JP2003063136A - インクジェット記録用紙 - Google Patents

インクジェット記録用紙

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JP2003063136A
JP2003063136A JP2002171358A JP2002171358A JP2003063136A JP 2003063136 A JP2003063136 A JP 2003063136A JP 2002171358 A JP2002171358 A JP 2002171358A JP 2002171358 A JP2002171358 A JP 2002171358A JP 2003063136 A JP2003063136 A JP 2003063136A
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Japan
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recording paper
emulsion
ink
fine particles
hydroxyl group
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JP2002171358A
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English (en)
Inventor
Takahiko Nojima
隆彦 野島
Keiji Obayashi
啓治 大林
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク受容層の膜厚を不要に増大させること
なく、インク吸収性、平滑性及びプリンター搬送性に優
れ、安価で高画質特性を有するインクジェット記録用紙
の提供。 【解決手段】 支持体上の少なくとも片面に、水酸基を
有する高分子分散剤で乳化重合したエマルジョン樹脂を
含む層と、水溶性バインダーと平均粒径3〜200nm
の無機微粒子を含むインク受容層が順次設けられている
ことを特徴とするインクジェット記録用紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット記録
用紙に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録は、インクの微小液
滴を種々の作動原理により飛翔させて紙などの記録シー
トに付着させ、画像・文字などの記録を行うものである
が、比較的高速、低騒音、多色化が容易である等の利点
を有している。この方式で従来から問題となっていたノ
ズルの目詰まりとメンテナンスについては、インクおよ
び装置の両面から改良が進み、現在では各種プリンタ
ー、ファクシミリ、コンピューター端末等、さまざまな
分野に急速に普及している。
【0003】このインクジェット記録方式で使用される
記録用紙としては、印字ドットの濃度が高く、色調が明
るく鮮やかであること、インクの吸収が早く印字ドット
が重なった場合に於いてもインクが流れ出したり滲んだ
りしないこと、印字ドットの横方向への拡散が必要以上
に大きくなく、かつ周辺が滑らかでぼやけないこと等が
一般的には要求されている。
【0004】更に、カラーインクジェット記録で得られ
る画質を写真に近づけようとする試みが近年数多く行わ
れている。中でも、ドットに関する画質向上の最大のポ
イントはドットの一つ一つが肉眼で識別できないように
することであり、そのためにインクを小液滴化するこ
と、あるいは特にハイライト部でドットの反射濃度を低
くしドットの識別を困難にするため、低染料濃度のイン
クを併用すること等がポイントとなる。
【0005】このために打たれるインクの量は増加の傾
向にあり、記録用紙のインクの吸収容量が不足し溢れる
ことによる、画質や乾燥性の低下が見られるようになっ
てきた。しかし、そのため空隙型のインク吸収性層を厚
くすると、その被膜の特性からクラックが発生しやすく
なったり、乾燥能力の関係上、塗布スピードを低下させ
る必要が生じ、製造コストが増大する等の課題が発生し
た。
【0006】記録用紙として普通紙、上質紙、あるいは
コート紙やキャストコート紙の多孔質基材を支持体に使
うと支持体中にインクが浸透するため、インクの吸収容
量としては満足するものもあるが、インク吸収容量を満
足するものでは印字部分にインクの吸収・乾燥に起因す
るうねりが発生して印字品質が大きく低下したり、平滑
性や光沢が低下したり、染料の支持体への浸透で最高濃
度が出にくく鮮明な画像が得にくいという問題点があっ
た。
【0007】特開平1−282399号では、支持体上
にガラス転移温度が20℃以下のアクリル系樹脂を主成
分とするインク受容層、及びガラス転移温度が80℃以
上の樹脂を主成分とする表面層を順次積層させた記録用
紙により、インク受容性が改善されること、特開平5−
51470号では、支持体とインク受容層との間に水分
散性ポリマーと数珠状コロイダルシリカからなる、吸油
量≧1ml/m2の多孔質層を設け、該多孔質層の上に
インク受容層を設けることで、支持体との密着性、耐水
性、印字品質の改善提案がなされているが、その効果に
関しては十分なものではなかった。
【0008】特開平5−85035号では普通紙基材と
インク受容層との間にガラス転移点が30〜60℃の接
着剤と顔料からなる中間層を設けることでボコツキが改
良されること、特開平8−300806号では木材パル
プからなる支持体とインク受容層の間に自己接着性顔料
からなるアンカー層を設けることでプリンター搬送時の
擦過性、インク吸収性が改良されることが提案されてい
るが、紙などの多孔質基材に塗布した場合に、基材のイ
ンク吸収性を活かしたインク吸収性の改善効果は未だ不
十分であった。
【0009】特公平5−46317号では支持体上にポ
リビニルアルコールとメタクリル酸メチルとアクリル酸
とを反応させ得られたポリマーからなるバインダーと顔
料を含む塗布層を有す記録用紙によりインク吸収性、色
彩性が改善されること、特開平7−276787号では
末端にメルカプト基を有するポリビニルアルコール系重
合体を分散安定剤として乳化重合したエチレン性不飽和
単量体又はジエン系単量体からなる重合体エマルジョン
を表面サイジング剤または表面塗布用顔料バインダーと
して使用してなる記録用紙により、解像度、耐水性の提
案がなされているが、各々のポリマーからなるバインダ
ーを含む層を塗工しただけでは十分な画像濃度、光沢性
が得られない等、その効果については十分なものではな
かった。
【0010】また、紙等の多孔質基材を用いた支持体の
上に空隙率の高いインク受容層を塗布した場合にはひび
割れが生じやすいために、インク受容層塗布後の平滑性
や光沢も損なわれやすく、製造は困難であるという問題
点があった。
【0011】特開平11−245506号では、繊維状
基体上に耐溶出性を有する白色顔料層とアルミナベーマ
イトからなるインク受容層を設けることで質感、画像濃
度、彩度、光沢度が得られること、特開2000−33
771では硫酸バリウムと熱可塑性中空微細ビーズとを
含む層を有すベース紙を用いたインクジェット用記録材
料の提案がなされている。しかしながら、本研究者らが
鋭意研究の結果、白色顔料とゼラチンのようなバインダ
ーからなる層に白色顔料の水への耐溶出性を付与するだ
けでは、該白色顔料層の上に空隙率の高いインク受容層
を塗布した場合にはひび割れが生じやすいために、イン
ク受容層塗布後の平滑性も損なわれやすいばかりでな
く、インク吸収容量の点からインク受容層の薄膜化は困
難であるという問題点があった。
【0012】また、塗工層のカレンダー処理やキャスト
法による塗工層を設けるなどして平滑性や光沢性を改善
する提案が数多くなされているが、製造上塗布スピード
が上げにくい、製造工程が複雑になる等の理由により、
安価で高濃度、高品質な記録材料を提供するには難しい
状況にある。
【0013】そこで、上記記載の問題点の解決が要望さ
れていた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、イン
ク吸収性、平滑性、プリンター搬送性に優れ、高濃度、
高画質な画像が得られるインクジェット記録用紙を提供
することであり、詳しくはインク吸収性を向上させるこ
とで支持体上に塗工されるインク受容層を薄膜化でき、
安価で、高画質な画像が得られるインクジェット記録用
紙を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、以
下の構成によって達成された。
【0016】1.支持体上の少なくとも片面に、水酸基
を有する高分子分散剤で乳化重合したエマルジョン樹脂
を含む層と、水溶性バインダーと平均粒径3〜200n
mの無機微粒子を含むインク受容層が順次設けられてい
ることを特徴とするインクジェット記録用紙。
【0017】2.支持体が多孔質基材であることを特徴
とする前記1記載のインクジェット記録用紙。
【0018】3.水酸基を有する高分子分散剤で乳化重
合したエマルジョン樹脂を含む層が、無機微粒子を含む
ことを特徴とする前記1又は2記載のインクジェット記
録用紙。
【0019】4.インク受容層が、水酸基を有する高分
子分散剤で乳化重合したエマルジョン樹脂を含むことを
特徴とする前記1〜3のいずれか1項記載のインクジェ
ット記録用紙。
【0020】5.水酸基を有する高分子分散剤で乳化重
合したエマルジョン樹脂を含む層は、水酸基を有する高
分子分散剤で乳化重合したエマルジョン樹脂に対する無
機微粒子の質量比が2〜10であり、かつ、インク受容
層は、無機微粒子と水酸基を有する高分子分散剤で乳化
重合したエマルジョン樹脂に対する無機微粒子の質量比
が15以上であることを特徴とする前記3または4記載
のインクジェット記録用紙。
【0021】6.水酸基を有する高分子分散剤が、ポリ
ビニルアルコールであることを特徴とする前記1〜5の
いずれか1項記載のインクジェット記録用紙。
【0022】7.水酸基を有する高分子分散剤であるポ
リビニルアルコールの平均重合度が1500〜5000
であることを特徴とする前記6記載のインクジェット記
録用紙。
【0023】8.水酸基を有する高分子分散剤で乳化重
合したエマルジョン樹脂のガラス転移温度が、20℃以
下であることを特徴とする前記1〜7のいずれか1項記
載のインクジェット記録用紙。
【0024】9.インク受容層の無機微粒子が、気相法
により合成されたシリカであることを特徴とする前記1
〜8のいずれか1項記載のインクジェット記録用紙。
【0025】10.インク受容層の水溶性バインダー
が、ポリビニルアルコールであることを特徴とする前記
1〜9のいずれか1項記載のインクジェット記録用紙。
【0026】11.インク受容層のポリビニルアルコー
ルに対する無機微粒子の量が、質量比(微粒子/ポリビ
ニルアルコール)で3〜20であることを特徴とする前
記10記載のインクジェット記録用紙。
【0027】12.インク受容層及び水酸基を有する高
分子分散剤で乳化重合したエマルジョンを含む層から選
ばれる少なくとも1層が硬膜剤により硬膜されているこ
とを特徴とする前記1〜11のいずれか1項記載のイン
クジェット記録用紙。
【0028】13.インク受容層及び水酸基を有する高
分子分散剤で乳化重合したエマルジョンを含む層から選
ばれる少なくとも1層がカチオン性化合物を含むことを
特徴とする前記1〜12のいずれか1項記載のインクジ
ェット記録用紙。
【0029】14.インク受容層のカチオン性化合物が
少なくとも前記一般式(1)で表される繰り返し単位を
有するポリマーであることを特徴とする前記13記載の
インクジェット記録用紙。
【0030】本発明を更に詳しく説明する。本発明のイ
ンクジェット記録用紙(以後単に記録用紙ともいう)の
支持体としては従来知られている公知の支持体を使用す
ることができるが、特に支持体が多孔質基材である場
合、本発明の効果であるインク吸収性、にじみの改良効
果が一段と向上する。
【0031】本発明のインクジェット記録用紙に係る多
孔質基材について説明する。本発明の多孔質基材として
は、例えば、一般の紙、合成紙、布、木材等を有するシ
ートや板等を挙げることができるが、特に紙は基材自身
の吸水性に優れかつコスト的にも優れるために最も好ま
しい。以下に紙支持体について説明する。
【0032】紙支持体の原料としては、LBKP、NB
KP等の化学パルプ、GP、CGP、RMP、TMP、
CTMP、CMP、PGW等の機械パルプ、DIP等の
古紙パルプ、等の木材パルプを主原料としたものが使用
可能であるが、広葉樹パルプを使用するのが好ましい。
広葉樹パルプとしてはクラフトパルプ、サルファイトパ
ルプ、ケミサーモメカニカルパルプ、ケミメカニカルパ
ルプ等を単独あるいは数種類併用しても良い。また、必
要に応じて合成パルプ、合成繊維、無機繊維等の各種繊
維状物質も原料として適宜使用することが出来る。
【0033】また、白色度の向上の点から、原料である
パルプに過酸化物等による漂白処理が施されるのが好ま
しい。漂白処理は、パルプを蒸解後、塩素処理、アルカ
リ処理もしくは抽出あるいは精製、次亜塩素酸塩漂白、
二酸化塩素漂白、及びそれらの組み合わせ多段漂白処
理、さらに必要に応じてハイドロサルファイト、水素化
ホウ素ナトリウムなどによる還元漂白の後に、施される
のが好ましい。更に好ましくは、アルカリ性での過酸化
物漂白処理は、パルプを蒸解後、従来公知のパルプ漂白
処理後に最後のパルプ漂白処理として施されるのがよい
が、アルカリ処理もしくは抽出あるいは精製を更に施し
てもよい。
【0034】紙支持体中には必要に応じて、サイズ剤、
顔料、紙力増強剤、定着剤、蛍光増白剤、湿潤紙力剤、
カチオン化剤等の従来公知の各種添加剤を添加すること
ができる。サイズ剤としては必要に応じて高級脂肪酸、
アルキルケテンダイマー、ロジン、パラフィンワック
ス、アルケニルコハク酸、石油樹脂エマルジョン等のサ
イズ剤を添加することができる。顔料としては炭酸カル
シウム、タルク、酸化チタン、尿素樹脂微粒子等が、紙
力増強剤としてはスターチ、ポリアクリルアミド、ポリ
ビニルアルコール等が、定着剤としては硫酸バンド、カ
チオン性高分子電解質等が挙げられるがこれに限定され
るものではない。
【0035】紙支持体は前記の木材パルプなどの繊維物
質と各種添加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツ
インワイヤー抄紙機等の各種抄紙機で製造することがで
きる。また、必要に応じて抄紙段階または抄紙後にスタ
ーチ、ポリビニルアルコール等でサイズプレス処理をし
たり、各種コート処理をしたり、カレンダー処理したり
することも出来る。
【0036】紙密度は0.7〜1.2g/m2(JIS
−P−8118)が一般的である。更に原紙剛度はJI
S−P−8143に規定される条件で20〜200gが
好ましい。
【0037】紙のpHはJIS−P−8113で規定さ
れた熱水抽出法により測定された場合、5〜9であるこ
とが好ましい。
【0038】本発明においては、支持体とインク受容層
の接着強度を大きくする等の目的で、インク受容層の塗
布に先立って、支持体にコロナ放電処理や下引処理、中
間層の塗設等を行うことができる。
【0039】支持体の厚さは50〜350μmが好まし
く、80〜300μmのものがより好ましく、140〜
220μmが特に好ましい。
【0040】本発明の効果を発揮するためには、本発明
の重量平均繊維長は、JAPANTAPPI紙パルプ試
験方法No.52に準拠して測定した値で重量平均繊維
長が0.4〜1.2mmであるパルプから構成された原
紙であることが好ましく、より好ましくは重量平均繊維
長が0.5〜0.9mmであり、特に好ましくは0.5
5〜0.65mmである。
【0041】叩解後の重量平均繊維長を調整する方法と
しては、本発明範囲内の繊維長の樹種から製造したパル
プを用いる方法と、叩解で繊維長を調整する方法がある
が、後者の方が実用的である。叩解に使用される設備と
しては、ビーター、コニカルリファイナー、ディスクリ
ファイナー等をカッティング叩解が起こりやすい条件に
設定して使用することができる。
【0042】次に本発明の水酸基を含む高分子分散剤で
乳化重合されたエマルジョン樹脂について説明する。
【0043】エマルジョン樹脂とは、油溶性のモノマー
を、分散剤を含む水溶液中でエマルジョン状態に保ち、
重合開始剤を使って乳化重合させた樹脂である。
【0044】エマルジョンの乳化重合時に使用される分
散剤としては、一般的には、アルキルスルホン酸塩、ア
ルキルベンゼンスルホン酸塩、ジエチルアミン、エチレ
ンジアミン、4級アンモニウム塩のような低分子の分散
剤の他に、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンラウリル酸エーテル、ヒドロキ
シエチルセルロース、ポリビニルピロリドンのような高
分子の分散剤があげられる。
【0045】本発明において使用されるエマルジョン樹
脂は、水酸基を含む高分子分散剤で乳化重合されたもの
であり、水酸基を含む高分子分散剤とは、質量平均分子
量が10000以上の高分子の分散剤で、側鎖または末
端に水酸基が置換されたものであり、例えばポリアクリ
ル酸ソーダ、ポリアクリルアミドのようなアクリル系の
高分子で2−エチルヘキシルアクリレートが共重合され
たもの、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリ
コールのようなポリエーテル、ポリビニルアルコールな
どが挙げられ、特にポリビニルアルコールが好ましい。
【0046】高分子分散剤として使用されるポリビニル
アルコールは、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる
通常の完全ケン化、及び部分ケン化のポリビニルアルコ
ールの他に、カチオン変性したポリビニルアルコールや
カルボキシル基のようなアニオン性基を有するアニオン
変性ポリビニルアルコール、シリル基を有するシリル変
性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコール
も含まれる。
【0047】ポリビニルアルコールは、平均重合度は高
い方がインク吸収層を形成する際のクラックの発生を抑
制する効果が大きいが、平均重合度が5000以内であ
ると、エマルジョン樹脂の粘度が高くなく、製造時に取
り扱いやすい。したがって、平均重合度は300〜50
00のものが好ましく、1500〜5000のものがよ
り好ましく、3000〜4500のものが特に好まし
い。ポリビニルアルコールのケン化度は70〜100モ
ル%のものが好ましく、80〜99.5モル%のものが
より好ましい。
【0048】上記の高分子分散剤で乳化重合されるエマ
ルジョン樹脂としては、アクリル酸エステル、メタクリ
ル酸エステル、ビニル系化合物、スチレン系化合物とい
ったエチレン系単量体、またはブタジエン、イソプレン
といったジエン系化合物の単独重合体、または共重合体
が挙げられ、例えば、アクリル系樹脂、スチレン−ブタ
ジエン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂等が挙げら
れる。
【0049】これらエマルジョン樹脂は、本発明のイン
クジェット記録用紙の空隙層形成時に柔軟性を付与する
ものであり、室温でも柔軟な性質を持つものが適してお
り、好ましくは、室温で造膜して層を形成するものであ
る。この時、エマルジョン樹脂をフィルム化した場合の
Tgが20℃以下であることが好ましく、−40〜10
℃であることがより好ましい。
【0050】本発明の水酸基を含む高分子分散剤で乳化
重合されたエマルジョン樹脂の平均粒径は0.01〜2
μmが好ましく、0.05〜1.0μmがより好まし
く、0.05〜0.50μmが特に好ましい。エマルジ
ョン樹脂の平均粒径が大きいものが含まれると、形成さ
れた塗膜の透明性が低下し、印字濃度の低下が起きてし
まう。
【0051】本発明の水酸基を有する高分子分散剤で乳
化重合されたエマルジョン樹脂の製造法は特に制限はな
く、公知の乳化重合法で製造される。具体的化合物の例
としては、例えば、大同化成工業株式会社製:ビニゾー
ル480やビニゾール2023等の酢酸ビニル系エマル
ジョン、日信化学工業社製のビニブラン1108W、ビ
ニブラン1084W等の酢酸ビニル系エマルジョンや、
ビニブラン2597、ビニブラン2561等のアクリル
系エマルジョン、住友化学工業社製のスミカフレックス
S−400、スミカフレックスS−401、スミカフレ
ックスS−405等の酢酸ビニル−エチレン系エマルジ
ョンなどが挙げられる。
【0052】本発明の水酸基を有する高分子分散剤で乳
化重合されたエマルジョン樹脂を含む層は、無機微粒子
を含有しているのが好ましく、また、本発明のエマルジ
ョン樹脂と併用して他の水溶性バインダー、または疎水
性樹脂を含んでいてもよいが、併用する場合は水溶性バ
インダーが好ましい。紙支持体等の多孔質基材上に塗工
液を塗布、乾燥させる場合、塗工液中の水溶性樹脂(例
えばポリビニルアルコール)が多孔質基材の間隙に浸透
し、塗膜乾燥後には目止め作用が生じて多孔質基材のイ
ンク吸収性を阻害する場合が多い。故に、本発明の効果
であるインク吸収性を得るためには、水溶性バインダー
を併用する場合には、その量は少量の方が好ましく、無
機微粒子/水溶性バインダーの質量比が25以上である
ことが好ましく、50以上であることがより好ましい。
【0053】本発明の効果を顕著に発揮するという観点
から無機微粒子の平均粒径は200nm以下が好まし
く、3〜200nmであることが更に好ましく、5〜1
00nmであることが特に好ましく、10〜70nmで
あることが最も好ましい。また、該無機微粒子は、1次
粒子のままでバインダー中に均一に分散された状態で用
いられることも、また2次凝集粒子を形成してバインダ
ー中に分散された状態で用いられてもよいが後者がより
好ましい。
【0054】無機微粒子の1次粒子が2次凝集粒子を形
成した状態で用いられる場合、その1次粒子の平均粒径
は30nm以下のものを使用することが画像濃度、平滑
性の観点からより好ましい。
【0055】1次粒子の平均粒径の下限は特に限定され
ないが粒子の製造上の観点から通常3nm以上、特に6
nm以上が好ましい。
【0056】したがって、本発明のエマルジョン樹脂を
含む層の特に好ましい態様は、無機微粒子の平均粒径が
5〜100nmであり、水酸基を有する高分子分散剤で
乳化重合された0.05〜1.0μmのエマルジョン樹
脂を含んで構成され、無機微粒子と本発明のエマルジョ
ン樹脂の質量比が2:1〜10:1である。さらにエマ
ルジョン樹脂の平均粒径は0.05〜0.5μmである
ことが本発明の効果の点から特に好ましい。
【0057】本発明に係る、エマルジョン樹脂を含む層
に添加出来る無機微粒子及び水溶性バインダーは、後述
するインク受容層に使用する無機微粒子及び水溶性バイ
ンダーで記載したものと同様のものを挙げることができ
るが、無機微粒子は気相法により合成されたシリカがよ
り好ましい。
【0058】気相法により合成されたシリカは、微粒子
表面の水酸基の数が約2〜3個/nm2であり、湿式法
により合成されたシリカと比較すると微粒子表面の水酸
基の数が少なく、分子内水素結合が起こりにくいため、
孤立の水酸基の数が多くなり、他分子との水素結合性が
強い。本発明においては高分子分散剤由来の水酸基と無
機微粒子表面にある水酸基との水素結合により本発明の
効果が発現するものと考えられるため、気相法により合
成されたシリカで特に高い効果が得られていると考えら
れる。同様の理由で、無機微粒子の平均粒径がより小さ
い方が、無機微粒子の比表面積が大きく、水素結合をす
る水酸基の数が増えるため、本発明の効果が高いと考え
られる。
【0059】本発明のインク受容層は、平均粒径3〜2
00nmである無機微粒子及び水溶性バインダーを含有
する。また、無機微粒子の平均粒径は、5〜100nm
であることが好ましく、10〜70nmであることが更
に好ましい。
【0060】上記において無機微粒子の平均粒径は、粒
子そのものあるいは空隙層の断面や表面を走査型電子顕
微鏡で観察し、100個の任意の粒子の粒径を求めてそ
の単純平均値(個数平均)として求められる。ここで個
々の粒径はその投影面積に等しい円を仮定したときのそ
の直径で表したものである。ここで個々の粒径はその投
影面積に等しい円を仮定したときのその直径で表したも
のである。ここでいう無機微粒子は1次粒子でも2次粒
子でもよく、乾燥被膜中に観察される最高次粒子の平均
粒子とする。
【0061】平均粒径が200nmを越える無機微粒子
を使用した場合には記録用紙の光沢性が低下したり、イ
ンクジェット記録時のドットの真円度が低下したり不要
なドットの広がりが生じたり、或いは表面での乱反射に
よる最高濃度の低下が生じたりして鮮明な画像が得にく
くなり本発明の効果が得られない。
【0062】本発明の効果を顕著に発揮するという観点
から前記平均粒径は100nm以下がより好ましい。ま
た、該微粒子は、1次粒子のままでバインダー中に均一
に分散された状態で用いられることも、また2次凝集粒
子を形成してバインダー中に分散された状態で用いられ
てもよいが後者がより好ましい。
【0063】微粒子の1次粒子が2次凝集粒子を形成し
た状態で用いられる場合、その1次粒子の平均粒径は3
0nm以下のものを使用することが光沢性の観点からよ
り好ましい。
【0064】1次粒子の平均粒径の下限は特に限定され
ないが粒子の製造上の観点から通常3nm以上、特に6
nm以上が好ましい。
【0065】本発明のインク受容層に用いられる無機微
粒子、或いは本発明のエマルジョン樹脂を含む層に添加
してもよい無機微粒子の例としては、例えば、軽質炭酸
カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、
カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリ
ウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜
鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウ
ム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、
合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロ
イダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、
リトポン、ゼオライト、水酸化マグネシウム等の白色無
機顔料等を挙げることができる。
【0066】無機微粒子としては、表面がアニオン性で
染料に対して定着性を有しない無機微粒子および染料に
対して定着性を有する表面がカチオン性の無機微粒子の
いずれも使用することができる。
【0067】表面がアニオン性である無機微粒子を使用
する場合には、通常カチオン性ポリマーを併用するが、
表面がアニオン性の無機微粒子にカチオン性ポリマーを
添加した場合、カチオン性ポリマーが無機微粒子表面に
留まって不動化し、その不動化されたカチオン性ポリマ
ーに定着されて染料が不動化するものと推定される。
【0068】本発明の無機微粒子としては、低屈折率で
平均粒径の小さな微粒子が好ましく、例えば、シリカ、
コロイダルシリカ、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、
ベーマイト水酸化アルミニウムまたはその水和物等の微
粒子が挙げられるが、好ましくはシリカ微粒子である。
【0069】本発明においては、低コストであることや
高い反射濃度が得られる低屈折率の微粒子であること等
から、表面がアニオン性の無機微粒子としては気相法で
合成されたシリカまたはコロイダルシリカが好ましく、
本発明の効果の点から気相法で合成されたシリカが最も
好ましい。
【0070】気相法により合成されたシリカ微粒子の1
次粒子が2次凝集粒子を形成した状態で用いられる場
合、その1次粒子の平均粒径は30nm以下のものを使
用することが光沢性の観点からより好ましい。1次粒子
の平均粒径の下限は特に限定されないが粒子の製造上の
観点から通常3nm以上、特に6nm以上が好ましい。
【0071】上記表面がカチオン性の無機微粒子には、
特開平8−34160号公報に記載されているような、
第4級アンモニウム塩基を有するシランカップリング剤
を無機微粒子の表面にカップリングさせて表面電荷をカ
チオン性に変換した無機微粒子も含まれる。
【0072】シリカ微粒子の製造方法は乾式法(気相
法)と湿式法に大別され、乾式法としてはハロゲン化珪
素の高温での気相加水分解による方法(火炎加水分解
法)、及びケイ砂とコークスを電気炉でアークにより加
熱還元気化しこれを空気酸化する方法(アーク法)が知
られている。また湿式法としては珪酸塩の酸分解により
活性シリカを生成した後、過度に重合させて凝集・沈殿
させる方法が知られている。
【0073】本発明においてはシリカ微粒子の中でも気
相法により合成されたシリカが最も好ましい。気相法に
より合成された微粒子シリカは通常、四塩化珪素を水素
及び酸素と共に高温で燃焼して得られる平均1次粒子径
が5〜500nmのシリカ粉末であるが、本発明では特
に6〜30nmの平均1次粒子径を有するものが光沢性
の点で好ましい。
【0074】該気相法シリカとして現在市販されている
ものとしては日本アエロジル社の各種のアエロジルが該
当する。
【0075】本発明で好ましく用いられるコロイダルシ
リカは、珪酸ナトリウムの酸等による複分解やイオン交
換樹脂層を通過させて得られるシリカゾルを加熱熟成し
て得られるものであり、このコロイダルシリカをインク
ジェット記録用紙に使用することは、例えば、特開昭5
7−14091号公報、同60−219083号公報、
同60−219084号公報、同61−20792号公
報、同61−188183号公報、同63−17807
号公報、特開平4−93284号公報、同5−2783
24号公報、同6−92011号公報、同6−1831
34号公報、同6−297830号公報、同7−812
14号公報、同7−101142号公報、同7−179
029号公報、同7−137431号公報、及び国際特
許公開WO94/26530号公報などに記載されてい
る。
【0076】コロイダルシリカの好ましい平均粒子径は
通常は5〜100nmであるが特に7〜30nmの平均
粒子径が好ましい。
【0077】気相法により合成されたシリカ及びコロイ
ダルシリカは、その表面をカチオン変成されたものであ
ってもよく、また、Al、Ca、Mg及びBa等で処理
された物であってもよい。
【0078】本発明の記録材料は無機微粒子を含有し、
空隙構造を有するインク受容層を有するが、無機微粒子
を含有させて空隙を形成させる場合には、受容層中に水
溶性バインダーを含有させておくことが安定な被膜を形
成させるために必要である。
【0079】インク受容層の水溶性バインダーの例とし
ては、ポリビニルアルコール、ゼラチン、ポリエチレン
オキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、
ポリアクリルアミド、ポリウレタン、デキストラン、デ
キストリン、カラーギーナン(λ、ι等)、寒天、プル
ラン、水溶性ポリビニルブチラール、ヒドロキシエチル
セルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられ
る。これらの水溶性バインダーは2種以上併用すること
も可能である。中でも、本発明において、水溶性バイン
ダーはポリビニルアルコールが好ましい。
【0080】本発明で好ましく用いられるポリビニルア
ルコールには、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる
通常のポリビニルアルコールの他に、末端をカチオン変
性したポリビニルアルコールやアニオン性基を有するア
ニオン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルア
ルコールも含まれる。
【0081】酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビ
ニルアルコールは平均重合度が1000以上のものが好
ましく用いられ、特に、平均重合度が1500〜500
0のものが好ましく用いられる。
【0082】ケン化度は70〜100%のものが好まし
く、80〜99.5%のものが特に好ましい。
【0083】カチオン変性ポリビニルアルコールとして
は、例えば、特開昭61−10483号公報に記載され
ているような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウ
ム基をポリビニルアルコールの主鎖または側鎖中に有す
るポリビニルアルコールが挙げられ、これらはカチオン
性基を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの
共重合体をケン化することにより得ることができる。
【0084】カチオン性基を有するエチレン性不飽和単
量体としては、例えば、トリメチル−(2−アクリルア
ミド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライ
ド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメ
チルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイ
ミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N
−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、
ヒドロキシルエチルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、N,N,N−トリメチル−(3−メタクリルアミド
プロピル)アンモニウムクロライド、N−(1,1−ジ
メチル−3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド
等が挙げられる。
【0085】カチオン変性ポリビニルアルコールにおけ
るカチオン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対
して0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%
である。
【0086】アニオン変性ポリビニルアルコールとして
は、例えば、特開平1−206088号公報に記載され
ているようなアニオン性基を有するポリビニルアルコー
ル、特開昭61−237681号公報および同63−3
07979号公報に記載されているようなビニルアルコ
ールと水溶性基を有するビニル化合物との共重合体及び
特開平7−285265号公報に記載されているような
水溶性基を有する変性ポリビニルアルコールが挙げられ
る。
【0087】また、ノニオン変性ポリビニルアルコール
としては、例えば、特開平7−9758号公報に記載さ
れているようなポリアルキレンオキサイド基をビニルア
ルコールの一部に付加したポリビニルアルコール誘導
体、特開平8−25795号公報に記載された疎水性基
を有するビニル化合物とビニルアルコールとのブロック
共重合体等が挙げられる。
【0088】ポリビニルアルコールは重合度や変性の種
類などが違う2種類以上を併用することもできる。
【0089】本発明のインク受容層の水溶性バインダー
に対する無機微粒子の比率は、高い空隙率と高い被膜強
度を得ることができるという点から、質量比で3倍以
上、20以下であることが好ましい。3倍以上であれば
十分なインク吸収容量が得られる高空隙率が達成でき、
また、インクジェット記録後の十分な被膜強度が得られ
る。この点から、更に好ましくは、無機微粒子の水溶性
バインダーに対する質量比は6以上である。
【0090】本発明のインク受容層は、本発明の水酸基
を有する高分子分散剤で乳化重合されたエマルジョン樹
脂を上記のバインダーと併用してもよいが、エマルジョ
ン樹脂を併用する場合には、本発明の効果の点からその
量は少量の方が好ましく、無機微粒子/エマルジョン樹
脂の質量比が15以上であることが好ましく、50以上
であることがより好ましい。さらにはインク受容層が多
層構成でなる場合にはインク受容層の最表層には含まれ
ない方が本発明の効果の点から好ましい。
【0091】本発明の記録用紙は、本発明の水酸基を有
する高分子分散剤で乳化重合されたエマルジョン樹脂を
含む層と、本発明の水溶性バインダーと無機微粒子を含
むインク吸収層の複層構成であることが必要である。本
発明の水酸基を有する高分子分散剤で乳化重合されたエ
マルジョン樹脂を含む層のみで記録用紙を作製した場
合、平滑性、最高濃度の点から本発明の効果を得ること
ができず、また、水溶性バインダーと無機微粒子を含む
インク吸収層のみで記録用紙を作製した場合には、イン
ク吸収性、にじみの観点から本発明の効果を得ることは
できない。
【0092】〈空隙率〉空隙容量は、空隙層の乾燥膜厚
から空隙層中のバインダーや各種の充填剤等の固形分の
容量の総量を差し引いた値である。例えば、無機微粒子
(比重2.0)6g/m2と水溶性バインダー(比重
1.0)1g/m2、カチオン性ポリマー媒染剤(比重
1.0)1g/m2を有する空隙層が、乾燥膜厚10μ
mであるときその空隙容量は下式の様にして5ml/m
2と求められる。
【0093】10−(6/2.0)−(1/1.0)−
(1/1.0)=5 一方、空隙層の塗布後の乾燥時に被膜が収縮する過程
で、被膜の剛性が高すぎるために、支持体表面の微少な
うねりや凹凸により局所的に被膜に微小なクラックが入
ることがあり、本発明のインクジェット記録用紙の水溶
性バインダーに対する無機微粒子の比率の上限は、通常
20以下であるが、特に8以下であることが好ましい。
【0094】本発明の塗工層の付量は一般に被膜の空隙
率や要求される空隙量により決まるが、本発明のインク
ジェット記録用紙では乾燥時の固形分塗工量が7〜30
g/m2であることが好ましい。塗工層の乾燥時の固形
分塗工量が7〜30g/m2の範囲では、コックリン
グ、光沢性、最高濃度の点で好ましく、また、空隙層の
塗布後の乾燥時に被膜が収縮する過程で、発生する被膜
のクラック発生を抑制しやすくなる。また、乾燥負荷が
小さく生産性が良好なため、製造コストを抑えることが
できるというメリットがある。
【0095】本発明のインク受容層及び/又は水酸基を
有する高分子分散剤で乳化重合したエマルジョン樹脂を
含む層には硬膜剤を用いることもできるが、本発明で用
いられる硬膜剤としては、ホウ酸及びその塩が好ましい
が、その他にも公知のものが使用でき、一般的には水溶
性バインダーと反応し得る基を有する化合物あるいは水
溶性バインダーが有する異なる基同士の反応を促進する
ような化合物であり、水溶性バインダーの種類に応じて
適宜選択して用いられる。硬膜剤の具体例としては、例
えば、エポキシ系硬膜剤(ジグリシジルエチルエーテ
ル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4
−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ジグ
リシジルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジル−4−
グリシジルオキシアニリン、ソルビトールポリグリシジ
ルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル
等)、アルデヒド系硬膜剤(ホルムアルデヒド、グリオ
キザール等)、活性ハロゲン系硬膜剤(2,4−ジクロ
ロ−4−ヒドロキシ−1,3,5,−s−トリアジン
等)、活性ビニル系化合物(1,3,5−トリスアクリ
ロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビスビニルス
ルホニルメチルエーテル等)、アルミニウム明礬等が挙
げられる。
【0096】ホウ酸またはその塩とは、硼素原子を中心
原子とする酸素酸およびその塩のことをいい、具体的に
は、オルトホウ酸、二ホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸、
五ホウ酸および八ホウ酸およびそれらの塩が挙げられ
る。
【0097】硬膜剤としてのホウ素原子を有するホウ酸
およびその塩は、単独の水溶液でも、また、2種以上を
混合して使用しても良い。特に好ましいのはホウ酸とホ
ウ砂の混合水溶液である。
【0098】ホウ酸とホウ砂の水溶液はそれぞれは比較
的希薄水溶液でしか添加することが出来ないが両者を混
合することで濃厚な水溶液にすることが出来、塗布液を
濃縮化する事が出来る。また、添加する水溶液のpHを
比較的自由にコントロールすることが出来る利点があ
る。
【0099】上記硬膜剤の添加量は上記水溶性バインダ
ー1g当たり1〜200mgが好ましく、更に好ましく
は2〜100mgである。
【0100】本発明の記録用紙のインク受容層中及び又
はエマルジョン樹脂を含む層中に表面がアニオン性であ
る微粒子を使用する場合には、画像の耐水性や耐にじみ
性を改良する点から染料に定着性を有する第1級〜第3
級アミノ基又は第4級アンモニウム塩基を有するカチオ
ン性ポリマーを含有させることが好ましい。
【0101】カチオン性ポリマーとしては公知のポリマ
ーを使用することができ、例えば、ポリエチレンイミ
ン、ポリアリルアミン、ジシアンジアミドポリアルキレ
ンポリアミン、ジアルキルアミンとエピクロロヒドリン
の縮合物、ポリビニルアミン、ポリビニルピリジン、ポ
リビニルイミダゾール、ジアリルジメチルアンモニウム
塩の縮合物、ポリアクリル酸エステルの4級化物等が挙
げられるが、特に、特開平10−193776号公報、
同10−217601号公報、同11−20300号公
報等に記載されているものが好ましい。
【0102】カチオン性ポリマーとしては、経時での変
色や耐光性の劣化が少ないこと、染料の媒染能が充分高
いことなどから、第4級アンモニウム塩基を有するカチ
オン性ポリマーが好ましい。特に、第4級アンモニウム
塩基を有するモノマーの単独重合体または他の共重合し
得る1または2以上のモノマーとの共重合体が好まし
く、更に少なくとも前記一般式(1)で表される繰り返
し単位を含むものが特に好ましい。
【0103】本発明で特に好ましいカチオン性ポリマー
は、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する
カチオン性ポリマーである。
【0104】前記一般式(1)において、Rで表される
アルキル基としては、メチル基が好ましい。R1、R2
およびR3で表されるアルキル基は、好ましくはメチル
基、エチル基またはベンジル基である。Jで表される2
価の有機基としては、好ましくは−CON(R′)−を
表す。R′は水素原子またはアルキル基を表す。
【0105】X-で表されるアニオン基は、例えば、ハ
ロゲンイオン、酢酸イオン、メチル硫酸イオン、p−ト
ルエンスルホン酸塩などを挙げることができる。
【0106】好ましいカチオン性ポリマーは、前記一般
式(1)で表される繰り返し単位からなるホモポリマー
であってもよく、他の共重合可能な単量体との共重合で
あってもよい。共重合可能な繰り返し単位としては、前
記一般式(1)以外のカチオン性単量体および、カチオ
ン性基を有しない単量体を挙げることができる。
【0107】第4級アンモニウム塩基を有するモノマー
の例としては例えば以下の例を挙げることが出来る。
【0108】
【化2】
【0109】
【化3】
【0110】第4級アンモニウム塩基と共重合し得るモ
ノマーはエチレン性不飽和基を有する化合物であり、例
えば以下の具体例を挙げることが出来る。
【0111】
【化4】
【0112】以下に本発明に好ましく用いられるカチオ
ン性ポリマーの具体例を示すが、本発明はこれらに限定
されるものではない。
【0113】
【化5】
【0114】
【化6】
【0115】
【化7】
【0116】
【化8】
【0117】特に第4級アンモニウム塩基を有するカチ
オン性ポリマーが共重合体である場合、カチオン性モノ
マーの比率は通常10モル%以上、好ましくは20モル
%以上、特に好ましくは30モル%以上である。
【0118】第4級アンモニウム塩基を有するモノマー
は単一でも2種類以上であっても良い。
【0119】第4級アンモニウム塩基を有するカチオン
性ポリマーは第4級アンモニウム塩基のために水溶性が
一般に高いが、共重合する第4級アンモニウム塩基を含
まないモノマーの組成や比率によっては水に充分に溶解
しないことがあるが、水混和性有機溶媒と水との混合溶
媒に溶解させることにより溶解し得るもので有れば本発
明には使用できる。
【0120】ここで水混和性有機溶媒とは、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール
などのアルコール類、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、グリセリンなどのグリコール類、酢酸エチ
ル、酢酸プロピル等のエステル類、アセトン、メチルエ
チルケトン等のケトン類、N,N−ジメチルホルムアミ
ド等のアミド類など、水に対して通常10%以上溶解し
得る有機溶媒を言う。この場合、有機溶媒の使用量は水
の使用量以下であることが好ましい。
【0121】ここで質量平均分子量は、ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィーから求められたポリエチレン
グリコール値に換算した値である。
【0122】カチオン性ポリマーの溶液を、表面アニオ
ン性の微粒子含有分散液に添加する際、凝集物が激しく
発生してしまうことがあり得るが、カチオン性ポリマー
の質量平均分子量が10万以下の場合にはこのような現
象が起こりにくく、従って、粗大粒子をあまり含まな
い、ほぼ均一な分散液が得られ易く好ましい。このよう
な分散液を使用して作製したインクジェット記録用紙に
は、優れた光沢性が期待できるのである。同様の観点か
ら、上記質量平均分子量は5万以下であると更に好まし
い。質量平均分子量の下限は染料の耐水性の点から通常
2000以上である。
【0123】上記微粒子とカチオン性ポリマーの比率
は、微粒子の種類や平均粒径又はカチオン性ポリマーの
種類や質量平均分子量で変わり得ることができ、本発明
においては、上記比率は微粒子の表面がカチオン性に置
き換わって安定に染料と定着させる為に、1:0.01
〜1:1であることが好ましく、更に、1:0.01〜
1:0.3が好ましく、特に1:0.05〜1:0.2
が好ましい。
【0124】上記の範囲であれば、微粒子のアニオン成
分がカチオン成分によって完全に被覆されるので、微粒
子のアニオン部分とカチオン性ポリマーのカチオン部分
とがイオン結合して粗大な粒子を形成するようなおそれ
も生じない。
【0125】一方、無機微粒子としては、表面がカチオ
ン性である微粒子を使用することもでき、この場合は無
機微粒子自身が染料定着性を有する。表面がカチオン性
である無機微粒子としては、カチオン表面処理された気
相法シリカ、カチオン表面処理されたコロイダルシリ
カ、およびアルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイ
ト等を用いることが好ましい。
【0126】本発明のインクジェット記録用紙のインク
受容層側の任意の層、及び/又は水酸基を有する高分子
分散剤で乳化重合したエマルジョンを含む層中には、必
要に応じて各種の添加剤を含有させることが出来る。
【0127】例えば、特開昭57−74193号公報、
同57−87988号公報及び同62−261476号
公報に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192
号、同57−87989号公報、同60−72785号
公報、同61−146591号公報、特開平1−950
91号公報及び同3−13376号公報等に記載されて
いる退色防止剤、アニオン、カチオンまたはノニオンの
各種界面活性剤、特開昭59−42993号公報、同5
9−52689号公報、同62−280069号公報、
同61−242871号公報および特開平4−2192
66号公報等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン
酸、酢酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、ジエチレン
グリコール等の潤滑剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、
マット剤等の公知の各種添加剤を含有させることもでき
る。
【0128】例えば、印字記録後の耐水性、滲み耐性を
向上させるために、上述したカチオン性ポリマー、ある
いは水溶性の多価金属イオンを添加することもできる。
【0129】水溶性の多価金属イオンとしては、Mg2+
やCa2+、Zn2+のような2価の金属イオン、Al3+
どの3価の金属イオン、あるいはTi4+など、4価以上
の金属イオンがあげられ、これらの水溶性の多価金属イ
オンは亜硫酸塩、硫酸塩、硝酸塩、塩酸塩、酢酸塩、炭
酸塩、p−トルエンスルホン酸塩といった塩として添加
される。また、水溶性の多価金属イオンの塩として、ポ
リ塩化アルミニウムのような水溶性無機ポリマーを使用
しても良い。
【0130】カチオン性の樹脂、あるいは水溶性の多価
金属イオンの添加方法としては、塗布液に直接添加して
塗布する方法のほか、記録媒体の塗布乾燥後にカチオン
性の樹脂や水溶性の多価金属イオンの水溶液をオーバー
コートして乾燥するといった方法でもかまわない。
【0131】多孔質のインク吸収層は2層以上から構成
されてもよく、この場合、それらのインク吸収層の構成
はお互いに同じであっても異なってもよい。
【0132】本発明の記録用紙は、前記した水酸基を有
する高分子分散剤で乳化重合されたエマルジョン樹脂を
含む層とその上層に塗工される水溶性バインダーと平均
粒径3〜200nmの無機微粒子を含む層を少なくとも
1層ずつを有する記録用紙であり、塗工層は2層以上有
していても良く、この場合、2層以上のインク受容層の
無機微粒子の水溶性バインダーに対する比率はお互いに
異なっていてもよい。
【0133】本発明の記録用紙のインク受容層を有する
側と支持体に対して反対側には、カール防止や印字直後
に重ね合わせた際のくっつきやインク転写を更に向上さ
せるために種々の種類のバック層を設けてもよい。
【0134】以上の構成を有する本発明の記録用紙は例
えば以下の方法によって得ることが出来る。
【0135】まず、前記の塗工層形成用の材料を適当な
溶媒、例えば水、アルコールあるいは各種有機溶媒に添
加して塗布液を調製し、これを前記支持体に塗布し、乾
燥させて塗工層とする。
【0136】仕上がりの記録材料としてより好ましいイ
ンク吸収性を得るためには、本発明の支持体上に水酸基
を有する高分子分散剤で乳化重合したエマルジョン樹脂
を含む層と、水溶性バインダーと平均粒径3〜200n
mの無機微粒子を含むインク受容層は同時多層塗布する
ことが最も好ましい。特に、多孔質基材上に本発明の塗
工層を同時多層塗布する場合には、多孔質基材のインク
吸収性を活かせることで、記録材料として高インク吸収
性を有する。その結果、塗工層が薄膜化できるので製造
コストが抑えられ、高画質で安価な記録材料が提供でき
る。
【0137】塗工層を支持体上に塗布する方法は公知の
方法から適宜選択して行うことが出来る。塗布方式とし
ては、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング
法、エアナイフコーティング法、ブレードコーター法、
スプレーコーティング法、カーテン塗布方法あるいは米
国特許第2,681,294号公報記載のホッパーを使
用するエクストルージョンコート法が好ましく用いられ
る。
【0138】塗工層の塗布後の乾燥は、いったん冷却し
て塗布液の粘度を増大させるか、ゲル化させてから温風
を吹き付けて乾燥させるのが好ましい。
【0139】塗工層の塗布液温度は通常25〜60℃で
あり、30〜50℃が好ましい。冷却は塗布後の膜面温
度が20℃以下、更には5〜15℃になるようにするの
が好ましく、その後の乾燥は20〜60℃の風を吹き付
けて乾燥するのが均一な膜面を得る点から好ましい。
【0140】塗工層を塗布する湿潤膜厚は目的とする乾
燥膜厚によって変わるが、概ね50〜300μm、好ま
しくは70〜250μm、塗布速度は乾燥能力に大きく
依存するが、通常20〜200m/分である。乾燥時間
は概ね2〜10分である。
【0141】以下に本発明のインクジェット記録用紙に
好ましく用いられる水性インクについて説明する。
【0142】水性インクは、通常は水溶性染料及び液媒
体、その他の添加剤を有する記録液体である。水溶性染
料としてはインクジェットで公知の直接染料、酸性染
料、塩基性染料、反応性染料あるいは食品用色素等の水
溶性染料が使用できるが直接染料、または酸性染料が好
ましい。
【0143】水性インクの溶媒は水を主体としてなる
が、インク液が乾燥した際に染料が析出してノズル先端
やインク供給経路での目詰まりを防止するために、通常
沸点が約120℃以上で室温で液状の高沸点有機溶媒が
使用される。高沸点有機溶媒は水が蒸発した際に染料な
どの固形成分が析出して粗大析出物の発生を防止する作
用を持つために水よりはるかに低い蒸気圧を有すること
が要求される一方、水に対して混和性が高い必要があ
る。
【0144】そのような目的では高沸点の有機溶媒が通
常多く使用されるが、具体例としては、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリ
コールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエ
ーテル、グリセリンモノメチルエーテル、1,2,3−
ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、
1,2,4−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサ
ントリオール、チオジグリコール、トリエタノールアミ
ン、ポリエチレングリコール(平均分子量が約300以
下)等のアルコール類が挙げられる。また、上記した以
外にも、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン
等も使用できる。
【0145】これらの多くの高沸点有機溶媒の中でも、
ジエチレングリコール、トリエタノールアミンやグリセ
リン、トリエタノールアミン等の多価アルコール類、ト
リエチレングリコールモノブチルエーテルの多価アルコ
ールの低級アルキルエーテル等は好ましいものである。
【0146】水性インクが含有するその他の添加剤とし
ては、例えばpH調節剤、金属封鎖剤、防カビ剤、粘度
調整剤、表面張力調整剤、湿潤剤、界面活性剤及び防錆
剤、等が挙げられる。
【0147】水性インク液は記録用紙に対する濡れ性を
良好にするため及びインクジェットノズルからの吐出を
安定化させる目的で、25℃において、25〜50×1
-5N/cm、好ましくは28〜40×10-5N/cm
の範囲内の表面張力を有するのが好ましい。
【0148】また、水性インクの粘度は通常25℃にお
いて2〜8×10-3Pa・s、好ましくは2.5〜5×
10-3Pa・sである。水性インクのpHは通常4〜1
0の範囲である。
【0149】インクノズルから吐出される最小インク液
滴としては1〜30×10-3nlの容量の場合、記録紙
上で20〜60μmの直径の最小ドット径が得られるの
で好ましい。このようなドット径で印字されたカラープ
リントは高画質画像を与える。好ましくは2〜20×1
-3nlの容積を有する液滴が最小液滴として吐出され
る場合である。
【0150】また、前記水性インクが、少なくともマゼ
ンタおよびシアンについて、各々濃度が2倍以上異なる
2種類のインクで記録する方式において、ハイライト部
では低濃度のインクが使用されるためにドットの識別が
しにくくなるが、本発明はかかる記録方式を採用した場
合も適用できる。
【0151】本発明に好ましく用いられるインクジェッ
ト記録方法は、従来公知の各種の方式を用いることがで
き、その詳細はたとえば、インクジェット記録技術の動
向(中村孝一編,平成7年3月31日,日本科学情報株
式会社発行)に記載されている。
【0152】
【実施例】以下に本発明の実施例を挙げて具体的に説明
するが、本発明の実施態様はこれらの例に限定されるも
のではない。
【0153】なお、実施例中で「%」は特に断りのない
限り絶乾質量%を示す。 実施例1 エマルジョン樹脂製造例 5%ポリビニルアルコール水溶液(重合度1700、ケ
ン化度88.5モル%)400gをpH=3.5に調整
し、攪拌しながらメタクリル酸メチル50gとアクリル
酸ブチル50gをいれて60℃に昇温し、5%過硫酸ア
ンモニウム水溶液10gを添加して重合を開始した。1
5分後、メタクリル酸メチル100gとアクリル酸ブチ
ル100gを3時間かけて徐々に添加し、5時間後、重
合率が99.9%となったところで冷却した。これをp
H7.0に中和し、エマルジョン樹脂1を合成した。こ
のエマルジョンを真空乾燥器にて60℃で乾燥し、示差
走査熱量計によりTgを測定したところ、5℃であっ
た。
【0154】同様の方法で、表1に示すエマルジョン樹
脂2〜10を合成した。得られたエマルジョン樹脂を純
水で希釈し、粒子径測定装置LA−700(堀場製作所
製)でメディアン径を測定したところ、エマルジョン樹
脂の粒径は0.4μmであった。
【0155】
【表1】
【0156】多孔質基材の作製 カナダ標準濾水度が330mlまで叩解した広葉樹クラ
フトパルプ(LBKP)70質量部と、カナダ標準濾水
度が280mlまで叩解した広葉樹晒亜硫酸パルプ(L
BSP)25質量部、カナダ標準濾水度が280mlま
で叩解した針葉樹クラフトパルプ(NBKP)5質量部
を混合し、ダブルディスクリファイナーの回転数を変化
させて、重量平均繊維長が0.55mmとなるパルプを
得た。叩解パルプそれぞれ100部に対し、カチオン化
澱粉を2.0部、サイズ剤としてアルキルケテンダイマ
ー樹脂を0.4部、アニオン性ポリアクリルアミド樹脂
0.1部、ポリアミドポリアミンエピクロールヒドリン
樹脂0.7部を添加し、苛性ソーダでpH7.5に調整
した後、長網抄紙機で坪量170g、厚さ160μmの
紙支持体からなる多孔質基材1を作製した。
【0157】シリカ分散液−1の調製 1次粒子の平均粒径が約0.014μmの気相法シリカ
(トクヤマ製:レオロシールQS−20)125kg
を、三田村理研工業株式会社製のジェットストリーム・
インダクターミキサーTDSを用い、硝酸でpH=3.
0に調整した620Lの純水中に室温で吸引分散した
後、UvitexNFWliquid(チバスペシャリ
ティーケミカル)1.5Lを撹拌分散しながら添加した
後、全量を694Lに純水で仕上げた。
【0158】シリカ分散液−2の調製 カチオン性ポリマー(P−9)を1.63kg、エタノ
ール2.2L、n−プロパノール1.5Lを含有する水
溶液(pH=3.0)18Lに、シリカ分散液−1の6
9.4Lを攪拌しながら添加し、次いで、ホウ酸260
gとホウ砂230gを含有する水溶液(pH=7.3)
7.0Lを約10分かけて添加し、消泡剤SN381
(サンノプコ株式会社製)を1g添加した。
【0159】この混合液を三和工業株式会社製高圧ホモ
ジナイザーで分散し、全量を純水で97Lに仕上げてシ
リカ分散液−2を調製した。
【0160】このシリカ分散液を希釈して透明な支持体
上に塗布し、電子顕微鏡で観察した結果、平均粒径が約
50nmであった。
【0161】塗布液−1の調製 次いで、上記のようにして得られたシリカ分散液−2を
使用して、下記の塗布液を調製した。
【0162】シリカ分散液−2の650mlに40℃で
攪拌しながら、以下の添加剤を順次混合した。 (1)ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:
PVA203)の10%水溶液;6ml (2)ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:
PVA235)の5%水溶液;190ml (3)ポリビニルアルコール(平均重合度4500、ケ
ン化度89.0%)の5%水溶液;70ml (4)界面活性剤(S−1)30%溶液;4ml (5)アニオン性蛍光増白剤(チバスペシャリティーケ
ミカルズ製;UVITEX NFW LIQUID9)
の10%液;10ml 純水で全量を1000mlに仕上げる。塗布液のpHは
約4.5であった。
【0163】
【化9】
【0164】塗布液−2の調製 塗布液−1の調製において、全てのポリビニルアルコー
ルの替わりに表1に示すエマルジョン樹脂1を有効成分
で20.0gになるように添加した以外は同様にして塗
布液−2を調製した。
【0165】記録用紙101の作製 多孔質基材1に、上記塗布液−2を湿潤膜厚が50μ
m、上記塗布液−1を湿潤膜厚が105μmになるよう
に同時塗布し、約7℃に一度冷却した後に20〜65℃
の風を吹き付けて乾燥し、記録用紙101を作製した。
このようにして形成される空隙層の乾燥膜厚は38μ
m、乾燥時の固形分塗工量は22g/m2であった。
【0166】記録用紙102〜110の作製 塗布液−2の調製において、使用するエマルジョン樹脂
1を表2に示すように表1記載のエマルジョン樹脂2〜
10に変えた以外は記録用紙101と同様にして記録用
紙102〜110を得た。
【0167】記録用紙111〜112の作製 記録用紙109、110の作製において、使用するエマ
ルジョン樹脂9、10の替わりに、エマルジョン樹脂
9、10の各々のエマルジョン樹脂に5%ポリビニルア
ルコール水溶液(重合度1700、ケン化度88.5モ
ル%)22gをあらかじめ混合し、その混合液をシリカ
分散液−2に添加して塗布液を調製、塗布する以外は同
様にして記録用紙111〜112を得た。
【0168】記録用紙113の作製 多孔質基材1に、上記塗布液−1を湿潤膜厚が155μ
mになるように塗布する以外は記録用紙101と同様に
した記録用紙113を作製した。
【0169】記録用紙114の作製 記録用紙101の作製において、塗布液−2の替わりに
コロイダルシリカ(スノテックス−XL;日産化学製)
を乾燥膜厚が20μmになるようにして塗布した以外は
同様にして記録用紙114とした。
【0170】記録用紙115の作製 記録用紙114のコロイダルシリカの替わりにコロイダ
ルシリカ複合粒子アクリル系エマルジョン(モビニール
8020;クラリアントポリマー製)にして塗布した以
外は同様にして記録用紙115とした。
【0171】得られた記録用紙101〜115について
以下の評価を行い、結果を表2に示す。
【0172】〈インク吸収性〉各インクジェット記録用
紙をセイコーエプソン社製インクジェットプリンター・
PM800Cで緑のベタ印字を行い、印字直後の印字部
分を指でこすって画像の乱れを目視評価した。評価は以
下の5段階で行った。 ◎ :指でこすってもまったく画像の乱れがない ○ :指でこするとわずかに画像が乱れる △ :やや画像がこすれて汚れるが、実用可能 × :画像がこすれて汚れてしまい、実用上許容範囲外 ××:インクのあふれひどく、画像がプリンターで打ち
出し時に汚れてしまい、実用上許容範囲外。
【0173】〈平滑性〉未印字のシート面をJIS B
0601に規定される方法で測定し、中心線表面粗さ
(いずれも基準長2.5mm、カットオフ値0.8mm
で測定した)を求め、下記基準で判定した。品質上問題
にならないのはA及びBである。 A:中心線表面粗さRaが0.8μm未満であり、優れ
た平滑性を有す B:中心線表面粗さRaが0.8〜1.2μmであり、
良好な平滑性を有す C:中心線表面粗さRaが1.2〜1.5μmであり、
やや平滑性に欠けるが品質上の問題はない D:中心線表面粗さRaが1.5μmよりも大きく、平
滑性が劣り、問題あり。
【0174】〈最高濃度〉セイコーエプソン株式会社製
インクジェットプリンター・PM800Cを用い、イエ
ロー、マゼンタおよびシアンのベタ印字を行い、反射濃
度をそれぞれ青、緑、赤の単色光にて測定した。
【0175】〈画質〉インク吸収速度による印字後の画
質について、シート面を肉眼により下記基準で判定し
た。 ○:画質にムラがない △:画質に目立たない程度のムラが生ずる ×:画質にムラが生じて、美観を損なう。
【0176】〈にじみ耐性〉セイコーエプソン株式会社
製インクジェットプリンター・PM770Cを用い、K
(黒)の細線(線幅≒200μm)をプリントし、40
℃・相対湿度80%で5日間保存した。保存前後で細線
のにじみを下記基準で判断した。 A:にじみは発生なく、美観を損なわない B:にじみは発生が小さく、美観を損なうことはない C:にじみが発生し、美観を損なう。
【0177】得られた評価結果を表2に示す。
【0178】
【表2】
【0179】表2に示す結果から、支持体に多孔質基材
を用いて、全層にバインダーとしてポリビニルアルコー
ルのみを用いた塗工層を設けた記録用紙113は、イン
ク吸収性が不十分であり、印字ムラが生じ、画質として
好ましくない。
【0180】次に、本発明の範囲外でエマルジョン樹脂
9、10を用いた記録用紙109、110では、いずれ
もインク吸収性、平滑性が両立できず好ましくないこと
が分かる。更に、エマルジョン樹脂9、10を含む層
に、ポリビニルアルコールを追加添加して作製した記録
用紙111、112では、平滑性は改善が見られたもの
の、インク吸収性は更に劣化し、画質も望ましくない。
このことから、単に活性剤を分散剤としたエマルジョン
樹脂にポリビニルアルコールを追加添加しただけでは本
発明の効果が得られないことが確認された。
【0181】また、比較である自己架橋性粒子であるコ
ロイダルシリカの層を設けた記録用紙114では、記録
用紙の塗工層表面にひび割れが生じて平滑性が悪く、画
質も好ましくない。コロイダルシリカ複合エマルジョン
の層を設けた記録用紙115は、平滑性は良好だが、イ
ンク吸収性が不十分で、印字ムラが生じ、画質として好
ましくない。
【0182】本発明の記録用紙101〜108はいずれ
もインク吸収性に優れ、平滑性、最高濃度、画質も良好
であることが分かった。特に画像濃度に関しては、高濃
度でメリハリのある画像が得られ、好ましいことが分か
った。本発明の記録用紙101〜107と記録用紙10
8を比べ、本発明のエマルジョン樹脂のガラス転移温度
は平滑性、インク吸収性の点から20℃以下が好ましい
ことが分かる。
【0183】実施例2 記録用紙201の作製 実施例1の記録用紙101において、使用する気相法シ
リカ(トクヤマ製:レオロシールQS−20)を湿式法
シリカ(トクヤマ製:ファインシールX−37、一次粒
子の平均粒径2.7μm)に変えた以外は同様にして記
録用紙201を得た。
【0184】記録用紙202の作製 実施例1の塗布液−1において、全てのポリビニルアル
コールの固形分15%の替わりにエマルジョン樹脂7を
有効成分で2.7gになるように添加した以外は同様に
して同様にして塗布液−3を調製した。
【0185】次いで、記録用紙107において、塗布液
−1の替わりに塗布液−3を用いた以外は同様にして記
録用紙202を得た。
【0186】実施例1と同様にして評価、及び下記の搬
送時のひびの評価を行い、表3に示す結果を得た。
【0187】〈搬送時のひび〉23℃・相対湿度20%
で3日間保存した後、セイコーエプソン株式会社製イン
クジェットプリンター・PM770Cを用いて印字し、
未印字部の記録面の状態について、シート面を肉眼によ
り下記基準で判定した。 A:損傷ない B:記録面に目立たない程度のひびが生ずる C:記録面にひびが生じて、美観を損なう
【0188】
【表3】
【0189】表3から明らかなように、上層のインク受
容層の微粒子の平均粒径が200nm以上である記録用
紙201はインク吸収性が劣化し、塗布面の状態が悪く
平滑性、濃度も低下し、画質として好ましくないばかり
でなく、搬送時に記録面にひびが生じて実用上好ましく
ないことが分かった。
【0190】次に、上層のインク受容層に水溶性バイン
ダーであるポリビニルアルコールと高分子分散剤で乳化
重合したエマルジョン樹脂7と微粒子からなるインク受
容層にした本発明である記録用紙202は、記録用紙1
07と比較して、本発明のエマルジョン樹脂によりイン
ク受容層塗膜の柔軟性が向上し、低湿下保存後の搬送時
のひび割れが改善され、好ましいことが分かった。
【0191】実施例3 記録用紙301の作製 実施例1の塗布液−1において、ポリビニルアルコール
(PVA235)5%水溶液とポリビニルアルコール
(平均重合度4500、ケン化度89.0%)の5%水
溶液の各々の固形分93%の替わりにエマルジョン樹脂
7を有効成分で20.0gになるように添加した以外は
同様にして同様にして塗布液−4を調製した。
【0192】次いで、記録用紙107において、塗布液
−2の替わりに塗布液−4を用いた以外は同様にして記
録用紙301を得た。
【0193】記録用紙302の作製 実施例1の塗布液−1において、ポリビニルアルコール
(PVA235)5%水溶液とポリビニルアルコール
(平均重合度4500、ケン化度89.0%)の5%水
溶液の各々の固形分80%の替わりにエマルジョン樹脂
7を有効成分で20.0gになるように添加した以外は
同様にして同様にして塗布液−5を調製した。
【0194】次いで、記録用紙107において、塗布液
−2の替わりに塗布液−5を用いた以外は同様にして記
録用紙302を得た。
【0195】実施例1と同様にして評価し、表4に示す
結果を得た。
【0196】
【表4】
【0197】本発明である記録用紙107、301、3
02の比較から、本発明のエマルジョン樹脂を含む層に
水溶性高分子であるポリビニルアルコールを併用した場
合でも、本発明の効果を得ることができることが分か
る。
【0198】実施例4 エマルジョン樹脂の作製 実施例1記載のエマルジョン樹脂の製造において、乳化
重合時に使用するポリビニルアルコール水溶液を重合度
3500、ケン化度88.5モル%のものに変更した以
外は同様にして、表5に示すエマルジョン樹脂11〜1
2を合成した。得られたエマルジョン樹脂を純水で希釈
し、メディアン径を測定したところ、エマルジョン樹脂
の粒径は0.3μmであった。
【0199】
【表5】
【0200】シリカ分散液−3の調製 カチオン性ポリマー(P−13)を1.63kg、エタ
ノール2.2L、n−プロパノール1.5Lを含有する
水溶液(pH=3.0)18Lに、シリカ分散液−1の
69.4Lを攪拌しながら添加し、次いで、ホウ酸27
5gとホウ砂165gを含有する水溶液7.0Lを添加
し、消泡剤SN381(サンノプコ株式会社製)を1g
添加した。
【0201】この混合液を三和工業株式会社製高圧ホモ
ジナイザーで分散し、全量を純水で97Lに仕上げてシ
リカ分散液−3を調製した。
【0202】このシリカ分散液を希釈して透明な支持体
上に塗布し、電子顕微鏡で観察した結果、平均粒径が約
50nm(2次粒子)のサイズであった。
【0203】塗布液−6の調製次いで、上記のようにし
て得られたシリカ分散液−3を使用して、下記の塗布液
を調製した。
【0204】シリカ分散液−3の650mlに40℃で
攪拌しながら、以下の添加剤を順次混合した。 (1)ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:
PVA203)の10%水溶液:6ml (2)ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:
PVA235)の5%水溶液:260ml (3)ポリビニルアルコール(平均重合度4500、ケ
ン化度89.0%)の5%水溶液:95ml (4)界面活性剤(S−1)30%溶液:4ml (5)アニオン性蛍光増白剤(チバスペシャリティーケ
ミカルズ製;UVITEX NFW LIQUID9)
の10%液:10ml 純水で全量を1000mlに仕上げる。塗布液のpHは
約4.5であった。
【0205】記録用紙401〜404の作製 次いで、記録用紙101及び102のエマルジョン樹脂
及び塗布液を表6に示すように用いた以外は同様にして
記録用紙401〜404を得た。
【0206】実施例1と同様にして評価し、表6に示す
結果を得た。
【0207】
【表6】
【0208】本発明である記録用紙101、102、4
01〜404の比較から、本発明の水酸基を有する高分
子分散剤であるポリビニルアルコールの重合度が高く、
粒径がより好ましい範囲にあるいエマルジョン樹脂を使
用した記録用紙402〜404で、平滑性がさらに改良
されより好ましいことが分かる。特に、本発明の水酸基
を有する高分子分散剤であるポリビニルアルコールの重
合度の高いエマルジョン樹脂、及びインク受容層に一般
式(1)で表される繰り返し単位を有するカチオンポリ
マーを使用した記録用紙403、404は平滑性、最高
濃度の点から特に好ましい実施形態であることが分か
る。
【0209】以上、本発明により、インク吸収性、平滑
性、にじみ耐性及び搬送時のひび割れ耐性に優れ、画像
濃度が良好で、高画質なインクジェット記録用紙を得ら
れる。
【0210】
【発明の効果】本発明により、写真画質のプリントを形
成するインクジェット記録用紙において、インク吸収
性、画像濃度が良好で、にじみ耐性、搬送時のひび割れ
耐性に優れ、高画質なインクジェット記録用紙を提供す
ることができた。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上の少なくとも片面に、水酸基を
    有する高分子分散剤で乳化重合したエマルジョン樹脂を
    含む層と、水溶性バインダーと平均粒径3〜200nm
    の無機微粒子を含むインク受容層が順次設けられている
    ことを特徴とするインクジェット記録用紙。
  2. 【請求項2】 支持体が多孔質基材であることを特徴と
    する請求項1記載のインクジェット記録用紙。
  3. 【請求項3】 水酸基を有する高分子分散剤で乳化重合
    したエマルジョン樹脂を含む層が、無機微粒子を含むこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット記
    録用紙。
  4. 【請求項4】 インク受容層が、水酸基を有する高分子
    分散剤で乳化重合したエマルジョン樹脂を含むことを特
    徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のインクジェ
    ット記録用紙。
  5. 【請求項5】 水酸基を有する高分子分散剤で乳化重合
    したエマルジョン樹脂を含む層は、水酸基を有する高分
    子分散剤で乳化重合したエマルジョン樹脂に対する無機
    微粒子の質量比が2〜10であり、かつ、インク受容層
    は、無機微粒子と水酸基を有する高分子分散剤で乳化重
    合したエマルジョン樹脂に対する無機微粒子の質量比が
    15以上であることを特徴とする請求項3または4記載
    のインクジェット記録用紙。
  6. 【請求項6】 水酸基を有する高分子分散剤が、ポリビ
    ニルアルコールであることを特徴とする請求項1〜5の
    いずれか1項記載のインクジェット記録用紙。
  7. 【請求項7】 水酸基を有する高分子分散剤であるポリ
    ビニルアルコールの平均重合度が1500〜5000で
    あることを特徴とする請求項6記載のインクジェット記
    録用紙。
  8. 【請求項8】 水酸基を有する高分子分散剤で乳化重合
    したエマルジョン樹脂のガラス転移温度が、20℃以下
    であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記
    載のインクジェット記録用紙。
  9. 【請求項9】 インク受容層の無機微粒子が、気相法に
    より合成されたシリカであることを特徴とする請求項1
    〜8のいずれか1項記載のインクジェット記録用紙。
  10. 【請求項10】 インク受容層の水溶性バインダーが、
    ポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項1
    〜9のいずれか1項記載のインクジェット記録用紙。
  11. 【請求項11】 インク受容層のポリビニルアルコール
    に対する無機微粒子の量が、質量比(微粒子/ポリビニ
    ルアルコール)で3〜20であることを特徴とする請求
    項10記載のインクジェット記録用紙。
  12. 【請求項12】 インク受容層及び水酸基を有する高分
    子分散剤で乳化重合したエマルジョンを含む層から選ば
    れる少なくとも1層が硬膜剤により硬膜されていること
    を特徴とする請求項1〜11のいずれか1項記載のイン
    クジェット記録用紙。
  13. 【請求項13】 インク受容層及び水酸基を有する高分
    子分散剤で乳化重合したエマルジョンを含む層から選ば
    れる少なくとも1層がカチオン性化合物を含むことを特
    徴とする請求項1〜12のいずれか1項記載のインクジ
    ェット記録用紙。
  14. 【請求項14】 インク受容層のカチオン性化合物が少
    なくとも下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有
    するポリマーであることを特徴とする請求項13記載の
    インクジェット記録用紙。 【化1】 〔式中、Rは水素原子またはアルキル基を表し、R1
    2、R3は各々アルキル基またはベンジル基を表し、J
    は単なる結合手または2価の有機基を表す。X-はアニ
    オン基を表す。〕
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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