JP2016016645A - 記録媒体 - Google Patents

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有佳 田中
久男 加茂
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久男 加茂
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Abstract

【課題】 得られる画像の発色性と、裏うつり現象抑制効果と、保存安定性とを高いレベルで達成した記録媒体を提供すること。
【解決手段】 基紙と、樹脂層と、インク受容層とをこの順に有する記録媒体であって、前記基紙が蛍光増白剤を含有し、前記記録媒体の表面の蛍光強度が7%以上であり、前記記録媒体の表面の算術平均粗さが1.7μm以上であることを特徴とする記録媒体。
【選択図】 なし

Description

本発明は記録媒体に関する。
近年、インクジェット用記録媒体を用いたフォトブックやフォトアルバムの需要が高まっている。フォトブックやフォトアルバムに用いられる記録媒体には、得られる画像の発色性が高いことが求められる。画像の発色性を高める方法として、記録媒体を構成する層中に蛍光増白剤を含有させる方法が挙げられる(特許文献1及び2)。これは、蛍光増白剤を用いることで、記録媒体の蛍光強度が高まり、画像がより明るく見えるためである。
特許文献1には、基紙と、白色顔料及びバインダーを含有する層と、白色顔料及び熱可塑性樹脂を含有する層と、蛍光増白剤を含有するインク受容層とをこの順で有する記録媒体が記載されている。また、特許文献2には、樹脂被覆基材の樹脂層に蛍光増白剤及び白色顔料を含有する記録媒体が記載されている。
特開2003−312140号公報 特開2005−088198号公報
しかしながら、本発明者らの検討によると、上述した特許文献1及び2に記載の記録媒体は、フォトブックやフォトアルバムの作製において、複数の画像を重ねて配置する際に、下の画像が上に重ねた画像から透けて見えてしまう現象(裏うつり現象)が発生する場合があった。また、長期に保存した際に、変色してしまう場合があり、記録媒体の保存安定性が十分ではなかった。つまり、特許文献1及び2に記載の記録媒体は、得られる画像の発色性と、裏うつり現象抑制効果と、保存安定性とを何れも高いレベルで達成できてはいなかった。
したがって、本発明の目的は、得られる画像の発色性と、裏うつり現象抑制効果と、保存安定性とを高いレベルで達成した記録媒体を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明にかかる記録媒体は、基紙と、樹脂層と、インク受容層とをこの順に有し、前記基紙が蛍光増白剤を含有し、前記記録媒体の表面の蛍光強度が7%以上であり、前記記録媒体の表面のJIS B 0601:2001で規定される算術平均粗さが1.7μm以上であることを特徴とする。
本発明によれば、得られる画像の発色性と、裏うつり現象抑制効果と、保存安定性とを高いレベルで達成した記録媒体を提供することができる。
本発明におけるX線光電子分光法による組成分析の分析方法を説明するための模式図である。
以下、好適な実施の形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。
本発明者らは先ず、従来技術で本発明の効果が得られなかった理由について検討を行った。先ず、特許文献1のように、インク受容層に蛍光増白剤を含有させると、オゾンガスなどに接触することによって蛍光増白剤が変色するため、記録媒体の保存安定性が十分に得られないことが分かった。また、特許文献2に記載の記録媒体は、インク受容層の下の樹脂層に蛍光増白剤を含有するため、特許文献1に記載の記録媒体と比較するとオゾンガスなどへは接触しにくく、記録媒体の保存安定性は改善される。しかし、樹脂層からインク受容層に滲み出した一部の蛍光増白剤が変色する場合があり、記録媒体の保存安定性はまだ十分ではなかった。これらの知見から本発明者らは、インク受容層への蛍光増白剤の滲み出しを抑制し、オゾンガスなどに接触しにくくするためには、蛍光増白剤を基紙に含有させて、かつ、インク受容層と基紙との間に樹脂層を有する構成とすることが必要であることを見出した。
一方、上述した裏うつり現象を抑制する方法として、記録媒体を構成する層中に白色顔料を用いる場合がある。しかしながら、蛍光増白剤を含有する基紙と、樹脂層と、インク受容層を有する記録媒体について、白色顔料を何れかの層に含有させてしまうと、白色顔料の存在によって、蛍光増白剤による蛍光強度の向上効果が得られにくくなってしまう場合があった。
そこで、本発明者らは、白色顔料に頼らずに裏うつり現象を抑制する方法について検討をした結果、記録媒体の表面の蛍光強度及び算術平均粗さを何れも一定以上高めることで、得られる画像の発色性を損なわずに、裏うつり現象を抑制できることが分かった。また、上述の通り、蛍光増白剤を基紙に含有させて、かつ、その上に樹脂層を有するため、インク受容層への蛍光増白剤の滲み出しが抑制され、記録媒体の保存安定性も高い。具体的に本発明の構成は、記録媒体が、基紙と、樹脂層と、インク受容層とをこの順に有し、基紙が蛍光増白剤を含有し、記録媒体の蛍光強度が7%以上であり、記録媒体の表面の算術平均粗さが1.7μm以上である。
本発明において、樹脂層及びインク受容層における、蛍光増白剤の含有量は、0.025g/m以下であることが好ましく、0.02g/m以下であることがより好ましく、更には、0質量%、即ち、蛍光増白剤を含有しないことが特に好ましい。
また、本発明において、樹脂層における、白色顔料の含有量は、1.8g/m以下であることが好ましく、1.5g/m以下であることがより好ましく、更には、0質量%、即ち、白色顔料を含有しないことが特に好ましい。ここで、白色顔料としては、ルチル型又はアナターゼ型の酸化チタンなどが挙げられる。
以上のメカニズムのように、各構成が相乗的に効果を及ぼし合うことによって、本発明の効果を達成することが可能となる。
[記録媒体]
本発明の記録媒体は、基紙と樹脂層とからなる樹脂被覆基材と、少なくとも1層のインク受容層とを有する。本発明においては、インクジェット記録方法に用いるインクジェット用記録媒体であることが好ましい。
本発明において、記録媒体の表面のJIS B 0601:2001で規定される算術平均粗さRaが1.7μm以上であることが必要である。更には、2.0μm以上であることが好ましく、6.0μm以下であることが好ましい。記録媒体の表面のRaを調整する方法としては、樹脂被覆基材の表面を特定の凹凸を有するロールで押し付け、その上にインク受容層用塗工液を塗工する方法や、記録媒体の表面に特定の凹凸を有するロールで押し付ける方法などが挙げられる。
また、本発明において、記録媒体の表面の蛍光強度が7%以上であることが必要である。更には、11%以上であることが好ましく、15%以下であることが好ましい。
本発明において、「蛍光強度」はJIS P 8148:2001で規定されるISO白色度を用いて算出される値である。具体的には、420nmカットオフフィルターありでのISO白色度WとフィルターなしでのISO白色度Wの差(W−W)を「蛍光強度」とした。記録媒体の蛍光強度は、蛍光増白剤の含有量や樹脂層の透明度によって調整することが可能である。
以下、本発明の記録媒体を構成する各成分について、それぞれ説明する。
<基材>
基材としては、本発明においては、基紙と樹脂層を有する基材を用いることが必要である。樹脂層は、基紙の片面のみでも両面に設けられていてもよい。
(基紙)
基紙は、木材パルプを主原料とし、必要に応じてポリプロピレンなどの合成パルプや、ナイロンやポリエステルなどの合成繊維を加えて抄紙される。木材パルプとしては広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)、広葉樹溶解パルプ(LDP)、針葉樹溶解パルプ(NDP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)などが挙げられる。これらは、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。木材パルプの中でも短繊維成分の多いLBKP、NBSP、LBSP、NDP、LDPを用いることが好ましい。パルプとしては、不純物の少ない化学パルプ(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましい。また、漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも好ましい。紙基材中には、サイズ剤、白色顔料、紙力増強剤、水分保持剤、分散剤、柔軟化剤などを適宜添加してもよい。
本発明において、基紙の膜厚は、50μm以上130μm以下であることが好ましく、更には、90μm以上120μm以下であることがより好ましい。尚、本発明において、基紙の膜厚は、以下の方法で算出する。まず、記録媒体の断面をマイクロトームで切り出し、その断面を走査型電子顕微鏡で観察する。そして、基紙の任意の100点以上の膜厚を測定し、その平均値を基紙の膜厚とする。尚、本発明におけるその他の層の膜厚も同様の方法で算出するものとする。
本発明において、基紙のJIS P 8118で規定される紙密度は、0.6g/cm以上1.2g/cm以下であることが好ましい。更には、0.7g/cm以上1.2g/cm以下であることがより好ましい。
本発明において、基紙中の蛍光増白剤の含有量は、0.05g/m以上0.40g/m以下が好ましく、0.10g/m以上0.35g/m以下がより好ましい。上記範囲にすることで、記録媒体の蛍光強度を上述の範囲に調整することが容易となる。
(樹脂層)
本発明において、樹脂層は基紙の表面の一部を被覆するように設けられていればよいが、樹脂層の被覆率(樹脂層で被覆された基紙の表面の面積/基紙の表面の全面積)が70%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、更には、100%であること、即ち、基紙の表面の全面が樹脂層で被覆されていることが特に好ましい。
また、本発明において、樹脂層の膜厚は、10μm以上60μm以下であることが好ましく、更には、樹脂層の膜厚は、15μm以上50μm以下であることがより好ましい。上記範囲とすることで、樹脂層の透明度が高まり、記録媒体の蛍光強度を上述の範囲に調整することが容易となる。尚、樹脂層を基紙の両面に設ける場合は、両面の樹脂層の膜厚がそれぞれ上記範囲を満足することが好ましい。
樹脂層に用いられる樹脂としては、熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂としては、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体などが挙げられる。これらの中でも、ポリオレフィン樹脂を用いることが好ましい。本発明において、ポリオレフィン樹脂とは、モノマーとしてオレフィンを用いた重合体を意味する。具体的には、エチレン、プロピレン、イソブチレンなどの単重合体や共重合体が挙げられる。ポリオレフィン樹脂は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、ポリエチレンを用いることが好ましい。ポリエチレンとしては、低密度ポリエチレン(LDPE)や高密度ポリエチレン(HDPE)を用いることが好ましい。
<インク受容層>
本発明において、インク受容層は単層でもよいし、2層以上の複層でもよい。また、インク受容層は、上記基材の片面のみに設けられてもよく、両面に設けられてもよい。基材の片面における、インク受容層の膜厚は、15μm以上60μm以下であることが好ましく、更には、30μm以上45μm以下であることがより好ましい。
以下、インク受容層に含有することができる材料について、それぞれ説明する。
(Al元素とSi元素の合計の存在量に対するSi元素の存在量の比率)
本発明において、裏うつり現象抑制効果の観点から、記録媒体の表面側から基材側に向かってエッチングしながらX線光電子分光法によって組成分析を行ったときの、Al元素とSi元素の合計の存在量に対するSi元素の存在量の比率(Si元素/Al元素+Si元素)が重要である。これは、Si元素/Al元素+Si元素の比率が大きい方が、記録媒体の表面領域での光の乱反射が多くなり、裏うつり現象抑制効果が更に高まるためである。
具体的に、本発明において、エッチング時間0分におけるSi元素/Al元素+Si元素が、10atom%以上90atom%以下であることが好ましい。また、40atom%以上90atom%以下となることがより好ましい。更に、エッチング時間5分におけるSi元素/Al元素+Si元素が、50atom%以上であることが好ましい。また、75atom%以上95atom%以下であることがより好ましい。尚、本発明において、エッチング時間0分やエッチング時間5分に相当する深さ領域が、光の反射が起こる領域であり、この範囲における上記比率が光の乱反射の発生に大きく寄与している。
上記組成分析の方法を、図1を用いて説明する。先ず、記録媒体を所定の大きさ(本発明の実施例においては、1cm×1cm)に切りだし試料Xとする。次いで、この試料Xにアルゴンガスをあててエッチングしながら、X線電子分光法により組成分析を行う。本発明において、「記録媒体の表面に対して略垂直方向に、表面側から基材側に向かって、エッチングする」とは、図1におけるY方向にエッチングを行うことを意味する。
(エッチング条件)
本発明において、エッチングは、アルゴンガスを用い、出力を25.6W(4kV×6.4μA)とし、試料X中の所定領域(本発明の実施例においては、2mm×2mm)に対しエッチング角度45度で行う(図1における(a))。本発明の実施例において、X線電子分光法による組成分析は、X線源としてAlのKα線(1486.7eV)を用い、試料Xに対して垂直方向からX線をあてて(図1における(b))、光電子受光角45度で分析を行った(図1における(c))。このときのX線の出力は25W(15kV×1.7mA)であり、測定エリアを100μmφとした。
(シリカ粒子)
本発明において、Si元素の供給源として、インク受容層にシリカ粒子を含むことが好ましい。
本発明においてシリカ粒子の平均一次粒径は、5nm以上100nm以下が好ましい。尚、本発明において、シリカ粒子の平均一次粒径は、電子顕微鏡によって観察したときのシリカ粒子の一次粒子の投影面積と等しい面積を有する円の直径の数平均粒径である。このとき少なくとも100点以上で測定を行う。
また、本発明において、シリカ粒子の平均二次粒径は、10nm以上1,000nm以下が好ましく、更には、30nm以上300nm以下がより好ましく、50nm以上300nm以下が特に好ましい。尚、シリカ粒子の平均二次粒径は、動的光散乱法により測定することができる。
シリカ粒子としては、湿式法シリカと気相法(乾式法)シリカが挙げられる。湿式法シリカとしては、ケイ酸塩の酸分解により活性ケイ酸を生成し、これを適度に重合させ、更にゲル化させることで得られるゲル法シリカや、更に沈降させることで得られる沈降法シリカ、また、活性ケイ酸をコロイド粒子状に重合させて得られるコロイダルシリカが挙げられる。
一方、気相法(乾式法)シリカとしては、ハロゲン化珪素の高温気相加水分解による方法(火炎加水分解法)によって得られるシリカや、ケイ砂とコークスとを電気炉中でアークによって加熱還元気化し、これを空気で酸化する方法(アーク法)によって得られるシリカが挙げられる。
本発明においては、耐傷性向上の観点から、コロイダルシリカを用いることが好ましい。コロイダルシリカの中でも、球状コロイダルシリカが、耐傷性が高く、更に、透明性がより高く得られる画像の発色性が高まるため好ましい。ここでいう「球状」とは走査型電子顕微鏡によって観察したときのコロイダルシリカ粒子(50個以上100個以下)の平均長径aと平均短径bの比b/aが0.80以上1.00以下の範囲に入ることを意味する。b/aは0.90以上1.00以下がより好ましく、0.95以上1.00以下が特に好ましい。更には、球状のカチオン性コロイダルシリカであることが好ましい。具体的に、球状のカチオン性コロイダルシリカとしては、スノーテックスAK、スノーテックスAK−L(以上、日産化学工業製)などが挙げられる。
また、コロイダルシリカの平均一次粒径は30nm以上100nm以下であることが好ましい。平均粒径が30nmより小さいとインク吸収性の向上効果が十分に得られない場合があり、100nmより大きいと透明性が低下して得られる画像の発色性の向上効果が十分に得られない場合がある。
(アルミナ粒子)
本発明において、Al元素の供給源として、インク受容層にアルミナ粒子を含むことが好ましい。
本発明においてアルミナ粒子の平均一次粒径は、5nm以上50nm以下が好ましく、更には、10nm以上40nm以下がより好ましく、10nm以上30nm以下が特に好ましい。尚、本発明において、アルミナ粒子の平均一次粒径は、電子顕微鏡によって観察したときのアルミナ粒子の一次粒子の投影面積と等しい面積を有する円の直径の数平均粒径である。このとき少なくとも100点以上で測定を行う。
また、本発明において、アルミナ粒子の平均二次粒径は、10nm以上1,000nm以下が好ましく、更には、30nm以上300nm以下がより好ましく、50nm以上300nm以下が特に好ましい。尚、アルミナ粒子の平均二次粒径は、動的光散乱法により測定することができる。
本発明において、インク受容層に用いるアルミナ粒子としては、アルミナ水和物や気相法アルミナが挙げられる。本発明においては、アルミナ水和物及び気相法アルミナを併用することが好ましい。これは、発色性に優れるアルミナ水和物とインク吸収性に優れる気相法アルミナを併用することで、それぞれを単独で用いた場合と比較して、インク吸収性及び発色性を高いレベルで両立することができるからである。
インク受容層に用いるアルミナ水和物は、
Al3−n(OH)2n・mH
(式中、nは0、1、2又は3であり、mは0以上10以下、好ましくは0以上5以下である。ただし、mとnは同時に0にはならない。)
により表されるものを好適に用いることができる。尚、mHOは、多くの場合、結晶格子の形成に関与しない脱離可能な水相を表すものであるため、mは整数でなくてもよい。また、アルミナ水和物を加熱するとmは0となり得る。
本発明においてアルミナ水和物は、公知の方法で製造することができる。具体的には、アルミニウムアルコキシドを加水分解する方法、アルミン酸ナトリウムを加水分解する方法、アルミン酸ナトリウムの水溶液に、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウムの水溶液を加えて中和する方法などが挙げられる。
アルミナ水和物の結晶構造としては、熱処理する温度に応じて、非晶質、ギブサイト型、ベーマイト型が知られている。尚、アルミナ水和物の結晶構造は、X線回折法によって分析することができる。本発明においては、これらの中でも、非晶質又はベーマイト型のアルミナ水和物アルミナ水和物を用いることが好ましい。具体例としては、特開平7−232473号公報、特開平8−132731号公報、特開平9−66664号公報、特開平9−76628号公報などに記載されたアルミナ水和物が挙げられる。また、市販品としてはDisperal HP14、HP18(以上、サソール製)などが挙げられる。これらのアルミナ水和物は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
また、本発明において、アルミナ水和物のBET法で求められる比表面積が100m/g以上200m/g以下であることが好ましく、125m/g以上175m/g以下であることがより好ましい。ここでBET法とは、試料表面に大きさの分かっている分子やイオンを吸着させて、その吸着量から、試料の比表面積を測定する方法である。本発明における上記アルミナ水和物のBET法で求められる比表面積は、アルミナ水和物に吸着させる気体として、窒素ガスを用いた場合の値である。
インク受容層に用いるアルミナとしては、気相法アルミナが好ましい。気相法アルミナとしては、γ−アルミナ、α−アルミナ、δ−アルミナ、θ−アルミナ、χ−アルミナなどが挙げられる。これらの中でも、画像の光学濃度やインク吸収性の観点から、γ−アルミナを用いることが好ましい。気相法アルミナの具体例としては、AEROXIDE;Alu C、Alu130、Alu65(以上、EVONIK製)などが挙げられる。
本発明において、気相法アルミナのBET法で求められる比表面積が50m/g以上が好ましく、80m/g以上がより好ましい。また、200m/g以下が好ましく、100m/g以下がより好ましい。本発明における上記気相法アルミナのBET法で求められる比表面積は、気相法アルミナに吸着させる気体として、窒素ガスを用いた場合の値である。
本発明に用いるアルミナ粒子は、水分散液としてインク受容層用塗工液に混合することが好ましく、その分散剤として酸を使用することが好ましい。酸としては、
R−SO
(式中、Rは水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のアルケニル基の何れかを表す。Rは、更にオキソ基、ハロゲン原子、アルコキシ基、及びアシル基で置換されていてもよい。)
で表されるスルホン酸を用いることが、画像の滲みを抑制する効果が得られるため好ましい。本発明においては、上記酸の含有量は、アルミナ粒子の含有量に対して、1.0質量%以上2.0質量%以下であることが好ましく、1.2質量%以上1.6質量%以下であることがより好ましい。
また、アルミナ粒子として、アルミナ水和物及び気相法アルミナを併用する場合は、インク受容層に含まれる、アルミナ水和物の含有量(質量%)が、気相法アルミナの含有量(質量%)に対して、質量比率で1.5倍以上9.0倍以下であることが好ましい。
本発明においては、上記アルミナ粒子やシリカ粒子以外にその他の無機粒子を含有していてもよい。その他の無機粒子としては、例えば、二酸化チタン、ゼオライト、カオリン、タルク、ハイドロタルサイト、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウムなどが挙げられる。
本発明において、インク受容層中の、無機粒子の含有量は、50質量%以上98質量%以下であることが好ましく、更には、70質量%以上96質量%以下であることがより好ましい。ここでいう「無機粒子の含有量」とは、アルミナ粒子やシリカ粒子や上記その他の無機粒子の合計の含有量を意味する。特には、インク受容層中の、アルミナ粒子及びシリカ粒子の合計の含有量は、50質量%以上98質量%以下であることが好ましく、更には、70質量%以上96質量%以下であることがより好ましい。
(バインダー)
本発明において、インク受容層はバインダーを含有することが好ましい。本発明において、バインダーとは、無機粒子を結着し、被膜を形成することができる材料を意味する。
本発明においては、インク吸収性の観点から、インク受容層中の、バインダーの含有量が、無機粒子の含有量に対して、50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。また、インク受容層の結着性の観点から、上記比率は、5.0質量%以上が好ましく、8.0質量%以上がより好ましい。
バインダーとしては例えば、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉などの澱粉誘導体;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体;カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、及びポリビニルアルコール、並びに、それらの誘導体;ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体などの共役重合体ラテックス;アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの重合体などのアクリル系重合体ラテックス;エチレン−酢酸ビニル共重合体などのビニル系重合体ラテックス;上記の重合体のカルボキシル基などの官能基含有単量体による官能基変性重合体ラテックス;カチオン基を用いて上記重合体をカチオン化したもの;カチオン性界面活性剤を用いて上記重合体の表面をカチオン化したもの;カチオン性ポリビニルアルコール下で上記重合体を構成するモノマーを重合し、重合体の表面にポリビニルアルコールを分布させたもの;カチオン性コロイド粒子の懸濁分散液中で上記重合体を構成するモノマーを重合し、重合体の表面にカチオン性コロイド粒子を分布させたもの;メラミン樹脂、尿素樹脂などの熱硬化合成樹脂などの水性バインダー;ポリメチルメタクリレートなどのアクリル酸エステルやメタクリル酸エステルの重合体及び共重合体;ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂などの合成樹脂が挙げられる。これらのバインダーは、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
上記したバインダーの中でも、ポリビニルアルコールやポリビニルアルコール誘導体を用いることが好ましい。ポリビニルアルコール誘導体としては、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタールなどが挙げられる。カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば特開昭61−10483号公報に記載されているような、第1〜3級アミノ基または第4級アンモニウム基をポリビニルアルコールの主鎖又は側鎖中に有するポリビニルアルコールが好ましい。
ポリビニルアルコールは、例えば、ポリ酢酸ビニルをけん化して合成することができる。ポリビニルアルコールのけん化度としては、80mol%以上100mol%以下が好ましく、85mol%以上98mol%以下がより好ましい。尚、けん化度とは、ポリ酢酸ビニルをけん化してポリビニルアルコールを得た際の、けん化反応によって生じた水酸基のモル数の割合であり、本発明においては、JIS−K6726の方法で測定した値を用いるものとする。また、ポリビニルアルコールの平均重合度は、2,000以上が好ましく、2,000以上5,000以下がより好ましい。尚、本発明において平均重合度は、JIS−K6726の方法で求めた粘度平均重合度を用いるものとする。
インク受容層用塗工液を調製する際は、ポリビニルアルコールやポリビニルアルコール誘導体を水溶液として使用することが好ましい。その際、水溶液中のポリビニルアルコール及びポリビニルアルコール誘導体の固形分の含有量は、3質量%以上20質量%以下が好ましい。
(架橋剤)
本発明において、インク受容層は更に架橋剤を含有することが好ましい。架橋剤としては、例えば、アルデヒド系化合物、メラミン系化合物、イソシアネート系化合物、ジルコニウム系化合物、アミド系化合物、アルミニウム系化合物、ホウ酸、及びホウ酸塩などが挙げられる。これらの架橋剤は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。特にバインダーとしてポリビニルアルコールやポリビニルアルコール誘導体を用いる場合は、上記した架橋剤の中でも、ホウ酸やホウ酸塩を用いることが好ましい。
ホウ酸としては、オルトホウ酸(HBO)、メタホウ酸、ジホウ酸などが挙げられる。ホウ酸塩としては、上記ホウ酸の水溶性の塩が好ましい。例えば、ホウ酸のナトリウム塩やカリウム塩などのホウ酸のアルカリ金属塩;ホウ酸のマグネシウム塩やカルシウム塩などのホウ酸のアルカリ土類金属塩;ホウ酸のアンモニウム塩などが挙げられる。これらの中でも、オルトホウ酸を用いることが、塗工液の経時安定性とクラックの発生を抑制する効果の観点から好ましい。
架橋剤の使用量は、製造条件などに応じて適宜調整することができる。本発明においては、インク受容層中の、架橋剤の含有量が、バインダーの含有量に対して、1.0質量%以上50質量%以下が好ましく、5質量%以上40質量%以下がより好ましい。
更に、バインダーがポリビニルアルコールであり、架橋剤がホウ酸及びホウ酸塩から選択される少なくとも1種である場合には、インク受容層中の、ポリビニルアルコールの含有量に対する、ホウ酸及びホウ酸塩の合計の含有量が、5質量%以上30質量%以下であることが好ましい。
(その他の添加剤)
本発明において、インク受容層は、これまで述べてきたもの以外のその他の添加剤を含有してもよい。具体的には、pH調整剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、界面活性剤、離型剤、浸透剤、着色顔料、着色染料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、耐水化剤、染料定着剤、硬化剤、耐候材料などが挙げられる。
<下塗り層>
本発明においては、基材とインク受容層との密着性を向上する目的で、基材とインク受容層との間に、下塗り層を設けてもよい。下塗り層は、水溶性ポリエステル樹脂、ゼラチン、ポリビニルアルコールなどを含有することが好ましい。下塗り層の膜厚は、0.01μm以上5μm以下が好ましい。
[記録媒体の製造方法]
本発明において、記録媒体を製造する方法は、特に限定されないが、インク受容層用の塗工液を調製する工程、及び、インク受容層用塗工液を基材に塗工する工程を有する記録媒体の製造方法が好ましい。以下、記録媒体の製造方法について説明する。
<基材の作製方法>
本発明において、基紙の作製方法としては、一般的に用いられている抄紙方法を適用することができる。抄紙装置としては、例えば長網抄紙機、丸網抄紙機、円胴、ツインワイヤーなどが挙げられる。基紙の表面平滑性を高めるために、抄紙工程中又は抄紙工程後に、熱及び圧力を加えて表面処理してもよい。具体的な表面処理方法としては、マシンカレンダーやスーパーカレンダーといったカレンダー処理が挙げられる。
基紙の上に樹脂層を設ける方法、即ち、基紙を樹脂で被覆する方法としては、溶融押出法、ウェットラミネーション、ドライラミネーションなどが挙げられる。中でも、基紙の片面又は両面に溶融した樹脂を押し出しコーティングする溶融押出法が好ましい。例えば、搬送されてきた基紙と、押出ダイから押し出された樹脂を、ニップローラと冷却ローラーとの間のニップ点において接触させ、ニップで圧着することで樹脂層を基紙上にラミネートする方法(押出コーティング方法ともいう)が広く採用されている。溶融押出法により、樹脂層を設ける際には、基紙と樹脂層の接着がより強固となるように、前処理を施してもよい。前処理としては、硫酸クロム酸混液による酸エッチング処理、ガス炎による火炎処理、紫外線照射処理、コロナ放電処理、グロー放電処理、アルキルチタネートなどのアンカーコート処理などが挙げられる。中でも、コロナ放電処理が好ましい。また、樹脂層に白色顔料を含有する場合は、樹脂と白色顔料を混合したもので、基紙を被覆すればよい。
<インク受容層の形成方法>
本発明の記録媒体において、基材にインク受容層を形成する方法としては、例えば以下の方法を挙げることができる。まず、インク受容層用塗工液を調製する。そして、基材に上記塗工液を塗工及び乾燥することで、本発明の記録媒体を得ることができる。塗工液の塗工方法としては、カーテンコーター、エクストルージョン方式を用いたコーター、スライドホッパー方式を用いたコーターなどを用いることができる。尚、塗工時に、塗工液を加温してもよい。また、塗工後の乾燥方法としては、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤーなどの熱風乾燥機を使用する方法や、赤外線、加熱ドライヤー、マイクロ波などを利用した乾燥機を使用する方法などが挙げられる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に詳細に説明する。本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。尚、以下の実施例の記載において、「部」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
[記録媒体の作製]
<基材の作製>
(基材Aの作製)
カナダ標準濾水度が450mLCSFのLBKP80部、カナダ標準濾水度が480mLCSFのNBKP20部、カチオン化澱粉0.60部、タルク3部、アルキルケテンダイマー0.10部、カチオン性ポリアクリルアミド0.030部、蛍光増白剤カヤホールSTCリキッド(日本化薬製)0.1部を混合し、固形分の含有量が3.0質量%となるように水を加えて、紙料を得た。次いで、紙料を長網抄紙機で抄造し、3段のウエットプレスを行った後、多筒式ドライヤーで乾燥した。その後、サイズプレス装置で乾燥後の固形分が1.0g/mとなるように酸化澱粉水溶液を含浸、乾燥させ、更に、マシンカレンダー仕上げをして、坪量が170g/m、ステキヒトサイズ度100秒、透気度50秒、ベック平滑度30秒、ガーレー剛度11.0mN、膜厚が100μmの基紙を作製した。
次いで、基紙の両面に、低密度ポリエチレン70部と、高密度ポリエチレン30部からなる樹脂組成物を320℃で溶融して、厚さ30μmとなるように押出コーティングし、微細加工されたクーリングロールaを用いて加圧冷却し、樹脂層を設けて基材Aを得た。
(基材Bの作製)
前記クーリングロールを異なる粗さのクーリングロールbとした以外は、基材Aと同様にして基材Bを作製した。
(基材Cの作製)
前記蛍光増白剤を0.07部とした以外は、基紙Aと同様にして基材Cを作製した。
(基材Dの作製)
前記樹脂層の組成を低密度ポリエチレン70部、高密度ポリエチレン25部、酸化チタン5部とした以外は、基材Aと同様にして基材Dを作製した。
(基材Eの作製)
前記樹脂層の組成を低密度ポリエチレン70部、高密度ポリエチレン25部、酸化チタン5部とし、かつクーリングロールを異なる粗さのクーリングロールbとした以外は、基材Aと同様にして基材Eを作製した。
(基材Fの作製)
前記樹脂層の組成を低密度ポリエチレン70部、高密度ポリエチレン24部、酸化チタン6部とした以外は、基材Aと同様にして基材Fを作製した。
(基材Gの作製)
前記クーリングロールを異なる粗さのクーリングロールcとした以外は、基材Aと同様にして基材Gを作製した。
(基材Hの作製)
前記蛍光増白剤を0.01部とした以外は、基紙Aと同様にして基材Hを作製した。
(基材Iの作製)
前記蛍光増白剤を加えなかった以外は、基紙Aと同様にして基材Iを作製した。
<インク受容層用塗工液の調製>
(アルミナ水和物塗工液1の調製)
純水160.0g中に、アルミナ水和物DISPERAL HP14(サソール製)40.0g、メタンスルホン酸0.6gを添加した。その後、ミキサーで30分間撹拌し、無機粒子分散液(固形分の含有量は20.0質量%)を調製した。
一方、ポリビニルアルコールPVA235(クラレ製)を純水中に溶解させ、固形分濃度8.0質量%のPVA水溶液を得た。同様にして、固形分濃度3.0質量%のホウ酸水溶液も得た。これら水溶液を、無機顔料の固形分100質量%に対してPVAが固形分換算で10質量%、ホウ酸が1.2質量%となるように無機粒子分散液と混合し、アルミナ水和物塗工液1を得た。
(アルミナ水和物塗工液2の調製)
蛍光増白剤カヤホールSTCリキッド(日本化薬製)が、無機顔料の固形分100質量%に対して固形分換算で0.1質量%となるように、アルミナ水和物塗工液1と混合し、アルミナ水和物塗工液2を得た。
(コロイダルシリカ塗工液の調製)
純水160.0g中に、コロイダルシリカCartacoat K303C(クラリアント製)40.0g、界面活性剤サーフィノール440(日信化学製)0.2gを添加した。その後、ミキサーで30分間撹拌し、無機粒子分散液(固形分の含有量は20.0質量%)を調製した。
一方、シラノール変性ポリビニルアルコールR1130(クラレ製)を純水中に溶解させ、固形分濃度8.0質量%のPVA水溶液を得た。同様にして、固形分濃度3.0質量%のホウ酸水溶液も得た。
これら水溶液を、無機顔料の固形分100質量%に対してPVAが固形分換算で10質量%、ホウ酸が0.4質量%となるように無機粒子分散液と混合し、コロイダルシリカ塗工液を得た。
<記録媒体の作製>
(記録媒体1〜10及び12〜14の作製)
上記で得た基材の片面に高周波コロナ放電処理を施し、上記で調製したアルミナ水和物塗工液及びコロイダルシリカ塗工液をこの順に塗工した。このとき、乾燥塗工量が、アルミナ水和物塗工液は35g/m、コロイダルシリカ塗工液は表2に記載の値となるように、多層スライドホッパー型塗工装置にて同時多層塗工法により塗工した。更に、塗工後、120℃の熱風で乾燥し、記録媒体を得た。得られた記録媒体について、記録媒体表面の算術平均粗さRa、蛍光強度、及びエッチング時間0分と5分におけるSi元素/Al元素+Si元素を上述の方法により測定した。
(記録媒体11の作製)
上記で得た基材の両面に高周波コロナ放電処理を施し、それぞれの面に対し、基材側から順にアルミナ水和物塗工液1(35g/m)及びコロイダルシリカ塗工液(1.2g/m)を塗工した。得られた記録媒体の片面について、算術平均粗さ、蛍光強度、及びエッチング時間0分と5分におけるSi元素/Al元素+Si元素を上述の方法により測定した。
[評価]
上記で得た記録媒体について、下記の評価方法及び評価基準で評価を行った。結果を表3に示す。
下記の各評価において、記録媒体に画像を記録する際は、インクジェット記録装置はPIXUS MP990(キヤノン製)に、インクカートリッジBCI−321(キヤノン製)を装着して記録した。その際の記録条件は、温度:23℃、相対湿度:50%とした。尚、上記インクジェット記録装置では、解像度600dpi×600dpiで1/600インチ×1/600インチの単位領域に約11ngのインクを1滴付与する条件で記録された画像を、記録デューティが100%であると定義するものである。
(得られる画像の発色性)
各記録媒体に、上記インクジェット記録装置を用いて、ブラック100%デューティのベタ画像を記録した。そして、温度:23℃、相対湿度:50%環境で3日間保存後、画像を目視で観察し、以下の評価基準で評価した。
A:発色性が高く、高濃度部の階調再現性も良いかった
B:発色性は高いが、高濃度部の階調再現性が若干劣っていたが気にならないレベルであった
C:発色性が低かった。
(記録媒体の裏うつり現象抑制効果)
各記録媒体に、上記インクジェット記録装置を用いて、ブラック100%デューティのベタ画像を記録した。そして、画像の上に、画像を記録していない同種の記録媒体を重ね、下の画像が透けて見えるかを目視で確認した。評価基準は以下の通りとした。
A:下の画像はほとんど見えなかった
B:下の画像は若干見えてしまっていたが、気にならないレベルであった
C:下の画像が明らかに見えてしまっていた。
(記録媒体の保存安定性)
各記録媒体に、オゾンウエザオメーターOMS−HS(スガ試験機製)を用いてオゾン暴露試験を行った。暴露条件は、ガス組成:オゾン2.5体積ppm、試験時間:80時間、温度:23℃、相対湿度:50%とした。そして、オゾン暴露試験前後での記録媒体を目視で観察し、以下の評価基準で評価した。
A:色変化がほとんどなかった
B:色変化は若干あったが、気にならないレベルであった
C:色変化が大きかった。

Claims (2)

  1. 基紙と、樹脂層と、インク受容層とをこの順に有する記録媒体であって、
    前記基紙が蛍光増白剤を含有し、
    前記記録媒体の表面の蛍光強度が7%以上であり、
    前記記録媒体の表面のJIS B 0601:2001で規定される算術平均粗さが1.7μm以上であることを特徴とする記録媒体。
  2. 前記インク受容層が、アルミナ粒子と、シリカ粒子と、バインダーとを含有し、
    前記記録媒体を、記録媒体の表面に対して略垂直方向に、表面側から基材側に向かって、下記のエッチング条件でエッチングしながら、X線光電子分光法による組成分析を行ったときに、エッチング時間0分でのAl元素とSi元素の合計の存在量に対するSi元素の存在量の比率が、10atom%以上90atom%以下である請求項1に記載の記録媒体。
    (エッチング条件)
    アルゴンガスを用い、前記アルゴンガスの出力を25.6W(4kV×6.4μA)とし、エッチング角度45度でエッチングを行う。
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