JP3942955B2 - 活性炭含有ポリオレフィン樹脂延伸成形体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、活性炭含有ポリオレフィン樹脂延伸成形体に関する。さらに詳しくは、硫化水素、各種メルカプタン類、アンモニアおよびアミン類等の各種悪臭ガスを除去する活性炭含有ポリオレフィン樹脂延伸成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、生活環境の変化に伴い生活空間に存在する微量な硫化水素、アンモニア、メルカプタン、アミン及びアルデヒド等の悪臭ガスに対する関心が高まっている。これらの悪臭ガスを除去して快適な生活環境を維持するために、脱臭剤が要求され、家庭生活にも様々な悪臭ガス吸着剤が使用されている。これらの悪臭ガスの脱臭には、一般的には活性炭を主とする脱臭剤が利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記活性炭の脱臭剤は、活性炭の吸着作用によるものであり、吸着容量に限界があり、長期間使用する場合には活性炭が粉塵化し、活性炭を頻繁に交換しなければならないという問題点があった。また、活性炭の粉塵化を防止し、且つ、強度を付与させ、比表面積を有効に利用するために、活性炭を樹脂に含有させて成形した場合には、樹脂が活性炭の表面を被覆し、活性炭の細孔を閉塞してしまい、活性炭本来の吸着能力を失効させるという問題点を有していた。
本発明は、樹脂が活性炭の表面を被覆し、活性炭の細孔を閉塞するのを防止し、活性炭本来の吸着作用を最大限利用でき、且つ、その吸着物質を分解させる機能をも有し、悪臭ガスに対して長時間連続使用ができる、活性炭含有ポリオレフィン樹脂延伸成形体を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記問題点を解決すべく鋭意検討した結果、ポリオレフィン樹脂に特定の活性炭を配合した組成物を押出成形し、次いで、延伸処理することにより、活性炭表面の樹脂被覆部分を延伸処理によって、その細孔の閉塞を開放することができ、それにより、活性炭本来の吸着能力を発現でき、且つ、特定の活性炭を用いることにより吸着物質を分解させる機能を付与させることができ、高い脱臭効果を有する活性炭含有ポリオレフィン樹脂延伸成形体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、比表面積が1700m2/g以上であり、かつ活性炭中の水の含有量が0.10重量%未満である活性炭を配合したものを押出成形し、次いで、延伸処理して得られる活性炭含有ポリオレフィン樹脂延伸成形体、に存する。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられるポリオレフィン系樹脂としては、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、分岐鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体等が挙げられ、これらのポリオレフィン樹脂は単独または2種以上を組合わせて用いても差し支えない。これらのうちでは、高強力な高密度ポリエチレンあるいはポリプロピレンが好ましい。
上記ポリオレフィン系樹脂としては、メルトフロレート(以下、MFRと略す)が、通常1〜30g/10min.、好ましくは2〜30g/10min.の範囲のものが使用される。ポリオレフィン系樹脂のMFRが1g/10min.未満であると組成物としての流動性が悪く、延伸成形体の厚みが不規則に変化することがあり、一方、MFRが30g/10min.を超えると成形安定性と生産効率に悪影響を与えるので、望ましくない。
【0006】
上記ポリオレフィン系樹脂に配合する活性炭としては、比表面積が1700m2 /g以上、好ましくは1700〜3000m2 /gの範囲であり、また、炭化率が90%以上、好ましくは、90〜95%の範囲である。比表面積が下限未満では、臭気物質の吸着能力が低下し、かつ、吸着物質を分解する能力が著しく低下する。通常の活性炭、例えば、椰子殻活性炭では、比表面積が1200m2/g程度であり、炭化率が70%程度であり、臭気物質の吸着能力が不十分であり、且つ、吸着物質を分解する能力がない。本発明で用いる上記活性炭は椰子殻活性炭の炭化率を90%以上に上げ、活性炭の比表面積が1700m2 /g以上にすることにより製造される。
【0007】
上記ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、上記活性炭を1〜50重量部、好ましくは3〜50重量部を配合する。上記活性炭の配合量が下限未満では、活性炭の効果が充分発現できず、また、上限より多いとポリオレフィン系樹脂との分散性に問題が生じると共に、成形体として脆く機械的強度が不足する傾向にある。
【0008】
上記で用いる活性炭中の水の含有量は0.10重量%未満、好ましくは0.01〜0.08重量%の範囲である。上記水の含有量が0.10重量%以上では、押出成形時に著しく発泡現象を起こし易くなり、得られた樹脂成形物を延伸処理する際、延伸切れを生じ易くなるので、好ましくない。
【0009】
上記のポリオレフィン樹脂に上記活性炭を配合して押出成形される延伸成形体としては、フイルム、シート、フラットヤーン、モノフィラメント、複合モノフィラメント等の種々の形態が採られ、公知の成形方法で形成できる。この中で、成形性が容易で高強度を維持できるモノフィラメント、特に、複合モノフィラメントが好ましい。
【0010】
上記延伸成形体として、モノフィラメントの場合について、説明すると、その成形方法は、特に限定されるものではなく、公知のモノフィラメントの成形方法が採用される。すなわち、モノフィラメント成形ダイスを用い、前記樹脂組成物を170〜240℃の溶融温度で押出し、冷却水温度30〜70℃で冷却固化した後、延伸処理し、この延伸モノフィラメントを5〜15%弛緩熱処理を施してモノフィラメントを形成することができる。延伸処理としては、熱延伸法、即ち、ポリオレフィン樹脂の融点以下で、軟化点以上の温度下で行われ、通常は延伸温度が90〜150℃、延伸倍率は3〜12倍、好ましくは5〜10倍の範囲である。熱延伸法としては、熱ロール法、熱板式、赤外線照射式、熱風オーブン式、熱水式などの方式が採用できる。延伸倍率が3倍未満では延伸効果が得られずモノフィラメントの強力が不十分で、延伸倍率が12倍を超えると、延伸切れを起こしやすく、またモノフィラメントが縦割れしやすくなるので、好ましくない。延伸方法は一段延伸または二段延伸以上の多段延伸が可能であり、一段延伸よりも二段延伸が良好である。
【0011】
上記で得られたモノフィラメントを経糸と緯糸として織編布して用いることができる。上記織編布の織編組織としては、とくに限定はなく、具体的に織布としては平織、綾織、もじり織、模紗織、からみ織等が採用でき、編布としてはトリコット編、ミラニーズ編、ラッセル編等が採用できる。上記経緯糸の繊度としては、80〜500デシテクス(以下、dtと略記する)の糸状体が用いられ、その織成密度、即ち、打込密度として5〜50本/インチ、好ましくは5〜30本/インチの範囲である。
エアコンや空気清浄機等のエアフィルタのエレメントとして用いる場合には、蜂巣織構造体とするのが望ましい。
【0012】
また、上記単層のモノフィラメントの変わりに複合モノフラメントを用いると強度特性がさらに向上し、且つ、芯層と鞘層にそれぞれ機能付加させることができるので、好ましい。
複合モノフィラメントとしては、上記活性炭を配合させたポリオレフィン樹脂を鞘層とし、ポリオレフィン樹脂を芯層とする芯鞘構造のものである。この芯鞘構造とすることにより、芯層で強度特性を付与させ、鞘層で活性炭の細孔を閉塞することなく、活性炭の本来の機能を付与させるものである。複合モノフィラメントの芯鞘に用いるポリオレフィン樹脂としては、特に制限はなく、上記したポリオレフィン樹脂が用いられる。上記鞘層に配合する活性炭の種類、配合量及び水の含有量は上記した範囲で使用される。また、上記複合フィラメントの鞘層/芯層の断面積比は、2/8〜6/4の範囲である。上記鞘層/芯層の断面積比が2/8未満では鞘成分が芯層全断面を覆いにくくなり、鞘層が芯層から剥れ易く、粉が発生し易くなる。また、上記断面積比が6/4をより大きくなるとフイラメント糸の引張強度が低下するので、望ましくない。
【0013】
また、複合モノフラメントにすることにより、単層のモノフィラメントでは機能付加できないものを芯層と鞘層にそれぞれ分けて機能付加させることができる、例えば、芯層に難燃剤を添加し、鞘層に耐候剤を添加することにより、複合モノフラメントに難燃化処理と耐候性の機能を併用させることができる。
【0014】
上記鞘層に添加して使用される難燃剤としては、ハロゲン系、リン系、無機系等の難燃剤が適宜用いられる。
臭素系難燃剤としては、テトラブロムビスフェノールA、デカブロムジフェニルオキサイド、オクタブロモジフェニルオキサイド、ビスジブロモプロピルエーテルテトラブロモビスフェノールS等の芳香族系臭素系難燃剤、ヘキサブロムシクロドデカン、ジブロモエチルジブロモシクロヘキサン等の脂環族系臭素系難燃剤、ペンタブロモジフェニルオキサイド、テトラブロモジフェニルオキサイド等の液状臭素系難燃剤、エチレンビス(テトラブロムフタルイミド)等のフタルイミド系臭素系難燃剤等が挙げられる。
また、リン系としては、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリス〔クロロエチル〕ホスフェート、トリス〔2−クロロプロピル〕ホスフェート、トリス〔2,3−ジクロロプロピル〕ホスフェート、さらには、無機系としては、三酸化アンチモンメタホウ酸バリウム水酸化アルミニウム、赤リン等が挙げられる。なお、必要に応じて上記の中から2種以上の難燃剤を併用して用いてよい。
上記臭素系難燃剤に対して、難燃助剤として三酸化アンチモンを併用するのが難燃化効果を向上させる点で好ましい。臭素系難燃剤と三酸化アンチモンの配合比は特に限定されるものではないが、2:1〜3:1が好ましい
【0015】
上記難燃剤の配合割合は、ポリオレフィン樹脂に対して3〜50重量%の範囲、好ましくは、5〜40重量%の範囲である。配合割合が3重量%未満では難燃性が不十分となり、50重量%を超えると難燃性の効果はそれ以上向上せず、逆にコストアップにつながるので好ましくない。
【0016】
一方、鞘層に耐候性を付与させる方法としては、紫外線吸収剤や光安定剤等の耐候剤を添加する方法を採用することもできる。
紫外線吸収剤としては、具体的には2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3’−ジフェニルアクリレート、エチル-2-シアノ-3,3’-ジフェニルアクリレート、オクチル-2-シアノ-3,3’-ジフェニルアクリレート等のシアノアクリレート系紫外線吸収剤、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-オクトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2-(2′-ヒドロキシ -5′-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2′-ヒドロキシ-5′-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4-ジ-t-ブチルフェニル-3′-5′-ジ-t-ブチル-4′-ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート系紫外線吸収剤などが挙げられる。紫外線吸収剤の配合割合は、ポリエチレンに対して好ましくは0.05〜5重量%、さらに好ましくは0.1〜1重量%である。
【0017】
ヒンダードアミン系光安定剤としては、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)・ジ(トリデシル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、1-(2-ヒドロキシエチル)-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジノールとコハク酸ジエチルの重縮合物等が挙げられる。光安定剤の配合割合は、ポリエチレンに対して好ましくは0.05〜5重量%、さらに好ましくは0.1〜1重量%である。
【0018】
上記複合モノフィラメントの製造方法は特に限定されるものではなく、上記した活性炭と耐抗剤を配合させたポリオレフィン樹脂と難燃剤を配合させたポリオレフィン樹脂をそれぞれ押出機で溶融混練し、170〜240℃の溶融温度で2層の吐出孔が略同心円上に設けられたダイスの中心吐出孔から難燃剤を配合したポリオレフィン樹脂からなる芯層を供給し、その外面に上記活性炭と耐抗剤を配合したポリオレフィン樹脂からなる鞘層を押出して被覆して複合化し、延伸処理等を施して複合モノフィラメントを形成し得るものである。延伸処理としては、熱延伸法で、ポリオレフィン樹脂の融点以下、軟化点以上の温度下に行われ、通常は延伸温度が90〜150℃、延伸倍率は通常3〜12倍、好ましくは5〜10倍の範囲である。
【0019】
本発明において用いられるポリオレフィン系樹脂には、必要に応じて、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、分散剤、滑剤、帯電防止剤、顔料、無機充填剤、架橋剤、発泡剤、核剤等の通常用いられる添加剤を配合してもよい。
【0020】
【実施例】
実施例1
予め活性炭(炭化率が93%で、比表面積が1800m2 /g)20重量部とポリプロピレン100重量部とを配合した活性炭配合マスターバッチを24時間乾燥させて、活性炭中の水分含有量を0.05重量%に調整した。
次に、ポリプロピレン(MFR=4.0g/10min.、Tm=163℃)100重量部に対して、上記活性炭配合マスターバッチを50重量部を配合した組成物を押出機より円形ノズルから220℃で溶融押出してモノフィラメントを形成し、冷却した後、熱風オーブン式延伸機により延伸温度115℃で8倍の延伸倍率で延伸し、ついで熱弛緩処理を施して、繊度150dtのモノフィラメントを得た。
上記で得られたモノフィラメントを経糸と緯糸に用い、打込密度10×12本/インチの蜂巣織構造体物を織成した。
【0021】
上記で得られた蜂巣織構造体物につき、下記評価方法で脱臭試験を行い、その評価結果をて表1に示す。
(1)アンモニア消臭試験
縦300mm、横300mm及び高さ300mmの立方体の密閉容器内の片面に縦290mm及び横290mmの上記で得られた活性炭含有の蜂巣織構造体物を取り付け、密閉する。これにアンモニアガスをガスタイトシリンジで注入し、容器内をファンで撹拌しながら室温にて静置し、安定化させた後、初期濃度、1時間後、4時間後、24時間後、48時間後、72時後の残存アンモニア濃度を検知管にて測定した。その結果を表1に示す。
(2)繰り返し試験(2回目)
上記(1)の繰り返し試験を行った。その結果を表1に示す
【0022】
実施例2
実施例1において、得られたモノフィラメントを経糸と緯糸に用い、打込密度20×25本/インチの平織り(メッシュ)構造体物を織成したこと以外は同様にして行った。その結果を表1に示す。
【0023】
比較例1
実施例1において、活性炭を全く添加せずに行ったこと以外は同様にして行った。その結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
実施例3
予め活性炭(炭化率が93%で、比表面積が1800m2 /g)20重量部と高密度ポリエチレン(MFR=1.0g/10分、密度=0.950g/cm3)80重量部とを配合した活性炭配合マスターバッチを105℃で24時間乾燥させて、活性炭中の水分含有量を0.05重量%に調整した。
芯層には、高密度ポリエチレン(MFR=1.0g/10分、密度=0.950g/cm3)にフタルイミド系難燃剤エチレンビス(テトラブロムフタルイミド)と三酸化アンチモンを3:1の比率で混合した臭素系難燃材として6重量%及び黒色顔料3重量%を配合した組成物を用い、一方、鞘層には、高密度ポリエチレン(MFR=1.0g/10分、密度=0.950g/cm3)に、上記活性炭配合マスターバッチを用いて、活性炭として8重量%及び耐候剤としてビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート0.3重量%を配合した組成物を用いて、それぞれ押出機2機に連結された2層の吐出孔が同心円状に設けられた複合高密度ポリエチレンモノフィラメント成形ダイスから芯層の高密度ポリエチレンと難燃剤の組成物ならびに鞘層の高密度ポリエチレンと活性炭及び耐候剤の組成物をそれぞれ押出し、延伸温度99℃、延伸倍率5倍で延伸し、処理温度115℃でアニーリングを施し複合モノフィラメントを成形した。
得られた複合ポリオレフィンモノフィラメントの繊度は、芯層/鞘層が350dt/150dtで、総繊度が500dtであった。
こうして得られた複合モノフィラメントは、その強度としては、3cN/dtであり、また、難燃性試験において、JISA1322による燃焼試験では炭化長45mmで防炎1級に合格であった。
【0026】
上記で得られたモノフィラメントを経糸と緯糸に用い、打込密度58×33本/インチの平織り構造体物(A)と打込密度38×38本/インチの蜂巣織構造体物(B)をそれぞれ織成した。
【0027】
上記で得られた平織り構造体物及び蜂巣織構造体物につき、それぞれ下記評価方法で脱臭試験を行い、その評価結果をて表1に示す。
(1)試験ガス消臭試験
縦300mm、横300mm及び高さ300mmの立方体の密閉容器内の片面に縦280mm及び横52mmの上記で得られた活性炭含有の平織り構造体物または蜂巣織構造体物を取り付け、密閉する。これに試験ガス(アンモニア、ホルムアルデヒドまたは硫化水素)を注入し、容器内をファンで撹拌しながら室温にて静置し、安定化させた後、初期濃度、1時間後、4時間後、24時間後、48時間後、72時後の残存ガス濃度をガス検知管にて測定した。その結果を表2に示す。
【0028】
比較例2
実施例3において、鞘層に活性炭を全く添加せずに行ったこと以外は同様にして行った。なお、試験ガス消臭試験においては、平織り構造体物(打込密度58×33本/インチ)用いて行い、その結果を表2に示す。
【0029】
【表2】
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の活性炭含有ポリオレフィン樹脂延伸成形体は、特定の活性炭を用いて、押出成形し、次いで、延伸処理してモノフィラメントや複合モノフィラメント等の活性炭含有ポリオレフィン樹脂延伸成形体にすることにより、、活性炭表面の樹脂被覆部分を延伸処理によって、その細孔の閉塞を開放することができ、それにより、活性炭本来の吸着能力を発現でき、且つ、特定の活性炭を用いることにより吸着物質を分解させる機能を付与させることができ、悪臭ガスに対して長時間連続使用ができる。従って、本発明の活性炭含有ポリオレフィン樹脂延伸成形体は悪臭ガスの脱臭剤、特にエアフィルターのエレメントとして好適である。
Claims (5)
- ポリオレフィン系樹脂に、比表面積が1700m2/g以上であり、かつ活性炭中の水の含有量が0.10重量%未満である活性炭を配合したものを押出成形し、次いで、延伸処理してなる活性炭含有ポリオレフィン樹脂延伸成形体。
- 活性炭の配合量がポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、1〜50重量部の範囲である請求項1に記載の活性炭含有ポリオレフィン樹脂延伸成形体。
- 延伸処理して得られる延伸成形体がモノフィラメントである請求項1または2に記載の活性炭含有ポリオレフィン樹脂延伸成形体。
- 延伸処理して得られる延伸成形体が、比表面積が1700m2/g以上であり、かつ活性炭中の水の含有量が0.10重量%未満である活性炭を配合させたポリオレフィン樹脂を鞘層とし、ポリオレフィン樹脂を芯層とする複合モノフィラメントである請求項1または2に記載の活性炭含有ポリオレフィン樹脂延伸成形体。
- 延伸処理して得られる延伸成形体が、比表面積が1700m2/g以上であり、かつ活性炭中の水の含有量が0.10重量%未満である活性炭を配合させたポリオレフィン樹脂を鞘層とし、難燃剤を配合させたポリオレフィン樹脂を芯層とする複合モノフィラメントである請求項1、2及び4のいずれかに記載の活性炭含有ポリオレフィン樹脂延伸成形体。
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