JP2015150878A - 染料インク及び顔料インク両用のインクジェット記録材料及びインクジェット記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】染料インクで印字した画像の耐オゾン性及び耐水性が良好で、且つ顔料インクで印字した画像の擦過性が良好で、更に両インクのインク吸収性が良好な、染料インク及び顔料インク両用のインクジェット記録材料及びインクジェット記録方法。
【解決手段】支持体上に平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子を主体に含有するインク受容層と、前記インク受容層上にアクリル樹脂とウレタン樹脂からなるコアシェル型エマルジョンを主体に含有する表面層を少なくとも有し、前記表面層に2μlの蒸留水を滴下したときの滴下後0.1秒後の接触角が65°〜80°であり、滴下後30秒後の接触角が60°〜75°である染料インク及び顔料インク両用のインクジェット記録材料。
【選択図】なし
【解決手段】支持体上に平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子を主体に含有するインク受容層と、前記インク受容層上にアクリル樹脂とウレタン樹脂からなるコアシェル型エマルジョンを主体に含有する表面層を少なくとも有し、前記表面層に2μlの蒸留水を滴下したときの滴下後0.1秒後の接触角が65°〜80°であり、滴下後30秒後の接触角が60°〜75°である染料インク及び顔料インク両用のインクジェット記録材料。
【選択図】なし
Description
本発明は、染料インク及び顔料インク両用のインクジェット記録材料及びインクジェット記録方法に関する。
近年インクジェット記録技術の向上は著しく、最近では写真等の高品位な画像の出力にインクジェット記録方式が広く用いられている。品質の向上に伴い、インクジェット記録方式の使用は、ホームユースプリンター、オフィスユースプリンターにとどまらず、屋外広告などのサイン・ディスプレイ用途やラベル用途、フォトブック用途等幅広く用いられている。
インクジェットプリンターに使用されるインクを大きく分類すると、染料インクと顔料インクに大別される。
従来、染料インクを用いて印字された画像は、優れた発色性を有する反面、耐水性や耐オゾン性に劣ると言われている。一方顔料インクを用いて印字された画像は、優れた耐水性や耐オゾン性を有する反面、染料インクに比べると発色性が劣り、さらに擦過性が弱く、指で印字部を擦った場合、画像が欠落するということがあった。
上記のように染料インクと顔料インクのいずれのインクにもメリット、デメリットがあり、印字後の記録材料の用途により顧客が染料インクまたは顔料インクを選択しているのが現状である。このような現状の中、1つのメディアで染料インク、顔料インク両方における適性を付与することは、使用の用途を広げ商品の優位性を高めることになる。
染料インク、顔料インク両方の適性を付与するとは、従来より言われている染料インクでの大きな問題点である、耐水性や耐オゾン性と、顔料インクでの大きな問題点である擦過性をメディア側で両立することが必要となる。上記問題が解決できれば、顧客は、使用用途によってメディアを選択する必要がなくなり、利便性の高いメディアとなる。
特開2006−62230号公報(特許文献1)には、顔料であるシリカと結着剤であるポリビニルアルコールからなるインクジェット用紙に関し、表層にカチオン性物質が付与されることを特徴とした染料インク及び顔料インク両用の記録用紙が開示されている。また特開2013−163322号公報(特許文献2)には、顔料及び結着剤を主体とするインク吸収層を有し、その表面のpH及びゼータ電位を特定した染料インク及び顔料インク両用の記録材料が開示されている。しかしながら、染料インクにおける問題点である耐水性や耐オゾン性、また顔料インクにおける問題点である擦過性等の記載はなく、染料インク及び顔料インク両用とは言い難い。
特開2008−265152号公報(特許文献3)には、蒸留水に対する接触角を規定した染料インク、顔料インク両用の記録材料が開示されている。しかしながら滴下後の時間が経ったときの接触角が低く、水に対する疎水性が低く、染料インクでの耐水性と言う部分では充分ではなかった。
特開2001−341407号公報(特許文献4)には、インク溶媒吸収層上の最外層に熱可塑性樹脂粒子を含有するインクジェット記録媒体に関し、印字後に加熱及び加圧を同時に行う画像形成方法により、耐擦過性及び離型性の向上を可能にする画像形成方法が開示されている。確かに該公報による層構成、画像形成方法により耐擦過性及び離型性が向上するものの、該公報は顔料インク限定に記載されたものであり、記載される熱可塑性樹脂粒子を使用した場合、染料インクに関して、耐水性という部分では充分なものではなかった。
また特開2008−105235号公報(特許文献5)には、無機微粒子を主体に含有するインク受容層を有し、該インク受容層上にアクリル系樹脂エマルジョンを含有する表面層を有する記録材料が開示されている。また前記アクリル系樹脂エマルジョンの一例としてアクリル樹脂とウレタン樹脂からなるコアシェル型エマルジョンの記載があるが、該記録材料は、グリコールエーテルをインク100質量部に対して60質量部以上含有するグリコール系インクで印字する溶剤系顔料インク用に特定されたインクジェット記録材料であり、染料インク及び水性顔料インクに関する記載はない。
特開2006−44013号公報(特許文献6)には、顔料及びバインダーを含有する第1塗工層、第1塗工層上に顔料及びバインダーを有する第2塗工層を有するインクジェット記録体において、第一塗工層は顔料として二酸化チタンを含有し、第二塗工層は、細孔直径分布曲線におけるピークが0.06μm以下であるシリカまたはアルミナを含有する染料、顔料インク両用の記録材料が開示されている。またインクの定着性を向上させる目的として、第3塗工層にアクリル酸エステル系エマルジョンを含有する層を有することも追記されているが、染料インクにおける耐オゾン性や耐水性、また顔料インクにおける擦過性において充分なものではなかった。
本発明の目的は、染料インクで印字した画像の耐オゾン性及び耐水性が良好で、且つ顔料インクで印字した画像の擦過性が良好で、更に両インクのインク吸収性が良好な、染料インク及び顔料インク両用のインクジェット記録材料、及びインクジェット記録方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記手段によって達成できることが判明した。
1)支持体上に平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子を主体に含有するインク受容層と、前記インク受容層上にアクリル樹脂とウレタン樹脂からなるコアシェル型エマルジョンを主体に含有する表面層を少なくとも有し、前記表面層に2μlの蒸留水を滴下したときの滴下後0.1秒後の接触角が65°〜80°であり、滴下後30秒後の接触角が60°〜75°であることを特徴とする染料インク及び顔料インク両用のインクジェット記録材料。
2)表面層におけるアクリル樹脂とウレタン樹脂からなるコアシェル型エマルジョンの含有量が20〜1000mg/m2である上記1)に記載の、染料インク及び顔料インク両用のインクジェット記録材料。
3)上記1)または上記2)に記載の、染料インク及び顔料インク両用のインクジェット記録材料に、インクジェットプリンターで印字した後、熱処理することを特徴とするインクジェット記録方法。
2)表面層におけるアクリル樹脂とウレタン樹脂からなるコアシェル型エマルジョンの含有量が20〜1000mg/m2である上記1)に記載の、染料インク及び顔料インク両用のインクジェット記録材料。
3)上記1)または上記2)に記載の、染料インク及び顔料インク両用のインクジェット記録材料に、インクジェットプリンターで印字した後、熱処理することを特徴とするインクジェット記録方法。
本発明により、染料インクで印字した画像の耐オゾン性及び耐水性が良好で、且つ顔料インクで印字した画像の擦過性が良好で、更に両インクでのインク吸収性が良好な、染料インク及び顔料インク両用のインクジェット記録材料、及びインクジェット記録方法を提供することができる。
以下、本発明の染料インク及び顔料インク両用のインクジェット記録材料について詳細に説明する。本発明の効果を実現するためには、アクリル樹脂とウレタン樹脂からなるコアシェル型エマルジョンを主体に含有する表面層が必要である。
上述したような本発明に用いられるアクリル樹脂とウレタン樹脂からなるコアシェル型エマルジョンとしては、詳しくはアクリル樹脂をコアに、ウレタン樹脂をシェルとして有するエマルジョンである。このようなコアシェル型エマルジョンとしては、例えば大成ファインケミカル株式会社製のアクリットWEM−041U、アクリットWEM−200U、アクリットWEM−290A等が市販されているので、入手し使用することができる。なお、表面層は後述するように、好ましくは前記したコアシェル型エマルジョンを含有する塗布液を塗布、乾燥することで設けられ、該表面層はエマルジョンの形で該樹脂を含有するわけではないが、本発明では便宜上、コアシェル型エマルジョンを含有すると記載する。
アクリル樹脂とウレタン樹脂からなるコアシェル型エマルジョンを主体に含有し、2μlの蒸留水を滴下したとき、0.1秒後の接触角が65°〜80°で、滴下後30秒後の接触角が60°〜75°である表面層は、時間が経った際でも蒸留水との接触角が高い状態を保持しており、十分な耐水性と良好なインク吸収性を両立することが可能となる。
上記接触角の測定方法について記載する。上記した接触角の測定に使用する測定機器は、例えば協和界面科学株式会社製、全自動接触角計CA−W型を挙げることができる。かかる接触角計では、ステージ上にインクジェット記録材料を準備し、マイクロシリンジを使用して2μlの蒸留水液滴を滴下させ、滴下後の液滴の形状をビデオカメラにて撮影し、その画像を解析することによって接触角が求められる。液滴がインクジェット記録材料に接触した瞬間を0秒とし、上記記載の0.1秒後とは、液滴がインクジェット記録材料に接触してから0.1秒後を意味し、上記記載の30秒後とは、液滴がインクジェット記録材料に接触してから30秒後を意味する。
上記した高い接触角が得られる理由としては、アクリル樹脂とウレタン樹脂からなるコアシェル型エマルジョンを主体に含有する表面層において、該エマルジョン粒子は、均一に塗工されている場合であっても、下層となる無機微粒子を主体に含有するインク受容層の空隙に一部入り込み、表面としては、エマルジョンが非常に微細な凹凸を形成しており、高い接触角を示し、結果として高い撥水性を示していると考えられる。
また高い撥水性を示すもう一つの理由としては、本発明において用いられる、アクリル樹脂とウレタン樹脂からなるコアシェル型エマルジョンのガラス転移点が関与していると思われる。高い撥水性による染料インクで印字した際の耐水性を付与させることと、染料インク及び顔料インク両インクでの吸収性を両立させるためには、コア部のガラス転移点及びシェル部のガラス転移点は、25℃以上90℃以下であることが好ましい。さらには35℃以上80℃以下であることがより好ましい。コア部のガラス転移点及びシェル部のガラス転移点が25℃よりも低い場合は、表面にて比較的簡単に皮膜化を起こし、蒸留水による接触角も高過ぎる傾向となり、インク吸収性において阻害を起こす可能性がある。またコア部のガラス転移点及びシェル部のガラス転移点が90℃より高い場合は、表面層の皮膜化が進み難く、蒸留水による接触角は低い傾向となり、結果として染料インクの耐水性が充分に得られない可能性がある。
本発明のインクジェット記録材料は、インク受容層上にアクリル樹脂とウレタン樹脂からなるコアシェル型エマルジョンを主体に含有する表面層を有するが、該表面層には塗布適性、色調あわせ、表面強度向上など必要に応じて界面活性剤、着色染料、着色顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、消泡剤、レベリング剤、バインダーとしての水溶性ポリマーや他の樹脂エマルジョン、pH調整剤などを添加することもできる。なお、本発明の表面層がアクリル樹脂とウレタン樹脂からなるコアシェル型エマルジョンを主体に含有するとは、表面層中の全体に対する該エマルジョンの固形分比率が50質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更には95質量%であることがとくに好ましい。
本発明の表面層が含有する、アクリル樹脂とウレタン樹脂からなるコアシェル型エマルジョンの含有量は、20〜1000mg/m2が好ましい。20mg/m2よりも少ない場合は、染料インクで印字した際の耐オゾン性及び耐水性、顔料インクで印字した際の擦過性において、充分な効果が得られない場合があり、1000mg/m2よりも多い場合は、染料インク、顔料インクいずれにおいてもインク吸収性が悪化する場合がある。
本発明において、得られた染料インク及び顔料インク両用のインクジェット記録材料に印字後、印字画像に熱処理することができる。熱処理を行なうことで、アクリル樹脂とウレタン樹脂からなるコアシェル型エマルジョンの連続膜が形成され、一段と染料インクで印字された際の耐水性、顔料インクで印字された際の擦過性が良化する傾向にある。
上記した熱処理を行う際の熱には特に限定はなく、放射熱であっても良いし、ローラーを介した熱であっても良い。熱処理の温度は、使用するアクリル樹脂とウレタン樹脂からなるコアシェル型エマルジョンのガラス転移温度よりも高いことが好ましい。
本発明において、インク受容層の上への表面層塗設は、インク受容層の塗布液を支持体上に塗布した後に乾燥することにより、該インク受容層中に充分な空隙を形成し、インク受容層の空隙容量以下の塗布量に調整した表面層の塗布液を塗布することが好ましい。これにより、表面層塗布液がインク受容層中に急激に吸収され、この吸収時の吸引力により表面層塗布液が含有するコアシェル型エマルジョンがインク受容層表面上に強く押し付けられ、インク受容層との間に結着力が生じる、いわゆる圧着と同様の事象が発現し、表面層がインク受容層上に明確な界面を保持して固定される。
また表面層の塗布液にできるだけせん断力をかけて塗布をすると、均一な表面層が形成される。正確な塗布量を与え、表面層のインク受容層への圧着を阻害せず、せん断力を与える塗布方法として具体的には、スライドビード方式、カーテン方式、エクストルージョン方式、スロットダイ方式、グラビアロール方式、エアナイフ方式、ブレードコーティング方式、ロッドバーコーティング方式等がある。しかし表面層塗布液をインク受容層に形成された空隙容量以下で塗布するには、予め所定の塗布量となるように計量しておいた塗布液を塗布する方式が好ましく、スライドビード方式、カーテン方式、エクストルージョン方式、スロットダイ方式、グラビアロール方式等が挙げられる。特に表面層塗布液へ与えるせん断力の大きさの観点からグラビアロール方式が好ましい。
グラビアロールを使用する塗布装置として、基材(本発明の場合にはインク受容層が塗布された支持体)の進行方向に対して、接触するグラビアロールの面の進行方向が同一であるグラビア塗布装置と、反対方向に向いているリバースグラビア塗布装置がある。本発明において、グラビア塗布装置を用いる場合には、基材速度よりグラビアロールの周速を低下させ、せん断速度を与えるように塗布することが望ましい。リバースグラビア塗布装置は、大きなせん断速度を与えることができるため好ましい。しかしながら、これらグラビア塗布装置を用いる場合において、グラビアロールの直径が大きい場合や抱き角が大きい場合には、グラビアロールとインク受容層との接触時間が長くなるため、グラビアロールに接触している間に、表面層塗布液が吸収されてしまい、インク受容層表面に形成された表面層とグラビアロールとの物理的な接触が発生し、表面層が乱れる明らかに不均一な表面層となる場合がある。そのため塗布速度やグラビアロールの直径、線数、基材の接触角度などを最適化することが望ましい。
好ましくは、使用するロールの直径を細くし、接触時間をできる限り短くすることである。グラビアロールの中でも、ロールの直径が100mm以下の斜線グラビアロール(斜線の溝を有するグラビアロール)をリバース回転で使用することが特に好ましい。ロールの直径のより好ましい範囲は20〜80mm程度である。
本発明のインクジェット記録材料が有する支持体としては、ポリエチレン、ポロプロピレン、ポリ塩化ビニル、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、セロファン、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のフィルム、ポリオレフィン樹脂被覆紙等の非吸水性支持体、上質紙、アート紙、コート紙、キャスト紙等の吸水性支持体等が用いられる。耐水性の観点から非吸収性支持体が好ましく、非吸水性支持体の中ではポリオレフィン樹脂被覆紙が好ましく、これらの支持体の厚みは、50〜250μmであることが好ましい。
支持体、特に非吸水性支持体であるフィルムや樹脂被覆紙を使用する場合には、インク受容層を設ける面上に天然高分子化合物や合成樹脂を主体とする下塗り層を設けるのが好ましい。支持体上に設けられる下塗り層は、ゼラチン、カゼイン等の天然高分子化合物や合成樹脂を主体とする。かかる合成樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニリデン、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。下塗り層の乾燥固形分量は0.01〜5.0g/m2であることが好ましい。
本発明のインク受容層が含有する平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子について説明する。
本発明で使用される無機微粒子としては、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、非晶質合成シリカ、アルミナ、アルミナ水和物、水酸化マグネシウム等が挙げられる。
上記無機微粒子は使用目的により適宜選択できるが、インク受容層透明性とインク吸収性のバランスより非晶質合成シリカの中でも気相法によって製造された気相法シリカ、アルミナ、アルミナ水和物が特に好ましい。
本発明で使用することができるアルミナまたはアルミナ水和物について説明する。アルミナまたはアルミナ水和物は、酸化アルミニウムやその含水物であり、結晶質でも非晶質でもよく、不定形や、球状、板状等の形態を有しているものが使用される。両者のいずれかを使用してもよいし、併用してもよい。
本発明に用いることのできる酸化アルミナとしては酸化アルミニウムのγ型結晶であるγ−アルミナが好ましく、中でもδグループ結晶が好ましい。本発明に用いることのできるアルミナ水和物はAl2O3・nH2O(n=1〜3)の構成式で表される。酸化アルミニウム含水物は、アルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分解、アルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸塩の加水分解等の公知の製造方法により得られる。本発明に使用されるアルミナおよびアルミナ水和物の平均二次粒子径は500nm以下である。
本発明に用いられるアルミナまたはアルミナ水和物の分散液を安定化させるために、ゾルの解膠剤やアルミナまたはアルミナ水和物粉末の分散剤として、種々の酸類を添加することができる。ゾルの解膠に用いられる酸類としては公知のものが使用できるが、例えば、硝酸、塩酸、臭化水素酸等の無機酸や、酢酸、乳酸、蟻酸等のカルボン酸基を有する有機酸、あるいはメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等のスルホン酸基を有する有機酸が挙げられる。またこれらは複数のインク受容層塗布液毎に異なる酸を用いてもよく、一方の塗布液の中で2種以上を併用してもよい。酸の添加量はアルミナ水和物のAl2O3換算100gに対して8〜120mmolが好ましく、特に10〜50mmolがより好ましい。
本発明のインク受容層が含有する無機微粒子としては気相法シリカも好適に用いられる。透明性及びインク吸収性のバランスより、気相法シリカの平均二次粒子径は500nm以下である。該気相法シリカの平均二次粒子径を500nm以下とするには、通常のプロペラ撹拌、タービン型撹拌、ホモミキサー型撹拌等で気相法シリカと分散媒を予備混合し、次にボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機等を使用して分散を行うことが好ましく、またこの分散処理はカチオン性ポリマーの存在下で分散することが好ましい。
上記気相法シリカの分散に使用するカチオン性ポリマーとしては、ポリエチレンイミン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、アルキルアミン重合物、特開昭59−20696号公報、特開昭59−33176号公報、特開昭59−33177号公報、特開昭59−155088号公報、特開昭60−11389号公報、特開昭60−49990号公報、特開昭60−83882号公報、特開昭60−109894号公報、特開昭62−198493号公報、特開昭63−49478号公報、特開昭63−115780号公報、特開昭63−280681号公報、特開平1−40371号公報、特開平6−234268号公報、特開平7−125411号公報、特開平10−193776号公報等に記載された1〜3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有するポリマーが好ましく用いられる。特に、カチオン性ポリマーとしてジアリルアミン誘導体が好ましく用いられる。分散性及び分散液粘度の面で、これらのカチオンポリマーの分子量は、2,000〜10万程度が好ましく、特に2,000〜3万程度が好ましい。カチオン性ポリマーの使用量は気相法シリカに対して1〜10質重%の範囲が好ましい。
本発明のインク受容層は、平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子を主体に含有する。ここで主体に含有するとは、インク受容層中の全体に対する無機微粒子の固形分比率が50質量%以上であることを意味し、より好ましくは60質量%以上である。
本発明のインク受容層は、皮膜としての特性を維持するためと、インクのより高い浸透性を得るために親水性バインダーを含有することが好ましい。かかる親水性バインダーとしては、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、澱粉、デキストリン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸エステル系やそれらの誘導体が使用されるが、特に好ましい親水性バインダーは完全または部分ケン化のポリビニルアルコールである。ポリビニルアルコールの中でも特に好ましいのは、ケン化度が80%以上の部分または完全ケン化したものである。平均重合度は500〜5000のポリビニルアルコールが好ましい。
前記ポリビニルアルコールとしては、一般的なポリビニルアルコールに加え、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール及びその他ポリビニルアルコールの誘導体も含まれる。ポリビニルアルコールは1種単独でもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明のインク受容層は親水性バインダーとともに架橋剤を含有することが好ましい。架橋剤としては公知の架橋剤が使用できるが、具体的な例としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケトン化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)、2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン、米国特許第3,288,775号明細書記載の如き反応性のハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第3,635,718号明細書記載の如き反応性のオレフィンを持つ化合物、米国特許第2,732,316号明細書記載の如きN−メチロール化合物、米国特許第3,103,437号明細書記載の如きイソシアナート類、米国特許第3,017,280号、同2,983,611号明細書記載の如きアジリジン化合物類、米国特許第3,100,704号明細書記載の如きカルボジイミド系化合物類、米国特許第3,091,537号明細書記載の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン誘導体、クロム明ばん、硫酸ジルコニウム、ほう酸、ほう酸塩、ほう砂の如き無機架橋剤等がある。本発明においてはほう酸またはほう酸塩が好ましい。本発明で使用されるほう酸は、オルトほう酸、メタほう酸、ほう酸塩としてはそれらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。架橋剤の添加量は各層に含まれる親水性バインダーに対して0.1〜40質量%が好ましく、0.5〜30質量%がより好ましい。
本発明のインク受容層は、インクの滲みを抑えるため水溶性多価金属化合物を含有してもよい。水溶性多価金属化合物としては水溶性アルミニウム化合物及び水溶性ジルコニウム化合物が好ましく利用できる。
本発明に用いられる水溶性ジルコニウム化合物として、酢酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩基性炭酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、炭酸ジルコニウム・アンモニウム、炭酸ジルコニウム・カリウム、硫酸ジルコニウム、フッ化ジルコニウム、塩化ジルコニウム、塩化ジルコニウム八水和物、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム等が挙げられる。これら水溶性ジルコニウム化合物の中でも、酢酸ジルコニウム(酢酸ジルコニル)、オキシ塩化ジルコニウムは特に好ましい。
水溶性アルミニウム化合物としては例えば、無機塩としては塩化アルミニウムまたはその水和物、硫酸アルミニウムまたはその水和物、アンモニウムミョウバン等が知られている。更に、無機系の含アルミニウムカチオンポリマーである塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が知られている。
これらの水溶性アルミニウム化合物の中でも、インク受容層を形成する塗布液に安定に添加できるものが好ましく、塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が好ましく用いられる。この化合物は、主成分が下記の式1、2または3で示され、例えば[Al6(OH)15]3+、[Al8(OH)20]4+、[Al13(OH)34]5+、[Al21(OH)60]3+等のような塩基性で高分子の多核縮合イオンを安定に含んでいる水溶性のポリ水酸化アルミニウムである。
[Al2(OH)nCl6−n]m ・・式1
[Al(OH)3]nAlCl3 ・・式2
Aln(OH)mCl(3n−m) 0<m<3n ・・式3
[Al(OH)3]nAlCl3 ・・式2
Aln(OH)mCl(3n−m) 0<m<3n ・・式3
これらのものは、多木化学(株)よりポリ塩化アルミニウム(PAC)の名で水処理剤として、浅田化学工業(株)よりポリ水酸化アルミニウム(Paho)の名で、また、(株)理研グリーンよりピュラケムWTの名で、また他のメーカーからも同様の目的を持って市販されており、各種グレードのものが容易に入手できる。本発明ではこれらの市販品をそのままでも使用できる。
上記した水溶性多価金属化合物の含有量は、インク受容層が含有する無機微粒子に対して0.1〜10質量%の範囲が好ましい。
インク受容層には、更に着色染料、着色顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤などの公知の各種添加剤を添加することもできる。
本発明において、インク受容層の塗布方法は、特に限定されず、公知の塗布方法を用いることができる。例えば、スライドビード方式、カーテン方式、エクストルージョン方式、エアナイフ方式、ロールコーティング方式、ロッドバーコーティング方式等がある。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。なお、部及び%は質量部、質量%を示す。
(実施例1)
[支持体の作製]
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)の1:1混合物をカナディアン スタンダード フリーネスで300mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調製した。これにサイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5%、強度剤としてポリアクリルアミドを対パルプ1.0%、カチオン化澱粉を対パルプ2.0%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.5%添加し、水で希釈して0.2%スラリーとした。このスラリーを長網抄紙機で坪量170g/m2になるように抄造し、乾燥調湿してポリオレフィン樹脂被覆紙の基紙とした。抄造した基紙に、密度0.918g/cm3の低密度ポリエチレンの樹脂に対して、10%のアナターゼ型チタンを均一に分散したポリエチレン樹脂組成物を320℃で溶融し、厚さ35μmになるように押出コーティングし、微粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆し、表面(インク受容層塗設面)とした。もう一方の面には密度0.962g/cm3の高密度ポリエチレン樹脂70部と密度0.918g/cm3の低密度ポリエチレン樹脂30部のブレンド樹脂組成物を同様に320℃で溶融し、厚さ30μmとなるように押出コーティングし、粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆し、裏面とした。
[支持体の作製]
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)の1:1混合物をカナディアン スタンダード フリーネスで300mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調製した。これにサイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5%、強度剤としてポリアクリルアミドを対パルプ1.0%、カチオン化澱粉を対パルプ2.0%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.5%添加し、水で希釈して0.2%スラリーとした。このスラリーを長網抄紙機で坪量170g/m2になるように抄造し、乾燥調湿してポリオレフィン樹脂被覆紙の基紙とした。抄造した基紙に、密度0.918g/cm3の低密度ポリエチレンの樹脂に対して、10%のアナターゼ型チタンを均一に分散したポリエチレン樹脂組成物を320℃で溶融し、厚さ35μmになるように押出コーティングし、微粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆し、表面(インク受容層塗設面)とした。もう一方の面には密度0.962g/cm3の高密度ポリエチレン樹脂70部と密度0.918g/cm3の低密度ポリエチレン樹脂30部のブレンド樹脂組成物を同様に320℃で溶融し、厚さ30μmとなるように押出コーティングし、粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆し、裏面とした。
上記ポリオレフィン樹脂被覆紙の表面に高周波コロナ放電処理を施した後、下記組成の下塗り層をゼラチンの付着量が50mg/m2となるように塗布乾燥した。
<下塗り層>
ゼラチン 100部
スルフォコハク酸−2−エチルヘキシルエステル塩 2部
クロム明ばん 10部
<下塗り層>
ゼラチン 100部
スルフォコハク酸−2−エチルヘキシルエステル塩 2部
クロム明ばん 10部
上記下塗り層の上に、下記組成のインク受容層塗布液1を、スライドビード塗布装置を用いて塗布し、35℃及び45℃の温風を順次吹き付けて乾燥した。インク受容層塗布液の塗布量は、アルミナ固形分換算で30g/m2であり、空隙容量は25ml/m2であった。更に下記組成の表面層塗布液1を、斜線グラビアロールを用いた塗布装置にて塗布を行い、45℃の温風を吹き付けて乾燥し、実施例1の染料インク及び顔料インク両用のインクジェット記録材料を得た。ここで用いた斜線グラビアロールは、直径60mm、斜線角度45度、線数90線/インチ、溝深さ110μmのグラビアロールであり、リバース回転で用いた。表面層塗布液の塗布量は、樹脂エマルジョン固形分換算で100mg/m2とした。なお、表面層塗布液の湿分塗布量は、斜線グラビアロールの回転数を調整し20g/m2に設定した。湿分塗布量は塗布中における単位時間当たりの塗液減少量から求めた。
[インク受容層塗布液1]
アルミナ水和物 (アルミナ水和物の平均二次粒子径は120nm) 100部
(酸化アルミナ固形分として)
ポリビニルアルコール(クラレ社製、ケン化度88%、平均重合度3500) 10部
ほう酸 1部
ノニオン性界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル) 0.3部
固形分濃度が19.0%になるように水で調整した。
アルミナ水和物 (アルミナ水和物の平均二次粒子径は120nm) 100部
(酸化アルミナ固形分として)
ポリビニルアルコール(クラレ社製、ケン化度88%、平均重合度3500) 10部
ほう酸 1部
ノニオン性界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル) 0.3部
固形分濃度が19.0%になるように水で調整した。
[表面層塗布液1]
アクリルウレタンコアシェル型エマルジョン(固形分濃度39%)
(アクリットWEM041U、コア部ガラス転移点:76℃、シェル部ガラス転移点:50℃、大成ファインケミカル株式会社製)
水にて希釈し固形分濃度0.5%とした。
(この表面層に2μlの蒸留水を滴下し、協和界面科学株式会社製、全自動接触角計CA−W型にて0.1秒後と30秒後の接触角を測定したとき、前者は72°、後者は68°であった)
アクリルウレタンコアシェル型エマルジョン(固形分濃度39%)
(アクリットWEM041U、コア部ガラス転移点:76℃、シェル部ガラス転移点:50℃、大成ファインケミカル株式会社製)
水にて希釈し固形分濃度0.5%とした。
(この表面層に2μlの蒸留水を滴下し、協和界面科学株式会社製、全自動接触角計CA−W型にて0.1秒後と30秒後の接触角を測定したとき、前者は72°、後者は68°であった)
(実施例2)
実施例1の表面層塗布液1を下記組成の表面層塗布液2に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の染料インク及び顔料インク両用のインクジェット記録材料を作製した。
実施例1の表面層塗布液1を下記組成の表面層塗布液2に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の染料インク及び顔料インク両用のインクジェット記録材料を作製した。
[表面層塗布液2]
アクリルウレタンコアシェル型エマルジョン(固形分濃度32%)
(アクリットWEM290A、コア部ガラス転移点:85℃、シェル部ガラス転移点:50℃、大成ファインケミカル株式会社製)
水にて希釈し固形分濃度0.5%とした。
(この表面層に2μlの蒸留水を滴下し、実施例1と同様の機器にて0.1秒後と30秒後の接触角を測定したとき、前者は65°、後者は60°であった)
アクリルウレタンコアシェル型エマルジョン(固形分濃度32%)
(アクリットWEM290A、コア部ガラス転移点:85℃、シェル部ガラス転移点:50℃、大成ファインケミカル株式会社製)
水にて希釈し固形分濃度0.5%とした。
(この表面層に2μlの蒸留水を滴下し、実施例1と同様の機器にて0.1秒後と30秒後の接触角を測定したとき、前者は65°、後者は60°であった)
(実施例3)
実施例1の表面層塗布液1を下記組成の表面層塗布液3に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例3の染料インク及び顔料インク両用のインクジェット記録材料を作製した。
実施例1の表面層塗布液1を下記組成の表面層塗布液3に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例3の染料インク及び顔料インク両用のインクジェット記録材料を作製した。
[表面層塗布液3]
アクリルウレタンコアシェル型エマルジョン(固形分濃度38%)
(アクリットWEM200U、コア部ガラス転移点:27℃、シェル部ガラス転移点:35℃、大成ファインケミカル株式会社製)
水にて希釈し固形分濃度0.5%とした。
(この表面層に2μlの蒸留水を滴下し、実施例1と同様の機器にて0.1秒後と30秒後の接触角を測定したとき、前者は80°、後者は75°であった)
アクリルウレタンコアシェル型エマルジョン(固形分濃度38%)
(アクリットWEM200U、コア部ガラス転移点:27℃、シェル部ガラス転移点:35℃、大成ファインケミカル株式会社製)
水にて希釈し固形分濃度0.5%とした。
(この表面層に2μlの蒸留水を滴下し、実施例1と同様の機器にて0.1秒後と30秒後の接触角を測定したとき、前者は80°、後者は75°であった)
(実施例4)
実施例1の表面層塗布液1の固形分濃度を0.5%から5%に変更し、表面層のエマルジョン量を樹脂エマルジョン固形分換算で100mg/m2から1000mg/m2に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例4の染料インク及び顔料インク両用のインクジェット記録材料を作製した。
(この表面層に2μlの蒸留水を滴下し、実施例1と同様の機器にて0.1秒後と30秒後の接触角を測定したとき、前者は76°、後者は70°であった)
実施例1の表面層塗布液1の固形分濃度を0.5%から5%に変更し、表面層のエマルジョン量を樹脂エマルジョン固形分換算で100mg/m2から1000mg/m2に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例4の染料インク及び顔料インク両用のインクジェット記録材料を作製した。
(この表面層に2μlの蒸留水を滴下し、実施例1と同様の機器にて0.1秒後と30秒後の接触角を測定したとき、前者は76°、後者は70°であった)
(実施例5)
実施例1の表面層塗布液1の固形分濃度を0.5%から0.1%に変更し、表面層のエマルジョン量を樹脂エマルジョン固形分換算で100mg/m2から20mg/m2に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例5の染料インク及び顔料インク両用のインクジェット記録材料を作製した。
(この表面層に2μlの蒸留水を滴下し、実施例1と同様の機器にて0.1秒後と30秒後の接触角を測定したとき、前者は69°、後者は65°であった)
実施例1の表面層塗布液1の固形分濃度を0.5%から0.1%に変更し、表面層のエマルジョン量を樹脂エマルジョン固形分換算で100mg/m2から20mg/m2に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例5の染料インク及び顔料インク両用のインクジェット記録材料を作製した。
(この表面層に2μlの蒸留水を滴下し、実施例1と同様の機器にて0.1秒後と30秒後の接触角を測定したとき、前者は69°、後者は65°であった)
(実施例6)
実施例1の表面層塗布液1の固形分濃度を0.5%から7%に変更し、表面層のエマルジョン量を樹脂エマルジョン固形分換算で100mg/m2から1400mg/m2に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例6の染料インク及び顔料インク両用のインクジェット記録材料を作製した。
(この表面層に2μlの蒸留水を滴下し、実施例1と同様の機器にて0.1秒後と30秒後の接触角を測定したとき、前者は78°、後者は71°であった)
実施例1の表面層塗布液1の固形分濃度を0.5%から7%に変更し、表面層のエマルジョン量を樹脂エマルジョン固形分換算で100mg/m2から1400mg/m2に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例6の染料インク及び顔料インク両用のインクジェット記録材料を作製した。
(この表面層に2μlの蒸留水を滴下し、実施例1と同様の機器にて0.1秒後と30秒後の接触角を測定したとき、前者は78°、後者は71°であった)
(実施例7)
実施例1の表面層塗布液1の固形分濃度を0.5%から0.07%に変更し、表面層のエマルジョン量を樹脂エマルジョン固形分換算で100mg/m2から14mg/m2に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例7の染料インク及び顔料インク両用のインクジェット記録材料を作製した。
(この表面層に2μlの蒸留水を滴下し、実施例1と同様の機器にて0.1秒後と30秒後の接触角を測定したとき、前者は66°、後者は62°であった)
実施例1の表面層塗布液1の固形分濃度を0.5%から0.07%に変更し、表面層のエマルジョン量を樹脂エマルジョン固形分換算で100mg/m2から14mg/m2に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例7の染料インク及び顔料インク両用のインクジェット記録材料を作製した。
(この表面層に2μlの蒸留水を滴下し、実施例1と同様の機器にて0.1秒後と30秒後の接触角を測定したとき、前者は66°、後者は62°であった)
(実施例8)
実施例1のインク受容層塗布液1を下記組成のインク受容層塗布液2に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例8の染料インク及び顔料インク両用のインクジェット記録材料を作製した。なお、該インク受容層の空隙容量は23ml/m2であった。
実施例1のインク受容層塗布液1を下記組成のインク受容層塗布液2に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例8の染料インク及び顔料インク両用のインクジェット記録材料を作製した。なお、該インク受容層の空隙容量は23ml/m2であった。
[インク受容層塗布液2]
気相法シリカ (平均一次粒子径7nm、平均二次粒子径100nm) 100部
カチオンポリマー(第一工業製薬社製、DC902P) 3部
ポリビニルアルコール(クラレ社製、ケン化度88%、平均重合度3500) 23部
ほう酸 4部
塩基性塩化アルミニウム(多木化学社製、タキバイン1500) 4部
固形分濃度が12.0%になるように水で調整した。
(この表面層に2μlの蒸留水を滴下し、実施例1と同様の機器にて0.1秒後と30秒後の接触角を測定したとき、前者は74°、後者は70°であった)
気相法シリカ (平均一次粒子径7nm、平均二次粒子径100nm) 100部
カチオンポリマー(第一工業製薬社製、DC902P) 3部
ポリビニルアルコール(クラレ社製、ケン化度88%、平均重合度3500) 23部
ほう酸 4部
塩基性塩化アルミニウム(多木化学社製、タキバイン1500) 4部
固形分濃度が12.0%になるように水で調整した。
(この表面層に2μlの蒸留水を滴下し、実施例1と同様の機器にて0.1秒後と30秒後の接触角を測定したとき、前者は74°、後者は70°であった)
(比較例1)
実施例1の表面層塗布液1を下記組成の表面層塗布液4に変更した以外は実施例1と同様にして比較例1のインクジェット記録材料を作製した。
実施例1の表面層塗布液1を下記組成の表面層塗布液4に変更した以外は実施例1と同様にして比較例1のインクジェット記録材料を作製した。
[表面層塗布液4]
アクリルウレタンコアシェル型エマルジョン(固形分濃度38%)
(アクリットWEM321U、大成ファインケミカル株式会社製)
水にて希釈し固形分濃度0.5%とした。
(この表面層に2μlの蒸留水を滴下し、実施例1と同様の機器にて0.1秒後と30秒後の接触角を測定したとき、前者は82°、後者は77°であった)
アクリルウレタンコアシェル型エマルジョン(固形分濃度38%)
(アクリットWEM321U、大成ファインケミカル株式会社製)
水にて希釈し固形分濃度0.5%とした。
(この表面層に2μlの蒸留水を滴下し、実施例1と同様の機器にて0.1秒後と30秒後の接触角を測定したとき、前者は82°、後者は77°であった)
(比較例2)
実施例1の表面層塗布液1を下記組成の表面層塗布液5に変更した以外は実施例1と同様にして比較例2のインクジェット記録材料を作製した。
実施例1の表面層塗布液1を下記組成の表面層塗布液5に変更した以外は実施例1と同様にして比較例2のインクジェット記録材料を作製した。
[表面層塗布液5]
アクリルウレタンコアシェル型エマルジョン(固形分濃度32.5%)
(アクリットWEM3000、大成ファインケミカル株式会社製)
水にて希釈し固形分濃度0.5%とした。
(この表面層に2μlの蒸留水を滴下し、実施例1と同様の機器にて0.1秒後と30秒後の接触角を測定したとき、前者は62°、後者は57°であった)
アクリルウレタンコアシェル型エマルジョン(固形分濃度32.5%)
(アクリットWEM3000、大成ファインケミカル株式会社製)
水にて希釈し固形分濃度0.5%とした。
(この表面層に2μlの蒸留水を滴下し、実施例1と同様の機器にて0.1秒後と30秒後の接触角を測定したとき、前者は62°、後者は57°であった)
(比較例3)
実施例1の表面層塗布液1を下記組成の表面層塗布液6に変更した以外は実施例1と同様にして比較例3のインクジェット記録材料を作製した。
実施例1の表面層塗布液1を下記組成の表面層塗布液6に変更した以外は実施例1と同様にして比較例3のインクジェット記録材料を作製した。
[表面層塗布液6]
カチオン系ウレタンエマルジョン(固形分濃度30%)
(スーパーフレックス620、第一工業製薬株式会社製)
水にて希釈し固形分濃度0.5%とした。
(この表面層に2μlの蒸留水を滴下し、実施例1と同様の機器にて0.1秒後と30秒後の接触角を測定したとき、前者は78°、後者は76°であった)
カチオン系ウレタンエマルジョン(固形分濃度30%)
(スーパーフレックス620、第一工業製薬株式会社製)
水にて希釈し固形分濃度0.5%とした。
(この表面層に2μlの蒸留水を滴下し、実施例1と同様の機器にて0.1秒後と30秒後の接触角を測定したとき、前者は78°、後者は76°であった)
(比較例4)
実施例1の表面層塗布液1を下記組成の表面層塗布液7に変更した以外は実施例1と同様にして比較例4のインクジェット記録材料を作製した。
実施例1の表面層塗布液1を下記組成の表面層塗布液7に変更した以外は実施例1と同様にして比較例4のインクジェット記録材料を作製した。
[表面層塗布液7]
アクリルコアシェル型エマルジョン(固形分濃度40%)
(アクリットSE841A、大成ファインケミカル株式会社製)
水にて希釈し固形分濃度0.5%とした。
(この表面層に2μlの蒸留水を滴下し、実施例1と同様の機器にて0.1秒後と30秒後の接触角を測定したとき、前者は75°、後者は68°であった)
アクリルコアシェル型エマルジョン(固形分濃度40%)
(アクリットSE841A、大成ファインケミカル株式会社製)
水にて希釈し固形分濃度0.5%とした。
(この表面層に2μlの蒸留水を滴下し、実施例1と同様の機器にて0.1秒後と30秒後の接触角を測定したとき、前者は75°、後者は68°であった)
(比較例5)
実施例1の表面層塗布液1を下記組成の表面層塗布液8に変更した以外は実施例1と同様にして比較例5のインクジェット記録材料を作製した。
実施例1の表面層塗布液1を下記組成の表面層塗布液8に変更した以外は実施例1と同様にして比較例5のインクジェット記録材料を作製した。
[表面層塗布液8]
アクリル系エマルジョン(固形分濃度30%)
(ビニブラン2684、日信化学工業株式会社製)
水にて希釈し固形分濃度0.5%とした。
(この表面層に2μlの蒸留水を滴下し、実施例1と同様の機器にて0.1秒後と30秒後の接触角を測定したとき、前者は73°、後者は68°であった)
アクリル系エマルジョン(固形分濃度30%)
(ビニブラン2684、日信化学工業株式会社製)
水にて希釈し固形分濃度0.5%とした。
(この表面層に2μlの蒸留水を滴下し、実施例1と同様の機器にて0.1秒後と30秒後の接触角を測定したとき、前者は73°、後者は68°であった)
(比較例6)
実施例1の表面層塗布液1を下記組成の表面層塗布液9に変更した以外は実施例1と同様にして比較例6のインクジェット記録材料を作製した。
実施例1の表面層塗布液1を下記組成の表面層塗布液9に変更した以外は実施例1と同様にして比較例6のインクジェット記録材料を作製した。
[表面層塗布液9]
アクリル酸エステル系エマルジョン(固形分濃度27%)
(ビニブラン2647、日信化学工業株式会社製)
水にて希釈し固形分濃度0.5%とした。
(この表面層に2μlの蒸留水を滴下し、実施例1と同様の機器にて0.1秒後と30秒後の接触角を測定したとき、前者は52°、後者は40°であった)
アクリル酸エステル系エマルジョン(固形分濃度27%)
(ビニブラン2647、日信化学工業株式会社製)
水にて希釈し固形分濃度0.5%とした。
(この表面層に2μlの蒸留水を滴下し、実施例1と同様の機器にて0.1秒後と30秒後の接触角を測定したとき、前者は52°、後者は40°であった)
(比較例7)
実施例1の表面層塗布液1を下記組成の表面層塗布液10に変更した以外は実施例1と同様にして比較例7のインクジェット記録材料を作製した。
実施例1の表面層塗布液1を下記組成の表面層塗布液10に変更した以外は実施例1と同様にして比較例7のインクジェット記録材料を作製した。
[表面層塗布液10]
アクリル酸エステル系エマルジョン(固形分濃度27%)
(ビニブラン2652、日信化学工業株式会社製)
水にて希釈し固形分濃度0.5%とした。
(この表面層に2μlの蒸留水を滴下し、実施例1と同様の機器にて0.1秒後と30秒後の接触角を測定したとき、前者は78°、後者は75°であった)
アクリル酸エステル系エマルジョン(固形分濃度27%)
(ビニブラン2652、日信化学工業株式会社製)
水にて希釈し固形分濃度0.5%とした。
(この表面層に2μlの蒸留水を滴下し、実施例1と同様の機器にて0.1秒後と30秒後の接触角を測定したとき、前者は78°、後者は75°であった)
(比較例8)
実施例1の表面層塗布液1を下記組成の表面層塗布液11に変更した以外は実施例1と同様にして比較例8のインクジェット記録材料を作製した。
実施例1の表面層塗布液1を下記組成の表面層塗布液11に変更した以外は実施例1と同様にして比較例8のインクジェット記録材料を作製した。
[表面層塗布液11]
エチレン−塩化ビニル系エマルジョン(固形分濃度30%)
(スミエリート1210、住友化学株式会社製)
水にて希釈し固形分濃度0.5%とした。
(この表面層に2μlの蒸留水を滴下し、実施例1と同様の機器にて0.1秒後と30秒後の接触角を測定したとき、前者は58°、後者は45°であった)
エチレン−塩化ビニル系エマルジョン(固形分濃度30%)
(スミエリート1210、住友化学株式会社製)
水にて希釈し固形分濃度0.5%とした。
(この表面層に2μlの蒸留水を滴下し、実施例1と同様の機器にて0.1秒後と30秒後の接触角を測定したとき、前者は58°、後者は45°であった)
(比較例9)
実施例1の表面層塗布液1を下記組成の表面層塗布液12に変更した以外は実施例1と同様にして比較例9のインクジェット記録材料を作製した。
実施例1の表面層塗布液1を下記組成の表面層塗布液12に変更した以外は実施例1と同様にして比較例9のインクジェット記録材料を作製した。
[表面層塗布液12]
エチレン−酢酸ビニル系エマルジョン(固形分濃度30%)
(スミカフレックス500、住友化学株式会社製)
水にて希釈し固形分濃度0.5%とした。
(この表面層に2μlの蒸留水を滴下し、実施例1と同様の機器にて0.1秒後と30秒後の接触角を測定したとき、前者は63°、後者は52°であった)
エチレン−酢酸ビニル系エマルジョン(固形分濃度30%)
(スミカフレックス500、住友化学株式会社製)
水にて希釈し固形分濃度0.5%とした。
(この表面層に2μlの蒸留水を滴下し、実施例1と同様の機器にて0.1秒後と30秒後の接触角を測定したとき、前者は63°、後者は52°であった)
(比較例10)
実施例1の表面層塗布液1を下記組成の表面層塗布液13に変更した以外は実施例1と同様にして比較例10のインクジェット記録材料を作製した。
実施例1の表面層塗布液1を下記組成の表面層塗布液13に変更した以外は実施例1と同様にして比較例10のインクジェット記録材料を作製した。
[表面層塗布液13]
ポリエステル系エマルジョン(固形分濃度27%)
(プラスコートZ730、互応化学工業株式会社製)
水にて希釈し固形分濃度0.5%とした。
(この表面層に2μlの蒸留水を滴下し、実施例1と同様の機器にて0.1秒後と30秒後の接触角を測定したとき、前者は72°、後者は58°であった)
ポリエステル系エマルジョン(固形分濃度27%)
(プラスコートZ730、互応化学工業株式会社製)
水にて希釈し固形分濃度0.5%とした。
(この表面層に2μlの蒸留水を滴下し、実施例1と同様の機器にて0.1秒後と30秒後の接触角を測定したとき、前者は72°、後者は58°であった)
(比較例11)
実施例1の表面層塗布液1を塗布しない以外は実施例1と同様にして比較例11のインクジェット記録材料を作製した。
(この表面層に2μlの蒸留水を滴下し、実施例1と同様の機器にて0.1秒後と30秒後の接触角を測定したとき、前者は42°、後者は31°であった)
実施例1の表面層塗布液1を塗布しない以外は実施例1と同様にして比較例11のインクジェット記録材料を作製した。
(この表面層に2μlの蒸留水を滴下し、実施例1と同様の機器にて0.1秒後と30秒後の接触角を測定したとき、前者は42°、後者は31°であった)
(比較例12)
実施例8の表面層塗布液1を塗布しない以外は実施例8と同様にして比較例12のインクジェット記録材料を作製した。
(この表面層に2μlの蒸留水を滴下し、実施例1と同様の機器にて0.1秒後と30秒後の接触角を測定したとき、前者は43°、後者は35°であった)
実施例8の表面層塗布液1を塗布しない以外は実施例8と同様にして比較例12のインクジェット記録材料を作製した。
(この表面層に2μlの蒸留水を滴下し、実施例1と同様の機器にて0.1秒後と30秒後の接触角を測定したとき、前者は43°、後者は35°であった)
(比較例13)
実施例1のインク受容層塗布液1を下記組成のインク受容層塗布液3に変更し、表面層塗布液1を塗布しない以外は、実施例1と同様にして比較例13のインクジェット記録材料を作製した。
実施例1のインク受容層塗布液1を下記組成のインク受容層塗布液3に変更し、表面層塗布液1を塗布しない以外は、実施例1と同様にして比較例13のインクジェット記録材料を作製した。
[インク受容層塗布液3]
アルミナ水和物 (アルミナ水和物の平均二次粒子径は120nm) 100部
(酸化アルミナ固形分として)
アクリルウレタンコアシェル型エマルジョン(エマルジョン固形分として) 3部
(アクリットWEM041UH、大成ファインケミカル株式会社製)
ポリビニルアルコール(クラレ社製、ケン化度88%、平均重合度3500) 10部
ほう酸 1部
ノニオン性界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル) 0.3部
固形分濃度が19.0%になるように水で調整した。
(この表面層に2μlの蒸留水を滴下し、実施例1と同様の機器にて0.1秒後と30秒後の接触角を測定したとき、前者は44°、後者は30°であった)
アルミナ水和物 (アルミナ水和物の平均二次粒子径は120nm) 100部
(酸化アルミナ固形分として)
アクリルウレタンコアシェル型エマルジョン(エマルジョン固形分として) 3部
(アクリットWEM041UH、大成ファインケミカル株式会社製)
ポリビニルアルコール(クラレ社製、ケン化度88%、平均重合度3500) 10部
ほう酸 1部
ノニオン性界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル) 0.3部
固形分濃度が19.0%になるように水で調整した。
(この表面層に2μlの蒸留水を滴下し、実施例1と同様の機器にて0.1秒後と30秒後の接触角を測定したとき、前者は44°、後者は30°であった)
(比較例14)
実施例8のインク受容層塗布液2を下記組成のインク受容層塗布液4に変更し、表面層塗布液1を塗布しない以外は、実施例8と同様にして比較例14のインクジェット記録材料を作製した。
実施例8のインク受容層塗布液2を下記組成のインク受容層塗布液4に変更し、表面層塗布液1を塗布しない以外は、実施例8と同様にして比較例14のインクジェット記録材料を作製した。
[インク受容層塗布液4]
気相法シリカ (平均一次粒子径7nm、平均二次粒子径100nm) 100部
カチオンポリマー(第一工業製薬社製、DC902P) 3部
ポリビニルアルコール(クラレ社製、ケン化度88%、平均重合度3500) 23部
ほう酸 4部
塩基性塩化アルミニウム(多木化学社製、タキバイン1500) 4部
アクリルウレタンコアシェル型エマルジョン(エマルジョン固形分として) 3部
(アクリットWEM041UH、大成ファインケミカル株式会社製)
固形分濃度が12.0%になるように水で調整した。
(この表面層に2μlの蒸留水を滴下し、実施例1と同様の機器にて0.1秒後と30秒後の接触角を測定したとき、前者は43°、後者は36°であった)
気相法シリカ (平均一次粒子径7nm、平均二次粒子径100nm) 100部
カチオンポリマー(第一工業製薬社製、DC902P) 3部
ポリビニルアルコール(クラレ社製、ケン化度88%、平均重合度3500) 23部
ほう酸 4部
塩基性塩化アルミニウム(多木化学社製、タキバイン1500) 4部
アクリルウレタンコアシェル型エマルジョン(エマルジョン固形分として) 3部
(アクリットWEM041UH、大成ファインケミカル株式会社製)
固形分濃度が12.0%になるように水で調整した。
(この表面層に2μlの蒸留水を滴下し、実施例1と同様の機器にて0.1秒後と30秒後の接触角を測定したとき、前者は43°、後者は36°であった)
得られた各々のインクジェット記録材料について下記の印字及び評価を行った。この結果を表1に示す。
<インク吸収性(染料インク)>
実施例および比較例で作製したインクジェット記録材料にインクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)製、EP−802A)にて、レッド、ブルー、グリーン、ブラックのベタ印字を行い、印字直後にPPC用紙を印字部に重ねて軽く圧着し、PPC用紙に転写したインク量の程度を目視で観察した。下記の基準で評価した。
○:転写しない。
△:わずかに転写するが問題とならないレベル。
×:印字部に転写が観察され、品質上問題となり不可レベル。
実施例および比較例で作製したインクジェット記録材料にインクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)製、EP−802A)にて、レッド、ブルー、グリーン、ブラックのベタ印字を行い、印字直後にPPC用紙を印字部に重ねて軽く圧着し、PPC用紙に転写したインク量の程度を目視で観察した。下記の基準で評価した。
○:転写しない。
△:わずかに転写するが問題とならないレベル。
×:印字部に転写が観察され、品質上問題となり不可レベル。
<インク吸収性(顔料インク)>
実施例および比較例で作製したインクジェット記録材料にインクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)製、PX−5V)にて、レッド、ブルー、グリーン、ブラックのベタ印字を行い、印字直後にPPC用紙を印字部に重ねて軽く圧着し、PPC用紙に転写したインク量の程度を目視で観察した。下記の基準で評価した。
○:転写しない。
△:わずかに転写するが問題とならないレベル。
×:印字部に転写が観察され、品質上問題となり不可レベル。
実施例および比較例で作製したインクジェット記録材料にインクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)製、PX−5V)にて、レッド、ブルー、グリーン、ブラックのベタ印字を行い、印字直後にPPC用紙を印字部に重ねて軽く圧着し、PPC用紙に転写したインク量の程度を目視で観察した。下記の基準で評価した。
○:転写しない。
△:わずかに転写するが問題とならないレベル。
×:印字部に転写が観察され、品質上問題となり不可レベル。
<耐オゾン性>
実施例および比較例で作製したインクジェット記録材料にインクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)製、EP−802A)にて、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの100%ベタ印字を行い、各色の光学濃度(OD値)をポータブル分光光度計・SpectoroEye(GretagMacbeth社)で測定した。次に印字部をオゾン濃度20ppm、24時間の環境下に放置し、各色の光学濃度を分光光度計にて測定した。得られた値より下記式により各色の残存率を算出した。
(残存率)=(オゾン処理後のOD値)/(オゾン処理前のOD値)×100(%)
各色のうち、最も残存率が低い色で下記の基準で評価を行なった。
○:残存率が85%以上である。
△:残存率が80%以上〜85%未満である。
×:残存率が80%未満である。
実施例および比較例で作製したインクジェット記録材料にインクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)製、EP−802A)にて、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの100%ベタ印字を行い、各色の光学濃度(OD値)をポータブル分光光度計・SpectoroEye(GretagMacbeth社)で測定した。次に印字部をオゾン濃度20ppm、24時間の環境下に放置し、各色の光学濃度を分光光度計にて測定した。得られた値より下記式により各色の残存率を算出した。
(残存率)=(オゾン処理後のOD値)/(オゾン処理前のOD値)×100(%)
各色のうち、最も残存率が低い色で下記の基準で評価を行なった。
○:残存率が85%以上である。
△:残存率が80%以上〜85%未満である。
×:残存率が80%未満である。
<耐水性>
実施例および比較例で作製したインクジェット記録材料に、インクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)製、EP−802A)にて、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、レッド、ブルー、グリーンの各色のベタ印字部の中に白抜き文字を設けた画像を印字し、そこに2μlの純水を滴下し、乾燥後の画像と水を滴下していない画像を目視で比較観察し、下記の基準で評価した。
○:水滴下による画像の滲みがほとんど見られない。
△:水滴下による画像の滲みが若干見られるが、実使用上問題ないレベル。
×:水滴下による画像の滲みが見られ、実使用上問題となるレベル。
実施例および比較例で作製したインクジェット記録材料に、インクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)製、EP−802A)にて、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、レッド、ブルー、グリーンの各色のベタ印字部の中に白抜き文字を設けた画像を印字し、そこに2μlの純水を滴下し、乾燥後の画像と水を滴下していない画像を目視で比較観察し、下記の基準で評価した。
○:水滴下による画像の滲みがほとんど見られない。
△:水滴下による画像の滲みが若干見られるが、実使用上問題ないレベル。
×:水滴下による画像の滲みが見られ、実使用上問題となるレベル。
<擦過性>
実施例および比較例で作製したインクジェット記録材料にインクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)製、PX−5V)にて、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、レッド、ブルー、グリーンの各色のベタ印字を行い、印字直後、15分後、60分後にベタ部を指で擦って、インクが指先に付着するかどうかを目視で観察し、下記の基準で評価した。
○:15分経過後でインクが指先に付着しない。
△:60分経過後でインクが指先に付着しない。
×:60分以上経過してもインクが指先に付着する。
実施例および比較例で作製したインクジェット記録材料にインクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)製、PX−5V)にて、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、レッド、ブルー、グリーンの各色のベタ印字を行い、印字直後、15分後、60分後にベタ部を指で擦って、インクが指先に付着するかどうかを目視で観察し、下記の基準で評価した。
○:15分経過後でインクが指先に付着しない。
△:60分経過後でインクが指先に付着しない。
×:60分以上経過してもインクが指先に付着する。
表1の結果から、本発明の染料インク及び顔料インク両用のインクジェット記録材料は、染料インクで印字した画像の耐オゾン性及び耐水性が良好で、且つ顔料インクで印字した画像の擦過性が良好で、更に両インクでのインク吸収性が良好であることが分かる。なお、実施例1及び実施例8のインクジェット記録材料に、上記の各インクジェットプリンターによる印字を行なった後、ラミネーター機(Proteus A3 フェローズジャパン株式会社製 設定温度:90℃、スピード:2)で熱処理を行い、その後上記記載の耐オゾン性、耐水性、擦過性を評価した結果、オゾン性については、残存率が90%以上となり、耐水性については、水滴下による画像の滲みが全く認められず、また擦過性については、印字後直ちに熱処理を行なってもインクが指先に付着せず、実施例1及び実施例8よりもさらに良好な結果が得られた。
Claims (3)
- 支持体上に平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子を主体に含有するインク受容層と、前記インク受容層上にアクリル樹脂とウレタン樹脂からなるコアシェル型エマルジョンを主体に含有する表面層を少なくとも有し、前記表面層に2μlの蒸留水を滴下したときの滴下後0.1秒後の接触角が65°〜80°であり、滴下後30秒後の接触角が60°〜75°であることを特徴とする染料インク及び顔料インク両用のインクジェット記録材料。
- 表面層におけるアクリル樹脂とウレタン樹脂からなるコアシェル型エマルジョンの含有量が20〜1000mg/m2である前記請求項1に記載の、染料インク及び顔料インク両用のインクジェット記録材料。
- 前記請求項1または2に記載の、染料インク及び顔料インク両用のインクジェット記録材料に、インクジェットプリンターで印字した後、熱処理することを特徴とするインクジェット記録方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014029609A JP2015150878A (ja) | 2014-02-19 | 2014-02-19 | 染料インク及び顔料インク両用のインクジェット記録材料及びインクジェット記録方法 |
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JP2014029609A JP2015150878A (ja) | 2014-02-19 | 2014-02-19 | 染料インク及び顔料インク両用のインクジェット記録材料及びインクジェット記録方法 |
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