し、かつ、条件(1):「水酸基を有さない水溶性樹脂を含有しない」、又は、条件(2):「水酸基を有さない水溶性樹脂を含有するが、第2のインク受容層における、無機粒子の含有量に対する水酸基を有さない水溶性樹脂の含有量が、第1のインク受容層における、無機粒子の含有量に対する水酸基を有さない水溶性樹脂の含有量より小さい」を満足する、という本発明の構成により、上記本発明の効果が得られることが分かった。このメカニズムは明らかではないが、インク受容層中の水酸基を有する樹脂がホウ酸と反応して架橋するのに対し、水酸基を有さない樹脂がホウ酸と反応せず架橋しないことから、インク受容層中の架橋している部位の量が、第1のインク受容層と比較して、第2のインク受容層の方が少なくなることが重要であることが分かった。
[記録媒体]
本発明の記録媒体は、基材と、第1のインク受容層と、第2のインク受容層とをこの順に有する。本発明の層構成の一例を、図1を用いて説明する。図1に示す記録媒体は、基材(1)と、第1のインク受容層(2)と、第2のインク受容層(3)とを有する。本発明の効果を損なわないのであれば、基材(1)と第1のインク受容層(2)の間や、第1のインク受容層(2)と第2のインク受容層(3)の間や、第2のインク受容層(3)の上に、更に層が設けられていてもよい。また、本発明においては、基材(1)と第1のインク受容層(2)と第2のインク受容層(3)とがこの順に隣接して存在することが好ましい。本発明においては、インクジェット記録方法に用いるインクジェット用記録媒体であることが好ましい。以下、本発明の記録媒体を構成する各成分について、それぞれ説明する。
<基材>
基材としては、基紙のみから構成されるものや、基紙と樹脂層を有するもの、即ち、基紙が樹脂で被覆されているものが挙げられる。本発明においては、基紙と樹脂層を有する基材を用いることが好ましい。その場合、樹脂層は、基紙の片面のみに設けられていてもよいが、両面に設けられていることが好ましい。
基紙は、木材パルプを主原料とし、必要に応じてポリプロピレンなどの合成パルプや、ナイロンやポリエステルなどの合成繊維を加えて抄紙される。木材パルプとしては広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)、広葉樹溶解パルプ(LDP)、針葉樹溶解パルプ(NDP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)などが挙げられる。これらは、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。木材パルプの中でも短繊維成分の多いLBKP、NBSP、LBSP、NDP、LDPを用いることが好ましい。パルプとしては、不純物の少ない化学パルプ(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましい。また、漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも好ましい。紙基材中には、サイズ剤、白色顔料、紙力増強剤、蛍光増白剤、水分保持剤、分散剤、柔軟化剤などを適宜添加してもよい。
本発明において、基紙のJIS P 8118で規定される紙密度は、0.6g/cm以上1.2g/cm以下であることが好ましい。更には、0.7g/cm以上1.2g/cm以下であることがより好ましい。
本発明において、基材が樹脂層を有する場合は、樹脂層の膜厚は、20μm以上60μm以下であることが好ましい。尚、本発明において、樹脂層の膜厚は、以下の方法で算出する。まず、記録媒体の断面をマイクロトームで切り出し、その断面を走査型電子顕微鏡で観察する。そして、樹脂層の任意の100点以上の膜厚を測定し、その平均値を樹脂層の膜厚とする。尚、本発明におけるその他の層の膜厚も同様の方法で算出するものとする。
樹脂層を基紙の両面に設ける場合は、両面の樹脂層の膜厚が上記範囲を満足することが好ましい。樹脂層に用いられる樹脂としては、熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂としては、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体などが挙げられる。これらの中でも、ポリオレフィン樹脂を用いることが好ましい。本発明において、ポリオレフィン樹脂とは、モノマーとしてオレフィンを用いた重合体を意味する。具体的には、エチレン、プロピレン、イソブチレンなどの単重合体や共重合体が挙げられる。ポリオレフィン樹脂は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、ポリエチレンを用いることが好ましい。ポリエチレンとしては、低密度ポリエチレン(LDPE)や高密度ポリエチレン(HDPE)を用いることが好ましい。樹脂層は、不透明度や白色度や色相を調整するために、白色顔料や蛍光増白剤や群青などを含有してもよい。中でも、不透明度を向上することができるため、白色顔料を含有することが好ましい。白色顔料としては、ルチル型又はアナターゼ型の酸化チタンが挙げられる。
<インク受容層>
本発明において、インク受容層は、上記基材の片面のみに設けられてもよく、両面に設けられてもよい。基材の片面における、全てのインク受容層の合計の膜厚は、30μm以上45μm以下であることが好ましい。
本発明においては、インク受容層は第1のインク受容層と、第2のインク受容層の少なくとも2層を有する。以下、それぞれのインク受容層に含有することができる材料について、それぞれ説明する。
(第1のインク受容層)
本発明において、第1のインク受容層は、無機粒子と、バインダーとして水酸基を有する水溶性樹脂と水酸基を有さない水溶性樹脂と、架橋剤としてホウ酸とを含有する。第1のインク受容層の膜厚は15μm以上30μm以下が好ましい。
(1)無機粒子
無機粒子の平均一次粒子径は、50nm以下が好ましい。更には、1nm以上30nm以下がより好ましく、3nm以上10nm以下が特に好ましい。本発明において、無機粒子の平均一次粒子径は、電子顕微鏡によって観察したときの無機粒子の一次粒子の投影面積と等しい面積を有する円の直径の数平均粒子径である。このとき少なくとも100点以上で測定を行う。
本発明において、無機粒子は、分散剤によって分散されている状態で、インク受容層用の塗工液に用いられることが好ましい。分散状態での無機粒子の平均二次粒子径は、0.1nm以上500nm以下が好ましく、更には、1nm以上300nm以下がより好ましく、10nm以上250nm以下が特に好ましい。尚、分散状態での無機粒子の平均二次粒子径は、動的光散乱法により測定することができる。
本発明において、第1のインク受容層中に占める、無機粒子の含有量(質量%)は、30質量%以上98質量%以下であることが好ましく、更には、70質量%以上96質量%以下であることがより好ましい。
本発明において、第1のインク受容層を形成する際に塗布する無機粒子の塗布量(g/m)は、15g/m以上45g/m以下であることが好ましい。上記範囲とすることで、好ましい第1のインク受容層の膜厚となりやすい。
本発明に用いる無機粒子としては、例えば、アルミナ水和物、アルミナ、シリカ、コロイダルシリカ、二酸化チタン、ゼオライト、カオリン、タルク、ハイドロタルサイト、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウムなどが挙げられる。これらの無機粒子は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。上記無機粒子の中でも、インクの吸収性が高い多孔質構造を形成することができるアルミナ水和物、アルミナ、シリカを用いることが好ましい。
インク受容層に用いるアルミナ水和物は、
一般式(X):Al3−n(OH)2n・mHO(一般式(X)中、nは0、1、2、又は3であり、mは0以上10以下、好ましくは0以上5以下である。ただし、mとnは同時に0にはならない。)
により表されるものを好適に用いることができる。尚、mHOは、多くの場合、結晶格子の形成に関与しない脱離可能な水相を表すものであるため、mは整数でなくてもよい。また、アルミナ水和物を加熱するとmは0となり得る。
本発明において、アルミナ水和物は、公知の方法で製造することができる。具体的には、アルミニウムアルコキシドを加水分解する方法、アルミン酸ナトリウムを加水分解する方法、アルミン酸ナトリウムの水溶液に、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウムの水溶液を加えて中和する方法などが挙げられる。
アルミナ水和物の結晶構造としては、熱処理する温度に応じて、非晶質、ギブサイト型、ベーマイト型が知られている。尚、アルミナ水和物の結晶構造は、X線回折法によって分析することができる。本発明においては、これらの中でも、ベーマイト構造のアルミナ水和物又は非晶質のアルミナ水和物が好ましい。具体例としては、特開平7−232473号公報、特開平8−132731号公報、特開平9−66664号公報、特開平9−76628号公報などに記載されたアルミナ水和物や、市販のアルミナ水和物としてはDisperal;HP14、HP18(以上、サソール製)などを挙げることができる。これらのアルミナ水和物は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
また、本発明において、アルミナ水和物のBET法で求められる比表面積が100m/g以上200m/g以下であることが好ましく、125m/g以上190m/g以下であることがより好ましい。ここでBET法とは、試料表面に大きさの分かった分子やイオンを吸着させて、その吸着量から、試料の比表面積を測定する方法である。本発明においては、試料に吸着させる気体として、窒素ガスを用いる。
アルミナ水和物は、平板状であることが好ましい。更には、アルミナ水和物の平均粒子厚さに対する、平板面の平均一次粒子径の比率である平均アスペクト比が3.0以上10以下であることが好ましい。尚、平均粒子厚さは、電子顕微鏡によって観察した際に、任意の10個のアルミナ水和物をピックアップし、その10個のアルミナ水和物の厚さの数平均により算出する。また、平板面の粒子径の最大値に対する最小値の比率が0.60以上1.0以下であることが好ましい。
インク受容層に用いるアルミナとしては、気相法アルミナが好ましい。気相法アルミナとしては、γ−アルミナ、α−アルミナ、δ−アルミナ、θ−アルミナ、χ−アルミナなどを挙げることができる。これらの中でも、画像の光学濃度やインク吸収性の観点から、γ−アルミナを用いることが好ましい。気相法アルミナの具体例としては、AEROXIDE;Alu C、Alu130、Alu65(以上、EVONIK製)などを挙げることができる。
本発明において、気相法アルミナのBET法で求められる比表面積が50m/g以上が好ましく、80m/g以上がより好ましい。また、150m/g以下が好ましく、120m/g以下がより好ましい。
また、気相法アルミナの平均一次粒子径は、5nm以上が好ましく、11nm以上がより好ましい。また、30nm以下が好ましく、15nm以下がより好ましい。
本発明に用いるアルミナ水和物及びアルミナは、水分散液としてインク受容層用塗工液に混合することが好ましく、その分散剤として酸を使用することが好ましい。酸としては、
一般式(Y):R−SO
(一般式(Y)中、Rは水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のアルケニル基の何れかを表す。Rは、オキソ基、ハロゲン原子、アルコキシ基、及びアシル基で置換されていてもよい。)
で表されるスルホン酸を用いることが、画像の滲みを抑制する効果が得られるため好ましい。本発明においては、上記酸の含有量は、アルミナ水和物及びアルミナの合計の含有量に対して、1.0質量%以上2.0質量%以下であることが好ましく、1.3質量%以上1.6質量%以下であることがより好ましい。
インク受容層に用いるシリカは、その製法により湿式法と乾式法(気相法)に大別される。湿式法としては、ケイ酸塩の酸分解により活性シリカを生成し、これを適度に重合させ凝集沈降させて含水シリカを得る方法が知られている。一方、乾式法(気相法)としては、ハロゲン化珪素の高温気相加水分解による方法(火炎加水分解法)や、ケイ砂とコークスとを電気炉中でアークによって加熱還元気化し、これを空気で酸化する方法(アーク法)によって無水シリカを得る方法が知られている。本発明においては、乾式法(気相法)により得られるシリカ(以下、「気相法シリカ」ともいう)を用いることが好ましい。これは、気相法シリカは、比表面積が特に大きいので、インクの吸収性が特に高く、また、屈折率が低いので、インク受容層に透明性を付与でき、良好な発色性が得られるためである。具体的に、気相法シリカとしては、アエロジル(日本アエロジル製)、レオロシールQSタイプ(トクヤマ製)などが挙げられる。
本発明において、気相法シリカのBET法による比表面積は50m/g以上400m/g以下であることが好ましく、200m/g以上350m/g以下であることがより好ましい。
本発明において、気相法シリカは、分散剤によって分散されている状態で、インク受容層用の塗工液に用いられることが好ましい。分散状態での気相法シリカの平均二次粒子径は、50nm以上300nm以下であることがより好ましい。尚、分散状態での気相法シリカの平均二次粒子径は、動的光散乱法により測定することができる。
本発明において、アルミナ水和物、アルミナ、シリカは混合して使用してもよい。具体的には、アルミナ水和物、アルミナ、シリカから選択される少なくとも2種を、粉体状態で混合、分散して分散液とする方法が挙げられる。
(2)バインダー
本発明において、第1のインク受容層はバインダーとして、水酸基を有する水溶性樹脂と水酸基を有さない水溶性樹脂を何れも含有する。尚、本発明において、「水溶性樹脂」とは、温度25℃における水に対する溶解度が5質量%以上のものを意味する。
本発明においては、第1のインク受容層における、無機粒子の含有量に対する、バインダーの合計の含有量の質量比率は、10質量%以上19質量%以下であることが好ましい。
本発明において、水酸基を有する水溶性樹脂の水酸基価が500mgKOH/g以上であることが好ましい。また、水酸基を有する水溶性樹脂の水酸基価が1,300mgKOH/g以下であることが好ましい。更には、水酸基を有する水溶性樹脂の水酸基価が、600mgKOH/g以上1,000mg/g以下がより好ましい。尚、樹脂の水酸基価とは、樹脂1gに含まれる水酸基を、アセチル化するために必要な水酸化カリウムの量(mg)であり、JIS K 1557に記載の方法により測定される。
本発明において、水酸基を有する水溶性樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により得られるポリスチレン換算の重量平均分子量は、10,000以上1,000,000以下であることが好ましく、100,000以上500,000以下であることがより好ましい。
第1のインク受容層における、無機粒子の含有量に対する、水酸基を有する水溶性樹脂の含有量の質量比率は、5.0質量%以上17.0質量%以下であることが好ましく、10.0質量%以上15.0質量%以下であることがより好ましい。
水酸基を有する水溶性樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコールやポリビニルアルコール誘導体、ポリ(α−ヒドロキシアクリル酸)、ポリ(2−ヒドロキシエチルアクリレート)などが挙げられる。これらの水酸基を有する水溶性樹脂は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。中でも、ポリビニルアルコールやポリビニルアルコール誘導体を用いることが好ましい。ポリビニルアルコール誘導体としては、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタールなどが挙げられる。中でも特に、ポリビニルアセタールを用いることがより好ましい。
尚、ポリビニルアルコールは、例えば、ポリ酢酸ビニルをけん化して合成することができる。ポリビニルアルコールのけん化度としては、80mol%以上100mol%以下が好ましく、85mol%以上98mol%以下がより好ましい。尚、けん化度とは、ポリ酢酸ビニルをけん化してポリビニルアルコールを得た際の、けん化反応によって生じた水酸基のモル数の割合であり、本発明においては、JIS−K6726の方法で測定した値を用いるものとする。また、ポリビニルアルコールの平均重合度は、1,500以上が好ましく、2,000以上5,000以下がより好ましい。尚、ポリビニルアルコールの平均重合度は、JIS−K6726の方法で求めた粘度平均重合度を用いるものとする。

本発明において、水酸基を有さない水溶性樹脂とは、実質的に水酸基を有さない水溶性樹脂を意味する。具体的には、水酸基価が50mgKOH/g以下であることが好ましい。
本発明において、水酸基を有さない水溶性樹脂のGPCにより得られるポリスチレン換算の重量平均分子量は、50,000以上1,000,000以下であることが好ましく、100,000以上500,000以下であることがより好ましい。
また、本発明において、水酸基を有さない水溶性樹脂はガラス転移点が高い方が、耐搬送傷性が高くなり好ましい。水酸基を有さない水溶性樹脂のガラス転移点としては、40℃以上200℃以下であることが好ましく、90℃以上200℃以下であることがより好ましい。
第1のインク受容層における、無機粒子の含有量に対する、水酸基を有さない水溶性樹脂の含有量の質量比率は、1.0質量%以上15.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上10.0質量%以下であることがより好ましい。
水酸基を有さない水溶性樹脂としては、具体的には、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、及びこれらの誘導体などが挙げられる。これらの水酸基を有さない水溶性樹脂は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
また、本発明において、第1のインク受容層中の、水酸基を有さない水溶性樹脂の含有量(質量%)が、水酸基を有する水溶性樹脂の含有量(質量%)に対して、質量比率で0.1倍以上3.0倍以下であることが好ましく、0.3倍以上2.0倍以下であることがより好ましい。
また、本発明の効果を損なわないのであれば、第1のインク受容層は、水酸基を有する水溶性樹脂や水酸基を有さない水溶性樹脂以外のその他のバインダーを含有してもよい。その他のバインダーとしては、例えば、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉などの澱粉誘導体;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体;ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂などの合成樹脂が挙げられる。これらのその他のバインダーは、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
(3)架橋剤
本発明において、第1のインク受容層は架橋剤として、ホウ酸を含有する。尚、本発明においては、ホウ酸塩もホウ酸に含むものとする。
ホウ酸としては、オルトホウ酸(HBO)、メタホウ酸、ジホウ酸などが挙げられる。ホウ酸塩としては、上記ホウ酸の水溶性の塩であることが好ましい。例えば、ホウ酸のナトリウム塩やカリウム塩などのホウ酸のアルカリ金属塩;ホウ酸のマグネシウム塩やカルシウム塩などのホウ酸のアルカリ土類金属塩;ホウ酸のアンモニウム塩などが挙げられる。これらの中でも、オルトホウ酸を用いることが、塗工液の経時安定性とクラックの発生を抑制する効果の点から好ましい。
ホウ酸の使用量は、製造条件などに応じて適宜調整することができる。本発明においては、第1のインク受容層中の、水酸基を有する水溶性樹脂の含有量に対する架橋剤の含有量の質量比率が、5質量%以上50質量%以下が好ましく、20質量%以上30質量%以下がより好ましい。
また、第1のインク受容層における、無機粒子の含有量に対するホウ酸の含有量の質量比率が、1.5質量%以上2.5質量%以下であることが好ましく、2.0質量%以上2.5質量%以下であることがより好ましい。
(4)その他の添加剤
本発明において、第1のインク受容層は、これまで述べてきたもの以外のその他の添加剤を含有してもよい。具体的には、pH調整剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、界面活性剤、離型剤、浸透剤、着色顔料、着色染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、耐水化剤、染料定着剤、硬化剤、耐候材料などが挙げられる。
(第2のインク受容層)
本発明において、第2のインク受容層は、無機粒子と、バインダーとして水酸基を有する水溶性樹脂と、架橋剤としてホウ酸とを含有する。更に、第2のインク受容層は、条件(1):「水酸基を有さない水溶性樹脂を含有しない」、又は、条件(2):「水酸基を有さない水溶性樹脂を含有するが、第2のインク受容層における、無機粒子の含有量に対する水酸基を有さない水溶性樹脂の含有量が、第1のインク受容層における、無機粒子の含有量に対する水酸基を有さない水溶性樹脂の含有量より小さい」を満足する。第2のインク受容層の膜厚は5μm以上15μm以下が好ましい。
(1)無機粒子
第2のインク受容層の無機粒子としては、第1のインク受容層に使用可能なものとして挙げた無機粒子と同様のものを使用することができる。
本発明において、第2のインク受容層中に占める、無機粒子の含有量(質量%)は、30質量%以上98質量%以下であることが好ましく、更には、70質量%以上96質量%以下であることがより好ましい。
本発明において、第2のインク受容層を形成する際に塗布する無機粒子の塗布量(g/m)は、3g/m以上15g/m以下であることが好ましい。上記範囲とすることで、好ましい第2のインク受容層の膜厚となりやすい。
(2)バインダー
本発明において、第2のインク受容層はバインダーとして、水酸基を有する水溶性樹脂を含有する。第2のインク受容層に用いる水酸基を有する水溶性樹脂としては、第1のインク受容層に使用可能なものとして挙げたバインダーと同様のものを使用することができる。
第2のインク受容層における、無機粒子の含有量に対する、水酸基を有する水溶性樹脂の含有量の質量比率は、7.0質量%以上15.0質量%以下であることが好ましく、8.5質量%以上12.0質量%以下であることがより好ましい。
第2のインク受容層における、無機粒子の含有量に対する、水酸基を有さない水溶性樹脂の含有量の質量比率は、5.0質量%未満であることが好ましく、3.0質量%未満であることがより好ましく、0質量%、即ち、条件(1):「水酸基を有さない水溶性樹脂を含有しない」ことが特に好ましい。
また、第2のインク受容層における、無機粒子の含有量に対する水酸基を有さない水溶性樹脂の含有量は、第1のインク受容層における、無機粒子の含有量に対する水酸基を有さない水溶性樹脂の含有量に対して、20質量%以下であることが好ましい。また、(第1のインク受容層における、無機粒子の含有量に対する水酸基を有さない水溶性樹脂の含有量)−(第2のインク受容層における、無機粒子の含有量に対する水酸基を有さない水溶性樹脂の含有量)の値は、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましい。
また、本発明の効果を損なわないのであれば、第2のインク受容層は、水酸基を有する水溶性樹脂以外のその他のバインダーを含有してもよい。その他のバインダーとしては、第1のインク受容層に使用可能なものとして挙げた樹脂と同様のものを使用することができる。
(3)架橋剤
本発明において、第2のインク受容層は架橋剤として、ホウ酸を含有する。第2のインク受容層に用いるホウ酸としては、第1のインク受容層に使用可能なものとして挙げたホウ酸と同様のものを使用することができる。
ホウ酸の使用量は、製造条件などに応じて適宜調整することができる。本発明においては、第2のインク受容層中の、水酸基を有する水溶性樹脂の含有量に対する架橋剤の含有量の質量比率が、5質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。
また、第2のインク受容層における、無機粒子の含有量に対するホウ酸の含有量の質量比率が、1.0質量%以上2.0質量%以下であることが好ましい。
(4)その他の添加剤
本発明において、第2のインク受容層は、これまで述べてきたもの以外のその他の添加剤を含有してもよい。具体的には、第1のインク受容層に使用可能なものとして挙げたその他の添加剤と同様のものを使用することができる。
[記録媒体の製造方法]
本発明において、記録媒体を製造する方法は、特に限定されないが、インク受容層用の塗工液を調製する工程、及び、インク受容層用塗工液を基材に塗工する工程を有する記録媒体の製造方法が好ましい。以下、記録媒体の製造方法について説明する。
<基材の作製方法>
本発明において、基紙の作製方法としては、一般的に用いられている抄紙方法を適用することができる。抄紙装置としては、例えば長網抄紙機、丸網抄紙機、円胴、ツインワイヤーなどが挙げられる。基紙の表面平滑性を高めるために、抄紙工程中又は抄紙工程後に、熱及び圧力を加えて表面処理してもよい。具体的な表面処理方法としては、マシンカレンダーやスーパーカレンダーといったカレンダー処理が挙げられる。
基材が樹脂層を有する場合は、基紙の上に樹脂層を設ける方法、即ち、基紙を樹脂で被覆する方法としては、溶融押出法、ウェットラミネーション、ドライラミネーションなどが挙げられる。中でも、基紙の片面又は両面に溶融した樹脂を押し出しコーティングする溶融押出法が好ましい。例えば、搬送されてきた基紙と、押出ダイから押し出された樹脂を、ニップローラと冷却ローラーとの間のニップ点において接触させ、ニップで圧着することで樹脂層を基紙上にラミネートする方法(押出コーティング方法ともいう)が広く採用されている。溶融押出法により、樹脂層を設ける際には、基紙と樹脂層の接着がより強固となるように、前処理を施してもよい。前処理としては、硫酸クロム酸混液による酸エッチング処理、ガス炎による火炎処理、紫外線照射処理、コロナ放電処理、グロー放電処理、アルキルチタネートなどのアンカーコート処理などが挙げられる。中でも、コロナ放電処理が好ましい。
<インク受容層の形成方法>
本発明の記録媒体において、基材にインク受容層を形成する方法としては、例えば以下の方法を挙げることができる。まず、インク受容層用塗工液を調製する。そして、基材に上記塗工液を塗工及び乾燥することで、本発明の記録媒体を得ることができる。塗工液の塗工方法としては、カーテンコーター、エクストルージョン方式を用いたコーター、スライドホッパー方式を用いたコーターなどを用いることができる。尚、塗工時に、塗工液を加温してもよい。また、塗工後の乾燥方法としては、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤーなどの熱風乾燥機を使用する方法や、赤外線、加熱ドライヤー、マイクロ波などを利用した乾燥機を使用する方法などが挙げられる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に詳細に説明する。本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。尚、以下の実施例の記載において、「部」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
[記録媒体の作製]
<基材の作製>
カナダ標準濾水度が450mLCSFのLBKP80部、カナダ標準濾水度が480mLCSFのNBKP20部、カチオン化澱粉0.60部、重質炭酸カルシウム10部、軽質炭酸カルシウム15部、アルキルケテンダイマー0.10部、カチオン性ポリアクリルアミド0.030部を混合し、固形分の含有量が3.0質量%となるように水を加えて、紙料を得た。次いで、紙料を長網抄紙機で抄造し、3段のウエットプレスを行った後、多筒式ドライヤーで乾燥した。その後、サイズプレス装置で乾燥後の固形分が1.0g/mとなるように酸化澱粉水溶液を含浸、乾燥させ、更に、マシンカレンダー仕上げをして、坪量が170g/m、ステキヒトサイズ度100秒、透気度50秒、ベック平滑度30秒、ガーレー剛度11.0mN、膜厚が100μmの基紙を作製した。次いで、低密度ポリエチレン70部と、高密度ポリエチレン20部と、酸化チタン10部とからなる樹脂組成物を、乾燥塗工量が25g/mとなる様に、基紙の片面に塗工した。尚、この面を基材の表面とする。更に、低密度ポリエチレン50部からなる樹脂組成物を、乾燥塗工量が25g/mとなる様に、基紙のもう一方の面に塗工することで、両面が樹脂被覆された基材を得た。
<無機粒子分散液の調製>
純水160.0g中に、アルミナ水和物DISPERAL HP14(サソール製)40.0g、メタンスルホン酸0.6g(アルミナ水和物の固形分に対して1.5質量%)を添加した。その後、ミキサーで30分間撹拌し、無機粒子としてアルミナ水和物を含有する無機粒子分散液1(固形分の含有量は20.0質量%)を調製した。無機粒子分散液1中のアルミナ水和物の平均一次粒子径は130nmであった。
<バインダー水溶液の用意>
水酸基を有する水溶性樹脂を含有する水溶液(何れも固形分の含有量が8.0質量%)として、
・樹脂水溶液A1:ポリビニルアルコ−ル水溶液(重合度3,500、けん化度88mol%であるPVA235(クラレ製))
を用意した。
また、水酸基を有さない水溶性樹脂を含有する水溶液(何れも固形分の含有量が8.0質量%)として、
・樹脂水溶液B1:ポリビニルピロリドン水溶液(分子量400,000、ガラス転移点178℃であるK−60(ISPジャパン製))
・樹脂水溶液B2:ポリアクリル酸水溶液(分子量1,000,000、ガラス転移点120℃。和光純薬製)
・樹脂水溶液B3:ポリアクリルアミド水溶液(分子量1,000,000、ガラス転移点180℃。和光純薬製)
・樹脂水溶液B4:ポリエチレンオキシド水溶液(分子量1,000,000、ガラス転移点16℃。和光純薬製)
を用意した。
<記録媒体の作製>
上記で得た基材上に、第1の塗工液、第2の塗工液を、この順になるようにカーテンコーターで同時塗工し、温度60〜100℃の熱風で乾燥し、記録媒体を得た。このとき、それぞれ膜厚(μm)が表1に記載の値となるようにした。第1及び第2の塗工液は、上記で調製した無機粒子分散液(固形分の含有量が20.0質量%)やバインダー水溶液(固形分の含有量が8.0質量%)と、架橋剤であるホウ酸水溶液(固形分の含有量が5.0質量%)とを、固形分の比率が表1の比率となるように混合したものをそれぞれ用いた。
[評価]
本発明においては、下記の各評価項目の評価基準のA〜Cを好ましいレベルとし、D及びEを許容できないレベルとした。尚、下記の各評価において、記録媒体に画像を記録する際は、インクジェット記録装置はPIXUS Pro9000MarkII(キヤノン製)に、インクカートリッジBCI−7e(キヤノン製)を装着して記録した。その際の記録条件は、温度:23℃、相対湿度:50%とした。尚、上記インクジェット記録装置では、解像度600dpi×600dpiで1/600インチ×1/600インチの単位領域に約22ngのインクを付与する条件で記録された画像を、記録デューティが100%であると定義するものである。
(画像の光学濃度の評価)
上記で得られた各記録媒体に、上記インクジェット記録装置を用いて、記録デューティが100%のブラックのベタ画像を記録し、分光光度計Spectrolino(Gretag Macbeth製)を用いて、画像の光学濃度を測定した。評価基準は以下の通りである。評価結果を表2に示す。
A:光学濃度が2.3以上であった
B:光学濃度が2.2以上2.3未満であった
C:光学濃度が2.1以上2.2未満であった
D:光学濃度が2.0以上2.1未満であった
E:光学濃度が2.0未満であった。
(画像の耐湿性の評価)
上記で得られた各記録媒体に対して、上記インクジェット記録装置を用いて、10ポイント及び48ポイントの文字“A”を白抜き(インクを付与しない)にした、シアンとマゼンタの2次色(ブルー)の画像を記録した。このとき、シアンの記録デューティを100%、マゼンタの記録デューティを100%とした。得られた画像を、温度:30℃、相対湿度:90%の高湿条件で25日間保存し、画像の白抜き部分を目視で観察することで、画像の耐湿性を評価した。評価基準は以下の通りである。評価結果を表2に示す。
A:10ポイント及び48ポイントの文字の何れにおいても、白抜き文字部への色の滲み出しは観察されなかった
B:48ポイントの文字では、白抜き文字部への色の滲み出しは観察されなかったが、10ポイントの文字では、白抜き文字部への色の滲み出しが僅かに見られたが気にならないレベルであった
C:10ポイント及び48ポイントの文字の何れにおいても、白抜き文字部への色の滲み出しが僅かに見られたが気にならないレベルであった
D:48ポイントの文字では、白抜き文字部への色の滲み出しが僅かに見られ、10ポイントの文字では、白抜き文字部への色の滲み出しが見られ、文字が潰れている部分があった
E:10ポイント及び48ポイントの文字の何れにおいても、白抜き文字部への色の滲み出しが顕著に見られ、文字が潰れている部分があった。
(インク吸収性の評価)
記録媒体に、上記インクジェット記録装置を用いて、記録デューティが150%、200%、250%、300%、350%のグリーン色のベタ画像5つを記録した。このとき、シアンの記録デューティとイエローの記録デューティを同じにし、合わせて上記の記録デューティになるようにした。例えば、記録デューティが350%のグリーン色のベタ画像は、シアンの記録デューティが175%、イエローの記録デューティが175%とした。得られた画像におけるビーディング現象の発生の有無を目視で確認することで、インク吸収性を評価した。尚、ビーディング現象とは、記録媒体に吸収される前のインク滴同士が合体する現象で、インク吸収性と相関が高いことが知られている。記録デューティが高い画像でもビーディング現象が発生しなければインク吸収性が高いと判断することができる。評価結果を表2に示す。
A:記録デューティが350%の画像でもビーディング現象が発生していなかった
B:記録デューティが350%の画像ではビーディング現象が発生していたが、300%の画像では発生していなかった
C:記録デューティが300%の画像ではビーディング現象が発生していたが、250%の画像では発生していなかった
D:記録デューティが250%の画像ではビーディング現象が発生していたが、200%の画像では発生していなかった
E:記録デューティが200%の画像でもビーディング現象が発生していた。
(耐搬送傷性の評価)
上記インクジェット記録装置を、搬送ローラーの圧力を1.7kgf〜2.2kgfまで調整できるように改造した。このインクジェット記録装置を用いて、記録媒体全面に、ブラックのベタ画像(記録デューティが100%)を記録した。記録後の記録媒体について、搬送ローラーによる搬送傷の発生の有無を目視で観察することで、記録媒体の耐搬送傷性を評価した。評価基準は以下の通りである。評価結果を表2に示す。
A:搬送ローラーの圧力が2.2kgfでも、搬送傷は観察されなかった
B:搬送ローラーの圧力が2.0kgfでは搬送傷は観察されなかったが、2.2kgfでは搬送傷が観察された
C:搬送ローラーの圧力が1.8kgfでは搬送傷は観察されなかったが、2.0kgfでは搬送傷が観察された
D:搬送ローラーの圧力が1.7kgfでは搬送傷は観察されなかったが、1.8kgfでは搬送傷が観察された
E:搬送ローラーの圧力が1.7kgfでも搬送傷が観察された。

Claims (6)

  1. 基材と、第1のインク受容層と、第2のインク受容層とをこの順に有する記録媒体であって、
    前記第1のインク受容層は、無機粒子と、水酸基を有する水溶性樹脂と、水酸基を有さない水溶性樹脂と、ホウ酸とを含有する第1の塗工液によって形成され
    前記第1の塗工液における、前記無機粒子の含有量に対する前記水酸基を有する水溶性樹脂の含有量の質量比率が、5.0質量%以上17.0質量%以下であり、
    前記第1の塗工液における、前記無機粒子の含有量に対する前記水酸基を有さない水溶性樹脂の含有量の質量比率が、1.0質量%以上15.0質量%以下であり、
    前記第2のインク受容層は、無機粒子と、水酸基を有する水溶性樹脂と、ホウ酸とを含有する第2の塗工液によって形成され、かつ、以下の条件(1)又は(2)を満足し、
    前記水酸基を有さない水溶性樹脂が、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミドから選択される少なくとも1種であることを特徴とする記録媒体。
    条件(1):前記第2の塗工液は、水酸基を有さない水溶性樹脂を含有しない。
    条件(2):前記第2の塗工液は、水酸基を有さない水溶性樹脂を含有するが、前記第2の塗工液における、前記無機粒子の含有量に対する前記水酸基を有さない水溶性樹脂の含有量が、前記第1の塗工液における、前記無機粒子の含有量に対する前記水酸基を有さない水溶性樹脂の含有量より小さい。
  2. 前記第1の塗工液における、前記無機粒子の含有量に対する前記水酸基を有する水溶性樹脂と前記水酸基を有さない水溶性樹脂の合計の含有量の質量比率が、10質量%以上19質量%以下である請求項1に記載の記録媒体。
  3. 前記第1の塗工液における、水酸基を有さない水溶性樹脂の含有量(質量%)が、水酸基を有する水溶性樹脂の含有量(質量%)に対して、質量比率で0.1倍以上3.0倍以下である請求項1又は2に記載の記録媒体。
  4. 前記水酸基を有する水溶性樹脂が、ポリビニルアルコール及びポリビニルアルコール誘導体から選択される少なくとも1種である請求項1乃至の何れか1項に記載の記録媒体。
  5. 前記水酸基を有する水溶性樹脂の水酸基価が500mgKOH/g以上であり、前記水酸基を有さない水溶性樹脂の水酸基価が50mgKOH/g以下である請求項1乃至の何れか1項に記載の記録媒体。
  6. 前記無機粒子が、アルミナ水和物、アルミナ、及びシリカから選択される少なくとも1種である請求項1乃至の何れか1項に記載の記録媒体。
JP2013211990A 2012-10-11 2013-10-09 記録媒体 Expired - Fee Related JP6230364B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013211990A JP6230364B2 (ja) 2012-10-11 2013-10-09 記録媒体

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012226148 2012-10-11
JP2012226148 2012-10-11
JP2013211990A JP6230364B2 (ja) 2012-10-11 2013-10-09 記録媒体

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2014094560A JP2014094560A (ja) 2014-05-22
JP2014094560A5 JP2014094560A5 (ja) 2016-11-24
JP6230364B2 true JP6230364B2 (ja) 2017-11-15

Family

ID=49356160

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013211990A Expired - Fee Related JP6230364B2 (ja) 2012-10-11 2013-10-09 記録媒体

Country Status (6)

Country Link
US (1) US8784954B2 (ja)
EP (1) EP2719542B1 (ja)
JP (1) JP6230364B2 (ja)
CN (1) CN103722927B (ja)
BR (1) BR102013025174A2 (ja)
RU (1) RU2556495C2 (ja)

Family Cites Families (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2714350B2 (ja) 1993-04-28 1998-02-16 キヤノン株式会社 被記録媒体、被記録媒体の製造方法、この被記録媒体を用いたインクジェット記録方法、印字物及びアルミナ水和物の分散物
JP2883299B2 (ja) 1994-09-16 1999-04-19 キヤノン株式会社 被記録媒体、その製造方法、被記録媒体を用いたインクジェット記録方法
JP2921786B2 (ja) 1995-05-01 1999-07-19 キヤノン株式会社 被記録媒体、該媒体の製造方法、該媒体を用いた画像形成方法
JP2921787B2 (ja) 1995-06-23 1999-07-19 キヤノン株式会社 被記録媒体及びこれを用いた画像形成方法
JP3913822B2 (ja) * 1996-02-22 2007-05-09 セイコーエプソン株式会社 インクジェット記録用シートおよびインクジェット記録方法
JP2000085240A (ja) * 1998-09-09 2000-03-28 Konica Corp インクジェット記録用紙
WO2002034541A1 (fr) * 2000-10-24 2002-05-02 Mitsubishi Paper Mills Limited Materiau d'enregistrement pour imprimante a jet d'encre
US7238399B2 (en) * 2001-02-06 2007-07-03 Konica Corporation Ink jet recording medium, its manufacturing method, ink jet image forming method and image formed thereby
US20030044586A1 (en) * 2001-06-15 2003-03-06 Konica Corporation Ink-jet recording material
JP2003063136A (ja) * 2001-06-15 2003-03-05 Konica Corp インクジェット記録用紙
JP2004276520A (ja) * 2003-03-18 2004-10-07 Mitsubishi Paper Mills Ltd インクジェット記録シートおよびその製造方法
JP4350667B2 (ja) * 2005-03-10 2009-10-21 三菱製紙株式会社 インクジェット記録材料
US7700170B2 (en) * 2004-10-12 2010-04-20 Mitsubishi Paper Mills Limited Ink-jet recording material and method for preparing the same
JP4320292B2 (ja) * 2004-10-12 2009-08-26 三菱製紙株式会社 インクジェット記録材料
US20100034994A1 (en) * 2005-09-30 2010-02-11 Seiko Epson Corporation Ink-jet recording medium
JP2008265110A (ja) 2007-04-18 2008-11-06 Canon Inc インク吸収性記録媒体
US8252392B2 (en) * 2009-11-05 2012-08-28 Canon Kabushiki Kaisha Recording medium
JP5804731B2 (ja) * 2010-04-20 2015-11-04 キヤノン株式会社 インクジェット記録媒体
JP5501315B2 (ja) * 2010-10-18 2014-05-21 キヤノン株式会社 インクジェット記録媒体
JP5875374B2 (ja) * 2011-02-10 2016-03-02 キヤノン株式会社 インクジェット記録媒体

Also Published As

Publication number Publication date
RU2556495C2 (ru) 2015-07-10
RU2013145545A (ru) 2015-04-20
BR102013025174A2 (pt) 2014-10-21
US20140106092A1 (en) 2014-04-17
EP2719542A3 (en) 2016-06-15
JP2014094560A (ja) 2014-05-22
CN103722927B (zh) 2015-10-07
EP2719542A2 (en) 2014-04-16
EP2719542B1 (en) 2017-09-06
CN103722927A (zh) 2014-04-16
US8784954B2 (en) 2014-07-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2015107640A (ja) 記録媒体
US8747968B2 (en) Recording medium
JP2014159111A (ja) 記録媒体
JP5389246B1 (ja) 記録媒体
JP2016064657A (ja) 記録媒体
JP6188443B2 (ja) 記録媒体及びその製造方法
JP2014028517A (ja) 記録媒体及び画像記録方法
JP6226582B2 (ja) 記録媒体及びその製造方法
JP6128882B2 (ja) 記録媒体
JP6562961B2 (ja) 記録媒体
JP6230364B2 (ja) 記録媒体
JP2016064656A (ja) 記録媒体
JP2015131412A (ja) 記録媒体
JP6341665B2 (ja) 記録媒体
JP6129018B2 (ja) 記録媒体
JP6900222B2 (ja) 記録媒体
JP6335512B2 (ja) 記録媒体
JP6168903B2 (ja) 記録媒体
JP2023082985A (ja) 記録媒体及びインクジェット記録方法
JP2023004683A (ja) インクジェット用記録媒体及びインクジェット記録方法
JP2019209686A (ja) 記録媒体及び記録媒体の製造方法
JP2019209514A (ja) 記録媒体
JP2016078448A (ja) 記録媒体
JP2015030198A (ja) 記録媒体
JP2016016645A (ja) 記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161004

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161004

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170629

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170711

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170907

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170919

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171017

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6230364

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees