JP2015030198A - 記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 インク吸収性、耐折り割れ性及び耐ひび割れ性が高い記録媒体を提供すること。【解決手段】 基材と、基材上に第1のインク受容層用塗工液と第2のインク受容層用塗工液を塗工することで形成される記録媒体であって、第1のインク受容層用塗工液が、水溶性樹脂を含有し、水溶性樹脂の含有量が70質量%以上100質量%以下であり、第1のインク受容層用塗工液が更に架橋剤を含有する場合は、水溶性樹脂の含有量に対する架橋剤の含有量が質量比率で0.2倍未満であり、第2のインク受容層用塗工液が、無機粒子と水溶性樹脂と架橋剤とを含有し、水溶性樹脂の含有量が4質量%以上22質量%以下であり、かつ、水溶性樹脂の含有量に対する架橋剤の含有量が質量比率で0.3倍以上であり、第1のインク受容層の膜厚が10μm以上であり、第1のインク受容層の膜厚に対する第2のインク受容層の膜厚が2.0倍以下であることを特徴とする記録媒体。【選択図】 なし
Description
本発明は、記録媒体に関する。
近年、インクジェット用記録媒体を用いたフォトブックやフォトアルバムの需要が高まっている。このフォトブックやフォトアルバムを製本する方法としては、片面にのみ画像を記録した複数のインクジェット用記録媒体に予め折り目を付け、この折り目を境界として、画像が記録されていない面同士を貼り合わせる方法が挙げられる。このような製法方法によって、ページを跨ぐような大きな画像を記録媒体に配置したようなフォトブックやフォトアルバムを作製することができる。
しかしながら、画像を記録した記録媒体に折り目を付けた際に、記録媒体のインク受容層がひび割れるなどして、画像の一部が剥がれてしまう場合があった。そこで、折り目を付けた際にもそのようなインク受容層の割れが起きないような、即ち、耐折り割れ性の高い記録媒体への需要が高まっている。即ち、フォトブックやフォトアルバムに用いられる記録媒体に求められる性能としては、記録媒体として当然求められるような高いインク吸収性に加えて、高い耐折り割れ性が挙げられる。
記録媒体の耐折り割れ性を改善する方法としては、インク受容層と基材との間に水溶性樹脂を含む下引き層を設ける方法が挙げられる(特許文献1及び2)。下引き層を設けることで、折り目を付けた際の応力を緩和し、耐折り割れ性が改善すると考えられる。
また、耐折り割れ性に関する記載はないものの、インク受容層と基材との間に水溶性樹脂を含む下引き層を設けた記録媒体は特許文献3及び4にも開示されている。
しかしながら、本発明者らの検討によると、上述した特許文献1〜4に記載の記録媒体において、下引き層が薄いと、折り目を付けた際の応力を十分に緩和できず、高い耐折り割れ性が得られなかった。一方で、下引き層を厚くすると耐折り割れ性は改善するものの、画像を記録した際に下引き層とインク受容層との膨潤度の違いによる歪みが大きくなり、インク受容層にひび割れが発生してしまう場合があった。
したがって、本発明の目的は、インク吸収性、耐折り割れ性及び耐ひび割れ性が高い記録媒体を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明にかかる記録媒体は、基材と、前記基材上に第1のインク受容層用塗工液と第2のインク受容層用塗工液を塗工することで形成される、第1のインク受容層と第2のインク受容層とをこの順に有する記録媒体であって、前記第1のインク受容層用塗工液が、水溶性樹脂を含有し、前記第1のインク受容層用塗工液全体における前記水溶性樹脂の含有量が70質量%以上100質量%以下であり、前記第1のインク受容層用塗工液が、更に架橋剤を含有する場合は、前記第1のインク受容層用塗工液全体における、前記水溶性樹脂の含有量に対する前記架橋剤の含有量が、質量比率で0.2倍未満であり、前記第2のインク受容層用塗工液が、無機粒子と水溶性樹脂と架橋剤とを含有し、前記第2のインク受容層用塗工液全体における前記水溶性樹脂の含有量が4質量%以上22質量%以下であり、前記第2のインク受容層用塗工液全体における、前記水溶性樹脂の含有量に対する前記架橋剤の含有量が、質量比率で0.3倍以上であり、前記第1のインク受容層の膜厚が、10μm以上であり、前記第1のインク受容層の膜厚に対する、前記第2のインク受容層の膜厚が、2.0倍以下であることを特徴とする。
本発明によれば、インク吸収性、耐折り割れ性及び耐ひび割れ性が高い記録媒体を提供することができる。
以下、好適な実施の形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。
本発明者らの検討の結果、基材上にインク受容層を少なくとも2層(第1のインク受容層と第2のインク受容層)設け、下層である第1のインク受容層を水溶性樹脂を主体とする膨潤系のインク受容層とし、上層を無機粒子を主体とする空隙系のインク受容層とする方法に至った。ここで言う「膨潤系のインク受容層」とは、水溶性樹脂の膨潤によってインクを吸収するようなインク受容層を意味し、「空隙系のインク受容層」とは、無機粒子によって作られる空隙にインクを吸収するようなインク受容層を意味する。
本発明においては、下層を比較的軟らかい性質を有する膨潤系のインク受容層とすることで、折り目を付けた際の応力を緩和することができるため耐折り割れ性が向上する。更に、上層の空隙系のインク受容層に加えて、下層の膨潤系のインク受容層もインクの吸収に寄与することで高いインク吸収性が得られるものである。
ところがこのような構成の記録媒体を用いても、画像を記録した際にインク受容層にひび割れが発生してしまう場合があった。これは、画像を記録した際に下層の第1のインク受容層の膨潤による体積変化に上層の第2のインク受容層が追随できないことによって、第1のインク受容層と第2のインク受容層との界面で歪みが生じることが原因であると考えられる。
そこで本発明者らが更に検討を進めた結果、第1のインク受容層のうち、第2のインク受容層と接する領域を架橋することで、第1のインク受容層と第2のインク受容層との密着力を高め、第1のインク受容層と第2のインク受容層との界面での歪みを抑制できることが分かった。このとき、第1のインク受容層中に架橋剤を多く入れてしまうと、第1のインク受容層全体が架橋されてしまい、膨潤能が低下してインク吸収性が低くなってしまう。そこで、上層である第2のインク受容層用塗工液中に架橋剤を含有させて、この架橋剤によって、第1のインク受容層のうち第2のインク受容層と接する領域を架橋する方法を用いることが重要であることが分かった。具体的には、第2のインク受容層用塗工液は、無機粒子と水溶性樹脂と架橋剤とを含有し、水溶性樹脂の含有量が、第2のインク受容層用塗工液全体に対して4質量%以上22質量%以下となり、かつ、第2のインク受容層用塗工液全体における、水溶性樹脂の含有量に対する架橋剤の含有量が、質量比率で0.3倍以上となるようにする必要がある。更に、第1のインク受容層用塗工液が、架橋剤を含有する場合は、第1のインク受容層用塗工液全体における、水溶性樹脂の含有量に対する架橋剤の含有量が、質量比率で0.2倍未満となるようにする必要がある。また、第2のインク受容層用塗工液全体における水溶性樹脂の含有量は、5質量%以上22質量%以下であることが好ましく、6質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。
更に、第1のインク受容層をある程度の厚さとし、かつ、第1のインク受容層より第2のインク受容層の膜厚を特定の比率にすることで、画像を記録した際の第1のインク受容層の膨潤による体積変化を効率的に緩和することができることが分かった。具体的には、第1のインク受容層の膜厚を10μm以上とし、かつ、第1のインク受容層の膜厚に対する、第2のインク受容層の膜厚が、2.0倍以下となるようにする必要がある。更には、第1のインク受容層の膜厚は12μm以上であることが好ましい。また、第2のインク受容層の膜厚は30μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましい。第1のインク受容層の膜厚に対する、第2のインク受容層の膜厚は、1.5倍以下であることが好ましい。
また、第1のインク受容層が膨潤系のインク受容層となるように、第1のインク受容層用塗工液は水溶性樹脂を含有し、その含有量が第1のインク受容層用塗工液全体に対して70質量%以上100質量%以下となるようにする必要がある。更には、80質量%以上100質量%以下であることが好ましい。
[記録媒体]
本発明の記録媒体は、基材上に第1のインク受容層用塗工液と第2のインク受容層用塗工液を塗工することで形成され、基材と、第1のインク受容層と、第2のインク受容層とをこの順に有する。
本発明の記録媒体は、基材上に第1のインク受容層用塗工液と第2のインク受容層用塗工液を塗工することで形成され、基材と、第1のインク受容層と、第2のインク受容層とをこの順に有する。
<基材>
本発明で用いることができる基材としては、合成紙、プラスチックフィルム、樹脂被覆基材などが挙げられる。中でも樹脂被覆基材が好ましく用いられる。
本発明で用いることができる基材としては、合成紙、プラスチックフィルム、樹脂被覆基材などが挙げられる。中でも樹脂被覆基材が好ましく用いられる。
(樹脂被覆基材)
樹脂被覆基材は、基紙と樹脂層を有し、基紙が樹脂層で被覆されているものを意味する。樹脂層は、基紙のインク受容層を有する面に設けられることが好ましい。樹脂層は、基紙の片面のみに設けられていてもよいが、両面に設けられていることが好ましい。また、樹脂層は基紙の表面の一部を被覆するように設けられていればよいが、樹脂層の被覆率(樹脂層で被覆された基紙の表面の面積/基紙の表面の全面積)が70%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、更には、100%であること、即ち、基紙の表面の全面が樹脂層で被覆されていることが特に好ましい。以下、樹脂被覆基材を構成する各成分について、それぞれ説明する。
樹脂被覆基材は、基紙と樹脂層を有し、基紙が樹脂層で被覆されているものを意味する。樹脂層は、基紙のインク受容層を有する面に設けられることが好ましい。樹脂層は、基紙の片面のみに設けられていてもよいが、両面に設けられていることが好ましい。また、樹脂層は基紙の表面の一部を被覆するように設けられていればよいが、樹脂層の被覆率(樹脂層で被覆された基紙の表面の面積/基紙の表面の全面積)が70%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、更には、100%であること、即ち、基紙の表面の全面が樹脂層で被覆されていることが特に好ましい。以下、樹脂被覆基材を構成する各成分について、それぞれ説明する。
(基紙)
本発明において、基紙の膜厚は、50μm以上350μm以下である。更には、基紙の膜厚は、90μm以上120μm以下であることが好ましい。尚、本発明において、基紙の膜厚は、以下の方法で算出する。まず、記録媒体の断面をマイクロトームで切り出し、その断面を走査型電子顕微鏡で観察する。そして、基紙の任意の100点以上の膜厚を測定し、その平均値を基紙の膜厚とする。尚、本発明におけるその他の層の膜厚も同様の方法で算出するものとする。
本発明において、基紙の膜厚は、50μm以上350μm以下である。更には、基紙の膜厚は、90μm以上120μm以下であることが好ましい。尚、本発明において、基紙の膜厚は、以下の方法で算出する。まず、記録媒体の断面をマイクロトームで切り出し、その断面を走査型電子顕微鏡で観察する。そして、基紙の任意の100点以上の膜厚を測定し、その平均値を基紙の膜厚とする。尚、本発明におけるその他の層の膜厚も同様の方法で算出するものとする。
本発明において、基紙のJIS P 8118で規定される紙密度は、0.6g/cm3以上1.2g/cm3以下であることが好ましい。更には、0.7g/cm3以上1.2g/cm3以下であることがより好ましい。
基紙は、木材パルプを主原料とし、必要に応じてポリプロピレンなどの合成パルプや、ナイロンやポリエステルなどの合成繊維を加えて抄紙される。木材パルプとしては、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)、広葉樹溶解パルプ(LDP)、針葉樹溶解パルプ(NDP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)などが挙げられる。これらは、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。木材パルプの中でも短繊維成分の多いLBKP、NBSP、LBSP、NDP、LDPを用いることが好ましい。パルプとしては、不純物の少ない化学パルプ(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましい。また、漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも好ましい。紙基材中には、サイズ剤、白色顔料、紙力増強剤、蛍光増白剤、水分保持剤、分散剤、柔軟化剤などを適宜添加してもよい。
(樹脂層)
本発明において、樹脂層の膜厚は、5μm以上40μm以下が好ましく、8μm以上35μm以下がより好ましい。樹脂層を基紙の両面に設ける場合は、両面の樹脂層の膜厚が上記範囲を満足することが好ましい。
本発明において、樹脂層の膜厚は、5μm以上40μm以下が好ましく、8μm以上35μm以下がより好ましい。樹脂層を基紙の両面に設ける場合は、両面の樹脂層の膜厚が上記範囲を満足することが好ましい。
樹脂層に用いられる樹脂としては、熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂としては、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体などが挙げられる。これらの中でも、ポリオレフィン樹脂を用いることが好ましい。本発明において、ポリオレフィン樹脂とは、モノマーとしてオレフィンを用いた重合体を意味する。具体的には、エチレン、プロピレン、イソブチレンなどの単重合体や共重合体が挙げられる。ポリオレフィン樹脂は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、ポリエチレンを用いることが好ましい。ポリエチレンとしては、低密度ポリエチレン(LDPE)や高密度ポリエチレン(HDPE)を用いることが好ましい。
本発明において、樹脂層は、不透明度や白色度や色相を調整するために、白色顔料や蛍光増白剤や群青などを含有してもよい。中でも、不透明度を向上することができるため、白色顔料を含有することが好ましい。白色顔料としては、ルチル型又はアナターゼ型の酸化チタンが挙げられる。樹脂層中の、白色顔料の含有量は、樹脂の含有量に対して、3質量%以上25質量%以下が好ましく、4質量%以上13質量%以下がより好ましい。
<インク受容層>
以下、第1のインク受容層(下層)及び第2のインク受容層(上層)の材料についてまとめて説明をする。
以下、第1のインク受容層(下層)及び第2のインク受容層(上層)の材料についてまとめて説明をする。
(無機粒子)
本発明において、第2のインク受容層(上層)は無機粒子を含有する。また、第1のインク受容層(下層)は無機粒子を含有してもよい。
本発明において、第2のインク受容層(上層)は無機粒子を含有する。また、第1のインク受容層(下層)は無機粒子を含有してもよい。
無機粒子の平均一次粒子径は、50nm以下が好ましい。更には、1nm以上30nm以下がより好ましく、3nm以上10nm以下が特に好ましい。本発明において、無機粒子の平均一次粒子径は、電子顕微鏡によって観察したときの無機粒子の一次粒子の投影面積と等しい面積を有する円の直径の数平均粒子径である。このとき少なくとも100点以上で測定を行う。
本発明において、無機粒子は、分散剤によって分散されている状態で、インク受容層用の塗工液に用いられることが好ましい。分散状態での無機粒子の平均二次粒子径は、0.1nm以上500nm以下が好ましく、更には、1.0nm以上300nm以下がより好ましく、10nm以上250nm以下が特に好ましい。尚、分散状態での無機粒子の平均二次粒子径は、動的光散乱法により測定することができる。
本発明において、第2のインク受容層(上層)中に占める、無機粒子の含有量(質量%)は、50質量%以上98質量%以下であることが好ましく、更には、65質量%以上95質量%以下であることがより好ましい。
また、第1のインク受容層(下層)中に占める、無機粒子の含有量(質量%)は、30質量%以下であることが好ましく、更には、20質量%以下であることがより好ましい。
本発明に用いる無機粒子としては、例えば、アルミナ水和物、アルミナ、シリカ、コロイダルシリカ、二酸化チタン、ゼオライト、カオリン、タルク、ハイドロタルサイト、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウムなどが挙げられる。これらの無機粒子は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。上記無機粒子の中でも、インクの吸収性が高い多孔質構造を形成することができるアルミナ水和物、アルミナ、シリカを用いることが好ましい。
インク受容層に用いるアルミナ水和物は、
一般式(X):Al2O3−n(OH)2n・mH2O
(一般式(X)中、nは0、1、2、又は3であり、mは0以上10以下、好ましくは0以上5以下である。ただし、mとnは同時に0にはならない。)
により表されるものを好適に用いることができる。尚、mH2Oは、多くの場合、結晶格子の形成に関与しない脱離可能な水相を表すものであるため、mは整数でなくてもよい。また、アルミナ水和物を加熱するとmは0となり得る。
一般式(X):Al2O3−n(OH)2n・mH2O
(一般式(X)中、nは0、1、2、又は3であり、mは0以上10以下、好ましくは0以上5以下である。ただし、mとnは同時に0にはならない。)
により表されるものを好適に用いることができる。尚、mH2Oは、多くの場合、結晶格子の形成に関与しない脱離可能な水相を表すものであるため、mは整数でなくてもよい。また、アルミナ水和物を加熱するとmは0となり得る。
本発明においてアルミナ水和物は、公知の方法で製造することができる。具体的には、アルミニウムアルコキシドを加水分解する方法、アルミン酸ナトリウムを加水分解する方法、アルミン酸ナトリウムの水溶液に、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウムの水溶液を加えて中和する方法などが挙げられる。
アルミナ水和物の結晶構造としては、熱処理する温度に応じて、非晶質、ギブサイト型、ベーマイト型が知られている。尚、アルミナ水和物の結晶構造は、X線回折法によって分析することができる。本発明においては、これらの中でも、ベーマイト型のアルミナ水和物又は非晶質のアルミナ水和物が好ましい。具体例としては、特開平7−232473号公報、特開平8−132731号公報、特開平9−66664号公報、特開平9−76628号公報などに記載されたアルミナ水和物や、市販品としてはDisperal HP14、HP18(以上、サソール製)などを挙げることができる。これらのアルミナ水和物は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
また、本発明において、アルミナ水和物のBET法で求められる比表面積が100m2/g以上200m2/g以下であることが好ましく、125m2/g以上175m2/g以下であることがより好ましい。ここでBET法とは、試料表面に大きさの分かっている分子やイオンを吸着させて、その吸着量から、試料の比表面積を測定する方法である。本発明においては、試料に吸着させる気体として、窒素ガスを用いる。
インク受容層に用いるアルミナとしては、気相法アルミナが好ましい。気相法アルミナとしては、γ−アルミナ、α−アルミナ、δ−アルミナ、θ−アルミナ、χ−アルミナなどを挙げることができる。これらの中でも、画像の光学濃度やインク吸収性の観点から、γ−アルミナを用いることが好ましい。気相法アルミナの具体例としては、AEROXIDE;Alu C、Alu130、Alu65(以上、EVONIK製)などを挙げることができる。
本発明において、気相法アルミナのBET法で求められる比表面積が50m2/g以上が好ましく、80m2/g以上がより好ましい。また、150m2/g以下が好ましく、120m2/g以下がより好ましい。
また、気相法アルミナの平均一次粒子径は、5nm以上が好ましく、11nm以上がより好ましい。また、30nm以下が好ましく、15nm以下がより好ましい。
本発明に用いるアルミナ水和物及びアルミナは、水分散液としてインク受容層用塗工液に混合することが好ましく、その分散剤として酸を使用することが好ましい。酸としては、
一般式(Y):R−SO3H
(一般式(Y)中、Rは水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のアルケニル基の何れかを表す。Rは、オキソ基、ハロゲン原子、アルコキシ基、及びアシル基で置換されていてもよい。)
で表されるスルホン酸を用いることが、画像の滲みを抑制する効果が得られるため好ましい。本発明においては、上記酸の含有量は、アルミナ水和物及びアルミナの合計の含有量に対して、1.0質量%以上2.0質量%以下であることが好ましく、1.3質量%以上1.6質量%以下であることがより好ましい。
一般式(Y):R−SO3H
(一般式(Y)中、Rは水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のアルケニル基の何れかを表す。Rは、オキソ基、ハロゲン原子、アルコキシ基、及びアシル基で置換されていてもよい。)
で表されるスルホン酸を用いることが、画像の滲みを抑制する効果が得られるため好ましい。本発明においては、上記酸の含有量は、アルミナ水和物及びアルミナの合計の含有量に対して、1.0質量%以上2.0質量%以下であることが好ましく、1.3質量%以上1.6質量%以下であることがより好ましい。
インク受容層に用いるシリカは、その製法により湿式法と乾式法(気相法)に大別される。湿式法としては、ケイ酸塩の酸分解により活性シリカを生成し、これを適度に重合させ凝集沈降させて含水シリカを得る方法が知られている。一方、乾式法(気相法)としては、ハロゲン化珪素の高温気相加水分解による方法(火炎加水分解法)や、ケイ砂とコークスとを電気炉中でアークによって加熱還元気化し、これを空気で酸化する方法(アーク法)によって無水シリカを得る方法が知られている。本発明においては、乾式法(気相法)により得られるシリカ(以下、「気相法シリカ」ともいう)を用いることが好ましい。これは、気相法シリカは、比表面積が特に大きいので、インクの吸収性が特に高く、また、屈折率が低いので、インク受容層に透明性を付与でき、良好な発色性が得られるためである。具体的に、気相法シリカとしては、アエロジル(日本アエロジル製)、レオロシールQSタイプ(トクヤマ製)などが挙げられる。
本発明において、気相法シリカのBET法による比表面積は50m2/g以上400m2/g以下であることが好ましく、200m2/g以上350m2/g以下であることがより好ましい。
本発明において、気相法シリカは、分散剤によって分散されている状態で、インク受容層用の塗工液に用いられることが好ましい。分散状態での気相法シリカの粒子径は、50nm以上300nm以下であることがより好ましい。尚、分散状態での気相法シリカの粒子径は、動的光散乱法により測定することができる。
本発明において、アルミナ水和物、アルミナ、シリカは混合して使用してもよい。具体的には、アルミナ水和物、アルミナ、シリカから選択される少なくとも2種を、粉体状態で混合、分散して分散液とする方法が挙げられる。本発明においては、無機粒子として、アルミナ水和物及び気相法アルミナを共に用いることが好ましい。その場合、インク受容層の最表面層に含まれる、アルミナ水和物の含有量(質量%)が、気相法アルミナの含有量(質量%)に対して、質量比率で60/40倍以上90/10倍以下、即ち、1.5倍以上9.0倍以下であることが好ましい。
(水溶性樹脂)
本発明において、第1のインク受容層用塗工液及び第2のインク受容層用塗工液は何れも、水溶性樹脂を含有する。
本発明において、第1のインク受容層用塗工液及び第2のインク受容層用塗工液は何れも、水溶性樹脂を含有する。
本発明においては、第1のインク受容層用塗工液全体における水溶性樹脂の含有量は70質量%以上100質量%以下である必要がある。更には、80質量%以上100質量%以下が好ましい。
また、第2のインク受容層用塗工液全体における水溶性樹脂の含有量は4質量%以上22質量%以下である必要がある。更には、6質量%以上20質量%以下が好ましい。
水溶性樹脂としては例えば、ゼラチン、ゼラチン誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール誘導体、セルロース誘導体、デキストラン、デキストリン、寒天、キサンテンガム、ローカストビーンガム、アラビアゴムなどが挙げられる。これらの水溶性樹脂は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
第1のインク受容層(下層)に含有する水溶性樹脂としては、以下の条件で測定した際の弾性変形仕事率が50%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましい。弾性変形仕事率は、装置としてピコデンターHM−50(フィッシャーインストルメンツ製)を用い、押し込み力:3mN、押し込み時間:20sec、クリープ時間:10secの測定条件でサンプルを測定する。サンプルは、弾性変形仕事率が70のポリエチレンテレフタラート基材上に測定対象である水溶性樹脂を乾燥時の膜厚が10μmとなる様に塗工して作製する。
上記した水溶性樹脂の中でも、ポリビニルアルコールやポリビニルアルコール誘導体を用いることが好ましい。ポリビニルアルコール誘導体としては、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタールなどが挙げられる。カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば特開昭61−10483号公報に記載されているような、第1〜3級アミノ基または第4級アンモニウム基をポリビニルアルコールの主鎖又は側鎖中に有するポリビニルアルコールが好ましい。
ポリビニルアルコールは、例えば、ポリ酢酸ビニルをけん化して合成することができる。ポリビニルアルコールのけん化度としては、80mol%以上100mol%以下が好ましく、85mol%以上98mol%以下がより好ましい。尚、けん化度とは、ポリ酢酸ビニルをけん化してポリビニルアルコールを得た際の、けん化反応によって生じた水酸基のモル数の割合であり、本発明においては、JIS−K6726の方法で測定した値を用いるものとする。また、ポリビニルアルコールの平均重合度は、2,000以上が好ましく、2,000以上5,000以下がより好ましい。尚、本発明において平均重合度は、JIS−K6726の方法で求めた粘度平均重合度を用いるものとする。
本発明においては、第1のインク受容層及び第2のインク受容層に用いる水溶性樹脂を同種のものとすることが好ましい。更には、第1のインク受容層及び第2のインク受容層に用いる水溶性樹脂が、何れもポリビニルアルコール又はポリビニルアルコール誘導体であることが好ましい。
(架橋剤)
本発明において、第2のインク受容層用塗工液は、架橋剤を含有する。第2のインク受容層用塗工液全体における、水溶性樹脂の含有量に対する架橋剤の含有量が、質量比率で0.3倍以上である必要がある。更には0.3倍以上0.5倍以下が好ましい。
本発明において、第2のインク受容層用塗工液は、架橋剤を含有する。第2のインク受容層用塗工液全体における、水溶性樹脂の含有量に対する架橋剤の含有量が、質量比率で0.3倍以上である必要がある。更には0.3倍以上0.5倍以下が好ましい。
また、第1のインク受容層用塗工液は、架橋剤を含有してもよく、その場合は、第1のインク受容層用塗工液全体における、水溶性樹脂の含有量に対する架橋剤の含有量が、質量比率で0.20倍未満である必要がある。更には0.18倍以下が好ましい。
架橋剤としては、例えば、アルデヒド系化合物、メラミン系化合物、イソシアネート系化合物、ジルコニウム系化合物、アミド系化合物、アルミニウム系化合物、ホウ酸、及びホウ酸塩などが挙げられる。これらの架橋剤は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。特にバインダーとしてポリビニルアルコールやポリビニルアルコール誘導体を用いる場合は、上記した架橋剤の中でも、ホウ酸やホウ酸塩を用いることが好ましい。
ホウ酸としては、オルトホウ酸(H3BO3)、メタホウ酸、ジホウ酸などが挙げられる。ホウ酸塩としては、上記ホウ酸の水溶性の塩が好ましい。例えば、ホウ酸のナトリウム塩やカリウム塩などのホウ酸のアルカリ金属塩;ホウ酸のマグネシウム塩やカルシウム塩などのホウ酸のアルカリ土類金属塩;ホウ酸のアンモニウム塩などが挙げられる。これらの中でも、オルトホウ酸を用いることが、塗工液の経時安定性とクラックの発生を抑制する効果の観点から好ましい。
(その他の添加剤)
本発明において、インク受容層は、これまで述べてきたもの以外のその他の添加剤を含有してもよい。具体的には、pH調整剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、界面活性剤、離型剤、浸透剤、着色顔料、着色染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、耐水化剤、染料定着剤、硬化剤、耐候材料などが挙げられる。
本発明において、インク受容層は、これまで述べてきたもの以外のその他の添加剤を含有してもよい。具体的には、pH調整剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、界面活性剤、離型剤、浸透剤、着色顔料、着色染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、耐水化剤、染料定着剤、硬化剤、耐候材料などが挙げられる。
[記録媒体の製造方法]
本発明において、記録媒体を製造する方法としては、基材を作製する工程と、インク受容層用の塗工液を調製する工程と、インク受容層用塗工液を基材に塗工する工程とを有する方法が好ましい。以下、記録媒体の製造方法について説明する。
本発明において、記録媒体を製造する方法としては、基材を作製する工程と、インク受容層用の塗工液を調製する工程と、インク受容層用塗工液を基材に塗工する工程とを有する方法が好ましい。以下、記録媒体の製造方法について説明する。
<基材の作製方法>
本発明において、基紙の作製方法としては、一般的に用いられている抄紙方法を適用することができる。抄紙装置としては、例えば長網抄紙機、丸網抄紙機、円胴、ツインワイヤーなどが挙げられる。基紙の表面平滑性を高めるために、抄紙工程中又は抄紙工程後に、熱及び圧力を加えて表面処理してもよい。具体的な表面処理方法としては、マシンカレンダーやスーパーカレンダーといったカレンダー処理が挙げられる。
本発明において、基紙の作製方法としては、一般的に用いられている抄紙方法を適用することができる。抄紙装置としては、例えば長網抄紙機、丸網抄紙機、円胴、ツインワイヤーなどが挙げられる。基紙の表面平滑性を高めるために、抄紙工程中又は抄紙工程後に、熱及び圧力を加えて表面処理してもよい。具体的な表面処理方法としては、マシンカレンダーやスーパーカレンダーといったカレンダー処理が挙げられる。
基紙の上に樹脂層を設ける方法、即ち、基紙を樹脂で被覆する方法としては、溶融押出法、ウェットラミネーション、ドライラミネーションなどが挙げられる。中でも、基紙の片面又は両面に溶融した樹脂を押し出しコーティングする溶融押出法が好ましい。溶融押出法としては、搬送されてきた基紙と押出ダイから押し出された樹脂を、ニップローラと冷却ローラーとの間のニップ点において接触させ圧着することで樹脂層を基紙上にラミネートする方法(押出コーティング方法ともいう)が広く採用されている。溶融押出法により、樹脂層を設ける際には、基紙と樹脂層の接着がより強固となるように、前処理を施してもよい。前処理としては、硫酸クロム酸混液による酸エッチング処理、ガス炎による火炎処理、紫外線照射処理、コロナ放電処理、グロー放電処理、アルキルチタネートなどのアンカーコート処理などが挙げられる。中でも、コロナ放電処理が好ましい。また、樹脂層に白色顔料を含有させる場合は、樹脂と白色顔料を混合したもので、基紙を被覆すればよい。
<インク受容層の形成方法>
本発明の記録媒体において、基材に第1のインク受容層及び第2のインク受容層を形成する方法としては、例えば以下の方法を挙げることができる。まず、第1のインク受容層用塗工液及び第2のインク受容層用塗工液をそれぞれ調製する。そして、基材に上記塗工液を塗工及び乾燥することで、本発明の記録媒体を得ることができる。塗工液の塗工方法としては、カーテンコーター、エクストルージョン方式を用いたコーター、スライドホッパー方式を用いたコーターなどを用いることができる。尚、塗工時に塗工液を加温してもよい。また、塗工後の乾燥方法としては、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤーなどの熱風乾燥機を使用する方法、赤外線、加熱ドライヤー、マイクロ波などを利用した乾燥機を使用する方法が挙げられる。
本発明の記録媒体において、基材に第1のインク受容層及び第2のインク受容層を形成する方法としては、例えば以下の方法を挙げることができる。まず、第1のインク受容層用塗工液及び第2のインク受容層用塗工液をそれぞれ調製する。そして、基材に上記塗工液を塗工及び乾燥することで、本発明の記録媒体を得ることができる。塗工液の塗工方法としては、カーテンコーター、エクストルージョン方式を用いたコーター、スライドホッパー方式を用いたコーターなどを用いることができる。尚、塗工時に塗工液を加温してもよい。また、塗工後の乾燥方法としては、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤーなどの熱風乾燥機を使用する方法、赤外線、加熱ドライヤー、マイクロ波などを利用した乾燥機を使用する方法が挙げられる。
本発明においては、基材に、第1のインク受容層用塗工液と、第2のインク受容層用塗工液とを同時多層塗工法により塗工することで得ることが好ましい。本発明において、「同時多層塗工法」とは、複数の塗工液を傾斜したスライド面上で予め多層化し、その多層化された塗工液を基材上に転移させて多層のインク受容層を形成する塗工方法である。ここでいう「同時」とは、複数の層を複数の工程に分けて塗工する(例えば、2層を1層ずつ2工程に分けて塗工する)のではなく、1つの工程で塗工することを意味している。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に詳細に説明する。本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。尚、以下の実施例の記載において、「部」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
[実施例1]
<基材の作製>
カナダ標準濾水度が450mLCSFのLBKP80部、カナダ標準濾水度が480mLCSFのNBKP20部、カチオン化澱粉0.60部、重質炭酸カルシウム10部、軽質炭酸カルシウム15部、アルキルケテンダイマー0.10部、カチオン性ポリアクリルアミド0.030部を混合し、固形分の含有量が3.0質量%となるように水を加えて、紙料を得た。次いで、紙料を長網抄紙機で抄造し、3段のウエットプレスを行った後、多筒式ドライヤーで乾燥した。その後、サイズプレス装置で乾燥後の固形分が1.0g/m2となるように酸化澱粉水溶液を含浸、乾燥させ、更に、マシンカレンダー仕上げをして、坪量が170g/m2、ステキヒトサイズ度100秒、透気度50秒、ベック平滑度30秒、ガーレー剛度11.0mN、膜厚が100μmの基紙を作製した。次いで、低密度ポリエチレン70部と、高密度ポリエチレン20部と、酸化チタン10部とからなる樹脂組成物を、乾燥塗工量が25g/m2となる様に、基紙の片面に塗工した。尚、この面を基材の表面とする。更に、基紙のもう一方の面に低密度ポリエチレン50部と、高密度ポリエチレン50部とからなる樹脂組成物を、乾燥塗工量が25g/m2となる様に、塗工することで、基材を得た。
<基材の作製>
カナダ標準濾水度が450mLCSFのLBKP80部、カナダ標準濾水度が480mLCSFのNBKP20部、カチオン化澱粉0.60部、重質炭酸カルシウム10部、軽質炭酸カルシウム15部、アルキルケテンダイマー0.10部、カチオン性ポリアクリルアミド0.030部を混合し、固形分の含有量が3.0質量%となるように水を加えて、紙料を得た。次いで、紙料を長網抄紙機で抄造し、3段のウエットプレスを行った後、多筒式ドライヤーで乾燥した。その後、サイズプレス装置で乾燥後の固形分が1.0g/m2となるように酸化澱粉水溶液を含浸、乾燥させ、更に、マシンカレンダー仕上げをして、坪量が170g/m2、ステキヒトサイズ度100秒、透気度50秒、ベック平滑度30秒、ガーレー剛度11.0mN、膜厚が100μmの基紙を作製した。次いで、低密度ポリエチレン70部と、高密度ポリエチレン20部と、酸化チタン10部とからなる樹脂組成物を、乾燥塗工量が25g/m2となる様に、基紙の片面に塗工した。尚、この面を基材の表面とする。更に、基紙のもう一方の面に低密度ポリエチレン50部と、高密度ポリエチレン50部とからなる樹脂組成物を、乾燥塗工量が25g/m2となる様に、塗工することで、基材を得た。
<インク受容層の作製>
(第1のインク受容層用塗工液の調製)
ポリビニルアルコール(商品名;PVA235、クラレ製、重合度:3500、ケン化度:88%)をイオン交換水中に溶解させて、固形分8.0質量%のポリビニルアルコール水溶液を得た。これに、3.0質量%のホウ酸水溶液をポリビニルアルコールに対してホウ酸が10質量%となるように混合して、第1のインク受容層用塗工液を得た。
(第1のインク受容層用塗工液の調製)
ポリビニルアルコール(商品名;PVA235、クラレ製、重合度:3500、ケン化度:88%)をイオン交換水中に溶解させて、固形分8.0質量%のポリビニルアルコール水溶液を得た。これに、3.0質量%のホウ酸水溶液をポリビニルアルコールに対してホウ酸が10質量%となるように混合して、第1のインク受容層用塗工液を得た。
(第2のインク受容層用塗工液の調製)
イオン交換水中に、アルミナ水和物(商品名;Disperal HP14、サソール製)を濃度が30質量%となるように添加した。次に、アルミナ水和物に対してメタンスルホン酸を1.4質量%加えて攪拌し、コロイダルゾルを得た。得られたコロイダルゾルをアルミナ水和物濃度が27質量%となるようにイオン交換水で希釈して、アルミナ水和物分散液を得た。
イオン交換水中に、アルミナ水和物(商品名;Disperal HP14、サソール製)を濃度が30質量%となるように添加した。次に、アルミナ水和物に対してメタンスルホン酸を1.4質量%加えて攪拌し、コロイダルゾルを得た。得られたコロイダルゾルをアルミナ水和物濃度が27質量%となるようにイオン交換水で希釈して、アルミナ水和物分散液を得た。
一方、ポリビニルアルコール(商品名;PVA235、クラレ製、重合度:3500、ケン化度:88%)をイオン交換水中に溶解させて、固形分8.0質量%のポリビニルアルコール水溶液を得た。得られたポリビニルアルコール水溶液と、上記で調製したアルミナ水和物分散液とを、アルミナに対してポリビニルアルコールが9質量%となるように混合した。これに、3.0質量%のホウ酸水溶液をポリビニルアルコールに対してホウ酸が30質量%となるように混合して、第2のインク受容層用塗工液を得た。
(インク受容層の作製)
上記で得た基材に、第1のインク受容層用塗工液及び第2のインク受容層用塗工液をこの順になるようにスライドダイ(液温40℃)で同時多層塗工法により塗工し、40℃の空気を順次吹き付けて乾燥し、記録媒体を得た。このとき膜厚は第1のインク受容層が15μmであり、第2のインク受容層が15μmであった。
上記で得た基材に、第1のインク受容層用塗工液及び第2のインク受容層用塗工液をこの順になるようにスライドダイ(液温40℃)で同時多層塗工法により塗工し、40℃の空気を順次吹き付けて乾燥し、記録媒体を得た。このとき膜厚は第1のインク受容層が15μmであり、第2のインク受容層が15μmであった。
[実施例2]
実施例1において、第2のインク受容層用塗工液におけるホウ酸の含有量を40質量%に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を作製した。
実施例1において、第2のインク受容層用塗工液におけるホウ酸の含有量を40質量%に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を作製した。
[実施例3]
実施例1において、第1のインク受容層用塗工液におけるホウ酸の含有量を0質量%に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を作製した。
実施例1において、第1のインク受容層用塗工液におけるホウ酸の含有量を0質量%に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を作製した。
[実施例4]
実施例1において、第1のインク受容層用塗工液におけるホウ酸の含有量を18質量%に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を作製した。
実施例1において、第1のインク受容層用塗工液におけるホウ酸の含有量を18質量%に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を作製した。
[実施例5]
実施例1おいて、第1のインク受容層用塗工液にアルミナ水和物分散液を15部加えた以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を作製した。
実施例1おいて、第1のインク受容層用塗工液にアルミナ水和物分散液を15部加えた以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を作製した。
[実施例6]
実施例1おいて、第1のインク受容層用塗工液にアルミナ水和物分散液を30部加えた以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を作製した。
実施例1おいて、第1のインク受容層用塗工液にアルミナ水和物分散液を30部加えた以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を作製した。
[実施例7]
実施例1おいて、第1のインク受容層の膜厚を16μm、第2のインク受容層の膜厚を18μmに変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を作製した。
実施例1おいて、第1のインク受容層の膜厚を16μm、第2のインク受容層の膜厚を18μmに変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を作製した。
[実施例8]
実施例1おいて、第1のインク受容層の膜厚を12μm、第2のインク受容層の膜厚を22μmに変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を作製した。
実施例1おいて、第1のインク受容層の膜厚を12μm、第2のインク受容層の膜厚を22μmに変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を作製した。
[実施例9]
実施例1おいて、第1のインク受容層の膜厚を21μm、第2のインク受容層の膜厚を16μmに変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を作製した。
実施例1おいて、第1のインク受容層の膜厚を21μm、第2のインク受容層の膜厚を16μmに変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を作製した。
[実施例10]
実施例1おいて、第1のインク受容層の膜厚を10μmに変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を作製した。
実施例1おいて、第1のインク受容層の膜厚を10μmに変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を作製した。
[実施例11]
実施例1において、第2のインク受容層用塗工液におけるポリビニルアルコールの含有量を5部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を作製した。
実施例1において、第2のインク受容層用塗工液におけるポリビニルアルコールの含有量を5部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を作製した。
[実施例12]
イオン交換水中に、気相法シリカ(商品名;AEROSIL300、EVONIK製)を濃度が22質量%となるように添加した。次に、気相法シリカに対してカチオンポリマー(商品名;シャロールDC902P、第一工業製薬製)を5.0質量%加えて攪拌し、コロイダルゾルを得た。得られたコロイダルゾルを気相法シリカ濃度が18質量%となるようにイオン交換水で希釈して、気相法シリカ分散液を得た。
イオン交換水中に、気相法シリカ(商品名;AEROSIL300、EVONIK製)を濃度が22質量%となるように添加した。次に、気相法シリカに対してカチオンポリマー(商品名;シャロールDC902P、第一工業製薬製)を5.0質量%加えて攪拌し、コロイダルゾルを得た。得られたコロイダルゾルを気相法シリカ濃度が18質量%となるようにイオン交換水で希釈して、気相法シリカ分散液を得た。
実施例1おいて、アルミナ水和物分散液を気相法シリカ分散液に変更し、第2のインク受容層用塗工液におけるポリビニルアルコールの含有量を30部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を作製した。
[実施例13]
実施例3において、第2のインク受容層用塗工液のホウ酸をカルボジイミド(商品名;カルボジライトSV−02、日清紡ケミカル製)に変更し、第1のインク受容層用塗工液における水溶性ポリマーをポリビニルアルコールからゼラチンに変更した以外は、実施例3と同様にしてインクジェット記録媒体を作成した。
実施例3において、第2のインク受容層用塗工液のホウ酸をカルボジイミド(商品名;カルボジライトSV−02、日清紡ケミカル製)に変更し、第1のインク受容層用塗工液における水溶性ポリマーをポリビニルアルコールからゼラチンに変更した以外は、実施例3と同様にしてインクジェット記録媒体を作成した。
[実施例14]
実施例1において、第1のインク受容層用塗工液における水溶性ポリマーをポリビニルアルコールからゼラチンに変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を作成した。
実施例1において、第1のインク受容層用塗工液における水溶性ポリマーをポリビニルアルコールからゼラチンに変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を作成した。
[比較例1]
実施例1において、第2のインク受容層用塗工液におけるホウ酸の含有量を15質量%、第1のインク受容層用塗工液におけるホウ酸の含有量を20質量%に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を作製した。
実施例1において、第2のインク受容層用塗工液におけるホウ酸の含有量を15質量%、第1のインク受容層用塗工液におけるホウ酸の含有量を20質量%に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を作製した。
[比較例2]
比較例1において、第1のインク受容層用塗工液におけるホウ酸の含有量を5質量%に変更した以外は、比較例1と同様にしてインクジェット記録媒体を作製した。
比較例1において、第1のインク受容層用塗工液におけるホウ酸の含有量を5質量%に変更した以外は、比較例1と同様にしてインクジェット記録媒体を作製した。
[比較例3]
比較例1において、第2のインク受容層用塗工液におけるホウ酸の含有量を30%、第1のインク受容層用塗工液におけるホウ酸の含有量を25%に変更した以外は、比較例1と同様にしてインクジェット記録媒体を作製した。
比較例1において、第2のインク受容層用塗工液におけるホウ酸の含有量を30%、第1のインク受容層用塗工液におけるホウ酸の含有量を25%に変更した以外は、比較例1と同様にしてインクジェット記録媒体を作製した。
[比較例4]
実施例5において、第1のインク受容層用塗工液のシリカの含有量を35部に変更した以外は、実施例5と同様にしてインクジェット記録媒体を作製した。
実施例5において、第1のインク受容層用塗工液のシリカの含有量を35部に変更した以外は、実施例5と同様にしてインクジェット記録媒体を作製した。
[比較例5]
実施例1において第1のインク受容層の膜厚を9μmに変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を作製した。
実施例1において第1のインク受容層の膜厚を9μmに変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を作製した。
[比較例6]
実施例7において、第2のインク受容層用塗工液におけるポリビニルアルコールの含有量を35部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を作製した。
実施例7において、第2のインク受容層用塗工液におけるポリビニルアルコールの含有量を35部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を作製した。
[比較例7]
実施例1において上第1のインク受容層用塗工液におけるホウ酸をカルボジイミドに変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を作製した。
実施例1において上第1のインク受容層用塗工液におけるホウ酸をカルボジイミドに変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を作製した。
[比較例8]
実施例1において、第2のインク受容層用塗工液におけるポリビニルアルコールの含有量を4部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を作製した。
実施例1において、第2のインク受容層用塗工液におけるポリビニルアルコールの含有量を4部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を作製した。
[比較例9]
実施例1において、第2のインク受容層の膜厚を23μm、第1のインク受容層の膜厚を11μmに変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を作成した。
実施例1において、第2のインク受容層の膜厚を23μm、第1のインク受容層の膜厚を11μmに変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を作成した。
[比較例10]
実施例1において、第1のインク受容層塗工液のみを基材に膜厚30μmになるように塗工してインクジェット記録媒体を作製した。
実施例1において、第1のインク受容層塗工液のみを基材に膜厚30μmになるように塗工してインクジェット記録媒体を作製した。
[比較例11]
実施例5において、第1のインク受容層塗工液のみを基材に膜厚30μmになるように塗工してインクジェット記録媒体を作製した。
実施例5において、第1のインク受容層塗工液のみを基材に膜厚30μmになるように塗工してインクジェット記録媒体を作製した。
[比較例12]
実施例1において第2のインク受容層塗工液のみを基材に膜厚30μmになるように塗工してインクジェット記録媒体を作製した。
実施例1において第2のインク受容層塗工液のみを基材に膜厚30μmになるように塗工してインクジェット記録媒体を作製した。
[評価]
(耐折り割れ性)
得られた記録媒体をA4サイズにし、インクジェットプリンター(商品名:MP990、キヤノン製)を用いて、写真用紙 光沢ゴールド、色補正なしモードにて、記録面全面にブラックのベタ印字を行った。印字を行った記録媒体を印字面が内側になるようにして2つ折りにし、更に、プレス機を用いて500kgの荷重をかけて5分間保持し、折目をつけた。折目がついた記録媒体を20回開閉した後、折目部分を目視で確認し、以下の基準で評価を行った。
A:白い筋がほとんど見えなかった
B:白い筋が少し見えた
C:白い筋が見えた。
(耐折り割れ性)
得られた記録媒体をA4サイズにし、インクジェットプリンター(商品名:MP990、キヤノン製)を用いて、写真用紙 光沢ゴールド、色補正なしモードにて、記録面全面にブラックのベタ印字を行った。印字を行った記録媒体を印字面が内側になるようにして2つ折りにし、更に、プレス機を用いて500kgの荷重をかけて5分間保持し、折目をつけた。折目がついた記録媒体を20回開閉した後、折目部分を目視で確認し、以下の基準で評価を行った。
A:白い筋がほとんど見えなかった
B:白い筋が少し見えた
C:白い筋が見えた。
(記録後の耐ひび割れ性)
得られた記録媒体をA4サイズにし、インクジェットプリンター(商品名:MP990、キヤノン製)を用いて、写真用紙 光沢ゴールド、色補正なしモードにて印字後、目視にて受容層のひび割れの有無を観察した
A:ひび割れは見られなかった
B:ひび割れが一部見られた
C:ひび割れが見られた。
得られた記録媒体をA4サイズにし、インクジェットプリンター(商品名:MP990、キヤノン製)を用いて、写真用紙 光沢ゴールド、色補正なしモードにて印字後、目視にて受容層のひび割れの有無を観察した
A:ひび割れは見られなかった
B:ひび割れが一部見られた
C:ひび割れが見られた。
(インク吸収性)
得られた記録媒体のそれぞれの記録面に、インクジェットプリンター(商品名:MP990、キヤノン製)を用いて、写真用紙 光沢ゴールド、色補正なしモードにて、グリーンのベタ印字を行った。更に、印字部を目視にて観察し、下記の基準で判定した。
A:ベタ部にムラがほとんど見られかった
B:ベタ部に少しムラが見られた
C:ベタ部にインクのあふれが見られた。
得られた記録媒体のそれぞれの記録面に、インクジェットプリンター(商品名:MP990、キヤノン製)を用いて、写真用紙 光沢ゴールド、色補正なしモードにて、グリーンのベタ印字を行った。更に、印字部を目視にて観察し、下記の基準で判定した。
A:ベタ部にムラがほとんど見られかった
B:ベタ部に少しムラが見られた
C:ベタ部にインクのあふれが見られた。
Claims (2)
- 基材と、前記基材上に第1のインク受容層用塗工液と第2のインク受容層用塗工液を塗工することで形成される、第1のインク受容層と第2のインク受容層とをこの順に有する記録媒体であって、
前記第1のインク受容層用塗工液が、水溶性樹脂を含有し、
前記第1のインク受容層用塗工液全体における前記水溶性樹脂の含有量が70質量%以上100質量%以下であり、
前記第1のインク受容層用塗工液が、更に架橋剤を含有する場合は、前記第1のインク受容層用塗工液全体における、前記水溶性樹脂の含有量に対する前記架橋剤の含有量が、質量比率で0.2倍未満であり、
前記第2のインク受容層用塗工液が、無機粒子と水溶性樹脂と架橋剤とを含有し、
前記第2のインク受容層用塗工液全体における前記水溶性樹脂の含有量が4質量%以上22質量%以下であり、
前記第2のインク受容層用塗工液全体における、前記水溶性樹脂の含有量に対する前記架橋剤の含有量が、質量比率で0.3倍以上であり、
前記第1のインク受容層の膜厚が、10μm以上であり、
前記第1のインク受容層の膜厚に対する、前記第2のインク受容層の膜厚が、2.0倍以下であることを特徴とする記録媒体。 - 前記第1のインク受容層用塗工液と前記第2のインク受容層用塗工液とを、同時多層塗工法によって前記基材に塗工する請求項1に記載の記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013161461A JP2015030198A (ja) | 2013-08-02 | 2013-08-02 | 記録媒体 |
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