JP2016159522A - 記録媒体 - Google Patents

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JP2016159522A JP2015040475A JP2015040475A JP2016159522A JP 2016159522 A JP2016159522 A JP 2016159522A JP 2015040475 A JP2015040475 A JP 2015040475A JP 2015040475 A JP2015040475 A JP 2015040475A JP 2016159522 A JP2016159522 A JP 2016159522A
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哲朗 野口
Tetsuro Noguchi
哲朗 野口
真也 湯本
Masaya Yumoto
真也 湯本
宮町 尚利
Naotoshi Miyamachi
尚利 宮町
久男 加茂
Hisao Kamo
久男 加茂
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Abstract

【課題】 耐折り割れ性に優れた記録媒体を提供すること。【解決手段】 基材と、無機粒子及びバインダーを含有するインク受容層と、を有する記録媒体であって、前記基材と前記インク受容層との間に、ガラス転移温度が5℃以下である樹脂を含有する下引き層を有し、前記下引き層における、前記樹脂の含有量が、70質量%以上であり、前記下引き層の層厚が20μm以上であることを特徴とする記録媒体。【選択図】 なし

Description

本発明は記録媒体に関する。
近年、インクジェット用記録媒体を用いたフォトブックなどの需要が高まっている。フォトブックを作製する方法としては、片面にのみ画像を記録した複数のインクジェット用記録媒体に予め折り目を付け、この折り目を境界として、画像が記録されていない面同士を貼り合わせる方法が挙げられる。このような方法によって、ページを跨ぐような大きな画像を記録媒体に配置したようなフォトブックを作製することができる。
このような用途における課題として、記録物に折り目を付けた際に、記録媒体のインク受容層が割れるなどして、画像の一部が割れたり剥がれたりしてしまう場合があった。また、フォトブックの作製時のように積極的に折り目を付けるような場合でなくても、保管時などに意図せずに記録物が折れてしまい、画像の一部が割れたり剥がれたりしてしまう場合があった。そこで、折り目を付けた場合や折り目が付いてしまった場合に画像の割れや剥がれが起きないような、即ち、耐折り割れ性の高い記録物を得ることができる記録方法への需要が高まっている。
従来、記録物の耐折り割れ性を改善する方法として、インク受容層自体の柔軟性を向上するために、インク受容層中に水酸基を有する高分子分散剤で乳化重合された樹脂粒子を含有させる方法が知られている(特許文献1)。また、その他の記録物の耐折り割れ性を改善する方法としては、記録媒体のインク受容層と基材との間に、ガラス転移温度が50℃以下である樹脂を含む中間層を設ける方法が知られている(特許文献2)。
特開2004−314321号公報 特開2008−183807号公報
しかしながら、本発明者らの検討によれば、特許文献1及び2に記載の記録媒体は、耐折り割れ性は改善して入るものの、本発明で求めるレベルには達していなかった。即ち、フォトブックの作製時のように積極的に折り目を付けるような場合では、折り割れが発生してしまっていた。
本発明は、耐折り割れ性に優れた記録媒体を提供することを目的とする。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明にかかる記録媒体は、基材と、無機粒子及びバインダーを含有するインク受容層と、を有し、前記基材と前記インク受容層との間に、ガラス転移温度が5℃以下である樹脂を含有する下引き層を有し、前記下引き層における、前記樹脂の含有量が、70質量%以上であり、前記下引き層の層厚が20μm以上であることを特徴とする。
本発明によれば、耐折り割れ性に優れた記録媒体を提供することができる。
以下、好適な実施の形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。
本発明者らの検討の結果、基材と、無機粒子及びバインダーを含有するインク受容層との間に、ガラス転移温度が5℃以下である樹脂を70質量%以上含有し、層厚が20μm以上である下引き層を設けることで、記録媒体に折り目を付ける際に生じる応力を緩和し、記録媒体の耐折り割れ性が向上することを見出した。樹脂のガラス転移温度が5℃より大きい場合や、含有量が70質量%より小さい場合や、下引き層の層厚が20μmより小さい場合では、何れも応力を緩和する能力が低く、耐折り割れ性が十分に発現しなかった。
以上のメカニズムのように、各構成が相乗的に効果を及ぼし合うことによって、本発明の効果を達成することが可能となる。
[記録媒体]
本発明の記録媒体は、基材と、下引き層と、インク受容層とを有する。本発明においては、インクジェット記録方法に用いるインクジェット用記録媒体であることが好ましい。
本発明において、記録媒体の表面のJIS B 0601:2001で規定される算術平均粗さRaは、0.05μm以上であることが好ましく、0.10μm以上であることがより好ましい。また、記録媒体の表面のRaは、0.13μm以下であることが好ましい。尚、本発明において、算術平均粗さRaを測定する際には、測定長さを2.5mm、カットオフ値0.8mmとする。
記録媒体の表面のRaを調整する方法としては、例えば、樹脂被覆基材を用い、樹脂被覆基材の表面を特定の凹凸を有するロールで押し付け、その上にインク受容層用塗工液を塗工する方法や、記録媒体の表面に特定の凹凸を有するロールで押し付ける方法などが挙げられる。
以下、本発明の記録媒体を構成する各成分について、それぞれ説明する。
<基材>
基材としては、基紙のみから構成されるものや、基紙と樹脂層を有するもの、即ち、基紙が樹脂で被覆されているものが挙げられる。本発明においては、基紙と樹脂層を有する基材を用いることが好ましい。中でも、ポリオレフィン樹脂被覆基材を用いることがより好ましい。その場合、樹脂層は、基紙の片面のみに設けられていてもよいが、両面に設けられていることが好ましい。
本発明において、基材の表面のJIS B 0601:2001で規定される算術平均粗さRaが、0.12μm以上0.18μm以下であることが好ましく、更には、0.13μm以上0.15μm以下であることがより好ましい。
また、本発明において、基材の層厚は、25μm以上500μm以下であることが好ましく、50μm以上300μm以下であることがより好ましい。更に、基材の坪量は、25g/m以上500g/m以下であることが好ましい。尚、本発明において、基材の層厚は、以下の方法で算出する。まず、記録媒体の断面をマイクロトームで切り出し、その断面を走査型電子顕微鏡で観察する。そして、基材の任意の100点以上の層厚を測定し、その平均値を基材の層厚とする。尚、本発明における、その他の層の層厚も同様の方法で算出するものとする。
(基紙)
基紙は、木材パルプを主原料とし、必要に応じてポリプロピレンなどの合成パルプや、ナイロンやポリエステルなどの合成繊維を加えて抄紙される。木材パルプとしては広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)、広葉樹溶解パルプ(LDP)、針葉樹溶解パルプ(NDP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)などが挙げられる。これらは、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。木材パルプの中でも短繊維成分の多いLBKP、NBSP、LBSP、NDP、LDPを用いることが好ましい。パルプとしては、不純物の少ない化学パルプ(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましい。また、漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも好ましい。紙基材中には、サイズ剤、白色顔料、紙力増強剤、蛍光増白剤、水分保持剤、分散剤、柔軟化剤などを適宜添加してもよい。
本発明において、基紙の層厚は、50μm以上130μm以下であることが好ましく、更には、90μm以上120μm以下であることがより好ましい。
本発明において、基紙のJIS P 8118で規定される紙密度は、0.6g/cm以上1.2g/cm以下であることが好ましい。更には、0.7g/cm以上1.2g/cm以下であることがより好ましい。
(樹脂層)
本発明において、基紙が樹脂で被覆されている場合は、樹脂層は基紙の表面の一部を被覆するように設けられていればよいが、樹脂層の被覆率(樹脂層で被覆された基紙の表面の面積/基紙の表面の全面積)が70%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、更には、100%であること、即ち、基紙の表面の全面が樹脂層で被覆されていることが特に好ましい。
また、本発明において、樹脂層の膜厚は、20μm以上60μm以下であることが好ましく、更には、樹脂層の膜厚は、35μm以上50μm以下であることがより好ましい。樹脂層を基紙の両面に設ける場合は、両面の樹脂層の膜厚がそれぞれ上記範囲を満足することが好ましい。
樹脂層に用いられる樹脂としては、熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂としては、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体などが挙げられる。これらの中でも、ポリオレフィン樹脂を用いることが好ましい。本発明において、ポリオレフィン樹脂とは、モノマーとしてオレフィンを用いた重合体を意味する。具体的には、エチレン、プロピレン、イソブチレンなどの単重合体や共重合体が挙げられる。ポリオレフィン樹脂は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、ポリエチレンを用いることが好ましい。ポリエチレンとしては、低密度ポリエチレン(LDPE)や高密度ポリエチレン(HDPE)を用いることが好ましい。
本発明において、樹脂層は、不透明度や白色度や色相を調整するために、白色顔料や蛍光増白剤や群青などを含有してもよい。中でも、不透明度を向上することができるため、白色顔料を含有することが好ましい。白色顔料としては、ルチル型又はアナターゼ型の酸化チタンが挙げられる。本発明において、樹脂層中の白色顔料の含有量は、3g/m以上30g/m以下であることが好ましい。尚、樹脂層を基紙の両面に設ける場合は、2つの樹脂層中の白色顔料の合計の含有量が、上記範囲を満足することが好ましい。また、樹脂層中の、白色顔料の含有量は、樹脂の含有量に対して、25質量%以下であることが好ましい。25質量%より大きいと、白色顔料の分散安定性が十分に得られない場合がある。
<インク受容層>
本発明において、インク受容層は、無機粒子及びバインダーを含有する。インク受容層は、単層でもよいし、2層以上の複層でもよい。以下、インク受容層に含有することができる材料について、それぞれ説明する。
(無機粒子)
本発明において、インク受容層は無機粒子を含有する。無機粒子の平均一次粒子径は、50nm以下が好ましい。更には、1nm以上30nm以下がより好ましく、3nm以上10nm以下が特に好ましい。本発明において、無機粒子の平均一次粒子径は、電子顕微鏡によって観察したときの無機粒子の一次粒子の投影面積と等しい面積を有する円の直径の数平均粒子径である。このとき少なくとも100点以上で測定を行う。
本発明において、無機粒子は、分散剤によって分散されている状態で、インク受容層用の塗工液に用いられることが好ましい。分散状態での無機粒子の平均二次粒子径は、0.1nm以上500nm以下が好ましく、更には、1.0nm以上300nm以下がより好ましく、10nm以上250nm以下が特に好ましい。尚、分散状態での無機粒子の平均二次粒子径は、動的光散乱法により測定することができる。
本発明において、インク受容層中に占める、無機粒子の含有量(質量%)は、50質量%以上98質量%以下であることが好ましく、更には、70質量%以上96質量%以下であることがより好ましい。
本発明において、インク受容層を形成する際に塗布する無機粒子の塗布量(g/m)は、8g/m以上45g/m以下であることが好ましい。上記範囲とすることで、好ましいインク受容層の膜厚となりやすい。
本発明に用いる無機粒子としては、例えば、アルミナ水和物、気相法アルミナ、シリカ、コロイダルシリカ、二酸化チタン、ゼオライト、カオリン、タルク、ハイドロタルサイト、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウムなどが挙げられる。これらの無機粒子は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。本発明においては、上記無機粒子の中でも、シリカを用いることが好ましく、その中でも後述する湿式シリカを用いることがより好ましい。
インク受容層に用いるシリカは、その製法により湿式法と乾式法(気相法)に大別される。本発明においては、湿式シリカを用いることが好ましい。これは、湿式シリカは空隙率がより高いインク受容層を形成することができるため、この空隙が記録媒体に折り目を付ける際に生じる応力を緩和し、記録媒体の耐折り割れ性が更に向上するものと考えられる。
湿式シリカとしては、沈降法シリカ又はゲル法シリカが好ましい。沈降法シリカは、珪酸ソーダと硫酸をアルカリ条件で反応させることで得られる。沈降法シリカは緩やかな凝集により、二次粒子を形成するため、粉砕がしやすい特徴がある。具体的な製品としては、ニップシール(東ソーシリカ製)、トクシールやファインシール(トクヤマ製)などが挙げられる。ゲル法シリカは、珪酸ソーダと硫酸を酸性条件下で反応させることで得られる。ゲル法シリカは、熟成中に小さなシリカ粒子が溶解し、大きな粒子の一次粒子間に一次粒子同士を結合するように再析出するため、明確な一次粒子は消失し、内部空隙構造を有する比較的硬い凝集粒子を形成する。具体的な製品としては、ミズカシル(水澤化学工業製)、サイロジェット(グレースジャパン製)が挙げられる。
湿式シリカの平均粒子径は1μm以上20μm以下が好ましく、2μm以上15μm以下がより好ましい。湿式シリカの平均粒子径は、コールター原理に基づく細孔内電気抵抗法で測定された球相当粒子直径である。例えば、マルチサイザー3(ベックマンコールター製)を用いて測定することができる。
一方、乾式法(気相法)としては、ハロゲン化珪素の高温気相加水分解による方法(火炎加水分解法)や、ケイ砂とコークスとを電気炉中でアークによって加熱還元気化し、これを空気で酸化する方法(アーク法)によって無水シリカを得る方法が知られている。本発明において、気相法シリカとしては、アエロジル(日本アエロジル製)、レオロシールQSタイプ(トクヤマ製)などが挙げられる。
本発明において、気相法シリカのBET法による比表面積は50m/g以上400m/g以下であることが好ましく、200m/g以上350m/g以下であることがより好ましい。
本発明において、気相法シリカは、分散剤によって分散されている状態で、インク受容層用の塗工液に用いられることが好ましい。分散状態での気相法シリカの粒子径は、50nm以上300nm以下であることがより好ましい。尚、分散状態での気相法シリカの粒子径は、動的光散乱法により測定することができる。
インク受容層に用いるアルミナ水和物は、
一般式(X):Al3−n(OH)2n・mH
(一般式(X)中、nは0、1、2、又は3であり、mは0以上10以下、好ましくは0以上5以下である。ただし、mとnは同時に0にはならない。)
により表されるものを好適に用いることができる。尚、mHOは、多くの場合、結晶格子の形成に関与しない脱離可能な水相を表すものであるため、mは整数でなくてもよい。また、アルミナ水和物を加熱するとmは0となり得る。
本発明においてアルミナ水和物は、公知の方法で製造することができる。具体的には、アルミニウムアルコキシドを加水分解する方法、アルミン酸ナトリウムを加水分解する方法、アルミン酸ナトリウムの水溶液に、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウムの水溶液を加えて中和する方法などが挙げられる。
アルミナ水和物の結晶構造としては、熱処理する温度に応じて、非晶質、ギブサイト型、ベーマイト型が知られている。尚、アルミナ水和物の結晶構造は、X線回折法によって分析することができる。本発明においては、これらの中でも、ベーマイト型のアルミナ水和物又は非晶質のアルミナ水和物が好ましい。具体例としては、特開平7−232473号公報、特開平8−132731号公報、特開平9−66664号公報、特開平9−76628号公報などに記載されたアルミナ水和物や、市販品としてはDisperal HP14、HP18(以上、サソール製)などを挙げることができる。これらのアルミナ水和物は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
また、本発明において、アルミナ水和物のBET法で求められる比表面積が100m/g以上200m/g以下であることが好ましく、125m/g以上175m/g以下であることがより好ましい。ここでBET法とは、試料表面に大きさの分かっている分子やイオンを吸着させて、その吸着量から、試料の比表面積を測定する方法である。本発明においては、試料に吸着させる気体として、窒素ガスを用いる。
インク受容層に用いる気相法アルミナとしては、γ−アルミナ、α−アルミナ、δ−アルミナ、θ−アルミナ、χ−アルミナなどを挙げることができる。これらの中でも、画像の光学濃度やインク吸収性の観点から、γ−アルミナを用いることが好ましい。気相法アルミナの具体例としては、AEROXIDE;Alu C、Alu130、Alu65(以上、EVONIK製)などを挙げることができる。
本発明において、気相法アルミナのBET法で求められる比表面積が50m/g以上が好ましく、80m/g以上がより好ましい。また、150m/g以下が好ましく、120m/g以下がより好ましい。
また、気相法アルミナの平均一次粒子径は、5nm以上が好ましく、11nm以上がより好ましい。また、30nm以下が好ましく、15nm以下がより好ましい。
本発明に用いるアルミナ水和物及び気相法アルミナは、水分散液としてインク受容層用塗工液に混合することが好ましく、その分散剤として酸を使用することが好ましい。酸としては、
一般式(Y):R−SO
(一般式(Y)中、Rは水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のアルケニル基の何れかを表す。Rは、オキソ基、ハロゲン原子、アルコキシ基、及びアシル基で置換されていてもよい。)
で表されるスルホン酸を用いることが、画像の滲みを抑制する効果が得られるため好ましい。本発明においては、上記酸の含有量は、アルミナ水和物及び気相法アルミナの合計の含有量に対して、1.0質量%以上2.0質量%以下であることが好ましく、1.3質量%以上1.6質量%以下であることがより好ましい。
本発明において、アルミナ水和物、気相法アルミナ、シリカは混合して使用してもよい。具体的には、アルミナ水和物、アルミナ、シリカから選択される少なくとも2種を、粉体状態で混合、分散して分散液とする方法が挙げられる。本発明においては、無機粒子として、アルミナ水和物及び気相法アルミナを共に用いることが好ましい。その場合、インク受容層の最表面層に含まれる、アルミナ水和物の含有量(質量%)が、気相法アルミナの含有量(質量%)に対して、質量比率で60/40倍以上90/10倍以下、即ち、1.5倍以上9.0倍以下であることが好ましい。
(バインダー)
本発明において、インク受容層はバインダーを含有する。本発明において、バインダーとは、無機粒子を結着し、被膜を形成することができる材料を意味する。
本発明においては、インク吸収性の観点から、インク受容層中の、バインダーの含有量が、無機粒子の含有量に対して、50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。また、インク受容層の結着性の観点から、上記比率は、5.0質量%以上が好ましく、8.0質量%以上がより好ましい。
バインダーとしては例えば、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉などの澱粉誘導体;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体;カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、及びポリビニルアルコール、並びに、それらの誘導体;ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体などの共役重合体ラテックス;アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの重合体などのアクリル系重合体ラテックス;エチレン−酢酸ビニル共重合体などのビニル系重合体ラテックス;上記の重合体のカルボキシル基などの官能基含有単量体による官能基変性重合体ラテックス;カチオン基を用いて上記重合体をカチオン化したもの;カチオン性界面活性剤を用いて上記重合体の表面をカチオン化したもの;カチオン性ポリビニルアルコール下で上記重合体を構成するモノマーを重合し、重合体の表面にポリビニルアルコールを分布させたもの;カチオン性コロイド粒子の懸濁分散液中で上記重合体を構成するモノマーを重合し、重合体の表面にカチオン性コロイド粒子を分布させたもの;メラミン樹脂、尿素樹脂などの熱硬化合成樹脂などの水性バインダー;ポリメチルメタクリレートなどのアクリル酸エステルやメタクリル酸エステルの重合体及び共重合体;ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂などの合成樹脂が挙げられる。これらのバインダーは、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
上記したバインダーの中でも、ポリビニルアルコールやポリビニルアルコール誘導体を用いることが好ましい。ポリビニルアルコール誘導体としては、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタールなどが挙げられる。カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば特開昭61−10483号公報に記載されているような、第1〜3級アミノ基または第4級アンモニウム基をポリビニルアルコールの主鎖又は側鎖中に有するポリビニルアルコールが好ましい。
ポリビニルアルコールは、例えば、ポリ酢酸ビニルをけん化して合成することができる。ポリビニルアルコールのけん化度としては、80mol%以上100mol%以下が好ましく、85mol%以上98mol%以下がより好ましい。尚、けん化度とは、ポリ酢酸ビニルをけん化してポリビニルアルコールを得た際の、けん化反応によって生じた水酸基のモル数の割合であり、本発明においては、JIS−K6726の方法で測定した値を用いるものとする。また、ポリビニルアルコールの平均重合度は、2,000以上が好ましく、2,000以上5,000以下がより好ましい。尚、本発明において平均重合度は、JIS−K6726の方法で求めた粘度平均重合度を用いるものとする。
インク受容層用塗工液を調製する際は、ポリビニルアルコールやポリビニルアルコール誘導体を水溶液として使用することが好ましい。その際、水溶液中のポリビニルアルコール及びポリビニルアルコール誘導体の固形分の含有量は、3質量%以上20質量%以下が好ましい。
(架橋剤)
本発明において、インク受容層は更に架橋剤を含有することが好ましい。架橋剤としては、例えば、アルデヒド系化合物、メラミン系化合物、イソシアネート系化合物、ジルコニウム系化合物、アミド系化合物、アルミニウム系化合物、ホウ酸、及びホウ酸塩などが挙げられる。これらの架橋剤は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。特にバインダーとしてポリビニルアルコールやポリビニルアルコール誘導体を用いる場合は、上記した架橋剤の中でも、ホウ酸やホウ酸塩を用いることが好ましい。
ホウ酸としては、オルトホウ酸(HBO)、メタホウ酸、ジホウ酸などが挙げられる。ホウ酸塩としては、上記ホウ酸の水溶性の塩が好ましい。例えば、ホウ酸のナトリウム塩やカリウム塩などのホウ酸のアルカリ金属塩;ホウ酸のマグネシウム塩やカルシウム塩などのホウ酸のアルカリ土類金属塩;ホウ酸のアンモニウム塩などが挙げられる。これらの中でも、オルトホウ酸を用いることが、塗工液の経時安定性とクラックの発生を抑制する効果の観点から好ましい。
架橋剤の使用量は、製造条件などに応じて適宜調整することができる。本発明においては、インク受容層中の、架橋剤の含有量が、バインダーの含有量に対して、1.0質量%以上50質量%以下が好ましく、5質量%以上40質量%以下がより好ましい。
更に、バインダーがポリビニルアルコールであり、架橋剤がホウ酸及びホウ酸塩から選択される少なくとも1種である場合には、インク受容層中の、ポリビニルアルコールの含有量に対する、ホウ酸及びホウ酸塩の合計の含有量が、5質量%以上30質量%以下であることが好ましい。
(その他の添加剤)
本発明において、インク受容層は、これまで述べてきたもの以外のその他の添加剤を含有してもよい。具体的には、pH調整剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、界面活性剤、離型剤、浸透剤、着色顔料、着色染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、耐水化剤、染料定着剤、硬化剤、耐候材料などが挙げられる。
<下引き層>
本発明において、下引き層は、ガラス転移温度が5℃以下である樹脂を70質量%以上含有し、層厚が20μm以上である。より好ましくは、樹脂のガラス転移温度は−10℃以下であり、−50℃以上であることが好ましい。また、上記樹脂の含有量は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、100質量%以下であることが特に好ましい。更に、下引き層の層厚は、20μm以上40μm以下であることが好ましく、20μm以上35μm以下であることがより好ましい。
(ガラス転移温度が5℃以下である樹脂)
本発明において、ガラス転移温度が5℃以下である樹脂は、水に分散された樹脂粒子の状態で下引き層用塗工液に用いられることが好ましい。上記樹脂としては、ポリエステル樹脂;スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、メチル(メタ)アクリレート−ブタジエン共重合体などの共役ジエン系重合体;(メタ)アクリル酸エステルの重合体又は共重合体などのアクリル樹脂;酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−アクリル共重合体、酢酸ビニル−エチレン−アクリル共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体などのビニル系重合体;これらの樹脂のカルボキシル基、カチオン性基などの官能基含有変性重合体;メラミン樹脂、尿素樹脂などの熱硬化樹脂;無水マレイン酸共重合樹脂系、ポリアクリルアミド系、ポリメチルメタクリレート系、ポリウレタン樹脂系、不飽和ポリエステル樹脂系、ポリビニルブチラール系、アルキッド樹脂系などの合成樹脂系接着剤などが挙げられる。中でも、ガラス転移温度が5℃以下である樹脂が、酢酸ビニルに由来するユニットと、エチレンに由来するユニットとを有すること、即ち、酢酸ビニルとエチレンの共重合体であることが好ましい。
本発明において、ガラス転移温度が5℃以下である樹脂は、ノニオン性樹脂又はカチオン性樹脂であることが好ましい。
(その他の材料)
本発明において、下引き層は、その他の材料を含有していてもよい。その他の材料としては、ガラス転移温度が0℃より大きい樹脂や、顔料が挙げられる。
本発明において、ガラス転移温度が0℃より大きい樹脂としては、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉などの澱粉誘導体;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体;カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルアセトアミド、並びに、それらの誘導体が挙げられる。これらの樹脂は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
これらの中で、ポリビニルアルコールを用いることが好ましい。尚、本発明において、「ポリビニルアルコール」には、ポリビニルアルコール及びポリビニルアルコール誘導体を含む。ポリビニルアルコール誘導体としては、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタールなどが挙げられる。カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば特開昭61−10483号公報に記載されているような、第1〜3級アミノ基または第4級アンモニウム基をポリビニルアルコールの主鎖又は側鎖中に有するポリビニルアルコールが好ましい。
本発明において、顔料としては例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムなどの白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂などの有機顔料などが挙げられる。
また、pH調整剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、界面活性剤、離型剤、浸透剤、着色顔料、着色染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、耐水化剤、染料定着剤、硬化剤、耐候材料などを含有していてもよい。
[記録媒体の製造方法]
本発明において、記録媒体を製造する方法は、特に限定されないが、下引き層用の塗工液及びインク受容層用の塗工液を調製する工程、及び、下引き層用の塗工液及びインク受容層用塗工液を基材に塗工する工程を有する記録媒体の製造方法が好ましい。以下、記録媒体の製造方法について説明する。
<基材の作製方法>
本発明において、基紙の作製方法としては、一般的に用いられている抄紙方法を適用することができる。抄紙装置としては、例えば長網抄紙機、丸網抄紙機、円胴、ツインワイヤーなどが挙げられる。基紙の表面平滑性を高めるために、抄紙工程中又は抄紙工程後に、熱及び圧力を加えて表面処理してもよい。具体的な表面処理方法としては、マシンカレンダーやスーパーカレンダーといったカレンダー処理が挙げられる。
基紙の上に樹脂層を設ける方法、即ち、基紙を樹脂で被覆する方法としては、溶融押出法、ウェットラミネーション、ドライラミネーションなどが挙げられる。中でも、基紙の片面又は両面に溶融した樹脂を押し出しコーティングする溶融押出法が好ましい。例えば、搬送されてきた基紙と、押出ダイから押し出された樹脂を、ニップローラと冷却ローラーとの間のニップ点において接触させ、ニップで圧着することで樹脂層を基紙上にラミネートする方法(押出コーティング方法ともいう)が広く採用されている。溶融押出法により、樹脂層を設ける際には、基紙と樹脂層の接着がより強固となるように、前処理を施してもよい。前処理としては、硫酸クロム酸混液による酸エッチング処理、ガス炎による火炎処理、紫外線照射処理、コロナ放電処理、グロー放電処理、アルキルチタネートなどのアンカーコート処理などが挙げられる。中でも、コロナ放電処理が好ましい。また、樹脂層に白色顔料を含有する場合は、樹脂と白色顔料を混合したもので、基紙を被覆すればよい。
<下引き層・インク受容層の形成方法>
本発明の記録媒体において、基材に下引き層及びインク受容層を形成する方法としては、例えば以下の方法を挙げることができる。まず、下引き層用塗工液及びインク受容層用塗工液を調製する。そして、基材に上記塗工液を塗工及び乾燥することで、本発明の記録媒体を得ることができる。塗工液の塗工方法としては、カーテンコーター、エクストルージョン方式を用いたコーター、スライドホッパー方式を用いたコーターなどを用いることができる。尚、塗工時に、塗工液を加温してもよい。また、塗工後の乾燥方法としては、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤーなどの熱風乾燥機を使用する方法や、赤外線、加熱ドライヤー、マイクロ波などを利用した乾燥機を使用する方法などが挙げられる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に詳細に説明する。本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。尚、以下の実施例の記載において、「部」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
[記録媒体の作製]
<基材の作製>
(基材1の作製)
カナダ標準濾水度が450mLCSFのLBKP80部、カナダ標準濾水度が480mLCSFのNBKP20部、カチオン化澱粉0.60部、重質炭酸カルシウム10部、軽質炭酸カルシウム15部、アルキルケテンダイマー0.10部、カチオン性ポリアクリルアミド0.030部を混合し、固形分の含有量が3.0質量%となるように水を加えて、紙料を得た。次いで、紙料を長網抄紙機で抄造し、3段のウエットプレスを行った後、多筒式ドライヤーで乾燥した。その後、サイズプレス装置で乾燥後の固形分が1.0g/mとなるように酸化澱粉水溶液を含浸、乾燥させ、更に、マシンカレンダー仕上げをして、坪量が90g/m、ステキヒトサイズ度100秒、透気度50秒、ベック平滑度30秒、ガーレー剛度5.0mN、膜厚が100μmの紙基材である基材1を作製した。
(基材2の作製)
上記で作製した基材1の片面(表面とする)に、低密度ポリエチレン70部と、高密度ポリエチレン20部と、酸化チタン10部とからなる樹脂組成物を、乾燥塗工量が25g/mとなるように、塗工した。更に、基材1の裏面に、低密度ポリエチレンを塗工して、ポリオレフィン樹脂被覆基材である基材2を作製した。
<インク受容層用塗工液の調製>
(アルミナ水和物ゾルの調製)
イオン交換水333部に対して、解膠酸としてメタンスルホン酸を1.5部添加してメタンスルホン酸水溶液とした。このメタンスルホン酸水溶液をホモミキサー(T.K.ホモミクサーMARKII2.5型、特殊機化工業製)で3000rpmの回転条件で攪拌しながら、アルミナ水和物(DISPERAL HP14、サソール製、比表面積190m/g)100部を少量ずつ添加した。添加終了後も30分間攪拌し、固形分濃度23.0質量%のアルミナ水和物ゾルを調製した。
(気相法シリカゾルの調製)
イオン交換水333部に対して、カチオンポリマー(シャロールDC902P、第一工業製薬製)4.0部を添加してカチオンポリマー水溶液とした。このカチオンポリマー水溶液をホモミキサー(T.K.ホモミクサーMARKII2.5型、特殊機化工業製)で3000rpmの回転条件で攪拌しながら、気相法シリカ(AEROSIL300、EVONIK製)100部を少量ずつ添加した。添加終了後、イオン交換水で希釈を行い、さらに高圧ホモジナイザー(ナノマイザー、吉田機械興業製)で2回処理を行い、固形分濃度20.0質量%の気相法シリカゾルを調製した。
(ゲル法(湿式)シリカゾルの調製)
イオン交換水333部に対して、カチオンポリマー(シャロールDC902P、第一工業製薬製)4.0部を添加してカチオンポリマー水溶液とした。このカチオンポリマー水溶液をホモミキサー(T.K.ホモミクサーMARKII2.5型、特殊機化工業製)で3000rpmの回転条件で攪拌しながら、ゲル法シリカ(NIPGEL AZ−200、東ソー・シリカ製)100部を少量ずつ添加した。添加終了後、イオン交換水で希釈を行い、固形分濃度20.0質量%のゲル法シリカゾルを調製した。
(ポリビニルアルコール水溶液の調製)
イオン交換水1150部に対して、ポリビニルアルコール(PVA235、クラレ製、けん化度88%、平均重合度3500)100部を撹拌しながら添加した。添加終了後、90℃で加熱溶解させ、固形分濃度8.0質量%のポリビニルアルコール水溶液を調製した。
(1)インク受容層用塗工液Aの調製
前記ゲル法シリカゾルに含まれるシリカ100部に対してポリビニルアルコールが固形分換算で80部となるようにポリビニルアルコール水溶液を混合し、塗工液Aとした。
(2)インク受容層用塗工液Bの調製
前記気相法シリカゾルに含まれる気相法シリカ固形分100部に対してポリビニルアルコールが固形分換算で25部となるようにポリビニルアルコール水溶液を混合した。次に、気相法シリカ固形分100部に対して、オルトホウ酸が固形分換算で3部になるように、固形分濃度5質量%のオルトホウ酸水溶液を混合し、塗工液Bとした。
(3)インク受容層用塗工液Cの調製
前記アルミナ水和物ゾルに含まれるアルミナ水和物固形分100部に対してポリビニルアルコールが固形分換算で10部となるようにポリビニルアルコール水溶液を混合した。次に、アルミナ水和物固形分100部に対して、オルトホウ酸が固形分換算で1部になるように、固形分濃度5質量%のオルトホウ酸水溶液を混合し、塗工液Cとした。
<記録媒体の作製>
(実施例1)
ガラス転移温度が5℃以下の樹脂として、アクリル樹脂 アクロナールYJ2741Dap(BASF製;ガラス転移温度−14℃、固形分濃度55%)を固形分換算で80部、増粘剤としてポリビニルアルコール水溶液を固形分換算で15部、酸化チタンSR−1(堺化学製)5部を混合、分散し、固形分濃度30%の下引き層用塗工液を調製した。
前記基材2の一方の面に、下引き層用塗工液を乾燥後の厚みが20μmとなるように塗工、乾燥した。次いで、塗工液Aを乾燥後の厚みが20μmとなるように塗工、乾燥させることで、実施例1の記録媒体を作製した。
(実施例2)
下引き層の乾燥後の厚みを25μmに変更した以外は実施例1と同様にして実施例2の記録媒体を得た。
(実施例3)
下引き層の乾燥後の厚みを30μmに変更した以外は実施例1と同様にして実施例3の記録媒体を得た。
(実施例4)
下引き層の乾燥後の厚みを50μmに変更した以外は実施例1と同様にして実施例4の記録媒体を得た。
(実施例5)
下引き層の乾燥後の厚みを100μmに変更した以外は実施例1と同様にして実施例5の記録媒体を得た。
(実施例6)
下引き層塗工液に添加する樹脂を、ウレタン樹脂 ハイドランWLS−210(DIC製;ガラス転移温度−15℃)に変更した以外は実施例1と同様にして実施例6の記録媒体を得た。
(実施例7)
下引き層塗工液に添加する樹脂を、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂 スミカフレックス410HQ(住友化学製;ガラス転移温度−14℃)に変更した以外は実施例1と同様にして実施例7の記録媒体を得た。
(実施例8)
下引き層塗工液に添加する樹脂を、ポリエステル樹脂 バイロナールMD1985(東洋紡製;ガラス転移温度−20℃)に変更した以外は実施例1と同様にして実施例8の記録媒体を得た。
(実施例9)
下引き層塗工液に添加する樹脂を、アクリル樹脂 モビニール7400(日本合成化学製;ガラス転移温度−41℃)に変更した以外は実施例1と同様にして実施例9の記録媒体を得た。
(実施例10)
下引き層塗工液に添加する樹脂を、アクリル樹脂 モビニール718A(日本合成化学製;ガラス転移温度−6℃)に変更した以外は実施例1と同様にして実施例10の記録媒体を得た。
(実施例11)
下引き層塗工液に添加する樹脂を、アクリル樹脂 JONCRYL711(BASF製;ガラス転移温度0℃)に変更した以外は実施例1と同様にして実施例11の記録媒体を得た。
(実施例12)
下引き層塗工液に添加する樹脂を、アクリル樹脂 モビニール7820(BASF製;ガラス転移温度4℃)に変更した以外は実施例1と同様にして実施例12の記録媒体を得た。
(実施例13)
樹脂、ポリビニルアルコール、酸化チタンの固形分比率を70部:25部:5部に変更したこと以外は実施例1と同様にして実施例13の記録媒体を得た。
(実施例14)
樹脂、ポリビニルアルコール、酸化チタンの固形分比率を90部:5部:5部に変更したこと以外は実施例1と同様にして実施例14の記録媒体を得た。
(実施例15)
インク受容層の乾燥後の厚みを35μmに変更した以外は実施例1と同様にして実施例15の記録媒体を得た。
(実施例16)
インク受容層の乾燥後の厚みを40μmに変更した以外は実施例1と同様にして実施例16の記録媒体を得た。
(実施例17)
インク受容層の乾燥後の厚みを25μmに変更した以外は実施例1と同様にして実施例17の記録媒体を得た。
(実施例18)
塗工液Aを塗工液Bに変更した以外は実施例1と同様にして実施例18の記録媒体を得た。
(実施例19)
塗工液Aを塗工液Cに変更した以外は実施例1と同様にして実施例19の記録媒体を得た。
(実施例20)
基材2を基材1に変更した以外は実施例1と同様にして実施例20の記録媒体を得た。
(比較例1)
下引き層を塗工しなかった以外は実施例1と同様にして比較例1の記録媒体を作成した。
(比較例2)
下引き層の乾燥後の厚みを5μmに変更した以外は実施例1と同様にして比較例2の記録媒体を得た。
(比較例3)
下引き層の乾燥後の厚みを10μmに変更した以外は実施例1と同様にして比較例3の記録媒体を得た。
(比較例4)
下引き層の乾燥後の厚みを15μmに変更した以外は実施例1と同様にして比較例4の記録媒体を得た。
(比較例5)
下引き層塗工液に添加する樹脂を、アクリル樹脂 JONCRYL352D(BASF製;ガラス転移温度56℃)に変更した以外は実施例1と同様にして比較例5の記録媒体を得た。
(比較例6)
下引き層塗工液に添加する樹脂を、ウレタン樹脂 スーパーフレックス860(第一工業製薬製;ガラス転移温度36℃)に変更した以外は実施例1と同様にして比較例6の記録媒体を得た。
(比較例7)
下引き層塗工液に添加する樹脂を、アクリル樹脂 JONCRYL PDX−7687(BASF製;ガラス転移温度16℃)に変更した以外は実施例1と同様にして比較例7の記録媒体を得た。
(比較例8)
下引き層塗工液に添加する樹脂を、ウレタン樹脂 ハイドランHW−340(DIC製;ガラス転移温度7℃)に変更した以外は実施例1と同様にして比較例8の記録媒体を得た。
(比較例9)
樹脂、ポリビニルアルコール、酸化チタンの固形分比率を60部:35部:5部に変更したこと以外は実施例1と同様にして比較例9の記録媒体を得た。
(比較例10)
樹脂、ポリビニルアルコール、酸化チタンの固形分比率を30部:65部:5部に変更したこと以外は実施例1と同様にして比較例10の記録媒体を得た。
[評価結果]
<記録媒体の耐折り割れ性>
得られた記録媒体をA4サイズにし、インクジェットプリンター(商品名:MP990、キヤノン製)を用いて、記録面全面にブラックのベタ印字を行った。印字を行った記録媒体を印字面が内側になるようにして2つ折りにし、更に、プレス機を用いて500kgの荷重をかけて5分間保持し、折目部分を目視で観察し、下記の基準を用いて評価を行った。評価結果を表1に示す。
A:白い筋が見えなかった
B:白い筋がわずかに見えた
C:白い筋が多少見えた
D:白い筋がはっきり見えた
E:白い筋が幅広く、はっきり見えた。
<記録媒体のインク吸収性>
得られた記録媒体のそれぞれの記録面に、インクジェットプリンター(商品名:MP990、キヤノン製)を用いて、写真用紙光沢ゴールド、色補正なしモードにて、グリーンのベタ印字を行った。更に、印字部を目視にて観察し、下記の基準を用いて評価を行った。評価結果を表1に示す。
A:ベタ部にムラがほとんど見られなかった
B:ベタ部にムラがわずかに見られた
C:ベタ部にムラが少し見られた。

Claims (4)

  1. 基材と、無機粒子及びバインダーを含有するインク受容層と、を有する記録媒体であって、
    前記基材と前記インク受容層との間に、ガラス転移温度が5℃以下である樹脂を含有する下引き層を有し、
    前記下引き層における、前記樹脂の含有量が、70質量%以上であり、
    前記下引き層の層厚が20μm以上であることを特徴とする記録媒体。
  2. 前記インク受容層の層厚が、20μm以上35μm以下である請求項1に記載の記録媒体。
  3. 前記インク受容層が含有する前記無機粒子が、湿式シリカである請求項1又は2に記載の記録媒体。
  4. 前記基材が、ポリオレフィン樹脂被覆基材である請求項1乃至3の何れか1項に記載の記録媒体。
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