JP5804731B2 - インクジェット記録媒体 - Google Patents
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Description
本発明のインクジェット記録媒体は、支持体と、該支持体上に2層以上のインク受容層とを有する。2層以上のインク受容層のうちの2層のインク受容層は、支持体から近い側のインク受容層(下層、第1のインク受容層)と、支持体から遠い側のインク受容層(上層、第2のインク受容層)とからなる。これら2層のインク受容層は、乾燥塗工量が少なくとも0.1g/m2以上の層のことである。上層の上には、例えば光沢調整等の目的で、本発明に規定されない層であって塗工量が0.1g/m2より少ない最表面層を形成してもよい。最表面層は、気相法シリカ、コロイダルシリカ、その他無機微粒子、有機微粒子等の粒子及び親水性バインダー及びその他架橋剤、活性剤等からなる層であることが好ましい。下層は支持体上に直接設けてもよいが、例えば密着性やインク定着性等を向上させるため、下層と支持体との間に本発明に規定する層とは別の層(プレコート層)を設けてもよい。プレコート層は特に限定されるものではなく、公知の組成の層であってよい。
本発明に用いる支持体は、例えば普通紙、コート紙等の吸水性支持体、合成紙、プラスチックフィルム、樹脂被覆紙等の耐水性支持体が挙げられる。特に基紙を樹脂被覆層で覆った樹脂被覆紙が好ましく用いられる。樹脂被覆紙の基紙は、特に制限はなく、一般に用いられている紙が使用できるが、例えば写真用支持体に用いられているような平滑な原紙が好ましい。原紙を構成するパルプとしては、天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用いられる。この原紙には一般に製紙で用いられているサイズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料等の添加剤が配合されていてもよい。さらに、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗工されていてもよい。
本発明のインクジェット記録媒体が有する2層のインク受容層は、いずれも、アルミナ及びアルミナ水和物から選ばれる少なくとも1種と、ポリビニルアルコールと、ホウ酸及びホウ酸塩から選ばれる少なくとも1種と、水溶性ジルコニム化合物とを含有する。
(アルミナ及びアルミナ水和物)
本発明のインク受容層は、顔料としてアルミナ及びアルミナ水和物から選ばれる少なくとも1種を含む。
一般式(1) Al2O3−n(OH)2n・mH2O
(上式中、nは0、1、2または3のうちのいずれかを表わし、mは0以上10以下、好ましくは0以上5以下の数を表わす。mH2Oは、多くの場合結晶格子の形成に関与しない脱離可能な水相を表わすものであるため、mは整数でない値をとることができる。また、アルミナ水和物をか焼すると、mは0の値をとりうる。ただし、nとmは同時に0にはならない。)
本発明に用いるアルミナ及びアルミナ水和物から選ばれる少なくとも1種は、解膠剤で解膠された水性分散液の状態でインク受容層塗工液に含まれることが好ましい。アルミナ水和物及びアルミナをそれぞれ単独に用いた場合、解膠剤で解膠された水性分散液の状態を、それぞれアルミナ水和物分散液及びアルミナ分散液とする。本発明に用いるアルミナ水和物及びアルミナから選ばれる少なくとも1種を含む分散液は、アルミナ水和物及びアルミナのうちの少なくとも1種と、解膠剤とを含有する。
一般式(2) R−SO3H
(一般式(2)において、Rは水素原子を表すか、炭素数1以上3以下の分岐もしくは非分岐のアルキル基またはアルケニル基を表す。ただしRは、オキソ基、ハロゲン原子、アルコキシ基(−OR’)及びアシル基(R’−CO−)のうちの少なくとも一つを置換基として有しても良く、R’は水素原子、メチル基またはエチル基を表す。)
一般式(2)で表されるスルホン酸の具体例としては、以下のようなものが挙げられる。メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1−プロパンスルホン酸、2−プロパンスルホン酸、クロロメタンスルホン酸、ジクロロメタンスルホン酸、トリクロロメタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等である。これらは1種または2種以上を混合して使用することができる。
本発明のインク受容層は、バインダーとしてポリビニルアルコールを含有する。中でも、インク吸収性の観点から、ポリビニルアルコールは完全にまたは部分的にケン化された、ポリビニルアルコールまたはカチオン変性ポリビニルアルコールが好ましい。さらに耐水性、発色性の観点から、重量平均重合度2000以上、かつ、けん化度が85モル%以上98モル%以下であるポリビニルアルコールがより好ましい。さらに、重量平均重合度は、2000以上5000以下が特に好ましい。
本発明のインク受容層は、それぞれホウ酸及びホウ酸塩から選ばれる少なくとも1種を含有する。インク受容層塗工液には、それぞれポリビニルアルコールとともにホウ酸及びホウ酸塩の少なくとも1種を添加することができるが、その添加順序については、どれが先でも良い。この際、架橋剤として使用できるホウ酸としては、オルトホウ酸(H3BO3)、メタホウ酸及び次ホウ酸等が挙げられる。ホウ酸塩としては例えば、オルトホウ酸塩、InBO3、ScBO3、YBO3、LaBO3、Mg3(BO3)2、Co3(BO3)2、二ホウ酸塩(例えば、Mg2B2O5、Co2B2O5)、メタホウ酸塩(例えば、LiBO2、Ca(BO2)2、NaBO2、KBO2)、四ホウ酸塩(例えば、Na2B4O7・10H2O)、五ホウ酸塩(例えば、KB5O8・4H2O、Ca2B6O11・7H2O、CsB5O5)等を挙げることができる。これらのホウ酸及びホウ酸塩の中でも、塗工液の経時安定性と、クラック発生の抑制効果の点からオルトホウ酸を用いることが好ましい。オルトホウ酸は水溶液の状態で使用することが好ましい。オルトホウ酸含有水溶液の乾燥固形分濃度は、0.5質量%以上8.0質量%以下が好ましい。この範囲にすることで、塗工液の濃度が低下して乾燥速度が大幅に低下することを良好に防ぎ、オルトホウ酸が析出することを特に抑制できる。ホウ酸及びホウ酸塩を添加する方法については、例えば以下のような方法がある。塗工液に直接ホウ酸及びホウ酸塩を添加してバッチ方式で塗布を行う方法、ホウ酸及びホウ酸塩を予めアルミナ水和物またはアルミナの分散液に添加しておき、塗布直前にバインダーと連続的に混合しながら塗布を行う方法、ホウ酸及びホウ酸塩を別の水性媒体に溶解しておき、塗布直前に塗工液へインライン添加する方法、更には、アルミナ水和物またはアルミナとバインダーを含む塗工液の塗布前後に、ホウ酸及びホウ酸塩を含む溶液を塗布する方法等が挙げられ、何れの方法も利用できる。上層形成用塗工液に含まれるホウ酸及びホウ酸塩の添加量は、塗工液の経時安定性と、クラック発生の抑制効果の観点から、上層形成用塗工液に含まれるアルミナ及びアルミナ水和物の総量に対して0.3質量%以上2.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上1.5質量%以下であることがより好ましい。また、下層形成用塗工液に含まれるホウ酸及びホウ酸塩の添加量は、塗工液の経時安定性と、クラック発生の抑制効果の観点から、下層形成用塗工液に含まれるアルミナ及びアルミナ水和物の総量に対して1.0質量%以上2.5質量%以下であることが好ましく、1.7質量%以上2.2質量%以下であることがより好ましい。また、下層形成用塗工液におけるアルミナ及びアルミナ水和物に対するホウ酸及びホウ酸塩の添加量は、上層形成用塗工液におけるアルミナ及びアルミナ水和物に対するホウ酸及びホウ酸塩の添加量よりも多いことが好ましい。
本発明のインク受容層は、それぞれ水溶性ジルコニウム化合物を含有する。水溶性ジルコニウム化合物の例としては、例えば酢酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩基性炭酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、炭酸ジルコニウム・アンモニウム、炭酸ジルコニウム・カリウム、硫酸ジルコニウム、フッ化ジルコニウム、塩化ジルコニウム、塩化ジルコニウム八水和物、酸塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム等が挙げられる。これらの水溶性ジルコニウム化合物の中でも、インク受容層塗工液のpHが極度に低下してホウ酸による架橋を阻害することが少ない、酢酸ジルコニウム(酢酸ジルコニル)、酸塩化ジルコニウムが特に好ましい。水溶性ジルコニウム化合物は1種類で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
上層用及び下層用インク受容層ならびにその塗工液には、それぞれ必要に応じて各種の添加剤を含有していてもよい。例えば、各種カチオン性樹脂等の定着剤、樹脂エマルジョン、多価金属塩等の凝集剤、界面活性剤、蛍光増白剤、増粘剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、浸透剤、滑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、防腐剤、pH調節剤等である。その添加量は適宜調整することができる。
濾水度450mlCSF(Canadian Standarad Freeness)の、広葉樹晒しクラフトパルプ(LBKP)と、濾水度480mlCSFの、針葉樹晒しクラフトパルプ(NBKP)と、水とからなるパルプスラリー100質量部(LBKP:NBKPは質量基準で8:2の割合で混合)に、カチオン化澱粉0.60質量部、重質炭酸カルシウム10質量部、軽質炭酸カルシウム15質量部、アルキルケテンダイマー0.10質量部、カチオン性ポリアクリルアミド0.03質量部を外添した。このようにして、紙料を調整した。調製後、長網抄紙機で抄造し、3段のウエットプレスを行って、多筒式ドライヤーで乾燥した。その後、サイズプレス装置で、酸化澱粉水溶液を(酸化澱粉)の固形分で1.0g/m2となるように含浸し、乾燥後、マシンカレンダ−仕上げをし、坪量155g/m2の基紙を得た。
(アルミナ水和物分散液の調製)
イオン交換水333部に対して、解膠酸として、メタンスルホン酸1.65部を添加した。このメタンスルホン酸水溶液をホモミキサー(特殊機化工業製、商品名:T.K.ホモミクサーMARKII2.5型)で3000rpmの回転条件で攪拌しながらアルミナ水和物(DISPERAL HP14、サソール社製)100部を少量ずつ添加した。添加終了後もそのまま30分間攪拌し、固形分濃度23%のアルミナ水和物分散液を調製した。
イオン交換水333部に対して、解膠酸として、メタンスルホン酸1.65部を添加した。このメタンスルホン酸水溶液をホモミキサー(特殊機化工業製、商品名:T.K.ホモミクサーMARKII2.5型)で3000rpmの回転条件で攪拌した。拡販しながら、気相法γ―アルミナ(Aeroxide Alu C、Evonik社製)100部を少量ずつ添加した。添加終了後もそのまま30分間攪拌し、固形分濃度23%のアルミナ分散液を調製した。
以下のようにしてカチオン性ポリウレタンエマルジョンを製造した。
攪拌装置、温度計及び還流冷却管を備えた反応容器に、反応溶媒としてアセトン109gを投入した。撹拌下、3,6−ジチア−1,8−オクタンジオールを40.00g、メチルジエタノールアミンを6.79g溶解後、40℃まで昇温してイソホロンジイソシアネートを62.07g加えた。その後50℃まで昇温して錫系触媒を0.2g加え、さらに55℃まで昇温して撹拌しながら4時間反応を行った。反応終了後、反応溶液を室温まで冷却して85%蟻酸3.09gを加えて反応生成物をカチオン化した。さらに水446gを加えた後、減圧濃縮してアセトンを除去し、水で濃度調製することにより固形分20%のカチオン性エマルション1を製造した。得られたカチオン性エマルション1の平均粒子径をレーザー粒径解析装置PARIII(大塚電子製)により測定した結果、50nmであった。
イオン交換水420部に対し、ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(商品名:シャロールDC902P、第一工業製薬製)5部を吸引型分散撹拌機Conti−TDSに添加した。更に、最大回転数で気相法シリカ(商品名:AEROSIL300、日本アエロジル製)を少量ずつ100部添加し、24時間分散を行い固形分濃度20%の気相法シリカ分散液を得た。
(上層塗工液A1の組成)
・アルミナ水和物分散液 348.00部
・アルミナ分散液 87.00部
・カチオン性ポリウレタンエマルジョン 15.00部
・ポリビニルアルコ−ル水溶液(PVA235、クラレ製、重量平均重合度3500、けん化度88モル%、固形分8質量%) 112.50部
・界面活性剤(サーフィノール465、日信化学工業製) 0.70部
・酢酸ジルコニル(ジルコゾールZA−30、第一希元素化学工業製、固形分30質量%) 0.67部
・オルトホウ酸水溶液(固形分5質量%) 23.00部
(下層塗工液B1の組成)
・アルミナ水和物分散液 435.00部
・ポリビニルアルコ−ル水溶液(PVA235、クラレ製、重量平均重合度3500、けん化度88モル%、固形分8質量%) 112.50部
・酢酸ジルコニル(ジルコゾールZA−30、第一希元素化学工業製、固形分30質量%) 1.67部
・オルトホウ酸水溶液(固形分5質量%) 40.00部
上述の2種の塗工液を、上記支持体の表面側に、下層インク受容層の固形分塗工量が25g/m2、上層インク受容層の固形分塗工量が10g/m2となるように、上層1層、下層1層の合計2層を多層スライドホッパー型塗工装置にて塗工した。続いて塗工した塗工液を60℃で乾燥し、インク受容層を有する記録媒体1を得た。
前記記録媒体1のインク受容層の作成において、下層インク受容層の固形分塗工量を32g/m2、上層インク受容層の固形分塗工量を3g/m2に変更したこと以外は記録媒体1と同様にして記録媒体2を得た。
前記記録媒体1のインク受容層の作成において、下層インク受容層の固形分塗工量を15g/m2、上層インク受容層の固形分塗工量を20g/m2に変更したこと以外は記録媒体1と同様にして記録媒体3を得た。
前記記録媒体1のインク受容層の作成において、下層インク受容層の固形分塗工量を15g/m2に変更したこと以外は記録媒体1と同様にして記録媒体4を得た。
前記記録媒体1のインク受容層用の作成において、下層インク受容層の固形分塗工量を40g/m2に変更したこと以外は記録媒体1と同様にして記録媒体5を得た。
前記記録媒体1の上層塗工液A1の組成において、酢酸ジルコニルの添加量を0.17部に変更したこと以外は記録媒体1と同様にして記録媒体6を得た。
前記記録媒体1の上層塗工液A1の組成において、酢酸ジルコニルの添加量を2.67部に変更したこと以外は記録媒体1と同様にして記録媒体7を得た。
前記記録媒体1の下層塗工液B1の組成において、酢酸ジルコニルの添加量を1.00部に変更したこと以外は記録媒体1と同様にして記録媒体8を得た。
前記記録媒体1の下層塗工液B1の組成において、酢酸ジルコニルの添加量を6.00部に変更したこと以外は記録媒体1と同様にして記録媒体9を得た。
前記記録媒体1の上層塗工液A1の組成において、オルトホウ酸水溶液の添加量を6.00部に変更したこと以外は記録媒体1と同様にして記録媒体10を得た。
前記記録媒体1の上層塗工液A1の組成において、オルトホウ酸水溶液の添加量を40.00部に変更したこと以外は記録媒体1と同様にして記録媒体11を得た。
前記記録媒体1の下層塗工液B1の組成において、オルトホウ酸水溶液の添加量を20.00部に変更したこと以外は記録媒体1と同様にして記録媒体12を得た。
前記記録媒体1の下層塗工液B1の組成において、オルトホウ酸水溶液の添加量を50.00部に変更したこと以外は記録媒体1と同様にして記録媒体13を得た。
前記記録媒体1の上層塗工液A1の組成において、酢酸ジルコニルの添加量を2.67部に、またオルトホウ酸水溶液の添加量を30.00部に変更したこと以外は記録媒体1と同様にして記録媒体14を得た。
前記記録媒体1の上層塗工液A1の組成において、酢酸ジルコニルの添加量を0.17部に、またオルトホウ酸水溶液の添加量を6.00部に変更したこと以外は記録媒体1と同様にして記録媒体15を得た。
前記記録媒体1の下層塗工液B1の組成において、酢酸ジルコニルの添加量を6.00部に、またオルトホウ酸水溶液の添加量を50.00部に変更したこと以外は記録媒体1と同様に記録媒体16を得た。
前記記録媒体1の下層塗工液B1の組成において、酢酸ジルコニルの添加量を1.33部に、またオルトホウ酸水溶液の添加量を20.00部に変更したこと以外は記録媒体1と同様に記録媒体17を得た。
前記記録媒体1の上層塗工液A1の組成において、ポリビニルアルコール水溶液の添加量を62.50部に変更したこと以外は記録媒体1と同様にして記録媒体18を得た。
前記記録媒体1の上層塗工液A1の組成において、ポリビニルアルコール水溶液の添加量を162.50部に変更したこと以外は記録媒体1と同様にして記録媒体19を得た。
前記記録媒体1の下層塗工液B1の組成において、ポリビニルアルコール水溶液の添加量を87.50部に変更したこと以外は記録媒体1と同様にして記録媒体20を得た。
前記記録媒体1の下層塗工液B1の組成において、ポリビニルアルコール水溶液の添加量を187.50部に変更したこと以外は記録媒体1と同様にして記録媒体21を得た。
前記記録媒体1の上層塗工液A1の組成において、酢酸ジルコニルの添加量を3.33部に変更したこと以外は記録媒体1と同様にして記録媒体22を得た。
前記記録媒体1の上層塗工液A1の組成において、オルトホウ酸水溶液の添加量を40.00部に変更したこと以外は記録媒体1と同様にして記録媒体23を得た。
前記記録媒体1の上層、下層塗工液A1、B1の組成において、酢酸ジルコニルを酸塩化ジルコニウム(第一希元素化学工業製、固形分33質量%)に変更したこと以外は記録媒体1と同様にして記録媒体24を得た。
前記記録媒体1の上層、下層塗工液A1、B1の組成において、酢酸ジルコニルを硝酸ジルコニル(ジルコゾールZN、第一希元素化学工業製、固形分25質量%)に変更したこと以外は記録媒体1と同様にして記録媒体25を得た。
前記記録媒体1の上層、下層塗工液A1、B1の組成において、ポリビニルアルコール水溶液を別のポリビニルアルコール水溶液(JM26、日本酢ビ・ポバール製、重量平均重合度2600、けん化度97モル%、固形分8質量%)に変更した。これ以外は記録媒体1と同様にして記録媒体26を得た。
前記記録媒体1の上層、下層塗工液A1、B1の組成において、ポリビニルアルコール水溶液を別のポリビニルアルコール水溶液(PVA420、クラレ製、重量平均重合度2000、けん化度80モル%、固形分8質量%)に変更した。これ以外は記録媒体1と同様にして記録媒体27を得た。
前記記録媒体1の下層塗工液B1の組成を以下のB2に変更したこと以外は記録媒体1と同様にして記録媒体28を得た。
・アルミナ水和物分散液 435.00部
・ポリビニルアルコ−ル水溶液(PVA235、クラレ製、重量平均重合度3500、けん化度88モル%、固形分8質量%) 112.50部
・ジアリルアミン塩酸塩・二酸化イオウ共重合体樹脂(PAS−92、日東紡製、固形分20質量%) 2.50部
・酢酸ジルコニル(ジルコゾールZA−30、第一希元素化学工業製、固形分30質量%) 1.67部
・オルトホウ酸水溶液(固形分5質量%) 40.00部
前記記録媒体1の上層塗工液A1の組成を以下のA2に変更したこと以外は記録媒体1と同様にして記録媒体29を得た。
・アルミナ水和物分散液 348.00部
・アルミナ分散液 87.00部
・ポリビニルアルコ−ル水溶液(PVA235、クラレ製、重量平均重合度3500、けん化度88モル%、固形分8質量%) 112.50部
・界面活性剤(サーフィノール465、日信化学工業製) 0.70部
・酢酸ジルコニル(ジルコゾールZA−30、第一希元素化学工業製、固形分30質量%) 0.67部
・オルトホウ酸水溶液(固形分5質量%) 23.00部
前記記録媒体1の上層塗工液A1の組成を以下のA3に変更したこと以外は記録媒体1と同様にして記録媒体30を得た。
・アルミナ水和物分散液 435.00部
・カチオン性ポリウレタンエマルジョン 15.00部
・ポリビニルアルコ−ル水溶液(PVA235、クラレ製、重量平均重合度3500、けん化度88モル%、固形分8質量%) 112.50部
・界面活性剤(サーフィノール465、日信化学工業製) 0.70部
・酢酸ジルコニル(ジルコゾールZA−30、第一希元素化学工業製、固形分30質量%) 0.67部
・オルトホウ酸水溶液(固形分5質量%) 23.00部
〔記録媒体31の作製〕
前記記録媒体1の上層塗工液A1の組成において、酢酸ジルコニルの添加量を4.33部に変更したこと以外は記録媒体1と同様にして記録媒体31を得た。
前記記録媒体1の下層塗工液B1の組成において、酢酸ジルコニルの添加量を7.33部に変更したこと以外は記録媒体1と同様にして記録媒体32を得た。
前記記録媒体1の上層、下層塗工液A1、B1の組成において、酢酸ジルコニルを添加しなかったこと以外は記録媒体1と同様にして記録媒体33を得た。
前記記録媒体1の上層塗工液A1の組成において、酢酸ジルコニルを添加しなかったこと以外は記録媒体1と同様にして記録媒体34を得た。
前記記録媒体1の下層塗工液B1の組成において、酢酸ジルコニルを添加しなかったこと以外は記録媒体1と同様にして記録媒体35を得た。
前記記録媒体1の上層、下層塗工液A1、B1の組成において、オルトホウ酸水溶液を添加しなかったこと以外は記録媒体1と同様にして記録媒体36を得た。
前記記録媒体1の上層塗工液A1の組成において、オルトホウ酸水溶液を添加しなかったこと以外は記録媒体1と同様にして記録媒体37を得た。
前記記録媒体1の下層塗工液B1の組成において、オルトホウ酸水溶液を添加しなかったこと以外は記録媒体1と同様にして記録媒体38を得た。
前記記録媒体1の上層塗工液A1の組成において、酢酸ジルコニルの添加量を0.50部に、またオルトホウ酸水溶液の添加量を2.00部に変更したこと以外は記録媒体1と同様にして記録媒体39を得た。
前記記録媒体1の下層塗工液B1の組成において、酢酸ジルコニルの添加量を0.20部に、またオルトホウ酸水溶液の添加量を1.15部に変更したこと以外は記録媒体1と同様にして記録媒体40を得た。
前記記録媒体1の上層塗工液A1の組成において、酢酸ジルコニルの添加量を0.80部に、またオルトホウ酸水溶液の添加量を2.00部に変更したこと以外は記録媒体1と同様にして記録媒体41を得た。
前記記録媒体1の下層用塗工液B1の組成において、酢酸ジルコニルの添加量を0.20部に、またオルトホウ酸水溶液の添加量を1.00部に変更したこと以外は記録媒体1と同様にして記録媒体42を得た。
前記記録媒体1の上層塗工液A1の組成において、酢酸ジルコニルを添加せずにオルトホウ酸水溶液の添加量を1.35部に変更し、下層塗工液B1の組成において、酢酸ジルコニルを添加せずにオルトホウ酸水溶液の添加量を2.50部に変更した。これ以外は記録媒体1と同様にして記録媒体43を得た。
前記記録媒体1の上層塗工液A1の組成を以下のA4に変更したこと以外は記録媒体1と同様にして記録媒体44を得た。
・気相法シリカ分散液 500.00部
・カチオン性ポリウレタンエマルジョン 15.00部
・ポリビニルアルコ−ル水溶液(PVA235、クラレ製、重量平均重合度3500、けん化度88モル%、固形分8質量%) 250.00部
・界面活性剤(サーフィノール465、日信化学工業製) 0.70部
・酢酸ジルコニル(ジルコゾールZA−30、第一希元素化学工業製、固形分30質量%) 3.33部
・オルトホウ酸水溶液(固形分5質量%) 60.00部
前記記録媒体1の下層塗工液B1の組成を以下のB3に変更したこと以外は記録媒体1と同様にして記録媒体45を得た。
・気相法シリカ分散液 500.00部
・ポリビニルアルコ−ル水溶液(PVA235、クラレ製、重量平均重合度3500、けん化度88モル%、固形分8質量%) 250.00部
・酢酸ジルコニル(ジルコゾールZA−30、第一希元素化学工業製、固形分30質量%) 6.67部
・オルトホウ酸水溶液(固形分5質量%) 80.00部
前記記録媒体1の上層塗工液A1の組成を前記のA4に、下層塗工液B1の組成を前記のB3に変更したこと以外は記録媒体1と同様にして記録媒体46を得た。
<耐クラック性>
上述の各記録媒体のインク受容層表面を観察し、クラックに関して以下の基準で評価を行った。
・ランク5:顕微鏡で観察してもクラックの発生は認められなかった。
・ランク4:肉眼で観察してもクラックの発生は確認されなかったが、顕微鏡で観察したところ、微小なクラックが一部に認められた。
・ランク3:肉眼で観察してもクラックの発生は確認されなかったが、顕微鏡で観察したところ微小なクラックが多数認められた。
・ランク2:肉眼で観察してクラックが一部に認められた。
・ランク1:肉眼で観察してクラックが多数認められた。
上述の各記録媒体を温度30℃、相対湿度80%の高湿環境下に6時間保存したのち、同環境下でインクジェットプリンタMP980(商品名、キヤノン製)にてシアンのベタ画像を形成した。そして、ブロンジング発生の有無を、それぞれ以下の評価基準に基づき目視評価した。
・ランク5:ブロンジングの発生は認められなかった。
・ランク4:僅かに反射光に赤みが認められた。
・ランク3:ある程度、反射光に赤みが認められた。
・ランク2:金属光沢調のブロンジングが認められた。
・ランク1:ブロンジングにより光沢が失われていた。
上述の各記録媒体にiP4600(商品名、キヤノン製)を用いてブラック(Bk)インクにより、100%Dutyの画像を記録した。記録後、光学濃度を光学反射濃度計(X−Rite社製、530分光濃度計)を用いて測定し、下記の評価基準に基づきランクを決定した。
・ランク5:2.20以上
・ランク4:2.10以上2.20未満
・ランク3:2.00以上2.10未満
・ランク2:1.90以上2.00未満
・ランク1:1.90未満
上述の各記録媒体のインク吸収性をそれぞれ評価した。印字はiP4600(商品名、キヤノン製)の印字処理方法を改造した装置を用いた。印字パターンは、Green色の64階調のベタ(6.25%Duty刻みで64階調、0〜400%Duty)を用いた。具体的には、0%Dutyから400%Dutyまで、6.25%ずつDutyを変更した、Dutyの異なる64種類の1平方インチのベタ画像を形成した。各ベタ画像は、キャリッジ速度が25インチ/秒で、往復2回のパスで印字が完了する双方向印字で形成した。尚、400%Dutyとは、解像度が600dpiのインクジェットヘッドを用いて、1/600平方インチあたりに44ngのインクを付与することを意味する。インク吸収性とビーディングはほぼ相関性があるため、ビーディングを評価することによって、記録媒体のインク吸収性を評価した。ビ―ディングとは、表面に付与されたインク滴がインク受容層に吸収される前に、隣接するインク滴と接触して色ムラのある画像ができる現象を言う。評価は目視で行い、下記の評価基準に基づきランクを決定した。
・ランク4:300%Dutyでもビーディングが観察されなかった。
・ランク3:250%Duty以上300%Duty以下の範囲ではビーディングがやや観察されたが、250%Duty未満ではビーディングが観察されなかった。
・ランク2:200%Duty以上250%Duty以下の範囲ではビーディングがやや観察されたが、200%Duty未満ではビーディングが観察されなかった。
・ランク1:200%Duty未満でもビーディングが観察された。
上述の各記録媒体を温度30℃、相対湿度80%の高湿環境下に6時間保存したのち、同環境下で、インクジェットプリンタPIXUS MP990(商品名、キヤノン製)のプラチナモード(デフォルト設定)により、ブラックのベタ画像の印字を行なった。印字物表面の搬送ローラー通過部の傷を、以下の基準に基づいて目視で評価を行った。
・ランク5:ローラーマークが観察されなかった。
・ランク4:かすかなローラーマークが一本が観察された。
・ランク3:かすかなローラーマークが複数本が観察された。
・ランク2:かすかなローラーマークに加えて、明確なローラーマークも一本が観察された。
・ランク1:明確なローラーマークが複数本観察された。
上述の各記録媒体を温度15℃、相対湿度10%で24時間調湿した後、直径がそれぞれ6mm、12mm、16mm、20mmの円筒に巻き付け、インク吸収層のヒビ割れが生じる棒の直径を調べ、下記の基準で目視で評価を行った。
・ランク5:全ての円筒において折り割れが発生しなかった。
・ランク4:円筒直径が6mmの場合のみ折り割れが発生した。
・ランク3:円筒半径が6mm、12mmの場合のみ折り割れが発生した。
・ランク2:円筒半径が6mm、12mm、16mmの場合のみ折り割れが発生した。
・ランク1:円筒半径が6mm、12mm、16mm、20mmのいずれの場合においても折り割れが発生した。
Claims (6)
- 支持体と、該支持体上に該支持体から近い側から順に、第1のインク受容層と第2のインク受容層とを有するインクジェット記録媒体であって、
該第1のインク受容層及び該第2のインク受容層は、いずれも、アルミナ及びアルミナ水和物から選ばれる少なくとも1種と、ポリビニルアルコールと、ホウ酸及びホウ酸塩から選ばれる少なくとも1種と、水溶性ジルコニウム化合物とを含有し、
該第1のインク受容層における、アルミナ及びアルミナ水和物の合計含有量に対する、ホウ酸及びホウ酸塩と水溶性ジルコニウム化合物の合計含有量が、該第2のインク受容層における、アルミナ及びアルミナ水和物の合計含有量に対する、ホウ酸及びホウ酸塩と水溶性ジルコニウム化合物の合計含有量よりも多いことを特徴とするインクジェット記録媒体。 - 前記水溶性ジルコニウム化合物が、酢酸ジルコニルである請求項1に記載のインクジェット記録媒体。
- 前記第1のインク受容層における、アルミナ及びアルミナ水和物の合計含有量に対する、ホウ酸及びホウ酸塩と水溶性ジルコニウム化合物の合計含有量と、前記第2のインク受容層における、アルミナ及びアルミナ水和物の合計含有量に対する、ホウ酸及びホウ酸塩と水溶性ジルコニウム化合物の合計含有量との差が、0.2質量%以上3.0質量%以下である請求項1又は2に記載のインクジェット記録媒体。
- 前記第1のインク受容層における、アルミナ及びアルミナ水和物の合計含有量に対するホウ酸及びホウ酸塩の合計含有量が、1.0質量%以上2.5質量%以下であり、
前記第2のインク受容層におけるアルミナ及びアルミナ水和物の合計含有量に対するホウ酸及びホウ酸塩の合計含有量が、0.3質量%以上2.0質量%以下である請求項1乃至3の何れか1項に記載のインクジェット記録媒体。 - 前記第1のインク受容層における、アルミナ及びアルミナ水和物の合計含有量に対する、水溶性ジルコニウム化合物の含有量が、0.3質量%以上2.20質量%以下であり、
前記第2のインク受容層における、アルミナ及びアルミナ水和物の合計含有量に対する、水溶性ジルコニウム化合物の含有量が、0.05質量%以上1.00質量%以下である請求項1乃至4の何れか1項に記載のインクジェット記録媒体。 - 前記第1のインク受容層における、アルミナ及びアルミナ水和物の合計含有量に対する、ポリビニルアルコールの含有量が、7.0質量%以上15.0質量%以下であり、
前記第2のインク受容層における、アルミナ及びアルミナ水和物の合計含有量に対する、ポリビニルアルコールの含有量が、5.0質量%以上13.0質量%以下である請求項1乃至5の何れか1項に記載のインクジェット記録媒体。
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