JP3524721B2 - 建築工事用ポリオレフィンメッシュシート - Google Patents
建築工事用ポリオレフィンメッシュシートInfo
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Description
レフィンメッシュシートに関し、さらに詳しくは建築工
事現場の外周に危険防止のために展張されたメッシュシ
ートであって、難燃性、耐候性にすぐれ、柔軟性があり
軽量で、かつ目ずれを防止した建築工事用ポリオレフィ
ンメッシュシートに関する。
はナイロンやポリエステル等の易燃性繊維からなるメッ
シュシートに対してポリ塩化ビニルをコーテイングして
防炎性を付与すると同時に目ずれ防止加工したものが知
られている。しかしながら、ポリ塩化ビニルは燃焼時に
有毒な塩素ガスが発生するという問題や、可塑剤がブリ
ードすることによる汚れや臭い等の問題があった。さら
にナイロンやポリエステル等は繊維形成の工程が複雑で
高価となるため、近年では、繊維加工性が容易で軽量で
安価なポリオレフィン繊維を用いたメッシュシートが多
用されてきた。ポリオレフィン繊維のうちでは、機械的
特性に優れたポリプロピレン繊維が特に好適に使用され
ている。
おいて、経糸または緯糸の一方がポリプロピレンマルチ
フィラメントで他方がポリプロピレンモノフィラメント
である建築工事用ポリプロピレンメッシュシートを開示
している。この建築工事用ポリプロピレンメッシュシー
トにおいては、ポリプロピレンモノフィラメントがポリ
プロピレン高融点成分からなる芯層と難燃剤を含有した
ポリプロピレン低融点成分からなる鞘層から構成される
芯鞘型複合モノフィラメントであって、メッシュシート
の経緯糸交点がポリプロピレン低融点成分により溶着さ
れて目止め加工されている構成となっている。
メントを形成する工程において、ポリプロピレン高融点
成分とポリプロピレン低融点成分のメルトフローレート
の差が大きすぎると2層ダイス内において2層間に圧力
差が生じるために均一な吐出が困難となり成形性が悪化
し、メルトフローレートの差を少なくするためにポリプ
ロピレン高融点成分のメルトフローレートを大きくする
とポリプロピレンモノフィラメントの強度が低下し、ポ
リプロピレン低融点成分のメルトフローレートを小さく
するとポリプロピレンモノフィラメントの延伸工程にお
いて延伸倍率が上げられないなどの問題があった。ま
た、ポリプロピレン系樹脂単独で構成されるポリプロピ
レンマルチフィラメントおよびポリプロピレンモノフィ
ラメントからなる建築工事用ポリプロピレンメッシュシ
ートは目止め加工に高温度を必要とするために生産性が
やや劣り、かつポリプロピレンモノフィラメントの柔軟
性が不十分であるという問題もあり、さらなる改良が要
望されていた。
技術的に解決し、軽量、高強力で、かつ柔軟性、防シワ
性、折畳み性にすぐれ、目ずれがなく、難燃性ならびに
耐候性にすぐれた建築工事用ポリオレフィンメッシュシ
ートを提供することを目的とする。
の技術的手段として、本発明は、(A)ポリプロピレン
マルチフィラメントと(B)ポリプロピレンからなる芯
層と難燃剤を含有した(a)ポリプロピレン系樹脂80
〜95重量%と、(b)ポリエチレン系樹脂20〜5重
量%とからなるポリオレフィン組成物からなる鞘層とか
ら構成される複合ポリオレフィンモノフィラメントを経
糸または緯糸のいずれかに用いて織成されるメッシュシ
ートであって、総経緯糸における(A)/(B)の重量
構成割合は40/60〜60/40であり、メッシュシ
ートの経緯糸交点がポリオレフィン組成物により溶着さ
れて目止め加工されたことを特徴とする建築工事用ポリ
オレフィンメッシュシートを要旨とする。
プロピレンマルチフィラメントで他方が(B)複合ポリ
オレフィンモノフィラメントであることは最も好ましい
態様であり、上記複合ポリオレフィンモノフィラメント
が光安定剤を含有したポリプロピレンからなる芯層と難
燃剤、紫外線吸収剤および酸吸着剤を含有した(a)ポ
リプロピレン系樹脂80〜95重量%と、(b)ポリエ
チレン系樹脂20〜5重量%とからなるポリオレフィン
組成物からなる鞘層から構成される芯鞘型複合モノフィ
ラメントであることは好ましい態様である。
ィンメッシュシートは、(A)ポリプロピレンマルチフ
ィラメントに対して所定割合、即ち、(A)/(B)の
重量構成割合を40/60〜60/40の範囲で(B)
複合ポリオレフィンモノフィラメントを用いることによ
り、延伸効果により高強力を付与することが可能であっ
て、かつ目止め加工性を向上させたメッシュシートであ
る。また、難燃剤は鞘層に配合されているので、芯層に
配合された光安定剤との拮抗作用がないうえに、酸吸着
剤を併用にすることにより紫外線吸収剤に対する悪影響
を防止できるものであって、難燃性が良好でかつ耐候性
にすぐれた建築工事用ポリオレフィンメッシュシートを
得ることができる。
ィラメントに用いられるポリプロピレンは、プロピレン
単独重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体あ
るいはランダム共重合体などの公知のポリプロピレン共
重合体、またはそれらの混合物であって、これらの内で
も高強力を得られるマルチフィラメント用としてはプロ
ピレン単独重合体が望ましく、特にアイソタクチックペ
ンタッド率0.95以上のものが好適に採用される。こ
のポリプロピレンのメルトフロレート(以下、MFRと
略す)は、5〜50g/10min.が好ましく、10
〜30g/10min.がさらに好ましい。
方法としては、特に限定されるものではなく公知のマル
チフィラメントの製造方法が採用される。ポリプロピレ
ンマルチフィラメントの総繊度は100〜5000デニ
ール(以下、dと称す)が好ましく、500〜3000
dがさらに好ましい。
トは、ポリプロピレンからなる芯層とポリオレフィン組
成物からなる鞘層とから構成される複合ポリオレフィン
モノフィラメントである。
は、プロピレン単独重合体が好ましく、特にアイソタク
チックペンタッド率0.95以上のものが好適に採用さ
れる。このポリプロピレンのMFRは、0.1〜10g
/10min.が好ましく、0.5〜5g/10min.
がさらに好ましい。MFRが0.1g/10min.未満
では、鞘層のポリオレフィン組成物のMFRとの差が大
きくなり、モノフィラメントの加工性が悪化する。ま
た、MFRが10g/10min.を超えると、モノフ
ィラメントとして強度が劣る。
しては、(a)ポリプロピレン系樹脂80〜95重量%
と、(b)ポリエチレン系樹脂20〜5重量%とからな
る組成物であり、好ましくは(a)ポリプロピレン系樹
脂85〜90重量%と、(b)ポリエチレン系樹脂15
〜10重量%である。ポリエチレン系樹脂が20重量%
を超えると芯鞘層間の接着性が不十分で剥離を生じると
いう問題があり、5重量%未満では柔軟性が付与され
ず、かつ目止め加工温度を低下させることができないう
えに、延伸時に延伸切れを生じるので十分な延伸効果が
得られない。
ピレン−エチレンブロック共重合体あるいはランダム共
重合体、またはシンジオタクチックポリプロピレンなど
が挙げられる。これらのうちでは融点が低く成形性にす
ぐれたプロピレン−エチレンランダム共重合体が好まし
い。ポリプロピレン系樹脂のMFRは5〜30g/10
min.が好ましく、10〜20g/10min.がさら
に好ましい。
ポリエチレン、中密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリ
エチレン、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン
などのエチレン単独重合体、またはエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体、
エチレン−アクリル酸エチル共重合体などのエチレン共
重合体などが挙げられる。これらのポリエチレン系樹脂
は単独または2種以上を組合わせて用いても差し支えな
い。これらのうちではエチレン−メタクリル酸エチル共
重合体およびエチレン−アクリル酸エチル共重合体が好
ましい。ポリエチレン系樹脂のMFRは1〜20g/1
0min.が好ましく、3〜10g/10min.がさら
に好ましい。
における芯層/鞘層の構成比は、50/50〜90/1
0が好ましく、60/40〜80/20がさらに好まし
い。
の製造方法は特に限定されるものではなく、ポリプロピ
レンを押出機で溶融混練し、公知の2層の吐出孔が同心
円状に設けられたダイスの中心吐出孔からポリプロピレ
ンからなる芯層を供給し、その外面にポリオレフィン組
成物からなる鞘層を押出して被覆し、延伸処理等を施し
て複合モノフィラメントを得るものである。延伸は90
〜150℃で、ポリプロピレンの融点より5℃低い温度
以下で行われる。ついで、100〜150℃でアニーリ
ング処理を施される。延伸倍率は好ましくは5〜15
倍、さらに好ましくは8〜12倍である。
0〜1000dが好ましく、400〜700dがさらに
好ましい。繊度が300d未満では強力が劣り、100
0dを超えると柔軟性が低下し好ましくない。フィラメ
ントの引張強度は5g/d以上が好ましく、6g/d以
上がさらに好ましい。また、引張伸度は20%以上が好
ましく、25%以上がさらに好ましい。引張強度、引張
伸度が上記範囲を外れると建築工事用ポリオレフィンメ
ッシュシートとしての強力が不充分となり好ましくな
い。
系、リン系、無機系等公知の難燃剤が用いられるが、高
温での加工性、難燃効果に優れ、低廉であるものとして
ハロゲン系難燃剤が好ましく、とりわけ臭素系難燃剤が
好ましい。
フェノールA、デカブロムジフェニルオキサイド、オク
タブロモジフェニルオキサイド、ビスジブロモプロピル
エーテルテトラブロモスルホン等の芳香族系臭素系難燃
剤、ヘキサブロムシクロドデカン、ジブロモエチルジブ
ロモシクロヘキサン等の脂環族系臭素系難燃剤、ペンタ
ブロモジフェニルオキサイド、テトラブロモジフェニル
オキサイド等の液状臭素系難燃剤等が挙げられる。これ
らは単独或いは2種以上の混合物としても用いられる。
て三酸化アンチモンを併用するのが難燃化効果を向上さ
せる点で好ましい。この臭素系難燃剤と三酸化アンチモ
ンの配合比は特に限定されるものではないが、2:1〜
3:1が好ましい。また、臭素系難燃剤および難燃助剤
の配合量は、メッシュシート総重量に対して0.1〜1
0重量%となるように配合されていることが好ましく、
0.1〜1重量%がさらに好ましい。つまり配合量が0.
1重量%未満では難燃性が不十分となり、10重量%を
超えると難燃性の効果はそれ以上向上せず経済的でな
い。具体的な配合方法としては、鞘層成分に対して好ま
しくは1〜10重量%、さらに好ましくは3〜7重量%
とすればよい。
安定剤としては、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-
ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6-テ
トラメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタンテト
ラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメ
チル-4-ピペリジル)・ジ(トリデシル)-1,2,3,4
-ブタンテトラカルボキシレート、1-(2-ヒドロキシ
エチル)-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジノー
ルとコハク酸ジエチルの重縮合物、1,6-ビス(2,2,
6,6-テトラメチル-4-ピペリジルアミノ)ヘキサンと
2,4-ジクロロ-6-第3オクチルアミノ-s-トリアジン
の重縮合物等が挙げられる。光安定剤の配合割合は、芯
層成分に対して好ましくは0.1〜5重量%、さらに好
ましくは0.5〜2重量%である。
は、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキ
シ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-オ
クトキシベンゾフェノン、5,5′-メチレンビス(2-
ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン)等のベンゾフ
ェノン系紫外線吸収剤、2-(2′-ヒドロキシ -5′-
メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2′-ヒド
ロキシ-5′-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2-(2-ヒドロキシ-3′,5′-ジ-t-ブチルフェニ
ル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2′-ヒドロ
キシ-3′-t-ブチル-5′-メチルフェニル)-5-クロロ
ベンゾトリアゾール、2,2′-メチレンビス(4-t-オ
クチル-6-ベンゾトリアゾル)フェノール等のベンゾト
リアゾール系紫外線吸収剤、レゾルシノールモノベンゾ
エート、2,4-ジ-t-ブチルフェニル-3′-5′-ジ-t-
ブチル-4′-ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル-
3-5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート等のベ
ンゾエート系紫外線吸収剤などが挙げられる。紫外線吸
収剤の配合割合は、鞘層成分に対して好ましくは0.1
〜5重量%、さらに好ましくは0.5〜2重量%であ
る。
イドロタルサイト、金属石鹸等が用いられ、金属石鹸と
してはステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシ
ウムなどが挙げられる。酸吸着剤の配合割合は、鞘層成
分に対して好ましくは0.1〜5重量%、さらに好まし
くは0.5〜2重量%である。
安定剤、紫外線吸収剤、酸吸着剤などの配合法は、押出
機中で溶融混合する方法でも、マスターバッチによりド
ライブレンドする方法いずれでもよい。
ンマルチフィラメントおよび(B)複合ポリオレフィン
モノフィラメントは、これらを経糸または緯糸のいずれ
かに用いて従来の織機または編機によって織編成されメ
ッシュ基材が形成される。このメッシュ組織は粗目を有
し、通気性を有するものであればに特に限定されるもの
ではない。
(A)と(B)によって構成されるもので、総経緯糸に
おける(A)/(B)の重量構成割合は40/60〜6
0/40とすることが必要である。具体的構成として、
例えば図1に示すように、経糸において(A)ポリプロ
ピレンマルチフィラメント一本に対して(B)複合ポリ
オレフィンモノフィラメント二本を打ち込み、緯糸にお
いて(A)ポリプロピレンマルチフィラメント二本に対
して(B)複合ポリオレフィンモノフィラメント一本を
打ち込んでメッシュ基材とするもので、この構成では経
緯の打込密度が同様で、かつフィラメント繊度が同様で
あれば(A)/(B)の重量構成割合は50/50とな
る。このような(A)と(B)を組み合わせる構成のな
かでも、経糸または緯糸の一方がポリプロピレンマルチ
フィラメントで他方が複合ポリオレフィンモノフィラメ
ントとして織成されたメッシュ基材が最も好ましい。図
2に示す例は、緯糸のすべてを(A)ポリプロピレンマ
ルチフィラメントとして、経糸のすべてを(B)複合ポ
リオレフィンモノフィラメントとして打ち込んだ状態を
表すもので、当然に(A)/(B)の重量構成割合が4
0/60〜60/40となるようにフィラメント繊度と
打込密度が適宜設定される。
きの状態を示す空隙率が好ましくは20〜80%、さら
に好ましくは30〜70%であり、日本工業規格JIS
−A8952で網目寸法が12mm以下となっており、
建築工事用ポリオレフィンメッシュシートとしての目
的、用途により選定される。目付け量は、好ましくは8
0〜500g/m2、さらに好ましくは100〜400
g/m2である。
目ずれを防止して裁断などの加工性も向上させる。この
目止め加工とは、熱板接触式、熱ロール式、赤外線照射
式、高周波ウエルダー式、熱風テンター式などの公知の
方法を採用してメッシュ基材に熱処理を施し、経緯糸交
点において表層に被覆されたポリオレフィン組成物が溶
着することにより目止め加工を施すものである。図3に
経緯糸交点を目止めした状態の一例を示す。この目止め
加工の熱処理はポリプロピレンの融点以下で、ポリオレ
フィン組成物の軟化点以上の温度範囲で行われるが、ポ
リプロピレンの延伸効果を損なうことなくポリオレフィ
ン組成物の融着が行われることが肝要である。
所定寸法に裁断され、周縁の折り返し加工や鳩目を打設
するなどによって建築工事用ポリオレフィンメッシュシ
ートとなるが、JIS−A8952に規定する防炎性規
格に合格する性能を有しているものが好ましい。
本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、酸化防止剤、
分散剤、滑剤、帯電防止剤、顔料、無機充填剤、無機難
燃剤、架橋剤、発泡剤、核剤等の通常用いられる添加剤
を配合してもよい。
200時間、400時間照射後の残存引張強力を測定し
た。
g/10min.、密度=0.90g/cm3、Tm=1
58.0℃)を用いて、総繊度680d/120fのマ
ルチフィラメントを形成した。ついで、複合ポリオレフ
ィンモノフィラメントを以下のように形成した。芯層に
は、ポリプロピレン(MFR=3.4g/10min.、
密度=0.90g/cm3、Tm=161.0℃)に、光
安定剤としてビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペ
リジル)セバケート0.1重量%およびシアニングリー
ン顔料1.6重量%を配合して用いた。鞘層には、プロ
ピレンーエチレンランダム共重合体(MFR=16.5
g/10min.、密度=0.90g/cm3、Tm=1
28.4℃)90重量%と、エチレンーメタクリル酸エ
チル共重合体(メタクリル酸エチル含有量=20重量
%、MFR=6.0g/10min.、Tm=90℃)1
0重量%とのポリオレフィン組成物に、難燃剤等含有マ
スターバッチ7重量%、紫外線吸収剤として(2′-ヒ
ドロキシー3´ターシャリブチルー5´ーメチルフェニ
ル)5クロロベンゾトリアゾール(商品名:チヌビン3
26)0.5重量%、酸吸着剤としてハイドロタルサイ
ト(商品名:DHT−4A)1重量%、シアニングリー
ン顔料1.9重量%を配合して用いた。難燃剤等含有マ
スターバッチは、プロピレンーエチレンランダム共重合
体60重量%に対して臭素系難燃剤として、ビスジブロ
モプロピルエーテルテトラブロモスルホン15重量%、
デカブロムジフェニルオキサイド15重量%、三酸化ア
ンチモン10重量%を配合したものである。複合ポリオ
レフィンモノフィラメントは、押出機2機に連結された
2層の吐出孔が同心円状に設けられたモノフィラメント
成形ダイスから芯層のポリプロピレンおよび鞘層のポリ
オレフィン組成物を押出し、延伸温度98℃、延伸倍率
9.5倍で延伸し、処理温度140℃でアニーリングを
施し複合ポリオレフィンモノフィラメントを形成した。
得られた複合ポリオレフィンモノフィラメントの繊度
は、芯層/鞘層が320d/140dで、総繊度が46
0dであった。
ィラメントを緯糸に、複合ポリオレフィンモノフィラメ
ントを経糸に用いて、経26本/インチ、緯16本/イ
ンチの平織のメッシュ基材を織成した。メッシュ基材の
目付け量は約105g/m2、空隙率は35%であっ
た。このメッシュ基材を熱風テンター式の加熱工程によ
り145℃で経緯糸交点を融着して目止め加工を施し、
周縁を加工して1.8×5.1mの建築工事用ポリオレフ
ィンメッシュシートを得た。
可能な柔軟性を有しており、取扱い性は良好であった。
また、メッシュシートの引張最大点荷重は経方向70.
8kgf/3cm、緯方向68.4kgf/3cm、最
大伸度は経方向22.6%、緯方向36.5%であった。
この値は、JIS−L1091の建築工事用シート2類
規格に合格するものである。難燃性試験では接炎回数は
5回で、JISA8952の防炎性規格に合格してい
る。また、ウエザオメーター200時間、400時間照
射後の引張残存強度は86.4%、59.4%で耐候性は
良好であった。
メントの鞘層にプロピレン−エチレンランダム共重合体
(MFR=16.5g/10min.、密度=0.90g
/cm3、Tm=128.4℃)100重量%を用いた他
は実施例1と同様に行った。しかし、延伸工程において
は最高延伸倍率は7.5倍で、7.5倍を超えると延伸切
れが多発して生産効率が極端に悪化する傾向にあり、ま
た得られたモノフィラメントも、柔軟性が不十分であっ
た。
と同程度の熱融着強力を有する目止め加工を施すために
は、熱風テンターの加熱処理温度として155℃必要で
あり、その結果として、メッシュシートの物性におい
て、引張最大点荷重が縦方向63.0kgf/3cm
(実施例に比較して11%低下)、緯方向64.5kg
f/3cm(同6%低下)であり、熱劣化による影響が
認めらた。尚、最大伸度は経方向21.2%、緯方向3
5.3%であった。また、難燃性試験では実施例と同じ
く接炎回数は5回で、JIS−A8952の防炎性規格
の合格範囲であったが、ウエザオメーター200時間、
400時間照射後の引張残存強度は84.3%、57.9
%であり、メッシュシートとしての使用レベルは満たす
ものの、実施例よりは劣った結果となった。。
工事用ポリオレフィンメッシュシートは、ポリプロピレ
ンマルチフィラメントと複合ポリオレフィンモノフィラ
メントの組合せからなり、複合ポリオレフィンモノフィ
ラメントの鞘層に特定のポリプロピレン系樹脂およびポ
リエチレン系樹脂を配合した組成物を用いることによ
り、柔軟性を有するとともに、延伸効果により高強力を
付与することが可能であって、かつ目止め加工性を向上
させたメッシュシートを得ることができる。本発明の建
築工事用ポリオレフィンメッシュシートの主成分を構成
するポリプロピレンは、熱伝導度が小さいために火炎の
伝播速度が遅く局部的に燃焼が進行してポリプロピレン
の分解が起こり、流動性が増して燃焼物が分散し、比較
的少量の難燃剤の配合であっても建築工事用メッシュシ
ートの防炎性規格に合格できるものと思われる。その結
果、多量の難燃剤の配合によるモノフィラメントの機械
的特性の低下を招くことのない複合ポリオレフィンモノ
フィラメントを得ることが可能であって、かつ鞘層がポ
リオレフィン組成物で在ることから、芯層のポリプロピ
レンの延伸効果を低下させることなく、低温で経緯糸の
交点を溶着することによりメッシュシートの目ズレ防止
ができるとともに、溶着加工により容易にシートの補修
も可能になる。さらに、従来から用いられる塩化ビニル
樹脂被覆タイプに比較して耐寒性や防汚性も良好であ
る。
形態を示す平面図である。
の形態として、経糸が(A)ポリプロピレンマルチフィ
ラメントで緯糸が(B)複合ポリオレフィンモノフィラ
メントとした例を示す平面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 (A)ポリプロピレンマルチフィラメン
トと(B)ポリプロピレンからなる芯層と難燃剤を含有
した(a)ポリプロピレン系樹脂80〜95重量%と、
(b)ポリエチレン系樹脂20〜5重量%とからなるポ
リオレフィン組成物からなる鞘層とから構成される複合
ポリオレフィンモノフィラメントを経糸または緯糸のい
ずれかに用いて織成されるメッシュシートであって、総
経緯糸における(A)/(B)の重量構成割合は40/
60〜60/40であり、メッシュシートの経緯糸交点
がポリオレフィン組成物により溶着されて目止め加工さ
れたことを特徴とする建築工事用ポリオレフィンメッシ
ュシート。 - 【請求項2】 経糸または緯糸の一方が(A)ポリプロ
ピレンマルチフィラメントで他方が(B)複合ポリオレ
フィンモノフィラメントであることを特徴とする請求項
1に記載の建築工事用ポリオレフィンメッシュシート。 - 【請求項3】 前記(B)複合ポリオレフィンモノフィ
ラメントが光安定剤を含有したポリプロピレンからなる
芯層と難燃剤、紫外線吸収剤および酸吸着剤を含有した
ポリオレフィン組成物からなる鞘層とから構成される複
合ポリオレフィンモノフィラメントであることを特徴と
する請求項1に記載の建築工事用ポリオレフィンメッシ
ュシート。
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JP19683297A JP3524721B2 (ja) | 1997-07-23 | 1997-07-23 | 建築工事用ポリオレフィンメッシュシート |
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JP19683297A JP3524721B2 (ja) | 1997-07-23 | 1997-07-23 | 建築工事用ポリオレフィンメッシュシート |
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JPH1143842A JPH1143842A (ja) | 1999-02-16 |
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