JP2023003868A - 積層シート - Google Patents

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Shigeto Oto
正樹 太田
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Abstract

【課題】厚さが薄い場合であっても、透過領域の光透過性が優れ、光源の非点灯時には透過領域の隠蔽性が優れる積層シートを提供する。【解決手段】積層シート1は、基材層2と、着色層3と、遮光層4とを備える積層シートであり、着色層3はバインダー成分および染料を含有し、着色層3の厚さは0.01~0.1mmであり、積層シート1の厚さ方向に可視光を透過する透過領域R1と可視光を遮蔽する遮光領域R2とを有し、積層シート1の透過領域R1における全光線透過率は0.01~30%である。【選択図】図1

Description

本開示は、積層シートに関する。より詳細には、本開示は、厚さ方向に可視光を透過する透過領域と可視光を遮蔽する遮光領域とを有する積層シートに関する。
近年、自動車等の車両内などにおいて、温度、時間、車速などの情報を光により表示させる光表示部材は、その性能向上の観点から開発が進められている。光表示部材は、例えば、視認する側に対して裏側に光源を配置して使用される。このような光表示部材は、光源の点灯時には情報を適切に表示し、情報がクリアに視認することができるように、光を透過する領域(透過領域)において光透過性に優れることが求められる。一方で、光源の非点灯時には情報が表示されていないことがわかりやすいように、非点灯時において上記透過領域は隠蔽性に優れることが求められる。
上記光表示部材としては、例えば、特許文献1や2に開示の積層体が知られている。
特開2020-55151号公報 特開2020-192701号公報
しかしながら、特許文献1に開示の積層体は、非点灯時における上記透過領域の隠蔽性が不充分であった。また、特許文献2に開示の積層体は、心地よい触感をもたせるために発泡体を使用しているが、非点灯時の隠蔽性を確保するために所定の厚さが必要であった。このため、上記透過領域は、厚さが薄い場合であっても、光透過性に優れ、光源の非点灯時には隠蔽性に優れる積層体が求められている。
本開示は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、厚さが薄い場合であっても、透過領域の光透過性が優れ、光源の非点灯時には透過領域の隠蔽性が優れる積層シートを提供することにある。
本開示の発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、基材層と、着色層と、遮光層とを備える積層シートであり、上記着色層はバインダー成分および染料を含有し、上記着色層の厚さが特定の範囲内であり、透過領域における全光線透過率が特定の範囲内である積層シートによれば、厚さが薄い場合であっても、透過領域の光透過性が優れ、光源の非点灯時には透過領域の隠蔽性が優れることを見出した。本開示は、これらの知見に基づいて完成されたものに関する。
すなわち、本開示は、基材層と、着色層と、遮光層とを備える積層シートであり、
着色層はバインダー成分および染料を含有し、
着色層の厚さは0.01~0.1mmであり、
積層シートの厚さ方向に可視光を透過する透過領域と可視光を遮蔽する遮光領域とを有し、
積層シートの上記透過領域における全光線透過率は0.01~30%である、積層シートを提供する。
上記着色層中の上記染料の含有量は、上記バインダー成分の総量100質量部に対して0.2~20質量部であることが好ましい。
上記遮光層は上記基材層の少なくとも一方の面に部分的に設けられていることが好ましい。
上記遮光層は、上記基材層および上記着色層の間に設けられていることが好ましい。
上記積層シートの上記遮光領域における全光線透過率は、上記透過領域における全光線透過率よりも低く、且つ0.5%以下であることが好ましい。
上記着色層の全光線透過率は0.02~30%であることが好ましい。
上記基材層の全光線透過率は0.02%以上であることが好ましい。
上記着色層は表皮層であることが好ましい。
上記着色層は上記バインダー成分としてポリウレタン系樹脂を含有することが好ましい。
本開示の積層シートは、厚さが薄い場合であっても、透過領域の光透過性が優れ、光源の非点灯時には透過領域の隠蔽性が優れる。このため、光源の点灯時には情報がクリアに視認することができ、非点灯時には情報が表示されていないことがわかりやすい。
本開示の積層シートの一実施形態を示す概略図(正面断面図)である。 本開示の積層シートの他の一実施形態を示す概略図(正面断面図)である。
[積層シート]
本開示の積層シートは、基材層と、着色層と、遮光層とを少なくとも備える。上記積層シートは、上記積層シートの厚さ方向に可視光を透過する透過領域と可視光を遮蔽する遮光領域とを有する。上記透過領域および遮光領域は、基材層および着色層を光透過性の層とし、上記遮光層を平面方向に部分的に形成することにより設けることができる。例えば、上記遮光層を有する領域は遮光領域となり、上記遮光層を有しない領域は透過領域となる。上記基材層、上記着色層、および上記遮光層は、それぞれ、単層であってもよいし、複層であってもよい。
上記積層シートの一実施形態を図1に示す。図1に示す積層シート1は、基材層2と、着色層3と、基材層2および着色層3の間に形成された遮光層4とを備える。遮光層4は、基材層2の一方の面に、平面方向に部分的に形成されている。着色層3は、基材層2の一方の面に、全面に亘って形成されている。なお、遮光層4は、基材層2および着色層3の間以外に位置していてもよく、基材層2の裏側(着色層3とは反対側)に設けられていてもよい。
積層シート1は、厚さ方向に可視光を透過する領域である透過領域R1と、可視光を遮蔽する領域である遮光領域R2とを有する。透過領域R1は厚さ方向に遮光層4等の可視光を遮蔽する層を設けないことにより形成されている。遮光領域R2は厚さ方向に遮光層4等の可視光を遮蔽する層を設けることにより形成されている。積層シート1は、積層シート1の基材層2側に光源を配置して使用される。光源の非点灯時には、透過領域R1の隠蔽性に優れ、積層シート1の設置状態において基材層2側から侵入し得るわずかな可視光や反射光が透過領域R1を通過しても着色層3側から透過領域R1と遮光領域R2との境界を視認することが困難である。一方、光源を点灯した際には光源が発する可視光が透過領域R1を通過して着色層3側から透過領域R1と遮光領域R2との境界を鮮明に視認することができる。
上記積層シートは、上記の各層以外のその他の層を備えていてもよい。上記その他の層としては、接着層、可視光を透過する光透過着色層、表面保護層などが挙げられる。上記接着層は、基材層と遮光層の間、基材層と着色層の間、着色層と遮光層の間、基材層の裏側など、適宜の位置に設けてもよい。上記のその他の層は、それぞれ、単層であってもよいし、複層であってもよい。
上記光透過着色層は、上記着色層とは異なる層であり、上記透過領域に形成することにより、透過領域に情報、デザイン等の意匠性を付与することができる層である。光透過着色層を備える場合の積層シートの一実施形態を図2に示す。図2に示す積層シート1は、図1に示す積層シート1と同様に、基材層2および着色層3の間に部分的に遮光層4が形成されている。そして、基材層2および着色層3の間の、遮光層4が形成されていない領域(透過領域R1)の少なくとも一部に、光透過着色層5が設けられている。このような構成の積層シート1は、透過領域において光透過着色層により付与されたデザインを視認することができる。なお、光透過着色層5は、基材層2および着色層3の間以外に位置していてもよく、基材層2の裏側(着色層3とは反対側)や着色層3の表側(基材層2とは反対側)に設けられていてもよい。また、光透過着色層5は、図2に示すような積層シート1のように、厚さ方向において遮光層4と同じ階層にあってもよく、積層シート1の厚さ方向において遮光層4と異なる階層あってもよい。
上記積層シートは、発泡体層を有しないことが好ましい。上記積層シートが発泡体層を有しないことより、薄くても光透過性が優れ、非点灯時の隠蔽性が優れる積層シートとすることができる。
上記遮光層は、上記基材層の一方の面に備えられていることが好ましい。このような構成における基材層、遮光層、および着色層の積層順としては、基材層/遮光層/着色層、遮光層/基材層/着色層などが挙げられる。
上記積層シートは、上記基材層の上記着色層を有する側とは反対側に光源を配置して使用されることが好ましい。
上記積層シートの積層構造としては、具体的には、例えば、[基材層/遮光層/着色層]、[遮光層/基材層/着色層](以上、積層順)などが挙げられる。上記光透過着色層を有する場合の積層構造としては、具体的には、例えば、[基材層/遮光層および光透過着色層/着色層]、[基材層/遮光層/光透過着色層/着色層]、[光透過着色層および遮光層/基材層/着色層]、[遮光層/基材層/光透過着色層/着色層]、[遮光層/光透過着色層/基材層/着色層](以上、積層順)などが挙げられる。
上記接着層を有する場合の上記積層シートの積層構造としては、具体的には、例えば、[基材層/接着層/遮光層/着色層]、[基材層/遮光層/接着層/着色層]、[遮光層/基材層/接着層/着色層]、[基材層/遮光層および光透過着色層/接着層/着色層]、[基材層/接着層/遮光層および光透過着色層/着色層]、[基材層/接着層/遮光層および光透過着色層/接着層/着色層]、[基材層/遮光層/光透過着色層/接着層/着色層]、[基材層/接着層/遮光層/光透過着色層/着色層]、[基材層/接着層/遮光層/光透過着色層/接着層/着色層]、[光透過着色層および遮光層/基材層/接着層/着色層]、[光透過着色層および遮光層/接着層/基材層/着色層]、[光透過着色層および遮光層/接着層/基材層/接着層/着色層]、[遮光層/基材層/接着層/光透過着色層/着色層]、[遮光層/基材層/光透過着色層/接着層/着色層]、[遮光層/基材層/接着層/光透過着色層/接着層/着色層]、[遮光層/光透過着色層/基材層/接着層/着色層]、[遮光層/光透過着色層/接着層/基材層/着色層]、[遮光層/光透過着色層/接着層/基材層/接着層/着色層](以上、積層順)などが挙げられる。
上記積層シートの厚さは、0.1~10.0mmであることが好ましく、より好ましくは0.15~1.0mm、さらに好ましくは0.2~0.8mmである。上記厚さが0.1mm以上であると、隠蔽性がより良好となる。上記厚さが10.0mm以下であると、厚さをより薄くすることができる。
上記積層シートの上記透過領域における全光線透過率は、0.01~30%であり、好ましくは0.1~10%、より好ましくは0.3~6%である。上記全光線透過率が0.01%以上であることにより、可視光が透過しやすく、光源の点灯時において上記透過領域の視認性がより優れる。上記全光線透過率が30%以下(特に10%以下)であることにより、光源の非点灯時は隠蔽性に優れる。上記全光線透過率は、公知の分光光度計を用いて測定することができる。
上記積層シートの上記透過領域における波長550nmの光線透過率は、0.01~30%であることが好ましく、より好ましくは0.1~10%、さらに好ましくは0.3~6%である。上記光透過率が0.01%以上であると、可視光が透過しやすく、光源の点灯時において上記透過領域の視認性がより優れる。上記光透過率が30%以下(特に10%以下)であると、光源の非点灯時は隠蔽性に優れる。上記光透過率は、公知の分光光度計を用いて測定することができる。
上記積層シートの上記遮光領域における全光線透過率は、上記透過領域における全光線透過率よりも低ければよい。上記遮光領域における全光線透過率は、0.5%以下であることが好ましく、より好ましくは0.3%以下、さらに好ましくは0.1%以下である。上記全光線透過率が0.5%以下であると、点灯時において上記遮光領域の遮光性がより優れる。上記全光線透過率は、公知の分光光度計を用いて測定することができる。
上記積層シートの上記遮光領域における波長550nmの光透過率は、上記透過領域における波長550nmの光透過率よりも低いことが好ましい。上記遮光領域における波長550nmの光透過率は、0.5%以下であることが好ましく、より好ましくは0.3%以下、さらに好ましくは0.1%以下である。上記光透過率が0.5%以下であると、点灯時において上記遮光領域の遮光性がより優れる。上記光透過率は、公知の分光光度計を用いて測定することができる。
(基材層)
上記基材層は、上記積層シートにおいて支持体として機能する要素である。上記透過領域において可視光を透過させるため、上記基材層は可視光が透過する層である。
上記基材層は、剥離を目的とするものではなく、上記積層シートを使用される態様においても存在するものである。上記基材層は、非発泡体であることが好ましい。
上記基材層としては、樹脂からなる基材(樹脂基材)が好ましい。上記基材層は、単層であってもよいし、同種または異種の基材の積層体であってもよい。
上記樹脂基材を構成する樹脂としては、熱可塑性樹脂が好ましい。上記熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン樹脂(ABS樹脂)、アクリロニトリル-スチレン-アクリル酸エステル樹脂等のスチレン系樹脂;アクリル樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、アイオノマー等のポリオレフィン系樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の塩化ビニル系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂:ポリウレタン系樹脂;ポリイミド;ポリエーテルエーテルケトン;ポリエーテルイミド;アラミド、全芳香族ポリアミド等のポリアミド;ポリフェニルスルフィド;フッ素樹脂;セルロース樹脂;シリコーン樹脂などが挙げられる。上記樹脂は熱可塑性エラストマーであってもよい。中でも、光透過性や耐熱性に優れ、且つ積層シートの感触に優れる観点から、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂が好ましい。上記樹脂は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
上記基材層の少なくとも一方の表面は、隣接する層との密着性、保持性等を高める目的で、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、サンドマット加工処理、オゾン暴露処理、火炎暴露処理、高圧電撃暴露処理、イオン化放射線処理等の物理的処理;クロム酸処理等の化学的処理;コーティング剤(下塗り剤)による易接着処理等の表面処理が施されていてもよい。密着性を高めるための表面処理は、基材層の表面全体に施されていることが好ましい。
上記基材層の厚さは、特に限定されないが、0.1~10.0mmであることが好ましく、より好ましくは0.15~5.0mm、さらに好ましくは0.2~2.0mmである。上記厚さが0.1mm以上であると、非点灯時の隠蔽性がより良好となる。上記厚さが10.0mm以下であると、厚さをより薄くすることができる。
上記基材層の全光線透過率は、60%以上であることが好ましく、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上である。上記全光線透過率が60%以上であると、基材層は可視光が透過しやすく、点灯時において上記透過領域の視認性がより優れる。上記全光線透過率は、公知の分光光度計を用いて測定することができる。
(着色層)
上記着色層は、バインダー成分および染料を少なくとも含有する。上記着色層は、着色剤として染料を含むことにより、着色層中の分散性に優れることによるものと推測され、透過領域における光透過性と光源非点灯時の隠蔽性とが共に優れる。上記着色層は、耐摩耗性がより向上する観点から、非発泡層であることが好ましい。
上記着色層は、積層シートにおいて視認側から最初に視認される表面を有する層(表皮層)であることが好ましい。上記表皮層は、シボ柄などのデザインが付与されていてもよい。
上記バインダー成分としては、樹脂が好ましく、例えば、ポリウレタン系樹脂;塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル-アクリル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;塩素化ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂;アクリル樹脂;ポリエステル系樹脂;ポリアミド系樹脂;ブチラール樹脂;ABS樹脂等のスチレン系樹脂;ニトロセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等のセルロース系樹脂などが挙げられる。上記熱可塑性樹脂は熱可塑性エラストマーであってもよい。また、上記バインダー成分は、天然繊維や人造繊維を用いた織物、編物、不織布、人工皮革や合成皮革等のレザーなどであってもよい。上記バインダー成分としては、中でも、積層シートの感触や耐摩耗性に優れる観点から、ポリウレタン系樹脂が好ましい。上記バインダー成分は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
上記着色層中のバインダー成分の含有割合は、特に限定されないが、上記着色層の総量100質量%に対して、80~99.9質量%であることが好ましく、より好ましくは90~99.5質量%、さらに好ましくは95~99質量%である。上記含有割合が80質量%以上であると、隣接する層との密着性がより高くなり、積層シートの耐摩耗性がより良好となる。上記含有割合が99.9質量%以下であると、染料を充分に配合することができる。
上記染料としては、公知乃至慣用の染料を用いることができ、例えば、クマリン系染料、ペリレン系染料、ニグロシン系染料、ジシアノピニル系染料、アゾ系染料(例えば、ピリドンアゾ系染料、ジスアゾ系染料、トリスアゾ系染料、ベンゼンアゾ系染料、ヘテロ環アゾ系染料等)、キノフタロン系染料、アミノピラゾール系染料、メチン系染料、ジシアノイミダゾール系染料、インドアニリン系染料、フタロシアニン系染料などが挙げられる。中でも、ニグロシン系染料が好ましい。上記染料は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
上記染料としては、赤色染料、黄色染料、青色染料、橙色染料、茶色染料、黒色染料などが挙げられる。上記染料としては、中でも、黒色染料が好ましい。
上記染料は、2質量%の割合となるようにアクリル樹脂に混合して作製された厚さ20μmの塗膜について、放射照度50W/m2、試験時間200時間の条件で光照射した後ΔEが、0.8以下であることが好ましく、より好ましくは0.7以下、さらに好ましくは0.65以下である。上記ΔEが0.8以下であると、上記積層シートは耐光性により優れる。
上記染料としては、中でも、金属錯塩型染料が好ましい。金属錯塩型染料は、耐熱性や耐光性に優れ、車両内など高熱となる環境下や紫外線に曝される環境下において染料の昇華を抑制し、安定して光透過性および隠蔽性に優れた積層シートとすることができる。
上記着色層の色は、光源の非点灯時において透過領域と遮光領域の境界をあいまいとして隠蔽性をより高める観点から、上記遮光層の色と同系色であることが好ましい。上記着色層の色は黒系色であることが好ましい。上記着色層の色は、一種の染料により発現してもよいし、二種以上の同系色または異系色の染料を組み合わせ発現してもよい。
上記着色層中の染料の含有割合は、上記着色層の総量100質量%に対して、0.1~20質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5~10質量%、さらに好ましくは1~5質量%である。上記含有割合が0.1質量%以上であると、非点灯時の隠蔽性により優れる。上記含有割合が20質量%以下であると、隣接する層との密着性がより高くなり、積層シートの耐摩耗性がより良好となる。
上記着色層中の染料の含有量は、上記バインダー成分の総量100質量部に対して、0.2~20質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5~10質量部、さらに好ましくは1~6質量部である。上記含有割合が0.2質量部以上であると、非点灯時の遮光性により優れる。上記含有量が20質量部以下であると、隣接する層との密着性がより高くなり、積層シートの耐摩耗性がより良好となる。
上記着色層は、上記バインダー成分および染料以外のその他の成分を含有していてもよい。上記その他の成分としては、例えば、加工助剤、補強剤、難燃剤、染料以外の着色剤(顔料など)、消泡剤、レベリング剤、架橋剤、シランカップリング剤、チキソ付与剤、粘着付与剤、ワックス、熱安定剤等の安定剤、耐光向上剤、紫外線吸収剤、耐候性付与剤、蛍光増白剤、導電性付与剤、帯電防止剤、透湿性向上剤、撥水剤、撥油剤、発泡剤、結晶水含有化合物、吸水剤、吸湿剤、消臭剤、整泡剤、防曇剤、防黴剤、防腐剤、防藻剤、顔料分散剤、不活性気体、スリップ剤、滑剤、ブロッキング防止剤、加水分解防止剤、中和剤、天然油、合成油、増粘剤などが挙げられる。上記その他の成分は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。なお、顔料を含む場合、その含有割合は、染料よりも少ないことが好ましく、より好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以下である。
上記着色層の厚さは、0.01~0.1mmであり、好ましくは0.02~0.06mm、より好ましくは0.03~0.05mmである。上記厚さが0.01mm以上であることにより、光源の非点灯時における隠蔽性に優れる。上記厚さが0.1mm以下であることにより、上記着色層の光透過性に優れる。また、0.1mm以下という薄さであっても非点灯時における隠蔽性に優れる。
上記着色層の面積あたりの質量(塗布量)は、5~90g/m2であることが好ましく、より好ましくは10~80g/m2、さらに好ましくは15~60g/m2である。上記面積あたりの質量が5g/m2以上であると、光源の非点灯時における隠蔽性がより優れる。上記面積あたりの質量が90g/m2以下であると、上記着色層の光透過性がより優れる。なお、上記着色層中の染料の含有割合(含有量)および上記着色層の面積あたりの質量の両方がそれぞれ上記範囲内であると、隠蔽性および光透過性がよりいっそう優れる。
上記着色層の全光線透過率は、0.02~30%であることが好ましく、より好ましくは0.1~10%、さらに好ましくは0.3~6%である。上記全光線透過率が0.02%以上であると、着色層は可視光が透過しやすく、点灯時において上記透過領域の視認性がより優れる。上記全光線透過率が30%以下(特に10%以下)であると、光源の非点灯時は隠蔽性に優れる。上記全光線透過率は、公知の分光光度計を用いて測定することができる。
上記着色層における、染料濃度(質量%)と上記面積あたりの質量(塗布量)(g/m2)との積[染料濃度×塗布量](質量%/m2)は、15以上であることが好ましく、より好ましくは40以上、さらに好ましくは60以上、特に好ましくは80以上である。上記積が15以上であると、光源の非点灯時における隠蔽性がより優れる。上記積は、300以下が好ましく、より好ましくは250以下、さらに好ましくは200以下である。上記積が300以下であると、上記着色層の光透過性がより優れる。
(遮光層)
上記遮光層は、光源の点灯時にも可視光を遮蔽することができる層であれば特に限定されない。上記遮光層は、インクジェット法等の印刷により部分的に形成することが容易である観点から、バインダー成分および着色剤を含有することが好ましい。
上記バインダー成分としては、上述の着色層が含むバインダー成分として例示および説明されたものが挙げられる。中でも、積層シートの感触や耐摩耗性に優れる観点から、ポリウレタン系樹脂が好ましい。上記バインダー成分は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
上記遮光層中のバインダー成分の含有割合は、特に限定されないが、上記遮光層の総量100質量%に対して、40~99質量%であることが好ましく、より好ましくは50~90質量%、さらに好ましくは55~80質量%である。上記含有割合が40質量%以上であると、隣接する層との密着性がより高くなり、積層シートの耐摩耗性がより良好となる。上記含有割合が99質量%以下であると、着色剤を充分に配合することができる。
上記着色剤としては、公知乃至慣用の顔料や染料を使用することができる。中でも、顔料が好ましい。上記顔料としては、例えば、酸化チタン(二酸化チタン)等の白顔料、銅フタロシアニンブルー等の藍顔料、縮合アゾ系顔料などの赤色顔料、アゾレーキ系顔料等の黄色顔料、アルミニウム等の金属顔料、ペリレンブラック、カーボンブラック等の黒色顔料、アルミフレーク、雲母(マイカ)などが挙げられる。また、上記顔料として、その他にも、光沢調整等の目的で、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、アクリルビーズ等の体質顔料も使用できる。上記顔料は、一種のみを使用してもよく、二種以上を使用してもよい。
上記遮光層中の着色剤の含有割合は、上記遮光層の総量100質量%に対して、1~60質量%であることが好ましく、より好ましくは10~50質量%、さらに好ましくは20~45質量%である。上記含有割合が1質量%以上であると、遮光性により優れる。上記含有割合が60質量%以下であると、隣接する層との密着性がより高くなり、積層シートの耐摩耗性がより良好となる。
上記遮光層中の着色剤の含有量は、上記バインダー成分の総量100質量部に対して、25~95質量部であることが好ましく、より好ましくは30~80質量部、さらに好ましくは40~70質量部である。上記含有量が25質量部以上であると、遮光性により優れる。上記含有量が95質量部以下であると、隣接する層との密着性がより高くなり、積層シートの耐摩耗性がより良好となる。
上記遮光層は、上記バインダー成分および着色剤以外のその他の成分を含有していてもよい。上記その他の成分としては、上述の着色層が含み得るその他の成分として例示および説明されたものが挙げられる。上記その他の成分は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
上記遮光層の厚さは、0.005~0.1mmであることが好ましく、より好ましくは0.01~0.1mm、さらに好ましくは0.015~0.05mmである。上記厚さが0.005mm以上であると、遮光性により優れる。また、上記厚さが0.1mm以下であっても、上記遮光層の遮光性に優れる。
上記遮光層の面積あたりの質量は、25g/m2以上であることが好ましく、より好ましくは30g/m2以上、さらに好ましくは35g/m2以上である。上記面積あたりの質量が25g/m2以上であると、遮光領域の遮光性がより優れる。なお、上記遮光層中の染料の含有割合(含有量)および上記着色層の面積あたりの質量の両方がそれぞれ上記範囲内であると、遮光領域の遮光性がよりいっそう優れる。
上記遮光層を上記基材上に積層した際の当該積層体の全光線透過率は、15%以下であることが好ましく、より好ましくは10%以下、さらに好ましくは5%以下である。上記全光線透過率が15%以下(特に10%以下)であると、遮光領域の遮光性がより優れる。上記全光線透過率は、公知の分光光度計を用いて測定することができる。
上記遮光層の色は、光源の非点灯時において透過領域と遮光領域の境界をあいまいとして隠蔽性をより高める観点から、上記着色層の色と同系色であることが好ましい。上記遮光層の色は黒系色であることが好ましい。上記遮光層の色は、一種の着色剤により発現してもよいし、二種以上の同系色または異系色の着色剤を組み合わせ発現してもよい。
(接着層)
上記接着層は、接着性を発揮するベースポリマーを少なくとも含む。なお、本明細書において、ベースポリマーとは、接着層を構成するポリマー成分の中の主成分、例えば50質量%を超えて含まれるポリマー成分をいうものとする。上記接着層中のベースポリマーの含有割合は、接着層の総量100質量%に対して、60質量%以上が好ましく、より好ましくは70質量%以上である。
上記接着層を構成する樹脂としては、特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂、ゴム(天然ゴム、合成ゴム、これらの混合等)、シリコーン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミド、フッ素系樹脂などが挙げられる。上記樹脂は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
上記積層シートが複数の接着層を備える場合、複数の接着層は、同一組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。
上記接着層の厚さは、0.005~0.15mmであることが好ましく、より好ましくは0.01~0.1mm、さらに好ましくは0.012~0.08mmである。上記厚さが0.005mm以上であると、層間の接着性により優れる。また、上記厚さが0.15mm以下であると、積層シートの厚さを充分に薄くすることができる。
上記接着層の面積あたりの質量は、40g/m2以上であることが好ましく、より好ましくは50g/m2以上、さらに好ましくは60g/m2以上である。上記面積あたりの質量が40g/m2以上であると、層間の接着性により優れる。
(光透過着色層)
上記光透過着色層を上記透過領域に配置することにより、上記積層シートに視認可能なデザインを付与することができる。上記光透過着色層は、例えば、バインダー成分および着色剤を含む。上記バインダー成分としては、上述の着色層が含むバインダー成分として例示および説明されたものが挙げられる。上記バインダー成分は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
上記着色剤としては、特に限定されず、上記光透過着色層の光透過性を維持する範囲内で、公知の印刷層において用いられる顔料や染料を用いることができる。上記着色剤は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
上記光透過着色層は、上記バインダー成分および着色剤以外のその他の成分を含有していてもよい。上記その他の成分としては、上述の着色層が含み得るその他の成分として例示および説明されたものが挙げられる。上記その他の成分は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
(表面保護層)
上記表面保護層は、上記積層シートにおいて最表面(視認側の最表面)となる層であり、上記着色層、上記遮光層、上記光透過性着色層、および上記基材層などの内部の層を摩擦などから保護する層であり、上記積層シートの耐摩耗性をより向上させる。上記表面保護層は、シボ柄などのデザインが付与されていてもよい。
上記表面保護層は、樹脂を含むことが好ましい。上記樹脂としては、上述の着色層が含むバインダー成分として例示および説明された樹脂が挙げられる。中でも、ポリウレタン系樹脂が好ましい。ポリウレタン系樹脂を含む表面保護層は、ポリウレタン系樹脂を含む場合の上記着色層との密着性がより良好となる。
上記表面保護層は、樹脂以外のその他の成分を含有していてもよい。上記その他の成分としては、上述の着色層が含み得るその他の成分として例示および説明されたものが挙げられる。上記その他の成分は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
上記表面保護層の厚さは、特に限定されないが、5~40μmであることが好ましく、より好ましくは10~20μmである。上記厚さが5μm以上であると、積層シートの耐摩耗性が向上する。
(積層シート)
上記積層シートは、光源の点灯時には透過領域の視認性および遮光領域の遮光性に優れ、光源の非点灯時には、透過領域の隠蔽性に優れる。このため、上記積層シートは、例えば、自動車等の車両の内装材または外装材;窓枠、扉枠等の建具;壁、床、天井等の建築物の内装材;テレビ受像機、空調機等の家電製品の筐体;容器などとして利用することができる。上記積層シートが車両の内装材として使用される場合、上記透過領域や上記光透過着色層などによって表示される情報としては、温度、時間、車速、各種調整・設定ボタンの絵柄などが挙げられる。
上記積層シートの一実施形態である積層シート1は、例えば以下のようにして作製することができる。まず、基材層2上に遮光層4を部分的に形成する。基材層2の少なくとも一方の面上に、遮光層4を形成する印刷インキを塗布し、乾燥や硬化によって固化させることにより遮光層4が形成される。遮光層4を形成するための印刷インキとして、遮光層4を構成する各種成分、例えばバインダー樹脂や着色剤などを添加し、必要に応じて溶媒に溶解し、混合して印刷インキを作製する。上記印刷インキにおける各種成分の含有量は、それぞれ、遮光層4における含有量が上述の好ましい範囲内となるように調整される。
上記印刷インキを塗布する方法としては、公知慣用の方法を用いることができ、グラビア印刷、フレキソ印刷、デジタル印刷、インクジェット印刷などが挙げられる。また、塗布された印刷インキを加熱等により、乾燥または乾燥固化する際には、印刷装置上で加熱が可能な、一般的な加熱装置を好ましく用いることができる。
次に、基材層2の遮光層4が形成された面に、別途作製された着色層3を貼り合わせる。この際、基材層2と着色層3とを、接着層を介して貼り合わせてもよい。あるいは、基材層2の遮光層4が形成された面に、着色層3を形成する樹脂組成物を塗布し、乾燥や硬化によって固化させることにより着色層3を形成してもよい。この場合、基材層2の遮光層4を備える面における遮光層4が形成されていない領域は着色層3で満たされていてもよい。上記樹脂組成物の塗布は、公知乃至慣用の方法で行うことができ、例えば、リバースコート法、ロールコート法、ダイコート法、ワイヤバーコート法、ナイフコート法などが挙げられる。
なお、着色層3表面にエンボス加工でシボ柄を付してもよい。以上のようにして、基材層2、遮光層4、および着色層3をこの順に備える積層シート1を作製することができる。
本開示の積層シートは、基材層の背面側に光源を配置して使用される際、光源の点灯時には透過領域の視認性および非透過領域の遮光性に優れる。このため、光源の点灯時には、透過領域においてよりシャープで明るい光を透過させることができ、視認性に優れ、情報がクリアに視認することができる。上記情報は、上記透過領域および上記光透過着色層の色合いおよび設計により適宜作製することができる。そして、着色層の厚さが薄く、積層シートの厚さが薄い場合であっても、光源の非点灯時には透過領域の隠蔽性が優れるため、透過領域と非透過領域の境界を視認しにくく、情報が表示されていないことがわかりやすい。
本明細書に開示された各々の態様は、本明細書中に開示された他のいずれの構成と組み合わせてもよい。各実施形態における各構成およびこれらの組み合わせは、一例であって、本開示の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更を適宜行ってもよい。また、本開示に係る各発明は、実施形態や以下の実施例によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
以下に実施例を挙げて本開示の発明をより詳細に説明するが、本開示の発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
実施例1
ポリ塩化ビニル製基材(厚さ:0.3mm)の一方の面に、遮光層の塗布量(面積あたりの質量)が約40g/m2(厚さ約0.03mm)となるように遮光層を構成する印刷インキを部分的に塗布し、その後、120℃で5分間加熱して乾燥固化して溶剤を揮発させ、遮光層を形成した。上記印刷インキは、ポリウレタン系樹脂溶液(固形分29.5質量%)100質量部、黒色顔料(商品名「L-7672」、 DIC株式会社製、固形分15質量%)18質量部、溶媒としてジメチルホルムアミド(DMF)28質量部、およびメチルエチルケトン(MEK)12質量部を混合して作製したものである。
一方、ポリウレタン系樹脂溶液(固形分29.5質量%)100質量部、黒色染料(商品名「NUBIAN BLACK PA-2802」、オリエント化学工業株式会社製、固形分100質量%、ΔE:0.5)0.1質量部、溶媒としてDMF28質量部、およびMEK12質量部を混合して樹脂組成物を作製した。そして、剥離性シートの剥離処理面に上記樹脂組成物を塗布し、その後、120℃で5分間加熱して乾燥固化して溶剤を揮発させ、塗布量(面積あたりの質量)が約60g/m2(厚さ約0.045mm)の着色層を形成した。なお、黒色染料のΔEは後述の方法で測定した。
また、接着剤溶液(商品名「TA-230」、DIC株式会社製、固形分65質量%)100質量部、促進剤(商品名「アクセルT」、DIC株式会社製、固形分3質量%)2質量部、架橋剤(商品名「DN950」、DIC株式会社製、固形分75質量%)12質量部、および溶媒としてDMF40質量部を混合して接着剤組成物を作製した。そして、剥離性シートの剥離処理面に上記接着剤組成物を塗布し、その後、15℃で4分間加熱して乾燥固化して溶剤を揮発させ、塗布量(面積あたりの質量)が70g/m2(厚さ約0.07mm)の接着層を形成した。
次に、ポリ塩化ビニル製基材上の遮光層が形成された面に、上記接着層を介して、上記で作製した着色層を貼り合わせた。以上のようにして、[基材/遮光層/接着層/着色層]の積層構造を有する実施例1の積層シートを作製した。なお、塗布量の実測値は表1に示す通りである。
(ΔE)
黒色染料を2質量%の割合となるようにアクリル樹脂に混合し、PET基材上に塗布して厚さ20μmの塗膜を形成した。そして、キセノンウェザーメーターを用いて、放射照度50W/m2、試験時間200時間の条件で光照射した後について、ΔEを測定した。
実施例2~7および比較例1~2
着色層における黒色染料の配合量および着色層の塗布量を表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして各例の積層シートを作製した。
<評価>
実施例で得られた積層シートなどに関し、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
(1)各層の厚さ
実施例および比較例で作製した積層シートについて、電子顕微鏡を用いて断面を観察し、観察画面における着色層、接着層、および遮光層の厚さ範囲を測定した。着色層の厚さは表1に示す通りであった。また、接着層の厚さ範囲は37~71μm、遮光層の厚さ範囲は16~45μmであった。
(2)全光線透過率、波長550nmの光透過率
実施例および比較例で作製した積層シートについて、5cm×5cm程度の大きさにカットして遮光領域の測定サンプルを作製した。また、遮光層を形成しないこと以外は各実施例および比較例と同様にして積層シートを作製し、5cm×5cm程度の大きさにカットして透過領域の測定サンプルを作製した。そして、上記遮光領域用の測定サンプルおよび上記透過領域用の測定サンプルそれぞれについて、紫外可視分光光度計(商品名「Solid Spec 3700シリーズ」、株式会社島津製作所製)を用い、波長範囲300~900nm、サンプリングピッチ5nmの条件で測定し、JIS K7136(2000)に基づいて、遮光領域および透過領域の全光線透過率を算出した。また、上記測定において得られた波長550nmにおける光透過率を算出した。また、基材のみ(参考例1)、および、基材と接着層との積層体(参考例2)についても同様にして全光線透過率および波長550nmにおける光透過率を算出した。
(3)光源非点灯時の隠蔽性
上記(2)全光線透過率の測定において準備した透過領域用の測定サンプルについて、着色層側から目視で積層シートを観察した。そして、光源非点灯時の隠蔽性について、下記の判定基準に従って評価した。
[判定基準]
◎:日光に透かしても、光の透過が視認できない
○:日光に透かすとやや透過が視認できるが、印刷物の上に置いた際、印刷物上の文字や柄が視認できない
△:印刷物の上に置いた際、印刷物上の文字や柄がわずかに視認できるが使用可能である
×:印刷物の上に置いた際、印刷物上の文字や柄が視認できる
(4)光源点灯時のムラ感
上記(2)全光線透過率の測定において準備した透過領域用の測定サンプルについて、基材の裏側に光源を設置して光源を点灯させ、着色層側から目視で積層シートを観察した。そして、光源点灯時の着色層を形成する際の塗布ムラ(ムラ感)について、下記の判定基準に従って評価した。
[判定基準]
○:日光に透かした際、塗布ムラが全く視認できない
△:日光に透かした際、わずかに塗布ムラが視認できるが使用可能である
×:日光に透かした際、塗布ムラが視認できる
(5)ピンホール
上記(2)全光線透過率の測定において準備した透過領域用の測定サンプルについて、着色層側から目視で積層シートを観察した。そして、泡かみ等のピンホールについて、下記の判定基準に従って評価した。
[判定基準]
○:日光に透かしても全く視認できない
△:日光に透かすと僅かに認められるが、印刷物の上に置いた際には視認できない
×:印刷物の上に置いた際に視認できる
Figure 2023003868000002
表1から明らかなように、本開示の積層シート(実施例1~7)は、厚さが薄いにもかかわらず、透過領域の光透過性が優れ、光源の非点灯時には透過領域の隠蔽性が優れていると判断された。一方、透過領域の全光線透過率が30%を超える場合(比較例1,2)、透過領域の隠蔽性に劣っていると判断された。
1 積層シート
2 基材層
3 着色層
4 遮光層
5 光透過着色層
R1 透過領域
R2 遮光領域

Claims (9)

  1. 基材層と、着色層と、遮光層とを備える積層シートであり、
    前記着色層はバインダー成分および染料を含有し、
    前記着色層の厚さは0.01~0.1mmであり、
    前記積層シートの厚さ方向に可視光を透過する透過領域と可視光を遮蔽する遮光領域とを有し、
    前記積層シートの前記透過領域における全光線透過率は0.01~30%である、積層シート。
  2. 前記着色層中の前記染料の含有量は、前記バインダー成分の総量100質量部に対して0.2~20質量部である、請求項1に記載の積層シート。
  3. 前記遮光層は前記基材層の少なくとも一方の面に部分的に設けられている請求項1または2に記載の積層シート。
  4. 前記遮光層は、前記基材層および前記着色層の間に設けられている、請求項1~3のいずれか1項に記載の積層シート。
  5. 前記積層シートの前記遮光領域における全光線透過率は、前記透過領域における全光線透過率よりも低く、且つ0.5%以下である請求項1~4のいずれか1項に記載の積層シート。
  6. 前記着色層の波長550nmの光透過率は0.02~30%である請求項1~5のいずれか1項に記載の積層シート。
  7. 前記基材層の波長550nmの光透過率は0.02%以上である請求項1~6のいずれか1項に記載の積層シート。
  8. 前記着色層は表皮層である請求項1~7のいずれか1項に記載の積層シート。
  9. 前記着色層は前記バインダー成分としてポリウレタン系樹脂を含有する請求項1~8のいずれか1項に記載の積層シート。
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