JP2016165891A - 記録媒体 - Google Patents

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Ryo Taguri
亮 田栗
真也 湯本
Masaya Yumoto
真也 湯本
喬 杉浦
Takashi Sugiura
喬 杉浦
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Naotoshi Miyamachi
尚利 宮町
哲朗 野口
Tetsuro Noguchi
哲朗 野口
久男 加茂
Hisao Kamo
久男 加茂
和彦 荒木
Kazuhiko Araki
和彦 荒木
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Abstract

【課題】 耐折り割れ性に優れた記録媒体を提供すること。【解決手段】 基材と、無機粒子及びバインダーを含有するインク受容層と、を有する記録媒体であって、前記無機粒子が、気相法アルミナ及びアルミナ水和物から選択される少なくとも1種を含み、前記バインダーが、ガラス転移温度が20℃以下である樹脂を含み、前記インク受容層中の、前記バインダーの含有量が、前記無機粒子の含有量に対して、25質量%以上であることを特徴とする記録媒体。【選択図】 なし

Description

本発明は記録媒体に関する。
近年、インクジェット用記録媒体を用いたフォトブックなどの需要が高まっている。フォトブックを作製する方法としては、片面にのみ画像を記録した複数のインクジェット用記録媒体に予め折り目を付け、この折り目を境界として、画像が記録されていない面同士を貼り合わせる方法が挙げられる。このような方法によって、ページを跨ぐような大きな画像を記録媒体に配置したようなフォトブックを作製することができる。
このような用途における課題として、記録物に折り目を付けた際に、記録媒体のインク受容層が割れるなどして、画像の一部が割れたり剥がれたりしてしまう場合があった。また、フォトブックの作製時のように積極的に折り目を付けるような場合でなくても、保管時などに意図せずに記録物が折れてしまい、画像の一部が割れたり剥がれたりしてしまう場合があった。そこで、折り目を付けた場合や折り目が付いてしまった場合に画像の割れや剥がれが起きないような、即ち、耐折り割れ性の高い記録物を得ることができる記録方法への需要が高まっている。
従来、記録物の耐折り割れ性を改善する方法として、インク受容層自体の柔軟性を向上するために、インク受容層中に水酸基を有する高分子分散剤で乳化重合された樹脂粒子を含有させる方法が知られている(特許文献1)。また、その他の記録物の耐折り割れ性を改善する方法としては、記録媒体のインク受容層と基材との間に、ガラス転移温度が50℃以下である樹脂を含む中間層を設ける方法が知られている(特許文献2)。
特開2004−314321号公報 特開2008−183807号公報
しかしながら、本発明者らの検討によれば、特許文献1及び2に記載の記録媒体は、耐折り割れ性は改善して入るものの、本発明で求めるレベルには達していなかった。即ち、フォトブックの作製時のように積極的に折り目を付けるような場合では、折り割れが発生してしまうことがあった。
本発明は、耐折り割れ性に優れた記録媒体を提供することを目的とする。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。
即ち、本発明にかかる記録媒体は、基材と、無機粒子及びバインダーを含有するインク受容層と、を有し、前記無機粒子が、気相法アルミナ及びアルミナ水和物から選択される少なくとも1種のアルミナを含み、前記バインダーが、ガラス転移温度が20℃以下である樹脂を含み、前記インク受容層中の、前記バインダーの含有量が、前記無機粒子の含有量に対して、25質量%以上であることを特徴とする(以下、第1の発明とも称する)。
また、本発明にかかる記録媒体は、基材と、無機粒子及びバインダーを含有するインク受容層と、を有し、前記無機粒子が、気相法アルミナ及びアルミナ水和物から選択される少なくとも1種のアルミナを含み、前記バインダーが、水溶性の樹脂(1)及び平均粒子径が0.3μm以上かつ伸度が550%以上の樹脂(2)を含み、前記インク受容層中の樹脂(1)と樹脂(2)の合計含有量が、前記アルミナの含有量に対して20質量%以上50質量%以下であることを特徴とする(以下、第2の発明とも称する)。
本発明によれば、耐折り割れ性に優れた記録媒体を提供することができる。
以下、好適な実施の形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。
本発明者らの検討の結果、基材と、無機粒子及びバインダーを含有するインク受容層とを有する記録媒体において、無機粒子として、気相法アルミナ及びアルミナ水和物から選択される少なくとも1種のアルミナを含み、バインダーとして、ガラス転移温度が20℃以下である樹脂を含み、更に、インク受容層中の、バインダーの含有量(ガラス転移温度が20℃以下である樹脂とその他のバインダーの合計の含有量)が、無機粒子の含有量に対して、25質量%以上であるようにすることで、記録媒体の耐折り割れ性が向上することを見出した。
上記の本発明の構成によって耐折り割れ性が向上するメカニズムの詳細は不明であるが、本発明者らは以下の理由によって、耐折り割れ性が向上したものと推測している。
インク受容層が、ガラス転移温度が20℃以下である、軟らかい樹脂を含有することで、インク受容層の柔軟性が向上する。この軟らかい樹脂を含むバインダーの合計の含有量が、25質量%以上であることによって、ガラス転移温度が20℃以下である樹脂の柔軟性の向上効果が十分に得られ、その結果、記録媒体の耐折り割れ性が向上するという本発明の効果を得ることができたものと本発明者らは推測している。
また、本発明者らは、基材と、無機粒子及びバインダーを含有するインク受容層と、を有し、前記無機粒子が、気相法アルミナ及びアルミナ水和物から選択される少なくとも1種のアルミナを含み、前記バインダーが、水溶性の樹脂(1)及び平均粒子径が0.3μm以上かつ伸度が550%以上の樹脂(2)を含み、前記インク受容層中の樹脂(1)と樹脂(2)の合計含有量が、前記アルミナの含有量に対して20質量%以上50質量%以下であるようにすることで、記録媒体の耐折り割れ性が向上することを見出した。さらに本発明者らは、この本発明の構成によって、繰り返しの記録媒体を折り曲げた場合であっても、耐折り割れ性が維持されることも見出した。
上記の本発明の構成によって耐折り割れ性が向上するメカニズムの詳細は不明であるが、本発明者らは以下の理由によって、耐折り割れ性が向上したものと推測している。
インク受容層が、平均粒子径が0.3μm以上かつ伸度が550%以上の樹脂(2)を含有することで、インク受容層の弾性が向上する。
そして、インク受容層中における樹脂(1)及び(2)の含有量が、アルミナの含有量に対して20質量%以上50質量%以下であることで、インク受容層全体の柔軟性、延伸性、および基材との密着性が向上し、記録媒体の耐折り割れ性が向上するという本発明の効果を得ることができたものと本発明者らは推測している。
[記録媒体]
本発明の記録媒体は、基材と、インク受容層とを有する。本発明においては、インクジェット記録方法に用いるインクジェット用記録媒体であることが好ましい。
本発明において、記録媒体の表面のJIS B 0601:2001で規定される算術平均粗さRaは、0.8μm以上2.5μm以下であることが好ましい。本発明において、算術平均粗さRaを測定する際には、測定長さを2.5mm、カットオフ値0.8mmとする。
本発明において、記録媒体の表面の算術平均粗さRaを上記の範囲とすることで、白モヤ現象の抑制効果が高まる。以下、白モヤ現象及びその抑制のメカニズムについて説明する。
記録媒体にインクを付与して得られる複数の記録物を、記録物の画像が記録されている面同士が接触するように保存した場合、一方の記録物の画像の一部に白味が掛かる現象が発生する場合がある(以下、「白モヤ現象」もいう)。特に、フォトブックを作製する場合は、この白モヤ現象が発生しやすい。この白モヤ現象は、画像中に残存する、インクに由来する水や水溶性有機溶剤といった水性媒体が、もう一方の画像に移動することで発生すると推測される。そこで、記録媒体の表面の算術平均粗さRaを上記の範囲とすることで、記録物の画像が記録されている面同士の接触面積が小さくなり白モヤ現象が抑制される。
記録媒体の表面のRaを調整する方法としては、例えば、樹脂被覆基材を用い、樹脂被覆基材の表面を特定の凹凸を有するロールで押し付け、その上にインク受容層用塗工液を塗工する方法や、記録媒体の表面に特定の凹凸を有するロールで押し付ける方法などが挙げられる。
以下、本発明の記録媒体を構成する各成分について、それぞれ説明する。
<基材>
基材としては、基紙のみから構成されるものや、基紙と樹脂層を有するもの、即ち、基紙が樹脂で被覆されているものや、樹脂フィルムが挙げられる。本発明においては、基紙と該基紙上に樹脂層とを有する基材を用いることが好ましい。その場合、樹脂層は、基紙の片面のみに設けられていてもよいが、記録媒体のカールを抑制する観点から、両面に設けられていることが好ましい。
本発明において、基材の表面のJIS B 0601:2001で規定される算術平均粗さRaが、1.0μm以上5.0μm以下であることが好ましい。基材の表面の算術平均粗さRaを係る範囲とすることで、基材に接するインク受容層との接着力が向上し、耐折り割れ性が更に高いレベルで達成できる。
また、本発明において、基材の厚さは、25μm以上500μm以下であることが好ましく、50μm以上300μm以下であることがより好ましい。基材の厚さが25μm以上であることで、記録媒体の剛性が向上させ、その記録媒体を手にした時の良好な感触や質感を得ることができる。また、基体の厚さが500μm以下であることで、プリンタでの給紙走行をスムーズに行うことができる。更に、基材の坪量は、25g/m以上500g/m以下であることが好ましい。
(基紙)
基紙は、木材パルプを主原料とし、必要に応じてポリプロピレンなどの合成パルプや、ナイロンやポリエステルなどの合成繊維を加えて抄紙される。木材パルプとしては広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)、広葉樹溶解パルプ(LDP)、針葉樹溶解パルプ(NDP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)などが挙げられる。これらは、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。木材パルプの中でも短繊維成分の多いLBKP、NBSP、LBSP、NDP、LDPを用いることが好ましい。パルプとしては、不純物の少ない化学パルプ(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましい。また、漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも好ましい。紙基材中には、サイズ剤、白色顔料、紙力増強剤、蛍光増白剤、水分保持剤、分散剤、柔軟化剤などを適宜添加してもよい。
(樹脂層)
本発明において、基紙が樹脂で被覆されている場合は、樹脂層は基紙の表面の一部を被覆するように設けられていればよいが、樹脂層の被覆率(樹脂層で被覆された基紙の表面の面積/基紙の表面の全面積)が70%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、更には、100%であること、即ち、基紙の表面の全面が樹脂層で被覆されていることが特に好ましい。
また、本発明において、樹脂層の膜厚は、20μm以上60μm以下であることが好ましく、更には、樹脂層の膜厚は、35μm以上50μm以下であることがより好ましい。樹脂層を基紙の両面に設ける場合は、両面の樹脂層の膜厚がそれぞれ上記範囲を満足することが好ましい。
樹脂層に用いられる樹脂としては、熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂としては、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体などが挙げられる。これらの中でも、ポリオレフィン樹脂を用いることが好ましい。本発明において、ポリオレフィン樹脂とは、モノマーとしてオレフィンを用いた重合体を意味する。具体的には、エチレン、プロピレン、イソブチレンなどの単重合体や共重合体が挙げられる。ポリオレフィン樹脂は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、ポリエチレンを用いることが好ましい。ポリエチレンとしては、低密度ポリエチレン(LDPE)や高密度ポリエチレン(HDPE)を用いることが好ましい。
本発明において、樹脂層は、不透明度や白色度や色相を調整するために、白色顔料や蛍光増白剤や群青などを含有してもよい。中でも、不透明度を向上することができるため、白色顔料を含有することが好ましい。白色顔料としては、ルチル型又はアナターゼ型の酸化チタンが挙げられる。本発明において、樹脂層中の白色顔料の含有量は、3g/m以上30g/m以下であることが好ましい。尚、樹脂層を基紙の両面に設ける場合は、2つの樹脂層中の白色顔料の合計の含有量が、上記範囲を満足することが好ましい。また、樹脂層中の、白色顔料の含有量は、白色顔料の分散安定性の観点から、樹脂の含有量に対して、25質量%以下であることが好ましい。
<インク受容層>
第1の発明において、インク受容層は、無機粒子として、気相法アルミナ及びアルミナ水和物から選択される少なくとも1種を含有し、バインダーとして、ガラス転移温度が20℃以下である樹脂を含有する(以下、このインク受容層を「第1のインク受容層」ともいう)。本発明において、第1のインク受容層の層厚は、20μm以上35μm以下であることが好ましく、20μm以上30μm以下であることがより好ましい。また、更に、インク受容層の基材と反対側の面に、第2のインク受容層を設ける場合は、第2のインク受容層の層厚は、1μm以上9μm以下であることが好ましい。
また、第2の発明は、無機粒子として、アルミナを含有し、バインダーとして、水溶性の樹脂(1)及び平均粒子径が0.3μm以上かつ伸度が550%以上の樹脂(2)を含む。
また、インク受容層は、発色性及びインク吸収性を改善するために、インク受容層(A)と、インク受容層(A)の上部にインク受容層(B)を設けてなる積層型のインク受容層であってもよい。インク受容層(B)は、無機粒子と水溶性の樹脂(1)を含有し、平均粒子径が0.3μm以上かつ伸度が550%以上の樹脂(2)を含まないことが好ましい。またインク受容層(B)は樹脂(2)を含む場合、含まない場合のいずれにおいてもインク受容層(B)に含まれる無機粒子の100質量部に対しての樹脂(1)と樹脂(2)の総和はインク受容層(A)に含まれるアルミナの100質量部に対しての樹脂(1)と樹脂(2)の総和よりも少ないことが好ましい。
インク受容層(B)の膜厚は1μm以上、10μm以下であることが好ましい。
インク受容層(B)の膜厚が上記範囲内であることで、インク吸収性及び画像濃度を向上させつつ、折り割れが目立ちにくいという効果が得られる。
尚、本発明における層厚とは、絶乾時の膜厚であり、走査電子顕微鏡を用いて断面を観察し、4点の層厚を測定し、その平均値である。
以下、インク受容層に含有することができる材料について、それぞれ説明する。
(無機粒子)
本発明において、第1のインク受容層は無機粒子として、気相法アルミナ及びアルミナ水和物から選択される少なくとも1種を含有する。第1のインク受容層がアルミナを含有するかどうかは、X線光電子分光法(XPS)やエネルギー分散型X線分光法(EDX)といった元素分析により確認することができる。更に、第1のインク受容層は、その他の無機粒子を含有してもよい。また、第2のインク受容層は無機粒子を含有することが好ましい。
アルミナ水和物、気相法アルミナ以外の無機粒子としては、例えば、シリカ(気相法シリカ、湿式シリカ)、コロイダルシリカ、二酸化チタン、ゼオライト、カオリン、タルク、ハイドロタルサイト、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウムなどが挙げられる。これらの無機粒子は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。上記無機粒子の中でも、インクの吸収性が高い多孔質構造を形成することができるアルミナ水和物、気相法アルミナ、気相法シリカを用いることが好ましい。
本発明において、無機粒子は、分散剤によって分散されている状態で、インク受容層用の塗工液に用いられることが好ましい。分散状態での無機粒子の平均二次粒子径は、0.1nm以上500nm以下が好ましく、更には、1.0nm以上300nm以下がより好ましく、10nm以上250nm以下が特に好ましい。尚、分散状態での無機粒子の平均二次粒子径は、動的光散乱法により測定することができる。
(1)アルミナ水和物
インク受容層に用いるアルミナ水和物は、
一般式(X):Al3−n(OH)2n・mHO(一般式(X)中、nは0、1、2、又は3であり、mは0以上10以下、好ましくは0以上5以下である。ただし、mとnは同時に0にはならない。)
により表されるものを好適に用いることができる。尚、mHOは、多くの場合、結晶格子の形成に関与しない脱離可能な水相を表すものであるため、mは整数でなくてもよい。また、アルミナ水和物を加熱するとmは0となり得る。
本発明においてアルミナ水和物は、公知の方法で製造することができる。具体的には、アルミニウムアルコキシドを加水分解する方法、アルミン酸ナトリウムを加水分解する方法、アルミン酸ナトリウムの水溶液に、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウムの水溶液を加えて中和する方法などが挙げられる。
アルミナ水和物の結晶構造としては、熱処理する温度に応じて、非晶質、ギブサイト型、ベーマイト型が知られている。尚、アルミナ水和物の結晶構造は、X線回折法によって分析することができる。本発明においては、これらの中でも、ベーマイト型のアルミナ水和物又は非晶質のアルミナ水和物が好ましい。具体例としては、特開平7−232473号公報、特開平8−132731号公報、特開平9−66664号公報、特開平9−76628号公報などに記載されたアルミナ水和物や、市販品としてはDisperal HP14、HP18(以上、サソール製)などを挙げることができる。これらのアルミナ水和物は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
本発明において、アルミナ水和物の一次粒子の数平均粒子径が5nm以上50nm以下であることが好ましい。また、アルミナ水和物のアスペクト比が2以上である、板状のアルミナ水和物であることが好ましい。尚、本発明において、アスペクト比は、特公平5−16015号公報に記載された方法により求めることができる。即ち、アスペクト比は、粒子の「厚さ」に対する「直径」の比で示される。ここで「直径」とは、アルミナ水和物を電子顕微鏡で観察したときの粒子の投影面積と等しい面積を有する円の直径(円相当径)である。
本発明において、アルミナ水和物のBET法で求められる比表面積が100m/g以上200m/g以下であることが好ましく、125m/g以上175m/g以下であることがより好ましい。ここでBET法とは、試料表面に大きさの分かっている分子やイオンを吸着させて、その吸着量から、試料の比表面積を測定する方法である。本発明においては、試料に吸着させる気体として、窒素ガスを用いる。
(2)気相法アルミナ
インク受容層に用いる気相法アルミナとしては、γ−アルミナ、α−アルミナ、δ−アルミナ、θ−アルミナ、χ−アルミナなどを挙げることができる。これらの中でも、画像の光学濃度やインク吸収性の観点から、γ−アルミナを用いることが好ましい。気相法アルミナの具体例としては、AEROXIDE;Alu C、Alu130、Alu65(以上、EVONIK製)などを挙げることができる。
本発明において、気相法アルミナのBET法で求められる比表面積が50m/g以上が好ましく、80m/g以上がより好ましい。また、150m/g以下が好ましく、120m/g以下がより好ましい。
また、気相法アルミナの平均一次粒子径は、5nm以上が好ましく、11nm以上がより好ましい。また、30nm以下が好ましく、15nm以下がより好ましい。
本発明に用いるアルミナ水和物及び気相法アルミナは、水分散液としてインク受容層用塗工液に混合することが好ましく、その分散剤として酸を使用することが好ましい。酸としては、
一般式(Y):R−SO
(一般式(Y)中、Rは水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のアルケニル基の何れかを表す。Rは、オキソ基、ハロゲン原子、アルコキシ基、及びアシル基で置換されていてもよい。)
で表されるスルホン酸を用いることが、画像の滲みを抑制する効果が得られるため好ましい。本発明においては、上記酸の含有量は、アルミナ水和物及び気相法アルミナの合計の含有量に対して、1.0質量%以上2.0質量%以下であることが好ましく、1.3質量%以上1.6質量%以下であることがより好ましい。
(3)シリカ
インク受容層に用いるシリカは、その製法により湿式法と乾式法(気相法)に大別される。湿式法としては、ケイ酸塩の酸分解により活性シリカを生成し、これを適度に重合させ凝集沈降させて含水シリカを得る方法が知られている。一方、乾式法(気相法)としては、ハロゲン化珪素の高温気相加水分解による方法(火炎加水分解法)や、ケイ砂とコークスとを電気炉中でアークによって加熱還元気化し、これを空気で酸化する方法(アーク法)によって無水シリカを得る方法が知られている。本発明においては、乾式法(気相法)により得られるシリカ(以下、「気相法シリカ」ともいう)を用いることが好ましい。これは、気相法シリカは、比表面積が特に大きいので、インクの吸収性が特に高く、また、屈折率が低いので、インク受容層に透明性を付与でき、良好な発色性が得られるためである。具体的に、気相法シリカとしては、アエロジル(日本アエロジル製)、レオロシールQSタイプ(トクヤマ製)などが挙げられる。
本発明において、気相法シリカのBET法による比表面積は50m/g以上400m/g以下であることが好ましく、200m/g以上350m/g以下であることがより好ましい。
本発明において、気相法シリカは、分散剤によって分散されている状態で、インク受容層用の塗工液に用いられることが好ましい。分散状態での気相法シリカの粒子径は、50nm以上300nm以下であることがより好ましい。尚、分散状態での気相法シリカの粒子径は、動的光散乱法により測定することができる。気相法シリカを分散させるための、分散剤としては、カチオン性樹脂や多価金属塩が挙げられる。カチオン性樹脂としては、ポリエチレンイミン系樹脂、ポリアミン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアミドエピクロルヒドリン系樹脂、ポリアミンエピクロルヒドリン系樹脂、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン系樹脂、ポリジアリルアミン系樹脂、ジシアンジアミド縮合物などが挙げられる。多価金属塩としては、ポリ塩化アルミニウム、ポリ酢酸アルミニウム、ポリ乳酸アルミニウムがなどのアルミニウム化合物が挙げられる。
(バインダー)
第1の発明において、第1のインク受容層は、気相法アルミナ及びアルミナ水和物から選択される少なくとも1種の無機粒子と共に、ガラス転移温度が20℃以下である樹脂とを含有する。更に、その他のバインダーを含有してもよい。また、第2のインク受容層は、バインダーを含有することが好ましい。更には、第2のインク受容層が、第2のインク受容層中の、ガラス転移温度が20℃以下である樹脂の含有量が、無機粒子の含有量に対して、5質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましく、ガラス転移温度が20℃以下である樹脂を含有しないことが特に好ましい。
また、上述の通り、本発明において、第1のインク受容層中の、バインダーの含有量(ガラス転移温度が20℃以下である樹脂とその他のバインダーの合計の含有量)が、無機粒子の含有量に対して、25質量%以上である必要がある。更には、25質量%以上70質量%以下が好ましく、25質量%以上50質量%以下がより好ましい。
(1)ガラス転移温度が20℃以下である樹脂
第1の発明において、ガラス転移温度が20℃以下である樹脂は、水に分散された樹脂粒子の状態でインク受容層用塗工液に用いられることが好ましい。上記樹脂としては、ポリエステル樹脂;スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、メチル(メタ)アクリレート−ブタジエン共重合体などの共役ジエン系重合体;(メタ)アクリル酸エステルの重合体又は共重合体などのアクリル樹脂;酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−アクリル共重合体、酢酸ビニル−エチレン−アクリル共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体などのビニル系重合体;これらの樹脂のカルボキシル基、カチオン性基などの官能基含有変性重合体;メラミン樹脂、尿素樹脂などの熱硬化樹脂;無水マレイン酸共重合樹脂系、ポリアクリルアミド系、ポリメチルメタクリレート系、ポリウレタン樹脂系、不飽和ポリエステル樹脂系、ポリビニルブチラール系、アルキッド樹脂系などの合成樹脂系接着剤などが挙げられる。中でも、ガラス転移温度が20℃以下である樹脂が、酢酸ビニルに由来するユニットと、エチレンに由来するユニットとを有すること、即ち、酢酸ビニルとエチレンの共重合体であることが好ましい。
本発明において、ガラス転移温度が20℃以下である樹脂は、ノニオン性樹脂又はカチオン性樹脂であることが好ましい。
第1のインク受容層中の、ガラス転移温度が20℃以下である樹脂の含有量は、無機粒子の含有量に対して、15質量%以上60質量%以下であることが好ましく、20質量%以上40質量%以下であることがより好ましい。
(2)その他のバインダー
第1の発明において、その他のバインダーとしては、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉などの澱粉誘導体;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体;カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルアセトアミド、並びに、それらの誘導体が挙げられる。これらのバインダーは、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
これらの中で、ポリビニルアルコールを用いることが好ましい。尚、本発明において、「ポリビニルアルコール」には、ポリビニルアルコール及びポリビニルアルコール誘導体を含む。ポリビニルアルコール誘導体としては、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタールなどが挙げられる。カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば特開昭61−10483号公報に記載されているような、第1〜3級アミノ基または第4級アンモニウム基をポリビニルアルコールの主鎖又は側鎖中に有するポリビニルアルコールが好ましい。
ポリビニルアルコールは、例えば、ポリ酢酸ビニルをけん化して合成することができる。ポリビニルアルコールのけん化度としては、80mol%以上100mol%以下が好ましく、85mol%以上98mol%以下がより好ましい。尚、けん化度とは、ポリ酢酸ビニルをけん化してポリビニルアルコールを得た際の、けん化反応によって生じた水酸基のモル数の割合であり、本発明においては、JIS−K6726の方法で測定した値を用いるものとする。また、ポリビニルアルコールの平均重合度は、2,500以上が好ましく、3,000以上5,000以下がより好ましい。尚、本発明において平均重合度は、JIS−K6726の方法で求めた粘度平均重合度を用いるものとする。
また、ポリビニルアルコールのガラス転移温度は、40℃以上が好ましく、70℃以上がより好ましく、90℃以下が好ましい。本発明において、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)によって得られる。
インク受容層用塗工液を調製する際は、ポリビニルアルコールを水溶液として使用することが好ましい。その際、水溶液中のポリビニルアルコールの固形分の含有量は、3質量%以上20質量%以下が好ましい。
本発明において、第1のインク受容層中の、ポリビニルアルコールの含有量が、無機粒子の含有量に対して、5質量%以上45質量%以下であることが好ましく、10質量%以上45質量%以下であることがより好ましい。
また、本発明において、第2のインク受容層中の、ポリビニルアルコールの含有量が、無機粒子の含有量に対して、5質量%以上30質量%以下であることが好ましく、10質量%以上25質量%以下であることがより好ましい。
(樹脂(1))
第2の発明において、インク受容層(A)又は(B)は樹脂(1)を含有する。本発明においては、樹脂(1)とは、無機粒子を結着し、被膜を形成することができる樹脂を意味する。
本発明においては、インク受容層(A)に含有される樹脂(1)は、インク吸収性の観点から、アルミナ100質量部に対して、35質量部以下が好ましく、30質量部以下がより好ましい。また、耐折れ割れ性の観点から、アルミナ100質量部に対して、5質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましい。
また、インク受容層(B)に含有される樹脂(1)は、インク吸収性の観点から、インク受容層(B)中のアルミナ100質量部に対して、30質量部以下が好ましく、25質量部以下がより好ましい。また、耐折れ割れ性の観点から、5質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましい。
本発明において、樹脂(1)としては例えば、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉などの澱粉誘導体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルアセトアミド、並びに、それらの誘導体などが挙げられる。これらの樹脂(1)は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
上記した樹脂(1)の中でも、塗布乾燥時のクラック防止や膜耐水性の観点からポリビニルアルコールやポリビニルアルコール誘導体を用いることが好ましい。ポリビニルアルコール誘導体としては、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタールなどが挙げられる。カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば特開昭61−10483号公報に記載されているような、第1〜3級アミノ基または第4級アンモニウム基をポリビニルアルコールの主鎖又は側鎖中に有するポリビニルアルコールが好ましい。
ポリビニルアルコールは、例えば、ポリ酢酸ビニルをけん化して合成することができる。ポリビニルアルコールのけん化度としては、80mol%以上100mol%以下が好ましく、85mol%以上98mol%以下がより好ましい。尚、けん化度とは、ポリ酢酸ビニルをけん化してポリビニルアルコールを得た際の、けん化反応によって生じた水酸基のモル数の割合であり、本発明においては、JIS−K6726の方法で測定した値を用いるものとする。
また、ポリビニルアルコールやポリビニルアルコール誘導体の平均重合度は、2,500以上が好ましく、3,000以上5,000以下がより好ましい。尚、本発明において平均重合度は、JIS−K6726の方法で求めた粘度平均重合度を用いるものとする。
上記したポリビニルアルコールは40℃以上にTgを持つ。より好ましいけん化度、重合度のポリビニルアルコールのTgは70℃以上、90℃以下である。
インク受容層用塗工液を調製する際は、ポリビニルアルコールやポリビニルアルコール誘導体を水溶液として使用することが好ましい。その際、水溶液中のポリビニルアルコール及びポリビニルアルコール誘導体の固形分の含有量は、3質量%以上20質量%以下が好ましい。
(樹脂(2))
第2の発明において、インク受容層のうち、少なくとも支持体に隣接するインク受容層(A)は平均粒子径が0.3μm以上かつ伸度が550%以上の樹脂(2)を含む。平均粒子径が0.3μm以上かつ伸度が550%以上であることにより受容層の柔軟性が高まり、記録媒体を二つ折りにし、繰り返し開閉した時の受容層の割れを防止することができる。本発明に用いる樹脂(2)としては、インクの発色性の観点から表面電荷がカチオンまたはノニオンであることが好ましい。
また、水溶液である塗工液との混和性の観点から、樹脂(2)は水に分散されたエマルジョンの状態で塗工液に混ぜて使用することが好ましい。
平均粒子径とは水に分散されたエマルジョンの状態での平均粒子径のことを示し、動的光散乱法により測定することができる。また、伸度はJIS K6251−2010に記載の方法で測定した破断時伸度のことを示す。尚、伸度測定における試験片の形状はダンベル状3号形、厚さ2.0mm、引張り速度は500mm/minとした。
本発明においてはインク受容層に含有される樹脂(2)は受容層内において均一な外観を示すよりも、樹脂塊として受容層内に不均一に存在している状態が望ましい。前記のように樹脂(2)が受容層内に分布することによって樹脂(2)の力学的物性を受容層内において発現することができる。すなわち、製本時における受容層の圧縮変形時において樹脂(2)の樹脂塊が選択的に圧縮変形することにより受容層全体の圧縮を緩和し受容層の割れを抑制することができる。樹脂(2)が受容層内において均一な外観を示す場合、製本時の受容層の圧縮変形時において前記のような圧縮緩和効果が十分得られず、耐折割れ性が十分に発揮できないことがある。また、最適な粒径、伸度を選択することにより、さらに繰り返し開閉した際にも前述の圧縮緩和効果が持続され、高い折り割れ耐久性を実現することができる。
樹脂(2)の受容層内における存在の状態は受容層の断面試料をミクロトーム等により作成し、SEM等の観察装置を用いて確認することができる。断面試料の作成においては樹脂等の変形を極力避けるためクライオミクロトーム等の凍結法を用いることが好ましい。尚、断面観察によって測定される平均粒子径は、前述の動的光散乱法による平均粒子径とほぼ同等の値を示す。
前記のような受容層中における樹脂の分布を形成するためには樹脂(1)に水溶性の樹脂、樹脂(2)に樹脂エマルジョンを選択することで形成することができる。これは水溶性樹脂と樹脂エマルジョンの相溶性が低いため、受容層作成時における、受容層塗工液の塗布乾燥工程において相分離をおこすためである。前記効果により樹脂エマルジョンの最低造膜温度以上の乾燥温度でも樹脂エマルジョンは受容層内において不均一に分布する。また樹脂(2)に樹脂粒子のような固体の樹脂を選択することでも前記のような分布を作成することができる。樹脂の選択性及び物性、経済性の観点から樹脂(2)に樹脂エマルジョンを選択する方法が好ましい。
前記受容層内における樹脂(2)による樹脂塊の大きさは0.3μm以上が好ましい。この樹脂塊のサイズが小さすぎると前記の圧縮緩和効果が十分得られない場合があるためである。前記樹脂塊の大きさは樹脂エマルジョンの受容層塗工液中における分散粒径とほぼ一致する。そのため樹脂(2)の平均分散粒径を0.3μm以上にすることが必要である。また、前記樹脂塊が受容層内において効率的に圧縮緩和効果を発揮するために樹脂(2)の破断時伸度は550%以上である必要がある。
本発明に用いることのできる平均粒子径が0.3μm以上かつ伸度が550%以上の樹脂(2)の例としては、例えばポリエステル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系重合体、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの重合体または共重合体等のアクリル系重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−アクリル共重合体、酢酸ビニル−エチレン−アクリル共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、等のビニル系重合体、あるいはこれらの各種重合体のカルボキシル基、カチオン性基等の官能基含有変性重合体、メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化樹脂等の合成樹脂系の水性接着剤、無水マレイン酸共重合樹脂系、ポリアクリルアミド系、ポリメチルメタクリレート系、ポリウレタン樹脂系、不飽和ポリエステル樹脂系、ポリビニルブチラール系、アルキッド樹脂系等の合成樹脂系接着剤などの高分子が挙げられる。折り割れ耐久性の観点からポリウレタン樹脂が好ましい。
本発明においては、インク受容層(A)に含有される樹脂(2)は、インク吸収性の観点から、インク受容層(A)に含有するアルミナ100質量部に対して、50質量部以下が好ましく、40質量部以下がより好ましい。また、耐折れ割れ性の観点から、アルミナ100質量部に対して、15質量部以上が好ましく、20部以上がより好ましい。
本発明においては、インク受容層(A)に含有される樹脂(1)と樹脂(2)の合計含有量は、インク吸収性の観点から、アルミナ100質量部に対して、50質量部以下であることが必要であり、45質量部以下がより好ましい。また、耐折れ割れ性の観点から、アルミナ固形分100部に対して、20質量部以上必要であり、25質量部以上がより好ましい。
(架橋剤)
本発明において、インク受容層は更に架橋剤を含有することが好ましい。架橋剤としては、例えば、アルデヒド系化合物、メラミン系化合物、イソシアネート系化合物、ジルコニウム系化合物、アミド系化合物、アルミニウム系化合物、ホウ酸、及びホウ酸塩などが挙げられる。これらの架橋剤は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。特にバインダーとしてポリビニルアルコールやポリビニルアルコール誘導体を用いる場合は、上記した架橋剤の中でも、ホウ酸やホウ酸塩を用いることが好ましい。
ホウ酸としては、オルトホウ酸(HBO)、メタホウ酸、ジホウ酸などが挙げられる。ホウ酸塩としては、上記ホウ酸の水溶性の塩が好ましい。例えば、ホウ酸のナトリウム塩やカリウム塩などのホウ酸のアルカリ金属塩;ホウ酸のマグネシウム塩やカルシウム塩などのホウ酸のアルカリ土類金属塩;ホウ酸のアンモニウム塩などが挙げられる。これらの中でも、オルトホウ酸を用いることが、塗工液の経時安定性とクラックの発生を抑制する効果の観点から好ましい。
架橋剤の使用量は、製造条件などに応じて適宜調整することができる。本発明においては、インク受容層中の、架橋剤の含有量が、バインダーの含有量に対して、1.0質量%以上50質量%以下が好ましく、5質量%以上40質量%以下がより好ましい。
更に、バインダーがポリビニルアルコールであり、架橋剤がホウ酸及びホウ酸塩から選択される少なくとも1種である場合には、インク受容層中の、ポリビニルアルコールの含有量に対する、ホウ酸及びホウ酸塩の合計の含有量が、5質量%以上30質量%以下であることが好ましい。
(その他の添加剤)
本発明において、インク受容層は、これまで述べてきたもの以外のその他の添加剤を含有してもよい。具体的には、pH調整剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、界面活性剤、離型剤、浸透剤、着色顔料、着色染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、耐水化剤、染料定着剤、硬化剤、耐候材料などが挙げられる。
<下塗り層>
本発明においては、基材とインク受容層との密着性を向上する目的で、基材とインク受容層との間に、下塗り層を設けてもよい。下塗り層は、水溶性ポリエステル樹脂、ゼラチン、ポリビニルアルコールなどを含有することが好ましい。下塗り層の膜厚は、0.01μm以上5μm以下が好ましい。
<バックコート層>
本発明においては、基材のインク受容層が設けられる面とは反対側の面に、ハンドリング性、搬送適性、多数枚積載での連続印字時の耐搬送擦過性を向上する目的でバックコート層を設けてもよい。バックコート層は、白色顔料やバインダーなどを含有することが好ましい。バックコート層の膜厚は、乾燥塗工量が、1g/m以上25g/m以下となるようにすることが好ましい。
<トップコート層>
本発明においては、記録媒体の最表面に耐傷性を向上させる目的で、コロイダルシリカを主成分として含むトップコート層を設けてもよい。コロイダルシリカの平均一次粒子径は20μm以上200μm以下であることが好ましい。トップコートの乾燥塗工量は、0.01g/m以上2g/m以下であることが好ましい。
[記録媒体の製造方法]
本発明において、記録媒体を製造する方法は、特に限定されないが、インク受容層用の塗工液を調製する工程、及び、インク受容層用塗工液を基材に塗工する工程を有する記録媒体の製造方法が好ましい。以下、記録媒体の製造方法について説明する。
<基材の作製方法>
本発明において、基紙の作製方法としては、一般的に用いられている抄紙方法を適用することができる。抄紙装置としては、例えば長網抄紙機、丸網抄紙機、円胴、ツインワイヤーなどが挙げられる。基紙の表面平滑性を高めるために、抄紙工程中又は抄紙工程後に、熱及び圧力を加えて表面処理してもよい。具体的な表面処理方法としては、マシンカレンダーやスーパーカレンダーといったカレンダー処理が挙げられる。
基紙の上に樹脂層を設ける方法、即ち、基紙を樹脂で被覆する方法としては、溶融押出法、ウェットラミネーション、ドライラミネーションなどが挙げられる。中でも、基紙の片面又は両面に溶融した樹脂を押し出しコーティングする溶融押出法が好ましい。例えば、搬送されてきた基紙と、押出ダイから押し出された樹脂を、ニップローラと冷却ローラーとの間のニップ点において接触させ、ニップで圧着することで樹脂層を基紙上にラミネートする方法(押出コーティング方法ともいう)が広く採用されている。溶融押出法により、樹脂層を設ける際には、基紙と樹脂層の接着がより強固となるように、前処理を施してもよい。前処理としては、硫酸クロム酸混液による酸エッチング処理、ガス炎による火炎処理、紫外線照射処理、コロナ放電処理、グロー放電処理、アルキルチタネートなどのアンカーコート処理などが挙げられる。中でも、コロナ放電処理が好ましい。また、樹脂層に白色顔料を含有する場合は、樹脂と白色顔料を混合したもので、基紙を被覆すればよい。
<インク受容層の形成方法>
本発明の記録媒体において、基材にインク受容層を形成する方法としては、例えば以下の方法を挙げることができる。まず、インク受容層用塗工液を調製する。そして、基材に上記塗工液を塗工及び乾燥することで、本発明の記録媒体を得ることができる。塗工液の塗工方法としては、カーテンコーター、エクストルージョン方式を用いたコーター、スライドホッパー方式を用いたコーターなどを用いることができる。尚、塗工時に、塗工液を加温してもよい。また、塗工後の乾燥方法としては、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤーなどの熱風乾燥機を使用する方法や、赤外線、加熱ドライヤー、マイクロ波などを利用した乾燥機を使用する方法などが挙げられる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に詳細に説明する。本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。尚、以下の実施例の記載において、「部」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
[記録媒体の作製]
(基材の作製)
軽質炭酸カルシウム20部を、広葉樹晒クラフトパルプ100部のスラリー中に添加し、カチオン澱粉2部、無水アルケニルコハク酸系中性サイズ剤0.3部を添加し、十分に混合して抄紙原料とした。得られた抄紙原料を長網多筒式抄紙機を用いて水分が10%になるまで乾燥させ、サイズプレスで酸化澱粉の7%溶液を抄紙原料の両面に4g/m塗布した後、水分が7%になるまで乾燥させることで、坪量110g/mの基紙を作製した。その基紙の表裏両方の面に高密度ポリエチレン20部と低密度ポリエチレン70部からなる樹脂組成物を片面当たり30g/mの塗工量となるように溶融押し出し塗布し、溶融押し出し直後に、表面に凹凸を有するクーリングロールを使用して、基紙を冷却しながらポリエチレン表面を型付け処理した、坪量170g/mの基材を得た。型付け処理の際に、クーリングロールを押し付ける圧力及びクーリングロールの凹凸の高さを調整することで、基材表面の算術平均粗さRaが異なる基材A〜Gを得た。基材表面の算術平均粗さRaは、測定装置:Surfcorder SE3500(小坂研究所製)を用いて、JIS B 0601:2001に準じた方法で測定した。基材A〜Gの表面の算術平均粗さRaは、表1に示す。
(アルミナ水和物ゾルの調製)
イオン交換水333部に対して、解膠酸としてメタンスルホン酸を1.5部添加してメタンスルホン酸水溶液とした。このメタンスルホン酸水溶液をホモミキサー(T.K.ホモミクサーMARKII2.5型、特殊機化工業製)で3000rpmの回転条件で攪拌しながら、アルミナ水和物(DISPERAL HP14、サソール製、比表面積190m/g)100部を少量ずつ添加した。添加終了後も30分間攪拌し、固形分濃度23.0質量%のアルミナ水和物ゾルを調製した。
(気相法シリカゾルの調製)
イオン交換水333部に対して、カチオンポリマー(シャロールDC902P、第一工業製薬製)4.0部を添加してカチオンポリマー水溶液とした。このカチオンポリマー水溶液をホモミキサー(T.K.ホモミクサーMARKII2.5型、特殊機化工業製)で3000rpmの回転条件で攪拌しながら、気相法シリカ(AEROSIL300、EVONIK製)100部を少量ずつ添加した。添加終了後、イオン交換水で希釈を行い、さらに高圧ホモジナイザー(ナノマイザー、吉田機械興業製)で2回処理を行い、固形分濃度20.0質量%の気相法シリカゾルを調製した。
(ゲル法(湿式)シリカゾルの調製)
イオン交換水333部に対して、カチオンポリマー(シャロールDC902P、第一工業製薬製)4.0部を添加してカチオンポリマー水溶液とした。このカチオンポリマー水溶液をホモミキサー(T.K.ホモミクサーMARKII2.5型、特殊機化工業製)で3000rpmの回転条件で攪拌しながら、ゲル法シリカ(NIPGEL AZ−200、東ソー・シリカ製)100部を少量ずつ添加した。添加終了後、イオン交換水で希釈を行い、固形分濃度20.0質量%のゲル法シリカゾルを調製した。
(ポリビニルアルコール水溶液の調製)
イオン交換水1150部に対して、ポリビニルアルコール(PVA235、クラレ製、けん化度88%、平均重合度3500)100部を撹拌しながら添加した。添加終了後、90℃で加熱溶解させ、固形分濃度8.0質量%のポリビニルアルコール水溶液を調製した。
(ポリビニルアセトアミド水溶液の調製)
イオン交換水2400部に対して、ポリビニルアセトアミド(GE191−000、昭和電工製、平均分子量4000万)100部を撹拌しながら添加した。添加終了後、90℃で加熱溶解させ、固形分濃度4.0質量%のポリビニルアセトアミド水溶液を調製した。
<インク受容層(A)用塗工液A1の調製>
前記アルミナ水和物ゾルに含まれるアルミナ水和物固形分100部に対してポリビニルアルコールが固形分換算で15部となるように前記ポリビニルアルコール水溶液を混合した。次に、この混合液中のアルミナ水和物固形分100部に対して、エチレン−酢酸ビニル樹脂エマルジョン(スミカフレックス 410HQ、住友化学製、ガラス転移温度−18℃)を固形分換算で20部になるように混合した。次にアルミナ水和物固形分100部に対して、オルトホウ酸が固形分換算で0.75部になるように、固形分濃度5質量%のオルトホウ酸水溶液を混合し、塗工液A1とした。
<インク受容層(B)用塗工液B1の調製>
前記アルミナ水和物ゾルに含まれるアルミナ水和物固形分100部に対してポリビニルアルコールが固形分換算で9部となるように前記ポリビニルアルコール水溶液を混合した。次に、アルミナ水和物固形分100部に対して、オルトホウ酸が固形分換算で1部になるように、固形分濃度5質量%のオルトホウ酸水溶液を混合し、塗工液B1とした。
<インク受容層(B)用塗工液B2の調製>
前記気相法シリカゾルに含まれる気相法シリカ固形分100部に対してポリビニルアルコールが固形分換算で23部となるように前記ポリビニルアルコール水溶液を混合した。次に、気相法シリカ固形分100部に対して、オルトホウ酸が固形分換算で3部になるように、固形分濃度5質量%のオルトホウ酸水溶液を混合し、塗工液B2とした。
<記録媒体の作製>
(実施例1)
前記基材Aの一方の面に、塗工液A1を乾燥後の厚みが25μmとなるように塗工および乾燥させることで、実施例1の記録媒体を作製した。
(実施例2)
塗工液A1に含有させるエマルジョンをスミカフレックス355HQ(住友化学製、ガラス転移温度7℃、エチレン−酢酸ビニル樹脂エマルジョン)変更した以外は実施例1と同様にして実施例2の記録媒体を得た。
(実施例3)
塗工液A1に含有させるエマルジョンをスミカフレックス470HQ(住友化学製、ガラス転移温度0℃、エチレン−酢酸ビニル樹脂エマルジョン)変更した以外は実施例1と同様にして実施例3の記録媒体を得た。
(実施例4)
塗工液A1に含有させるエマルジョンをスミカフレックス752(住友化学製、ガラス転移温度15℃、エチレン−酢酸ビニル樹脂エマルジョン)変更した以外は実施例1と同様にして実施例4の記録媒体を得た。
(実施例5)
塗工液A1に含有させるエマルジョンをスーパーフレックスE2000(第一工業製薬製、ガラス転移温度−40℃、ウレタン樹脂エマルジョン)変更した以外は実施例1と同様にして実施例5の記録媒体を得た。
(実施例6)
塗工液A1の乾燥後の厚みを17μmに変更した以外は実施例1と同様にして実施例6の記録媒体を得た。
(実施例7)
塗工液A1の乾燥後の厚みを20μmに変更した以外は実施例1と同様にして実施例7の記録媒体を得た。
(実施例8)
塗工液A1の乾燥後の厚みを35μmに変更した以外は実施例1と同様にして実施例8の記録媒体を得た。
(実施例9)
塗工液A1の乾燥後の厚みを37μmに変更した以外は実施例1と同様にして実施例9の記録媒体を得た。
(実施例10)
塗工液A1のポリビニルアルコール固形分換算部数を8部、エチレン−酢酸ビニル樹脂エマルジョン固形分換算部数を17部に変更した以外は実施例1と同様にして実施例10の記録媒体を得た。
(実施例11)
塗工液A1のポリビニルアルコール固形分換算部数を5部、エチレン−酢酸ビニル樹脂エマルジョン固形分換算部数を25部に変更した以外は実施例1と同様にして実施例11の記録媒体を得た。
(実施例12)
塗工液A1のポリビニルアルコール固形分換算部数を45部に変更した以外は実施例1と同様にして実施例12の記録媒体を得た。
(実施例13)
塗工液A1のエチレン−酢酸ビニル樹脂エマルジョン固形分換算部数を15部に変更した以外は実施例1と同様にして実施例13の記録媒体を得た。
(実施例14)
塗工液A1のエチレン−酢酸ビニル樹脂エマルジョン固形分換算部数を60部に変更した以外は実施例1と同様にして実施例14の記録媒体を得た。
(実施例15)
基材Aを基材Bに変更した以外は実施例1と同様にして実施例15の記録媒体を得た。
(実施例16)
基材Aを基材Cに変更した以外は実施例1と同様にして実施例16の記録媒体を得た。
(実施例17)
基材Aを基材Dに変更した以外は実施例1と同様にして実施例17の記録媒体を得た。
(実施例18)
基材Aを基材Eに変更した以外は実施例1と同様にして実施例18の記録媒体を得た。
(実施例19)
基材Aを基材Fに変更した以外は実施例1と同様にして実施例19の記録媒体を得た。
(実施例20)
基材Aを基材Gに変更した以外は実施例1と同様にして実施例20の記録媒体を得た。
(実施例21)
塗工液A1のポリビニルアルコールをポリビニルアセトアミド(GE191−000、昭和電工製、平均分子量4000万)に変更した以外は実施例1と同様にして実施例21の記録媒体を得た。
(実施例22)
塗工液A1のポリビニルアルコールを別のポリビニルアルコール(PVA224、クラレ製、けん化度88%、平均重合度2400)に変更した以外は実施例1と同様にして実施例22の記録媒体を得た。
(実施例23)
基材Aの一方の面に、塗工液A1を乾燥後の厚みが25μmとなるように塗工および乾燥させることで、基材上にインク受容層(A)を形成した。次に、このインク受容層(A)上に、塗工液B1を乾燥後の膜厚が5μmとなるように塗工および乾燥させることで、インク受容層(B)を形成し、実施例23の記録媒体を作製した。
(実施例24)
基材Aの一方の面に、塗工液A1を乾燥後の厚みが25μmとなるように塗工および乾燥させることで、基材上にインク受容層(A)を形成した。次に、このインク受容層(A)上に、塗工液B2を乾燥後の膜厚が5μmとなるように塗工および乾燥させることで、インク受容層(B)を形成し、実施例24の記録媒体を作製した。
(実施例25)
塗工液B1を乾燥後の膜厚が0.5μmとなるように塗布量を変更したしたこと以外は実施例23と同様にして、実施例25の記録媒体を作製した。
(実施例26)
塗工液B1を乾燥後の膜厚が1μmとなるように塗布量を変更したしたこと以外は実施例23と同様にして、実施例26の記録媒体を作製した。
(実施例27)
塗工液B1を乾燥後の膜厚が9μmとなるように塗布量を変更したしたこと以外は実施例23と同様にして、実施例27の記録媒体を作製した。
(実施例28)
塗工液B1を乾燥後の膜厚が10μmとなるように塗布量を変更したしたこと以外は実施例23と同様にして、実施例28の記録媒体を作製した。
(比較例1)
塗工液A1に含有させるエマルジョンをスミカフレックス808HQ(住友化学製、ガラス転移温度25℃、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル共重合樹脂エマルジョン)変更した以外は実施例1と同様にして比較例1の記録媒体を得た。
(比較例2)
塗工液A1に含有させるエマルジョンをスーパーフレックス860(第一工業製薬製、ガラス転移温度36℃、ウレタン樹脂エマルジョン)変更した以外は実施例1と同様にして比較例2の記録媒体を得た。
(比較例3)
塗工液A1のアルミナゾルをゲル法シリカゾルに変更した以外は実施例1と同様にして比較例3の記録媒体を得た。
(比較例4)
塗工液A1のポリビニルアルコール固形分換算部数を7部、エチレン−酢酸ビニル樹脂エマルジョン固形分換算部数を16部に変更した以外は実施例1と同様にして比較例4の記録媒体を得た。
(比較例5)
塗工液A1のポリビニルアルコール固形分換算部数を11部、エチレン−酢酸ビニル樹脂エマルジョン固形分換算部数を12部に変更した以外は実施例1と同様にして比較例5の記録媒体を得た。
(比較例6)
塗工液A1のポリビニルアルコール固形分換算部数を3部、エチレン−酢酸ビニル樹脂エマルジョン固形分換算部数を20部に変更した以外は実施例1と同様にして比較例6の記録媒体を得た。
[評価結果]
<記録媒体の耐折り割れ性>
得られた記録媒体をA4サイズにし、インクジェットプリンター(商品名:MP990、キヤノン製)を用いて、記録面全面にブラックのベタ印字を行った。印字を行った記録媒体を印字面が内側になるようにして2つ折りにし、更に、プレス機を用いて500kgの荷重をかけて5分間保持し、折目部分を目視で観察し、下記の基準を用いて評価を行った。評価結果を表2に示す。
A:白い筋が見えなかった
B:白い筋がわずかに見えた
C:白い筋が多少見えた
D:白い筋がはっきり見えた
E:白い筋が幅広く、はっきり見えた。
<記録媒体のインク吸収性>
得られた記録媒体のそれぞれの記録面に、インクジェットプリンター(商品名:MP990、キヤノン製)を用いて、写真用紙光沢ゴールド、色補正なしモードにて、グリーンのベタ印字を行った。更に、印字部を目視にて観察し、下記の基準を用いて評価を行った。評価結果を表2に示す。
A:ベタ部にムラがほとんど見られなかった
B:ベタ部にムラがわずかに見られた
C:ベタ部にムラが少し見られた。
<得られる画像の画像濃度>
得られた記録媒体のそれぞれの記録面に、インクジェットプリンター(商品名:MP990、キヤノン製)を用いて、写真用紙、光沢ゴールド、色補正なしモードにて、ブラックのベタ印字を行った。ベタ印字部分の光学濃度を光学反射濃度計(商品名:530分光濃度計、X−Rite製)を用いてそれぞれ測定し、下記の基準を用いて評価を行った。評価結果を表2に示す。
A:2.0以上であった
B:1.9以上2.0未満であった
C:1.8以上1.9未満であった
D:1.7以上1.8未満であった
E:1.7未満であった。
<得られる画像における白モヤ現象の抑制>
各記録媒体を2枚ずつ用意し、インクジェット方式を用いたフォト用プリンタ(商品名(日本):PIXUS MP990キヤノン製)を用い、光沢ゴールドモード(標準設定、色/濃度:マッチングなし)にて、下記の画像1と画像2の各々を印刷することで、画像1が印刷された記録媒体と画像2が印刷された記録媒体を得た。
画像1:15cm×15cmの領域を、PhotoShop7.0のRGBモードで、(R,G,B)=(0,0,0)で塗りつぶした画像。
画像2:5cm×5cmの領域を、PhotoShop7.0のRGBモードで、(R,G,B)=(255,255,0)で塗りつぶした画像。
画像1が印刷された記録媒体及び画像2が印刷された記録媒体を30分間、23℃、50%RHの環境下で保存した。画像1が印刷された領域と、画像2が印刷された領域とが重なるように、2枚の記録媒体を重ね、24時間保管した。24時間保管した後、記録媒体の画像1が印刷された領域内の、画像2と重なっていた領域と、重なっていなかった領域とを目視で観察し、下記の評価基準で評価した。評価結果を表2に示す。
A:画像1と画像2とが重なっていなかった部分の画像と、画像1と画像2とが重なっていた部分の画像に違いが見られなかった(画像1と画像2とが重なっていた部分に白いモヤが視認できなかった)
B:画像1と画像2とが重なっていなかった部分の画像と比較して、画像1と画像2とが重なっていた部分の画像がかすかに白味掛かっていた(画像1と画像2とが重なっていた部分に白いモヤがかすかに視認できた)
C:画像1と画像2とが重なっていなかった部分の画像と比較して、画像1と画像2とが重なっていた部分の画像が白味掛かっていた(画像1と画像2とが重なっていた部分に白いモヤが視認できた)
D:画像1と画像2とが重なっていなかった部分の画像と比較して、画像1と画像2とが重なっていた部分の画像の白味掛かる様子が顕著であった(画像1と画像2とが重なっていた部分における白いモヤの発生が顕著であった)。
(実施例2−1)
<インク受容層(A)用塗工液A2の調製>
前記アルミナゾルに含まれるアルミナ固形分100部に対してポリビニルアルコールが固形分換算で15部となるようにポリビニルアルコール水溶液1を混合した。次に、この混合液中のアルミナ固形分100部に対して、ウレタン樹脂エマルション(粒径0.64μm、伸度1350%、スーパーフレックスE2000、第一工業製薬製)を固形分換算で30部になるように混合した。次にアルミナ固形分100部に対して、オルトホウ酸が固形分換算で0.75部になるように、固形分濃度5質量%のオルトホウ酸水溶液を混合し、塗工液A2とした。
<インク受容層(B)用塗工液B3の調製>
前記アルミナ水和物ゾルに含まれるアルミナ固形分100部に対してポリビニルアルコールが固形分換算で9部となるようにポリビニルアルコール含有水溶液を混合した。次に、アルミナ固形分100部に対して、オルトホウ酸が固形分換算で1部になるように、固形分濃度5質量%のオルトホウ酸水溶液を混合し、塗工液B3とした。
<記録媒体の作製>
前記支持体の一方の面に、塗工液A2を乾燥後の厚みが25μmとなるように塗工および乾燥させることで、実施例2−1の記録媒体を作製した。
(実施例2−2〜2−22、比較例2−1〜2−8)
上記インク受容層(A)用塗工液A2及びインク受容層(B)用塗工液B3に添加する樹脂(1)又は樹脂(2)の種類、添加量、インク受容層の層厚を表3に記載の通りに調整したこと以外は、実施例2−1と同様の方法で、実施例2−2〜2〜22の記録媒体および比較例2−1〜2−8の記録媒体を作製した。
[評価]
本発明においては、下記の各評価項目の評価基準の5〜2を好ましいレベルとし、1を許容できないレベルとした。
[繰り返し折り曲げ時の耐折り割れ性]
得られた記録媒体をA4サイズにし、インクジェットプリンター(商品名:MP990、キヤノン製)を用いて、記録面全面にブラックのベタ印字を行った。印字を行った記録媒体を印字面が内側になるようにして2つ折りにし、更に、プレス機を用いて500kgの荷重をかけて5分間保持し、さらに100回開閉を行った後、折目部分を目視で観察し、下記の基準を用いて評価を行った。評価結果を表4に示す。
5.白い筋が見えない。
4.白い筋がわずかに見える。
3.白い筋が多少見える。
2.白い筋がはっきり見える。
1.白い筋が幅広く、はっきり見える。
[インク吸収性]
得られた記録媒体のそれぞれの記録面に、インクジェットプリンター(商品名:MP990、キヤノン製)を用いて、写真用紙光沢ゴールド、色補正なしモードにて、グリーンのベタ印字を行った。更に、印字部を目視にて観察し、下記の基準を用いて評価を行った。評価結果を表4に示す。
5:ベタ部にムラがほとんど見られない。
4:ベタ部にムラがわずかに見られる。
3:ベタ部にムラが少し見られる。
2:ベタ部にムラがかなり見られる。
1:ベタ部にインクのあふれが見られる。

Claims (11)

  1. 基材と、無機粒子及びバインダーを含有するインク受容層と、を有する記録媒体であって、
    前記無機粒子が、気相法アルミナ及びアルミナ水和物から選択される少なくとも1種のアルミナを含み、
    前記バインダーが、ガラス転移温度が20℃以下である樹脂を含み、
    前記インク受容層中の、前記バインダーの含有量が、前記無機粒子の含有量に対して、25質量%以上であることを特徴とする記録媒体。
  2. 前記インク受容層の層厚が、20μm以上35μm以下である請求項1に記載の記録媒体。
  3. 前記バインダーが、更に、ポリビニルアルコールを含有し、
    前記インク受容層中の、前記ポリビニルアルコールの含有量が、前記無機粒子の含有量に対して、5質量%以上45質量%以下である請求項1又は2に記載の記録媒体。
  4. 前記インク受容層中の、前記ガラス転移温度が20℃以下である樹脂の含有量が、前記無機粒子の含有量に対して、15質量%以上60質量%以下である請求項1乃至3の何れか1項に記載の記録媒体。
  5. 前記基材の表面のJIS B 0601:2001で規定される算術平均粗さRaが、1.0μm以上5.0μm以下である請求項1乃至4の何れか1項に記載の記録媒体。
  6. 前記記録媒体の表面のJIS B 0601:2001で規定される算術平均粗さRaが、0.8μm以上2.5μm以下である請求項1乃至5の何れか1項に記載の記録媒体。
  7. 前記ポリビニルアルコールの平均重合度が、2,500以上である請求項3乃至6の何れか1項に記載の記録媒体。
  8. 前記ガラス転移温度が20℃以下である樹脂が、酢酸ビニルに由来するユニットと、エチレンに由来するユニットとを有する請求項1乃至7の何れか1項に記載の記録媒体。
  9. 前記記録媒体が、前記インク受容層の前記基材と反対側の面に、更に第2のインク受容層を有し、前記第2のインク受容層が、無機粒子及びポリビニルアルコールを含有し、かつ、ガラス転移温度が20℃以下である樹脂を含有しない請求項1乃至8の何れか1項に記載の記録媒体。
  10. 前記第2のインク受容層の層厚が、1μm以上9μm以下である請求項9に記載の記録媒体。
  11. 基材と、無機粒子及びバインダーを含有するインク受容層と、を有し、
    前記無機粒子が、気相法アルミナ及びアルミナ水和物から選択される少なくとも1種のアルミナを含み、
    前記バインダーが、水溶性の樹脂(1)及び平均粒子径が0.3μm以上かつ伸度が550%以上の樹脂(2)を含み、前記インク受容層中の樹脂(1)と樹脂(2)の合計含有量が、前記アルミナの含有量に対して20質量%以上50質量%以下であることを特徴とする記録媒体。
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