JP2001130128A - 広告用膜材 - Google Patents

広告用膜材

Info

Publication number
JP2001130128A
JP2001130128A JP31510099A JP31510099A JP2001130128A JP 2001130128 A JP2001130128 A JP 2001130128A JP 31510099 A JP31510099 A JP 31510099A JP 31510099 A JP31510099 A JP 31510099A JP 2001130128 A JP2001130128 A JP 2001130128A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
resin
film material
ink receiving
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP31510099A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Suzuki
健二 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hiraoka and Co Ltd
Original Assignee
Hiraoka and Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hiraoka and Co Ltd filed Critical Hiraoka and Co Ltd
Priority to JP31510099A priority Critical patent/JP2001130128A/ja
Publication of JP2001130128A publication Critical patent/JP2001130128A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 両面にインク画像を印画したとき、両画像が
重なって見えることがなく、必要により防炎性、防黴性
をも付与できる広告用膜材の提供。 【解決手段】 不透明度が80%以上のシート状基材の
両面上に、親水性樹脂を含むインク受理層を形成する。
さらに、必要によりシート状基材(繊維基布層、樹脂被
覆層)、インク受理層の少なくとも1層に、防炎剤、防
黴剤の少なくとも1種を添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットプ
リンターによって、両面に画像を形成する用途に適した
広告用膜材に関するものである。更に詳しく述べるなら
ば、本発明は、両面に印刷された画像のそれぞれが鮮明
に見え、屋内外看板、垂れ幕用途に適した広告用膜材に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年パーソナルコンピュータが広く普及
し、オフィスをはじめ、一般家庭においても、文書や画
像データをカラー印刷する機会が一般化している。この
ようなカラー印刷の方法としては、昇華型熱転写プリン
ター、溶融型熱転写プリンター、レーザープリンター、
そしてインクジェットプリンターを用いることが挙げら
れる。なかでもインクジェットプリンターは、動作時の
騒音レベル、ランニングコストが低いことに加え、目覚
ましい技術の進歩によって銀塩写真に迫る画像品質が得
られるようになり、急速に普及が進んでいる。一方、産
業分野においても、出力巾が2mを超える大判印刷用イ
ンクジェットプリンター(いわゆるワイドフォーマット
プリンター)が数多く市販されるようになった。オフセ
ット印刷のように製版工程を必要とせず、作製部数が少
ない場合でも安価に印刷物が得られるというメリットが
あるので、屋内外看板、垂れ幕(バナー)、展示会等の
広告、装飾用途向けに大面積の画像を印刷したシートの
利用が広まっている。
【0003】そもそもインクジェットプリンターとは、
圧電素子や発熱素子等を用いて、染料、或いは顔料を含
む、油性インク又は水性インクの、小滴をノズルを介し
て、発生、飛散させ、これを紙やプラスチックシートな
どのシート状基材表面に付着させることによって印刷を
行うものである。インクジェットプリンターで印刷する
にあたっては、基材となるシート材料の表面に、インク
ジェットプリンターから放出されたインク小滴を速やか
に吸収し、且つ付着したインクの滲みや拡がりを適度に
抑制する必要があるため、インク受理層と呼称される特
殊な表面層の形成処理が施される。
【0004】このようなインク受理層は、親水性樹脂な
どの高分子バインダーを単独に使用し、あるいはそれに
シリカに代表される無機フィラーを併用した塗工液を、
基材となるシート表面に塗布することによって形成され
る。例えば、非膠質シリカと高分子バインダーを用いる
方法(特開昭55−51583号公報)、ポリビニルピ
ロリドンとポリビニルブチラールを用いる方法(特開昭
57−102391号公報)、ポリビニルアルコールと
スチレン−無水マレイン酸共重合体を用いる方法(特開
昭60−234879号公報)、イソシアネート化合物
とポリエーテルポリオールを反応させて得られる吸水性
材料を用いる方法(特開昭60−248387号公
報)、超微粒子状無水シリカとカチオン性ポリマーを用
いることによって水性染料インクに適したインク受理層
を形成する方法(特開平2−188287号公報)、ア
ルミナ水和物を含有させる方法(特開平7−23247
2号公報)、及び合成シリカとシラノール化ポリビニル
アルコールを用いる方法(特開平7−276784号公
報)などが挙げられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の従来技術による広告用膜材は、実質的にその片面のみ
にインク受理層を形成するものであり、基材の両面に画
像を形成することを想定していない。このために、従来
の広告用膜材は、インク受理層を基材の両面に形成し、
それぞれに印刷を施したとき、周囲の照明等の影響によ
り、正面から見た画像に反対面に描かれた画像が透けて
重なってしまうなどの問題を生起し、このため、実用に
耐えられるものではなかった。従って、従来の広告用膜
材の両面に画像を表示する必要がある場合には、それぞ
れ片面に印刷を施した2枚のシートを、それぞれの裏面
において貼り合わせて膜材を作製しなければならなかっ
た。この場合、高価なインクジェット印刷用シートを2
枚使用することに起因するコスト高に加え、張り合わせ
作業が必要になるなどの問題を生じていた。さらに、従
来の広告用膜材には、透かして見るという目的はないの
で、基材に対して、この目的効果を達成する手段を構ず
る必然性がなく、このため画像が透けて重なってしまう
という問題を惹起し、実用性がなかった。一方、各種広
告媒体の急速な普及とともに、広告用膜材を、特に多く
の人が集まる公共施設、例えば屋内展示会などで使用さ
れる機会が増えているが、このような環境で使用される
大面積の膜材には防炎性を付与することが義務付けられ
ている。例えば、消防法第八条の三には、防炎対象物品
が「どん帳、カーテン、展示用合板その他これらに類す
る物品」と規定されており、これらの物品は消防法施工
規則第4条の3第3項、第4項、第7項に規定された防
炎性能試験に適合しなくてはならない。しかし、このよ
うな防炎性を有するインクジェット印刷用シートは一部
の布帛のみしか知られておらず、とくに両面印刷性と防
炎性を同時に満たすものは全く知られていなかった。こ
れに加え、雨季や夏場のように高温多湿の季節、或いは
風通しの悪い環境で使用される場合、インク受理層の親
水性に起因して、シート表面に黴が発生しやすく、描か
れた画像の美観を著しく損なうという問題が頻発してい
た。本発明は、表裏両面に画像を表示しても、これらの
画像が透けて重なって見えることがない広告用膜材を提
供しようとするものである。また、本発明は、表裏両面
に鮮明な画像をインクジェット印刷することができ、必
要により、優れた防炎性及び/又は防カビ性を有する広
告用膜材を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の発明者は、上記
問題点の解決手段を鋭意検討した結果、シート状基材の
両表面に親水性樹脂を含むインク受理層を形成した広告
用膜材において、使用するシート状基材の不透明度を8
0%以上とすることによって、両面印刷に適したものが
得られることを見出し、さらに必要により、広告用膜材
に含まれるシート状基材(繊維基布及び樹脂被覆層を含
んでいてもよい)及びインク受理層の少なくとも一層に
防炎剤及び/又は防カビ剤を含有させて、広告用膜材の
防炎性及び/又は防カビ性を向上し得ることを見出し、
本発明を完成した。
【0007】本発明の広告用膜材は、80%以上の不透
明度を有するシート状基材と、その両面に形成され、か
つ親水性樹脂を含むインク受理層とを有することを特徴
とするものである。本発明の広告用膜材において、前記
シート状基材は、繊維基布を含むものであってもよい。
本発明の広告用膜材において、前記シート状基材は、繊
維基布と、その少なくとも一面上を被覆し、かつ合成樹
脂を含むものであってもよい。本発明の広告用膜材にお
いて、前記シート状基材が、着色剤によって着色されて
いてもよい。本発明の広告用膜材において、前記不透明
度80%以上のシート状基材が、着色剤によって着色さ
れた繊維基布層及び樹脂被覆層の少なくとも一層を含ん
でいてもよい。本発明の広告用膜材において、前記シー
ト状基材が、Al,Ag,Au,Cu,Snから選ばれ
た少なくとも1種の金属の蒸着層又は、金属箔層を含む
ものであってもよい。本発明の広告用膜材において、前
記シート状基材及び前記インク受理層の少なくとも一層
が、防炎剤及び防カビ剤の少なくとも1種を含むことが
好ましい。本発明の広告用膜材において、前記繊維基布
層及び樹脂被覆層の少なくとも一層が、防炎剤及び防カ
ビ剤の少なくとも1種を含むものであることが好まし
い。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の広告用膜材において用い
られるシート状基材としては、合成樹脂フィルム、繊維
布帛(すなわち織物、編物及び不織布)、紙、及びこれ
らの複合体が用いられる。合成樹脂フィルムとしては、
ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチ
レン−(メタ)アクリレート共重合体、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカ
ーボネート、ポリアミド、フッ素樹脂などが挙げられ、
これらを着色剤によって着色、または微細な発泡処理を
施すことにより不透明化してもよい。合成樹脂フィルム
には、必要に応じ紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止
剤、充填剤、帯電防止剤、抗菌剤など、当該技術分野で
公知の添加剤を併用することができる。本発明の広告用
膜材のシート状基材として用いられる紙としては、普通
紙、上質紙など、通常の製紙方法で製造された任意のも
のを選ぶことができる。このような紙は、例えば、広葉
樹クラフトパルプ、針葉樹クラフトパルプなどのパルプ
に、クレー、タルク、炭酸カルシウムなどの内添填料、
サイズ剤、歩留まり向上剤、紙力増強剤等の各種製紙用
薬品を含むスラリーを抄紙し、乾燥することにより製造
される。また、ポリエチレン等を用いたレジンコート
紙、及びラミネート紙等の紙類であってもよい。本発明
の広告用膜材において、シート状基材に用いられる繊維
基布は、天然繊維、例えば木綿、麻など、無機繊維、例
えばガラス繊維など、再生繊維、例えばビスコースレー
ヨン、キュプラなど、半合成繊維、例えば、ジ−及びト
リ−アセテート繊維など、及び合成繊維、例えば、ナイ
ロン6、ナイロン66、ポリエステル(ポリエチレンテ
レフタレート等)繊維、芳香族ポリアミド繊維、アクリ
ル繊維、及びポリオレフィン繊維などから選ばれた少な
くとも1種からなる布帛である。繊維基布中の繊維は、
短繊維紡績糸、長繊維糸条、スプリットヤーン、テープ
ヤーンなどのいずれの形状のものでもよい。またその布
帛組織は織物、編物、不織布またはこれらの複合体のい
ずれであってもよい。基布の編織組織にも格別の制限は
ないが、例えば少なくともそれぞれ、糸間間隙をおいて
平行に配置された経糸及び緯糸を含む糸条により構成さ
れた粗目状の編織物、及び非粗目状編織物(糸条間に実
質上間隙が形成されていない編織物)を包含する。
【0009】粗目織物の目付は30〜700g/m2
あることが好ましく、また粗目編織物の透孔面積率は、
粗目編織物の面積に対して10〜95%程度であること
が好ましい。また、繊維性基布が非粗目編織物である場
合、その組織、目付、厚さなどに制限はなく、使用目的
に応じて、平織、綾織、丸編、緯編、及び経編などの編
織物を選ぶことができる。その目付は、50〜1000
g/m2 程度とすることが好ましい。繊維基布の強度に
ついては格別の制限はないが、展張膜材として使用する
場合にはJIS L 1096により測定された引張強
さが、40kgf /3cm以上であることが好ましい。
【0010】これらの繊維基布には、それをシート状基
材として用いたときの不透明度を調整するために、任意
の色相に先染しておいてもよく、或いは着色紡糸された
合成繊維、またはその糸から作られたものであってもよ
い。この場合、黒色、及びグレー色などのような暗色系
の色調に着色されることが好ましい。この着色には顔
料、染料又はこれらを併用することができる。また、耐
水性、及び吸水防止性を付与する目的をもって、例え
ば、ワックスエマルジョン、樹脂バインダーを含むワッ
クスエマルジョン、及びシリコーン系化合物のエマルジ
ョン、及びこれらの溶液などを噴霧するか、又はその中
に浸漬する方法により撥水前処理を施してもよい。ま
た、必要に応じ、紫外線吸収剤、風合い調整剤、帯電防
止剤、抗菌剤などのように当該技術分野において公知の
添加剤を含む処理液で前処理を施しても良い。
【0011】繊維基布上に積層される合成樹脂に、格別
の制限はなく、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリレ
ート共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエ
ステル、ポリアミド、フッ素樹脂およびシリコーン樹脂
などから、目的、用途に応じて適宜に選択することがで
きる。これらの合成樹脂には、必要に応じ、紫外線吸収
剤、酸化防止剤、充填剤、帯電防止剤、抗菌剤など、当
該技術分野において公知の添加剤を併用することができ
る。積層方法は、コーティング法、トッピング法、及び
ディッピング法など任意の方法を選ぶことができる。合
成樹脂層は、任意の色相に着色することができ、これに
用いる着色剤は、任意のものを選ぶことができる。例え
ば、シート状基材の樹脂被覆層を白色に着色すると、印
刷画像がより鮮明になり好ましい。シート状基材に積層
される樹脂被覆層は、片面に2層以上積層されたもので
あってもよい。
【0012】本発明の広告用膜材は、シート状基材の不
透明度をより高めることを目的として、シート状基材が
着色剤によって着色された樹脂被覆層を含んでいてもよ
い。樹脂被覆層に使用できる着色剤としては、染料系、
顔料系を問わず任意のものを用いることができる。また
着色剤は、有機化合物系着色剤、無機化合物系着色剤の
何れであってもよい。これらは、単独もしくは混合して
用いることができる。さらに、着色剤として、アルミニ
ウム粉顔料、ブロンズ粉、ニッケル粉、ステンレス粉、
パール顔料を用いてもよい。特に、シート状基材が、そ
の片面側に樹脂被覆層を2層以上有する場合において
は、その内側となる層を暗色系の色調に着色することが
好ましく、これを黒色に着色することがより好ましい。
積層される樹脂被覆層の厚さは、シート状基材に要求さ
れる不透明度に応じて、適宜の厚さにすることができる
が、取り扱い性を考慮して、インク受理層を形成して得
られる広告用膜材としたときの重量が1000g/m2
を越えないような厚さに調整することが好ましく、30
0g/m2 〜800g/m2 とすることがさらに好まし
い。
【0013】また、シート状基材中には、Al,Ag,
Au,Cu,Snなどの少なくとも1種の金属の蒸着
層、あるいは金属箔層が積層されていてもよい。金属蒸
着層を形成する方法としては、真空蒸着法など公知の方
法をとることができる。ポリエステルフィルムなどに予
めAl蒸着されたものが市販されており、これらを使用
すると簡便に金属蒸着層を設けることができる。金属箔
を使用する場合には、ウレタン系接着剤など公知の接着
剤を使用してシート状基材と貼り合わせればよい。何れ
の場合においても、得られるシート状基材としたときの
不透明度が80%以上であることを満たすように、繊維
基布層、樹脂被覆層、金属蒸着層、及び/又は金属箔層
などを組み合わせて用いればよい。シート状基材の不透
明度が80%以下では、両面に描かれた画像が互いに透
けて見えてしまうので好ましくない。
【0014】シート状基材の上には、インク受理層と基
材の密着性を向上させるために、必要に応じて接着層を
設けることができる。接着層として用いることができる
接着剤としては、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、
エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエチレンイ
ミン系樹脂、ポリイソシアネート系樹脂、ポリウレタン
系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂等
を挙げることができ、目的、用途、及び樹脂被覆層の合
成樹脂の種類に応じて適宜選択することができる。ま
た、シート状基材とインク受理層との密着性を向上させ
るための他の方法として、シート状基材の接着面に接着
性向上処理、例えばコロナ放電処理、プラズマ処理、化
学洗浄処理を施してもよい。
【0015】本発明の広告用膜材において、インク受理
層に用いられる親水性樹脂としては、澱粉、ゼラチン、
ヒドロキシメチルセルロース、メチルセルロース等のセ
ルロース誘導体、澱粉−アクリロニトリル重合体の加水
分解生成物、無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアル
コール及びその変成物、例えばカチオン化ポリビニルア
ルコール、シラノール化ポリビニルアルコール、スルホ
ン化ポリビニルアルコールなど、ポリビニルアセタール
系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリビニルピロ
リドン系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリエチレ
ンポリアミド系樹脂、ポリアミドポリアミン系樹脂、ポ
リエチレンオキサイド、ポリエチレンオキサイド−ポリ
プロピレンオキサイド共重合体等のポリアルキレンオキ
サイド誘導体、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹
脂及びアクリル系樹脂などが挙げられる。これらは、単
独もしくは混合して用いてもよい。染料インクの定着を
向上させることを目的として、公知の染料定着剤(耐水
化剤)を併用してもよい。染料定着剤としては、染料分
子に含まれるスルホン酸基、カルボン酸基とイオン結合
して水に不溶性の錯体を形成することができるカチオン
性化合物が選ばれる。カチオン性化合物としては、発色
性、溶出性を考慮してカチオン系ポリマーを選択するこ
とが好ましい。このようなカチオン系ポリマーの例とし
ては、ポリエチレンイミン塩、ジメチルアミンエピハロ
ヒドリン縮合体、ポリアルキレンポリアミンジシアンジ
アミドアンモニウム縮合体、ポリビニルアミン塩、ポリ
アリルアミン塩、(メタ)アクリル酸アルキル4級アン
モニウム塩、(メタ)アクリルアミドアルキル4級アン
モニウム塩、ポリジメチルジアリルアンモニウム塩、ポ
リスチレン4級アンモニウム塩、ポリビニールピリジウ
ムハライド、ポリビニールベンジルトリメチルアンモニ
ウム塩などが挙げられる。これらは、単独もしくは混合
して用いてもよい。また、インク吸収性が損なわれない
範囲において、当該技術分野で公知の疎水性樹脂、及び
/又は硬化剤を混合してもよい。このような疎水性樹脂
としては、スチレン−ブタジエン共重合体などの合成ゴ
ムラテックス、及びエチレン−酢酸ビニル樹脂などの合
成樹脂エマルジョンなどのように水に分散可能なものが
好ましいが、これに限定されるものではない。硬化剤と
しては、エポキシ系硬化剤、メラミン系硬化剤、イソシ
アネート系硬化剤、カルボジイミド系硬化剤、オキサゾ
リン系硬化剤などを、使用する樹脂に応じて適宜選択す
ることができる。
【0016】さらに、インク受理層には、必要に応じ顔
料を添加できる。このような顔料としては、例えば、シ
リカ、カオリンクレー、ゼオライト、セピオライト、炭
酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウ
ム、タルク、硫酸バリウム、珪酸カルシウム、珪酸アル
ミニウム、珪藻土、酸化チタン等の無機顔料、ポリスチ
レン及びアクリル系樹脂などからなる有機多孔質微粒子
及び有機中空微粒子が挙げられる。乾燥によって、擬ベ
ーマイト構造を有するアルミナ水和物を形成するアルミ
ナゾルをインク受理層に添加してもよい。また、インク
受理層にアルギン酸塩や、天然タンパク質を粉砕処理し
て得られる吸水性微粒子を添加してもよい。インク受理
層にこれらの顔料及び/又は吸水性微粒子を添加する
と、インク吸収性が向上することに加えインク受理層の
ブロッキングを抑制することができ好ましいものとな
る。吸油量の大きいものを使用した場合には、インク吸
収性がさらに向上し、より好ましいものとなる。
【0017】このほかインク受理層の各々に、紫外線吸
収剤、光安定剤、酸化防止剤、増粘剤、消泡剤、顔料分
散剤、蛍光増白剤、界面活性剤、金属系カップリング
剤、帯電防止剤、及び抗菌剤などの、当該技術分野で公
知の添加剤を使用することができる。
【0018】インク受理層に使用される顔料は、親水性
樹脂重量に対し、10〜300%が好ましく、50〜2
00%がより好ましい。インク受理層の、シート状基材
に対する塗工量は、乾燥重量で5g/m2 〜40g/m
2 に設定することが好ましく、10g/m2 〜30g/
2 とすることがより好ましい。5g/m2 未満ではイ
ンク吸収性が不十分となることがあり、また40g/m
2 を越えて、大量に塗工しても得られるインク受理層の
インク吸収性に大きな向上はなく、コスト上に不利とな
る。シート状基材の両面にインク受理層が形成される場
合、この2層のインク受理層は、互いに異なる組成を有
するものであってもよく、或は、互いに異なる組成の2
層以上を積層して形成したものであってもよい。
【0019】シート状基材にインク受理層を形成する方
法としては、ブレードコーター、エアーナイフコータ
ー、ロールコーター、カーテンコーター、バーコータ
ー、グラビアコーター、コンマコーター等が利用でき
る。繊維基布上に直接インク受理層を形成する場合に
は、インク受理層形成用塗工液を繊維基布に含浸させ、
これをマングルロールにより絞り、所望量の塗工液を含
浸させる方法、すなわちディップ−ニップ法を用いるこ
とができる。
【0020】本発明の広告用膜材において、シート状基
材、インク受理層(繊維基布層、樹脂被覆層を包含す
る)に添加できる防炎剤としては、ハロゲン系化合物、
リン酸エステル系化合物、ポリ燐酸アンモニウム系化合
物、(イソ)シアヌル酸誘導体化合物、シアナミド化合
物、尿素化合物、ホウ素系化合物、硫黄系化合物、無機
充填剤など当該技術分野で公知のものを用いることがで
きる。
【0021】ハロゲン系化合物としては、ヘキサブロモ
シクロドデカン、ヘキサブロモベンゼン、テトラブロモ
ビスフェノールA、デカブロモジフェニルエーテルなど
を用いることができる。リン酸エステル系化合物として
は、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェー
ト、トリプロピルホスフェート、トリブチルホスフェー
ト、トリペンチルホスフェート、トリヘキシルホスフェ
ート、ジメチルエチルホスフェート、メチルジブチルホ
スフェートなどの鎖状アルキルリン酸エステル、トリフ
ェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、ジフ
ェニルオクチルホスフェート、p−ベンジルフェニルホ
スフェート、ヒドロキシフェニルジフェニルホスフェー
トなどの芳香族リン酸エステル化合物、トリス(2−ク
ロロエチル)ホスフェート、トリス(2,3−ジクロロ
プロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ジブロモプ
ロピル)ホスフェート、トリス(2,4,6−トリブロ
モフェニル)ホスフェート、トリス(トリブロモネオペ
ンチル)ホスフェートなどの含ハロゲンリン酸エステ
ル、及びこれら化合物のオリゴマー状縮合体を用いるこ
とができる。前記オリゴマー状縮合体としては、例え
ば、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェー
ト)、ビスフェノールAテトラフェニルジホスフェー
ト、ビスフェノールAテトラクレジルジホスフェート、
1,3−フェニレンビス(ジフェニルホスフェート)、
レゾルシノールジホスフェート、レゾルシノールビス
(ジフェニルホスフェート)、トリオキシベンゼントリ
ホスフェートなどのオリゴマー状芳香族リン酸エステル
縮合体を用いることができる。
【0022】ポリ燐酸アンモニウム系化合物としては、
オルソ燐酸アンモニウムと尿素の縮合生成物が用いるこ
とが出来る。ポリ燐酸アンモニウムはこのまま用い、ま
たはメラミンにより表面を被覆したもの、マイクロカプ
セル化したものを用いてもよい。(イソ)シアヌル酸誘
導体化合物としては、メラミン、硫酸メラミン、燐酸メ
ラミン、ポリ燐酸メラミン、トリメチロールメラミン、
シアヌル酸トリメチルエステル、シアヌル酸トリエチル
エステル、アンメリン、アンメリド、及び2,4,6−
トリオキシシアニジンなどのシアヌル酸誘導体を用いる
ことができる。また、イソアンメリン、イソメラミン、
イソアンメリド、トリメチルカルボジイミド、トリエチ
ルカルボジイミド、及びトリカルボイミドなどのイソシ
アヌル酸誘導体を用いることができる。シアナミド化合
物としては、例えばジシアンジアミド、ジシアンジアミ
ジシン、グアニジン、スルファミン酸グアニジン、燐酸
グアニジン、及びジグアニドなどのシアナミド誘導体を
用いることができる。尿素化合物としては、尿素、ジメ
チロール尿素、ジアセチル尿素、トリメチル尿素、N−
ベンゾイル尿素、及び燐酸グアニル尿素などの尿素誘導
体を用いることができる。ホウ素系化合物としては、ホ
ウ酸、リン酸ホウ素、ホウ酸アンモニウム、ホウ酸亜鉛
などを用いることができる。硫黄系化合物としては、チ
オ尿素、硫酸アンモニウム、スルファミン酸アンモニウ
ムなどを用いることができる。無機充填剤としては、水
酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチ
モン、酸化亜鉛、酸化錫などを用いることができる。
【0023】これらの防炎剤は、単独、あるいは混合し
て用いてもよい。添加方法については格別の制限はな
く、シート状基材(繊維布帛層、樹脂被覆層を包含す
る)及びインク受理層のそれぞれを形成する際に予め添
加しておけばよい。とくに繊維布帛層に対しては、後処
理によって防炎剤を付着させてもよい。添加量について
も格別の制限はないが、インク受理層に添加する場合に
おいては、印刷性への影響を考慮してインク受理層の全
重量に対し、2〜30重量%であることが好ましく、5
〜25重量%であることがより好ましい。
【0024】本発明の広告用膜材において、シート状基
材(繊維基布層、樹脂被覆層を包含する)インク受理層
に添加できる防カビ剤としては、当該技術分野で公知の
防カビ剤を用いることができる。例えば、3,5−ジブ
ロモサリチル−4−ブロモアニリド、N−(3,4−ジ
クロロフェニル)−N′−(4−クロロフェニル)ウレ
ア、6−ヒドロキシ−2−(3,5−ジメチル−1−ピ
ラゾリル)−4−フェニルピリミジンなどのアミド系化
合物、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール、メ
チル−1−(ブチルカルボモイル)−2−(ベンズイミ
ダゾール)カーバメイト、メチルベンズイミダゾールカ
ーバメイト、2−(メトキシカルボニルアミノ)ベンズ
イミダゾールなどのイミダゾール化合物、ベンゾトリア
ゾール、5−クロロベンゾトリアゾール、トリルトリア
ゾールなどのトリアゾール系化合物、塩化ベンザルコニ
ウム、ドデシルトリメチル塩化アンモニウム、ジデシル
ジメチル塩化アンモニウムなどの第4級アンモニウム
塩、テトラクロロイソフタロニトリル、4−メチルスル
ホニルテトラクロロピリジン、2,2−ジブロモ−2′
−クロロアセトフェノンなどの有機ハロゲン化合物、ト
リフェニル錫ヒドロキシド、10,10′−オキシビス
フェノオキシアルジンなどの有機金属化合物、N,N′
−ジメチル−N′−フェニル−N′−フルオロジクロロ
メチルチオスルファミド、N−(フルオロジクロロメチ
ルチオ)−フタルイミド、ビス(ジメチルジチオカルバ
モイル)ジスルフィドなどのチオ系化合物、2−(チオ
シアノメチルチオ)ベンゾチアゾール、2−メチルカプ
トベンゾチアゾールナトリウム、1,2−ベンゾイソチ
アゾリン−3−オンなどのチアゾール系化合物、などが
挙げられる。
【0025】また、これら有機化合物単体、及びこれら
有機化合物と金属化合物を複合して、無機酸化物に担
持、インターカレーションさせた有機−無機複合体は、
防黴性だけでなく抗菌性も有しているなど、好適に用い
ることができる。この有機−無機複合体に用いられる金
属化合物としては、銀、銅などが挙げられ、無機酸化物
としては、多孔質化合物、例えばシリカなど、層状化合
物、例えばゼオライト、セピオライトなどの粘土質鉱
物、及びリン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン
酸アルミニウムなどのリン酸塩化合物などが用いられ
る。具体的には、ベンズイミダゾール系化合物と銀をシ
リカに担持させた化合物、リン酸塩化合物、ゼオライト
など層状無機化合物に、チアゾール系化合物、トリアゾ
ール系化合物を単独にインターカレーションした化合
物、同様にチアゾール系化合物、トリアゾール系化合物
と銀を複合してインターカレーションした化合物などが
挙げられ、具体的には、CS−100(住友大阪セメン
ト(株)製)、カビノン100、カビノン800、カビ
ノン900(いずれも東亞合成(株)製)等各種のもの
が市販されている。
【0026】これらの防黴剤は、単独、あるいは混合し
て用いてもよい。添加方法については格別の制限はな
く、シート状基材(繊維基布層、樹脂被覆層)及びイン
ク受理層のそれぞれを形成する際に予め添加しておけば
よい。とくに繊維基布に対しては、後処理によって防カ
ビ剤を付着させてもよい。添加量についても格別の制限
はないが、インク受理層に添加する場合においては、印
刷性への影響を考慮してインク受理層の全重量に対し、
0.2〜5重量%であることが好ましい。
【0027】更に、膜材の擦過性及び耐久性を向上させ
る目的で、印刷後のインク受理層表面に保護層を設けて
もよい。保護層として用いられる樹脂は、透明性に優れ
ている必要があり、具体的には、ポリ塩化ビニル樹脂、
ポリウレタン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エ
チレン−(メタ)アクリレート共重合体、アクリル樹
脂、シリコンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素
樹脂、シリコーン樹脂などの合成樹脂を用いることがで
きる。また得られる膜材が所望の透明性を失わない範囲
において保護層が防カビ剤、防炎剤、紫外線吸収剤、帯
電防止剤、抗菌剤、硬化剤、コロイダルシリカ、など、
当該技術分野において公知の添加剤を含んでいてもよ
い。保護層を形成する方法に格別の制限はなく、スプレ
ーによる噴霧法、コーティング法、ディッピング法、或
いはフィルム状に成形されたものをラミネートする方法
など、いずれの方法を用いても良い。
【0028】
【実施例】本発明を下記実施例により更に説明する。
【0029】実施例1 シート状基材として、厚さ0.3mmのポリプロピレン系
樹脂フィルム(商標:ユポ、王子油化合成紙製)を使用
した。このシート状基材の不透明度は99%であった。
このシート状基材の両面に、インク受理層との接着性を
向上させるために、ポリエステル系樹脂(商標:ペスレ
ジンWAC−10、高松油脂製)を塗布、乾燥して3g
/m2 のプライマー層を形成した。このシート状基材の
両面に下記に示すインク受理層塗工液をエアナイフコー
ターにより100μmの厚さにコーティングした。これ
を120℃で2分間乾燥し、インク受理層を形成した。 (インク受理層塗工液−1) ポリビニルアルコール樹脂 20重量部 (商標PVA124、クラレ) 含水シリカ 40重量部 (商標ニップシールE−150J、日本シリカ工業) イオン交換水 340重量部 得られた広告用膜材の試験結果を表1に示す。
【0030】実施例2 シート状基材として、下記の織り組織を有する綿短繊維
紡績糸からなる非粗目状織物−1を使用した。このシー
ト状基材の不透明度は、85%であった。 このシート状基材の両面に、プライマー層を設けずに直
接インク受理層を形成したことを除き、その他は実施例
1と同様にしてインク受理層を形成した。得られた広告
用膜材の試験結果を表1に示す。
【0031】実施例3 繊維基布として、下記の織り組織を有するポリエステル
長繊維糸条からなる粗目状織物を使用した。 この繊維基布の両面に、下記に示す組成を有し、かつカ
レンダー加工により厚さ0.2mmに成形した白色軟質ポ
リ塩化ビニル樹脂フィルムをラミネートしてシート状基
材を作製した。このシート状基材の不透明度は95%で
あった。 (白色軟質塩化ビニル樹脂) ポリ塩化ビニル樹脂 100重量部 (ストレート塩ビ) ジオクチルフタレート 60重量部 エポキシ化大豆油 5重量部 Ba−Zn系安定剤 3重量部 ルチル型酸化チタン 10重量部 紫外線吸収剤 0.1重量部 (商標チヌビンP、チバ・ガイギー) この他は、実施例1と同様にしてプライマー層、インク
受理層を形成した。得られた広告用膜材の試験結果を表
1に示す。
【0032】実施例4 実施例3で使用した繊維基布の片面に、下記に示す組成
を有し、かつカレンダー加工により厚さ0.1mmに成形
した黒色軟質塩化ビニル樹脂フィルムをラミネートし、
さらにその両面上に実施例3で使用した白色軟質塩化ビ
ニル樹脂フィルムをラミネートした。このシート状基材
の不透明度は99.9%であった。 (黒色軟質塩化ビニル樹脂) ポリ塩化ビニル樹脂 100重量部 ジオクチルフタレート 60重量部 エポキシ化大豆油 5重量部 Ba−Zn系安定剤 3重量部 カーボンブラックマスターバッチ 5重量部 この他は、実施例1と同様にしてプライマー層、インク
受理層を形成した。得られた広告用膜材の試験結果を表
1に示す。
【0033】実施例5 シート状基材として、Al蒸着が施された厚さ0.06
5mmのポリエステルフィルムを使用した(商品名マルチ
ミラーS、麗光)。このシート状基材の不透明度は10
0%であった。この他は、実施例1と同様にしてプライ
マー層、インク受理層を形成した。得られた広告用膜材
の試験結果を表1に示す。
【0034】実施例6 繊維基布として、下記の織り組織を有し、かつポリエス
テル長繊維糸条からなる非粗目状織物を使用した。 この繊維基布を下記に示す組成の着色剤分散液をディッ
ピング加工後、乾燥し、黒色に先染した。 (着色剤分散液) 水性黒色顔料 10重量部 (商標black FLTR conc,大日精化工業) 水性アクリル樹脂 2重量部 (商標プライマルHA−8、ローム&ハース) イオン交換水 88重量部 次いで、この繊維基布の両面に、下記に示す組成のポリ
塩化ビニル樹脂分散液(塩ビゾル)を、ナイフコーター
により表面厚さ0.2mmになるようにコーティングし
た。これに熱処理を施すことによって塩化ビニル樹脂分
散液をゲル化せしめ、シート状基材を作製した。このシ
ート状基材の不透明度は、90%であった。 (ポリ塩化ビニル樹脂分散液) ポリ塩化ビニル樹脂 100重量部 (ペースト塩ビ) ジオクチルフタレート 60重量部 エポキシ化大豆油 5重量部 Ba−Zn系安定剤 3重量部 ルチル型酸化チタン 1重量部 このシート状基材の両面に、実施例1と同様にしてプラ
イマー層、インク受理層を形成した。得られた広告用膜
材の試験結果を表1に示す。
【0035】実施例7 実施例6と同様にして広告用膜材を作製した。但し、イ
ンク受理層塗工液を下記の組成に替えた。 (インク受理層塗工液) ポリビニルピロリドン樹脂 20重量部 エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(固形分濃度: 20重量部 50%) (商標:スミカフレックス751、住友化学工業製) イオン交換水 200重量部 得られた広告用膜材の試験結果を表1に示す。
【0036】比較例1 実施例1と同様にして広告用膜材を作製した。但し、イ
ンク受理層を片面にしか形成しなかった。得られた広告
用膜材の試験結果を表1に示す。
【0037】比較例2 シート状基材として、下記の織り組織を有する綿短繊維
紡績糸からなる非粗目状織物−2を使用した。このシー
ト状基材の不透明度は、69%であった。この他は、実
施例2と同様にして広告用膜材を作製した。 得られた広告用膜材の試験結果を表1に示す。
【0038】比較例3 実施例3と同様にして広告用膜材を作製した。但し、シ
ート状基材に使用する白色軟質塩化ビニル樹脂フィルム
中のルチル型酸化チタン顔料の配合量を10重量部から
1重量部に減量した。このシート状基材の不透明度は、
75%であった。得られた広告用膜材の試験結果を表1
に示す。
【0039】比較例4 実施例4と同様にして広告用膜材を作製した。但し、イ
ンク受理層塗工液に用いるポリビニルアルコール樹脂2
0重量部の代りに、スチレンアクリル樹脂(商標:バナ
テックスN−20、新中村化学工業製、固形分濃度40
%)を50部を添加した。得られた広告用膜材の試験結
果を表1に示す。
【0040】実施例8 実施例4と同様にして広告用膜材を作製した。但し、シ
ート状基材に使用する白色軟質塩化ビニル樹脂と黒色軟
質塩化ビニル樹脂層のそれぞれに、防炎剤として三酸化
アンチモン5重量部を添加した。得られた広告用膜材の
試験結果を表2に示す。
【0041】実施例9 実施例4と同様にして広告用膜材を作製した。但し、シ
ート状基材に使用する白色軟質塩化ビニル樹脂と黒色軟
質塩化ビニル樹脂のそれぞれに防炎剤として三酸化アン
チモンを3重量部ずつ添加したものを使用した。さらに
ポリエステル粗目状織物をヘキサブロモシクロドデカン
を主成分として含む繊維用防炎処理剤(商標:ホスコン
MK−10B、明成化学工業製)でディッピング処理
後、乾燥したものを繊維基布として使用した。得られた
広告用膜材の試験結果を表2に示す。
【0042】実施例10 実施例4と同様にして広告用膜材を作製した。但し、シ
ート状基材の両面に形成するインク受理層に防カビ剤と
して2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾールを0.
4重量部添加した。得られた広告用膜材の試験結果を表
2に示す。
【0043】実施例11 実施例4と同様にして広告用膜材を作製した。但し、シ
ート状基材に使用する白色軟質塩化ビニル樹脂に防カビ
剤としてテトラクロロイソフタロニトリルを5重量部添
加した。得られた広告用膜材の試験結果を表2に示す。
【0044】実施例12 実施例4と同様にして広告用膜材を作製した。但し、シ
ート状基材に使用する白色軟質塩化ビニル樹脂に防炎剤
としてトリクレジルホスフェートを10重量部添加し、
インク受理層にテトラクロロイソフタロニトリルを0.
5重量部添加した。得られた広告用膜材の試験結果を表
2に示す。
【0045】実施例13 実施例9と同様にして広告用膜材を作製した。但し、シ
ート状基材の両面に形成するインク受理層に防カビ剤と
してベンズイミダゾール系化合物と銀をシリカに担持さ
せた化合物であるCS−100(住友大阪セメント
(株)製)を0.5重量部添加した。得られた広告用膜
材の試験結果を表2に示す。
【0046】テスト (1)不透明度の測定方法 シート状基材の不透明度は、TOPCON社製IM−3
型照度計を用い、下記のようにして求めた。まず、上面
に直径20cmの開口部が設けられ、一辺が30cmの立方
体の形状の箱の上方から、内部に置かれた照度計が20
00ルックスを表示するように照明を当てる。次に、開
口部に隙間が生じないようにシート状基材を置き、この
ときの照度を測定する。この結果から下式により算出し
た。 不透明度(%)=〔シート状基材設置前の照度−シート
状基材設置後の照度〕/〔シート状基材設置前の照度
(2000ルックス)〕×100
【0047】(2)印刷性 ぺんてる社製インクジェットプリンターPRP−22型
(使用インクは、水性顔料インク)を用いて供試膜材の
両面に画像を形成した。印刷画像の鮮明性を下記の基準
にて評価した。 ◎ 両面ともインク吸収性、発色性が非常に良好なもの ○ 両面ともインク吸収性、発色性が良好なもの △ 両面ともインク吸収性、発色性が十分でないもの × 両面ともインク吸収性、発色性が不良なもの
【0048】(3)両面印刷適正 両面に画像を印刷した広告用膜材の背面から2000ル
ックスの照明を当てた状態で正面から画像を観察し、表
面に描かれた画像に反対面に描かれた画像が重なって見
えるか否かを目視により評価した。評価は、下記の基準
にて行った。 ◎ 反対面に描かれた画像が全く見えないもの ○ 反対面に描かれた画像が実質的に見えないもの △ 反対面に描かれた画像がわずかに透けて見えるもの × 反対面に描かれた画像がはっきりと透けて見えるも
【0049】(4)防炎性能試験 消防法施工規則第4条の3第3項、第4項、第7項に規
定されたテント、膜類の防炎性能試験(ミクロバーナー
法)に準じ、1分加熱試験で行った。評価は、下記の条
件を同時に満たしたものを合格とした。 残炎時間3秒以下 残ジン時間5秒以下 炭化面積30cm2 以下 (5)防カビ性能試験 JIS Z−2311黴抵抗性試験方法に準じておこな
った。防カビ剤を含まないインク受理層に発生した黒カ
ビを、更にシャーレー内で培養して菌体とし、ハロー効
果の有無を目視で評価した。評価は、下記の基準にて行
った。 1:試料面にカビの生育がまったく認められない。 2:試料面にカビの生育がごくわずか認められる。 3:試料面の1/3以下にカビの生育が認められる。 4:試料面の2/3以下にカビの生育が認められる。 5:試料面の全面にカビの生育が認められる。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【発明の効果】本発明の広告用膜材は、両面にインク受
理層を形成し、且つシート状基材の不透明度を80%以
上としたことにより、両面に印刷を施すことができ、そ
れぞれの画像が反対面に描かれた画像の影響を受けずに
鮮明に観察できる。また、シート状基材(繊維基布層、
樹脂被覆層)インク受理層の少なくとも1層に、防炎
剤、防黴剤の少なくとも1種を含有させることにより、
防炎性、および/または防黴性を付与することができ
る。従って、本発明の膜材は屋内外看板、垂れ幕などの
広告用途に適したものとなる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 80%以上の不透明度を有するシート状
    基材と、その両面に形成され、かつ親水性樹脂を含むイ
    ンク受理層とを有することを特徴とする広告用膜材。
  2. 【請求項2】 前記シート状基材が、繊維基布を含む請
    求項1に記載の広告用膜材。
  3. 【請求項3】 前記シート状基材が、繊維基布と、その
    少なくとも一面を被覆し、かつ合成樹脂を含有する樹脂
    被覆層とを含む、請求項1に記載の広告用膜材。
  4. 【請求項4】 前記不透明度80%以上のシート状基材
    が、着色剤によって着色されている、請求項1に記載の
    広告用膜材。
  5. 【請求項5】 前記不透明度80%以上のシート状基材
    が、着色剤によって着色された繊維基布層及び樹脂被覆
    層の少なくとも一層を含む、請求項1に記載の広告用膜
    材。
  6. 【請求項6】 前記不透明度80%以上のシート状基材
    が、Al,Ag,Au,Cu,Snから選ばれた少なく
    とも1種の金属蒸着層または金属箔層を含む、請求項1
    に記載の広告用膜材。
  7. 【請求項7】 前記シート状基材及び前記インク受理層
    の少なくとも一層が、防炎剤及び防カビ剤の少なくとも
    1種を含む、請求項1に記載の広告用膜材。
  8. 【請求項8】 前記繊維基布層及び樹脂被覆層の少なく
    とも一層が、防炎剤及び防カビ剤の少なくとも1種を含
    む、請求項3又は5に記載の広告用膜材。
JP31510099A 1999-11-05 1999-11-05 広告用膜材 Pending JP2001130128A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31510099A JP2001130128A (ja) 1999-11-05 1999-11-05 広告用膜材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31510099A JP2001130128A (ja) 1999-11-05 1999-11-05 広告用膜材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001130128A true JP2001130128A (ja) 2001-05-15

Family

ID=18061427

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31510099A Pending JP2001130128A (ja) 1999-11-05 1999-11-05 広告用膜材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001130128A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003094803A (ja) * 2001-04-10 2003-04-03 Guy Gilbert Chenel 特に外部に設置するための、印刷を受容するストレッチドフレキシブル表面をもつスクリーン
JP2006159600A (ja) * 2004-12-07 2006-06-22 Toray Ind Inc 生分解性印刷膜材
WO2010062438A3 (en) * 2008-11-26 2010-09-16 Avery Dennison Corporation Printable flame retardant polymeric film
KR100992374B1 (ko) 2009-12-16 2010-11-04 (주)세원미디어 전사인쇄용 재생 가능한 현수막원단 및 그 제조방법
JP2015509873A (ja) * 2012-02-20 2015-04-02 エーブリー デニソン コーポレイションAvery Dennison Corporation 多目的インクジェットシステム用多層フィルム
CN104927455A (zh) * 2015-07-15 2015-09-23 龚灿锋 一种耐腐蚀防火阻燃涂料
JP2015193256A (ja) * 2015-05-28 2015-11-05 中興化成工業株式会社 印刷媒体の製造方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003094803A (ja) * 2001-04-10 2003-04-03 Guy Gilbert Chenel 特に外部に設置するための、印刷を受容するストレッチドフレキシブル表面をもつスクリーン
JP2006159600A (ja) * 2004-12-07 2006-06-22 Toray Ind Inc 生分解性印刷膜材
WO2010062438A3 (en) * 2008-11-26 2010-09-16 Avery Dennison Corporation Printable flame retardant polymeric film
KR100992374B1 (ko) 2009-12-16 2010-11-04 (주)세원미디어 전사인쇄용 재생 가능한 현수막원단 및 그 제조방법
JP2015509873A (ja) * 2012-02-20 2015-04-02 エーブリー デニソン コーポレイションAvery Dennison Corporation 多目的インクジェットシステム用多層フィルム
JP2018079696A (ja) * 2012-02-20 2018-05-24 エーブリー デニソン コーポレイションAvery Dennison Corporation 多目的インクジェットシステム用多層フィルム
JP2015193256A (ja) * 2015-05-28 2015-11-05 中興化成工業株式会社 印刷媒体の製造方法
CN104927455A (zh) * 2015-07-15 2015-09-23 龚灿锋 一种耐腐蚀防火阻燃涂料

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000135859A (ja) 広告用膜材
JP3783774B2 (ja) 難燃性印刷用膜材
EP1080936B1 (en) Receiving sheet for ink-jet printing comprising a surfactant combination
EP0704315B1 (en) Ink jet recording medium and record
US6326323B1 (en) Fabric for ink-jet recording
EP1080937A1 (en) Ink-receiving sheet for ink-jet printing comprising a mixture of gelatin and saccharides
JP2001130128A (ja) 広告用膜材
KR100639720B1 (ko) 마크로다공성 잉크 수용 매체
US11275203B2 (en) Method of making opacifying articles
US6841205B1 (en) Ink-jet printing receiving sheet comprising gelatin and a metal salt
ITSV990028A1 (it) Foglio recettore per stampa a getto di inchiostro comprendente solvente organico altobollente e tensioattivo non ionico.
US10942300B2 (en) Opacifying articles
JP2002326842A (ja) 印刷用ガラスクロス
JPH04270679A (ja) インクジェットプリント用基材およびその製法
JP5722246B2 (ja) 難燃性不織布
WO2015146675A1 (ja) インクジェット記録用シートおよびインクジェット記録用シートの製造方法
US20030118789A1 (en) Ink-jet recording paper
JP2019044309A (ja) 樹脂付着ガラス繊維織物、該樹脂付着ガラス繊維織物にグラビア印刷が施された印刷物、及び該印刷物を含む建築内装材
CN217869687U (zh) 一种户内环保抗菌围挡布
JP2002061071A (ja) 防炎印刷用シート
EP3850047B1 (en) Opacifying articles and methods of making
US11746463B2 (en) Method for preparing laminated precursor rolls
JP4015880B2 (ja) インクジェット記録用シート
US11117411B2 (en) Transfer paper
JPH11200250A (ja) インクジェット印刷用素材

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040406

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20041012