JP3197863B2 - 建築工事用ポリプロピレンメッシュシート - Google Patents

建築工事用ポリプロピレンメッシュシート

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JP3197863B2
JP3197863B2 JP00740798A JP740798A JP3197863B2 JP 3197863 B2 JP3197863 B2 JP 3197863B2 JP 00740798 A JP00740798 A JP 00740798A JP 740798 A JP740798 A JP 740798A JP 3197863 B2 JP3197863 B2 JP 3197863B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリプロピレン系
樹脂からなる建築工事用メッシュシートに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】建築工事用メッシュシートは、ビル、家
屋建設等の建築工事現場において、工事現場からボルト
その他の工事用資材が落下するのを防止して通行人の安
全を確保するために足場など仮設構造物の外側面に取り
付けられるシート体である。これらは通常易燃性である
熱可塑性樹脂製のシートが多用されており、溶接の火花
等により燃え広がる危険性がある。そのために、JIS
A8952「建築工事用シート」の付属書表1に防炎性
規格が規定されており、これに合格するように種々の難
燃化処理が施されているのが通例である。
【0003】具体的には、建築工事用メッシュシートは
ポリエステルやナイロンなどのフィラメント糸を用いた
織編布にポリ塩化ビニル系樹脂を積層して目止めされた
メッシュ体が多く用いられている。その利点は、織編布
の強力が十分であるうえに柔軟性があり、ポリ塩化ビニ
ル系樹脂により防炎性が付与されているものであるが、
欠点として、積層されるポリ塩化ビニル系樹脂は可塑剤
がブリードすることによる汚れや臭い等の問題があり、
また比較的重量があるため高所における展張作業に労力
を必要とし、さらに廃棄処理での焼却時に有毒ガスが発
生するなど取扱いが困難であった。また、ポリ塩化ビニ
ル系樹脂は低温時に硬化し取扱いが困難であるとともに
脆くなり強力が低下するという問題もあった。
【0004】このような問題を解決するために、近年、
フィラメント成形性にすぐれ、有毒ガスの発生の恐れの
ないポリオレフィンフィラメントからなるメッシュシー
トが用いられ、特に機械的特性のすぐれたポリプロピレ
ンモノフィラメントが多用されている。しかしながら、
織編布の経緯糸としてポリプロピレンモノフィラメント
を使用したものは、ポリプロピレンの有する剛性のため
に柔軟性が劣り、折畳みも困難であり工事現場の展張作
業等において取扱い性がよくないという不都合があっ
た。
【0005】そこで出願人は、特願平9−259829
号において、ポリプロピレンマルチフィラメントと複合
ポリプロピレンモノフィラメントを交織してメッシュシ
ートを形成し、経緯糸の交点をポリプロピレン低融点成
分により溶着して目止め加工した柔軟性があり、折畳み
性にすぐれた建築工事用ポリプロピレンメッシュシート
を提案している。しかしながら、経緯糸の交点を溶着し
て目止め加工を施す際に、熱劣化により強力が低下する
という問題があり、さらなる改良が要望されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
み、低温接着性にすぐれるため目止め加工時に熱劣化を
生じることなく高強力を保持し、かつ柔軟性、折畳み性
にすぐれ、難燃性を有する建築工事用ポリプロピレンメ
ッシュシートを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を考慮
して、ポリプロピレンマルチフィラメントと芯鞘型複合
ポリプロピレンモノフィラメントとを経糸および/また
は緯糸に用いて織編成されたメッシュシートであって、
前記複合ポリプロピレンモノフィラメントの鞘層は下記
A)〜C)を含むポリプロピレン系樹脂組成物からなる
ことを特徴とする建築工事用ポリプロピレンメッシュシ
ートを提供して、上記課題を解消するものである。 A)ポリプロピレン系樹脂 50〜90重量% B)ビカット軟化点が100℃未満の軟質プロピレン系
重合体 10〜50重量% C)難燃剤 1〜20重量% (ただし、A)+B)+C)=100重量%)
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において、ポリプロピレン
マルチフィラメントに用いられるポリプロピレンとは、
プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンブロック
共重合体あるいはランダム共重合体などの公知のポリプ
ロピレン共重合体またはそれらの混合物であって、これ
らの内でも高強力を得られるマルチフィラメント用とし
てはプロピレン単独重合体が望ましく、特にアイソタク
チックペンタッド率0.95以上のものが好適に採用さ
れる。このポリプロピレンのメルトフロレート(以下、
MFRと略す)は、5〜50g/10min.が好まし
く、10〜30g/10min.がさらに好ましい。
【0009】ポリプロピレンマルチフィラメントの製造
方法としては、特に限定されるものではなく公知のマル
チフィラメントの製造方法が採用される。ポリプロピレ
ンマルチフィラメントの繊度は100〜5000デニー
ル(以下、dと称す)が好ましく、500〜3000d
がより好ましい。
【0010】次に、複合ポリプロピレンモノフィラメン
トは、ポリプロピレンからなる芯層と、A)ポリプロピ
レン系樹脂、B)ビカット軟化点が100℃未満の軟質
プロピレン系重合体、C)難燃剤を含むポリプロピレン
系樹脂組成物からなる鞘層とから構成される芯鞘型複合
モノフィラメントである。
【0011】芯層に用いられるポリプロピレンとして
は、延伸効果があり高強力の得られるプロピレン単独重
合体が好ましく、特にアイソタクチックペンタッド率
0.95以上のものが好適に採用される。このポリプロ
ピレンのMFRは、0.1〜10g/10min.が好ま
しく、0.5〜5g/10min.がさらに好ましい。M
FRが0.1g/10min.未満では、鞘層の軟質プロ
ピレン系重合体との流動性の差が大きくなりモノフィラ
メントの加工性が悪化する。また、MFRが10g/1
0min.を超えるとモノフィラメントとして強度が低
下する。
【0012】また、鞘層に用いられるA)成分のポリプ
ロピレン系樹脂としては、とくに限定されるものではな
いが、芯層に使用されるポリプロピレンとは融点差が好
ましくは10℃以上、さらに好ましくは20℃以上ある
ものが好適に用いられ、具体的には、プロピレン−エチ
レンブロック共重合体あるいはランダム共重合体、また
はシンジオタクチックポリプロピレンなどが挙げられ
る。これらのポリプロピレン系樹脂は単独または2種以
上を組合わせて用いても差し支えない。これらのうちで
はプロピレン−エチレンランダム共重合体が好ましい。
これらポリプロピレン系樹脂のMFRは1〜30g/1
0min.が好ましく、5〜20g/10min.がさら
に好ましい。
【0013】上記B)成分のビカット軟化点が100℃
未満の軟質プロピレン系重合体としては、a)80より
大きいアイソタクチック指数を有する結晶性プロピレン
系重合体10〜50重量部、b)室温のキシレンに不溶
性のエチレン含有共重合体5〜20重量部およびc)エ
チレンとα−オレフィンと場合によって小割合のジエン
との共重合体(該共重合体はエチレン40重量%未満を
含有し、室温のキシレンに可溶性である)40〜80重
量部を含み、(b)成分と(c)成分との和の重量%が
50%〜90%であり且つ(b)/(c)の重量比は
0.4未満であるプロピレン系重合体組成物であるのが
好ましい。
【0014】プロピレン系重合体組成物中で、a)成分
の結晶性プロピレン系重合体としてはプロピレンの単独
重合体又はプロピレンとエチレン又はプロピレン以外の
α−オレフィン(特に炭素数4〜10のものが好まし
い)との共重合体でプロピレン含有量がモノマー換算で
85重量%以上のものが挙げられる。c)成分の共重合
体を構成するα−オレフィンとしても上記と同様の炭素
数4〜10のものが好ましい。
【0015】このプロピレン系重合体組成物は、特開平
6−25367号公報、特開平6−25439号公報な
どに記載されている方法により、エチレン、プロピレン
および必要に応じてジエンを多段重合により共重合させ
て得ることができる。
【0016】また、その他の軟質プロピレン系重合体と
しては、プロピレンと炭素数2〜8のα−オレフィンを
ランダム共重合させたものであって、特にプロピレン2
0〜35モル%およびエチレン65〜80モル%の共重
合体、あるいは同共重合体にジエン0.1〜20モル%
を含有するエチレン−プロピレン−ジエン共重合体であ
るエチレン−プロピレン共重合体ゴムが好適に用いられ
る。エチレン−プロピレン共重合体ゴムは、密度0.8
5〜0.90g/cm3で低結晶性ないし非結晶性重合体
である。
【0017】これらの軟質プロピレン系重合体は、ビカ
ット軟化点が100℃未満であること、特に80℃未満
であることが好ましい。ビカット軟化点が100℃以上
では得られる建築工事用ポリプロピレンメッシュシート
の低温接着性が不十分で、十分な改良効果が得られな
い。
【0018】上記C)成分である難燃剤は、ハロゲン
系、リン系、無機系等公知の難燃剤が用いられるが、高
温での加工性、難燃効果に優れ、低廉であるものとして
ハロゲン系難燃剤が好ましく、とりわけ臭素系難燃剤が
好ましい。
【0019】臭素系難燃剤としては、テトラブロムビス
フェノールA、デカブロムジフェニルオキサイド、オク
タブロモジフェニルオキサイド、ビスジブロモプロピル
エーテルテトラブロモビスフェノールS等の芳香族系臭
素系難燃剤、ヘキサブロムシクロドデカン、ジブロモエ
チルジブロモシクロヘキサン等の脂環族系臭素系難燃
剤、ペンタブロモジフェニルオキサイド、テトラブロモ
ジフェニルオキサイド等の液状臭素系難燃剤等が挙げら
れる。これらは単独或いは2種以上の混合物としても用
いられる。
【0020】上記臭素系難燃剤にたいして、難燃助剤と
して三酸化アンチモンを併用するのが難燃化効果を向上
させる点で好ましい。臭素系難燃剤と三酸化アンチモン
の配合比は特に限定されるものではないが、2:1〜
3:1が好ましい。
【0021】上記臭素系難燃剤および難燃助剤の配合割
合は、メッシュシート総重量に対して0.1〜10重量
%となるように配合されていることが好ましく、0.3
〜2重量%がさらに好ましい。配合割合が0.1重量%
未満では難燃性が不十分となり、10重量%を超えると
難燃性の効果はそれ以上向上せず経済的でない。具体的
な配合方法としては、鞘層成分に対して1〜20重量
%、好ましくは3〜10重量%とすればよい。
【0022】このような構成からなる鞘層に用いられる
ポリプロピレン系樹脂組成物であるが、そのMFRは1
〜30g/10min.、好ましくは5〜20g/10
min.の範囲から選択するのがよい。MFRが1g/
10min.未満では流動性が悪くなり、30g/10
min.を越えると引張強度などの機械的性質の低下が
起こり望ましくない。
【0023】上記複合ポリプロピレンモノフィラメント
における芯層/鞘層の構成比は、50/50〜90/1
0が好ましく、60/40〜80/20がより好まし
い。
【0024】複合ポリプロピレンモノフィラメントの製
造方法は特に限定されるものではなく、芯層を形成する
ポリプロピレンおよび鞘層を形成するポリプロピレン系
樹脂組成物を押出機で溶融混練し、公知の2層の吐出孔
が同心円状に設けられたダイスの中心吐出孔から芯層を
供給し、その外面に鞘層を押出して被覆し、延伸処理等
を施して複合ポリプロピレンモノフィラメントを得るも
のである。延伸は90〜140℃で、ポリプロピレンの
融点より5℃低い温度以下で行われる。ついで、100
〜150℃でアニーリング処理を施される。延伸倍率は
好ましくは5〜15倍、より好ましくは8〜12倍であ
る。
【0025】形成される複合ポリプロピレンモノフィラ
メントの繊度は300〜1000dが好ましく、400
〜700dがさらに好ましい。繊度が300d未満では
強力が劣り、1000dを超えると柔軟性が低下し好ま
しくない。複合ポリプロピレンモノフィラメントの引張
強度は5g/d以上が好ましく、6g/d以上がさらに
好ましい。また、引張伸度は20%以上が好ましく、2
5%以上がさらに好ましい。引張強度、引張伸度が上記
範囲を外れると建築工事用ポリプロピレンメッシュシー
トとしての強力が不充分となり好ましくない。
【0026】前記方法で形成されたポリプロピレンマル
チフィラメント(X)と複合ポリプロピレンモノフィラ
メント(Y)とを経糸および/または緯糸に用いて織編
成されメッシュシートが形成される。すなわち、(X)
および(Y)の一方または両方を経糸もしくは緯糸のい
ずれか一方または両方に用いて交織し、具体的には、経
糸および緯糸が、(X)および(Y)、(X)および
(X)+(Y)、(X)および(X)+(Y)、(X)
+(Y)および(X)+(Y)の組み合わせからなる織
編布である。図1は(X)および(Y)の一例を示して
おり、図2は(X)+(Y)および(X)+(Y)の他
の例を示している。ここで、総経緯糸における(X)/
(Y)の重量構成割合は好ましくは70/30〜30/
70、より好ましくは60/40〜40/60である。
ポリプロピレンマルチフィラメント(X)が30%未満
では建築工事用ポリプロピレンメッシュシートの柔軟性
が劣り、70%を超えると複合ポリプロピレンモノフィ
ラメント(Y)により付与された難燃性、目止め加工性
が不十分となり、いずれも好ましくない。
【0027】メッシュ体の織編組織はとくに限定される
ものではなく、粗目を有し、通気性を有するものであれ
ばよい。具体的に織布としては平織、もじり織、からみ
織等の種々の織布が挙げられ、編布としては、横編み、
縦編みいずれでもよく、具体的にはトリコット編、ミラ
ニーズ編、ラッセル編等が挙げられる。そして、建築工
事用メッシュシートとしては目あき状態を示す空隙率が
好ましくは20〜80%、さらに好ましくは30〜70
%であり、日本工業規格JISA8952で網目寸法が
12mm以下となっており、目的や用途により選定され
る。また、目付け量は、好ましくは80〜400g/m
2、さらに好ましくは100〜250g/m2である。
【0028】ここで、メッシュ体の経緯糸交点は、複合
ポリプロピレンモノフィラメントの鞘層を構成するポリ
プロピレン系樹脂組成物が溶着することにより目止め加
工されるのが好ましい。目止め加工とは、熱板接触式、
熱ロール式、赤外線照射式、高周波ウエルダー式、熱風
テンター式などの公知の方法を採用してメッシュ基材に
熱処理を施して行われる。熱処理はポリプロピレンマル
チフィラメントおよび複合モノフィラメントの芯層を構
成するポリプロピレンの融点以下で、複合モノフィラメ
ントの鞘層を構成するポリプロピレン系樹脂組成物の軟
化点以上の温度範囲で行われ、ポリプロピレンの延伸効
果を損なうことなく強固な溶着が行われることが肝要で
ある。
【0029】このメッシュ体は、所定寸法に裁断され、
周縁の折り返し加工や鳩目を打設するなどによって、本
発明の建築工事用ポリプロピレンメッシュシートとな
る。得られるメッシュシートは、JISA8952に規
定する防炎性規格に合格する性能を有しているものが好
ましい。
【0030】本発明において、前記ポリプロピレンマル
チフィラメントおよび複合ポリプロピレンモノフィラメ
ントに併用して、ポリプロピレンフラットヤーン、多層
型複合ポリプロピレンフラットヤーン、ポリプロピレン
スプリットヤーン、多層型複合ポリプロピレンスプリッ
トヤーン、ポリプロピレンモノフィラメント、芯鞘型複
合ポリプロピレンマルチフィラメントなどの種々のフィ
ラメントを本発明の趣旨を逸脱しない範囲で使用し、交
織することができる。
【0031】本発明に用いられるポリプロピレンおよび
ポリプロピレン系樹脂組成物には、本発明の趣旨を逸脱
しない範囲において他の熱可塑性樹脂、あるいは酸化防
止剤、紫外線吸収剤、分散剤、滑剤、帯電防止剤、顔
料、無機充填剤、無機難燃剤、架橋剤、発泡剤、核剤等
の通常用いられる添加剤を配合してもよい。
【0032】
【実施例】試験方法 1.ビカット軟化点:JISK6758準拠 2.難燃性試験:JISA8952準拠
【0033】実施例1:ポリプロピレン(MFR=20
g/10min.、密度=0.90g/cm3、Tm=1
58.0℃)を用いて、総繊度680d/120fのマ
ルチフィラメントを形成した。
【0034】ついで、複合ポリプロピレンモノフィラメ
ントを以下のように形成した。芯層には、ポリプロピレ
ン(MFR=3.4g/10min.、密度=0.90g
/cm3、Tm=161.0℃)92重量%、難燃剤等含
有マスターバッチ7重量%、緑色顔料1重量%を配合し
た樹脂組成物を用いた。鞘層用軟質プロピレン系重合体
をプロピレンとエチレンとの二段重合法により製造し
た。生成重合体組成物の第一段生成物はエチレン含有量
3.0重量%、キシレン可溶分(SA)9.4重量%、で
あり、第二段生成物は二元共重合体(b+c)(全体の
70重量%)であり、キシレン可溶分(SF)63.4重
量%、成分b)9.45重量%、成分c)60.55重量
%であった。鞘層には、プロピレン−エチレンランダム
共重合体(MFR=16.5g/10min.、密度=
0.90g/cm3、Tm=128.4℃)65重量%
と、上記軟質プロピレン系重合体(MFR=10g/1
0min.、密度=0.89g/cm3 、ビカット軟化点
が68℃)30重量%、難燃剤等含有マスターバッチ5
重量%のポリプロピレン系樹脂組成物100重量部に対
して、紫外線吸収剤として(2′-ヒドロキシ-3´ター
シャリブチル-5´-メチルフェニル)5クロロベンゾト
リアゾール(商品名:チヌビン326)0.5重量部、
酸吸着剤としてハイドロタルサイト(商品名:DHT−
4A)1重量部、シアニングリーン顔料1重量部を配合
して用いた。難燃剤等含有マスターバッチは、プロピレ
ン−エチレンランダム共重合体60重量%に対して臭素
系難燃剤として、ビスジブロモプロピルエーテルテトラ
ブロモビスフェノールS15重量%、デカブロムジフェ
ニルオキサイド15重量%、三酸化アンチモン10重量
%を配合したものである。
【0035】複合ポリプロピレンモノフィラメントは、
押出機2機に連結された2層の吐出孔が同心円状に設け
られたモノフィラメント成形ダイスから芯層および鞘層
用の樹脂組成物を押出し、延伸温度130℃、延伸倍率
8.5倍で延伸し、処理温度140℃でアニーリングを
施し複合ポリプロピレンモノフィラメントを形成した。
得られた複合ポリプロピレンモノフィラメントの繊度
は、芯層/鞘層が320d/140dで、総繊度が46
0dであった。
【0036】こうして得られたポリプロピレンマルチフ
ィラメントを緯糸に、複合ポリプロピレンモノフィラメ
ントを経糸に用いて、経30本/インチ、緯16本/イ
ンチの平織のメッシュシートを織編成した。シートの目
付け量は約110g/m2、メッシュシート空隙率は3
5%であった。このメッシュシートを熱風テンター式の
加熱工程により135℃で経緯糸の交点を融着して目止
め加工を施し、周縁を加工して1.8×5.1mの建築工
事用ポリプロピレンメッシュシートを得た。
【0037】複合ポリプロピレンモノフィラメントの延
伸性は良好で、8.5倍の延伸が可能で高強力が得られ
た。メッシュシートの引張最大点荷重は、経方向74.
2kgf/3cm、緯方向70.6kgf/3cm、最
大伸度は、経方向23.2%、緯方向35.6%であっ
た。この値は、JISL1091の建築工事用シート2
類規格に合格するものである。得られたメッシュシート
は経方向に折畳み可能な柔軟性を有しており、取扱性は
良好であった。難燃性試験では接炎回数は5回で、JI
SA8952の防炎性規格に合格している。またウエザ
オメーター200時間、400時間照射後の引張残存強
度は84.6%、60.5%で耐候性は良好であった。
【0038】実施例2:鞘層には、プロピレン−エチレ
ンランダム共重合体(MFR=16.5g/10mi
n.、密度=0.90g/cm3、Tm=128.4℃)6
5重量%と、エチレン−プロピレン共重合体ゴム(MF
R=18.0g/10min.、ビカット軟化点60℃)
30重量%、難燃剤等含有マスターバッチ5重量%のポ
リプロピレン系樹脂組成物100重量部に対して、紫外
線吸収剤として(2′-ヒドロキシ-3´ターシャリブチ
ル-5´-メチルフェニル)5クロロベンゾトリアゾール
(商品名:チヌビン326)0.5重量部、酸吸着剤と
してハイドロタルサイト(商品名:DHT−4A)1重
量部、シアニングリーン顔料1重量部を配合して得たポ
リプロピレン系樹脂組成物を用いた他は実施例1と同様
に行った。
【0039】複合ポリプロピレンモノフィラメントの延
伸性は良好で、8.5倍の延伸が可能で高強力が得られ
た。得られたメッシュシートの引張最大点荷重は、経方
向72.2kgf/3cm、緯方向70.6kgf/3c
m、最大伸度は、経方向22.3%、緯方向35.6%で
あった。この値は、JISL1091の建築工事用シー
ト2類規格に合格するものである。このメッシュシート
を熱風テンター式の加熱工程により140℃で経緯糸の
交点を融着して目止め加工を施した。このメッシュシー
トは経方向に折畳み可能な柔軟性を有しており、取扱性
は良好であった。難燃性試験では接炎回数は5回で、J
ISA8952の防炎性規格に合格している。またウエ
ザオメーター200時間、400時間照射後の引張残存
強度は83.4%、59.6%で耐候性は良好であった。
【0040】比較例1:複合ポリプロピレンモノフィラ
メントを形成する際に、鞘層用として、プロピレン−エ
チレンランダム共重合体(MFR=16.5g/10m
in.、密度=0.90g/cm3、Tm=128.4℃)
95重量%、実施例1で用いた難燃剤4重量%、光安定
剤1重量%からなる樹脂組成物を用いた他は実施例1と
同様に行った。実施例1と同程度の目止め加工温度は1
45℃であった。
【0041】複合ポリプロピレンモノフィラメントの延
伸性は不十分で延伸倍率は7倍が限度であった。メッシ
ュシートの引張最大点荷重は、経方向60.4kgf/
3cm、緯方向68.4kgf/3cm、最大伸度は、
経方向22.8%、緯方向34.5%であった。この値
は、JISL1091の建築工事用シート2類規格に合
格するもののやや不十分である。
【0042】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の建築
工事用ポリプロピレンメッシュシートは、ポリプロピレ
ンマルチフィラメントと複合ポリプロピレンモノフィラ
メントの組合せからなり、複合ポリプロピレンモノフィ
ラメントの鞘層に特定の軟質プロピレン系重合体を含有
する樹脂組成物を用いることにより、低温接着性が向上
し、例えば接着開始温度が5〜10℃低下し、生産性良
く良好な目止め加工を施すことができる。また、目止め
加工時の熱劣化もなく、延伸効果による高強力を保持す
ることが可能であった。さらに、従来から用いられる塩
化ビニル樹脂被覆タイプに比較して耐寒性や防汚性も良
好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の建築工事用ポリプロピレンメッシュシ
ートの一実施例を示す平面図である。
【図2】本発明の建築工事用ポリプロピレンメッシュシ
ートの他の一実施例を示す平面図である。
【符号の説明】
X ポリプロピレンマルチフィラメント Y 複合ポリプロピレンモノフィラメント
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI D03D 9/00 D03D 9/00 E04G 21/32 E04G 21/32 B (56)参考文献 特開 平11−101000(JP,A) 特開 平4−281040(JP,A) 特開 平10−130991(JP,A) 特開 平11−200179(JP,A) 特開 平5−141099(JP,A) 特開 昭60−215834(JP,A) 実開 平1−78190(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D03D 1/00 - 27/18 B32B 1/00 - 35/00 C08K 3/00 - 13/08 C08L 1/00 - 101/16 D01F 8/00 - 8/18 E04G 21/32

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレンマルチフィラメントと芯
    鞘型複合ポリプロピレンモノフィラメントとを経糸およ
    び/または緯糸に用いて織編成されたメッシュ体であっ
    て、前記複合ポリプロピレンモノフィラメントの鞘層
    は、下記A)〜C)を含むポリプロピレン系樹脂組成物
    からなることを特徴とする建築工事用ポリプロピレンメ
    ッシュシート。 A)ポリプロピレン系樹脂 50〜90重量% B)ビカット軟化点が100℃未満の軟質プロピレン系
    重合体 10〜50重量% C)難燃剤 1〜20重量% (ただし、A)+B)+C)=100重量%)
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