JP2003027330A - 難燃性ポリプロピレン繊維及びその製造方法 - Google Patents

難燃性ポリプロピレン繊維及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた難燃性能と良好な繊維強度、とを兼ね備
え、且つ有毒ガスの発生のない難燃性ポリプロピレン繊
維とその製造方法を提供する。 【解決手段】メルトフロレート値が5〜50g/10分
のポリプロピレン樹脂に、リン酸エステル系難燃剤を
0.5重量%以上、NOR型HALS系安定剤を0.4
重量%以上、消臭剤を0.1重量%以上を混合して紡出
した未延伸糸を、延伸倍率2〜7倍、延伸温度50〜1
00℃の範囲で延伸し、更に60〜140℃の温度で熱
セットする。得られた難燃性ポリプロピレン繊維は、リ
ン酸エステル系難燃剤とNOR型HALS系安定剤と消
臭剤が上述の範囲で含有されているため、十分な繊維強
度と優れた難燃性能とを兼ね備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、十分な強度を有
し、且つ高度の難燃性をも兼ね備え、更には燃焼時に有
毒ガスを発生しない難燃性ポリプロピレン繊維及びその
製造方法と難燃性ポリプロピレンフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から難燃性能を有するポリプロピレ
ン系繊維製品として、例えばポリプロピレン繊維より構
成された繊維製品に、後加工によりハロゲン系難燃剤を
付与したものが一般的である。或いは、例えばポリプロ
ピレン樹脂に予め難燃剤を添加して溶融紡糸する繊維に
難燃剤を練り込んだタイプの難燃性繊維も知られてい
る。
【0003】近年では、環境面から燃焼時にも有毒ガス
が発生することのない非ハロゲン系難燃剤を使用するこ
とが求められている。非ハロゲン系難燃剤を使用した製
品として、例えば特開平9−310048号公報にポリ
オレフィン系難燃性粘着テープが開示されている。同テ
ープはポリオレフィン系樹脂と難燃剤とを主体としたテ
ープ基材に粘着剤を設けている。前記テープ基材は、ポ
リオレフィン系樹脂に対して難燃剤として無機系難燃
剤、耐候剤としてヒンダードアミン系化合物、耐候助剤
としてハイドロタルサイト化合物を配合し、混練、分散
してシート化して製造される。前記無機系難燃剤として
は、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化ス
ズ、酸化アンチモン、赤リン等が挙げられている。
【0004】また、例えば特開平7−102128号公
報には、フイルム、シート、パイプ、容器、電線、ケー
ブル等の成形品の用途に用いられる耐熱性に優れた架橋
性難燃組成物が開示されている。同組成物は、ポリオレ
フィン系樹脂を含む所定の樹脂材料と難燃剤と赤リンと
が所定の割合で配合されている。前記難燃剤としてはハ
ロゲン系難燃剤、リン系難燃剤、無機系難燃剤などの添
加型難燃剤が挙げられている。また、赤リンを配合する
ことにより、さらに高度の難燃性を付与できるとしてい
る。
【0005】例えば、特開平11−60837号公報に
は難燃性に優れたスタンパブルシートを製造するのに適
した難燃化ポリプロピレンコンパウンドが開示されてい
る。同難燃化ポリプロピレンコンパウンドは、ポリプロ
ピレンに対し難燃剤として金属水和物が特定量含まれて
いる。このように、金属水和物を特定量配合することに
より、室温での粉砕によっても、粉砕品(コンパウン
ド)の融着によるメッシュ目詰まりが抑制できるとして
いる。
【0006】しかし、これらの難燃剤を使用して難燃性
能を得た製品は、難燃剤が極めて高濃度で配合されてい
る。具体的には、樹脂成分を100重量部とした時に、
特開平9−310048号公報に開示されているポリオ
レフィン系難燃性粘着テープでは30〜200重量部、
特開平7−102128号公報の架橋性難燃組成物では
5〜200重量部、特開平11−60837号公報の難
燃化ポリプロピレンコンパウンドでは50〜200重量
部である。
【0007】これら公報に開示されている樹脂材料はい
ずれも、シートや各種の成形品であって、繊維としての
用途は意図していない。従って、難燃剤を上述のように
極めて高濃度で添加していても強度的に問題はないが、
かかる樹脂材料を繊維用途とした場合には、物性的に低
強度の繊維しか得られない。また、製糸時の安定性も問
題となる。
【0008】さらにポリプロピレン繊維においては繊維
物性を持続させるために一般に耐光安定剤が添加されて
いるが、この耐光安定剤は難燃剤により死活し、経時的
な強度低下が著しいという大きな問題がある。
【0009】一方、国際公開第WO99/00450号
(PCT/US98/13469号)公報には、耐光安
定剤として知られているヒンダードアミン系化合物のう
ち、特にそのNOR型の化合物が難燃性能を示すことを
開示している。また、同公報には、このNOR型ヒンダ
ードアミン系化合物は多様な樹脂材料に添加できるもの
であり、その実施例ではポリプロピレン繊維の難燃剤と
してNOR型ヒンダードアミン系化合物が0.25〜
1.0重量%を添加することが開示されている。NOR
型ヒンダードアミン系化合物のみを1%含有したポリプ
ロピレン繊維が、従来の繊維に用いられる難燃剤として
広く知られた臭素系難燃剤のみを3%含有するポリプロ
ピレン繊維と同等の難燃性能を示すとしている。
【0010】なお、同公報ではプロピレン繊維を含む各
種繊維に対して、様々なNOR型ヒンダードアミン系化
合物を含有量を変化させて添加し、それらの難燃性能に
ついて検討を行っている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この国
際公開公報では初期難燃性能以外の性能、例えば繊維強
度や難燃性能の持続性などについては検討がなされてお
らず、当然にその記載もない。更に、国際公開公報では
NOR型ヒンダードアミン系化合物にリン系化合物、ハ
ロゲン系化合物などの他の難燃剤を組合せ、その総量が
0.5〜20重量%とすることが記載されている。しか
し、ポリプロピレン繊維に難燃剤を組み合わせて含有さ
せたときの具体的な検討はなされていない。
【0012】また、こうして難燃剤として機能するNO
R型ヒンダードアミン系化合物は光安定剤としての機能
も有するため、同NOR型ヒンダードアミン系化合物は
経時的に両機能を低下させていき、長期間にわたって所
要の難燃性能を維持することができない。更に、この種
のNOR型ヒンダードアミン系化合物は、独特の異臭を
放つため、異臭を嫌う分野での採用が難しい。
【0013】そこで本発明は上述したような従来技術の
問題を解決すべく、長期間にわたって優れた難燃性能を
維持できると共に、室内用途とテント、及び、養生ネッ
ト等の建築資材用途、並び、布帛として要求される繊維
強度を十分に備え、異臭の発生がなく、燃焼しても有害
ガスやを発生することのない多分野に適用可能な非ハロ
ゲン系のポリプロピレン難燃繊維とその製造方法、並び
に同様に燃焼しても有毒ガスを発生することのない非ハ
ロゲン系の難燃性ポリプロピレンフィルムを提供するこ
とを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段及び作用効果】上述の問題
を解決するために本発明者らが鋭意検討を行った結果、
ポリプロピレン繊維に、リン酸エステル系の難燃剤とN
OR型ヒンダードアミン系の安定剤(以下、「NOR型
HALS系安定剤」と略記する。)と、塩基性臭を消臭
する消臭剤を特定範囲で含有させることにより、長期間
にわたって高度の難燃性能が維持でき、且つ実用上充分
である繊維強度をも兼ね備えたポリプロピレン難燃繊維
が得られることを見出した。ここで、塩基性臭とは、ア
ンモニア臭、トリメチルアミン臭等であり、NOR型H
ALS系安定剤がもつ特有の臭いである。
【0015】すなわち、本件請求項1に係る発明は、リ
ン酸エステル系難燃剤を0.5重量%以上、NOR型H
ALS系安定剤を0.4重量%以上、塩基性臭を消臭す
る消臭剤が0.1重量%以上含有することを特徴とする
難燃性ポリプロピレン繊維にある。
【0016】本発明のポリプロピレン繊維としては、プ
ロピレンホモポリマーを主体とする繊維以外にも、プロ
ピレンと他のα−オレフィンモノマー、例えばエチレ
ン、ブテン−1等とのコポリマーなど、溶融可能なポリ
プロピレン樹脂を主体とする繊維をも含むものである。
【0017】本発明の難燃性ポリプロピレン繊維は、繊
維中の重量の割合として、0.5重量%以上のリン酸エ
ステル系難燃剤と、0.4重量%以上のNOR型HAL
S系安定剤と、塩基性臭を消臭する消臭剤が0.1重量
%以上を含有していることが重要である。リン酸エステ
ル系難燃剤、NOR型HALS系安定剤、及び塩基性臭
を消臭する消臭剤が上述の範囲内にあれば、リン酸エス
テル系難燃剤の難燃性能をNOR型HALS系安定剤に
より促進させ、更に消臭剤(以下、消臭剤と略記する)
によりHALS系安定剤特有の塩基性臭を消臭すること
ができる。
【0018】難燃性能の発現については、以下のように
推察される。ポリプロピレンの燃焼過程では固相中でポ
リマー主鎖が切れアルキルラジカル(R・)が生じ酸素
と反応、即ち燃焼するものであるが、このとき、NOR
型HALS系安定剤はポリマーから発生するアルキルラ
ジカルを補足すことで酸素との反応を抑制するものと推
定され、それにより難燃性能が得られるものと考えられ
る。なお、従来のNH型やNCH3 型のヒンダードアミ
ン系安定剤はNOR型のHALS系安定剤に比べてアル
キルラジカルとの反応速度が遅いため、NOR型HAL
S系安定剤を含有する場合のような難燃性能は発現しな
い。
【0019】このように、NOR型HALS系安定剤と
リン酸エステル系難燃剤との相乗的な効果によりリン酸
エステル系難燃剤の含有量が少なくても優れた難燃性能
を確保できるため、リン酸エステル系難燃剤の含有量を
低く抑えて必要十分な繊維強度を確保できる。また、た
とえNOR型HALS系安定剤による難燃効果が経時的
に低減しても、リン酸エステル系難燃剤によってその難
燃性能が補完され、所要の難燃性能を維持できる。
【0020】すなわち、本発明はリン酸エステル系難燃
剤の含有量を0.5重量%以上と大幅に削減することが
可能となり、しかも同リン酸エステル系難燃剤の含有量
が極めて少ないにもかかわらず、本発明の難燃性ポリプ
ロピレン繊維にはNOR型HALS系安定剤との相乗的
な効果により高度の難燃性を付与することができる。
【0021】一方、本発明の難燃性ポリプロピレン繊維
には、通常の光安定剤よりも比較的多量のNOR型HA
LS系安定剤を添加しているが、HALS系安定剤は特
有のアミン臭を有しており、溶融紡糸時および加工工程
で該臭気が気になることもある。さらには製品段階で認
知される臭気は自動車内装材やカーペット等の屋内用途
では不都合を生じる。塩基性臭を消臭する消臭剤を0.
1重量%以上含有させることで、HALS系安定剤に特
有の臭気を軽減あるいは除去することができる。従っ
て、本発明の難燃性ポリプロピレン繊維は、テント、及
び、養生シートとして土木、建築現場等屋外用途のみな
らず、自動車内装材やカーペット等の屋内で用いること
も可能であり、幅広い用途で利用が可能となる。
【0022】前記リン酸エステル系難燃剤は0.5重量
%以上含有することが必要であり、更には、0.5〜
3.0重量%含有されていることが好ましい。同リン酸
エステル系難燃剤の含有量が0.5重量%未満である
と、NOR型HALS系安定剤との相乗効果が得られず
難燃性能が不充分となる。一方、含有量が3.0重量%
を越えると繊維の強度低下が認められるため、3.0重
量%以下とすることが好ましい。
【0023】前記ポリプロピレン繊維に含有されている
NOR型HALS系安定剤は、その含有量を0.4重量
%以上とすることが必要である。更には、NOR型HA
LS系安定剤が0.5〜2.0重量%含有されているこ
とが好ましい。前記NOR型HALS系安定剤の含有量
が0.4重量%未満であると、充分な難燃性能を得るた
めにはリン酸エステル系難燃剤の含有量を多くしなけれ
ばならないため、十分な繊維強度が得られなくなる。な
お、NOR型HALS系安定剤の含有量が2.0重量%
を超えても、リン酸エステル系難燃剤の難燃性能を向上
させる効果は期待できず、むしろ製糸性を損なうといっ
た不都合が生じる場合もあり、また、製造コストも高く
なるため、NOR型HALS系安定剤の含有量は2.0
重量%以下とすることが好ましい。
【0024】前記難燃ポリプロピレン繊維に含有されて
いる消臭剤は、その含有量を0.1重量%以上とするこ
とが必要である。更には、消臭剤が0.3重量%以上含
有されていることが好ましい。前記消臭剤の含有量が
0.1重量%未満であると、充分な消臭性能を得ること
ができず、溶融紡糸時にHALS系安定剤特有の臭気を
抑えることはできない。消臭剤の含有量は高濃度ほど消
臭性能を向上させる効果は期待できるが、むしろ製糸性
を損なうといった不都合が生じる場合もあり、また、製
造コストも高くなるため、消臭剤の含有量は5.0重量
%以下とすることが好ましい。
【0025】本件請求項2に係る発明は、難燃性ポリプ
ロピレン繊維の繊維強度が、4.0cN/dtex以上
であることを特徴としている。繊維強度が3.0cN/
dtex未満では繊維強力が不足し、室内用途、及び、
テント、及び、養生シート等の建築資材用途で展開する
繊維製品として必要な物性を満足できない。
【0026】本件請求項3に係る発明は、難燃性ポリプ
ロピレン繊維が、JIS No.L−1091 D法の
接炎試験に則って5つの試料について測定した接炎回数
の平均値が4回以上であり、且つ5つの試料の接炎回数
には3回以下の結果を含まないことを特徴としている。
【0027】なお、JIS No.L−1091 D法
の接炎試験とは以下のとおりである。即ち、幅100m
m、質量1gの試験片を幅100mmに丸めて、直径
0.5mmの硬質ステンレス銅線からなる内径10m
m、線相互間隔2mm、長さ150mmの試験片支持コ
イル内に挿入して、燃焼試験箱内に45°の傾斜に保持
する。試験片の最下端にミクロバーナーの炎を接触さ
せ、試験片が溶融しつつ燃焼を停止するまでミクロバー
ナーの位置を固定して加熱する。更に残った試験片の最
下端にミクロバーナーの炎が接触するよう同バーナーを
移動し前回と同様に加熱する。試験片の下端から90m
mのところが溶融し燃焼するまで同様の操作を繰り返
し、その接炎回数を測定する。
【0028】JIS No.L−1091 D法の接炎
試験においては、5つの試料について測定した接炎回数
の平均値が3回以上で難燃性能があるとされているが、
本発明ではより高い難燃性能を求めている。従って、本
発明では同接炎試験に則り5つの試料について測定した
接炎回数の平均値が4回未満では難燃性能としては不充
分であり、また5つの試料の接炎回数は測定結果の中に
3回以下の結果が含まれる場合は、難燃性能の安定性が
不充分であるとしている。
【0029】更に、本件請求項4に係る発明は、上述し
たJIS No.L−1091 D法の接炎試験に則っ
てミクロバーナーで試料に着火する際、着火所要時間が
10秒以上であることを特徴としている。
【0030】すなわち、JIS No.L−1091
D法には試料が燃焼を開始するまで着火を継続するとさ
れており、着火時間が規定されていない。そのため、難
燃性能に優れた試料においては着火するまでの時間が長
く、着火前に相当量の試料が溶融損失し、接炎回数が小
さくなるという矛盾が生じる。そこで本発明では燃焼開
始に要する接炎時間が10秒以上の場合には高度な難燃
性能があることを確認した。
【0031】前記リン酸エステル系難燃剤として、具体
的には、芳香族系ポリホスフェート、脂肪族ポリホスフ
ェート等が挙げられる。このリン酸エステル系難燃剤
は、250℃で分解または変性することがなく、ポリプ
ロピレン樹脂に練り込みが可能なリン酸エステル系難燃
剤であれば特に限定されるものではないが、本件請求項
5に係る発明によれば、前記リン酸エステル系難燃剤
は、芳香族系ポリホスフェートであることを特徴として
いる。
【0032】特に、次の化学式1で示される構造の芳香
族系ポリホスフェートを採用することが好ましく、この
芳香族系ポリホスフェートは、少量を添加した時にも十
分な難燃性能を示し優れた適性を有している。
【0033】
【化1】
【0034】本件請求項6に係る発明では、前記NOR
型HALS系安定剤は、アルコキシル基(−OR)のR
が炭素数5〜12のシクロアルキル基であることを特徴
としている。
【0035】なお、前記NOR型HALS系安定剤は耐
光安定剤としても機能するため、経時的に死活し、繊維
中のNOR型HALS系安定剤の含有量は経時的に減少
する。その結果、同NOR型HALS系安定剤のリン酸
エステル系難燃剤との相乗効果も低下し、難燃性能も経
時的に低下することは否めない。
【0036】そこで、難燃性能の経時的な低下を防ぐた
めに、ポリプロピレン繊維に紫外線吸収剤を含有させる
ことが望ましい。このように耐光安定剤として紫外線吸
収剤を併用することによって、耐久性に優れた難燃性ポ
リプロピレン繊維を得ることができる。
【0037】本件請求項7に係る発明では、耐光安定剤
として紫外線吸収剤を0.3重量%未満含有することを
特徴としている。更には、前記紫外線吸収剤の含有量は
0.1重量%以上0.3重量%未満の範囲が好適であ
る。なお、前記紫外線吸収剤としては、一般に使用され
るベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエ
ート系およびシアノアクリレート系等の紫外線吸収剤か
ら任意に選択できる。特にベンゾフェノン系紫外線吸収
剤が好適に用いられる。
【0038】NOR型HALS系安定剤はアミン系化合
物に特有の臭気を有する場合があり、通常の光安定剤と
して添加する場合は少量であるため、最終製品において
その臭気が問題となることはない。しかしながら、本発
明にあっては難燃性の向上を目的としてNOR型HAL
S系安定剤を添加しているため、通常の光安定剤として
添加する場合に比べてその添加量が大きい。そのため最
終製品においてNOR型HALS系安定剤の臭気による
不都合が生じる場合もある。
【0039】そこで本件請求項8に係る発明では、消臭
剤として塩基性臭を吸着する消臭剤を、0.1重量%以
上含有することを特徴としている。更には、前記消臭剤
の含有量は0.1重量%以上5重量%未満の範囲が好適
である。なお、前記消臭剤としては、一般に使用される
炭酸系、リン酸系及び、ケイ酸塩等の吸着型消臭剤から
任意に選択できる。
【0040】本件請求項9に係る発明は、前記ポリプロ
ピレン繊維がマルチフィラメント糸であることを特徴と
している。前記難燃性ポリプロピレン繊維がマルチフィ
ラメント糸である場合は、布帛にしたときの強度や布帛
の緻密性などに優れているため特に好ましい。
【0041】この場合のポリプロピレン繊維としては、
前記リン系難燃剤、NOR型HALS系安定剤及び消臭
剤を片成分に配し、 もう片成分には難燃剤、安定剤、消
臭剤を配さないような構造をもつ複合繊維としても良
い。
【0042】この複合繊維であっても、全繊維中に含有
されるリン酸エステル系難燃剤、NOR型HALS系安
定剤及び消臭剤の量が請求項1に規定されている範囲に
あれば、単一構造の繊維と同等の難燃性能を得ることが
できる。従って、複合比率は特に限定されるものではな
いが、断面形状の形成安定性、製糸安定製等を考慮すれ
ば、複合比率は1/3〜3/1の範囲とすることが好ま
しい。
【0043】更には、本発明の難燃性ポリプロピレン繊
維は、芯鞘型複合繊維だけでなく、接合型(サイドバイ
サイド型)複合繊維であってもよく、更には海島繊維な
ど、多様な複合形態の繊維構造を採用することが可能で
ある。また、本発明の難燃性ポリプロピレン繊維は、織
編物や不織布として用いられる。
【0044】さらに、本発明の難燃性ポリプロピレン繊
維の製造方法はTダイを用いた一般的なフイルムの製造
方法としても採用できる。
【0045】また、長繊維はモノフィラメント糸、マル
チフィラメント糸などの何れの糸条であってもよい。ま
た、スパンボンドのような、紡糸から直接不織布を製造
する際の不織布を構成する糸であってもよい。また、本
発明の難燃性ポリプロピレン繊維の繊度に特に制限はな
く任意の繊度が利用できる。難燃性ポリプロピレン繊維
の繊維断面形状は、円形断面、中空断面、三角形等の異
型断面であっても良い。
【0046】さらに、繊維物性を害さない範囲で、着色
顔料、分散剤、蛍光増白剤、艶消剤、滑剤、帯電防止
剤、抗菌剤等、他の添加剤を配合してあっても良い。
【0047】上述したような本発明の難燃性ポリプロピ
レン繊維を製造するために、本件請求項10に係る発明
は、メルトフロレート値が5〜50g/10分のポリプ
ロピレン樹脂に、リン酸エステル系難燃剤が0.5重量
%以上と、NOR型HALS系安定剤が0.4重量%以
上と、消臭剤が0.1重量%以上とを混合して、溶融紡
糸して未延伸糸を形成し、次いで延伸倍率2〜7倍、延
伸温度50〜100℃の範囲で延伸し、更に60〜14
0℃の温度で熱セットすることを特徴とする難燃性ポリ
プロピレン繊維の製造方法を提供する。
【0048】前記ポリプロピレン樹脂にリン酸エステル
系難燃剤やNOR型HALS系安定剤や消臭剤、更に必
要に応じて紫外線吸収剤を混合させる方法としては、溶
融紡糸直前にポリプロピレン樹脂にリン酸エステル系難
燃剤、NOR型HALS系安定剤、消臭剤及び紫外線吸
収剤を添加して溶融紡糸する方法がある。或いは、難燃
剤の分散性を考慮すれば、予め、リン酸エステル系難燃
剤、NOR型HALS系安定剤、消臭剤及び紫外線吸収
剤をそれぞれ高濃度でポリプロピレン樹脂に添加したマ
スターバッチ(以下、「MB」と記す。)をそれぞれに
作成し、溶融紡糸直前にポリプロピレン樹脂のペレット
に、リン酸エステル系難燃剤や、NOR型HALS系安
定剤及び消臭剤の各MBを、上述した所要の含有量とな
るようにブレンドして溶融紡糸する方法であることが好
ましい。
【0049】なお、マスターバッチにおけるリン酸エス
テル系難燃剤やNOR型HALS系安定剤や消臭剤の添
加量は、1.5〜60重量%であることが好ましい。マ
スターバッチにおける安定剤や難燃剤の添加量が60重
量%を越えるとマスターバッチの作成が難しく、マスタ
ーバッチの粒径が不揃いになり製糸段階で不調を来す原
因となる。
【0050】前記ポリプロピレン樹脂のメルトフロレー
ト値は、繊維強度を考慮して5〜50g/10分の範囲
で設定することが好ましい。より好ましくは10〜30
g/10分である。なお、本発明におけるメルトフロレ
ート値とは、JIS No.K−7210に準拠して、
試験温度230℃、試験荷重2.16Kgの測定条件で
測定している。
【0051】前記メルトフロレート値が5g/10分未
満であると、溶融紡糸する際、十分な製糸性を確保する
ために紡糸温度を高く設定する必要があり、ポリオレフ
ィン樹脂に添加する着色用顔料や難燃剤等が変質し着色
または変色するといった不都合が生じる。一方、前記メ
ルトフロレート値が50g/10分より高いと低強度の
繊維しか得られない。
【0052】前記紡糸温度は210〜250℃であるこ
とが好ましい。前記紡糸温度が210℃未満であると、
メルトフロレート値が50g/10分のポリプロピレン
樹脂を使用しても低強度の繊維しか得られず、また、2
50℃より高いとポリオレフィン樹脂に添加する着色用
顔料や難燃剤等が変質し着色または変色する。
【0053】溶融紡糸により得られた未延伸糸は、次い
で、延伸倍率2〜7倍、好ましくは4〜7倍、延伸温度
50〜100℃の範囲で延伸し、さらに60〜140℃
の温度で熱セットする。
【0054】延伸延伸倍率が2倍未満では、得られた繊
維の強度が低く、伸度が高くなる。延伸倍率が7倍を越
えると製糸性が悪化する。また、延伸温度が50℃未満
では、高倍率延伸ができず繊維強度が低く、製糸安定性
も悪化する。一方、延伸温度が100℃を越えると、製
糸安定性が低下する。
【0055】熱セットについては、熱板方式又は熱ロー
ラー方式のどちらでも採用可能である。熱セット温度が
60℃未満では得られる繊維に収縮が残り、産業資材等
の製品として加工後、製品の寸法安定性が悪化する。一
方、熱セット温度が140℃を越えると製糸性が低下す
る。
【0056】なお、本発明の方法では、溶融紡糸された
未延伸糸を巻き取ることなく、溶融紡糸した繊維を連続
して延伸するSDW等、いわゆる直接紡糸延伸法でも繊
維化が可能である。
【0057】
【発明の実施の形態】以下、本発明の代表的な実施の形
態について、具体的なデータを挙げて説明する。なお、
以下の実施形態にあっては、いずれも繊維を対象として
いるが、フィルムにあっても溶融樹脂材料をTダイを備
えた通常の押出機を使って成形する以外は、繊維の紡糸
と同様であり、得られたフィルムの物性も繊維と同様で
あることから、本発明のフィルムに関する具体的な説明
は省略する。
【0058】図1は、リン酸エステル系難燃剤として、
化学式1に示す構造の芳香族系ポリホスフェートである
旭電化工業株式会社製の「FP500」〔1,3−フェ
ニレンビス(2,6−ジメチルフェニルホスフェー
ト)〕を単独で含有させたポリプロピレンマルチフィラ
メント糸の、前記リン酸エステル系難燃剤の含有量と難
燃性能及び繊維強度の関係を示すグラフである。
【0059】前記リン酸エステル系難燃剤をポリプロピ
レン樹脂に高濃度で添加したマスターバッチ(MB)を
作成し、溶融紡糸直前にポリプロピレン樹脂のペレット
に同MBを、前記リン酸エステル系難燃剤の含有量が0
〜7重量%になるようにブレンドして溶融紡糸し、熱延
伸を行い、難燃性能および繊維強度を測定した。
【0060】リン酸エステル系難燃剤は、7.0重量%
含有させても難燃性能が目標とする接炎回数4回には及
ばない。一方、繊維強度は難燃剤の添加量の増加ととも
に低下する傾向にあり、含有量が3重量%を超えると繊
維強度の低下は大きくなることがわかる。
【0061】図2は、NOR型HALS系安定剤として
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製の「CGL−1
16L」を単独で含有させたポリプロピレンマルチフィ
ラメント糸の、前記NOR型HALS系安定剤の含有量
と難燃性能及び繊維強度の関係を示すグラフである。
【0062】前記NOR型HALS系安定剤をポリプロ
ピレン樹脂に高濃度で添加したマスターバッチ(MB)
を作成し、溶融紡糸直前にポリプロピレン樹脂のペレッ
トに同MBを、前記NOR型HALS系安定剤の含有量
が0〜4重量%になるようにブレンドして溶融紡糸し、
熱延伸を行い、難燃性能および繊維強度を測定した。
【0063】NOR型HALS系安定剤の含有量が1.
5重量%で最大の難燃性能を示し、同NOR型HALS
系安定剤を2重量%以上含有しても難燃性能は横這い
で、繊維強度が低下する傾向にある。このグラフから
は、NOR型HALS系安定剤は上述したように、それ
自体が難燃性能を有するものであるが、その難燃性能は
本発明の難燃性繊維が必要とする難燃性能の水準には及
ばないことがわかる。
【0064】以下、本発明について具体的な実施例を挙
げて詳細に説明する。なお、繊維の難燃性は次のように
して評価した。
【0065】<繊維燃焼試験法> 評価試験器 ・スガ試験株式会社製の燃焼試験器、形式「FL−45
M」を使用した。 試料の作成方法 ・本発明の難燃性ポリオレフィン繊維を筒編機により編
地に作成する。 ・筒編機で作成した編地を1gずつ調整したものを準備
する。 繊維製品の燃焼性試験方法 ・JIS No.L−1091 D法の接炎試験、45
°コイル法を採用した。 ・直径10mmのコイル内に試料1gを100mmに調
整し挿入する。 ・試料を挿入したコイルを45°に傾斜する。 ・試料の最下部にミクロバーナーで着火する。 ・試料に接炎して着火するまでの時間を測定する。な
お、この時間を「着火時間」とする。 ・試料の90mmの所が燃焼するまで繰り返し接炎す
る。 ・試料の90mmの所が燃焼するまでの回数を接炎回数
とする。 ・5度の測定で接炎回数が全て3回以上である場合、難
燃性があるといえる。
【0066】<フィルム燃焼試験法>JIS No.L
−1091 A4法の垂直燃焼試験とは、即ち、約70
mm×300mmの試験片を準備し、燃焼試験箱の中で
ミクロバーナーの炎の長さが38mmになるように調節
する。試験片の下端がミクロバーナーの口から19mm
の高さとなるように試験片を固定する。試験片の幅の中
央に炎が当たるようにバーナーの位置を調節し、試験片
に着火する。12秒間加燃後、炎を取り除き、残炎時間
を測定する。この測定は5度繰り返し、その平均値を測
定結果とした。なお、本発明の難燃性ポリプロピレンフ
ィルムは単一層からなるフィルムに限定されるものでは
なく、多層フィルムであってもよい。また、フィルムは
未延伸、延伸を問うものではなく、更に、本発明のフィ
ルムとは、その変形形態である、スプリットヤーンをも
含むものである。
【0067】[実施例1]予めベンゾフェノン系紫外線
吸収剤を0.1%添加した、メルトフロレート値が30
g/10分のポリプロピレン樹脂に、リン酸エステル系
難燃剤として化学式1で示す構造の芳香族系ポリホスフ
ェートである旭電化工業株式会社製の「FP500」を
1.0重量%、NOR型HALS系安定剤としてチバ・
スペシャルティ・ケミカルズ社製の「CGL−116
L」を1.5重量%、金属酸化物複合体である水澤化学
工業株式会社製の「ケイ酸塩系消臭剤 ミズカナイト
HF」を1.0重量%の割合で混合したものを原料とし
て使用した。
【0068】押出機温度が230℃、紡糸頭温度が22
5℃に調整された溶融紡糸機を使用して溶融し、孔径
0.6mmの円形48ホールの紡糸口金により賦型し、
引き取り速度530m/分で巻き取った。さらに、この
未延伸繊維を延伸倍率4.27倍、延伸温度80℃で延
伸し、熱セット温度135℃で熱セットして150dt
exのポリプロピレンマルチフィラメント糸を得た。こ
のときの製糸安定性は良好で臭気も特に感じられなかっ
た。
【0069】得られた繊維の繊維強度及び難燃性能を表
1に示す。繊維強度は4.03cN/dtexであり室
内で使用される用途、及び、室内用途、及び、建築資材
用途として十分に使用可能な強度を備えている。また、
難燃性能も5つの試料の平均値が6.2回と極めて高
い。着火時間についても17秒と大きな値を示し、難燃
性能に優れている。更にこのポリプロピレンマルチフィ
ラメント糸をフェードメーター試験機の中で63℃×8
00時間処理した後の繊維の繊維強度及び難燃性能を表
1に示す。処理後には繊維強度が3.95cN/dte
x、難燃性能が5.6回といずれも若干低下はしている
が、その低下の度合いは少ない。即ち、難燃性能の経時
的な変化が小さく耐久性に優れている。
【0070】[実施例2〜4]リン酸エステル系難燃剤
とNOR型HALS系安定剤及び消臭剤の含有量と、延
伸倍率とを表1に示す値に変更した以外は、実施例1と
同一条件でポリプロピレンマルチフィラメント糸を得
た。得られた繊維の繊維強度及び難燃性能を表1に示
す。
【0071】実施例2〜4はいずれも、繊維強度が3.
0cN/dtex以上であり、また難燃性能も平均値が
4回以上であり、且つ5つの試料の接炎回数が4回以上
である優れた難燃性能を備えている。但し、リン系エス
テル系難燃剤の含有量が多くなると繊維強度が低下して
いる。
【0072】[実施例5〜6]消臭剤を、東亞合成工業
株式会社製の「リン酸系消臭剤 ケスモンNS−10」
に変更し、含有量と、延伸倍率とを表1に示す値に変更
した以外は、実施例1と同一条件で、ポリプロピレンマ
ルチフィラメント糸を得た。得られた繊維の繊維強度及
び難燃性能を表1に示す。
【0073】実施例5〜6はいずれも特に臭気性は感じ
られず、繊維強度が3.0cN/dtex以上であり、
また難燃性能も平均値が4回以上であり、且つ5つの試
料の接炎回数が4回以上である優れた難燃性能を備えて
いる。但し、リン系エステル系難燃剤の含有量が多くな
ると繊維強度が低下している。
【0074】[比較例1]メルトフロレート値が30g
/10分のポリプロピレン糸の樹脂だけを用いてNOR
型HALS系安定剤及びリン系難燃剤を含有させず、ま
た、延伸倍率を6.46に変更した以外は実施例1と同
一条件でポリプロピレンマルチフィラメント糸を得た。
得られた繊維の繊維強度は4.43cN/dtexと高
いが、難燃性能は平均値が1.2回と極めて低い。
【0075】[比較例2〜5]リン酸エステル系難燃剤
NOR型HALS系安定剤及びの含有量と延伸倍率を変
更した以外は、実施例1と同一条件でポリプロピレンマ
ルチフィラメント糸を得た。得られた繊維の繊維強度お
よび難燃性能を表1に示した。
【0076】いずれも、繊維強度と難燃性能の両方とも
目標値を満足する難燃繊維は得られなかった。特に比較
例3はリン酸エステル系難燃剤の含有量が10重量%と
多いにもかかわらず、NOR型HALS系安定剤を含有
させていないため、難燃性能は平均値が3.6と低い。
このことからも、リン酸エステル系難燃剤NOR型HA
LS系安定剤との相乗効果による難燃性能の向上が認め
られる。
【0077】
【表1】
【0078】〔比較例6〕NOR型HALS系安定剤と
組み合わせる難燃剤としてシリコン系難燃剤である信越
シリコン株式会社製「X−40−9805」を使用する
以外は、実施例1と同一条件でポリプロピレンマルチフ
ィラメント糸を得た。得られた繊維の難燃性能は5つの
試料の接炎回数の平均値が1と通常のポリプロピレン繊
維よりも劣る値となった。このことからも、NOR型H
ALS系安定剤とリン酸エステル系難燃剤との相乗効果
による難燃性能の向上が確認された。
【0079】〔実施例7〕予めベンゾフェノン系紫外線
吸収剤を0.1%添加した、メルトフロレート値が30
g/10分のポリプロピレン樹脂に、リン酸エステル系
難燃剤として化学式1で示す構造の芳香族系ポリホスフ
ェートである旭電化工業株式会社製の「FP500」を
1.0重量%、NOR型HALS系安定剤としてチバ・
スペシャルティ・ケミカルズ社製の「CGL−116
L」を1.5重量%、金属酸化物複合体である水澤化学
工業株式会社製の「ケイ酸塩系消臭剤 ミズカナイト
HF」を1.0重量%の割合で混合したものを原料とし
て用い、押出機の温度を250℃、Tダイの温度を22
5℃として、表面温度が60℃に調整された冷却ロール
を介して引取り速度350m/分で巻き取り、次いで予
熱しながら同時二軸延伸を行って250μmの厚さを有
するフィルムを得た。得られたフィルムの強度および難
燃性能を表2に示した。
【0080】〔実施例8〕予めベンゾフェノン系紫外線
吸収剤を0.1%添加した、メルトフロレート値が30
g/10分のポリプロピレン樹脂に、リン酸エステル系
難燃剤として化学式1で示す構造の芳香族系ポリホスフ
ェートである旭電化工業株式会社製の「FP500」を
1.0重量%、NOR型HALS系安定剤としてチバ・
スペシャルティ・ケミカルズ社製の「CGL−116
L」を2.0重量%、金属酸化物複合体である水澤化学
工業株式会社製の「ケイ酸塩系消臭剤 ミズカナイト
HF」を1.5重量%の割合で混合したものを第1成分
として調製した。
【0081】同じくベンゾフェノン系紫外線吸収剤を
0.1%添加した、メルトフロレート値が30g/10
分のポリプロピレン樹脂を第2成分として調製した。
【0082】前記第1及び第2原料を2台の押出機から
マルチプルマニホールドダイを介して第1原料を中間層
とする三層フィルムに成形して押出し、冷却ロールを介
して巻取機に巻き取った。このときの三層のフィルムの
容積比は、中間層1に対して、外層2の割合であり、即
ち、1層/2層/3層比は1/1/1である。成形条件
は上記実施例7と同様である。このあと、予熱しながら
同時二軸延伸を行って300μmの厚さを有するフィル
ムを得た。得られたフィルムの強度および難燃性能を表
2に示した。
【0083】
【表2】
【0084】以上、説明したように、本発明によれば、
ハロゲン系難燃剤を含まず環境的に優しい素材であり、
繊維用途或いはフィルム用途として、十分な繊維強度及
びフィルム強度を有すると共に良好な難燃性能を備え、
更には経時的な強度低下も少ない難燃性ポリプロピレン
繊維及びフィルムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】リン酸エステル系難燃剤の含有量と難燃性能及
び繊維強度の関係を示すグラフである。
【図2】NOR型HALS系安定剤の含有量と難燃性能
及び繊維強度の関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂倉 秀夫 愛知県豊橋市牛川通四丁目1番地の2 三 菱レイヨン株式会社豊橋事業所内 Fターム(参考) 4L035 BB31 EE14 GG03 JJ25 LA03

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リン酸エステル系難燃剤を0.5重量%
    以上、NOR型ヒンダードアミン系安定剤を0.4重量
    %以上、消臭剤を0.1重量%以上含有することを特徴
    とする難燃性ポリプロピレン繊維。
  2. 【請求項2】 繊維強度が3.0cN/dtex以上で
    あることを特徴とする請求項1記載の難燃性ポリプロピ
    レン繊維。
  3. 【請求項3】 JIS No.L−1091 D法の接
    炎試験に則って5つの試料について測定した接炎回数の
    平均値が4回以上であり、且つ5つの試料の接炎回数に
    は3回以下の結果を含まないことを特徴とする請求項1
    又は2記載の難燃性ポリプロピレン繊維。
  4. 【請求項4】 JIS No.L−1091 D法の接
    炎試験に則ってミクロバーナーで試料に着火する際、着
    火所要時間が10秒以上であることを特徴とする請求項
    1〜3のいずれかに記載の難燃性ポリプロピレン繊維。
  5. 【請求項5】 前記リン酸エステル系難燃剤が芳香族系
    ホスフェートであることを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれかに記載の難燃性ポリプロピレン繊維。
  6. 【請求項6】 前記NOR型ヒンダードアミン系安定剤
    は、アルコキシル基(−OR)のRが炭素数5〜12の
    シクロアルキル基であることを特徴とする請求項1〜5
    のいずれかに記載の難燃性ポリプロピレン繊維。
  7. 【請求項7】 耐光安定剤として紫外線吸収剤を0.3
    重量%未満含有することを特徴とする請求項1〜6のい
    ずれかに記載の難燃性ポリプロピレン繊維。
  8. 【請求項8】 前記消臭剤が、塩基性臭を消臭する炭酸
    系消臭剤、燐酸系消臭剤、珪酸塩系消臭剤の少なくとも
    1種類から構成される消臭剤であることを特徴とする請
    求項1〜7のいずれかに記載の難燃性ポリプロピレン繊
    維。
  9. 【請求項9】 前記ポリプロピレン繊維がマルチフィラ
    メント糸であることを特徴とする請求項1〜8のいずれ
    かに記載の難燃性ポリプロピレン繊維。
  10. 【請求項10】メルトフロレート値が5〜50g/10
    分であるポリプロピレン樹脂に、リン酸エステル系難燃
    剤を0.5重量%以上と、NOR型ヒンダードアミン系
    安定剤を0.4重量%以上と、塩基性臭を消臭する消臭
    剤を0.1重量%以上とを混合し、溶融紡糸して未延伸
    糸を形成し、次いで延伸倍率2〜7倍、延伸温度50〜
    100℃の範囲で延伸し、更に60〜140℃の温度で
    熱セットすることを特徴とする難燃性ポリプロピレン繊
    維の製造方法。
  11. 【請求項11】リン酸エステル系難燃剤を0.5重量%
    以上、NOR型ヒンダードアミン系安定剤を0.4重量
    %以上、消臭剤を0.1重量%以上を含有することを特
    徴とする難燃性ポリプロピレンフィルム。
  12. 【請求項12】前記リン酸エステル系難燃剤は芳香族系
    ホスフェートであり、前記NOR型ヒンダードアミン系
    安定剤はアルコキシル基(−OR)のRが炭素数5〜1
    2のシクロアルキル基であり、消臭剤が、塩基性臭を消
    臭する炭酸系消臭剤、燐酸系消臭剤、珪酸塩系消臭剤の
    少なくとも1種類から構成される消臭剤であることを特
    徴とする請求項11記載の難燃性ポリプロピレンフィル
    ム。
  13. 【請求項13】前記フィルムの厚みが300μm以下で
    あり、且つJIS No.L−1091 A4法の垂直
    燃焼試験において着火しない、或いは着火しても延焼す
    ることなく5秒以内で自然消火することを特徴とする請
    求項11又は12記載の難燃性ポリプロピレンフィル
    ム。
  14. 【請求項14】前記難燃性ポリプロピレンフィルムが複
    数層を有し、少なくとも一の中間層成分はリン酸エステ
    ル系難燃剤とNOR型ヒンダードアミン系安定剤とを含
    有するポリプロピレン樹脂であり、最外層成分はヒンダ
    ードアミン系安定剤を0.3重量%以下含有するポリプ
    ロピレン樹脂であり、全フィルムがリン酸エステル系難
    燃剤を0.5重量%以上と、NOR型ヒンダードアミン
    系安定剤を0.4重量%以上とを含有することを特徴と
    する請求項11又は12記載の難燃性ポリプロピレンフ
    ィルム。
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