JP2000290856A - プリーツネット地 - Google Patents

プリーツネット地

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JP2000290856A
JP2000290856A JP11101513A JP10151399A JP2000290856A JP 2000290856 A JP2000290856 A JP 2000290856A JP 11101513 A JP11101513 A JP 11101513A JP 10151399 A JP10151399 A JP 10151399A JP 2000290856 A JP2000290856 A JP 2000290856A
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core layer
composite yarn
yarn
net
density polyethylene
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JP11101513A
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English (en)
Inventor
Yuichi Kaihara
祐一 貝原
Takeshi Miki
武 三木
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Hagiwara Industries Inc
Original Assignee
Hagiwara Industries Inc
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Publication date
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    • DTEXTILES; PAPER
    • D06TREATMENT OF TEXTILES OR THE LIKE; LAUNDERING; FLEXIBLE MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • D06JPLEATING, KILTING OR GOFFERING TEXTILE FABRICS OR WEARING APPAREL
    • D06J1/00Pleating, kilting or goffering textile fabrics or wearing apparel
    • D06J1/10Pleating, kilting or goffering textile fabrics or wearing apparel continuously and longitudinally to the direction of feed

Abstract

(57)【要約】 【課題】 折り畳み網戸やブラインド、カーテンスクリ
ーンなどに防虫や通気を目的に張設されるプリーツ加工
を施したネットとして、プリーツ部分での形状保持性と
耐久性に優れ、充分な目止めによって網目のズレや解れ
がなく、軽量で防汚性に優れたネット地を提供する。 【解決手段】 高融点成分の芯層と低融点成分の鞘層に
より構成される複合糸条において、芯層が高密度ポリエ
チレンを主成分とする第一の複合糸条、および芯層がポ
リプロピレンを主成分とする第二の複合糸条によって、
各々経緯糸の一方に使用した編織布であって、経緯交差
部が鞘層の熱融着によって目止めがなされ、かつ第一の
複合糸条を折り畳む方向に多数のプリーツを施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、折り畳み網戸やブ
ラインド、カーテンスクリーンなどに防虫や通気を目的
に張設するものとして、多数のプリーツを形成してアコ
ーディオン式に伸縮自在に使用するネット地であり、詳
しくは特定の糸条からなる編織布を用いたプリーツ加工
を施したネット地に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、網戸やブラインド、カーテン
スクリーンなどにプリーツ加工を施したネットが使用さ
れている。例えば、折り畳み網戸の構造として、プリ−
ツを施したネツトの基端を、網戸枠の収納ケース内に固
定し、ネツトの先端に開閉操作用の操作框を取り付け、
ネットを操作框と収納ケースとの間で常に緊張状態に保
持される紐を挿通した構成(特開平6-17585号)が開示さ
れ、この網戸に用いるネツトとして、プリーツによるジ
グザグ状を保持する長さをもたせ、各プリーツの折角が
60〜90度になることが好ましいとされている。
【0003】この種のネットは、日本工業規格において
プリーツ性試験方法(JIS-L1060)があり、プリーツに
よる折目の成形と形状維持性が必要で、さらには伸縮の
し易さや収納性などの諸特性を要求される。そして、切
断箇所の繊維の解れやネットの折目部分での繊維の目ズ
レが問題となって、その対応として、ネットの経緯交差
部の積極的な目止め加工がなされている。例えば、ポリ
エステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系
樹脂などの合成繊維を織編したネットを、塩化ビニル系
やアクリル系のバインダーで目止めする方法が多く採用
されている。しかし、このようなネットは、製造におい
てバインダーの塗布や乾燥工程が必要であることから製
造方法として複雑で、しかも得られるネットは、基材と
しての防汚性に欠け比較的重量があり、また外観上も目
合いが不均一となり易く部分的に通気性が異なる欠点が
指摘されている。さらに、こうしたネット地は繰り返し
て伸縮する使用形態において、プリーツ折目の屈曲でバ
インダーが剥離し易いために経緯交差部の接着が解け、
プリーツ部分の耐久性と形状安定性に劣っており、また
使用後の焼却処理における有毒ガスの発生などを含み多
くの問題点が存在している。
【0004】一方、熱融着を利用した目止め方法とし
て、高融点成分による芯層と、低融点成分による鞘層か
らなる複合糸条を使用した編織布がある。これは、編織
布とした後に熱処理を施すことによって糸条表面の低融
点成分が経緯交差部において容易に熱融着して強く接合
され、高融点成分の延伸効果を損なうことがないために
編織布の機械的強度に優れ、目ズレや変形を生じないも
のが得られることで、多くの用途において検討または採
用されている。この技術は、防虫網(特開昭60-28547号
公報)や建築工事用メッシュシート(特開平4-281040号
公報、実開平1-78190号公報)などにも利用され、ま
た、プリーツを施すネットとしても、芯層がポリエチレ
ンテレフタレート、鞘層が低融点ポリエステルからなる
複合糸条を使用したプリーツスクリーン(特開平4-1810
8号公報)が開示されている。このプリーツスクリーン
は、経緯交差部が低融点ポリエステルの熱融着により目
ズレがなく、熱処理による温度調整により製品の風合い
を調節できる点で優れた点は認められるものの、糸条が
ポリエステル系樹脂であるため、折り曲げた際の変形特
性の問題が指摘されている。即ち、ポリエステル系繊維
は、実用温度範囲では可撓性を示すが弾性変形性が強い
ため、変形後の形状保持性が劣り、これはプリーツの伸
縮を繰り返すことで折目が比較的容易に回復し、外観上
は勿論のこと、収納性などの取扱いが不便なものとな
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、プリ
ーツの成形性が良く、プリーツ部分での形状保持性と耐
久性に優れ、充分な目止めによって経緯交差部の目ズレ
がなく、軽量で防汚性が良好なネットであり、さらには
使用後の廃棄処分の容易なプリーツ加工を施したネット
地を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、高融点成分の
芯層と低融点成分の鞘層により構成される複合糸条にお
いて、芯層が高密度ポリエチレンを主成分とする第一の
複合糸条、および芯層がポリプロピレンを主成分とする
第二の複合糸条によって、各々経緯糸の一方の主繊維材
料として使用した編織布であって、経緯交差部が経糸お
よび/または緯糸の鞘層樹脂による熱融着によって目止
めがなされ、かつ編織布が第一の複合糸条を折り畳む方
向に多数のプリーツを施したことを特徴するプリーツネ
ット地である。
【0007】そして、ネット地を構成する糸条として、
第一の複合糸条および第二の複合糸条の鞘層が、共に直
鎖状低密度ポリエチレンを主成分とするものが好まし
く、また、編織布の好ましい規格として、繊度100〜800
drの糸条が10〜50本/インチの密度で編織され、かつ目
合いが2mm以下の編織布であり、さらには、編織布が10
0℃の雰囲気下で1分間放置された後の熱収縮率が3%
未満であることを特徴とするネット地である。
【0008】
【本発明の実施の形態】本発明のネット地に用いる第一
の複合糸条および第二の複合糸条は、それぞれが高融点
成分とそれより低融点成分の樹脂から構成されるもの
で、その繊維形状として高強力が得られ、編織成効率の
良好なものであれば特に制限はない。具体的には、吐出
孔が略同心円状に設けられたダイスから芯層とその外側
表面に鞘層の樹脂層を押し出して被覆させたフィラメン
トを縦一軸延伸し、その後に熱処理を施すことによって
得られる複合モノフィラメントや偏平複合モノフィラメ
ント、これら低繊度モノフィラメントの複数本を収束し
た複合マルチフィラメント、多層のTダイフラット法や
インフレーション法により共押出積層された、或いは逐
次押出ラミネート法で積層された芯層と両外層で構成の
3層フィルムを細断した後に縦一軸延伸し、その後に熱
処理を施すことによって得られる複合フラットヤーン、
複合フラットヤーンを針布ロールなどで割繊した複合ス
プリットヤーンなどを挙げることができるが、比較的に
複合紡糸が容易であって充分な熱延伸による機械的強力
が得られ易く、さらにはネット地としての取扱性などの
点で、複合モノフィラメントが特に好適である。
【0009】第一の複合糸条は、芯層の主成分樹脂に高
密度ポリエチレンを用いるものである。この高密度ポリ
エチレンのMFRは、0.1〜10g/10min.が好ましく、0.3
〜3g/10min.であることがより好ましい。MFRが0.1g
/10min.未満であると紡糸性が極端に悪化し、一方、M
FRが10g/10min.を超えると延伸糸としての充分な強力
が得られない。そして、高密度ポリエチレンを芯層に用
いることで柔軟性を有しながら塑性変形性を保持し、さ
らに鞘層の低融点成分によって熱融着性をも併せ持った
繊維となるのである。
【0010】これに対して、第二の複合糸条は、芯層の
主成分にポリプロピレンを用いるものである。このポリ
プロピレンは、プロピレン単独重合体、プロピレン−エ
チレンブロック共重合体あるいはランダム共重合体など
のポリプロピレン共重合体またはそれらの混合物であっ
て、これらのなかでも延伸糸として適度な剛軟度と高強
力を得られるプロピレン単独重合体が望ましく、特にア
イソタクチックペンタッド率0.95以上のものが好適に採
用される。このポリプロピレンのMFRは、0.1〜50g/1
0min.が好ましく、5〜30g/10min.であることがより好
ましい。MFRがこの範囲であるポリプロピレンを芯層
に用いることで、紡糸性、延伸性、機械的強力などバラ
ンスのとれた繊維となるのである。
【0011】これら第一の複合糸条および第二の複合糸
条の鞘層となる樹脂は、芯鞘層間の剥離がなく熱融着性
に優れたものである必要がある。2種類の複合糸条にお
いて、鞘層樹脂は層間剥離と熱融着性の条件を満たせば
異なるものであっても差し支えないが、同種あるいは同
類であることが好ましい。そして、芯層成分の樹脂の延
伸効果を失うことなく鞘層成分の樹脂により強固に熱接
着するためには、芯/鞘の重量比として8/2〜5/5
の範囲であることが好ましい。この範囲を外れて芯層の
比率が高くなると鞘層による熱融着性が劣る傾向にあ
り、一方、鞘層の比率が高くなると芯層樹脂の期待させ
る強力や剛軟度などの物性が得られないものとなる。さ
らには、芯層と鞘層の樹脂組成物の融点差は5℃以上あ
ることが必要であり、好ましくは10℃以上、より好まし
くは15℃以上の融点差である。具体的には、超低密度ポ
リエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエ
チレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ア
クリル酸エチル共重合体、無水マレイン酸変成ポリオレ
フィン、エチレン−プロピレン共重合体などが挙げられ
る。しかし、第一の複合糸条は高密度ポリエチレン、第
二の複合糸条はポリプロピレンをそれぞれの芯層に主成
分として使用されていることから、どちらの芯層とも接
着性が良好で層間剥離がなく、熱融着性の優れるものと
して、ポリエチレン系でありながらポリプロピレンとの
馴染みも良い直鎖状低密度ポリエチレンが最も好まし
い。
【0012】この直鎖状低密度ポリエチレンは、チーグ
ラー触媒等を用いる高中低圧法及びその他の方法による
エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合
体であり、具体的なα−オレフィンとしては、プロピレ
ン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキ
セン、1−オクテン、1−ドデセンなどを挙げることが
できる。そして、直鎖状低密度ポリエチレンは、密度が
0.915〜0.925g/cmで、MFRは0.3〜5g/10min.であ
るものが成形性が良好で、各々の芯層との接着性および
熱融着性に優れているため好適とされる。
【0013】前述した複合糸条の芯層や鞘層に使用する
樹脂は、各々の構成において主成分となるのであって、
改質のために他の組成物を添加、配合することもでき
る。例えば、鞘層を直鎖状低密度ポリエチレンとする場
合の芯層ポリプロピレンに対しては、界面接着性の改善
のため直鎖状低密度ポリエチレンを10〜40重量%配合さ
せたり、鞘層の直鎖状低密度ポリエチレンの熱融着性の
改善のため低融点接着性樹脂を配合することができる。
【0014】この複合糸条のうちネット地を構成する繊
維とするにおいて、プリーツによる折目が第一の複合糸
条自体に形成する方向に位置する経糸または緯糸の一方
に使用されることが肝要である。即ち、第一の複合糸条
が高密度ポリエチレンを芯層に用いることで柔軟性を有
しながら塑性変形性を保持し、これに起因する形状保持
性によりプリーツの耐久性が著しく向上したものとする
ことができ、また他方に使用する第二の複合糸条がポリ
プロピレンを芯層に用いているために適度な剛軟度と高
強力を有し、ネット地となった際に捻れを抑制して立直
性が良好となるのである。
【0015】また、複合糸条の鞘層の熱融着が後述の加
熱による目止め処理により耐久性のある目ズレ防止が可
能であることから、ネット地の構成としてそれぞれの複
合糸条が経糸または緯糸の一方の主繊維材料として、糸
重量に対して50%以上、好ましくは80%以上に用いるこ
とが好適とされる。
【0016】ここで使用されるこれら複合糸条以外の繊
維材料としては、ポリプロピレンや高密度ポリエチレン
などポリオレフィン系樹脂による糸条が、複合糸条の鞘
層との接着性において有効であるが、ポリエステル系や
ポリアミド系樹脂などの異種樹脂の合成繊維、また再生
繊維や天然繊維なども使用することができる。複合糸条
およびその他糸条の繊度は同程度の太さであることが編
織成の効率が良いことからも好適であって、通常は100
〜800drの範囲とされる。即ち、100dr未満の糸条は紡糸
および編織の工程において取扱いが悪化し、またネット
の用途として機械的強力も不充分である。一方、800dr
を超える糸条は糸幅が大きく防虫や通気を目的とする網
体として外観的に劣悪で、適度なドレープ性を失う傾向
にある点で問題となる。
【0017】これらの糸条は、用いる合成樹脂等に各種
添加剤を配合することや溶液として繊維表面に塗布する
ことができる。例えば、難燃性を付与するためにテトラ
ブロムビスフェノールA、デカブロムジフェニルオキサ
イド、オクタブロモジフェニルオキサイド、ビスジブロ
モプロピルエーテルテトラブロモビスフェノールS、ヘ
キサブロムシクロドデカン、ジブロモエチルジブロモシ
クロヘキサン、ペンタブロモジフェニルオキサイド、テ
トラブロモジフェニルオキサイド等の難燃剤および三酸
化アンチモンなどの難燃助剤を配合することや、耐候性
を付与するために2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、
2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロ
キシ-4-オクトキシベンゾフェノン、5,5′-メチレン
ビス(2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン)、
2-(2′-ヒドロキシ -5′-メチルフェニル)ベンゾ
トリアゾール、2-(2′-ヒドロキシ-5′-t-オクチル
フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-
3′,5′-ジ-t-ブチルフェニル)-5-クロロベンゾト
リアゾール、2-(2′-ヒドロキシ-3′-t-ブチル-
5′-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾー
ル、2,2′-メチレンビス(4-t-オクチル-6-ベンゾ
トリアゾル)フェノール、レゾルシノールモノベンゾエ
ート、2,4-ジ-t-ブチルフェニル-3′-5′-ジ-t-ブ
チル-4′-ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル-3-
5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート等の紫外線
吸収剤を配合することや、防黴性を付与するために、1
0,10’-オキシビスフェノキサアルシン、ジンク-2-
ピリジンチオール-1-オキサイド、N-(フルオロジク
ロロ-メチルチオ)フタリミド、N-ジメチル-N’-フェ
ニル-(N’-フルオロジクロロメチルチオ)スルファミ
ドなどの防黴剤を配合することや、遮光性を付与するた
めに着色用有機系顔料、無機系顔料などを配合すること
ができる。
【0018】次に、これら糸条からなる編織布の組織と
しては、特に限定されるものではなく、網目を有し、防
虫および通気等のネット地としての目的を達成できるも
のとして、目合いが2mm以下に設定したものが好適に使
用される。具体的に織布としてはサーキュラー型、スル
ザー型、ウオータージェット型、エアジェット型織機な
どを用いた平織、綾織、もじり織、絡み織など、編布と
しては横編み、縦編みいずれでもよく、トリコット編、
ミラニーズ編、ラッセル編等が挙げられるが、高密度な
打ち込みでの編織効率が良好で、2mm以下の均一な目合
いで美麗な外観を呈するものとして、平織り組織の織布
が最も好ましい。
【0019】このような複合糸条を含む編織布は、複合
糸条の鞘層を構成する低融点樹脂が熱処理によって融着
することで経緯の交差部が目止めされる。この熱処理
は、熱風オーブン式、熱板接触式、熱ロール式、赤外線
照射式、高周波ウエルダー式などで行われる。熱処理の
おける加熱は、複合糸条を構成する芯層成分の融点以下
(詳細には、ポリプロピレンより高密度ポリエチレンの
融点の方が低いため、高密度ポリエチレンの融点以下)
で、鞘層成分の軟化点以上の温度範囲で行われ、芯層成
分樹脂の延伸効果を損なうことなく強固な熱融着が行わ
れることが肝要である。加熱温度が芯層成分の融点に近
づくと、熱処理の際に芯層までが軟化または溶融してし
まい、熱劣化による強力低下や経緯糸の目合いの変形が
生じて均一なネット地を得難い傾向にあり、熱処理の容
易さや再現性を求めると、前述のように、融点差は少な
くとも5℃以上、好ましくは10℃以上、より好ましくは
15℃以上として選択されるものである。
【0020】目止め処理後の編織布は、第一の複合糸条
を用いる方向、つまり第一の複合糸条が折られる方向
に、通常は1〜30cm程度の範囲で一定の幅をもって蛇腹
状に折り込み、あるいは複数回を折り畳んだ状態で、ロ
ールバー等によって折目に圧力を加えて、必要により熱
セットを施すことで、折目形態を保持させてプリーツを
形成する。この熱セットの温度条件としては、先の目止
めのための熱処理温度より低い温度、具体的には5〜30
℃程度低い温度に設定する。
【0021】こうして得られるプリーツ加工を施したネ
ット地は、80℃の雰囲気下で1分間放置された後の熱収
縮率が3%未満であることが好ましい。即ち、本発明の
ネット地は、折り畳み式網戸などに使用した場合、付着
した汚れを落とすために温水による洗浄がなされること
もあり、高温条件としての80℃の雰囲気下で1分間の熱
収縮率が小さいことが要求される。つまり、3%以上の
大きな熱収縮が生じることは、ネット地端部のヨレや表
面の波打が発生して、均一なネット地としての品質低下
の原因となるし、ネット基端を網戸枠に取り付けるよう
な場合には、取付固定部分が損傷することが想定される
ので問題となる。本発明のネット地は、繊維材料として
熱延伸を施した合成樹脂糸条が主に使用されるものであ
っても、編織布となった段階で経緯交差部の目止め加工
として、一回以上の熱処理を行う必要があるために、熱
処理時の弛緩作用を利用して寸法安定性を付与すると共
に、熱収縮率を低下させることが容易にできるのであ
る。
【0022】
【実施例】複合モノフィラメントA 芯層成分として高密度ポリエチレン(MFR=1.0g/10mi
n.、密度=0.950g/cm、Tm=132℃)、鞘層成分として
直鎖状低密度ポリエチレン(MFR=3.2g/10min.、密度=
0.922g/cm、Tm=117℃)を選び、二系列の押出機にそ
れぞれ投入して溶融状態で複合ノズルから芯鞘比(芯/
鞘=7/3)で押し出したフィラメントを、冷却後に約
10倍に熱延伸し、その後に弛緩処理を施して、繊度300d
rの複合モノフィラメントAを得た。
【0023】複合モノフィラメントB 芯層成分としてポリプロピレン(MFR=5.0g/10min.、密
度=0.905g/cm、Tm=168℃)100重量部に対して直鎖
状低密度ポリエチレン(MFR=3.2g/10min.、密度=0.92
2g/cm、Tm=117℃)30重量部を配合した組成物を選
び、鞘層成分として直鎖状低密度ポリエチレン(MFR=
3.2g/10min.、密度=0.922g/cm、Tm=117℃)100重量
部に対してエチレン−プロピレン共重合体(MFR=16.5g
/10min.、密度=0.905g/cm、Tm=128℃)20重量部を
配合した組成物を選び、二系列の押出機にそれぞれ投入
して溶融状態で複合ノズルから芯鞘比(芯/鞘=7/
3)で押し出したフィラメントを、冷却後に約10倍に熱
延伸し、その後に弛緩処理を施して、繊度300drの複合
モノフィラメントBを得た。
【0024】単層モノフィラメントC 高密度ポリエチレン(MFR=1.0g/10min.、密度=0.950g
/cm、Tm=132℃)の樹脂原料に対して、紫外線吸収剤
として2,4-ジヒドロキシベンゾフェノンを配合した樹
脂組成物を用い、この樹脂組成物を押出機に投入して溶
融状態でノズルから押し出したフィラメントを、冷却後
に約10倍に熱延伸し、その後に弛緩処理を施して、繊度
300drの単層モノフィラメントCを得た。
【0025】単層モノフィラメントD ポリプロピレン(MFR=5.0g/10min.、密度=0.905g/cm
、Tm=168℃)の樹脂原料に対して、難燃剤としてビ
スジブロモプロピルエーテルテトラブロモビスフェノー
ルSおよび難燃助剤としての三酸化アンチモンを配合し
た樹脂組成物を用い、この樹脂組成物を押出機に投入し
て溶融状態でノズルから押し出したフィラメントを、冷
却後に約10倍に熱延伸し、その後に弛緩処理を施して、
繊度300drの単層モノフィラメントDを得た。
【0026】実施例および参考例 経糸として複合モノフィラメントAおよび単層モノフィ
ラメントCを適宜の割合で、緯糸として複合モノフィラ
メントBおよび単層モノフィラメントDを適宜の割合で
用いるものとし、スルザー型織機によって打込密度25×
25本/インチの平織り組織で織成した。この織布を熱板によ
って120℃の熱処理を施して経緯交差部の目止めを行っ
た後、経糸が折り畳む方向に幅5cmのプリーツを全面に
施すと共に、プリーツによる折目を105℃で熱セットし
てネット地を得た。
【0027】比較例1 ポリエステル系樹脂から紡糸した繊度300drの単層モノ
フィラメントを経緯糸に用いた打込密度22×24本/インチの
平織り織布に対して、表面にアクリル系接着剤を塗布、
乾燥して経緯交差部の目止めを行った後、実施例と同様
にプリーツを施し、プリーツによる折り目を120℃で熱
セットして、比較例1のネット地を得た。
【0028】比較例2 芯層にポリエチレンテレフタレート(Tm=255℃)、鞘
層にイソフタル酸共重合ポリエステル(Tm=200℃)を
用いた繊度300drのポリエステル複合モノフィラメント
を経緯糸に用い、打込密度25×25本/インチの平織り組織で
織成した。この織布を熱板によって210℃の熱処理を施
して経緯交差部の目止めを行った後、幅5cmのプリーツ
を全面に施すと共に、プリーツによる折目を120℃で熱
セットして、比較例2のネット地を得た。
【0029】評価 実施例および比較例のネット地を高さ240cm、幅90cmの
折り畳み式網戸に取り付け、3万回の開閉した後の状態
として、プリーツ部分の破損および形態保持性について
評価した。表1および表2に結果をまとめて示す。表中
の評価項目において、次の評価基準に準じるものとす
る。
【0030】プリーツの破損 ◎:折目の摩耗や破損が認められず、目ズレが生じてい
ないもの。 ○:折目の摩耗や破損は認められないものの、部分的に
目ズレが生じているが、実使用に問題ないと判断できる
もの。 ×:多くの摩耗や破損が認められる、あるいは目ズレが
多く、品質上問題となると判断できるもの。
【0031】形態保持性 ◎:プリーツの折角が60度以下で、形態が良好に保持さ
れているもの。 ○:プリーツの折角が60〜90度で、実使用に問題のない
範囲で形態が保持されているもの。 ×:プリーツの折角が90度を超えて広がり、折目が明ら
かに復元しているもの。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【発明の効果】本発明のネット地は、高融点成分と低融
点成分とからなる複合糸条を含んだ編織布であること
で、経緯交差部が低融点成分の熱融着によって目止めが
なされていることで、バインダー加工等を必要とせず、
目ズレや解れのない安定した目合いを形成することがで
きる。そして、編織布を構成する複合糸条のうち、芯層
に高密度ポリエチレンを用いた糸条を折り畳むべく多数
のプリーツを形成すれば、高密度ポリエチレン繊維の特
徴として柔軟性を有しながら塑性変形性を保持し、これ
に起因する形状保持性によりプリーツの耐久性が著しく
向上したものとできる。また他方に使用する芯層にポリ
プロピレンを用いた繊維は適度な剛軟度と高強力を有
し、ネット地となった際に捻れを抑制して立直性が良好
となる。そして本発明のネット地は、製造過程において
目止め加工やプリーツの熱セットなどの熱処理が加わる
ことで、合成繊維材料に対して熱弛緩として作用し、ネ
ット地としての熱収縮が少なくなることで、洗浄作業が
容易で耐久性に優れたものとなる。軽量で防汚性に優
れ、さらには使用後の廃棄処分の容易なプリーツネット
地となるのである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高融点成分の芯層と低融点成分の鞘層に
    より構成される複合糸条において、芯層が高密度ポリエ
    チレンを主成分とする第一の複合糸条、および芯層がポ
    リプロピレンを主成分とする第二の複合糸条によって、
    各々経緯糸の一方の主繊維材料として使用した編織布で
    あって、経緯交差部が経糸および/または緯糸の鞘層樹
    脂による熱融着によって目止めがなされ、かつ編織布が
    第一の複合糸条を折り畳む方向に多数のプリーツを施し
    たことを特徴するプリーツネット地。
  2. 【請求項2】 第一の複合糸条および第二の複合糸条の
    鞘層が、共に直鎖状低密度ポリエチレンを主成分とする
    ことを特徴とする請求項1に記載のプリーツネット地。
  3. 【請求項3】 繊度100〜800drの糸条が10〜50本/イン
    チの密度で編織成され、かつ目合いが2mm以下の編織布
    であることを特徴とする請求項1および請求項2に記載
    のプリーツネット地。
  4. 【請求項4】 編織布が、80℃の雰囲気下で1分間放置
    された後の熱収縮率が3%未満であることを特徴する請
    求項1乃至請求項3に記載のプリーツネット地。
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