JP2020084390A - エチレン−ビニルアルコール共重合体を含む繊維及び複合繊維 - Google Patents

エチレン−ビニルアルコール共重合体を含む繊維及び複合繊維 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた高エネルギー耐性と柔軟性を両立する繊維及び複合繊維を提供する。【解決手段】エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)と共重合体(B)を含み、共重合体(B)がエチレン−ビニルアルコール共重合体(B−1)領域とジエン系重合体(B−2)領域から構成され、エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)と共重合体(B)の合計質量に対する共重合体(B)の含有率が10〜80質量%である、繊維。【選択図】なし

Description

本発明は、優れた高エネルギー耐性と柔軟性を両立する繊維及び複合繊維に関する。
エチレン−ビニルアルコール共重合体(以下、EVOHと略することがある)からなる繊維は従来から知られている。風合いや吸湿性の制御のために、特殊な変性エチレン−ビニルアルコール共重合体を原料として加工した繊維も知られている(特許文献1)。また、EVOHを用いる繊維の耐水性を向上させる点から、EVOHと他の熱可塑性樹脂との複合組成にした繊維なども知られている(特許文献2)。一方、EVOHを含む繊維は、EVOHが高度に結晶化しているために、固く伸度が低くなることから、物性に改善の余地がある。
また、EVOHは、紫外線による黄変を起こさず、耐候性に優れるが、用途によっては、紫外線吸収剤や光安定剤を配合した複合繊維が開発されていた(特許文献3)。
特開2015−34364号公報 特公昭56−5846号公報 特公平9−171109号公報
しかしながら、光安定剤等の安定剤を繊維に配合する場合、安定剤がブリードアウトの原因となる。また、特許文献3には、紫外線吸収剤や光安定剤を配合せずに、EVOHを用いる繊維自体の耐候性、耐電子線性を向上させることは記載されていない。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、優れた高エネルギー耐性と柔軟性を両立する繊維及び複合繊維を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)とエチレン−ビニルアルコール共重合体(B−1)領域とジエン系重合体(B−2)領域から構成される共重合体(B)を特定割合で含む繊維が、優れた高エネルギー耐性と優れた柔軟性を両立することを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、以下の発明を包含する。
[1]エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)と共重合体(B)を含み、共重合体(B)がエチレン−ビニルアルコール共重合体(B−1)領域とジエン系重合体(B−2)領域から構成され、エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)と共重合体(B)の合計質量に対する共重合体(B)の含有率が10〜80質量%である、繊維。
[2]単糸繊度が0.5〜300dtexである、前記[1]の繊維。
[3]さらに合成ゴム(C)を0.1質量%以下含む、前記[1]又は[2]の繊維。
[4]共重合体(B)における、エチレン−ビニルアルコール共重合体(B−1)領域とジエン系重合体(B−2)領域の合計質量に対するジエン系重合体(B−2)領域の含有率が30〜80質量%である、前記[1]〜[3]のいずれかの繊維。
[5]共重合体(B)に含まれるビニルアルコール構造単位の含有率が、共重合体(B)を構成する全構造単位に対して15〜60質量%である、前記[1]〜[4]のいずれかの繊維。
[6]ジエン系重合体(B−2)が、ポリイソプレンである、前記[1]〜[5]のいずれかの繊維。
[7]共重合体(B)が、グラフト共重合体(B1)である、前記[1]〜[6]のいずれかの繊維。
[8]エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)と共重合体(B)を含み、共重合体(B)がエチレン−ビニルアルコール共重合体(B−1)領域とジエン系重合体(B−2)領域から構成され、エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)と共重合体(B)の合計質量に対する共重合体(B)の含有率が10〜80質量%である樹脂と、他の熱可塑性樹脂(D)とを含む、複合繊維。
[9]熱可塑性樹脂(D)がポリオレフィン又はポリエステルである、前記[8]の複合繊維。
[10]前記[1]〜[9]のいずれかの繊維又は複合繊維を含む繊維製品。
本発明の繊維は、優れた高エネルギー耐性と柔軟性を両立する。より詳細には、本発明の繊維は、高エネルギー線を受けた際に強度を保持でき、かつ優れた柔軟性を両立し、高エネルギー線に曝されるような環境下でも破断しにくい強靭さを有する。また、本発明の繊維は、高エネルギー耐性に優れるため、紫外線吸収剤、光安定剤等の安定剤の配合が不要であり、ブリードアウトが生じるリスクを抑制できる。
本発明における高エネルギー耐性の対象となるエネルギー線としては、α線、β線、γ線、電子線、紫外線等の電離放射線;X線、g線、i線、エキシマレーザー等が挙げられる。本発明の繊維は、中でも電離放射線に耐性があることが好ましく、実用的には殺菌や滅菌に用いられる電子線、宇宙線に含まれるγ線などに耐性があることが好ましい。なお、本発明においては、電子線100kGy以上を照射した際の強度保持率にて、高エネルギー耐性を評価した。
(樹脂成分)
本発明の繊維は、エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)と共重合体(B)を含み、共重合体(B)がエチレン−ビニルアルコール共重合体(B−1)領域とジエン系重合体(B−2)領域から構成され、エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)と共重合体(B)の合計質量に対する共重合体(B)の含有率が10〜80質量%であることを特徴とする。なお、本明細書において、数値範囲(各成分の含有率、各成分から算出される値及び各物性等)の上限値及び下限値は適宜組み合わせ可能である。
本発明の繊維は、エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)と共重合体(B)を含み、共重合体(B)がエチレン−ビニルアルコール共重合体(B−1)領域とジエン系重合体(B−2)領域から構成され、エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)と共重合体(B)の合計質量に対する共重合体(B)の含有率が10〜80質量%であることによって、紫外線吸収剤、光安定剤等の安定化剤を配合せずに、優れた柔軟性を有しつつ、繊維自体に優れた高エネルギー耐性を付与できる。例えば、100kGy以上の電子線を照射した場合であっても、本発明の繊維は、高い強度保持率と適度な柔軟性を示し、安定化剤を配合せずブリードアウトの発生を抑制しつつ、繊維自体の劣化を抑制できる。この理由については定かではないが、以下のように推定している。即ち、エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)と共重合体(B)が本発明の比率にある場合、エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)の高い結晶性による強度の発現と、共重合体(B)の有するジエン系重合体(B−2)領域による柔軟性の発現を両立することが可能であり、且つ繊維形状に紡糸する際、原料樹脂組成物は高温の溶融混合状態から、吐出後に急冷されることで、共重合体(B)がある程度連続相を形成した状態で構造固定されると想定され、当該部分が高エネルギー線照射時に架橋することで、分解による強度低下を抑えることが可能になったと考えられる。
本発明において、エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)と共重合体(B)の合計質量(100質量%)に対する共重合体(B)の含有率は10〜80質量%である。上記含有率が10質量%未満の場合、繊維の柔軟性が著しく低下する。また、上記含有率が80質量%超の場合、繊維は機械的強度が著しく低下する。これらの物性の低下は、共重合体(B)において、エチレン−ビニルアルコール共重合体(B−1)の結晶化を、ジエン系重合体(B−2)が阻害することに起因する。一方で、本発明の繊維は、上記含有率が上記範囲内であることにより、エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)が樹脂組成物においてマトリックスとなるため、エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)の結晶性に起因する優れた物性と、共重合体(B)に起因する優れた柔軟性を両立できる。上記共重合体(B)の含有率は、15質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、25質量%以上がさらに好ましい。また、上記共重合体(B)の含有率は、65質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましく、55質量%以下がさらに好ましい。
〔エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)及び(B−1)〕
エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)及び(B−1)の種類は特に限定されないが、例えば以下に示すエチレン−ビニルアルコール共重合体が好適に用いられる。エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)及び(B−1)は、各重合体を構成する構造単位、各重合体の溶融粘度、けん化度等が同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)及び(B−1)の各々において、単独のエチレン−ビニルアルコール共重合体を用いてもよいし、複数のエチレン−ビニルアルコール共重合体を組み合せて用いてもよい。なお、本発明において重合体中の構造単位とは、重合体を構成する繰り返し単位のことを意味する。例えば、エチレン単位又はビニルアルコール単位も構造単位である。エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)はジエン系重合体(B−2)領域を有しない点で、共重合体(B)と異なる。
上記エチレン−ビニルアルコール共重合体におけるエチレン単位の含有率は特に限定されないが、成形加工性、柔軟性及び耐水性に優れる点から、10〜60mol%が好ましく、20〜50mol%がより好ましい。エチレン−ビニルアルコール共重合体のエチレン単位の含有率は1H−NMR測定から求めることができる。
上記エチレン−ビニルアルコール共重合体のけん化度は特に限定されないが、成形加工性、柔軟性及び耐水性に優れる点から、90mol%以上が好ましく、95mol%以上がより好ましく、99mol%以上がさらに好ましく、100mol%であってもよい。エチレン−ビニルアルコール共重合体のけん化度はJIS K 6726(1994)に準拠して測定できる。
上記エチレン−ビニルアルコール共重合体のメルトフローレート(MFR)(210℃、荷重2160g)は特に限定されないが、0.1g/10分以上が好ましく、0.5g/10分以上がより好ましい。上記メルトフローレートが0.1g/10分以上であると、柔軟性、耐水性及び機械的強度に優れる。なお、上記メルトフローレートの上限は通常用いられる値であればよく、例えば25g/10分以下であってもよい。メルトフローレートは、ASTM D1238に準拠して、メルトインデクサーを用いて210℃、荷重2160gの条件で測定して求めた値を示す。
上記のエチレン−ビニルアルコール共重合体は、本発明の効果を損なわない範囲で、後記するビニルアルコール単位、ビニルエステル系単量体及びエチレン単位以外の不飽和単量体に由来する構造単位を含んでいてもよい。上記エチレン−ビニルアルコール共重合体における該不飽和単量体に由来する構造単位の含有率は、上記エチレン−ビニルアルコール共重合体を構成する全構造単位に対して10mol%以下であることが好ましく、5mol%以下であることがより好ましい。
上記エチレン−ビニルアルコール共重合体は、本発明の効果を損なわない範囲で、ビニルアルコール単位、ビニルエステル系単量体及びエチレン単位以外の不飽和単量体に由来する構造単位を含んでいてもよい。当該構造単位としては、例えば、プロピレン、n−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセン等のα−オレフィン類(ポリビニルアルコールの場合はエチレンを含む);アクリル酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシル等のアクリル酸エステル基を有する不飽和単量体;メタクリル酸;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシル等のメタクリル酸エステル基を有する不飽和単量体;アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミドプロパンスルホン酸、アクリルアミドプロピルジメチルアミン等のアクリルアミド類;メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、メタクリルアミドプロパンスルホン酸、メタクリルアミドプロピルジメチルアミン等のメタクリルアミド類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル、2,3−ジアセトキシ−1−ビニルオキシプロパン等のビニルエーテル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;塩化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル類;塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン類;酢酸アリル、2,3−ジアセトキシ−1−アリルオキシプロパン、塩化アリル等のアリル化合物;マレイン酸、イタコン酸、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸及びその塩又はエステル;ビニルトリメトキシシラン等のビニルシリル化合物;酢酸イソプロペニル等に由来する構造単位が挙げられる。
〔共重合体(B)〕
共重合体(B)は、エチレン−ビニルアルコール共重合体(B−1)領域とジエン系重合体(B−2)領域から構成される。共重合体(B)は、少なくとも一つのエチレン−ビニルアルコール共重合体(B−1)領域と少なくとも一つのジエン系重合体(B−2)領域を有する共重合体であれば特に制限はない。共重合体(B)は、例えばグラフト共重合体(B1)やブロック共重合体(B2)である。本発明の繊維においてジエン系重合体(B−2)を導入することで、エチレン−ビニルアルコール共重合体(B−1)が改質され、繊維自体が高エネルギー耐性に優れる。
〔グラフト共重合体(B1)〕
共重合体(B)は、好ましくはグラフト共重合体(B1)である。グラフト共重合体(B1)の構造は特に限定されないが、エチレン−ビニルアルコール共重合体(B−1)領域からなる主鎖及びジエン系重合体(B−2)領域からなる側鎖から構成されることが好ましい。すなわち、エチレン−ビニルアルコール共重合体(B−1)領域からなる主鎖に対して、ジエン系重合体(B−2)領域からなる側鎖が導入されたものであることが好ましい。特に、1つのエチレン−ビニルアルコール共重合体(B−1)領域に複数のジエン系重合体(B−2)領域が結合したものが特に好ましい。エチレン−ビニルアルコール共重合体(B−1)の種類は特に限定されないが、例えば、上記したエチレン−ビニルアルコール共重合体が好ましい。エチレン−ビニルアルコール共重合体(B−1)は、ビニルアルコール単位の含有率が40mol%以上であることが好ましく、50mol%以上であっても、55mol%以上であってもよい。エチレン−ビニルアルコール共重合体(B−1)において、エチレン−ビニルアルコール共重合体を1種単独で用いてもよく、複数のエチレン−ビニルアルコール共重合体を組み合せて用いてもよい。エチレン−ビニルアルコール共重合体(B−1)領域からなる主鎖にジエン系重合体(B−2)領域からなる側鎖をグラフトさせることで、得られるグラフト共重合体(B1)を改質し、繊維自体がより優れた高エネルギー耐性を示す。また、グラフト共重合体(B1)は、ジエン系重合体(B−2)領域からなる側鎖が適度な分子量分布を有し、エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)を含む実施形態において、エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)とグラフト共重合体(B1)の相溶性が向上しやすく、成形後の透明性が高くなりやすい。
〔ブロック共重合体(B2)〕
共重合体(B)が、ブロック共重合体(B2)である場合、エチレン−ビニルアルコール共重合体(B−1)領域を重合体ブロック(b1)として有し、ジエン系重合体(B−2)領域を重合体ブロック(b2)として有する。ブロック共重合体(B2)は、重合体ブロック(b1)及び重合体ブロック(b2)をそれぞれ1つずつ有するものであってもよいし、重合体ブロック(b1)及び/又は重合体ブロック(b2)を2つ以上有するものであってもよい。該ブロック共重合体の結合様式としては、b1−b2型ジブロック共重合体、b1−b2−b1型トリブロック共重合体、b2−b1−b2型トリブロック共重合体、b1−b2−b1−b2型テトラブロック共重合体やb2−b1−b2−b1型テトラブロック共重合体に代表される線状マルチブロック共重合体、(b2−b1−)n、(b1−b2−)n等で表される星型(ラジアルスター型)ブロック共重合体などが挙げられる。nは2より大きい値である。
〔ジエン系重合体(B−2)〕
共重合体(B)は、ジエン系重合体(B−2)を含む。ジエン系重合体(B−2)の構造は特に限定されないが、ジエン系重合体(B−2)がオレフィン構造を有することが好ましい。ジエン系重合体(B−2)がオレフィン構造を有することで、本発明の繊維は高エネルギー線による架橋又は加硫が可能となる。ジエン系重合体(B−2)としては、例えばポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリクロロプレン、ポリファルネセン等が挙げられる。また、ジエン系重合体(B−2)は、ブタジエン、イソプレン、イソブチレン、クロロプレン及びファルネセンからなる群より選択される2種以上の共重合体であってもよい。中でも、反応性及び柔軟性の観点から、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリイソブチレンが好ましく、高エネルギー耐性により優れる点から、ポリイソプレンがより好ましい。なお、共重合体(B)は、本発明の効果を阻害しない範囲で、エチレン−ビニルアルコール共重合体(B−1)とジエン系重合体(B−2)以外の構造単位を含んでいてもよい。また、グラフト共重合体(B1)の側鎖は、本発明の効果を阻害しない範囲で、エチレン−ビニルアルコール共重合体(B−1)とジエン系重合体(B−2)以外の構造単位を含んでいてもよい。
本発明の繊維は、化学的耐久性(特に耐アルカリ性)にも優れる。グラフト共重合体(B1)における、ジエン系重合体(B−2)は、側鎖として存在し、その一部又は全部が、エチレン−ビニルアルコール共重合体(B−1)からなる主鎖を構成する炭素原子、好適には主鎖を構成する2級炭素原子又は3級炭素原子に直接結合していることが好ましい。上記側鎖の一部又は全部が上記2級炭素原子又は3級炭素原子に直接結合している場合、本発明の繊維は化学的耐久性(特に耐アルカリ性)により優れる。例えば上記側鎖が反応性基を介して主鎖に結合している場合、該結合箇所の化学的耐久性の低さに起因して、本発明の繊維が化学的耐久性に劣る傾向となる。
共重合体(B)における、エチレン−ビニルアルコール共重合体(B−1)領域とジエン系重合体(B−2)領域の合計質量に対するジエン系重合体(B−2)領域の含有率は特に限定されないが、30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましく、45質量%以上がさらに好ましい。上記ジエン系重合体(B−2)領域の含有率は80質量%以下が好ましく、75質量%以下がより好ましく、70質量%以下がさらに好ましい。上記含有率が30質量%以上の場合、共重合体(B)(特にグラフト共重合体(B1))において所望の柔軟性及び反応性が得られやすく、80質量%以下の場合、エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)と共重合体(B)の相溶性に優れ、粗大な相分離の形成による透明性及び諸物性の悪化を抑制しやすい。
共重合体(B)に含まれるビニルアルコール単位の含有率は、エチレン−ビニルアルコール共重合体(B−1)領域とジエン系重合体(B−2)領域の合計質量に対する15〜60質量%の範囲であることが好ましい。上記ビニルアルコール単位の含有率が15質量%以上の場合、エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)と共重合体(B)との相溶性が高く、柔軟性に優れる。上記ビニルアルコール単位の含有率が60質量%以下の場合、エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)と共重合体(B)とが適度に相溶するため、両者の過度な相溶によるマトリックスの結晶性の低下及びそれに伴う物性の悪化を抑制しやすい。上記ビニルアルコール単位の含有率は、17〜50質量%がより好ましく、18〜45質量%がさらに好ましく、20〜40質量%が特に好ましい。前記ビニルアルコール単位の含有率の測定方法は、後述する実施例に記載のとおりである。
本発明の繊維は、本発明の効果を阻害しない範囲で、さらに合成ゴム(C)を含んでいてもよい。合成ゴム(C)は、ジエン系重合体(B−2)に含まれる構成単位と同じ構成単位を含んでいてもよく、含まなくてもよい。また、合成ゴム(C)は、共重合体(B)の製造において生成する合成ゴムであってもよいし、本発明の繊維の製造において別途添加された合成ゴムであってもよい。繊維中の合成ゴム(C)の含有率は10質量%以下が好ましい。10質量%を超えると繊維の成形中に繊維同士が膠着しやすくなる傾向にある。上記合成ゴム(C)の含有率は、7質量%以下がより好ましく、3質量%以下がさらに好ましく、高エネルギー耐性により優れる点から、0.1質量%以下が特に好ましい。
本発明の繊維の結晶融解温度は、140℃以上であることが好ましい。上記結晶融解温度が上記140℃以上であることで、優れた機械的強度が発現されやすい。一方、前記繊維の結晶融解温度は、200℃以下であることが好ましい。上記結晶融解温度が上記200℃以下であると成形時に高温とする必要がなく、樹脂の熱劣化を抑制しやすい。
本発明の繊維は、本発明の効果を阻害しない範囲で、上記以外の他成分を含んでいてもよい。上記他成分としては、例えば着色剤、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、光安定剤、加硫剤及び加硫促進剤、無機添加剤(シリカ等)が挙げられる。
〔繊維〕
本発明の繊維は、従来公知の紡糸装置、延伸装置を使用し、通常の溶融紡糸法により紡糸を行うことができ、例えば、低速、中速で溶融紡糸した後に延伸する方法、高速による直接紡糸法、紡糸後に延伸と仮撚を同時に又は続いて行う方法の任意の方法で、長繊維、短繊維を製造できる。
本発明の繊維は、単糸繊度が好ましくは0.5〜300dtexであり、より好ましくは1〜30dtexであり、さらに好ましくは1.5〜150dtexである。単糸繊度を上記の範囲とすることで、貼付材などの医療用途で用いた場合に、良好なドレープ性を達成できる。単糸繊度はJIS L 1013:2010に準じて測定できる。
本発明の繊維は、引張強度が好ましくは0.3cN/dtex以上であり、より好ましくは0.4cN/dtex以上であり、さらに好ましくは0.5cN/dtex以上である。引張強度の上限値については特に制限はないが、5cN/dtex以下が好ましい。引張強度はJIS L 1013:2010に準じて測定できる。
本発明の繊維は、撚糸状の繊維束であってもよい。繊維束の太さは、150〜1000μmであってもよく、200〜900μmであってもよく、250〜800μmであってもよい。ここでいう「繊維束の太さ」とは、撚糸された繊維束の太さ(繊維束径)を意味し、繊維束が複数本の繊維束を合撚して得られる場合には、合撚糸状の繊維束の太さを意味する。
繊維束は、凹凸を有していてもよい。本発明において、繊維束の凹凸の間隔や深さは、繊維束の撚り数や撚り状態、繊維束の構成本数、及び樹脂の付着量(含有量)等の撚糸条件を制御することにより、所望の範囲に調整できる。本発明において、繊維束の撚り数は、用いる繊維の種類や繊度、及び単糸繊度等に応じて適宜決定できるが、例えば、5〜70回/10cmであってもよく、8〜60回/10cmであってもよく、10〜50回/10cmであってもよい。合撚状の繊維束である場合においては、下撚りを施していてもよい。下撚りを施す場合、その下撚りの撚り数は、用いる繊維の種類や繊度、及び単糸繊度等に応じて適宜決定できるが、例えば、5〜70回/10cmであってもよく、8〜60回/10cmであってもよく、10〜50回/10cmであってもよい。上記範囲の回数で下撚りを施すことにより、合撚後の繊維束の凹凸の深さを明確に維持でき、また凹凸を硬く強固にできる。
本発明の繊維は、具体的には、前記エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)と共重合体(B)を、溶融押出機で溶融し、溶融ポリマー流を紡糸頭に導きギヤポンプで計量し、所望の形状の紡糸ノズルから吐出させ、必要に応じて延伸処理などを行い、次いで巻き取ることにより、本発明の繊維を製造できる。紡糸時の溶融温度は、エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)と共重合体(B)の融点等により適宜調整されるが、通常150〜300℃程度が好ましい。紡糸ノズルから吐出された糸条は延伸せずにそのまま高速で巻き取るか必要に応じて延伸される。延伸操作は、通常、ガラス転移点以上の温度において、破断伸度(HDmax)の0.55〜0.9倍の延伸倍率で行われる。延伸倍率が破断伸度の0.55倍未満では十分な強度を有する繊維が安定して得られにくく、破断伸度の0.9倍を超えると断糸しやすくなる。
延伸は紡糸ノズルから吐出された後に一旦巻き取ってから延伸する場合と、延伸に引き続いて施される場合があるが、本発明においてはいずれでもよい。延伸操作は、通常熱延伸によって行われ、熱風、熱板、熱ローラー、水浴等のいずれを用いて行ってもよい。また、引取り速度は、一旦巻き取ってから延伸処理を行う場合、紡糸直結延伸の一工程で紡糸延伸して巻き取る場合、延伸を行わずに高速でそのまま巻き取る場合で異なるが、大凡500〜6000m/分の範囲で引き取る。500m/未満では、生産性が劣り、6000m/分を超えるような超高速では、繊維の断糸が起こりやすい。また、本発明の繊維断面形状は特に限定されず、通常の溶融紡糸の手法を用いてノズルの形状により真円状にも中空にも異型断面にもできる。繊維化や製織化での工程通過性の点からは真円が好ましい。
本発明の繊維の断面形状はどのようなものであってもよく、円形、異形、中空など目的に合った形状にできる。異形断面の場合は、例えば偏平形、楕円形、三角形〜八角形等の角形、C字形、T字形、H字形、3〜8葉形等の多葉形、多枝形等の任意の形状にできる。さらに、繊維の太さがその長さ方向に沿って変化するシックアンドシンの形態をなすことも可能である。さらに、本発明の繊維は、繊維形成性重合体において通常使用されている蛍光増白剤、安定剤、難燃剤、着色剤等の任意の添加剤を必要に応じて含有してもよい。また、本発明の繊維は、モノフィラメント等の長繊維、ステープル等の短繊維、マルチフィラメント糸、紡績糸等に適宜使用でき、さらに本発明の繊維と天然繊維、半合成繊維、他の合成繊維との混繊糸や混紡糸、合撚糸等として応用が可能である。また、本発明の繊維は、仮撚捲縮加工、交絡処理等の任意の処理を施してあってもよい。
本発明の繊維は、長繊維としても使用可能であるし、適宜切断して短繊維としても使用可能である。そして、織地、編地、不織布などの布帛を製造でき、各種繊維製品に好適に使用される。特に、殺菌又は滅菌される医療用衣服材料、宇宙服の材料等の用途に有用である。
〔複合繊維〕
本発明の他の実施形態としては、エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)と共重合体(B)を構成成分とする樹脂と、これら以外の熱可塑性樹脂(D)を補強層として構成されてなる複合繊維が挙げられる。熱可塑性樹脂(D)としては、耐熱性、寸法安定性の点から、融点が150℃以上の結晶性の熱可塑性重合体を用いるのが好ましく、その代表例として繊維形成性のポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル等を挙げることができる。なかでも、汎用性の点から、ポリオレフィン又はポリエステルが好ましい。
本発明で熱可塑性樹脂(D)として用いられるポリオレフィンとしては、特に限定されない。例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)あるいはこれらの共重合体などが挙げられる。具体的には、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリプロピレンとポリエチレンとの二元共重合体等のポリオレフィンを例示できる。これらのポリオレフィンは単独で又は二種以上組み合わせても用いてもよい。
本発明で熱可塑性樹脂(D)として用いられるポリエステルとしては、特に限定されない。例えば、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンテレフタレート/イソフタレート)、ポリ(エチレングリコール/シクロヘキサンジメタノール/テレフタレート)などが好適なものとして例示される。これらの中でも、ポリ(エチレンテレフタレート)が特に好ましい。なお、前記ポリエステルとして、共重合成分としてエチレングリコール、ブチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオールなどのジオール類、あるいはイソフタル酸、ベンゾフェノンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルメタンジカルボン酸、プロピレンビス(フェニルカルボン酸)、ジフェニルオキサイドジカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、ジエチルコハク酸などのジカルボン酸を含有せしめたポリエステルを用いることも可能である。
このような複合繊維は、従来公知の紡糸装置、延伸装置を使用し、通常の溶融紡糸法により複合紡糸を行うことができる。すなわち、エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)及び共重合体(B)と、熱可塑性樹脂(D)とをそれぞれ別の押出機で溶融し、ついでそれぞれの溶融ポリマー流を紡糸頭に導きギヤポンプで計量し、所望の複合形態の複合紡糸ノズルから吐出させ、必要に応じて延伸処理などを行い、ついで巻き取ることにより複合繊維を製造できる。
紡糸時の溶融温度は、エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)と共重合体(B)の融点等により適宜調整されるが、通常150〜300℃程度が好ましい。紡糸ノズルから吐出された糸条は延伸せずにそのまま高速で巻き取るか必要に応じて延伸される。延伸操作は、通常、ガラス転移点以上の温度において、破断伸度(HDmax)の0.55〜0.9倍の延伸倍率で行われる。延伸倍率が破断伸度の0.55倍未満では十分な強度を有する繊維が安定して得られにくく、破断伸度の0.9倍を超えると断糸しやすくなる。
延伸は複合紡糸ノズルから吐出された後に一旦巻き取ってから延伸する場合と、延伸に引き続いて施される場合があるが、本発明においてはいずれでもよい。延伸操作は、通常熱延伸によって行われ、熱風、熱板、熱ローラー、水浴等のいずれを用いて行ってもよい。また、引取り速度は、一旦巻き取ってから延伸処理を行う場合、紡糸直結延伸の一工程で紡糸延伸して巻き取る場合、延伸を行わずに高速でそのまま巻き取る場合で異なるが、大凡500m〜6000m/分の範囲で引き取る。500m/未満では、生産性が劣るし、6000m/分を超えるような超高速では、繊維の断糸が起こりやすい。また、本発明の繊維断面形状は特に限定されず、通常の溶融紡糸の手法を用いてノズルの形状により真円状にも中空にも異型断面にもできる。繊維化や製織化での工程通過性の点からは真円が好ましい。
複合繊維における複合形態は、芯鞘型、海島型、貼合型、それらの混在型等の任意の形態であってもよい。芯鞘型の場合は2層芯鞘型及び3層以上の多層芯鞘型のいずれでもよい。例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)と共重合体(B)を構成成分とする繊維を芯とし、当該芯の表面を、熱可塑性樹脂(D)を鞘として被覆する複合繊維が挙げられる。また海島型の場合は、島の形状、数、分散状態を任意に選ぶことができ、島の一部が繊維表面に露出していてもよい。さらに、貼合型の場合は、繊維の長さ方向に直角な繊維断面において、貼合面が直線状、円弧状又はその他任意のランダムな曲線状のいずれの状態になっていてもよく、さらに複数の貼合部分が互いに平行になっていても、放射線状になっていても、その他任意の形状であってもよい。
本発明の複合繊維の断面形状はどのようなものであってもよく、円形、異形、中空など目的に合った形状にできる。異形断面の場合は、例えば偏平形、楕円形、三角形〜八角形等の角形、C字形、T字形、H字形、3〜8葉形等の多葉形、多枝形等の任意の形状にできる。さらに、繊維の太さがその長さ方向に沿って変化するシックアンドシンの形態をなすことも可能である。さらに、本発明の複合繊維は、繊維形成性重合体において通常使用されている蛍光増白剤、安定剤、難燃剤、着色剤等の任意の添加剤を必要に応じて含有してもよい。また、本発明の複合繊維は、モノフィラメント等の長繊維、ステープル等の短繊維、マルチフィラメント糸、紡績糸等に適宜使用でき、さらに本発明の複合繊維と天然繊維、半合成繊維、他の合成繊維との混繊糸や混紡糸、合撚糸等として応用が可能である。また、本発明の複合繊維は、仮撚捲縮加工、交絡処理等の任意の処理を施してあってもよい。
本発明の繊維又は複合繊維は、殺菌又は滅菌される医療用衣服材料、宇宙服の材料等の広範な用途に使用できる。
本発明は、本発明の効果を奏する限り、本発明の技術的思想の範囲内において、上記の構成を種々組み合わせた態様を含む。
次に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で多くの変形が当分野において通常の知識を有する者により可能である。なお、実施例、比較例中の「%」及び「部」は特に断りのない限り、それぞれ「質量%」及び「質量部」を表す。
[エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)とグラフト共重合体(B1)の合計値に対するグラフト共重合体(B1)の含有率(質量%)の算出]
後述するグラフト重合反応で得られた樹脂組成物を抽出溶媒(水/イソプロパノール=4/6(質量比)混合)に添加し、80℃で3時間抽出処理を行った。抽出液を濃縮し、得られた抽出物、及び抽出されなかった残渣の質量をそれぞれ測定した。係る抽出物の質量が上記樹脂組成物に含まれるエチレン−ビニルアルコール共重合体(A)の質量(Waとする)であり、抽出されなかった残渣の質量が上記樹脂組成物に含まれるグラフト共重合体(B1)の質量(Wbとする)である。これらの質量から(A)/(B1)の質量比、エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)とグラフト共重合体(B1)の合計100質量部に対するグラフト共重合体(B1)の含有率(質量%)を算出した。なお、当該処理における抽出物がグラフト共重合体(B1)を含まず、エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)のみであることは、抽出物の1H−NMR分析から確認した。また、実施例12及び実施例13で得られた樹脂組成物は、実施例1と同様の操作で合成ゴム(C)を除去した後、上述の方法によりWa及びWbを算出した。
[エチレン−ビニルアルコール共重合体(B−1)とジエン系重合体(B−2)の合計質量に対するジエン系重合体(B−2)の質量比の算出]
各合成例で得られた樹脂組成物(樹脂組成物から、合成ゴム(C)を除去した後の樹脂組成物)の質量を「Wab」とし、Wabと、反応に使用したエチレン−ビニルアルコール共重合体(B−1)の質量の差を「Wq」とする。上述の方法で算出された樹脂組成物中のエチレン−ビニルアルコール共重合体(A)の質量を「Wa」とし、Wab−Waをグラフト共重合体(B1)の質量「Wb」とした。そして、Wb−Wqをエチレン−ビニルアルコール共重合体(B−1)からなる主鎖の質量とし、Wqをジエン系重合体(B−2)からなる側鎖の質量として、エチレン−ビニルアルコール共重合体(B−1)からなる主鎖とジエン系重合体(B−2)からなる側鎖の合計質量に対するジエン系重合体(B−2)からなる側鎖の質量比を算出した。
[総変性量の算出]
原料のエチレン−ビニルアルコール共重合体のエチレン単位をa2質量%、ビニルアルコール単位をb2質量%とする。以下の計算式に従い、総変性量(樹脂組成物の全単量体単位に対する、グラフト重合された単量体の含有率)を算出した。なお、実施例で得られた樹脂組成物中に合成ゴム(C)を含む場合は、後述する洗浄操作により合成ゴム(C)を除去した樹脂組成物について、上記総変性量を算出した。
総変性量[mol%]=Z2/(X2+Y2+Z2)×100
上記式中、X2、Y2、Z2は以下の数式で算出される値である。
2={(原料のエチレン−ビニルアルコール共重合体(質量部))×(a2/100)}/28
2={(原料のエチレン−ビニルアルコール共重合体(質量部))×(b2/100)}/44
2={(反応後の樹脂組成物(質量部))−(原料のエチレン−ビニルアルコール共重合体(質量部))}/(グラフト重合する単量体の分子量)
[グラフト共重合体(B1)に含まれるビニルアルコール単位の含有率の算出]
前述のWb(グラフト共重合体(B1)の質量)、Wb−Wq(グラフト共重合体(B1)におけるエチレン−ビニルアルコール共重合体(B−1)からなる主鎖の質量)、b1(エチレン−ビニルアルコール共重合体におけるビニルアルコール単位の質量%)を用いて、以下の式に従い算出した。
ビニルアルコール単位の含有率[%]={(Wb−Wq)×b1/100}/Wb×100
[紡糸原料の調製方法]
各合成例で得られた樹脂組成物100質量部に、酸化防止剤としてN−フェニル−N'−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン(大内新興化学工業製ノクラック6C)1.0質量部をブレンドし、ラボプラストミルにて、200℃の温度で10分間溶融混練した後、溶融物を冷却固化させコンパウンドを得た。得られたコンパウンドを、ヴァーダー・サイエンティフィック株式会社製粗粉砕機SM300を用いて粉砕し、紡糸原料となる粗粒を得た。
[紡糸方法]
株式会社島津製作所製 高化式フローテスター301型を用い、上記方法で得られた紡糸原料を190℃で5分余熱した後、荷重30kgfで、0.5mmのノズル径からストランドを吐出し、巻き取り機でストランドを巻き取って繊維を取得した。
[単糸繊度(dtex)]
単糸繊度(dtex)はJIS L 1013:2010A法に準じて測定した。
[強伸度評価]
各実施例及び比較例の繊維の引張強度(引張強さ)、伸度(伸び率)及び弾性率(初期引張抵抗度)を電子線の照射前後で測定した。JIS L 1013:2010に準じ、試長(つかみ間隔)20cm、初荷重0.09cN/dtex、引張速度10cm/minの条件で破断させた際の荷重、伸び率から求めた。表2に記載の数値は5回測定の平均値を採用した。強度保持率及び弾性率保持率は下記式のように示される。
強度保持率(%)=電子線照射後の引張強度/照射前の引張強度×100
弾性率保持率(%)=電子線照射後の弾性率/照射前の弾性率×100
<電子線の照射条件>
上記方法で得られた繊維に150kGyの電子線を照射した後の引張強度、伸度及び弾性率を評価した。
<測定条件>
機台:インストロン
試長:20cm
引張速度:10cm/min
[合成例1]
市販のエチレン−ビニルアルコール共重合体(株式会社クラレ製、E105、エチレン単位含有率44mol%、エチレン単位質量分率33.3質量%、ビニルアルコール単位質量分率66.7質量%)を粉砕した後、目開き75μmの篩と目開き212μmの篩を用いて分級された粒子(粒度分布が75〜212μmの粒子)を得た。得られた粒子100質量部に電子線(30kGy)を照射した。次に、撹拌機、窒素導入管及び粒子の添加口を備えたオートクレーブに、イソプレン485質量部を仕込み、氷冷した状態で窒素バブリングをしながら30分間系内を窒素置換した。ここに電子線を照射したエチレン−ビニルアルコール共重合体を100質量部添加し、オートクレーブを密閉して内温が65℃になるまで加温、粒子が液中に分散した状態で4時間加熱撹拌を継続しグラフト重合を行った。その後、ろ別して粒子を回収し、粒子をテトラヒドロフランで洗浄し、残留するイソプレンを除去した後、40℃で終夜真空乾燥することにより、エチレン−ビニルアルコール共重合体及びグラフト共重合体を含む樹脂組成物を得た。詳細を表1に示す。
[合成例2]
市販のエチレン−ビニルアルコール共重合体(株式会社クラレ製、E105、エチレン単位含有率44mol%、エチレン単位質量分率33.3質量%、ビニルアルコール単位質量分率66.7質量%)を粉砕した後、目開き75μmの篩と目開き212μmの篩を用いて分級された粒子(粒度分布が75〜212μmの粒子)を得た。得られた粒子100質量部に電子線(30kGy)を照射した。次に、撹拌機、窒素導入管及び粒子の添加口を備えたオートクレーブに、電子線を照射したエチレン−ビニルアルコール共重合体100質量部を添加し、系内に窒素を封入、脱圧する操作を5回繰り返して系内を窒素置換した。ここに液化ブタジエン250質量部を仕込み、オートクレーブを密閉して内温が65℃になるまで加温、そのまま4時間加熱撹拌を継続しグラフト重合を行った。その後、常温まで冷却した後、解圧して残留するブタジエンを揮発させ除去した。得られた反応後の粒子をテトラヒドロフランで洗浄した後、40℃で終夜真空乾燥することにより、エチレン−ビニルアルコール共重合体及びグラフト共重合体を含む樹脂組成物を得た。詳細を表1に示す。
[合成例3]
市販のエチレン−ビニルアルコール共重合体(株式会社クラレ製、E105、エチレン単位含有率44mol%、エチレン単位質量分率33.3質量%、ビニルアルコール単位質量分率66.7質量%)を粉砕した後、目開き75μmの篩と目開き212μmの篩を用いて分級された粒子(粒度分布が75〜212μmの粒子)を得た。得られた粒子100質量部に電子線(30kGy)を照射した。次に、撹拌機、窒素導入管及び粒子の添加口を備えたオートクレーブに、電子線を照射したエチレン−ビニルアルコール共重合体100質量部、酢酸メチル183質量部を添加し、系内に窒素を封入、脱圧する操作を5回繰り返して系内を窒素置換した。ここに液化ブタジエン100質量部を仕込み、オートクレーブを密閉して内温が65℃になるまで加温、そのまま4時間加熱撹拌を継続しグラフト重合を行った。その後、常温まで冷却した後、解圧して残留するブタジエンを揮発させ除去した。得られた反応後の粒子をテトラヒドロフランで洗浄した後、40℃で終夜真空乾燥することにより、エチレン−ビニルアルコール共重合体及びグラフト共重合体を含む樹脂組成物を得た。詳細を表1に示す。
[合成例4]
市販のエチレン−ビニルアルコール共重合体(株式会社クラレ製、F101、エチレン単位含有率32mol%、エチレン単位質量分率23.0質量%、ビニルアルコール単位質量分率77.0質量%)を粉砕した後、目開き425μmの篩と目開き710μmの篩を用いて分級された粒子(粒度分布が425〜710μmの粒子)を得た。得られた粒子100質量部に電子線(30kGy)を照射した。次に、撹拌機、窒素導入管及び粒子の添加口を備えたオートクレーブに、イソプレン20質量部、メタノール980質量部を仕込み、氷冷した状態で窒素バブリングをしながら30分間系内を窒素置換した。ここに電子線を照射したエチレン−ビニルアルコール共重合体を100質量部添加し、オートクレーブを密閉して内温が40℃になるまで加温した。共重合体粒子が液中に分散した状態で4時間加熱撹拌を継続しグラフト重合を行った。その後、ろ別して粒子を回収し、粒子をテトラヒドロフランで洗浄し、残留するイソプレンを除去した後、40℃で終夜真空乾燥することにより、エチレン−ビニルアルコール共重合体及びグラフト共重合体を含む樹脂組成物を得た。詳細を表1に示す。
[合成例5]
合成例1で得た樹脂組成物を、水/イソプロパノール=4/6(質量比)混合液に添加し、80℃で3時間抽出処理を行った。その後ろ別して残渣を回収し、残渣を水/イソプロパノール=4/6(質量比)混合液で洗浄した後、40℃で終夜真空乾燥することにより、エチレン−ビニルアルコール共重合体が除去された、グラフト共重合体を含む樹脂組成物を得た。詳細を表1に示す。
Figure 2020084390
[実施例1]
合成例1で得られた樹脂組成物を190℃で5分余熱した後、荷重30kgfで、0.5mmのノズル径からストランドを吐出し、巻き取り機でストランドを巻き取って119dtexの繊維を得た。また、得られた繊維に対して150kGyの電子線を照射し、力学物性を評価した。
[実施例2]
合成例2で得られた樹脂組成物を紡糸原料に用いたこと以外は実施例1と同様に繊維化を実施し、評価を行った。
[実施例3]
合成例3で得られた樹脂組成物を紡糸原料に用いたこと以外は実施例1と同様に繊維化を実施し、評価を行った。
[比較例1]
市販のエチレン−ビニルアルコール共重合体(株式会社クラレ製、E105、エチレン単位含有率44mol%、エチレン単位質量分率33.3質量%、ビニルアルコール単位質量分率66.7質量%)を粉砕した樹脂組成物を紡糸原料に用いたこと以外は実施例1と同様に繊維化を実施し、評価を行った。
[比較例2]
合成例4で得られた樹脂組成物を紡糸原料に用いたこと以外は実施例1と同様に繊維化を実施し、評価を行った。
[比較例3]
合成例5で得られた樹脂組成物を紡糸原料に用いたこと以外は実施例1と同様に繊維化を実施し、評価を行った。
Figure 2020084390
比較例1では、強度保持率が約14%低下した。一方、実施例1では、電子線150kGy照射という過酷な環境下でも強度保持率に優れていた。それどころか、電子線照射前に比べて強度が向上していた。また、実施例1では、適度に低い弾性率が得られ、比較例1に比べて、優れた柔軟性を有していた。
また、実施例2、3では、ブタジエンをグラフト重合させたEVOHを原料として使用しているが、実施例1と同じように電子線照射後の強度保持率、柔軟性を有しており、実施例2はグラフト共重合体比率が高いことから、未処理の繊維は強度が低く低強度であったが、電子線照射後は強度、伸度ともに増大した。実施例3はグラフト共重合体比率が、実施例1と同様であるため、同じような未処理、処理後共に同じような物性を得た。
一方で、比較例2はグラフト共重合体比率が低いため比較例1と同じような力学物性の挙動となった。
また、比較例3はグラフト共重合体比率が高く、ストランドを採取する際、断糸を繰り返したため、連続紡糸できなかった。
上記実施例から明らかなように、本発明の繊維は、優れた柔軟性を有しつつ、高エネルギー線を照射した場合にも強度保持率が高く、高エネルギー耐性に優れる。従って、殺菌又は滅菌される医療用衣服材料、宇宙服の材料等の幅広い用途に利用できる。
本発明の繊維は、高エネルギー耐性と柔軟性に優れ、殺菌又は滅菌される医療用衣服材料、宇宙服の材料等の広範な用途に使用できる。

Claims (10)

  1. エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)と共重合体(B)を含み、共重合体(B)がエチレン−ビニルアルコール共重合体(B−1)領域とジエン系重合体(B−2)領域から構成され、エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)と共重合体(B)の合計質量に対する共重合体(B)の含有率が10〜80質量%である、繊維。
  2. 単糸繊度が0.5〜300dtexである、請求項1に記載の繊維。
  3. さらに合成ゴム(C)を0.1質量%以下含む、請求項1又は2に記載の繊維。
  4. 共重合体(B)における、エチレン−ビニルアルコール共重合体(B−1)領域とジエン系重合体(B−2)領域の合計質量に対するジエン系重合体(B−2)領域の含有率が30〜80質量%である、請求項1〜3のいずれかに記載の繊維。
  5. 共重合体(B)に含まれるビニルアルコール構造単位の含有率が、共重合体(B)を構成する全構造単位に対して15〜60質量%である、請求項1〜4のいずれかに記載の繊維。
  6. ジエン系重合体(B−2)が、ポリイソプレンである、請求項1〜5のいずれかに記載の繊維。
  7. 共重合体(B)が、グラフト共重合体(B1)である、請求項1〜6のいずれかに記載の繊維。
  8. エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)と共重合体(B)を含み、共重合体(B)がエチレン−ビニルアルコール共重合体(B−1)領域とジエン系重合体(B−2)領域から構成され、エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)と共重合体(B)の合計質量に対する共重合体(B)の含有率が10〜80質量%である樹脂と、他の熱可塑性樹脂(D)とを含む、複合繊維。
  9. 熱可塑性樹脂(D)がポリオレフィン又はポリエステルである、請求項8に記載の複合繊維。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の繊維又は複合繊維を含む繊維製品。
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