JP4301370B2 - プリント用複層糸条メッシュシート - Google Patents
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Description
従来、インクジェット印刷に用いられるメッシュシートは、それを構成する樹脂被覆糸条の交叉部が盛り上がっており、また、描画された画像を構成するインクドットの真円度が低いため画像の鮮明さが低く、またプリントされたインクがメッシュシートの樹脂被覆糸条の裏側に滲み出るという問題点が知られている。この現象はインクの裏まわりと称されている。
(a)前記繊維糸条が、重合体繊維からなる芯層と、合成樹脂を含み、かつ前記芯層を被覆している鞘層とからなる芯/鞘型複層糸条であり、
(b)前記芯層を構成する重合体繊維の溶融温度が、前記鞘層を構成している合成樹脂の溶融温度よりも高く、
(c)前記メッシュシートに編織成された複層糸条が、それに隣接する糸条との接合部において、前記鞘層の接合部が互に熱接着されており、
(d)前記複層糸条の断面形状が、前記複層糸条メッシュシート表面に沿う方向に偏平化されていて、この偏平断面形状の、前記複層糸条メッシュシート表面に平行な方向の最大長さL1 と、それに直角な方向の最大長さL2 との比L1 :L2 が、1.3:1〜5:1の範囲内にあり、
(e)前記鞘層及び芯層のマンセル明度がともに8.0以上9.0未満であり、
(f)前記複層糸条間に形成された透孔の合計面積が、前記メッシュシートの全表面積の0.5以下である、
ことを特徴とするものである。
本発明のプリント用複層糸条メッシュシートに用いられる前記複層糸条において、前記芯層を構成する重合体繊維の溶融温度が、前記鞘層を構成する合成樹脂の溶融温度よりも20℃以上高いことが好ましい。
本発明のプリント用複層糸条メッシュシートに用いられる前記芯/鞘型複層糸条において、前記芯層を構成する重合体繊維が100〜500℃の溶融温度を有し、前記鞘層を構成する合成樹脂が80〜250℃の溶融温度を有し、前記芯層の重合体繊維の溶融温度が前記鞘層の合成樹脂の溶融温度よりも20〜50℃高いことが好ましい。
本発明のプリント用複層糸条メッシュシートにおいて、前記複層糸条の前記芯層を構成する重合体繊維及び前記鞘層を構成する合成樹脂が着色されていることが好ましい。
本発明のプリント用複層糸条メッシュシートにおいて、前記芯/鞘型複層糸条の鞘層のみの、又は芯鞘両層が、それぞれの層を構成する重合体成分の質量に対し1〜10質量%の難燃性付与剤を含有していることが好ましい。
本発明のプリント用複層糸条メッシュシートにおいて、前記難燃性付与剤が、芳香族系臭素化合物、脂環族系臭素化合物、脂肪族系臭素化合物、ポリ燐酸アンモニウム系化合物、ポリ燐酸エステル系化合物、および(イソ)シアヌル酸誘導体化合物から選ばれた少なくとも1種を含むことが好ましい。
本発明のプリント用複層糸条メッシュシートにおいて、前記芯/鞘型複層糸条の芯層を構成する重合体繊維が、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、芳香族ポリアミド繊維、アクリル繊維、およびポリオレフィン繊維から選ばれることが好ましい。
本発明のプリント用複層糸条メッシュシートにおいて、前記芯/鞘型複層糸条の鞘層を構成する合成樹脂が、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、およびウレタン系樹脂から選ばれることが好ましい。
本発明のプリント用複層糸条メッシュシートにおいて、前記芯/鞘型複層糸条の鞘層が、芯層を構成する重合体繊維を、前記鞘層を構成する合成樹脂含有組成物をもってディッピング及び/又は(押出し)コーティングすることにより形成されたものであることが好ましい。
本発明のメッシュシートにおいて、複合糸条の鞘層及び芯層のマンセル明度(マンセルバリュー)は、JIS Z 8721に準拠する。財団法人 日本色彩研究所製作、財団法人 日本規格協会発行の標準色票、明度スケールに対比して判定した。
図1に示されているように、本発明に使用される粗目織物1は、それぞれ間隔をあけて配置された経糸2及び緯糸3により織成されたものであって、経緯糸の間に透孔4が形成されている。
図2は本発明のプリント用複層糸条メッシュシートの一例を示す粗目編織物1の模式図である。粗目編織物21は、それぞれ間隔をあけて配置された複層経糸22及び複層緯糸23により織成されたものであって、経緯糸の間に透孔24が形成されている。複層経糸22及び緯糸23の各々は、芯層25と、それをとりかこむ鞘層26から形成されている。経糸22と緯糸23とは、交差部27において交差し、それぞれの糸条が交差部27において鞘層同志の熱融着により接着固定されている。従って経糸22と緯糸23とは、その交差部27において加圧熱接着固定されていて、糸ずれの発生が防止され交差部が平らに形成される。
本発明のプリント用複層糸条メッシュシートの、複層糸条の断面形状における偏平化の程度は、複層糸条の断面形状における、複層糸条メッシュシートの表面に平行な方向の長さ(長径)L1 と、複層糸条メッシュシート表面に直角をなす方向の長さ(短径)L2 との比L1 :L2 (以下、これを断面偏平比と記す)により表され、本発明の複層糸条においては、断面偏平比L1 :L2 が、1.3:1〜5:1の範囲内にあり、1.5:1〜2.5:1であることが好ましく、例えば2:1であることが、更に好ましい。
この断面形状において、断面偏平比L1 :L2 <1.3:1のときは、複層糸条が形成する印刷面の曲率が大きく、このため複層糸条に固着するインクドットの真円度が低くなり、従って画像の鮮明性が低下する。またL1 :L2 >5:1になると、複層糸条の偏平度が適度に高いため、従ってメッシュシートの強度が低下する傾向があり柔軟性も低下する。
(a)前記繊維糸条が、重合体繊維からなる芯層と、合成樹脂を含み、かつ前記芯層を被覆している鞘層とからなる芯/鞘型複層糸条であること、
(b)前記芯層を構成する重合体繊維の溶融温度が、前記鞘層を構成している合成樹脂の溶融温度よりも高いこと、
(c)前記メッシュシートに編織成された複層糸条が、それに隣接する糸条との接合部において、前記鞘層の接合部が互に熱接着されていること、
(d)前記複層糸条の断面形状が、前記複層糸条メッシュシート表面に沿う方向に偏平化されていて、この偏平断面形状の、前記複層糸条メッシュシート表面に平行な方向の最大長さL1 と、それに直角な方向の最大長さL2 との比L1 :L2 が、1.3:1〜5:1の範囲内にあり、
(e)前記鞘層及び芯層のマンセル明度がともに8.0以上9.0未満であること、
(f)前記複層糸条間に形成された透孔の合計面積が、前記メッシュシートの全表面積の0.5以下であること、を満すものである。
さらに、前記芯/鞘型複層糸条において、前記芯層を構成する重合体繊維が100〜500℃の溶融温度を有し、前記鞘層を構成する合成樹脂が80〜250℃の溶融温度を有し、前記芯層の重合体繊維の溶融温度が前記鞘層の合成樹脂の溶融温度よりも20〜50℃高いことが好ましい。
前記複層糸条の芯層形成用重合体繊維糸条には、それに難燃性を付与する目的をもって、例えば、難燃性付与剤及び樹脂バインダーを含むエマルジョン及び溶液などを噴霧し、又はそれに浸漬する方法により難燃前処理を予め施しておいてもよい。難燃性付与剤には格別な制限はなく、公知の薬剤を適宜に使用できる。また、合成繊維の場合、糸を製造する段階にて糸原料に難燃性付与剤を予め添加して糸を製造してもかまわない。この場合でも難燃性付与剤には格別の制限はなく、公知の薬剤を適宜使用できる。
複層糸条の鞘層は、合成樹脂を含みかつ芯層を被覆するものであり、それによって芯/鞘型複層糸条が構成されている。鞘層用合成樹脂の溶融温度は、芯層を構成する重合体繊維の溶融温度よりも低く、好ましくは20℃以上低い。また、好ましくは、鞘層形成合成樹脂の溶融温度は80〜250℃の範囲内にありかつ、芯層を構成する重合体繊維の溶融温度よりも20〜50℃低い。このような複層糸条は、それを編織物に形成し、これに、鞘層用合成樹脂の溶融温度よりも高く、又はそれに近く、かつ芯層用重合体繊維の溶融温度よりも低い温度において加熱押圧を施せば、芯層を溶融することなく、鞘層同士を互に熱接着することができる。
シラン系カップリング剤としては、アミノシラン類、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、及びN−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシランなど;エポキシシラン類、例えば、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、及びγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなど;ビニルシラン類、例えば、ビニルトリエトキシシラン、及びビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シランなど;メルカプトシラン類、例えば、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなど、が挙げられる。
チタン系カップリング剤としては、アルコキシ類、例えば、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、及びテトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタンなど;アシレート類、例えば、トリ−n−ブトキシチタンステアレート、及びイソプロポキシチタントリステアレートなどが挙げられる。
ジルコニウム系カップリング剤としては、例えば、テトラブチルジルコネート、テトラ(トリエタノールアミン)ジルコネート、及びテトライソプロピルジルコネートなどが挙げられる。
アルミニウム系カップリング剤としては、例えば、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレートが挙げられる。また、ジルコアルミニウム系カップリング剤としては、テトラプロピルジルコアルミネートが挙げられる。
これらの中で、耐水性、耐候性の観点から、特にγ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、及びγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどのエポキシシランを用いることが好ましい。
この断面形状において、断面偏平比L1 :L2 <1.3:1のときは、複層糸条が形成する印刷面の曲率が大きく、このため複層糸条に固着するインクドットの真円度が低くなり、従って画像の鮮明性が低下する。またL1 :L2 >5:1になると、複層糸条の偏平度が適度に高いため、従ってメッシュシートの強度が低下する傾向があり柔軟性も低下する。
製品の性能評価に用いられた測定方法は下記の通りである。
印刷適性
油性インクジェットプリンター(ぺんてる(株)製DynajetII)、又は水性インクジェットプリンター(ローランド・ディ・ジー(株)製FJ−50)を用いたインクジェット画像、或はスクリーンインキ(セリコールPPE帝国インキ製造(株)製)を用いる225メッシュのスクリーンにより描画したスクリーン印刷画像の描画面に、セロハンテープを強く擦り付けて貼着し、これを剥離したときのインキの剥離量を目視判断して印刷適性を評価した。
油性インクジェットプリンター(ぺんてる(株)製DynajetII)、又は水性インクジェットプリンター(ローランド・ディ・ジー(株)製FJ−50)を用いたインクジェット画像、或はスクリーンインキ(セリコールPPE帝国インキ製造(株)製)を用いる225メッシュのスクリーンにより描画したスクリーン印刷画像の鮮明性を目視により評価した。
オレフィン系樹脂及びウレタン系樹脂の混合物水性エマルジョンを用いて、下記組成の鞘層形成用樹脂エマルジョンを調製した。
(樹脂被覆層用エマルジョン組成)
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(固形分:50質量%) 50質量部
(住友化学工業(株)製、商標;スミカフレックス752)
ウレタン系樹脂(固形分:30質量%) 50質量部
(旭電化(株)製、商標;アデカボンタイターHUX−386)
白色顔料(二酸化チタン) 20質量部
紫外線吸収剤(共同薬品(株)製、商標;Viosorb 04)
0.5質量部
繊度2222.2dtex(2000デニール)/256フィラメント、撚り数100t/mのポリエステルマルチフィラメント糸条を、連続的に上記鞘層用樹脂エマルジョン中に浸漬し、マングルでピックアップ178質量%に絞り、100℃で乾燥してポリエステル芯層上に鞘層を形成して、芯/鞘型複層糸条を製造した。芯層のマンセル明度は8.5であり、溶融温度は216℃であった。また鞘層のマンセル明度は8.5であり、その溶融温度は110℃であった。
上記複層糸条を経緯糸として使用して、経密度13本/25.4mm、緯密度13本/25.4mmのメッシュシート(粗目織物)を製織した。
上記メッシュシートを、140℃で熱処理し、上記メッシュシートが40℃以上の温度を保有している間に、1対の加圧ロールを有するカレンダーで10 kPa・mの圧力で押圧した。得られたプリント用複層糸条メッシュシートの糸条断面における偏平比L1 :L2 は、経糸において約2.5:1、緯糸において約2.0:1であり、鞘層の付着質量が200g/m2 であり、得られた本発明のプリント用複層糸条メッシュシートの透孔面積率は0.24であり、ハロゲン元素を含まず、焼却、廃棄が容易であり、環境への悪影響も無いという利点を有するものであった。このプリント用複層糸条メッシュシートの組成及び試験結果を表1に示す。
実施例1と同様にしてプリント用複層糸条メッシュシートを作製し、試験を行った。但し、鞘層を形成するために下記組成の熱可塑性エラストマーエマルジョンを調製し、使用した。
(鞘層用エマルジョン組成)
熱可塑性エラストマーエマルジョン(固形物:40質量%) 100質量部
(三井化学(株)製、商標;ケミパールA−100)
白色顔料(二酸化チタン) 20質量部
紫外線吸収剤(共同薬品(株)製、商標;Viosorb 0.4)
0.5質量部
得られたプリント用複層糸条メッシュシートの複層糸条の断面における偏平比L1 :L2 は経糸において約2.5:1、緯糸において約2.0:1であり、鞘層の付着質量が200g/m2 であり、鞘層のマンセル明度は8.5であり、その溶融温度は110℃であった。得られた本発明のプリント用複層糸条メッシュシートの透孔面積率は0.24であり、ハロゲン元素を含まず、焼却、廃棄が容易であり、環境への悪影響も無いという利点を有するものであった。このプリント用複層糸条メッシュシートの組成及び試験結果を表1に示す。
実施例1と同様にしてプリント用複層糸条メッシュシートを作製し、試験を行った。但し、鞘層形成のために下記組成のスチレン−ブタジエン系ラテックスを調製して用いた。
(鞘層用ラテックス)
スチレン−ブタジエン系ラテックス(固形分:50質量%) 100質量部
(日本ゼオン(株)製、商標;ニッポールLX435)
白色顔料(二酸化チタン) 20質量部
紫外線吸収剤(共同薬品(株)製、商標;Viosorb 04)
0.5質量部
得られたプリント用複層糸条メッシュシートの複層糸条の偏平比L1 :L2 は経糸において約2.5:1、緯糸において約2.0:1であり、鞘層の付着質量が200g/m2 であり、そのマンセル明度は8.5であり、その溶融温度は120℃であった。このとき、得られた本発明のプリント用複層糸条メッシュシートの透孔面積率は0.24であり、ハロゲン元素を含まず、焼却、廃棄が容易であり、環境への悪影響も無いという利点を有するものであった。このプリント用複層糸条メッシュシートの組成及び試験結果を表1に示す。
実施例1と同様にしてプリント用複層糸条メッシュシートを作製し、試験を行った。但し、芯層形成用糸条として、繊度1111.1dtex(1000デニール)/128フィラメント、撚り数100t/mのポリエステルマルチフィラメント糸条の引揃え双糸を用い、これに、実施例5と同様にして鞘層を形成した。得られた複層糸条の芯層及び鞘層の溶融温度はそれぞれ216℃及び135℃であった。この複層糸条を、経緯糸として、下記組織の粗目織物に製織した。
1111.1dtex(1000d)//2×1111.1dtex(1000d)//2
──────────────────────────
13×13(本/25.4mm)
この(財)日本色彩研究所製マンセル色標を用いて測定したところ芯層のマンセル明度は8.5であり、鞘層のマンセル明度は8.5であった。
得られたプリント用複層糸条メッシュシートの複層糸条の断面の偏平比L1 :L2 は、経糸において約2.7:1、緯糸において約2.4:1であり、鞘層の付着質量が200g/m2 であり、その透孔面積率は0.20であった。この複層糸条メッシュシートはハロゲン元素を含まず、焼却、廃棄が容易であり、環境への悪影響も無いという利点を有するものであった。このプリント用複層糸条メッシュシートの組成及び試験結果を表1に示す。
実施例1と同様にしてプリント用複層糸条メッシュシートを作製し、試験を行った。但し芯層用糸条として、内層のマンセル明度4.5、外層のマンセル明度が8.0に調製された原着複層ポリオレフィンモノフィラメントを用いた。この原着複層ポリオレフィンフィラメントを以下の方法で作製した。
ポリプロピレン(MFR=3.4g/10分、密度=0.90g/cm3)に、光安定剤としてビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケート0.1質量%、及びカーボンブラック顔料1.0質量%を配合して内層用組織物を調製し、別に、エチレン−プロピレン共重合体(MFR=16.5g/分、密度=0.90g/cm3)に、光安定剤としてビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケート0.1質量%、及び二酸化チタン顔料3.0質量%を配合して外層用組成物を調製した。上記内外層用組成物を押出機に連結された2層の吐出孔が同心円状に設けられたモノフィラメント成形ダイスから押出し、延伸温度98℃、延伸倍率9.5倍で延伸し、処理温度140℃でアニーリングを施して芯層用複層ポリオレフィンモノフィラメントを作製した。この時の内層の融点は150℃、外層の融点は125℃であった。得られた芯層用複層ポリオレフィンモノフィラメントの繊度は、内層及び外層においてそれぞれ356dtex(320d)及び156dtex(140d)であり、総繊度が511dtex(460d)であった。また、この芯層用モノフィラメントのマンセル明度は8.0であった。
こうして得られた複層ポリオレフィンモノフィラメントに、実施例5と同様の鞘層形成処理を施して、複層糸条を作製した。鞘層の溶融温度は110℃であり、そのマンセル明度は8.5であった。この複層糸条を用い、経:26本/インチ、緯:26本/インチの粗目織物を織成し、135℃で加熱加圧して経・緯糸交点の鞘層及び外層を溶融させて接合し粗目織物を作成した。得られたプリント用複層糸条メッシュシートの複層糸状の断面偏平比L1 :L2 は経糸において約1.5:1であり、緯糸において約1.4:1であり、鞘層の付着質量が120g/m2 であった。得られた本発明のプリント用複層糸条メッシュシートの透孔面積率は0.30であり、ハロゲン元素を含まず、焼却、廃棄が容易であり、環境への悪影響も無いという利点を有するものであった。このプリント用複層糸条メッシュシートの組成及び試験結果を表1に示す。
実施例1と同様にしてプリント用複層糸条メッシュシートを作製し、試験を行った。但し、鞘層形成用エマルジョンの二酸化チタン(白色顔料)20質量部の代りにカーボンブラック顔料1.0質量部を用いた。得られた鞘層のマンセル明度は5.5であった。得られたプリント用複層糸条メッシュシートの組成及び試験結果を表1に示す。
実施例1と同様にしてプリント用複層糸条メッシュシートを作製し、試験を行った。但し、芯層用糸条として、繊度6666.6dtex(6000デニール)/768フィラメント撚り数100t/mのポリエステルマルチフィラメントヤーンを用いた。また得られたメッシュシートは下記組織の粗目織物であった。
6666.6dtex(6000d)×6666.6dtex(6000d)
────────────────────────
5×5(本/25.4mm)
使用した芯層用糸条のマンセル明度は、(財)日本色彩研究所製マンセル色標を用いて測定したところ8.5であり、鞘層のマンセル明度は8.5であった。得られたプリント用複層糸条メッシュシートの複層糸条の断面偏平比L1 :L2 は、経糸において約2.0:1であり、緯糸において約1.8:1であり、鞘層の付着質量が300g/m2 であった。このとき、得られたプリント用複層糸条メッシュシートの透孔面積率は0.55であった。このプリント用複層糸条メッシュシートの組成及び試験結果を表1に示す。
2 経糸
3 緯糸
4 透孔
21 複層糸条メッシュシート
22 複層経糸
23 複層緯糸
24 透孔
25,32 芯層
26,33 鞘層
27 複層経緯糸の交差部
31 複層糸条の断面
L1 偏平断面の長径
L2 偏平断面の長径
Claims (9)
- 繊維糸条が、その間に透孔を形成するように編織成されているメッシュシートであって、
(a)前記繊維糸条が、重合体繊維からなる芯層と、合成樹脂を含み、かつ前記芯層を被覆している鞘層とからなる芯/鞘型複層糸条であり、
(b)前記芯層を構成する重合体繊維の溶融温度が、前記鞘層を構成している合成樹脂の溶融温度よりも高く、
(c)前記メッシュシートに編織成された複層糸条が、それに隣接する糸条との接合部において、前記鞘層の接合部が互に熱接着されており、
(d)前記複層糸条の断面形状が、前記複層糸条メッシュシート表面に沿う方向に偏平化されていて、この偏平断面形状の、前記複層糸条メッシュシート表面に平行な方向の最大長さL1 と、それに直角な方向の最大長さL2 との比L1 :L2 が、1.3:1〜5:1の範囲内にあり、
(e)前記鞘層及び芯層のマンセル明度がともに8.0以上9.0未満であり、
(f)前記複層糸条間に形成された透孔の合計面積が、前記メッシュシートの全表面積の0.5以下である、
ことを特徴とするプリント用複層糸条メッシュシート。 - 前記複層糸条において、前記芯層を構成する重合体繊維の溶融温度が、前記鞘層を構成する合成樹脂の溶融温度よりも20℃以上高い、請求項1に記載のプリント用複層糸条メッシュシート。
- 前記芯/鞘型複層糸条において、前記芯層を構成する重合体繊維が100〜500℃の溶融温度を有し、前記鞘層を構成する合成樹脂が80〜250℃の溶融温度を有し、前記芯層の重合体繊維の溶融温度が前記鞘層の合成樹脂の溶融温度よりも20〜50℃高い、請求項1又は2に記載のプリント用複層糸条メッシュシート。
- 前記複層糸条の前記芯層を構成する重合体繊維及び前記鞘層を構成する合成樹脂が着色されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のプリント用複層糸条メッシュシート。
- 前記芯/鞘型複層糸条の鞘層のみの、又は芯鞘両層が、それぞれの層を構成する重合体成分の質量に対し1〜10質量%の難燃性付与剤を含有している、請求項1〜4のいずれか1項に記載のプリント用複層糸条メッシュシート。
- 前記難燃性付与剤が、芳香族系臭素化合物、脂環族系臭素化合物、脂肪族系臭素化合物、ポリ燐酸アンモニウム系化合物、ポリ燐酸エステル系化合物、および(イソ)シアヌル酸誘導体化合物から選ばれた少なくとも1種を含む、請求項5に記載のプリント用複層糸条メッシュシート。
- 前記芯/鞘型複層糸条の芯層を構成する重合体繊維が、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、芳香族ポリアミド繊維、アクリル繊維、およびポリオレフィン繊維から選ばれる、請求項1〜6のいずれか1項に記載のプリント用複層糸条メッシュシート。
- 前記芯/鞘型複層糸条において、前記鞘層を構成する合成樹脂が、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、およびウレタン系樹脂から選ばれる、請求項1〜7のいずれか1項に記載のプリント用複層糸条メッシュシート。
- 前記芯/鞘型複層糸条において、前記鞘層が、芯層を構成する重合体繊維を、前記鞘層を構成する合成樹脂含有組成物をもってディッピング及び/又は(押出し)コーティングすることにより形成されたものである、請求項1〜8のいずれか1項に記載のプリント用複層糸条メッシュシート。
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