JP2015100993A - 記録媒体、記録媒体の製造方法及び画像記録方法 - Google Patents

記録媒体、記録媒体の製造方法及び画像記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 耐搬送傷性に優れた記録媒体を提供すること。【解決手段】 基材とインク受容層を有する記録媒体であって、前記インク受容層が、無機粒子、リン酸アルミニウム、第2族元素の重リン酸塩及び第2族元素の一水素リン酸塩を含有することを特徴とする記録媒体。【選択図】 なし

Description

本発明は記録媒体及びその製造方法、並びに、係る記録媒体を用いた画像記録方法に関する。
近年のインクジェット記録装置などを用いた画像記録の高速化に伴い、記録媒体が高速で搬送されることが想定される。記録媒体を高速で搬送するためには、搬送ローラーなどにより記録媒体に強い力をかける必要がある。したがって、記録媒体には搬送による傷(搬送傷)が付きにくい性質、即ち、高い耐搬送傷性が求められている。
従来、記録媒体の耐搬送傷性を向上するために、記録媒体の最表面層に粒径の大きい粒子を含有させる方法が検討されてきた。特許文献1には、記録媒体の最表面層に粒径が1〜10μmの無機粒子を含有させることで搬送傷が抑制されることが記載されている。
特開2003−291496号公報
本発明者らの検討によると、特許文献1に記載の記録媒体では、耐搬送傷性が改善されてはいるものの、近年求められているレベルには達していなかった。
したがって、本発明の目的は耐搬送傷性に優れた記録媒体及びその製造方法を提供することにある。更に、本発明の別の目的は、耐搬送傷性に優れた記録媒体を用いた画像記録方法を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明にかかる記録媒体は基材とインク受容層を有し、前記インク受容層が、無機粒子、リン酸アルミニウム、第2族元素の重リン酸塩及び第2族元素の一水素リン酸塩を含有することを特徴とする。
また、本発明にかかる記録媒体の製造方法は、基材に塗工液を塗工する塗工工程と、前記塗工液が塗工された基材を加熱する加熱工程を有し、前記塗工液が、重リン酸アルミニウム及び第2族元素を含む化合物を含有することを特徴とする。
また、本発明にかかる画像記録方法は、記録媒体にインクを付与することで画像を記録する画像記録方法であって、前記記録媒体が、無機粒子、リン酸アルミニウム、第2族元素の重リン酸塩及び第2族元素の一水素リン酸塩を含有するインク受容層、並びに、基材を有することを特徴とする。
本発明によれば、耐搬送傷性に優れた記録媒体を提供することができる。また、耐搬送傷性に優れた記録媒体の製造方法を提供することができる。更に、耐搬送傷性に優れた記録媒体を用いた画像記録方法を提供することができる。
以下、好適な実施の形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。
本発明者らは先ず特許文献1に記載の記録媒体が、高いレベルの耐搬送傷性が得られなかった理由について検討を行った。特許文献1では、記録媒体の最表面層に粒径の大きい無機粒子を含有させることで、隣り合う記録媒体同士の接触面積が低減し、搬送の際の記録媒体同士の擦れによる傷が付きにくいようにしている。しかしながら、そのような工夫のみでは、搬送ローラーによって記録媒体が強く押さえつけられることで生じる傷を抑制することは難しかった。
そこで、本発明者らは、搬送ローラーによる傷を抑制するためには、記録媒体自体の強度を高める必要があると考え、更なる検討を行った。記録媒体自体の強度を高める方法としては、インク受容層において、無機粒子を結着させるのに用いる“バインダー”の強度を高める方法が挙げられる。本発明者らは種々の化合物を検討した結果、「重リン酸アルミニウム:Al(HPO」をバインダーとして用いる方法に至った。
重リン酸アルミニウムは、加熱することで脱水縮合し、非晶質化する性質を有する。そして、重リン酸アルミニウムの非晶質体は強度が非常に高い。更に、同じ無機化合物である無機粒子との相性が良いため、有機化合物であるポリビニルアルコール等と比較しても無機粒子を結着させる力が強い。したがって、重リン酸アルミニウムを無機粒子のバインダーとして用いれば、記録媒体の強度が高まり、耐搬送傷性を向上することができると予想される。
ところが、重リン酸アルミニウムを非晶質化するためには、200℃〜500℃に加熱する必要がある。記録媒体の作製時に、そのような高温に加熱してしまうと基材が変色してしまうため、重リン酸アルミニウムを単独で記録媒体のバインダーとして使用することは難しい。
そこで、本発明者らは、重リン酸アルミニウムが、元素周期表の第2族から選ばれる少なくとも1種の元素(第2族元素)を含む化合物(以下、単に「第2族元素化合物」ともいう)と共存させることで、100℃前後の加熱温度でも非晶質化する性質を有することに着目した。
以上の検討に基づき、本発明者らは、無機粒子と、重リン酸アルミニウムと、第2族元素化合物を含有するインク受容層用塗工液を調製した。そして、この塗工液を基材に塗工し、加熱して記録媒体を作製したところ、高いレベルの耐搬送傷性が得られた。
本発明者らが、上記方法で得られた記録媒体について解析を行ったところ、インク受容層に、無機粒子と共に、重リン酸アルミニウムと第2族元素化合物とが反応することで生じる、「リン酸アルミニウム:AlPO」と、「第2族元素の重リン酸塩:M(HPO(式中、Mは第2族元素を表わす。)」と、「第2族元素の一水素リン酸塩:MHPO(式中、Mは第2族元素を表わす。)」が含有されていることが分かった。即ち、無機粒子、リン酸アルミニウム、第2族元素の重リン酸塩及び第2族元素の一水素リン酸塩を含有するインク受容層を有する記録媒体を用いることで、高い耐搬送傷性を得ることができるのである。
[記録媒体]
本発明の記録媒体は、基材と、インク受容層とを有する。本発明においては、インクジェット記録方法に用いるインクジェット用記録媒体であることが好ましい。
<基材>
基材としては、基紙のみから構成されるものや、基紙と樹脂層を有するもの、即ち、基紙が樹脂で被覆されているものが挙げられる。本発明においては、基紙と樹脂層を有する基材を用いることが好ましい。その場合、樹脂層は、基紙の片面のみに設けられていてもよいが、両面に設けられていることが好ましい。
(基紙)
基紙は、木材パルプを主原料とし、必要に応じてポリプロピレンなどの合成パルプや、ナイロンやポリエステルなどの合成繊維を加えて抄紙される。木材パルプとしては広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)、広葉樹溶解パルプ(LDP)、針葉樹溶解パルプ(NDP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)などが挙げられる。これらは、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。木材パルプの中でも短繊維成分の多いLBKP、NBSP、LBSP、NDP、LDPを用いることが好ましい。パルプとしては、不純物の少ない化学パルプ(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましい。また、漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも好ましい。紙基材中には、サイズ剤、白色顔料、紙力増強剤、蛍光増白剤、水分保持剤、分散剤、柔軟化剤などを適宜添加してもよい。
本発明において、基紙の膜厚は、50μm以上130μm以下であることが好ましく、更には、90μm以上120μm以下であることがより好ましい。尚、本発明において、基紙の膜厚は、以下の方法で算出する。まず、記録媒体の断面をマイクロトームで切り出し、その断面を走査型電子顕微鏡で観察する。そして、基紙の任意の100点以上の膜厚を測定し、その平均値を基紙の膜厚とする。尚、本発明におけるその他の層の膜厚も同様の方法で算出するものとする。
本発明において、基紙のJIS P 8118で規定される紙密度は、0.6g/cm以上1.2g/cm以下であることが好ましい。更には、0.7g/cm以上1.2g/cm以下であることがより好ましい。
(樹脂層)
本発明において、基紙が樹脂で被覆されている場合は、樹脂層は基紙の表面の一部を被覆するように設けられていればよいが、樹脂層の被覆率(樹脂層で被覆された基紙の表面の面積/基紙の表面の全面積)が70%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、更には、100%であること、即ち、基紙の表面の全面が樹脂層で被覆されていることが特に好ましい。
また、本発明において、樹脂層の膜厚は、10μm以上60μm以下であることが好ましく、更には、樹脂層の膜厚は、20μm以上50μm以下であることがより好ましい。樹脂層を基紙の両面に設ける場合は、両面の樹脂層の膜厚がそれぞれ上記範囲を満足することが好ましい。
樹脂層に用いられる樹脂としては、熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂としては、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体などが挙げられる。これらの中でも、ポリオレフィン樹脂を用いることが好ましい。本発明において、ポリオレフィン樹脂とは、モノマーとしてオレフィンを用いた重合体を意味する。具体的には、エチレン、プロピレン、イソブチレンなどの単重合体や共重合体が挙げられる。ポリオレフィン樹脂は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、ポリエチレンを用いることが好ましい。ポリエチレンとしては、低密度ポリエチレン(LDPE)や高密度ポリエチレン(HDPE)を用いることが好ましい。
本発明において、樹脂層は、不透明度や白色度や色相を調整するために、白色顔料や蛍光増白剤や群青などを含有してもよい。中でも、不透明度を向上することができるため、白色顔料を含有することが好ましい。白色顔料としては、ルチル型又はアナターゼ型の酸化チタンが挙げられる。本発明において、樹脂層中の白色顔料の含有量は、3g/m以上30g/m以下であることが好ましい。尚、樹脂層を基紙の両面に設ける場合は、2つの樹脂層中の白色顔料の合計の含有量が、上記範囲を満足することが好ましい。また、樹脂層中の、白色顔料の含有量は、樹脂の含有量に対して、25質量%以下であることが好ましい。25質量%より大きいと、白色顔料の分散安定性が十分に得られない場合がある。
<インク受容層>
本発明において、インク受容層は単層でもよいし、2層以上の複層でもよい。また、インク受容層は、上記基材の片面のみに設けられてもよく、両面に設けられてもよい。基材の片面に設けた場合、その膜厚は、15μm以上60μm以下であることが好ましく、更には、30μm以上45μm以下であることがより好ましい。
以下、インク受容層に含有することができる材料について、それぞれ説明する。
(無機粒子)
本発明において、インク受容層は無機粒子を含有する。無機粒子の平均一次粒子径は、50nm以下が好ましい。更には、1nm以上30nm以下がより好ましく、3nm以上10nm以下が特に好ましい。本発明において、無機粒子の平均一次粒子径は、電子顕微鏡によって観察したときの無機粒子の一次粒子の投影面積と等しい面積を有する円の直径の数平均粒子径である。このとき少なくとも100点以上で測定を行う。
本発明において、インク受容層中に占める、無機粒子の含有量(質量%)は、50質量%以上98質量%以下であることが好ましく、更には、70質量%以上96質量%以下であることがより好ましい。
本発明において、インク受容層を形成する際に塗布する無機粒子の塗布量(g/m)は、8g/m以上45g/m以下であることが好ましい。上記範囲とすることで、好ましいインク受容層の膜厚となりやすい。
本発明に用いる無機粒子としては、例えば、アルミナ水和物、気相法アルミナ、シリカ、コロイダルシリカ、二酸化チタン、ゼオライト、カオリン、タルク、ハイドロタルサイト、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウムなどが挙げられる。これらの無機粒子は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。上記無機粒子の中でも、インクの吸収性が高い多孔質構造を形成することができるアルミナ水和物、気相法アルミナ、気相法シリカを用いることが好ましい。更には、バインダーとして用いる重リン酸アルミニウムとの結着性が高いため、アルミナ水和物及び気相法アルミナから選択される少なくとも1種を含むことがより好ましい。
以下、アルミナ水和物、気相法アルミナ、気相法シリカについて詳細に説明をする。
インク受容層に用いるアルミナ水和物は、
一般式(X):Al3−n(OH)2n・mH
(一般式(X)中、nは0、1、2、又は3であり、mは0以上10以下、好ましくは0以上5以下である。ただし、mとnは同時に0にはならない。)
により表されるものを好適に用いることができる。尚、mHOは、多くの場合、結晶格子の形成に関与しない脱離可能な水相を表すものであるため、mは整数でなくてもよい。また、アルミナ水和物を加熱するとmは0となり得る。
本発明においてアルミナ水和物は、公知の方法で製造することができる。具体的には、アルミニウムアルコキシドを加水分解する方法、アルミン酸ナトリウムを加水分解する方法、アルミン酸ナトリウムの水溶液に、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウムの水溶液を加えて中和する方法などが挙げられる。
アルミナ水和物の結晶構造としては、熱処理する温度に応じて、非晶質、ギブサイト型、ベーマイト型が知られている。尚、アルミナ水和物の結晶構造は、X線回折法によって分析することができる。本発明においては、これらの中でも、ベーマイト型のアルミナ水和物又は非晶質のアルミナ水和物が好ましい。具体例としては、特開平7−232473号公報、特開平8−132731号公報、特開平9−66664号公報、特開平9−76628号公報などに記載されたアルミナ水和物や、市販品としてはDisperal HP14、HP18(以上、サソール製)などを挙げることができる。これらのアルミナ水和物は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
また、本発明において、アルミナ水和物のBET法で求められる比表面積が100m/g以上200m/g以下であることが好ましく、125m/g以上175m/g以下であることがより好ましい。ここでBET法とは、試料表面に大きさの分かっている分子やイオンを吸着させて、その吸着量から、試料の比表面積を測定する方法である。本発明においては、試料に吸着させる気体として、窒素ガスを用いる。
インク受容層に用いる気相法アルミナとしては、γ−アルミナ、α−アルミナ、δ−アルミナ、θ−アルミナ、χ−アルミナなどを挙げることができる。これらの中でも、画像の光学濃度やインク吸収性の観点から、γ−アルミナを用いることが好ましい。気相法アルミナの具体例としては、AEROXIDE;Alu C、Alu130、Alu65(以上、EVONIK製)などを挙げることができる。
本発明において、気相法アルミナのBET法で求められる比表面積が50m/g以上が好ましく、80m/g以上がより好ましい。また、150m/g以下が好ましく、120m/g以下がより好ましい。
また、気相法アルミナの平均一次粒子径は、5nm以上が好ましく、11nm以上がより好ましい。また、30nm以下が好ましく、15nm以下がより好ましい。
本発明に用いるアルミナ水和物及び気相法アルミナは、水分散液としてインク受容層用塗工液に混合することが好ましく、その分散剤として酸を使用することが好ましい。酸としては、
一般式(Y):R−SO
(一般式(Y)中、Rは水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のアルケニル基の何れかを表す。Rは、オキソ基、ハロゲン原子、アルコキシ基、及びアシル基で置換されていてもよい。)
で表されるスルホン酸を用いることが、画像の滲みを抑制する効果が得られるため好ましい。本発明においては、上記酸の含有量は、アルミナ水和物及び気相法アルミナの含有量に対して、1.0質量%以上2.0質量%以下であることが好ましく、1.3質量%以上1.6質量%以下であることがより好ましい。
インク受容層に用いるシリカは、その製法により湿式法と乾式法(気相法)に大別される。湿式法としては、ケイ酸塩の酸分解により活性シリカを生成し、これを適度に重合させ凝集沈降させて含水シリカを得る方法が知られている。一方、乾式法(気相法)としては、ハロゲン化珪素の高温気相加水分解による方法(火炎加水分解法)や、ケイ砂とコークスとを電気炉中でアークによって加熱還元気化し、これを空気で酸化する方法(アーク法)によって無水シリカを得る方法が知られている。本発明においては、乾式法(気相法)により得られるシリカ(以下、「気相法シリカ」ともいう)を用いることが好ましい。これは、気相法シリカは、比表面積が特に大きいので、インクの吸収性が特に高く、また、屈折率が低いので、インク受容層に透明性を付与でき、良好な発色性が得られるためである。具体的に、気相法シリカとしては、アエロジル(日本アエロジル製)、レオロシールQSタイプ(トクヤマ製)などが挙げられる。
本発明において、気相法シリカのBET法による比表面積は50m/g以上400m/g以下であることが好ましく、200m/g以上350m/g以下であることがより好ましい。
本発明において、気相法シリカは、分散剤によって分散されている状態で、インク受容層用の塗工液に用いられることが好ましい。分散状態での気相法シリカの粒子径は、50nm以上300nm以下であることがより好ましい。尚、分散状態での気相法シリカの粒子径は、動的光散乱法により測定することができる。
(無機系バインダー)
本発明においては、無機化合物系のバインダー(無機系バインダー)として、インク受容層用の塗工液中に重リン酸アルミニウム及び第2族元素化合物を含有させる必要がある。また、得られる記録媒体においては、インク受容層は、リン酸アルミニウム、第2族元素の重リン酸塩及び第2族元素の一水素リン酸塩を含有する。
重リン酸アルミニウムは、Al(HPO、リン酸アルミニウムは、AlPO、第2族元素の重リン酸塩は、M(HPO(式中、Mは第2族元素を表わす。)、第2族元素の一水素リン酸塩は、MHPO(式中、Mは第2族元素を表わす。)とそれぞれ表される。これらの化合物の反応に関しては、「窯業協会誌 1974年Vol.82(社団法人日本セラミックス協会)」のP.28−32「モノ燐酸アルミニウムとアルミナおよびマグネシアとの反応」(安藤淳平ほか)に詳しい。尚、得られた記録媒体のインク受容層に、リン酸アルミニウム、第2族元素の重リン酸塩及び第2族元素の一水素リン酸塩が含まれているかどうかは、記録媒体からインク受容層の一部を削り取り、粉砕した粉末状サンプルを、X線回折装置によって同定することで確認することができる。
本発明において、第2族元素化合物とは、元素周期表の第2族から選ばれる少なくとも1種の元素(第2族元素)を含む化合物を意味する。第2族元素としては、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、ラジウム(Ra)が挙げられる。これらの中でも、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)を含む化合物を用いることが好ましい。
第2族元素化合物としては、第2族元素イオンと有機酸イオン又は無機酸イオンとからなる塩やその水和物、第2族元素の酸化物などが挙げられる。第2族元素イオンと塩を形成する有機酸イオンとしては、酢酸イオン、シュウ酸イオン等が挙げられる。また、第2族元素イオンと塩を形成する無機酸イオンとしては、硫酸イオン、硝酸イオン、炭酸イオン、ハロゲンイオン、水酸化イオンなどが挙げられる。
第2族元素化合物の具体例としては、酢酸マグネシウム4水和物、酢酸カルシウム1水和物、酢酸ストロンチウム0.5水和物、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム6水和物、クエン酸マグネシウム9水和物、硝酸ストロンチウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウムなどが挙げられる。これらの化合物は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
本発明において、インク受容層における、リン元素と第2族元素の合計の含有量が、0.3質量%以上0.8質量%以下であることが好ましく、0.6質量%以上0.8質量%以下であることがより好ましい。上記含有量が、0.3質量%より小さいと、耐搬送傷性の向上効果が十分に得られない場合がある。また、上記含有量が、0.8質量%より大きいと、得られる画像の発色性が十分に得られない場合がある。本発明の実施例において、インク受容層におけるリン元素と第2族元素の合計の含有量は、以下の方法で算出した。先ず、記録媒体からインク受容層の一部を削り取り、削り取ったインク受容層の質量(これをX(g)とする)を秤量する。そして、削り取ったインク受容層に濃硫酸を添加後、加圧下で加熱し、インク受容層に含まれる成分が溶解した溶液を得る。この溶液を適宜希釈し、得られた希釈溶液を検体とし、ICP法によってリン元素と第2族元素のmol量をそれぞれ定量する。得られたそれぞれのmol量にリン元素と第2族元素の原子量をかけ、リン元素と第2族元素の質量を算出する。この合計の質量(これをY(g)とする)を、インク受容層の質量(X(g))で割ることで、インク受容層におけるリン元素と第2族元素の合計の含有量(Y/X×100)を算出することができる。
本発明において、インク受容層における、リン元素の含有量に対する第2族元素の含有量が、mol比率で0.04倍以上0.06倍以下であることが好ましく、0.05倍以上0.06倍以下であることがより好ましい。上記比率が、0.04倍より小さかったり、0.06倍より大きかったりすると、製造工程における重リン酸アルミニウムと第2族元素化合物の反応が十分に起きないことがあり、耐搬送傷性の向上効果が十分に得られない場合がある。本発明の実施例において、インク受容層における、リン元素の含有量に対する第2族元素の含有量のモル比率は、以下の方法で算出した。先ず、記録媒体からインク受容層の一部を削り取る。そして、削り取ったインク受容層に濃硫酸を添加後、加圧下で加熱し、インク受容層に含まれる成分が溶解した溶液を得る。この溶液を適宜希釈し、得られた希釈溶液を検体とし、ICP法によってリン元素と第2族元素のmol量をそれぞれ定量し、比率を算出する。
(有機系バインダー)
本発明において、インク受容層は更に有機化合物系のバインダー(有機系バインダー)を含有することが好ましい。
有機系バインダーとしては例えば、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉などの澱粉誘導体;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体;カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、及びポリビニルアルコール、並びに、それらの誘導体;ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体などの共役重合体ラテックス;アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの重合体などのアクリル系重合体ラテックス;エチレン−酢酸ビニル共重合体などのビニル系重合体ラテックス;上記の重合体のカルボキシル基などの官能基含有単量体による官能基変性重合体ラテックス;カチオン基を用いて上記重合体をカチオン化したもの;カチオン性界面活性剤を用いて上記重合体の表面をカチオン化したもの;カチオン性ポリビニルアルコール下で上記重合体を構成するモノマーを重合し、重合体の表面にポリビニルアルコールを分布させたもの;カチオン性コロイド粒子の懸濁分散液中で上記重合体を構成するモノマーを重合し、重合体の表面にカチオン性コロイド粒子を分布させたもの;メラミン樹脂、尿素樹脂などの熱硬化合成樹脂などの水性バインダー;ポリメチルメタクリレートなどのアクリル酸エステルやメタクリル酸エステルの重合体及び共重合体;ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂などの合成樹脂が挙げられる。これらの有機系バインダーは、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
上記した有機系バインダーの中でも、ポリビニルアルコールを用いることが好ましい。尚、本発明において、ポリビニルアルコールには、ポリビニルアルコール誘導体も含むものとする。ポリビニルアルコール誘導体としては、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタールなどが挙げられる。カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば特開昭61−10483号公報に記載されているような、第1〜3級アミノ基または第4級アンモニウム基をポリビニルアルコールの主鎖又は側鎖中に有するポリビニルアルコールが好ましい。
ポリビニルアルコールは、例えば、ポリ酢酸ビニルをけん化して合成することができる。ポリビニルアルコールのけん化度としては、80mol%以上100mol%以下が好ましく、85mol%以上98mol%以下がより好ましい。尚、けん化度とは、ポリ酢酸ビニルをけん化してポリビニルアルコールを得た際の、けん化反応によって生じた水酸基のモル数の割合であり、本発明においては、JIS−K6726の方法で測定した値を用いるものとする。また、ポリビニルアルコールの平均重合度は、2,000以上が好ましく、2,000以上5,000以下がより好ましい。尚、本発明において平均重合度は、JIS−K6726の方法で求めた粘度平均重合度を用いるものとする。
(架橋剤)
本発明において、インク受容層は更に架橋剤を含有することが好ましい。架橋剤としては、例えば、アルデヒド系化合物、メラミン系化合物、イソシアネート系化合物、ジルコニウム系化合物、アミド系化合物、アルミニウム系化合物、ホウ酸化合物、及びホウ酸化合物の塩などが挙げられる。これらの架橋剤は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。特に、有機系バインダーとしてポリビニルアルコールを用いる場合は、上記した架橋剤の中でも、ホウ酸化合物やホウ酸化合物の塩を用いることが好ましい。
ホウ酸化合物としては、オルトホウ酸(HBO)、メタホウ酸、ジホウ酸などが挙げられる。ホウ酸化合物の塩としては、上記ホウ酸化合物の水溶性の塩が好ましい。例えば、オルトホウ酸のナトリウム塩やカリウム塩などのホウ酸化合物のアルカリ金属塩;オルトホウ酸のマグネシウム塩やカルシウム塩などのホウ酸化合物のアルカリ土類金属塩;ホウ酸化合物のアンモニウム塩などが挙げられる。これらの中でも、オルトホウ酸を用いることが、塗工液の経時安定性とクラックの発生を抑制する効果の観点から好ましい。
架橋剤の使用量は、製造条件などに応じて適宜調整することができる。本発明においては、インク受容層中の、架橋剤の含有量が、有機系バインダーの含有量に対して、1.0質量%以上50質量%以下が好ましく、5質量%以上40質量%以下がより好ましい。
(その他の添加剤)
本発明において、インク受容層は、これまで述べてきたもの以外のその他の添加剤を含有してもよい。具体的には、pH調整剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、界面活性剤、離型剤、浸透剤、着色顔料、着色染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、耐水化剤、染料定着剤、硬化剤、耐候材料などが挙げられる。
[記録媒体の製造方法]
本発明において、記録媒体を製造する方法は、特に限定されないが、基材を作製し、基材の上にインク受容層を形成する方法が好ましい。
<基材の作製方法>
本発明において、基紙の作製方法としては、一般的に用いられている抄紙方法を適用することができる。抄紙装置としては、例えば長網抄紙機、丸網抄紙機、円胴、ツインワイヤーなどが挙げられる。基紙の表面平滑性を高めるために、抄紙工程中又は抄紙工程後に、熱及び圧力を加えて表面処理してもよい。具体的な表面処理方法としては、マシンカレンダーやスーパーカレンダーといったカレンダー処理が挙げられる。
基紙の上に樹脂層を設ける方法、即ち、基紙を樹脂で被覆する方法としては、溶融押出法、ウェットラミネーション、ドライラミネーションなどが挙げられる。中でも、基紙の片面又は両面に溶融した樹脂を押し出しコーティングする溶融押出法が好ましい。例えば、搬送されてきた基紙と、押出ダイから押し出された樹脂を、ニップローラと冷却ローラーとの間のニップ点において接触させ、ニップで圧着することで樹脂層を基紙上にラミネートする方法(押出コーティング方法ともいう)が広く採用されている。溶融押出法により、樹脂層を設ける際には、基紙と樹脂層の接着がより強固となるように、前処理を施してもよい。前処理としては、硫酸クロム酸混液による酸エッチング処理、ガス炎による火炎処理、紫外線照射処理、コロナ放電処理、グロー放電処理、アルキルチタネートなどのアンカーコート処理などが挙げられる。中でも、コロナ放電処理が好ましい。また、樹脂層に白色顔料を含有する場合は、樹脂と白色顔料を混合したもので、基紙を被覆すればよい。
<インク受容層の形成方法>
本発明の記録媒体において、基材にインク受容層を形成する方法としては、例えば以下の方法を挙げることができる。まず、重リン酸アルミニウム及び第2族元素を含む化合物を含有する塗工液を調製する。そして、基材にこの塗工液を塗工し、塗工液が塗工された基材を加熱することで、本発明の記録媒体を得ることができる。
即ち、本発明の記録媒体の製造方法は、基材に重リン酸アルミニウム及び第2族元素を含む化合物を含有する塗工液を塗工する塗工工程と、塗工液が塗工された基材を加熱する加熱工程を有することが好ましい。
本発明において、加熱工程における加熱温度が、150℃以下であることが好ましい。更には、50℃以上120℃以下であることがより好ましい。
本発明において、塗工工程における塗工液の塗工方法としては、カーテンコーター、エクストルージョン方式を用いたコーター、スライドホッパー方式を用いたコーターなどを用いることができる。
また、塗工工程と加熱工程とは別に乾燥工程を含んでいてもよい。また、加熱工程が乾燥工程を兼ねていてもよい。乾燥方法としては、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤーなどの熱風乾燥機を使用する方法や、赤外線、加熱ドライヤー、マイクロ波などを利用した乾燥機を使用する方法などが挙げられる。
[画像記録方法]
本発明においては、記録媒体にインクを付与することで画像を記録する画像記録方法において、これまで説明してきた記録媒体を用いることが好ましい。本発明においては、インクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出することで、記録媒体にインクを付与するインクジェット記録方法であることが好ましい。また、インクは従来公知のものを何れも用いることができる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に詳細に説明する。本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。尚、以下の実施例の記載において、「部」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
[記録媒体の作製]
<基材の作製>
カナダ標準濾水度が450mLCSFのLBKP80部、カナダ標準濾水度が480mLCSFのNBKP20部、カチオン化澱粉0.60部、重質炭酸カルシウム10部、軽質炭酸カルシウム15部、アルキルケテンダイマー0.10部、カチオン性ポリアクリルアミド0.030部を混合し、固形分の含有量が3.0質量%となるように水を加えて、紙料を得た。次いで、紙料を長網抄紙機で抄造し、3段のウエットプレスを行った後、多筒式ドライヤーで乾燥した。その後、サイズプレス装置で乾燥後の固形分が1.0g/mとなるように酸化澱粉水溶液を含浸、乾燥させ、更に、マシンカレンダー仕上げをして、坪量が170g/m、ステキヒトサイズ度100秒、透気度50秒、ベック平滑度30秒、ガーレー剛度11.0mN、膜厚が100μmの基紙を作製した。次いで、低密度ポリエチレン70部と、高密度ポリエチレン20部と、酸化チタン10部とからなる樹脂組成物を、乾燥塗工量が25g/mとなる様に、基紙の片面に塗工した。尚、この面を基材の表面とする。更に、低密度ポリエチレンを、基紙のもう一方の面に塗工することで、基材を得た。
<塗工液の調製>
塗工液の調製条件を表1に示した。詳細は以下の通りである。
(塗工液1の調製)
純水372.80g中に、メタンスルホン酸1.88g、重リン酸アルミニウム0.24g、酢酸マグネシウム・4水和物0.02gを加え5分間ミキサーを用いて撹拌したのち、アルミナ水和物DISPERAL HP14(サソール製)125.00gを添加し、30分間撹拌し、純水を更に加え、アルミナ水和物の固形分の含有量が22.0質量%となるようにアルミナ水和物分散液を調製した。
また、有機系バインダー水溶液として、重合度3,500、けん化度88mol%のポリビニルアルコールであるPVA235(クラレ製)を用いて、固形分の含有量が9.0質量%の有機系バインダー水溶液を調製した。
更に、ポリビニルアルコールの架橋剤水溶液として、オルトホウ酸を用いて、固形分の含有量が5.0質量%の架橋剤水溶液を調製した。
アルミナ水和物分散液と架橋剤水溶液を、アルミナ水和物の固形分100部に対してオルトホウ酸の固形分が1部となるように混合し、次いで、その混合液に有機系バインダー水溶液をアルミナ水和物の固形分100部に対してポリビニルアルコールの固形分が10部となるように混合し、塗工液1を作成した。
(塗工液2の調製)
酢酸マグネシウム・4水和物の含有量を0.03gに変更した以外は塗工液1と同様に塗工液2を調製した。
(塗工液3の調製)
酢酸マグネシウム・4水和物の含有量を0.04gに変更した以外は塗工液1と同様に塗工液3を調製した。
(塗工液4の調製)
重リン酸アルミニウムの含有量を1.00g、酢酸マグネシウム・4水和物の含有量を0.08gに変更した以外は塗工液1と同様に塗工液4を調製した。
(塗工液5の調製)
酢酸マグネシウム・4水和物の含有量を0.13gに変更した以外は塗工液4と同様に塗工液5を調製した。
(塗工液6の調製)
の酢酸マグネシウム・4水和物の含有量を0.17gに変更した以外は塗工液4と同様に塗工液6を調製した。
(塗工液7の調製)
重リン酸アルミニウムの含有量を2.10g、酢酸マグネシウム・4水和物の含有量を0.27gに変更した以外は塗工液1と同様に塗工液7を調製した。
(塗工液8の調製)
重リン酸アルミニウムの含有量を2.60g、酢酸マグネシウム・4水和物の含有量を0.19gに変更した以外は塗工液1と同様に塗工液8を調製した。
(塗工液9の調製)
の酢酸マグネシウム・4水和物の含有量を0.33gに変更した以外は塗工液8と同様に塗工液9を調製した。
(塗工液10の調製)
酢酸マグネシウム・4水和物の含有量を0.43gに変更した以外は塗工液8と同様に塗工液11を調製した。
(塗工液11の調製)
酢酸マグネシウム・4水和物を酢酸カルシウム・1水和物に変更した以外は塗工液5と同様に塗工液11を調製した。
(塗工液12の調製)
酢酸マグネシウム・4水和物を酢酸ストロンチウム・1水和物に変更した以外は塗工液5と同様に塗工液12を調製した。
(塗工液13の調製)
気相法シリカA300(日本アエロジル製)100.00g、カチオンポリマー シャロールDC902P(第一工業製薬製)4.00g、重リン酸アルミニウム1.00g、酢酸マグネシウム・4水和物0.13gを混合し、純水を更に加え、気相法シリカの固形分の含有量が18.0質量%となるように気相法シリカ分散液を調製した。
気相法シリカ分散液と架橋剤水溶液を、気相法シリカの固形分100部に対してオルトホウ酸の固形分が2.5部となるように混合し、次いで、その混合液に有機系バインダー水溶液を気相法シリカの固形分100部に対してポリビニルアルコールの固形分が25部となるように混合し、塗工液13を調製した。
(塗工液14の調製)
重リン酸アルミニウムの含有量を1.40g、酢酸マグネシウム・4水和物の含有量を0g(添加しなかった)以外は塗工液1と同様にして塗工液14を調製した。
(塗工液15の調製)
酢酸マグネシウム・4水和物の含有量0g(添加しなかった)以外は塗工液13と同様にして塗工液15を調製した。
<記録媒体の作製>
上記で得た基材上に、上記で調製した塗工液を乾燥塗工量が35g/mとなるように塗工した。更に、塗工後、60℃で30分間加熱乾燥し、記録媒体を得た。
得られた記録媒体について、上述の方法により、インク受容層に、リン酸アルミニウムと、第2族元素の重リン酸塩と、第2族元素の一水素リン酸塩がそれぞれ含まれているか否かを確認した。それぞれの化合物について、存在が確認できた場合は「○」、確認できなかった場合は「×」として、表2に示した。
更に、上述の方法により、インク受容層におけるリン元素と第2族元素の合計の含有量(質量%)と、インク受容層におけるリン元素の含有量に対する第2族元素の含有量のmol比率(倍)を算出した。算出したそれぞれの値を表2に示した。
[評価]
本発明においては、下記の各評価項目の評価基準のA〜Cを好ましいレベルとし、D及びEを許容できないレベルとした。尚、下記の各評価において、記録媒体に画像を記録する際は、インクジェット記録装置はPIXUS MP990(キヤノン製)に、インクカートリッジBCI−321(キヤノン製)を装着して記録した。その際の記録条件は、温度:23℃、相対湿度:50%とした。尚、上記インクジェット記録装置では、解像度600dpi×600dpiで1/600インチ×1/600インチの単位領域に約11ngのインクを1滴付与する条件で記録された画像を、記録デューティが100%であると定義するものである。
(耐搬送傷性の評価)
上記インクジェット記録装置を、搬送ローラーの圧力を1.5kgf〜2.0kgfまで調整できるように改造した。このインクジェット記録装置を用いて、記録媒体全面に、ブラックのベタ画像(記録デューティが100%)を記録した。記録後の記録媒体について、搬送ローラーによる搬送傷の発生の有無を目視で観察することで、記録媒体の耐搬送傷性を評価した。評価基準は以下の通りである。評価結果を表2に示す。
A:搬送ローラーの圧力が2.0kgfでも、搬送傷は観察されなかった
B:搬送ローラーの圧力が1.8kgfでは搬送傷は観察されなかったが、2.0kgfでは搬送傷が観察された
C:搬送ローラーの圧力が1.7kgfでは搬送傷は観察されなかったが、1.8kgfでは搬送傷が観察された
D:搬送ローラーの圧力が1.5kgfでは搬送傷は観察されなかったが、1.7kgfでは搬送傷が観察された
E:搬送ローラーの圧力が1.5kgfでも搬送傷が観察された。
(得られる画像の発色性)
上記インクジェット記録装置を用いて、記録媒体全面に、ブラックのベタ画像(記録デューティが100%)を記録した。そして、得られた画像の光学濃度を光学反射濃度計 530分光濃度計(X−Rite製)を用いて測定し、以下の基準で画像の発色性を評価した。評価結果を表2に示す。
A:画像の光学濃度が2.2以上であった
B:画像の光学濃度が2.0以上2.2未満であった
C:画像の光学濃度が2.0未満であった。

Claims (11)

  1. 基材とインク受容層を有する記録媒体であって、
    前記インク受容層が、無機粒子、リン酸アルミニウム、第2族元素の重リン酸塩及び第2族元素の一水素リン酸塩を含有することを特徴とする記録媒体。
  2. 前記インク受容層における、リン元素と第2族元素の合計の含有量が、0.3質量%以上0.8質量%以下である請求項1に記載の記録媒体。
  3. 前記インク受容層における、リン元素の含有量に対する第2族元素の含有量が、mol比率で0.04倍以上0.06倍以下である請求項1又は2に記載の記録媒体。
  4. 前記無機粒子が、アルミナ水和物及び気相法アルミナから選択される少なくとも1種を含む請求項1乃至3の何れか1項に記載の記録媒体。
  5. 前記インク受容層が、更にポリビニルアルコールを含有する請求項1乃至4の何れか1項に記載の記録媒体。
  6. 基材に塗工液を塗工する塗工工程と、前記塗工液が塗工された基材を加熱する加熱工程を有する記録媒体の製造方法であって、
    前記塗工液が、重リン酸アルミニウム及び第2族元素を含む化合物を含有することを特徴とする記録媒体の製造方法。
  7. 前記第2族元素を含む化合物が、酢酸マグネシウム4水和物、酢酸カルシウム1水和物、酢酸ストロンチウム0.5水和物、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム6水和物、クエン酸マグネシウム9水和物、硝酸ストロンチウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム及び酸化マグネシウムから選択される少なくとも1種である請求項6に記載の記録媒体の製造方法。
  8. 前記加熱工程における加熱温度が、150℃以下である請求項6又は7に記載の記録媒体の製造方法。
  9. 前記塗工液が、更にポリビニルアルコールを含有する請求項6乃至8の何れか1項に記載の記録媒体の製造方法。
  10. 請求項6乃至9の何れか1項に記載の記録媒体の製造方法によって製造されることを特徴とする記録媒体。
  11. 記録媒体にインクを付与することで画像を記録する画像記録方法であって、
    前記記録媒体が、無機粒子、リン酸アルミニウム、第2族元素の重リン酸塩及び第2族元素の一水素リン酸塩を含有するインク受容層、並びに、基材を有することを特徴とする画像記録方法。
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