WO2006118009A1

WO2006118009A1 - 難燃性寝具製品

Info

Publication number: WO2006118009A1
Application number: PCT/JP2006/308021
Authority: WO
Inventors: Wataru Mio; Susumu Iwade; Yoshitomo Matsumoto; Masahiko Mihoichi; Shigeru Maruyama
Original assignee: Kaneka Corporation
Priority date: 2005-04-28
Filing date: 2006-04-17
Publication date: 2006-11-09
Also published as: TW200702503A

Abstract

本発明はウレタンフォームの持つ独特のふわふわ感や心地よさ、炎遮蔽性生地の繊維素材が持つ、優れた風合いや触感などを損なわず、快適で、しかも高い難燃性を有する寝具製品を提供すること課題とする。ハロゲン含有繊維（Ａ）５～６０重量％、難燃性セルロース系繊維（Ｂ）５～６０重量％、セルロース系繊維（Ｃ）０～７５重量％、ポリエステル系繊維（Ｄ）０～５０重量％を含む繊維で構成された炎遮蔽性生地によりウレタンフォームを覆うことで、上記課題を解決した難燃性寝具製品が得られる。

Description

明細書

難燃性寝具製品

技術分野

[0001] 本発明は、例えば、枕やクッション、ベッドの頭板部分に使用するヘッドボードクッシヨン等の、ウレタンフォームを用いた寝具製品に関する。さらに詳しくは、難燃性繊維を含む繊維で構成された炎遮蔽性生地により、ウレタンフォームを覆った難燃性寝具製品に関する。

背景技術

[0002] ベッドや枕などの寝具製品やインテリア繊維製品では使用時の快適さのために、ゥレタンフォームがよく使用される。しかし、ウレタンフォームは易燃性素材であり、防炎性を有することが望ましい。防炎には、その易燃性素材への着炎を長時間に渉り防止することが重要である。また、その防炎素材は寝具製品やインテリア繊維製品の快適さを損なわな、ものでなければならな、。

[0003] 一方、近年、寝具やインテリア繊維製品は長時間、例えば 20秒間、火炎と接しても燃焼しないなど、高度の難燃性が要求されるようになっている。このような難燃性は、例えば米国カリフォルニア州の枕の燃焼試験方法 Technical Bulletin 604の 20 03年 10月発行のドラフト（以下 TB604)に記載されている。このように、ウレタンフォームを使用した寝具製品であって長時間火炎と接しても燃焼しない高度の難燃性を有するものを得ることが望まれる。

[0004] 寝具製品やインテリア繊維製品によく使用される綿などのセルロース系繊維は他の繊維に比較し優れた風合ヽ、触感および吸湿性などを有するがウレタンフォームを難燃ィ匕することはできない。また寝具製品やインテリア繊維製品によく使用される汎用的な素材であるポリエステルは、容易に溶融し、燃焼時、炭化物を生成しない。このため、火炎と接した場合、溶融、燃焼により穴が空き、構造を維持することが出来ない。従って、ポリエステルは寝具やインテリア繊維製品に用いられるウレタンフォームへの着炎を防ぐ性質は全く不十分である。

[0005] 過去様々な難燃繊維や防災薬剤が検討されてきたが、ウレタンフォームを含む寝具製品であって、高度な難燃性と快適さを兼ね備えたものは未だ現れていない。例えば、綿布等の織布に防災薬剤を塗布する、いわゆる後加工防災という手法がある力防災薬剤の不均一な付着による防炎性能のばらつきや、防災薬剤の付着による布の硬化による触感などの快適さの低下や、防炎薬剤の脱落による防炎性能が低下などの問題があった。また、ガラス繊維に代表される無機繊維を用いた布は、難燃性は優れているが開繊が困難である、吸湿性や触感が低い、そして染色性が低いという欠点がある。また、耐熱繊維からの布は、難燃性は優れているが極めて高価であり、さらに耐熱繊維も開繊が困難である、吸湿性や触感が低い、そして染色性が低いという欠点がある。

[0006] 特許文献 1や特許文献 2には、寝具製品、インテリア繊維製品に用いることができ、優れた風合、吸湿性、触感を有し、かつ、安定した難燃性を有する素材として、難燃剤を大量に添加し高度に難燃ィ匕した含ハロゲン繊維と、難燃ィ匕していない他の繊維とを組み合わせた難燃繊維複合体が提案されている。しかし、特許文献 1や特許文献 2に記載された難燃繊維複合体をウレタンフォームのような易燃性の素材に使用することにつ、ての開示はな、。

特許文献 1 :特開平 05— 106132号公報

特許文献 2：特開平 05— 093330号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0007] 本発明の目的はウレタンフォームを用いた寝具製品であって、 TB604に記載されているような長時間火炎に接触させるテストにおいても燃焼を防止できる難燃性を有し、かつ、綿などのセルロース系繊維が有する、優れた風合い、触感および吸湿性を損なわなヽ寝具製品を提供することである。

課題を解決するための手段

[0008] 本発明者らは、前記問題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、ハロゲン含有繊維 (A)と難燃性セルロース系繊維 (B)を使用することにより、上記目的が達成されることを見いだした。

すなわち、本発明は次の発明である。 (1)ハロゲン含有繊維 (A) 5〜60重量％、難燃性セルロース系繊維 (B) 5〜60重量 %、セルロース系繊維（C) 0〜75重量％、ポリエステル系繊維（D) 0〜50重量％を含む繊維で構成された炎遮蔽性生地により詰め物であるウレタンフォームを覆った難燃性寝具製品。

(2)ハロゲン含有繊維 (A)が、モダアクリル繊維である（1)記載の難燃性寝具製品。

(3)難燃性セルロース系繊維 (B)力木綿、麻、レーヨン、ポリノジック、キュブラ、ァセテートおよびトリアセテートよりなる群力も選ばれた少なくとも 1つに、難燃剤を含有させた繊維である（1)または (2)記載の難燃性寝具製品。

(4)難燃性セルロース系繊維 (B)が、珪酸、または珪酸アルミニウム力選ばれる難燃剤を 20〜50重量％含有するレーヨン繊維である（3)記載の難燃性寝具製品。

(5)難燃性セルロース系繊維 (B)が、リン酸エステル系化合物、含ハロゲンリン酸ェステル系化合物、縮合リン酸エステル系化合物、ポリリン酸塩系化合物、赤リン、アミン化合物、ホウ酸、ハロゲン化合物、臭化物、尿素一ホルムアルデヒド化合物、硫酸アンモ-ゥムの群力も選ばれる難燃剤を、セルロース系繊維に対して 6〜25重量％付着させた繊維である (3)記載の難燃性寝具製品。

(6)セルロース系繊維（C) 1S 木綿、麻、レーヨン、ポリノジック、キュプラ、アセテートおよびトリアセテートよりなる群力も選ばれた少なくとも 1つの繊維である（1)〜（5)いずれかに記載の難燃性寝具製品。

(7)セルロース系繊維 (C)力木綿、麻、レーヨンよりなる群力選ばれた少なくとも 1 つの繊維である (6)記載の難燃性寝具製品。

(8)ポリエステル系繊維が（D)力融点が 200°C以上であるポリエステル系繊維および Z又は融点が 200°C以上であるポリエステル繊維と融点が 200°C未満である低融点バインダー繊維力もなる繊維である（1)〜（7) V、ずれかに記載の難燃性寝具製品

(9)ポリエステル系繊維 (D)の低融点バインダー繊維力低融点ポリエステル単一成分よりなる繊維、通常のポリエステルと低融点ポリエステルの複合よりなる繊維、通常のポリエステルと低融点ポリオレフインの複合よりなる繊維よりなる群力選ばれた少なくとも 1つの繊維である (8)記載の難燃性寝具製品。 (10)前記炎遮蔽性生地中に難燃剤を 1. 0〜40重量％含有する（1)〜（9)の、ずれカに記載の難燃性寝具製品。

(11)難燃剤としてアンチモンィ匕合物を 0. 2〜20重量％含有する（10)記載の難燃性寝具製品。

(12)ウレタンフォームを覆う炎遮蔽性生地が、織物、編物、不織布のいずれかである (1)〜（11)記載の難燃性寝具製品。

発明の効果

[0009] 本発明の難燃性寝具製品は TB604に記載されているような長時間火炎に接触させるテストにおいても燃焼を防止できる高度の難燃性および綿などのセルロース系繊維が有する、優れた風合い、触感および吸湿性を損なわない寝具製品である。発明を実施するための最良の形態

[0010] 本発明の難燃性寝具製品は、詰め物としてウレタンフォームを用いたものであり、例えば、枕やクッション、ベッドの頭板部分に使用するヘッドボードクッションなどがある力これらに限定されるものではない。

[0011] 本発明の寝具製品には内部に用いる詰め物として、ウレタンフォームが、ふわふわ感ゃ弾力性などを与えるため用いられる。柔軟な弾力性を与える素材であればウレタンフォーム以外の素材を併用してもよい。ウレタンフォームを詰め物として単独で用いた寝具製品は極めて易燃性であるが、炎遮蔽性生地が有する防炎性により、寝具製品内部のウレタンフォームへの延焼が防止出来る。

[0012] 本発明に用いられる炎遮蔽性生地は、表面を形成する通常の側地とウレタンフォームの間にはさみこんで用いてもよい。この場合は、ウレタンフォーム全体を炎遮蔽性生地で覆い、その上力側地を張る構造となる。炎遮蔽性生地は織物や、編物や、不織布の形態で用いてもよい。

また、本発明に用いられる炎遮蔽性生地は、ウレタンフォームの表面を形成する側地として用いてもよい。この場合の炎遮蔽性生地は織物や、編物や、表面がパイル状の編物の形態で用いてもょ、。

また、本発明に用いられる炎遮蔽性生地を側地として用い、その側地と低反発ウレタンフォームの間に本発明の炎遮蔽性生地をはさみこむ、すなわち炎遮蔽性生地を 2 枚重ねて用いてもよい。

[0013] ここで言うウレタンフォームとは、日本工業規格 JIS K6400 (クッション用軟質ウレタンフォーム）に基づく測定で、概ね 6〜22kgの硬さ、 16〜32kgZcm³の密度を有するもので、一般に寝具用マットレスとして適する範囲の物性値を有するものである。

[0014] 本発明に用いられる炎遮蔽性生地は、ハロゲン含有繊維 (A)と難燃性セルロース系繊維 (B)を必須成分とし、必要に応じてセルロース系繊維 (C)、ポリエステル系繊維 (D)を含ませた繊維で構成され少なくとも 2種類の繊維を含む。このような生地の製造方法としては混綿、混紡、交編、生地の重ね合わせ等があるが、これらに限定されるものではない。

[0015] 本発明の炎遮蔽性とは、前記のような繊維で構成されるものであり、炎に晒された際に生地が繊維の形態を維持したまま炭化することで炎を遮蔽し、ウレタンフォームのような生地以外の部分に炎が移るのを防ぐ性質である。具体的には寝具製品の側地と内部のウレタンフォームとの間に炎遮蔽性生地を挟む、もしくは側地に炎遮蔽性生地を用いることで、火災の際にウレタンフォームへの炎の着火を防ぎ、被害を最小限に食!、止めることができる。

[0016] 前記炎遮蔽性生地を織物とする場合は、平織、綾織、朱子織の何れの織り方でも良ぐ特に制限はない。織物は様々な形状にすることが容易であり、綿染め、糸染め、反染め、プリント等の方法により、自由に染色することが可能であるため、特に表面生地に用いる際にデザインの自由度が増すという特徴を有する。また、不織布に比較し、生地の厚みが小さいことから、ウレタンフォームの持つ素材独特の風合いや心地良さを損なわない。

[0017] 前記炎遮蔽性生地を編物とする場合は、編物が任意の方向に伸縮することができ、不織布に比較し、生地の厚みが小さいことから、ウレタンフォームの持つ素材独特の風合いや心地良さを損なわないため好ましい。また、一般的に繊維は燃焼して炭化膜を形成する際に収縮するため、生じた炭化膜は亀裂を生じ易い。しかし、編物にお!、ては任意の方向に伸縮することができるために亀裂のな!、極めて良好な炭化膜を得ることが可能である。炎遮蔽性編物の編み方には特に制限はなぐ緯編み、経編みの何れでも良い。また、編物の形状としては特に制限はなぐ表面が起毛したパィル状の編物であっても良い。

[0018] 前記炎遮蔽性生地を不織布とする場合は、織物や編物と違い、紡績により糸を作成する必要がなぐ綿力直接生地が作成できるために、自由に素材の混率を設定できる。また、燃焼時において織布に比べて伸縮性を有することから、編物同様に炭化膜に亀裂が生じにく、と、う特徴がある。不織布の製造方法としては特に限定はなく、一般的に知られる-一ドルパンチ方式、サーマルボンド方式、ケミカルボンド方式、ウォータージェット方式、ステッチボンド方式などがあげられる。

[0019] 本発明に用いられる炎遮蔽性生地には、必要に応じて帯電防止剤、熱着色防止剤、耐光性向上剤、白度向上剤、失透性防止剤などを含有せしめても良い。

[0020] 本発明に用いられるハロゲン含有繊維 (A)は、炎遮蔽性生地の難燃性向上のために使用される成分であり、燃焼時に酸素欠乏ガスを発生することで表面の炎の自己消火を助ける効果がある成分である。本発明に用いられるハロゲン含有繊維 (A)としては、例えば塩化ビュル、塩化ビ-リデンなどのハロゲン含有モノマーの単独重合体や共重合体、これらのハロゲン含有モノマーと共重合可能なモノマー、例えばアタリ口-トリル、スチレン、酢酸ビュル、アクリル酸エステルなどとの共重合体、またはハロゲン含有モノマーが PVA系ポリマーにグラフトした形のグラフト重合体など力もなる繊維があげられるが、これらに限定されるものではない。これらハロゲン含有繊維 (A)の中では、炎遮蔽性生地に難燃性と共に優れた風合いや触感を与えるという点から、ハロゲン含有モノマーとアクリロニトリルの共重合体力なる繊維であるモダアクリル繊維を用いることが好ましい。

[0021] 前記モダアクリル繊維には、炎遮蔽性生地の難燃性を強化するために難燃剤が添カロされていることが好ましぐ難燃剤の具体例としては、三酸ィ匕アンチモン、五酸化ァンチモン、アンチモン酸、ォキシ塩化アンチモンなどのアンチモン化合物、酸化第二スズ、メタスズ酸、ォキシハロゲン化第一スズ、ォキシハロゲン化第二スズ、水酸化第一スズ、四塩化スズなどの Sn系化合物、酸ィ匕亜鉛などの Znィ匕合物、酸化マグネシゥム、水酸化マグネシウムなどの Mg系化合物、酸化モリブデンなどの Mo系化合物、酸化チタン、チタン酸バリウムなどの Ti系化合物、硫酸メラミン、スルファミン酸グァ- ジンなどの窒素系化合物、ポリ燐酸アンモ-ゥム、ジブチルァミノフォスフェートなどの燐系化合物、水酸ィ匕アルミニウム、硫酸アルミニウム、珪酸アルミニウムなどの A1系化合物、酸ィ匕ジルコニウムなどの Zr系化合物、シリケート、ガラス等の Si系化合物、カオリン、ゼォライト、モンモリロナイト、タノレク、パーライト、ベントナイト、バーミキユライト、珪藻土、黒鉛等の天然もしくは合成鉱産物系化合物、塩化パラフィン、へキサブロモベンセン、へキサブ口モシクロドデカンなどのハロゲン化合物が挙げられる。また、錫酸マグネシウム、錫酸亜鉛、錫酸ジルコニウムなどの複合ィ匕合物を使用しても良い。

[0022] これらについては、単独で使用しても良ぐ 2種以上組み合わせても良い。これらの中ではアンチモンィ匕合物力燃焼時にモダアクリル繊維中より脱離したハロゲン原子と反応し、ハロゲン化アンチモンを生成することで極めて高、難燃性を発揮すること力も好ましい。アンチモンィ匕合物を添加する場合は、炎遮蔽性生地の難燃性を維持するために、炎遮蔽性生地全体に対して 0. 2重量％以上になるように添加することが好ましい。また、炎遮蔽性生地の風合いや強度を損なわないという観点力も炎遮蔽性生地全体に対して 20重量％以下になるように添加するのが好ましい。モダアタリル繊維の具体例としては株式会社カネ力製のカネカロンがあげられるがこれらに限定されるものではない。

[0023] 本発明に用いる難燃性セルロース系繊維 (B)は、炎遮蔽性生地の難燃性向上、強度維持のために使用され、し力も優れた風合や吸湿性などの快適性を与える。さらに難燃性セルロース系繊維 (B)は燃焼時に炭化膜を形成するのに効果的な成分である。本発明に用いる難燃性セルロース系繊維 (B)の例としては、難燃剤を含有する紡糸原液カゝら得られる難燃性セルロース繊維や、繊維に対して難燃剤を用いて後加ェ等により難燃ィ匕したセルロース系繊維 (B)をあげることができる。難燃性セルロース系繊維（B)の基質であるセルロース系繊維の具体例としては、木綿、麻、レーヨン、ポリノジック、キュブラ、アセテートおよびトリアセテートがあげられ、これらは単独使用しても良く、 2種類以上組み合わせて使用しても良い。

[0024] 難燃剤を含有する紡糸原液カゝら得られる難燃性セルロース繊維の例としては難燃剤として珪酸または Zおよび珪酸アルミニウムを含有した珪酸含有セルロース系繊維や、その他難燃剤を繊維製造時に含有させた難燃性セルロース系繊維があげられる。珪酸含有セルロース系繊維は、難燃剤として珪酸および Zまたは珪酸アルミ- ゥムを繊維中に 20〜50重量％含有するものであり、通常、 1. 7〜8dtex程度の繊度、 38〜 128mm程度のカット長を有している。その具体例としては、例えば珪酸を繊維中に約 30重量％含有したサテリ（Sateri)社のヴイジル (Visil)や、珪酸アルミ-ゥムを繊維中に約 33重量％含有したサテリ（Sateri)社のヴイジル AP (Visil AP)があげられる。その他の難燃性セルロース系繊維としてレンチング社 (Lenzing A. G) のレンチング FR(Lenzing FR)等が挙げられる。難燃性セルロース系繊維はこれらに限定されるものではない。

[0025] セルロース系繊維を後加工等により難燃ィ匕する際に用いられる難燃剤としてはトリフエ-ノレホスフェート、トリクレジノレホスフェート、トリキシレニノレホスフェート、トリメチノレホスフェート、トリェチノレホスフェート、クレジノレフエ-ノレホスフェート、キシレニノレジフエ二ノレホスフェート、レゾルシノールビス（ジフエ-ルホスフェート）、 2—ェチルへキシルジフエ-ルホスフェート、ジメチルメチルホスフェート、トリアリルホスフェート（商品名、レオフォス）、芳香族リン酸エステル、ホスホノカルボン酸アミド誘導体、テトラキス'ヒドロキシメチルホスホ-ゥム誘導体、 N—メチロールジメチルホスホノプロピオンアミドなどのリン酸エステル系化合物、トリス（クロロェチル）ホスフェート、トリスジクロ口プロピノレホスフェート、トリスー β クロ口プロピノレホスフェート、クロロアノレキノレホスフェート、トリス（トリブロモネオペンチル）ホスフェート、ジェチルー Ν, Ν—ビス（2—ヒドロキシェチル）アミノメチルホスフェート、トリス（2, 6 ジメチルフエ-ル）ホスフェートなどの含ノ、ロゲンリン酸エステル系化合物、芳香族縮合リン酸エステル、含ハロゲン縮合リン酸エステルなどの縮合リン酸エステル系化合物、ポリリン酸アンモ-ゥム 'アミド、ポリクロ口ホスフォネートなどのポリリン酸塩系化合物、ポリリン酸力ルバメートなどのポリリン酸エステル系化合物、赤リン、アミンィ匕合物、ホウ酸、ハロゲン化合物、臭化物、尿素ホルムアルデヒドィ匕合物、硫酸アンモ-ゥム、グァ-ジン系縮合物等があげられ、これらについては単独で使用しても良ぐ 2種以上組み合わせても良い。

[0026] その付着量としては、セルロース系繊維に対して 6〜25重量％になるようにするのが好ましい。また、炎遮蔽性生地の難燃性を維持するために、炎遮蔽性生地全体に対して 1重量％以上になるように付着させ、また、炎遮蔽性生地の風合いを損なわな V、と、う観点力炎遮蔽性生地全体に対して 20重量％以下になるように付着させるのが好ましい。

[0027] 本発明に用いるセルロース系繊維 (C)は、炎遮蔽性生地の強度維持や優れた風合や吸湿性などの快適性を与えると共に、燃焼時に炭化膜を形成するのに効果的な成分である。セルロース系繊維（C)の具体例としては、木綿、麻、レーヨン、ポリノジック、キュブラ、アセテートおよびトリアセテートがあげられ、これらは単独使用しても良く、 2種類以上組み合わせて使用しても良い。特に、風合いや吸湿性の観点力木綿、麻、レーヨン繊維が好ましい。

[0028] 本発明に用いるポリエステル繊維 (D)は、本発明の炎遮蔽性生地に優れた風合、触感、意匠性、製品強度、耐洗濯性、耐久性を与えることができる。さらに、ポリエステル繊維 (D)自体は可燃性繊維であるが燃焼時に溶融することで、その溶融物が炭化膜を覆うことにより出来上がった炭化膜の強度を向上させる効果がある。

[0029] 本発明の炎遮蔽性生地は、炎遮蔽性の観点からは目付けが大きい方が好ましいが、ウレタンフォームの感触を損なわないためには 250gZm²以下であることが好ましい。目付としては、寝具製品の耐久性の観点から 80g/m²以上であることが好ましい。

[0030] 本発明の炎遮蔽性生地における難燃剤の割合は 1. 0重量％以上であることが好ましい。生地全体における難燃剤の割合が 1. 0重量％未満であると、燃焼時における自己消火能力が不足し、ウレタンフォームへの着火を防ぐ性能が不充分となる。

[0031] 本発明にお、て、炎遮蔽性生地の風合!、、吸湿性などの快適性や、耐久性および自己消火性を更に高めるために、セルロース系繊維 (c)および Zまたはポリエステル系繊維 (D)を含んだ炎遮蔽性生地を用いる。ハロゲン含有繊維 (A)、難燃性セル口ース系繊維 (B)、セルロース系繊維 (C)、ポリエステル系繊維 (D)の割合は風合、や吸湿性などの快適性、耐洗濯性や耐久性、炎遮蔽性生地の強度、炭化膜の形成の度合い、自己消火性により決定される。

[0032] ハロゲン含有繊維 (A)の割合は 5〜60重量％であり、好ましくは 10〜60重量％である。難燃性セルロース系繊維（B)の割合は 5〜60重量％であり、好ましくは 10〜6 0重量％である。セルロース系繊維（C)の割合は 0〜75重量％であり、好ましくは 0〜 65重量％である。ポリエステル繊維（D)の割合は 0〜50重量％であり、好ましくは 0 〜40重量％である。ハロゲン含有繊維 (A)は炎遮蔽性生地の自己消火性を付与する主要成分である。ハロゲン含有繊維 (A)の割合が 5重量％未満であると炎遮蔽性生地の炎遮蔽性、及び自己消火性能が不充分となり、 60重量％を超えると炭化物を形成する成分の割合が少なくなり炎遮蔽性能が充分ではなくなる。

[0033] また、難燃性セルロース系繊維 (B)は炎遮蔽性不織布が炭化した際の炭化膜を形成する主要成分である。難燃性セルロース系繊維 (B)が 5重量％未満の場合には炎遮蔽性不織布の炭化膜生成能力が不充分となり、 60重量％を超えると難燃化されて Vヽな、セルロース系繊維に比べて触感が劣るため風合、や快適性が不充分となるので好ましくない。

[0034] また、セルロース系繊維 (C)をカ卩えることで優れた風合、や吸湿性などの快適性を付与することが可能となる他、セルロース系繊維 (C)は炭化成分となり得るために炎遮蔽性生地の炎遮蔽性能を向上させる効果はある。セルロース系繊維 (C)の割合が 75重量％を超えると炎遮蔽性生地における燃焼成分が多くなるために、充分な炎遮蔽性能が得られなくなるので好ましくな、。

[0035] また、ポリエステル繊維 (D)をカ卩えることで耐洗濯性や耐久性を向上させることが期待でき、また、ポリエステル系繊維 (D)は燃焼時に溶融することで炭化した炎遮蔽性生地を覆い炭化膜強度を向上させる効果がある。ポリエステル繊維 (D)は易燃性であるためにその割合が 50重量％を超えると炎遮蔽性生地中の燃焼成分の割合が多くなり、炎遮蔽性に劣るものとなるので好ましくない。難燃性の点力も融点が高いポリエステルが好ましい。低融点ポリエステルを使用すると、低融点成分は高融点成分に比較して容易に燃焼しやす！ヽために、サーマルボンド型不織布を使用しなヽ場合には融点が 200°C以上のポリエステル繊維を用いることが好ましい。

[0036] 炎遮蔽性生地としてサーマルボンド型不織布を使用する場合には、融点が 200°C 未満である低融点バインダー繊維を用いても良ヽ。低融点バインダー繊維としては、低融点ポリエステル単一成分よりなる繊維、融点が 200°C以上である通常のポリエステルと低融点ポリエステルの複合よりなる繊維、融点が 200°C以上である通常のポリエステルと低融点ポリオレフインの複合繊維が挙げられ、これらは単独で用いても複数を組み合わせて用いてもょ、。複合繊維としてはポリエステル Z低融点ポリプロピレン、低融点ポリエチレン、低融点ポリエステル力もなる並列型もしくは芯鞘型複合型繊維をあげることができる。一般的に低融点ポリエステルの融点は概ね 110〜200°C 、低融点ポリプロピレンの融点は概ね 140〜160°C、低融点ポリエチレンの融点は概ね 95〜130°Cであり、概ね 110〜200°C程度で融解接着能力を有するものであれば特に限定はない。

[0037] 本発明に用いられる炎遮蔽性生地にはハロゲン含有繊維 (A)と難燃性セルロース系繊維 (B)が必須成分である。ハロゲン含有繊維 (A)は高、自己消火性を有し、とりわけアンチモン化合物を含有したハロゲン含有繊維 (A)は自己消火性を有さない繊維と混合して用いた場合に、自己消火性を有さない繊維に対して働きかけ、生地に着火した炎を速やかに消火する性質を有する。一方、ハロゲン含有繊維 (A)自体の炭化促進効果は弱ぐまた形成した炭化膜強度はそれほど強固ではなぐ炎に晒されると収縮する性質を有する。これに対して難燃性セルロース系繊維 (B)は自己消火性を有するものの、自己消火性を有さない繊維に対して難燃剤として働く効果は弱い。しかし、基質がセルロース系繊維であるがために強い炭化促進効果を有しており、速やかに炭化することで炎に晒された際、収縮力、さく安定した炭化膜を形成することが可能である。そこでハロゲン含有繊維 (A)と難燃性セルロース系繊維 (B) を組み合わせることにより、炎遮蔽性生地に高い自己消火性と燃焼時に炎を遮ることの出来る強固な炭化膜を形成できる性質を付与することが可能となる。

[0038] また、難燃性セルロース系繊維 (B)の内、珪酸含有レーヨン繊維は珪酸を含有するために繊維のしなやかさが損なわれカード等の加工において繊維が切れるという問題がある。後加工による難燃性セルロース系繊維においては、長期使用において難燃剤が脱落し難燃性能が低下するとヽぅ欠点を有する。また寝具にぉヽては直接肌に触れるため、難燃剤の脱落は好ましくない。これらの欠点もハロゲン含有繊維 (A) と組み合わせた場合、炎遮蔽性生地中の難燃性セルロース繊維 (B)の使用量を減らすことが出来るために、解消できる。

[0039] (A)〜 (D)各成分を前記のような割合で含む炎遮蔽性生地は、繊維素材の持つ、優れた風合いや触感、および吸湿性、耐久性などを損なわず、しかも高度な難燃性を有する。このような炎遮蔽性生地でウレタンフォームを覆うことにより、ウレタンフォームの持つ素材独特のふわふわ感ゃ心地よさを損なわないとともに、快適で、し力も高い難燃性を有する寝具製品製造できる。以下、実施をあげて本発明をさらに詳しく説明する力本発明は力かる実施例のみに限定されるものではない。

実施例

[0040] (難燃性評価用クッションの作成方法）

難燃性評価用クッションは米国カリフォルニア州の燃焼試験方法 Technical Bullet in 604の 2003年 10月発行のドラフト（以下 TB604) Sectionlまたは 2に基づ!/、て作成した。密度 22Kg/m³のウレタンフォーム (東洋ゴム工業 (株)製タイプ 360S)を縦約 25cm X横約 25cm X厚さ約 10cmにカットした。カットしたウレタンフォームをクッシヨンの詰め物として用い、その周りを 1枚な、しは 2枚重ねの生地で完全に覆、、力タン糸を用いて完全に口を閉じ、縦 13inchX横 13inchの枕を作成した。

[0041] (難燃性評価方法）

寝具製品の難燃性は上記の難燃性評価用クッションを使用し、 TB604 Section2 に基づいて実施した。米国カリフォルニア州の TB604燃焼試験方法を簡単に説明すると、クッション (枕)の角より下側 3Z4インチの所から 35mmの炎を 20秒間着炎し、 6分後の重量減少率が 20重量％以下であれば合格である。このとき使用するバーナーチューブは内径 6. 5mm、外形 8mm、長さ 200mmである。燃料ガスは純度 99 %以上のブタンガスで、ブタンガス流量 45mlZminで炎の高さは約 35mmである。接炎開始より 360秒後に重量減少率が 20重量％以下で、かつ接炎開始より 360秒後に重量減少が終了したクッションを試験に合格とした。後記の表においてこのようなクッションの評価を〇とし、接炎開始より 360秒後に重量減少率が 20重量％以下であるが、接炎開始より 360秒後に重量減少が終了しな力たものを△、接炎開始より 360秒後に重量減少率が 20重量％を超えたものを Xとした。

また、燃焼試験後の炭化膜において、炭化膜に損傷がなく手で折り曲げても亀裂の入らないものを〇、炭化膜に損傷はないが手で折り曲げることにより亀裂の入るものを△、炭化膜に亀裂や穴明きが見られるものを Xとして評価した。

そして、難燃性の総合判定として、これらの結果が全て〇のものを〇（合格)、それ以外のものを X (不合格）とした。 [0042] (ハロゲン含有繊維 (A)の製造例）

アクリロニトリル 52重量部、塩ィ匕ビユリデン 46. 8重量部、スチレンスルホン酸ナトリゥム 1. 2重量部を共重合させて得られた共重合体を、アセトンに溶解させて 30重量 %溶液とした。このとき共重合体 100重量部に対して、三酸ィ匕アンチモン 15重量部をカロえて紡糸原液を調製した。得られた紡糸原液を孔径 0. 07mm,孔数 33000個のノズルを用いて、 25°Cの 38重量％のアセトン水溶液中に押し出し、水洗後、 120 °Cで 8分間乾燥させた。この後、 150°Cで 3倍に延伸し、 175°Cで 30秒間熱処理を行い、繊度 2dtexのハロゲン含有繊維 (A)を得た。得られた含ハロゲン難燃繊維に紡績用仕上げ油剤 (竹本油脂 (株)製)を供給し、クリンプを付け、長さ 51mmにカットした。

[0043] (難燃性レーヨン繊維 (B)の製造例）

レーヨン繊維 (繊度 1. 5dtex、カット長 38mm)をポリリン酸アンモ-ゥム（(株)鈴裕化学製、 FCP— 730)の 10重量％水溶液に浸漬し、ポリリン酸アンモ-ゥムがレーヨン繊維に対して 20重量％付着するよう脱水し、 80°Cで乾燥して難燃性レーヨン繊維を得た。

[0044] (紡績糸 1〜6)

表 1の紡績糸 1〜6に示すように、ハロゲン含有繊維 (A)の製造例で作成したハロゲン含有繊維 (A)、珪酸含有レーヨン繊維 (B)であるサテリ（Sateri)社製のヴイジル ( Visil) (繊度 1. 7dtex、カット長 40mm)、難燃性レーヨン繊維の製造例で作成した難燃性レーヨン繊維 (B)、木綿繊維 (C)、ポリエステル繊維 (D) (繊度 1. 7dtex、力ット長 51mm)を、表 1に記載した割合で用いて、周知の方法によりメートル番手 51番手の紡績糸を作成した。 2種類の繊維を混紡した製造例 6においては、カードにより混綿を実施した。

[0045] [表 1] 表 1

[0046] (織布の製造例 1〜12、 25-38)

紡績糸 1〜5を用いて、周知の方法により表 2に示す混率、目付けの平織り生地を作成した。

[0047] [表 2] 表 2

各織維の混率（重匱％)

使用した紡績糸ハロゲ珪酸含難燃性ポリエ目付け織布の

のン含有有レーレー 3 木綿繊ステル (e/ 製造例番号

番号繊維ヨン繊ン繊維維 (C) 系繊維 m²)

(A) 維（B) (B) (D)

製造例 1 1 , 2, 4 1 0 1 5 7 5 1 06 製造例 2 1 , 3, 4 1 0 1 5 75 1 06 製造例 3 1 , 2, 4 20 5 7 5 1 1 0 製造例 4 1 , 2, 4 60 3 0 1 0 9 5 製造例 5 1 , 2, 3 5 4 5 50 1 04

1 , 2, 5 4 5 5 50 1 04 製造例 7 1 , 3, 5 4 5 5 50 1 04 製造例 8 1 , 2, 5 60 3 0 1 0 9 9 製造例 9 1， 2, 4, 5 5 5 7 5 1 5 1 04 製造例 1 0 1 , 3, 4, 5 5 5 7 5 1 5 1 04 製造例 1 1 1， 2, 4， 5 5 5 40 50 98 製造例 1 2 1 , 2 , 4， 5 1 5 1 5 40 3 0 80 製造例 2 5 1 , 2, 3, 5 2 0 80 1 04 製造例 2 6 1， 2, 4, 5 3 5 6 5 1 08 製造例 2 7 1 , 2, 3, 5 2 0 80 1 04 製造例 28 1 , , 3, 5 3 5 6 5 1 08 製造例 2 9 1 , 2 40 6 0 1 04 製造例 30 1， 2 50 50 1 03 製造例 3 1 2, 3 4 0 60 1 04 製造例 3 2 2, 3 5 0 50 1 03 製造例 3 3 1 , 5 5 5 80 1 0 90 製造例 34 1 ' 5 1 0 7 5 1 5 1 04 製造例 3 5 3, 5 1 0 7 5 1 5 1 04 製造例 3 6 3， 5 5 5 3 5 55 1 0】製造例 3 7 1， 2 , 3, 5 1 0 40 50 1 0 3 製造例 38 2, 3 , 5 1 0 40 50 1 0 3 [0048] (不織布の製造例 13〜24、 39〜52)

ハロゲン含有繊維 (A)の製造例で作成したハロゲン含有繊維 (A)、木綿繊維 (C)、珪酸含有レーヨン繊維 (B)であるサテリ (Sateri)社製のヴイジル (Visil) (繊度 1. 7d tex、カット長 40mm)、難燃性レーヨン繊維の製造例で作成した難燃性レーヨン繊維 (B)、ポリエステル繊維（D) (繊度 1. 7dtex、カット長 51mm)を用いて、カードにより開繊してウェブ状にし、表 3に示す混率、目付けの不織布を作成した。

[0049] [表 3] 表 3

[0050] (実施例 1〜12、比較例 1〜14)

織布の製造例 1〜 12、 25〜 38で作成した平織り生地を用ヽて難燃性評価用タツシヨンを作成し、難燃性評価を実施した。結果を表 4に示す。

実施例 1〜12では、何れの場合においても燃焼試験における難燃性、炭化膜の状態は良好であった。また、実施例 1〜12のうち、木綿繊維 (C)を含んでいるものは、風合いや、触感、および吸湿性などの快適性において、特に優れたものとなり、ポリエステル系繊維 (D)を含んでいるものは、耐洗濯性や耐久性において、特に優れたものとなった。

比較例 1, 2では、実施例 1〜4に比べて難燃性セルロース系繊維 (B)を含まないために、炭化膜の状態が不充分であった。また、比較例 3, 4では、ハロゲン含有繊維（ A)を含まないために生地の消火能力が不足し、消火までの時間が長くなつた。比較例 5, 6では、実施例 5〜8に比べてハロゲン含有繊維 (A)が充分に含まれるために、消火性能は有したが、難燃性セルロース系繊維 (B)を含まないために、炭化膜の状態が不充分であった。また、比較例 7, 8では、珪酸含有繊維 (B)を充分に含むために炭化膜の状態は良好であつたが、ハロゲン含有繊維 (A)を含まな、ために生地の消火能力が不足し、消火までの時間が長くなつた。比較例 9では、実施例 9, 10に比ベて木綿繊維 (C)の割合が多ぐ炭化膜は形成するが弱いものであった。比較例 10 では、実施例 9, 10に比べてハロゲン含有繊維 (A)を含まないために、生地の消火能力が劣った。比較例 11では、実施例 9, 10に比べて難燃性セルロース系繊維 (B) を含まないために炭化膜が弱いものであった。比較例 12では、実施例 11に比べてポリエステル系繊維 (D)が多いため、生地の消火能力が劣るものであった。比較例 1 3では、実施例 11と比べてハロゲン含有繊維 (A)を含まないために、生地の消火性能が劣るものであった。比較例 14では、実施例 36に比べて難燃性セルロース系繊維 (B)を含まな、ために、炭化膜が弱、ものであった。

[表 4] 表 4

(実施例 13〜24、比較例 15〜28)

不織布の製造例 13〜24、 39〜52で作成した不織布を用いてウレタンフォームを覆い、さらにその外側を、紡績糸の製造例 6で作成した紡績糸を用いて周知の方法により作成した、目付け 120gZm²の平織り生地 (側地)で覆うことにより、難燃性評価用クッションを作成し、難燃性評価を実施した。結果を表 5に示す。

実施例 13〜24では、何れの場合においても燃焼試験における難燃性、炭化膜の状態は良好であった。また、実施例 13〜24のうち、木綿繊維 (C)を含んでいるものは、風合いや、触感、および吸湿性などの快適性において、特に優れたものとなり、ポリエステル系繊維 (D)を含んでいるものは、耐洗濯性や耐久性において、特に優れたものとなった。

比較例 15, 16では、実施例 13〜 16に比べて難燃性セルロース系繊維 (B)を含まないために、炭化膜の状態が不充分であった。また、比較例 17, 18では、ハロゲン含有繊維 (A)を含まないために生地の消火能力が不足し、消火までの時間が長くなつた。比較例 19, 20では、実施例 17〜20に比べてハロゲン含有繊維 (A)が充分に含まれるために、消火性能は有したが、難燃性セルロース系繊維 (B)を含まないために、炭化膜の状態が不充分であった。また、比較例 21, 22では、珪酸含有繊維 (B)を充分に含むために炭化膜の状態は良好であつたが、ハロゲン含有繊維 (A)を含まないために生地の消火能力が不足し、消火までの時間が長くなつた。比較例 23では、実施例 21, 22に比べて木綿繊維 (C)の割合が多ぐ炭化膜は形成するが弱いものであった。比較例 24では、実施例 21, 22に比べてハロゲン含有繊維 (A)を含まないために、生地の消火能力が劣った。比較例 25では、実施例 21, 22に比べて難燃性セルロース系繊維 (B)を含まな、ために炭化膜が弱!、ものであった。比較例 26では、実施例 23に比べてポリエステル系繊維 (D)が多いため、生地の消火能力が劣るものであった。比較例 27では、実施例 23と比べてハロゲン含有繊維 (A)を含まないために、生地の消火性能が劣るものであった。比較例 28では、実施例 24に比べて難燃性セルロース系繊維 (B)を含まな、ために、炭化膜が弱!、ものであった。

[表 5]

表 5

不撖布中の繊維の混合割合（重

不織布の構造試料形態燃焼試験

量

不織使炭布珪酸難燃ポリ不織布用化し

の含有性レエス中の 6分後重量滅膜 1=1 例番号ゲン綿目付けたウレタン

製造レー一木

曰テル腿剤

含有賺紡の重量少終了判の判フォーム

例番 3ン系織量減少率時間定状定赚 (0 ²) 重量（g)

維 (重糸 (%) (秒）態

(A) m

(B) (B) (D) %) の

番

1 3 1 3 1 0 1 5 0 75 0 5. 8 1 2 6 1 32. 3 1 , 5 65 〇〇〇

1 4 1 1 0 0 ϊ 5 7 5 0 3. 8 1 2 6 1 3 1 . 7 4. 7 70 〇〇〇

1 5 1 5 20 5 0 7 5 0 4. 1 1 3 8 6 1 32. 6 1. 8 95 〇〇〇

1 6 1 6 60 30 0 1 0 0 1 6. 8 1 41 6 1 33. 7 2. 3 70 〇 o 〇

1 7 1 7 S 45 0 0 50 1 . 2 1 40 6 1 34. 2 1 4. 6 225 〇〇〇

1 S 1 S 45 5 0 0 50 7. 4 1 43 6 1 33. 3 1 5. 0 1 90 〇〇〇

1 1 9 45 0 5 0 50 6. 7 1 3 6 1 3 1 . 6 1 7. 0 200 〇〇〇 0 20 60 30 0 0 1 0 1 6. 8 1 41 6 1 32. 9 3. 1 20 〇〇〇

2 1 2 1 5 5 0 75 1 5 3. 3 1 2 6 1 30. 4 4. 0 1 90 〇〇〇

2 2 2 5 ΰ 5 7 5 1 5 1. 5 1 2 6 1 3 1 . 1 6. 2 1 90 〇〇〇

2 3 23 5 5 0 40 50 3. 3 1 4 3 6 1 3 1 . 2 1 9. 3 275 〇〇〇

24 24 1 5 1 5 0 40 30 6. 5 1 0 6 1 31 . 1 1 4. 6 245 〇〇〇

1 5 39 20 0 0 80 0 2. 6 1 0 6 1 34. 1 1. 8 95 〇 Δ X

1 6 40 35 0 0 65 0 4. 6 1 43 6 1 32. 6 0. 8 20 〇 Δ X

1 7 4 1 0 2 α 0 80 0 6. 0 1 4 0 6 1 3 3- 5 2 2. 8 385 Δ 〇 X

1 S 42 0 3 5 0 65 0 1 0. 5 1 39 6 1 31 . 7 1 2. 1 400 Δ 〇

1 9 43 40 0 0 0 60 5. 2 1 4 1 6 1 30. 6 1 7, 3 240 〇 Δ

2 0 44 50 ΰ 0 0 50 6. 5 1 1 6 1 30. 7 1 6. 7 205 〇 Δ

2 1 45 0 40 0 0 60 1 2. 0 1 6 6 1 31 . 0 2 5. 3 400 X 〇 X

2 2 46 0 50 0 0 50 1 5. 0 1 3 6 1 30. 3 2 3. 6 3 1 5 X 〇

2 3 47 5 5 0 80 1 0 2. 2 1 40 6 1 3 1 , 3 20. 8 270 X Δ

2 4 48 0 1 0 0 75 1 5 3. 0 1 43 6 1 31 . 5 24. 6 275 X 〇 X

2 5 49 1 0 0 0 75 1 5 1. 3 1 43 6 1 30. 2 1 4. 7 1 30 〇 Δ X

2 6 50 5 5 0 35 5 5 2. 2 1 45 6 1 32. 3 3 1. 5 325 X X

27 51 0 1 0 0 40 50 3. 0 1 48 e 1 30. 8 32- 5 400 △ X

2 8 5 2 1 0 0 0 40 50 1. 3 1 42 6 1 32. 1 2 6. 3 360 X X 産業上の利用の可能性

本発明はハロゲン含有繊維 (A)と難燃性セルロース系繊維 (B)を含有する難燃性寝具製品に関するものであり、 TB604に記載されているような長時間火炎に接触させるテストにおいても燃焼を防止できる高度の難燃性を有し、かつ、綿などのセル口ース系繊維が有する、優れた風合い、触感および吸湿性を損なわない寝具製品である。

Claims

請求の範囲

[1] ハロゲン含有繊維 (A) 5〜60重量％、難燃性セルロース系繊維 (B) 5〜60重量％、セルロース系繊維（C) 0〜75重量％、ポリエステル系繊維（D) 0〜50重量％を含む繊維で構成された炎遮蔽性生地により詰め物であるウレタンフォームを覆った難燃性寝具製品。

[2] ハロゲン含有繊維 (A)が、モダアクリル繊維である請求項 1記載の難燃性寝具製品。

[3] 難燃性セルロース系繊維 (B)力木綿、麻、レーヨン、ポリノジック、キュブラ、ァセテートおよびトリアセテートよりなる群力も選ばれた少なくとも 1つに、難燃剤を含有させた繊維である請求項 1または請求項 2記載の難燃性寝具製品。

[4] 難燃性セルロース系繊維 (B)が、珪酸、または珪酸アルミニウムカゝら選ばれる難燃剤を 20〜50重量％含有するレーヨン繊維である請求項 3記載の難燃性寝具製品。

[5] 難燃性セルロース系繊維 (B)力リン酸エステル系化合物、含ハロゲンリン酸エステル系化合物、縮合リン酸エステル系化合物、ポリリン酸塩系化合物、赤リン、アミンィ匕合物、ホウ酸、ハロゲンィ匕合物、臭化物、尿素一ホルムアルデヒドィ匕合物、硫酸アンモ-ゥムの群力も選ばれる難燃剤を、セルロース系繊維に対して 6〜25重量％付着させた繊維である請求項 3記載の難燃性寝具製品。

[6] セルロース系繊維 (C) 1S 木綿、麻、レーヨン、ポリノジック、キュプラ、アセテートおよびトリアセテートよりなる群力も選ばれた少なくとも 1つの繊維である請求項 1〜5いずれカに記載の難燃性寝具製品。

[7] セルロース系繊維（C) 1S 木綿、麻、レーヨンよりなる群力選ばれた少なくとも 1つの繊維である請求項 6記載の難燃性寝具製品。

[8] ポリエステル系繊維が（D)力融点が 200°C以上であるポリエステル系繊維および Z 又は融点が 200°C以上であるポリエステル繊維と融点が 200°C未満である低融点バインダー繊維カゝらなる繊維である請求項 1〜7いずれかに記載の難燃性寝具製品。

[9] ポリエステル系繊維 (D)の低融点バインダー繊維力低融点ポリエステル単一成分よりなる繊維、通常のポリエステルと低融点ポリエステルの複合よりなる繊維、通常のポリエステルと低融点ポリオレフインの複合よりなる繊維よりなる群力も選ばれた少なくとも 1つの繊維である請求項 8記載の難燃性寝具製品。

[10] 前記炎遮蔽性生地中に難燃剤を 1. 0〜40重量％含有する請求項 1〜9のいずれかに記載の難燃性寝具製品。

[11] 難燃剤としてアンチモンィ匕合物を 0. 2〜20重量％含有する請求項 10記載の難燃性寝具製品。

[12] ウレタンフォームを覆う炎遮蔽性生地が、織物、編物、不織布の!/、ずれかである請求項 1〜11記載の難燃性寝具製品。

[13] 側地と詰め物であるウレタンフォームの間に炎遮蔽性生地を挟み込んだ請求項 12記載の難燃性寝具製品。