JP3614392B2 - プリント用複層モノフィラメント糸条メッシュシート - Google Patents

プリント用複層モノフィラメント糸条メッシュシート Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント用複層モノフィラメント糸条メッシュシートに関するものである。更に詳しく述べるならば、本発明は芯/鞘型複層モノフィラメント糸条により構成され、かつ水性インク及び油性インクにより画像を鮮明に描画プリントするのに好適なプリント用複層糸条メッシュシートに関するものである。本発明のプリント用複層糸条メッシュシートは、広告媒体、掲示媒体、日除けテント、ブラインド、建築用工事シート、及びスポーツ施設用シート(例えばテニスコート遮光用シートなど)などに有用であって、インクジェットプリンターを用いても、画像を容易に、かつ高生産効率をもってプリントすることができるという利点を有するものである。また、本発明のプリント用複層糸条メッシュシートは、画像をきわめて鮮明に描画することができるという利点を有するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット方式の印刷によりメッシュシート上に所望の画像(文字、模様など)を描画し、これを広告媒体、掲示媒体、建築用工事シート、及びスポーツ施設用シート(例えばプール用、又はテニスコート遮光用シートなど)などとして用いることが知られている。
従来、インクジェット印刷に用いられるメッシュシートは、それを構成する樹脂被覆糸条の交叉部が盛り上がっており、また、描画された画像を構成するインクドットの真円度が低いため画像の鮮明さが低く、またプリントされたインクがメッシュシートの樹脂被覆糸条の裏側に滲み出るという問題点が知られている。この現象はインクの裏まわりと称されている。
【0003】
インクジェット印刷に用いられるメッシュシートは、白色系が多く、かつ軟質ポリ塩化ビニル系樹脂により被覆されているメッシュシート構成糸条の遮光性が低いため、メッシュシートの1面(描画面)に水性又は油性インクにより画像を描画したとき、この画像が、メッシュシートの他の面(非描画面)に、不鮮明な画像として透視されるという不都合があり、特にメッシュシートの描画面における可視光の照度が、非描画面における可視光の照度より高い場合、描画面に描画された画像が、非描画面に透けて見え、非描画面側に位置している人々に不快感を与えることがある。
【0004】
メッシュシートは、本来、構成糸条の間隙に多数の空孔部が形成されているものであり、この空孔部は光を透過する。従って、従来から、メッシュシートは、その糸条間隙空孔を透過する光を利用し、このメッシュシートにより囲われた内側空間の照度を高くするという目的により利用されている。この場合、従来技術においては、メッシュシート構成糸条の遮光率を意図的に高くして、メッシュシートを透過する光量を削減するという処理は、ほとんど施されることがなかった。このように、メッシュシート構成糸条の遮光率が低いことにより、メッシュシートの描画面に描画された画像が、メッシュシートの反対側非描画面においても、上記画像が不必要に、かつ不鮮明に透視されるという不都合を生じていた。
【0005】
実開平5−93831には、繊維糸条の全周を不透明な樹脂で被覆して、メッシュシートの両面にプリントすることを可能にしている。しかし、この場合、樹脂被覆層の隠蔽性が不十分であると、描画が裏面に透けて見えたり、また隠蔽性を高くするために被覆層に添加する隠蔽材料の添加量が増大すると、樹脂被覆層の強度が低下するという問題が生じている。
【0006】
また、特開平8−190355及び特開平8−263005には、裏面を暗色に着色して、描画面の画像を鮮明にする処方が記載されている。しかし、この場合、両面に鮮明な画像を描画することはできない。そこで、上記不都合を回避することが可能な、両面印刷可能なプリント用メッシュシートの出現が強く要望されていたのである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、水性インク及び油性インクのいずれにおいても画像を鮮明に描画プリントするのに好適なプリント用複層モノフィラメント糸条メッシュシートを提供しようとするものである。特に本発明は、描画された画像を構成するインクドットの真円度が高く、画像がより鮮明であり、またインクの裏まわりが無く、メッシュシートの隠蔽性が高いため、両面に鮮明な画像を描画することも可能であり、屋外の過酷な使用条件下においても、被覆樹脂層の剥離、脱落などによる損傷が少ないプリント用複層糸条メッシュシートを提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のプリント用複層モノフィラメント糸条メッシュシートは繊維糸条が、その間に透孔を形成するように編織成されているメッシュシートであって、
(1)前記繊維糸条が、それぞれ互に溶融温度において異なる重合体からなる芯層と、それを被覆している鞘層とからなる芯/鞘型複層モノフィラメントからなり、
(2)前記芯層を構成する重合体の溶融温度が、前記鞘層を構成する重合体の溶融温度よりも高く、
(3)前記メッシュシートに編織成された複層糸条が、それに隣接する糸条との接合部において、前記鞘層の接合部が互に熱接着されており、
(4)前記鞘層のマンセル明度が8.0以上であり、
(5)前記複層糸条間に形成された透孔の合計面積が、前記メッシュシートの全表面積の0.5以下である、
ことを特徴とするものである。
本発明のプリント用複層モノフィラメント糸条メッシュシートに用いられる前記複層モノフィラメント糸条において、前記芯層を構成する重合体の溶融温度が、前記鞘層を構成する重合体の溶融温度よりも20℃以上高いことが好ましい。
本発明のプリント用複層モノフィラメント糸条メッシュシートに用いられる前記複層モノフィラメント糸条において、前記芯層を構成する重合体が100〜300℃の溶融温度を有し、かつ前記鞘層を構成する重合体が、80〜250℃の溶融温度を有し、但し、前記芯層構成重合体の溶融温度が、前記鞘層構成重合体の溶融温度より20〜50℃高いことが好ましい。
本発明のプリント用複層モノフィラメント糸条メッシュシートに用いられる前記複層モノフィラメント糸条において、その芯層のマンセル明度が7.5以下であることが好ましい。
本発明のプリント用複層モノフィラメント糸条メッシュシートに用いられる前記複層モノフィラメント糸条において、その芯層のマンセル明度が8.0以上であることが好ましい。
本発明のプリント用複層モノフィラメント糸条メッシュシートにおいて、前記複層モノフィラメント糸条の芯層及び鞘層の少なくとも1層が着色されていることが好ましい。
本発明のプリント用複層モノフィラメント糸条メッシュシートに用いられる前記複層モノフィラメント糸条において、その芯層及び鞘層の少なくとも1層が、それぞれを構成する重合体成分の質量に対して、0.05〜5.0質量%の光安定剤を含むことが好ましい。
本発明のプリント用複層モノフィラメント糸条メッシュシートにおいて、前記光安定剤が、ベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系、ベンゾフェノン系、トリアジン系、サリシレート系、シアノアクリレート系、及びニッケル錯塩系光安定剤から選ばれることが好ましい。
本発明のプリント用複層モノフィラメント糸条メッシュシートにおいて、前記複層モノフィラメント糸条の芯層及び鞘層の少なくとも1層が、それぞれを構成する重合体成分の質量に対し1〜10質量%の難燃性付与剤を含むことが好ましい。
本発明のプリント用複層モノフィラメント糸条メッシュシートにおいて、前記難燃性付与剤が、芳香族系臭素化合物、脂環族系臭素化合物、脂肪族系臭素化合物、ポリ燐酸アンモニウム系化合物およびポリ燐酸エステル系化合物から選ばれた少なくとも1種を含むことが好ましい。
本発明のプリント用複層モノフィラメント糸条メッシュシートにおいて、前記複層モノフィラメント糸条の、前記芯層を構成する重合体がポリオレフィン系樹脂又はポリエステル系樹脂であることが好ましい。
本発明のプリント用複層モノフィラメント糸条メッシュシートにおいて、前記複層モノフィラメント糸条の、前記鞘層を構成する重合体がポリオレフィン系樹脂又はポリエステル系樹脂であることが好ましい。
本発明のプリント用複層モノフィラメント糸条メッシュシートにおいて、前記複層モノフィラメント糸条の断面形状が、前記複層糸条メッシュシート表面に沿う方向に偏平化されていて、この偏平断面形状の、前記複層糸条メッシュシート表面に平行な方向の最大長さL1 と、それに直角な方向の最大長さL2 との比L1 :L2 が、1.3:1〜5:1の範囲内にあることが好ましい。
本発明のメッシュシートにおいて、複合モノフィラメントの鞘層及び芯層のマンセル明度(マンセルバリュー)は、JIS Z 8721に準拠する。財団法人 日本色彩研究所製作、財団法人 日本規格協会発行の標準色票、明度スケールに対比して判定した。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のプリント用複層モノフィラメント糸条メッシュシートは複層モノフィラメント糸条により構成された、粗目(メッシュ)布帛であって、この布帛の組織にも格別の制限はないが、例えば、少なくともそれぞれ、糸間間隙をおいて平行に配置された経糸及び緯糸を含む複合モノフィラメント糸条により構成された粗目布状の編物又は織物が好適に用いられる。
図1に示されているように、本発明に使用される粗目織物1は、それぞれ間隔をあけて配置された経糸2及び緯糸3により織成されたものであって、経緯糸の間に透孔4が形成されている。
図2は本発明のプリント用複層モノフィラメント糸条メッシュシートの一例を示す粗目編織物1の模式図である。粗目編織物21は、それぞれ間隔をあけて配置された複層モノフィラメント経糸22及び複層モノフィラメント緯糸23により織成されたものであって、経緯糸の間に透孔24が形成されている。複層モノフィラメント経糸22及び緯糸23の各々は、芯層25と、それをとりかこむ鞘層26から形成されている。経糸22と緯糸23とは、交差部27において交差し、それぞれの糸条が交差部27において鞘層同志の熱融着により接着固定されている。従って経糸22と緯糸23とは、その交差部27において加圧熱接着固定されていて、糸ずれの発生が防止され交差部が平らに形成される。
【0010】
図3は、図2に示された複層モノフィラメント糸条メッシュシートの、線C−Cに沿う糸条断面図である。図3に示された複層モノフィラメント糸条31の断面においてその長径L1 はシートの表面に平行な方向の断面長さであり、短径L2 は、シートの表面に直角をなす方向の断面長さである。複層モノフィラメント糸条31は、芯層32とそれをとりかこむ鞘層33とから形成されている。
本発明のプリント用複層糸条メッシュシートの、複層モノフィラメント糸条の断面形状における偏平化の程度は、複層モノフィラメント糸条の断面形状における、複層モノフィラメント糸条メッシュシートの表面に平行な方向の長さ(長径)L1 と、複層モノフィラメント糸条メッシュシート表面に直角をなす方向の長さ(短径)L2 との比L1 :L2 (以下、これを断面偏平比と記す)により表され、本発明の複層モノフィラメント糸条においては、断面偏平比L1 :L2 が、1.3:1〜5:1の範囲内にあり、1.5:1〜2.5:1であることが好ましく、例えば2:1であることが、更に好ましい。
この断面形状において、断面偏平比L1 :L2 <1.3:1のときは、複層モノフィラメント糸条が形成する印刷面の曲率が大きく、このため複層モノフィラメント糸条に固着するインクドットの真円度が低くなり、従って画像の鮮明性が低下する。またL1 :L2 >5:1になると、複層モノフィラメント糸条の偏平度が適度に高いため、従ってメッシュシートの強度が低下する傾向があり柔軟性も低下する。
【0011】
本発明のプリント用複層モノフィラメント糸条メッシュシートは、モノフィラメント糸条が、その間に透孔を形成するように編織成されているメッシュシートであって、下記要件:
(1)前記モノフィラメント糸条が、それぞれ互に溶融温度において異なる重合体からなる芯層と、それを被覆している鞘層とからなる芯/鞘型複層モノフィラメントからなること、
(2)前記芯層を構成する重合体の溶融温度が、前記鞘層を構成する重合体の溶融温度よりも高いこと、
(3)前記メッシュシートに編織成された複層モノフィラメント糸条が、それに隣接する糸条との接合部において、前記鞘層の接合部が互に熱接着されていること、
(4)前記鞘層のマンセル明度が8.0以上であること、及び
(5)前記複層モノフィラメント糸条間に形成された透孔の合計面積が、前記メッシュシートの全表面積の0.5以下であること、
を満すものである。
前記メッシュシートは、粗目織物、編物及びこれらの複合布帛のいずれであってもよいが、その目付は30〜700g/m2 であることが好ましく、またこのメッシュシートの透孔面積率は、メッシュシートの面積に対して0.5以下であり、0.45〜0.20であることが好ましい。透孔面積率とは、糸条間に形成されている透孔の合計面積の、粗目編織物の全表面積に対する比(%)である。この透孔面積率が0.5を超えるとインキ塗布面積の減少と、糸条間隙空孔を透過する光が増加することにより画像の鮮明さが低くなる、という不都合を生ずる。
【0012】
上記複層モノフィラメント糸条の芯層を形成する重合体は、例えば、プロピレン、及びエチレン−プロピレン共重合体等のオレフィン系樹脂などから選ばれることが好ましく、その溶融温度は130〜180℃であることが好ましく、ポリエステル系樹脂などから選ばれることも好ましく、その溶融温度は110〜300℃であることが好ましい。その他ポリアミド系樹脂等の熱溶融可能な熱可塑性樹脂も使用できる。
【0013】
上記複層モノフィラメント糸条の鞘層を形成する重合体は、芯層を形成する重合体の溶融温度よりも低い溶融温度、好ましくは80〜250℃、より好ましくは100〜130℃の溶融温度を有するもの、例えばエチレン、エチレン−プロピレン共重合体等のオレフィン系樹脂及びポリエステル系樹脂、その他熱溶融可能な熱可塑性樹脂などから選ばれる。
【0014】
前記複層モノフィラメント糸条において、前記芯層を構成する重合体の溶融温度が、前記鞘層を構成する重合体の溶融温度よりも20℃以上高いことが好ましく20〜50℃高いことがより好ましい。このようにするとこの複層モノフィラメント糸条から編織製された編織物に、芯層の溶融温度よりも低く、鞘層の溶融温度よりも高い、又はそれに近い温度において加熱押圧を施せば、芯層を溶融することなく、互いに交差接合している複層モノフィラメントを、それらの鞘層において熱接着することができる。そして交差部は加熱押圧により平らになり突出部を形成しないものが得られる。
【0015】
複層モノフィラメント糸条メッシュシートの、複層モノフィラメント糸条の鞘層は無彩色であってもよく、あるいは有彩色であってもよいが、そのマンセル明度は8.0以上であり、8.5〜9.0であることが好ましい。このマンセル明度が8.0未満では、色相によっては描画像が不鮮明になることがあり、プリント画像の色相調整が煩雑になる。
【0016】
前記複層モノフィラメント糸条において、その芯層のマンセル明度が7.5以下であることが好ましく、より好ましくは、4.0〜7.5である。
そのマンセル明度が7.5を超えると繊維糸条の遮光性が不十分になり、表面側の画像が裏面に透けて見えることがあり、このため両面に鮮明な画像を描画することができなくなることがある。しかし、前記複層モノフィラメント糸条の芯層のマンセル明度が8.0以上であってもよい。この場合は、メッシュシートにより囲われた内側空間の照度を高くするという効果がある。
前記複層モノフィラメント糸条の芯層及び鞘層のマンセル明度は、それぞれ着色することにより適宜に調整することができるから、芯層及び鞘層の少なくとも1層が着色されていてもよい。
【0017】
上記複層モノフィラメント糸条の芯層及び鞘層を形成する重合体には、光安定剤、難燃剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、無機充填剤、顔料、滑剤などの1種以上を適宜添加してもよい。
【0018】
前記複層モノフィラメント糸条において、その芯層及び鞘層の少なくとも1層が、それぞれを構成する重合体成分の質量に対して、好ましくは0.05〜5.0質量%の光安定剤を含み、より好ましくは、0.1〜1.5質量%含まれる。光安定剤の含有量が0.05質量%未満では、光安定剤添加による光安定効果が不十分なことがありまたそれが5質量%をこえると、複層モノフィラメント糸条の機械的強度が、不十分になることがあり、さらに光安定剤が芯層及び/又は鞘層から滲出することがある。
前記光安定剤は、ベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系、ベンゾフェノン系、トリアジン系、サリシレート系、シアノアクリレート系、及びニッケル錯塩系光安定剤から選ぶことができる。
【0019】
光安定剤として用いられるベンゾトリアゾール系化合物としては、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジtert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジtert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジtert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(4’−オクトキシ−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(2−フェニルイソプロピル)ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−3’−(3'',4'',5'',6''−テトラヒドロフタロイド−メチル)−5’−メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール〕、メチル−3−〔3−tert−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオネートとポリエチレングリコール(分子量300)との縮合物などが挙げられる。
【0020】
光安定剤として用いられるヒンダードアミン系化合物としてはビス(2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、デカン二酸ビス(2,2,6,6,−テトラメチル−1−(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステル、1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル〕メチル]ブチルマロネート、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールの縮合物、N,N’,N'',N''' −テトラキス[4,6−ビス〔ブチル(N−メチル−2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ〕トリアジン−2−イル]−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザジスピロ[5.1.11.2]−ヘネイコサン−21−オン、2,2,4,4−テトラメチル−21−オキソ−7−オキサ−3,20−ジアザジスピロ[5.1.11.2]−ヘネイコサン−20−プロパン酸ドデシルエステル/テトラデシルエステル、2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,10−ジアザ−20(2,3−エポキシプロピル)ジスピロ[5.1.11.2]−ヘネイコサン−21−オンの重縮合物、プロパンジオン酸[(4−メトキシフェニル)−メチレン]−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペラジニル)エステル、1,3−ベンゼンジカルボキシアミド−N,N’−ビス(2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペラジニル)、ポリ[〔6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕]、ジブチルアミン−1,3,5−トリアジン−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミン−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物などが挙げられる。
【0021】
光安定剤として用いられるベンゾフェノン系化合物としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
また前記シアノアクリレート系化合物としてはエチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートなどが挙げられる。さらに前記サリシレート系化合物としてはフェニルサリシレート、4−t−ブチル−フェニルサリシレート、4−t−オクチル−フェニルサリシレート、ビスフェノールA−ジサリシレートなどが挙げられる。
さらに、前記トリアジン系化合物としては2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノールなどが用いられる。またニッケル錯塩系光安定剤としては[2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)]−n−ブチルアミノ−ニッケル(II)などが用いられる。
【0022】
本発明の複層モノフィラメント糸条の芯層及び/又は鞘層に用いられる光安定剤は上記化合物から選ばれた2種以上を組み合わせて使用することもできる。特にこれらの化合物の融点が150℃以下のものが、芯層及び/又は鞘層形成用重合体がポリオレフィン系樹脂ブレンドである場合、それとの混練時、分散性が良好であるので好ましく、またヒンダードアミン系化合物としては、ピペリジル基のN位水素がメチル基などのアルキル基で置換されたもの、メトキシ基などのアルコキシ基で置換されたものが、より安定性に優れているため特に好ましい。
【0023】
本発明のプリント用複層糸条メッシュシート(I)おいて、前記複層モノフィラメント糸条の芯層及び鞘層の少なくとも1層が、それぞれを構成する重合体成分の質量に対し1〜10質量%の難燃性付与剤を含むことが好ましく、より好ましくは、1〜5質量%である。
複層モノフィラメント糸条の芯層及び/又は鞘層に含まれる難燃性付与剤は、芳香族系臭素化合物、脂環族系臭素化合物、脂肪族系臭素化合物、ポリ燐酸アンモニウム系化合物およびポリ燐酸エステル系化合物から選ばれた少なくとも1種を含むことが好ましい。さらに、無機難燃剤として三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム及び/又は水酸化マグネシウムなどを用いてもよい。
【0024】
難燃性付与剤として用いられる芳香族系、脂環式系及び脂肪族系臭素化合物としては、2,4,6、−トリブロモフェノール、テトラブロモビスフェノールA、ビス(トリプロモフェノキシ)エタン、ビス(ペンタブロモフェノキシ)エタン、ヘキサブロモシクロドデカン、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモフェニルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2−ヒドロキシエチルエーテル)、ポリ(ペンタブロモベンジル)アクリレート、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート、ポリ−ジブロモフェニレンオキシド、トリス(2,4,6、−トリブロモフェノキシ)トリアジン、デカブロモジフェニルエーテル、ヘキサブロモベンゼンなどがある。特に、デカブロモジフェニルエーテル、及びビス(ペンタブロモフェノキシ)エタンを用いることが好ましい。
【0025】
難燃性付与剤として用いられるポリ燐酸アンモニウム系化合物としては、好ましくはオルソ燐酸アンモニウムと尿素との縮合生成物が用いられる。またポリ燐酸アンモニウムはこのまま用いてもよいし、その粒子表面をメラミンにより被覆されたもの、或はマイクロカプセル化されたものを用いてもよい。
またポリ燐酸エステル系化合物としては、例えばトリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、及びオクチルジフェニルホスフェートなどの燐酸エステル類、及び高分子量化したポリホスフェートなどの縮合燐酸エステル類を用いることができる。
【0026】
本発明のプリント用複層モノフィラメント糸条メッシュシートの複層モノフィラメント糸条を偏平化する場合には、このメッシュシートにプレスロール押圧処理を施せばよい。前記押圧処理は、エンボス板プレス機又はエンボスプレスロールを用いて行うことができる。押圧処理とともに被覆糸条メッシュシートに加熱を施してもよい。この加熱のために、プレス機又はプレスロールの前に加熱装置を配置してもよく、或いはプレス板、又はプレスロールに加熱装置を組み込んでもよい。このとき、加熱温度及びプレス圧力は、芯層及び鞘層を形成している重合体及び添加剤の種類及び所望の偏平化程度などによって異なるが、プレスロールを用いる場合、一般に20〜150℃、好ましくは50〜130℃の温度と、0.1〜50kPa ・m、好ましくは1.0〜20kPa ・mの範囲内の圧力を用いることが好ましい。勿論、加熱を伴わない室温押圧もしばしば実用されている。
【0027】
【実施例】
本発明を下記実施例により更に具体的に説明する。
製品の性能評価に用いられた測定方法は下記の通りである。
印刷適性
油性インクジェットプリンター(ぺんてる(株)製DynajetII)、又は水性インクジェットプリンター(ローランド・ディ・ジー(株)製FJ−50)を用いたインクジェット画像、或はスクリーンインキ(セリコールPPE帝国インキ製造(株)製)を用いる225メッシュのスクリーンにより描画したスクリーン印刷画像の描画面に、セロハンテープを強く擦り付けて貼着し、これを剥離したときのインキの剥離量を目視判断して印刷適性を評価した。
油性インクジェットプリンター(ぺんてる(株)製DynajetII)、又は水性インクジェットプリンター(ローランド・ディ・ジー(株)製FJ−50)を用いたインクジェット画像、或はスクリーンインキ(セリコールPPE帝国インキ製造(株)製)を用いる225メッシュのスクリーンにより描画したスクリーン印刷画像の鮮明性を目視により評価した。
【0028】
実施例1
複層ポリオレフィンモノフィラメントからなるプリント用複層糸条メッシュシートを作製した。複層ポリオレフィンモノフィラメントは下記の方法で作製した。
芯層には、ポリプロピレン(MFR=3.4g/10分、密度=0.90g/cm3 )に、光安定剤としてビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケート0.1質量%、及びカーボンブラック顔料1.0質量%を配合して調製された樹脂組成物を用いた。鞘層にはエチレン−プロピレン共重合体(MFR=16.5g/分、密度=0.90g/cm3 )に、光安定剤としてビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケート0.1質量%、及び二酸化チタン顔料3.0質量%を配合して得られた樹脂組成物を用いた。複層ポリオレフィンモノフィラメントは、押出機に連結された2層の吐出孔が同心円状に設けられたモノフィラメント成形ダイスから芯層のポリプロピレン及び鞘層のポリオレフィン組成物を押出し、延伸温度98℃、延伸倍率9.5倍で延伸し、処理温度140℃でアニーリングを施し複層ポリオレフィンモノフィラメントを形成した。得られた複層ポリオレフィンモノフィラメントの芯層及び鞘層の繊度は、それぞれ356dtex(320d)及び156dtex(140d)であり、総繊度が511dtex(460d)であった。そしてグレーに着色された芯層の融点は150℃であり、そのマンセル明度は4.0であった。また鞘層の融点は125℃であり、そのマンセル明度は8.0であった。
こうして得られた複層ポリオレフィンモノフィラメントを用いて、経:26本/インチ、緯:26本/インチの粗目織物を織成し、135℃、10hPa ・mで加熱加圧して経・緯糸交点で鞘層を溶融接着させて芯層を鞘層で被覆したプリント用複層糸条メッシュシートを作成した。このメッシュシートの複層糸条の断面偏平比L1 :L2 は経糸において約1.5:1、緯糸において約1.4:1であり、鞘層の質量が32g/m2 であった。得られた本発明のプリント用複層モノフィラメント糸条メッシュシートの透孔面積率は0.30であり、ハロゲン元素を含まず、焼却、廃棄が容易であり、環境への悪影響も無いという利点を有するものであった。このプリント用複層糸条メッシュシートの組成及び試験結果を表1に示す。
また、前記メッシュシートに対するカレンダー処理において、押圧力を5.0hPa ・mに変更したところ、モノフィラメント糸条の断面における偏平比L1 :L2 は経糸において約1.3:1であり、緯糸において、約1.3:1であった。また、メッシュシートの透孔面積率は0.40であった。その試験結果において、印刷適性及び画像鮮明性は、前記実施例1に比し、やゝ劣るが、実用上良好なものであった。
【0029】
実施例2
複層ポリオレフィンモノフィラメントからなるプリント用複層糸条メッシュシートを作製した。複層ポリオレフィンモノフィラメントは下記の方法で作製した。
芯層には、ポリプロピレン(MFR=3.4g/10分、密度=0.90g/cm3 )に、光安定剤としてビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケート0.1質量%、デカブロモジフェニルオキサイド5.0質量%、及びカーボンブラック顔料1.0質量%を配合して調製された樹脂組成物を用いた。鞘層にはエチレン−プロピレン共重合体(MFR=16.5g/分、密度=0.90g/cm3 )に、光安定剤としてビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケート0.1質量%、及び二酸化チタン顔料3.0質量%を配合して得られた樹脂組成物を用いた。複層ポリオレフィンモノフィラメントは、押出機に連結された2層の吐出孔が同心円状に設けられたモノフィラメント成形ダイスから芯層用ポリプロピレン組成物及び鞘層用ポリオレフィン組成物を押出し、延伸温度98℃、延伸倍率9.5倍で延伸し、処理温度140℃でアニーリングを施し複層ポリオレフィンモノフィラメントを形成した。得られた複合ポリオレフィンモノフィラメントの芯層及び鞘層の繊度は、それぞれ356dtex(320d)及び156dtex(140d)であり、総繊度が511dtex(460d)であった。そして芯層の融点は150℃、鞘層の融点は125℃であり、複層ポリオレフィンモノフィラメントは難燃性を有するものであった。
こうして得られた複層ポリオレフィンモノフィラメントを用いて、経:26本/インチ、緯:26本/インチの粗目織物を織成し、135℃で加熱加圧して経・緯糸交点で鞘層を溶融接着させて芯層を鞘層で被覆したプリント用複層糸条メッシュシートを作成した。このときの芯層のマンセル明度は4.0であり、グレーに着色された芯層の全面上に形成されている鞘層のマンセル明度は8.0であった。このメッシュシート糸条の断面偏平比L1 :L2 は経糸において約1.5:1、緯糸において約1.4:1であり、鞘層の質量が32g/m2 であった。得られた本発明のプリント用複層糸条メッシュシートの透孔面積率は0.30であり、JIS L−1091の45度防炎試験にて防炎区分3に合格するものであった。このプリント用複層糸条メッシュシートの組成及び試験結果を表1に示す。
【0030】
実施例3
複層ポリエステルモノフィラメントからなるプリント用複合メッシュシートを作製した。複層ポリエステルモノフィラメントは以下の方法で作製した。
芯層には、ポリエステル(溶融温度254℃)に、光安定剤としてビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケート0.1質量%、及びカーボンブラック顔料1.0質量%を配合して用いた。鞘層にはポリエステル(溶融温度110℃)に、光安定剤としてビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケート0.1質量%、及び二酸化チタン顔料3.0質量%を配合して用いた。複層ポリエステルモノフィラメントは、押出機に連結された2層の吐出孔が同心円状に設けられたモノフィラメント成形ダイスから芯層のポリエステル及び鞘層のポリエステル組成物を押出し、引き続き熱延伸して複層ポリエステルモノフィラメントを形成した。得られた複層ポリエステルモノフィラメントの繊度は、芯層/鞘層が389dtex(350d)/167dtex(150d)で、総繊度が556dtex(500d)であった。そしてグレーに着色された芯層の融点は254℃であり、そのマンセル明度は4.0であった。また鞘層の融点は110℃であり、そのマンセル明度は8.0であった。
こうして得られた複層ポリエステルモノフィラメントで、経26本/インチ、緯26本/インチの粗目編織物を織成し、120℃、10hPa ・mで加熱加圧して経・緯糸交点で鞘層を溶融接着させて芯層を鞘層で被覆したプリント用複層糸条メッシュシートを作成した。このメッシュシートの複層糸条の断面偏平比L1 :L2 は経糸において約1.5:1、緯糸において約1.4:1であり、鞘層の質量が35g/m2 であった。得られた本発明のプリント用複層モノフィラメント糸条メッシュシートの透孔面積率は0.30であり、ハロゲン元素を含まず、焼却、廃棄が容易であり、環境への悪影響も無いという利点を有するものであった。このプリント用複層糸条メッシュシートの組成及び試験結果を表1に示す。
【0031】
実施例4
複層熱可塑性樹脂モノフィラメントからなるプリント用複合メッシュシートを作製した。複層熱可塑性樹脂モノフィラメントは以下の方法で作製した。
芯層には、ポリエステル(溶融温度254℃)に、光安定剤としてビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケート0.1質量%、及びカーボンブラック顔料1.0質量%を配合して用いた。鞘層にはエチレン−プロピレン共重合体(溶融温度125℃)に、光安定剤としてビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケート0.1質量%、及び二酸化チタン顔料3.0質量%を配合して用いた。複層熱可塑性樹脂モノフィラメントは、押出機に連結された2層の吐出孔が同心円状に設けられたモノフィラメント成形ダイスから芯層のポリエステル及び鞘層のポリオレフィン組成物を押出し、引き続き熱延伸して複層熱可塑性樹脂モノフィラメントを形成した。得られた複層熱可塑性樹脂モノフィラメントの繊度は、芯層/鞘層が389dtex(350d)/167dtex(150d)で、総繊度が556dtex(500d)であった。そしてグレーに着色された芯層の融点は254℃であり、そのマンセル明度は4.0であった。また鞘層の融点は125℃であり、そのマンセル明度は8.0であった。
こうして得られた複層ポリエステルモノフィラメントで、経26本/インチ、緯26本/インチの粗目編織物を織成し、135℃、10hPa ・mで加熱加圧して経・緯糸交点で鞘層を溶融接着させて芯層を鞘層で被覆したプリント用複層糸条メッシュシートを作成した。このメッシュシートの複層糸条の断面偏平比L1 :L2 は経糸において約1.5:1、緯糸において約1.4:1であり、鞘層の質量が35g/m2 であった。得られた本発明のプリント用複層モノフィラメント糸条メッシュシートの透孔面積率は0.30であり、ハロゲン元素を含まず、焼却、廃棄が容易であり、環境への悪影響も無いという利点を有するものであった。このプリント用複層糸条メッシュシートの組成及び試験結果を表1に示す。
【0032】
比較例1
実施例1と同様にしてプリント用複層糸条メッシュシートを作製し、試験を行った。但し、鞘層の樹脂組成物中の二酸化チタン顔料に代えてカーボンブラック顔料を1.0質量%添加した。
得られたメッシュシートの芯層のマンセル明度は4.0であり、グレーに着色されていた。また鞘層のマンセル明度は4.0であった。このメッシュシート糸条の断面偏平比L1 :L2 は経糸において約1.5:1、緯糸において約1.4:1であり、鞘層の質量が32g/m2 であり、透孔面積率は0.30であった。このプリント用複層糸条メッシュシートの組成及び試験結果を表1に示す。
【0033】
比較例2
実施例1と同様にしてプリント用複層糸条メッシュシートを作製し、試験を行った。但し、鞘層の樹脂組成物中の二酸化チタン顔料を添加しなかった。
得られたメッシュシートの芯層のマンセル明度は4.0であり、グレーに着色された芯層の全面上に鞘層が形成されており、この鞘層のマンセル明度は7.0であった。このメッシュシート糸条の断面偏平比L1 :L2 は経糸において約1.5:1、緯糸において約1.4:1であり、鞘層の質量が32g/m2 であり、透孔面積率は0.30であった。このプリント用複層糸条メッシュシートの組成及び試験結果を表1に示す。
【0034】
比較例3
実施例1と同様にしてプリント用複層糸条メッシュシートを作製し、試験を行った。但し、得られた複層ポリオレフィンモノフィラメントを用いて、経:26本/インチ、緯:26本/インチの粗目織物を織成した後の加熱加圧処理を省いた。得られたメッシュシートの経糸と緯糸の交差点は接着されていなかった。この芯層のマンセル明度は4.0に相当し、グレーに着色された芯層の全面上に鞘層が形成されており、この鞘層のマンセル明度は8.0であった。このメッシュシート糸条の断面偏平比L1 :L2 は経糸において約1:1、緯糸において約1:1であり、被覆層(鞘層)質量が32g/m2 であり、透孔面積率は0.30であった。このプリント用複層糸条メッシュシートの組成及び試験結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
Figure 0003614392
【0036】
表1から明らかなように、本発明に係る実施例1〜4のプリント用複層モノフィラメント糸条メッシュシートは、良好な印刷適性及び画像の鮮明性を示した。しかし、比較例1及び2の、マンセル明度8.0未満の鞘層を有するメッシュシート及び比較例3の、芯・鞘両層が、その交差部において熱接着していないメッシュシートにおいては、印刷適性は良好であったが画像の鮮明性は不良であった。
【0037】
【発明の効果】
本発明により得られるプリント用複層マルチフィラメント糸条メッシュシート(I)及び(II)は、印刷適性、描画像の鮮明性に優れており、表裏両面に異なる画像を鮮明に描画することも可能であり、広告媒体、掲示媒体、日除けテント、ブラインド、建築用工事シート、及びスポーツ施設用シート(例えばテニスコート遮光用シートなど)などに好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプリント用複層モノフィラメント糸条メッシュシートの基布に用いられる粗目織物の一例の構成を示す平面説明図。
【図2】本発明のプリント用複層モノフィラメント糸条メッシュシートの一例の構成を示す平面説明図。
【図3】図2のプリント用複層モノフィラメント糸条メッシュシートの線C−Cに沿う経糸断面の説明図。
【符号の説明】
1…粗目織物
2…経糸
3…緯糸
4…透孔
21…複層モノフィラメント糸条メッシュシート
22…複層モノフィラメント経糸
23…複層モノフィラメント緯糸
24…透孔
25,32…芯層
26,33…鞘層
27…複層モノフィラメント経緯糸の交差部
31…複層モノフィラメント糸条の断面
1 …偏平断面の長径
2 …偏平断面の長径

Claims (13)

  1. 繊維糸条が、その間に透孔を形成するように編織成されているメッシュシートであって、
    (1)前記繊維糸条が、それぞれ互に溶融温度において異なる重合体からなる芯層と、それを被覆している鞘層とからなる芯/鞘型複層モノフィラメントからなり、
    (2)前記芯層を構成する重合体の溶融温度が、前記鞘層を構成する重合体の溶融温度よりも高く、
    (3)前記メッシュシートに編織成された複層糸条が、それに隣接する糸条との接合部において、前記鞘層の接合部が互に熱接着されており、
    (4)前記鞘層のマンセル明度が8.0以上であり、
    (5)前記複層糸条間に形成された透孔の合計面積が、前記メッシュシートの全表面積の0.5以下である、
    ことを特徴とするプリント用複層糸条メッシュシート。
  2. 前記複層モノフィラメント糸条において、前記芯層を構成する重合体の溶融温度が、前記鞘層を構成する重合体の溶融温度よりも20℃以上高い、請求項1に記載のプリント用複層糸条メッシュシート。
  3. 前記複層モノフィラメント糸条において、前記芯層を構成する重合体が100〜300℃の溶融温度を有し、かつ前記鞘層を構成する重合体が、80〜250℃の溶融温度を有し、但し、前記芯層構成重合体の溶融温度が、前記鞘層構成重合体の溶融温度より20〜50℃高い、請求項1又は2に記載のプリント用複層糸条メッシュシート。
  4. 前記複層モノフィラメント糸条において、その芯層のマンセル明度が7.5以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のプリント用複層糸条メッシュシート。
  5. 前記複層モノフィラメント糸条において、その芯層のマンセル明度が8.0以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のプリント用複層糸条メッシュシート。
  6. 前記複層モノフィラメント糸条の芯層及び鞘層の少なくとも1層が着色されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載のプリント用複層糸条メッシュシート。
  7. 前記複層モノフィラメント糸条において、その芯層及び鞘層の少なくとも1層が、それぞれを構成する重合体成分の質量に対して、0.05〜5.0質量%の光安定剤を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のプリント用複層糸条メッシュシート。
  8. 前記光安定剤が、ベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系、ベンゾフェノン系、トリアジン系、サリシレート系、シアノアクリレート系、及びニッケル錯塩系光安定剤から選ばれる、請求項7に記載のプリント用複層糸条メッシュシート。
  9. 前記複層モノフィラメント糸条の芯層及び鞘層の少なくとも1層が、それぞれを構成する重合体成分の質量に対し1〜10質量%の難燃性付与剤を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載のプリント用複層糸条メッシュシート。
  10. 前記難燃性付与剤が、芳香族系臭素化合物、脂環族系臭素化合物、脂肪族系臭素化合物、ポリ燐酸アンモニウム系化合物およびポリ燐酸エステル系化合物から選ばれた少なくとも1種を含む、請求項9に記載のプリント用複層糸条メッシュシート。
  11. 前記複層モノフィラメント糸条において、前記芯層を構成する重合体がポリオレフィン系樹脂又はポリエステル系樹脂である、請求項1〜10のいずれか1項に記載のプリント用複層糸条メッシュシート。
  12. 前記複層モノフィラメント糸条において、前記鞘層を構成する重合体がポリオレフィン系樹脂又はポリエステル系樹脂である、請求項1〜11のいずれか1項に記載のプリント用複層糸条メッシュシート。
  13. 前記複層モノフィラメント糸条の断面形状が、前記複層糸条メッシュシート表面に沿う方向に偏平化されていて、この偏平断面形状の、前記複層糸条メッシュシート表面に平行な方向の最大長さL1 と、それに直角な方向の最大長さL2 との比L1 :L2 が、1.3:1〜5:1の範囲内にある、請求項1〜12のいずれか1項に記載のプリント用複層糸条メッシュシート。
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