JP4546866B2 - 難燃性ポリオレフィン織編物及び難燃性繊維成形品 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリオレフィンポリマーからなり難燃性を有する繊維を含有させてなる難燃性ポリオレフィン織編物及び難燃性繊維成形品に関する。
従来より、ポリオレフィンを難燃化した樹脂組成物として、ポリオレフィンに難燃剤としてトリス(臭素化ネオペンチル)ホスフェート及び難燃助剤として三酸化アンチモン、耐候剤(耐光剤)として複数種のヒンダードアミン系化合物を配合することが知られており(例えば、特許文献1、2参照)、また難燃性ポリオレフィン系繊維として、繊維に難燃剤としてトリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート及び難燃助剤として三酸化アンチモン、耐光剤として特定のヒンダードアミン系化合物を含有させることも知られている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、前記のような公知技術において、難燃剤或いは難燃助剤として用いられている三酸化アンチモンは、重金属化合物であり、三酸化アンチモンを含む樹脂による樹脂成形品或いは繊維製品を廃棄処理した際に、蓄積して環境に悪影響を与える恐れがあり、また樹脂成形品或いは繊維製品から構成樹脂をリサイクルする際に、含まれる三酸化アンチモンの分離除去が煩雑で、回収効率を悪化させるという問題があった。
そこで、前記のような公知技術において、難燃化手段として三酸化アンチモンの不使用については当然考えられるところであるが、単に難燃剤としてトリス(臭素化ネオペンチル)ホスフェートを単独で用いただけでは、十分な難燃性を得ることは不可能であった。
特開平6−136188号公報 特開平8−109287号公報 特開平7−126913号公報
本発明者等は、難燃剤としてのトリス(臭素化ネオペンチル)ホスフェートと、難燃剤として機能する特定のヒンダードアミン化合物を組み合わせて、ポリオレフィンに配合するならば、十分な難燃性を得ることが可能であることを見出し、更に検討の結果、本発明に到ったものである。本発明の目的は、三酸化アンチモンを含まず、かつ優れた難燃性を有する難燃性ポリオレフィン織編物を提供することにある。また本発明の目的は、優れた融着性を有する難燃性ポリオレフィン織編物を提供することにある。更に本発明の目的は、融着によって織編物の繊維交点が固定されている難燃性繊維成形品を提供することにある。
本発明の要旨は、三酸化アンチモンを含まないポリオレフィンポリマーを芯成分及び鞘成分とし、芯成分にトリス(臭素化ネオペンチル)ホスフェート(a)を芯成分のポリオレフィンポリマーに対して1.5〜10質量%、以下に記載した三種の化合物の反応生成物(b)を芯成分のポリオレフィンポリマーに対して0.1〜5質量%含む芯鞘型複合繊維を、織編物全体の10質量%以上含有させて構成した難燃性ポリオレフィン織編物及び、前記の難燃性ポリオレフィン織編物が、該織編物に含有される芯鞘型複合繊維の融着によって織編物での繊維交点が固定されている難燃性繊維成形品、にある。
(1)過酸化処理した4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
(2)2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン
(3)シクロヘキサンとN,N’−エタン−1,2−ジイルビス(1,3−プロパンジアミン)との反応生成物
本発明によれば、次のような効果を奏する。
本発明の難燃性ポリオレフィン織編物は、難燃性及び融着性を有する特定の芯鞘型複合繊維が特定量含有されていることにより、優れた難燃性及び融着性を有する。そのため、軽量でありながら、寸法安定性、平面性に優れ、経時変化により発生する端部の反り発生を抑えることが可能となる。さらに、織編物を構成する繊維を塩化ビニル樹脂等でコーティング加工を施す必要もないため、高い難燃性を有しながら、軽量で肉厚の薄い繊維成形品を得ることができる。
本発明のポリオレフィン織編物は、織編物に含有される芯鞘型複合繊維が芯成分にのみ難燃性を付与する剤を含んでいればよいので、ヒートセット加工等により融着を生じさせたときでも、臭気の発生が抑止できる。本発明のポリオレフィン織編物は、特に芯鞘型複合繊維の鞘成分のポリマーが芯成分のポリマーより低融点であるときは、ヒートセット加工等の際の融着性を高めることができる。
本発明のポリオレフィン織編物及び繊維成形品は、三酸化アンチモンを実質的に含まないため、商品寿命後の製品或いは端材等の廃棄処理時の環境への悪影響を低下させることができ、また、三酸化アンチモンを実質的に含まないことにより、ポリオレフィン織編物及び繊維成形品を構成するポリオレフィンを高回収効率でリサイクル処理することができる。
本発明の難燃性ポリオレフィン織編物を構成する芯鞘型複合繊維は、三酸化アンチモン
を含まないポリオレフィンポリマーを芯成分及び鞘成分とする芯鞘型の複合繊維であって
、芯成分にトリス(臭素化ネオペンチル)ホスフェート(a)、及び以下に記載した三種の化合物の反応生成物(b)を含む複合繊維である。
(1)過酸化処理した4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
(2)2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン
(3)シクロヘキサンとN,N’−エタン−1,2−ジイルビス(1,3−プロパンジアミン)との反応生成物
芯鞘型複合繊維の芯成分及び鞘成分に用いられるポリオレフィンポリマーとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン等のオレフィンを単量体単位とするホモポリマー或いはこれらを主たる単量体単位とするコポリマーが挙げられ、またこれらのポリマーの混合物であってもよい。なかでもプロピレン単量体単位を主体とするポリマーを用いることは、織編物の軽量化、耐薬品性の向上が達成できる点で好ましい。これらのポリマーとして具体的には、ポリプロピレンホモポリマー或いはエチレン−プロピレンコポリマー(エチレン−プロピレンランダムコポリマー或いはエチレン−プロピレンブロックコポリマー)及びこれらの混合物等が挙げられる。
芯成分及び鞘成分は、同種或いは異種のポリオレフィンポリマーであってもよいが、鞘成分のポリオレフィンポリマーが、芯成分のポリオレフィンポリマーより低融点のポリマー、好ましくは芯成分のポリオレフィンポリマーより30℃以上低い低融点のポリマーであることが接着強度の保持の点から好ましい。特に芯成分のポリオレフィンポリマーがポリプロピレンホモポリマー、鞘成分のポリオレフィンポリマーがエチレン−プロピレンコポリマーであることが優れた融着性、接着強度の点から望ましい。
芯鞘型複合繊維の芯成分に含有させる難燃剤のトリス(臭素化ネオペンチル)ホスフェート(a)は、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、トリス(ジブロモネオペンチル)ホスフェート、トリス(モノブロモネオペンチル)ホスフェートの単独又は混合物であってもよく、芯成分のポリオレフィンポリマーに対して1.5〜10質量%配合する。トリス(臭素化ネオペンチル)ホスフェートの配合が1.5質量%未満では十分な難燃性が得られず、10質量%を超えると繊維の引張強度等の物性低下を生じる。
また、芯鞘型複合繊維の芯成分に含有させる耐光剤の反応生成物(b)は、以下に記載した三種の化合物の反応生成物であって、高分子型ヒンダードアミン化合物である。
(1)過酸化処理した4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
(2)2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン
(3)シクロヘキサンとN,N’−エタン−1,2−ジイルビス(1,3−プロパンジアミン
この反応生成物(b)は、ヒンダートアミン系難燃剤として芯成分のポリオレフィンポリマーに対して0.1〜5質量%配合する。反応生成物(b)の配合が0.1質量%未満では難燃性が得られないだけでなく十分な耐光性が得られず、5質量%を超えると耐光性のより顕著な向上がないだけでなく繊維の引張強度等の物性低下を生じる。
本発明のポリオレフィン織編物においては、トリス(臭素化ネオペンチル)ホスフェート(a)及び反応生成物(b)を芯鞘型複合繊維の芯成分のみに配合させても、十分な難燃性を得ることができる。また、トリス(臭素化ネオペンチル)ホスフェート(a)及び反応生成物(b)を芯鞘型複合繊維の芯成分のみに配合させることにより、この織編物をヒートセット加工する際の臭気の発生を低減させることができる。
また、芯鞘型複合繊維の鞘成分には、ヒンダードアミン系耐光安定剤が含まれることが好ましい。これにより、ポリオレフィン織編物の耐光性をより向上させることができる。ヒンダードアミン系耐光安定剤は鞘成分のポリオレフィンポリマーに対して0.3〜5質量%配合する。また芯鞘型複合繊維の鞘成分には、染料或いは顔料が含まれていてもよく、鞘成分に染料或いは顔料が含まれるときには、芯鞘型複合繊維は原着繊維となる。なお、原着繊維においては芯成分にも染料或いは顔料が含まれていてもよい。
芯鞘型複合繊維は、その芯成分と鞘成分との比が、芯成分/鞘成分質量比で70/30〜30/70であることが望ましく、芯成分質量比が30未満では芯部が小さくなり難燃性及び耐光性の発現が不十分になり、70を超えると芯部が大きくなりヒートセット加工等により融着を生じさせる際に臭気の発生が生じる。また芯鞘型複合繊維が原着繊維であるときには、鞘成分質量比が30未満では原着効果が低下する。
本発明の難燃性ポリオレフィン織編物は、前記芯鞘型複合繊維を織編物全体の10質量%以上、より好ましくは20質量%以上含有させて構成することが織編物としての難燃性及び融着性を発揮させるうえで必要であり、芯鞘型複合繊維100質量%で構成してもよい。織編物は公知の織成方法或いは編成方法による任意の組織構造の織物或いは編物であってもよい。
芯鞘型複合繊維によって本発明の織編物を構成する際は、芯鞘型複合繊維は、単繊維繊度1〜30dtexのステープルやマルチフィラメントを単独で或いは混紡、混繊、交撚、交織、交編等の任意の手段によりポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリプロピレン繊維等の他繊維と混合して、織編物を構成する。また、芯鞘型複合繊維は、単独で或いは他繊維との混合で、糸加工によりウール調、綿調、麻調等の加工糸とし、織編物を構成することもできる。
また、本発明の難燃性繊維成形品は、前記の難燃性ポリオレフィン織編物が、その織編物に含有される芯鞘型複合繊維の融着によって、芯鞘型複合繊維同士又は芯鞘型複合繊維と他繊維とが密な接触状態にある繊維交点、具体的には織編物での織目或いは編目をなす糸の交点の如き繊維交点が固定されてなる。繊維成形品は、最終製品の形態であっても、最終製品に到る前の中間製品の形態であっても、また織編物の端部、模様等部分的に融着を生じさせた或いは融着の程度を異ならせた繊維成形品であってもよい。
本発明の難燃性繊維成形品は、芯鞘型複合繊維を含有する難燃性ポリオレフィン織編物を、その織編物に含有される芯鞘型複合繊維の鞘成分のポリオレフィンポリマーの融点以上の温度で、熱加工することにより得られる。熱加工の方法は、特に制限はないが、織編物に含有される芯鞘型複合繊維の融着を制御し得る方法であることが好ましく、例えば加熱ローラー或いはプレート等の加熱体に織編物を圧着させる或いは織編物を張力下で非接触の加熱雰囲気下で処理する等の方法が挙げられ、より好ましくは熱加工がピンテンターを用いてのヒートセット加工である。
熱加工時の温度は、含有される芯鞘型複合繊維の割合、鞘成分のポリオレフィンポリマーの融点、鞘成分比、繊維繊度等にもよるが、140〜160℃、好ましくは145〜155℃であり、時間は、所望の用途に求められる融着の程度に応じて決められ、特に制限はない。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、実施例中の各特性値の評価は、下記の方法で行った。また、実施例中の部、%は、それぞれ質量部、質量%を意味する。
[難燃性]
サンプルの筒編地を作成し、サンプル1gをJIS L1091 D法(接炎試験)で使用の内径10mmのコイル中に100mmの長さになるように挿入して詰め、スガ試験器(株)製45°燃焼性試験機FL−45型に、サンプルを挿入したコイルを45°の角度で設置し、ミクロバーナーによりサンプル下部に接炎した。サンプルは熱収縮し、ミクロバーナーの炎から遠ざかるため、サンプルに着炎しない場合は、サンプルを挿入したコイルをサンプルに着炎するまで下げていった。着炎した時点でミクロバーナーの炎を消し、接炎回数1回として、炎が自己消火するまでの時間を燃焼時間(sec)として測定した。100mmの長さのサンプルが90mm燃焼するまでに要した接炎回数と1回の燃焼で自己消火するまでの燃焼時間(sec)の平均を求めた。試験は各5回行い、その平均値を自己消火時間(sec)とし、難燃性を評価した。
[構成繊維の紡糸性]
芯鞘型複合繊維の紡糸時に、毛羽の発生や糸切れが認められないときは紡糸性が良好、毛羽の発生や糸切れが認められるときは紡糸性が不良と判定した。
[熱加工時の臭気]
織物を、ピンテンターにてヒートセット加工してシート状成形物を作製する際の、ヒートセット加工時の臭気の発生の有無を官能試験により判定した。
(実施例1〜7)
芯成分として、ポリプロピレンホモポリマー(日本ポリプロ(株)製「SA03」、メ
ルトフローレート(MFR)30g/10min、融点165℃)に難燃剤としてトリス
(トリブロモネオペンチル)ホスフェート(大和化学(株)製CR900)10%及びヒ
ンダードアミン系難燃剤として以下に記載した三種の化合物の反応生成物(b)(チバスペシャルティーケミカルズ(株)製「FLAMESTAB NOR−116FF」(以下「NOR−116」と略す)) 20%を配合して、マスターバッチを作成し、このマスターバッチに前記ポリプロピレンホモポリマーを加えて表1に示す配合剤の割合になるよう希釈し、更にグレー色顔料(大日精化工業(株))4%を添加して調製したポリマーを用いた。
(1)過酸化処理した4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
(2)2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン
(3)シクロヘキサンとN,N’−エタン−1,2−ジイルビス(1,3−プロパンジアミン)との反応生成物



また、鞘成分として、エチレン−プロピレンランダムコポリマー(日本ポリプロ(株)製XK1183、エチレン含量2.5モル%、プロピレン含量97.5モル%、MFR25g/10min、融点126℃)にヒンダードアミン系耐光安定剤(チバスペシャルティーケミカルズ(株)製「FLAMESTAB 119 SL」(以下「119SL」と略す))20%を配合して、マスターバッチを作成し、このマスターバッチに前記エチレン−プロピレンランダムコポリマーを加えて表1に示す配合剤の割合になるよう希釈して調製したポリマーを用いた。
上記芯成分及び鞘成分を、孔径1.0mm、孔数30の芯鞘型複合紡糸ノズルを用い、紡糸ノズル温度200℃、芯成分ポリマー100部/鞘成分ポリマー100部の比、即ち芯成分/鞘成分質量比50/50、芯側吐出量18.9g/min、鞘側吐出量18.9g/minで吐出させて複合紡糸し、巻取速度540m/minで巻取り未延伸糸を得た。得られた未延伸糸をローラー温度80℃で4.1倍に延伸し、繊度180dtex/30フィラメント(単繊維繊度6dtex)の芯鞘型複合繊維を得た。
得られた芯鞘型複合繊維を2本合わせてオーバーフィード率20%にてタスラン交絡加工を行った後、200t/mに加撚して、経糸及び緯糸とし、経糸密度48本/インチ及び緯糸密度48本/インチの平織組織にて織成して粗目織物を得た。この織物をピンテンターを用いて、温度125℃、時間1minにてプレヒートセット加工後、温度145℃、時間1minにて本ヒートセット加工することにより、織物の経糸と緯糸の交点が融着固定されて目止めされたロールスクリーン用原反成形品を得た。得られた芯鞘型複合繊維の筒編地での難燃性、繊維紡糸時の紡糸性、織物から原反成形品を得る際の熱加工時の臭気、それぞれの評価結果を表1に示した。
(比較例1)
実施例1において、芯成分に配合した難燃剤の「CR900」を、非ハロゲン系リン酸エステルの難燃剤である1,3−フェニレンビス(2,6−ジメチルフェニルホスフェート)(旭電化工業(株)製「FR500」)に代えた以外は、実施例1と同様にして、芯鞘型複合繊維、粗目織物及びシート状成形品を得た。得られた芯鞘型複合繊維の筒編地での難燃性、繊維紡糸時の紡糸性、織物から原反成形品を得る際の熱加工時の臭気、それぞれの評価結果を表2に示した。評価結果によれば、難燃剤が非ハロゲン系リン酸エステルであるときは自己消火時間が長く、熱加工時に臭気が発生した。
(比較例2)
実施例1において芯成分のポリマー調製の際に用いたマスターバッチに、ポリプロピレンホモポリマーを加えて表2に示す配合剤の割合になるよう希釈し、更に顔料を同様に添加して調製したポリマーを、単独成分として用い、孔径1.0mm、孔数30の紡糸ノズルを用い、紡糸ノズル温度200℃、吐出量37.8g/minで吐出させて紡糸し、巻取速度540m/minで巻取り未延伸糸を得た。得られた未延伸糸をローラー温度80℃で4.1倍に延伸し、繊度180dtex/30フィラメント(単繊維繊度6dtex)の繊維を得た。その後、実施例1と同様にして、粗目織物及びシート状成形品を得た。得られた繊維の筒編地での難燃性、繊維紡糸時の紡糸性、織物から原反成形品を得る際の熱加工時の臭気、それぞれの評価結果を表2に示した。評価結果によれば、単独成分からなる非複合繊維では、熱加工時に臭気が発生した。
(比較例3)
実施例2において、芯成分のポリマー調製の際に用いたマスターバッチにおけるヒンダードアミン系難燃剤の「NOR−116」20%を難燃助剤の三酸化アンチモンSb5%に代え、マスターバッチにポリプロピレンホモポリマーを加えて表2に示す配合剤の割合になるよう希釈し、更に顔料を同様に添加して調製したポリマーを芯成分として用い、鞘成分として「119」2%配合に調製したポリマーを用いた以外は、実施例1と同様にして、芯鞘型複合繊維、粗目織物及びシート状成形品を得た。得られた芯鞘型複合繊維の筒編地での難燃性、繊維紡糸時の紡糸性、織物から原反成形品を得る際の熱加工時の臭気、それぞれの評価結果を表2に示した。評価結果によれば、難燃助剤として三酸化アンチモンを用いると自己消火時間も若干長くなる。
(比較例4)
実施例1において、芯成分のポリマー調製の際に用いたマスターバッチにヒンダードアミン系難燃剤の「NOR−116」を配合しない以外は、ポリプロピレンホモポリマーを加えて表2に示す配合剤の割合になるよう希釈し、更に顔料を同様に添加して調製したポリマーを芯成分として用い、実施例1と同様にして、芯鞘型複合繊維、粗目織物及びシート状成形品を得た。得られた芯鞘型複合繊維の筒編地での難燃性、繊維紡糸時の紡糸性、織物から原反成形品を得る際の熱加工時の臭気、それぞれの評価結果を表2に示した。評価結果によれば、ヒンダードアミン系難燃剤の「NOR−116」を配合しないときは自己消火時間が長く、紡糸時に毛羽が発生し紡糸性が不良であった。
Figure 0004546866
Figure 0004546866
本発明の難燃性ポリオレフィン織編物からは、意匠性・装飾性を活かした繊維成形品の製造が可能になる。また、本発明の難燃性ポリオレフィン織編物は、加熱成形が容易であり、薄い肉厚であることから、プリーツ加工も容易である。
本発明の難燃性ポリオレフィン織編物から得られる繊維成形品の例としては、ロールスクリーン、バーチカルスクリーン、オーニング、土木建設用メッシュシート、養生メッシュシート等の産業、資材用途のシート状製品が挙げられる。

Claims (7)

  1. 三酸化アンチモンを含まないポリオレフィンポリマーを芯成分及び鞘成分とし、芯成分
    にトリス(臭素化ネオペンチル)ホスフェート(a)を芯成分のポリオレフィンポリマー
    に対して1.5〜10質量%、以下に記載した三種の化合物の反応生成物(b)を芯成分のポリオレフィンポリマーに対して0.1〜5質量%含む芯鞘型複合繊維を、織編物全体の10質量%以上含有させて構成した難燃性ポリオレフィン織編物。
    (1)過酸化処理した4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
    (2)2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン
    (3)シクロヘキサンとN,N’−エタン−1,2−ジイルビス(1,3−プロパンジアミン)との反応生成物
  2. 芯鞘型複合繊維の鞘成分のポリオレフィンポリマーが芯成分のポリオレフィンポリマーより30℃以上低い低融点のポリマーである請求項1に記載の難燃性ポリオレフィン織編物。
  3. 芯成分のポリオレフィンポリマーがポリプロピレンホモポリマー、鞘成分のポリオレフィンポリマーがエチレン−プロピレンコポリマーである請求項2に記載の難燃性ポリオレフィン織編物。
  4. 芯鞘型複合繊維の鞘成分のポリオレフィンポリマーがヒンダードアミン系耐光安定剤を鞘成分のポリオレフィンポリマーに対して0.3〜5質量%含むポリマーである請求項1〜3のいずれか一項に記載の難燃性ポリオレフィン織編物。
  5. 芯鞘型複合繊維での芯成分と鞘成分との比が、芯成分/鞘成分質量比で70/30〜30/70である請求項1〜4のいずれか一項に記載の難燃性ポリオレフィン織編物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の難燃性ポリオレフィン織編物が、該織編物に含有される芯鞘型複合繊維の融着によって織編物での繊維交点が固定されている難燃性繊維成形品。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の難燃性ポリオレフィン織編物を、該織編物に含有される芯鞘型複合繊維の鞘成分のポリオレフィンポリマーの融点以上の温度でヒートセット加工してなる請求項6に記載の難燃性繊維成形品。
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