JP2003191386A - 防汚性シート - Google Patents

防汚性シート

Info

Publication number
JP2003191386A
JP2003191386A JP2002093052A JP2002093052A JP2003191386A JP 2003191386 A JP2003191386 A JP 2003191386A JP 2002093052 A JP2002093052 A JP 2002093052A JP 2002093052 A JP2002093052 A JP 2002093052A JP 2003191386 A JP2003191386 A JP 2003191386A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
coating layer
mass
parts
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002093052A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Suzuki
健二 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hiraoka and Co Ltd
Original Assignee
Hiraoka and Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hiraoka and Co Ltd filed Critical Hiraoka and Co Ltd
Priority to JP2002093052A priority Critical patent/JP2003191386A/ja
Publication of JP2003191386A publication Critical patent/JP2003191386A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 防汚性・耐候性に優れた防水シートの提供。 【解決手段】 繊維布帛基布の少なくとも一面上に形成
された天然又は合成ゴム、或は合成樹脂を含む重合体被
覆層上に、オルガノシリケート及び/又はその縮合体を
含む親水性被膜層を形成し、必要により、重合体被覆層
と親水性被膜層との間に、添加剤移行防止層を配置す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防汚性に優れたシ
ートに関するものである。さらに詳しく述べるならば、
本発明は、中・大型テント、テント倉庫、軒出しテン
ト、トラック用の幌、看板用バックリットなどの産業資
材用途に極めて有用な、防汚性に優れたシートに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、中・大型テント、テント倉庫、軒
出しテント、トラック用の幌、看板用バックリットなど
の産業資材用途のシートとしては、例えば、繊維性基布
の片面又は両面に合成ゴムや合成樹脂からなる重合体被
覆層を積層したものが広く使用されている。これらのシ
ートは、用途によって様々な色相に着色されたものが使
用され、景観をカラフルに彩ることが可能である。とく
に重合体被覆層としてポリ塩化ビニル系樹脂を用いたも
のは、加工性、経済性、防炎性、柔軟性等のバランスが
良く、最も普及している。このようなシートは、ほとん
どの場合、屋外で使用されているが、使用期間が長くな
るにつれて工場や自動車などから排出される排煙や煤
煙、花粉、樹液、あるいは鳥や昆虫の糞などの汚染物質
によりシートの表面が汚染され、初期の美観が損なわれ
てしまうという問題が指摘されている。とくにポリ塩化
ビニル系樹脂を重合体被覆層としたシートは、組成中に
可塑剤や安定剤等を多く含むため、組成について十分な
吟味がなされたとしても、屋外で長期間使用している
と、紫外線や雨(酸性雨)の影響により次第に樹脂の分
解を来たし、また可塑剤が表面移行して次第に表面が粘
着性を帯びるため、塵や埃が付着し易くシート表面が汚
れ易いという欠点がある。このようなシートを用いて建
造したテント倉庫などの膜構造物では、天井部のシート
に付着した汚れの一部が、降雨によって側面部のシート
に流れ落ち、側面部に筋状の顕著な汚れ(雨筋汚れ)を
生じる。中・大型テントやテント倉庫などのように展張
面積が著しく大きい用途においては、汚染がひどくなっ
ても洗浄することは困難であり、美観が損なわれた状態
のまま使用を続けたり、短期間のうちに新しいシートへ
張り替えたりしなければならない。このため、当業界に
おいては、長期間に渡ってシート表面が汚れにくいシー
トの開発が求められている。
【0003】防汚性を改善する方法としては、例えば、
ポリ塩化ビニル系樹脂の表面に有機溶剤に溶かしたアク
リル系樹脂をコーティングする方法が一般的であるが、
この場合、コーティング用樹脂の有機溶剤中に可塑剤が
溶け出したり、ポリ塩化ビニル系樹脂に配合される液状
可塑剤や液状安定剤がコーティング樹脂層へ移行したり
するため効果が十分でない。アクリル系樹脂のかわりに
フッ素含有樹脂を表面にコーティングする方法(例えば
特開昭60−260333号公報など)は、アクリル系
樹脂をコーティングした場合と比較して可塑剤などの移
行を抑える効果が高く、さらに紫外線や雨に対するバリ
ア性も高いという特徴を有しているが、雨筋汚れ防止性
は十分でない。一方、重合体被覆層にフッ素含有樹脂
(例えば、特開平8−259638号公報など)、ウレ
タン系樹脂(例えば、特開平11−32376号公報な
ど)、エチレン−酢酸ビニル系樹脂などのオレフィン系
樹脂(例えば、特開2000−8276号公報など)な
どのように、可塑剤を使わずに成形できる合成樹脂を用
いたシートも知られているが、これらのシートの汚染物
質に対する防汚性、雨筋汚れ防止性は十分でない。
【0004】近年、建築外装用塗料、自動車用鋼板塗料
等の分野において、オルガノシリケート及び/又はその
縮合体を含む親水性の塗膜を形成することによって汚染
性を改善しようとする試みが行われている。例えば、特
開昭61−221282号公報には、オルガノシリケー
トをプラスチックに直接塗布、又はシートに混入する方
法、特開平10−72569号公報には、特定の有機塗
料組成にオルガノシリケート及び/又はその縮合物を配
合した塗料からなる被膜を表面に形成後さらに酸処理す
ることによって水に対する接触角を70度以下にする方
法が開示されている。これらの方法は、塗膜に含まれる
オルガノシリケート及び/又はその縮合体の加水分解に
よって生成したシラノール基によって塗膜の表面が親水
性となり、これによって降雨があったときに表面と表面
に付着した汚染物質の間に水が入り込んで汚染物質を浮
き上がらせ、汚染物質が水と一緒に流れ落ちるようにす
ることを狙ったもので、雨が降る度に表面の汚染物質が
除去され、長期間にわたって初期の美観を維持できるこ
とを特徴としている。
【0005】しかしながら、テントシートやトラック幌
などのシートの場合、その表面にオルガノシリケート及
び/又はその縮合体を含む親水性被膜層を設けたとして
も、その効果が得られなかったり、長期間に渡ってその
防汚性を維持することができなかったりする。この原因
の一つには、シートの重合体被覆層がポリ塩化ビニル系
樹脂などのように可塑剤や安定剤などの添加剤を多く含
む組成である場合、これらの添加剤が経時的に表面に移
行し、親水性被膜層の防汚性低下を助長してしまうこと
が挙げられる。また、テントやトラック幌などの用途に
シートが使用される場合、シートが風に煽られることに
よってシートが激しくはためき、屈曲を受けた部分の親
水性被膜に亀裂や剥がれが生じてしまうという問題が生
じる。
【0006】これに加え、親水性被膜層を有するシート
は、防汚性の向上により外観変化からみたシートの可使
期間が長くなる反面、屋外使用時の紫外線曝露の影響が
汚れの付着し易いシートよりも大きくなるので(防汚性
が低いシートの場合、表面に付着した汚れが擬似的な紫
外線遮蔽層となるので、重合体被覆層に対する紫外線の
影響は汚染によって緩和される)、シートの重合体被覆
層の光劣化が進みやすくなるだけでなく、重合体被覆層
が変色するなどの問題を生じていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、親水
性被膜層を形成したシートの防汚性の経時低下という上
記問題点を解消したシートを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の防汚性シート
は、繊維布帛を含む基布と、この基布の少なくとも一面
上に形成され、かつ、天然ゴム、合成ゴム、合成樹脂か
ら選ばれた少なくとも1種を含む重合体被覆層とからな
るシート状基材、並びに前記シート状基材の前記重合体
被覆層上に形成され、かつ、オルガノシリケート及びそ
の縮合体から選ばれた少なくとも1種を含む親水性被膜
層を有することを特徴とするものである。
【0009】本発明の防汚性シートにおいて、前記シー
ト状基材の重合体被覆層が、可塑剤、安定剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、及び防炎剤から選
ばれた少なくとも1種からなる添加剤をさらに含んでい
てもよい。本発明の防汚性シートにおいて、前記重合体
被覆層が、その主成分としてポリ塩化ビニル系樹脂を含
むものであってもよい。本発明の防汚性シートにおい
て、前記重合体被覆層が、ポリ塩化ビニル系樹脂と、及
び、分子量400以上のフタル酸エステル系可塑剤、分
子量420以上の脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤、ト
リメリット酸エステル系可塑剤、ピロメリット酸エステ
ル系可塑剤、ジペンタエリスリトールエステル系可塑
剤、エポキシ系可塑剤、分子量600以上のポリエステ
ル系可塑剤、エステル系ウレタン重合体、エチレン−酢
酸ビニル−一酸化炭素三元共重合体、エチレン−(メ
タ)アクリル酸エステル−一酸化炭素三元共重合体、の
何れか1種以上から選ばれる可塑剤とを含むものであっ
てもよい。本発明の防汚性シートにおいて、前記シート
状基材の重合体被覆層と、前記親水性被膜層との間に、
前記重合体被覆層中の添加剤が、前記親水性被膜層に移
行することを防止するための添加剤移行防止層が形成さ
れていることが好ましい。本発明の防汚性シートにおい
て、前記添加剤移行防止層が、(1)下記一般式
(I),(II)及び(III ):
【化2】 [但し、式(I),(II)及び(III )中、R1 及びR
2 は、それぞれ互に独立に水素原子又は1〜6個の炭素
原子を有する炭化水素基を表し、x1,x2及びx3
は、それぞれ互に独立に、1〜100の整数を表し、y
は2〜6の整数を表し、zは1〜2の整数を表す。]に
より表される共重合単位から選ばれた少なくとも1種を
含むエチレン性コモノマー付加共重合体、及び(2)ヒ
ドロキシル基含有エチレン性付加重合体から選ばれた少
なくとも1種を含むことが好ましい。本発明の防汚性シ
ートにおいて、前記添加剤移行防止層が、前記合成樹脂
に加えて(1)0.1μm以下の平均粒子径を有する酸
化亜鉛超微細粒子、並びに(2)ベンゾトリアゾール系
化合物及びベンゾフェノン系化合物から選ばれた少なく
とも1種の紫外線吸収性モノマーを共重合単位として含
む共重合体からなる群から選ばれた少なくとも1種から
なる紫外線吸収性共重合体をさらに含むことが好まし
い。本発明の防汚性シートにおいて、前記酸化亜鉛超微
細粒子の平均粒子径が0.04μm以下であることが好
ましい。本発明の防汚性シートにおいて、前記紫外線吸
収性共重合体が、ベンゾトリアゾ−ル系化合物及びベン
ゾフェノン系化合物から選ばれた少なくとも1種の紫外
線吸収性モノマーと、少なくとも1種のアクリル系モノ
マーとの共重合により得られた紫外線吸収性アクリル系
共重合体から選ばれたものであることが好ましい。本発
明の防汚性シートにおいて、前記添加剤移行防止層に用
いられる前記エチレン性コモノマーの付加重合体が前記
一般式(III )の共重合体単位を有するエチレン性モノ
マーとアクリル系モノマーとの付加共重合体から選ばれ
ることが好ましい。本発明の防汚性シートにおいて、前
記添加剤移行防止層が、少なくとも1種のエポキシ系化
合物をさらに含んでいることが好ましい。本発明の防汚
性シートにおいて、前記オルガノシリケートが、メチル
シリケートであることが好ましい。本発明の防汚性シー
トにおいて、前記シート状基材が、前記重合体被覆層と
前記添加剤移行防止層との間に形成され、かつフッ素含
有樹脂及び、フッ素変性樹脂から選ばれた1種以上を含
む可塑剤移行部防止層をさらに含んでいてもよい。本発
明の防汚性シートにおいて、前記シート状基材のJIS
K−6732−1981に従って測定された加熱減量
が1.0%以下であることが好ましい。本発明の防汚性
シートにおいて、前記シート状基材の加熱減量(JIS
K−6732−1981)が、0.50%以下である
ことが好ましい。本発明の防汚性シートにおいて、前記
親水性被膜層が透明であることが好ましい。本発明の防
汚性シートにおいて、前記親水性被膜層の全光線透過率
が75%以上であり、かつそのヘーズが15%未満であ
ることが好ましい。本発明の防汚性シートにおいて、前
記親水性被膜層及び前記添加剤移行防止層の合計全光線
透過率が75%以上であり、かつそのヘーズが15%未
満であることが好ましい。本発明の防汚性シートにおい
て、前記親水性被膜層の表面抵抗率が1.0×1012Ω
以下であることが好ましい。本発明の防汚性シートにお
いて、前記重合体被覆層が、30〜300ml/100g
の吸油量を有する無機顔料及び有機顔料から選ばれた1
種以上を、前記重合体被覆層の合計質量に対して50質
量%以下の含有量で含むものであってもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の防汚性シートの積層構造
を図1〜図5に例示する。図1に示された本発明の防汚
性シートにおいて、基布1の表面上に重合体被覆層2が
形成され、この両者1,2によりシート状基材3が構成
される。シート状基材3の重合体被覆層2の上に親水性
被膜層4が形成されている。図2に示された本発明の防
汚性シートにおいて、シート状基材3は、基布1と、そ
の表裏両面上に形成された表裏面重合体被覆層2,2か
らなり、これらの表裏面重合体被覆層2,2のそれぞれ
の上に、表裏両面親水性被膜層4,4が形成されてい
る。図3に示された本発明の防汚性シートにおいて、基
布1の表面上に重合体被覆層2が形成され、さらにその
上に添加剤移行防止層5が形成され、それによってシー
ト状基材3aが構成され、その添加剤移行防止層5の上
に親水性被膜層4が形成されている。図4に示された本
発明の防汚性シートにおいて、基布1の表裏両面に、表
裏面重合体被覆層2,2が形成され、さらに表裏面添加
剤移行防止層5,5が形成され、これらによってシート
状基材3aが構成され、その表裏面上に親水性被膜層
4,4が順次に形成されていてもよい。またこの場合、
裏面親水性被膜層が形成されていなくてもよい。図5に
示された本発明の防汚性シートにおいて、重合体被覆層
2と添加剤移行防止層5との間に可塑剤移行防止層6が
さらに形成されている。図示されていないが、図5の防
汚性シートにおいて、その基布1の裏面側に、重合体被
覆層、可塑剤移行防止層、添加剤移行防止層が形成さ
れ、さらに親水性被膜層が順次に形成されていてもよ
い。このとき、裏面側の親水性被膜層及び可塑剤移行防
止層が形成されていなくてもよい。
【0011】本発明の防汚性シートにおいて、シート状
基材に用いられる基布は、1層以上の布帛を含み、この
布帛は、天然繊維、例えば木綿、麻など、無機繊維、例
えばガラス繊維、炭素繊維、金属繊維など、再生繊維、
例えばビスコースレーヨン、キュプラなど、半合成繊
維、例えば、ジ−及びトリアセテート繊維など、及び合
成繊維、例えば、ナイロン6、ナイロン66などのポリ
アミド繊維、ケプラーなどのアラミド繊維、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポ
リエステル繊維(飽和ポリエステル繊維)及びポリ乳酸
繊維などの脂肪族ポリエステル繊維、ポリアクリレート
繊維、芳香族ポリエーテル繊維、ポリイミド繊維、アク
リル繊維、ビニロン繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロ
ピレン繊維などのポリオレフィン繊維及びポリ塩化ビニ
ル繊維、などから選ばれた少なくとも1種からなるもの
である。
【0012】基布用布帛中の繊維は、短繊維紡績糸、長
繊維糸条、スプリットヤーン、テープヤーンなど、いず
れの形状でもよい。また基布組織は織物、編物、不織布
又はこれらの複合体のいずれであってもよい。基布の編
織組織にも格別の制限はないが、例えば少なくともそれ
ぞれ、糸間間隙をおいて平行に配置された経糸及び緯糸
を含む糸条により構成された粗目状の編織物、及び非粗
目状編織物(糸条間に実質上間隙が形成されていない編
織物)を包含する。粗目織物の目付は30〜700g/
2 であることが好ましく、また粗目編織物の透孔面積
率は、粗目編織物の全表面面積に対して10〜95%程
度であることが好ましい。また繊維基布が非粗目編織物
である場合、その組織、目付、厚さなどに制限はない
が、使用目的に応じて、平織、綾織、丸編、緯編、及び
経編などの編織物を選ぶことができ、またその目付は5
0〜1000g/m2 程度とすることが好ましい。基布
の強度については格別の制限はないが、張力下に固定さ
れるような展張膜材として使用される用途については、
392N/3cm(40kgf /3cm)以上の引張強さを有
することが好ましい。これらの繊維布帛は、予め、フッ
素系化合物やシリコーン系化合物などの撥水剤を用いて
撥水処理したり、アミノ変性シリコーン化合物などの柔
軟剤加工剤を用いて柔軟加工していてもよい。また、こ
れらの繊維布帛には、グラビア印刷やインクジェット印
刷等の方法によって印刷模様が形成されていてもよい。
これらの印刷模様は、表面に存在する親水性被膜層の防
汚性により、長期間に渡って明瞭に観察することができ
る。
【0013】本発明の防汚性シートにおいて、基布の少
なくとも1面上に形成される重合体被覆層は、天然ゴ
ム;合成ゴム、例えばネオプレンゴム、クロロプレンゴ
ム、シリコーンゴム、ハイパロン、その他;又は合成樹
脂、例えばポリ塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹
脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニ
ル系共重合体樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸エス
テル系共重合体樹脂、アイオノマー系樹脂(エチレン−
(メタ)アクリル酸系共重合体の塩など)、ポリビニル
アルコール系樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合
体樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂(脂
肪族ポリエステル系樹脂を含む)、アクリル系樹脂、ポ
リアミド系樹脂、フッ素含有樹脂、スチレン系共重合体
樹脂(スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチ
レン−イソプレン−スチレン共重合体、及びこれらの水
素添加物など)、シリコーン系樹脂、その他の重合体
(熱可塑性エラストマーを包含する)から選ばれた1種
以上を用いることができる。
【0014】重合体被覆層用重合体は、種々の官能基、
例えばヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、ア
ルコキシシリル基などで変性されたものであってもよ
く、とくにヒドロキシル基や1級アミノ基を含有する重
合体は、親水性被膜層との密着性向上に有利である。と
くに、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、
塩素化ポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系
共重合体樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル
系共重合体樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系
樹脂、アクリル系樹脂、フッ素含有樹脂から選ばれた1
種以上を含む重合体被覆層であることが好ましく、ポリ
塩化ビニル系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、エチ
レン−酢酸ビニル系共重合体樹脂、エチレン−(メタ)
アクリル酸エステル系共重合体樹脂、ポリウレタン系樹
脂、ポリエステル系樹脂、テトラフルオロエチレン−ヘ
キサフルオロプロピレン−ビニリデンフルオライド共重
合体樹脂から選ばれた1種以上を含む重合体被覆層であ
ることがより好ましい。これらの樹脂を含む重合体被覆
層は、高周波ウェルダー加工によるシートの溶着加工性
が良好であり、本発明の防汚性シートに好適に用いるこ
とができる。重合体被覆層には、その表面に金属蒸着層
または金属薄(箔)膜層が形成されていてもよく、グラ
ビア印刷やインクジェット印刷等の方法によって印刷模
様が形成されていてもよい。これらの印刷模様は、表面
に存在する親水性被膜層の防汚性により、長期間に渡っ
て明瞭に観察することができる。
【0015】本発明の防汚性シートにおいて、重合体被
覆層に好適に用いられるポリ塩化ビニル系樹脂として
は、塩化ビニル単独重合体、及び塩化ビニルと他のモノ
マーとの共重合体から選ばれた1種以上を用いることが
できる。塩化ビニルと共重合可能なモノマーとして、塩
化ビニリデン、酢酸ビニル、エチレン、アクリロニトリ
ル、(メタ)アクリル酸エステル類などを用いることが
できる。また、ポリ塩化ビニル系樹脂を塩素化した塩素
ポリ塩化ビニル系樹脂であってもよい。
【0016】本発明の防汚性シートにおいて、重合体被
覆層に好適に用いられるポリオレフィン系樹脂として
は、エチレン、及びC3 〜C18のα−オレフィン類から
選ばれた1種以上のエチレン性不飽和モノマーを用い
て、ラジカル重合法、イオン重合法などにより製造され
たものを用いることができる。これらのポリオレフィン
系樹脂は、重合時に使用する触媒によって様々な物性の
ものが得られるが、例えば、チーグラー系触媒、メタロ
セン系触媒などの触媒を用いて製造されたものを用いる
ことができる。ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン
系樹脂を用いることが好ましい。また、これらの樹脂に
EPRやEPDMを溶融混練又は動的架橋したポリオレ
フィン系エラストマーを用いることもできる。
【0017】本発明の防汚性シートにおいて、重合体被
覆層に好適に用いられる塩素化ポリオレフィン系樹脂と
しては、低塩素化ポリエチレン系樹脂、高塩素化ポリエ
チレン系樹脂、低塩素化ポリプロピレン、高塩素化ポリ
プロピレン系樹脂を用いることができる。これらは、ポ
リエチレン又はポリプロピレン粉末を水性懸濁とし、原
料樹脂の結晶融点近傍の温度で塩素ガスを系内に吹き込
む方法などによって得ることができる。
【0018】本発明の防汚性シートにおいて、重合体被
覆層に好適に用いられるエチレン−酢酸ビニル系共重合
体樹脂としては、高圧法のラジカル重合法により製造さ
れた、酢酸ビニル成分含有率が比較的低い共重合体樹
脂、及び低圧溶液重合法で製造された、酢酸ビニル成分
含有率の比較的高い共重合体樹脂のいずれを用いても良
い。エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂中に占める酢
酸ビニル成分含有率は、10質量%〜95質量%である
ことが好ましい。酢酸ビニル成分含有量が多いものは、
高周波ウェルダー加工時の溶着性が高く、好適である。
これらのエチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂は、酢酸
ビニル成分含有率が前記範囲内にあるものを、単独に、
あるいは酢酸ビニル成分含有率の異なる共重合体の2種
以上を混合して用いてもよい。
【0019】本発明の防汚性シートにおいて、重合体被
覆層に好適に用いられるエチレン−(メタ)アクリル酸
エステル系共重合体樹脂としては、ラジカル重合法によ
り製造された共重合体樹脂が使用でき、エチレンモノマ
ーにメチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチル
アクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリ
レート、ブチルメタクリレートなどから選ばれた少なく
とも1種のアクリル系コモノマーを重合させることによ
って得ることができる。また、アクリル酸、メタクリル
酸、マレイン酸などの不飽和カルボン酸、無水マレイン
酸などの酸無水物、グリシジルメタクリレートなどのエ
ポキシ基含有モノマーやその他のエチレン性コモノマー
を併用してもよい。
【0020】本発明の防汚性シートにおいて、重合体被
覆層に好適に用いられるポリウレタン系樹脂としては、
高分子ポリオールとポリイソシアネート、及び必要によ
り鎖延長剤を反応させて得られた樹脂を用いることがで
きる。このようなウレタン系樹脂に用いられる高分子ポ
リオールとしては、分子鎖の両末端に水酸基を有するポ
リエステル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、
ポリカーボネート系ポリオール、ポリエステルアミドポ
リオール、あるいはアクリレート系ポリオールなどを用
いることができる。ポリイソシアネートとしては、2,
4−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイ
ソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート、テトラ
メチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジ
イソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート、水素
添加キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネートなどの脂環式ポリイソシアネートを用いること
ができる。
【0021】鎖延長剤としては、エチレングリコール、
プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,
6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコールなどの低
分子ポリオール、エチレンジアミン、プロピレンジアミ
ン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどの
脂肪族ポリアミン、ピペラジン、1,4−ジアミノピペ
ラジン、1,3−シクロヘキシレンジアミンなどの脂環
式ポリアミン、ジフェニルメタンジアミン、トリレンジ
アミン、フェニレンジアミンなどの芳香族ポリアミン、
エタノールアミン、プロパノールアミンなどのアルカノ
ールアミンなどを用いることができる。とくにポリイソ
シアネート成分として脂肪族ポリイソシアネート、脂環
式ポリイソシアネートを用いたウレタン系樹脂は、紫外
線曝露によって黄変することがなく耐候性が良好なので
好適である。
【0022】本発明の防汚性シートにおいて、重合体被
覆層に好適に用いられるポリエステル系樹脂としては、
ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体とジオー
ルまたはそのエステル形成性誘導体とをエステル化、重
縮合させることによって得られる樹脂を用いることがで
きる。また、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクト
ン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンなどの環
状エステルやラクチドの開環重合によって得られる脂肪
族ポリエステル系樹脂であってもよい。
【0023】ポリエステル樹脂用ジカルボン酸として
は、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナ
フタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸及びこ
れらのエステル形成性誘導体、アジピン酸、コハク酸、
セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸及びこれらのエス
テル形成性誘導体、p−ヒドロキシ安息香酸、p−(β
−ヒドロキシエトキシ)安息香酸等のヒドロキシカルボ
ン酸及びこれらのエステル形成性誘導体などから選ばれ
た1種以上を用いることができる。一方、ジオール成分
としては、脂肪族、芳香族並びに脂環式のいずれであっ
てもよく、例えば、エチレングリコール、ジエチレング
リコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリ
コール、ジプロピレングリコール、1,6−ヘキサンジ
オール、1,4−シクロヘキサンジオール、キシリレン
グリコール、ジメチロールプロピオン酸、グリセリン、
トリメチロールプロパン、ポリ(テトラメチレンオキシ
ド)グリコールなどから選ばれた1種以上を用いること
ができる。
【0024】本発明の防汚性シートにおいて、重合体被
覆層に好適に用いられるアクリル系樹脂としては、アク
リル酸もしくはメタクリル酸のC1 〜C4 アルコールの
エステルを主構成モノマーとする重合体もしくは共重合
体を主成分とする樹脂が好ましい。このようなアクリル
系樹脂の主構成モノマーとしては、具体的には、メチル
アクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレ
ート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、
プロピルメタクリレート、ブチルアクリレート及びブチ
ルメタクリレートを用いることができ、とくにメチルア
クリレート及びメチルメタクリレートが好ましい。ま
た、これらの主構成モノマーと共重合させるモノマーと
しては、例えば、アクリル酸もしくはメタクリル酸、及
びアクリル酸もしくはメタクリル酸のC1 〜C12アルコ
ールのエステル、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、グリシジルメタクリレート、N−メチロールアクリ
ルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレー
ト、メチルビニルエーテル、ビニルエトキシシラン、α
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、フッ化
ビニル、フッ化ビニリデン、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル、メタク
リロニトリル、ブタジエンなどのエチレン性不飽和モノ
マーを挙げることができる。これらの共重合体は、ラン
ダム共重合体に限定されるものではなく、グラフト共重
合体であってもよい。また、エチレンイミン残基、アル
キレンジアミン残基などを含むアクリル系樹脂を用いる
こともできる。
【0025】本発明の防汚性シートにおいて、重合体被
覆層は、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、
光安定剤、滑剤、防炎剤の何れか1種以上の添加剤を少
なくとも含んでいる。これらの添加剤としては、当該技
術分野において公知の添加剤を制限なく使用することが
できる。例えば、可塑剤としては、フタル酸エステル
系、アジピン酸系、ポリエステル系などの可塑剤を例示
できる。フタル酸エステル系、アジピン酸エステル系、
フマル酸エステル系、マレイン酸エステル系、アゼライ
ン酸エステル系、セバシン酸エステル系、クエン酸エス
テル系、リン酸エステル系、ポリエステル系、パラフィ
ン系、石油留分系、芳香族炭化水素系、植物油系などの
可塑剤を例示できる。安定剤としては、有機錫系、ホス
ファイト系、金属石鹸系などの安定剤を例示できる。酸
化防止剤としては、ヒンダードフェノール系、アミン
系、ホスファイト系、有機硫黄系などの酸化防止剤を例
示できる。紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、
ベンゾトリアゾール系、サリチル酸系などの紫外線吸収
剤を例示できる。光安定剤としては、ヒンダードアミン
系、ベンゾエート系などの光安定剤を例示できる。滑剤
としては、リン酸エステル系、脂肪族アミド系、モンタ
ン酸系、パラフィン系、脂肪酸系、エステル系、アミド
系、リン酸エステル系、金属石鹸系などの滑剤を例示で
きる。防炎剤としては、リン酸エステル系、臭素系、塩
素系、赤リン系、リン酸エステル系、含ハロゲンリン酸
エステル系、縮合リン酸エステル系、ポリリン酸塩系、
塩素系、臭素系、トリアジン誘導体系、シリコーン系樹
脂などの有機系難燃剤、水酸化アルミニウム、水酸化マ
グネシウム、アンチモン系、ジルコニウム、ホウ酸亜鉛
などの無機系難燃剤などの防炎剤を例示できる。
【0026】本発明の防汚性シートにおいて、シート状
基材の重合体被覆層が添加剤を含む場合、JIS K−
6732−1981に従って測定されたシート状基材の
加熱減量(100±2℃、6時間)が、1.0%以下で
あることが好ましく、0.50%以下であることがより
好ましい。シート状基材の加熱減量が1.0%を超える
と、長期間に渡って良好な防汚性を維持することができ
ないことがある。加熱減量が1.0%を超えた場合に防
汚性低下が起こる理由は定かではないが、シートを屋外
で使用したときにおいて、日中の日射の影響によって重
合体被覆層温度が上昇することによって内部に含まれる
添加剤が徐々に揮発し、これが防汚層の防汚性を低下さ
せるものと推定される。従来は、これらの添加剤が表面
に付着したとしても、親水性被膜のセルフクリーニング
性によって降雨の際に流れ落ちると考えられていたが、
実際には、これらの有機成分は親水性被膜の親水性を低
下させる要因となる。したがって、重合体被覆層用重合
体と混用する添加剤は、揮発性の低いものを使用するこ
とが好ましい。揮発性の高いものを使用せざるを得ない
場合においては、その添加量を少量に留め、加熱減量を
1.0%以下にすることが好ましい。
【0027】本発明の防汚性シートにおいて、重合体被
覆層にポリ塩化ビニル系樹脂を用いる場合には、分子量
400以上のフタル酸エステル系可塑剤、分子量420
以上の脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤、トリメリット
酸エステル系可塑剤、ピロメリット酸エステル系可塑
剤、エポキシ系可塑剤、ジペンタエリスリトールエステ
ル系可塑剤、分子量600以上のポリエステル系可塑
剤、から選ばれた少なくとも1種の液状可塑剤、及びエ
ステル系ウレタン重合体、エチレン−酢酸ビニル−一酸
化炭素三元共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エ
ステル−一酸化炭素三元共重合体から選ばれた少なくと
も1種の高分子可塑剤、から選ばれた少なくとも1種の
可塑剤を主可塑剤として使用することが好ましい。これ
らの可塑剤は、ポリ塩化ビニル系樹脂の可塑剤として従
来使用されているフタル酸ジブチルやフタル酸ジ2−エ
チルヘキシル、フタル酸ジn−オクチル、アジピン酸ジ
オクチルなどと比較して揮発性が非常に低く、移行性も
低いので好適である。とくに、ポリエステル系可塑剤、
及び上記の高分子可塑剤を使用することが好ましい。
【0028】分子量400以上のフタル酸エステル系可
塑剤としては、例えば、フタル酸ジイソノニル、フタル
酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジト
リデシル、フタル酸ブチルベンジルなどを用いることが
できる。分子量420以上の脂肪族二塩基酸エステル系
可塑剤としては、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸
ジブトキシエチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシ
ル、ドデカン酸ジ−2−エチルヘキシルなどを用いるこ
とができる。脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤は、同等
の分子量を有するフタル酸エステル系可塑剤と比較する
とやや揮発し易いので、より分子量の高いものを選択す
ることが好ましい。トリメリット酸エステル系可塑剤及
びピロメリット酸エステル系可塑剤としては、トリメリ
ット酸と1価アルコール、及びピロメリット酸と1価の
アルコールを縮合反応させたものを使用することができ
る。トリメリット酸エステル系可塑剤としては、トリメ
リット酸トリス2−エチルヘキシル、トリメリット酸ト
リスイソデシルなど、ピロメリット酸エステル系可塑剤
としては、ピロメリット酸テトラ2−エチルヘキシルな
どを用いることができる。
【0029】エポキシ系可塑剤としては、エポキシ化大
豆油、エポキシ化アマニ油などを用いることができる。
ポリエステル系可塑剤としては、アジピン酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸、フタル酸などのジカルボン酸と、エ
チレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,6−
ヘキサンジオールなどのジオールとを任意に縮重合する
ことによりポリエステル化したものを使用することがで
きる。ポリエステル系可塑剤の分子量は、600以上で
あることが好ましく、より好ましくは1000以上、さ
らに好ましくは1500〜4000である。分子量が小
さすぎると、揮発性が高くなり、移行性が高くなるので
好ましくない。逆に分子量が大きすぎると、ポリ塩化ビ
ニル系樹脂に混練配合したときの溶融粘度が高くなり、
このため加工性が低下する場合がある。
【0030】エステル系ウレタン重合体としては、ポリ
エステル系高分子ポリオールとポリイソシアネート、及
び必要により鎖延長剤を反応させて得られた樹脂を用い
ることができる。ウレタン系重合体としては、エステル
系ウレタン重合体のほかに、エーテル系ウレタン重合
体、カーボネート系ウレタン重合体などがあるが、エス
テル系ウレタン重合体は、ポリ塩化ビニル系樹脂に対す
る可塑化効率が高く、最も好適である。とくに、ポリイ
ソシアネートとして、テトラメチレンジイソシアネー
ト、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂
肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、
水素添加キシリレンジイソシアネートなどの脂環式ジイ
ソシアネートを使用することによって得られるエステル
系ウレタン重合体は、紫外線曝露によって黄変すること
がないだけでなく、芳香族ジイソシアネートを使用した
ときよりもポリ塩化ビニル系樹脂の可塑化効率が高く、
好適である。エステル系ウレタン重合体、及びエチレン
−酢酸ビニル−一酸化炭素三元共重合体、エチレン−
(メタ)アクリル酸エステル−一酸化炭素三元共重合体
から選ばれる高分子可塑剤は、従来の可塑剤に比べ格段
に大きい分子量を有しているので、不揮発性、かつ非抽
出性であり、その成形品はすぐれた耐久性を示す。
【0031】本発明の防汚性シートにおいて、重合体被
覆層にアクリル系樹脂を用いる場合、柔軟性を付与する
目的でアクリル系樹脂に好適に添加できる可塑剤として
は、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸
ブチルベンジル、フタル酸ミリスチルベンジル、アセチ
ルクエン酸トリブチル、ジフェニルデシルホスフェー
ト、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホ
スフェートなどの可塑剤を例示することができる。これ
らの可塑剤は、極性が高く、アクリル系樹脂との相溶性
が良いので、可塑剤が表面に移行し難い。
【0032】本発明の防汚性シートにおいて、重合体被
覆層は、基布の目付け、及び用途に合わせて任意の厚み
とすることができるが、得られるシートに所望の防水性
や機械的強度を与えるのに十分な厚さ、例えば、0.0
1〜2.0mmに調整することが好ましく、0.05〜
1.5mmに調整することがより好ましい。また、重合体
被覆層は、基布上に、同一重合体からなる1層以上、あ
るいは、異なる重合体からなる2層以上から構成されて
いてもよく、基布の表裏に異なる樹脂を用いてもよい。
【0033】本発明の防汚性シートにおいて、重合体被
覆層は、上記重合体を含むフィルム、溶液、エマルジョ
ン、ペーストゾルなどを用い、公知の方法、例えば、ト
ッピング、カレンダリング、コーティング、ディッピン
グなどの方法によって、基布上に形成することができ
る。これらの合成樹脂中には、可塑剤、安定剤、酸化防
止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、防炎剤から選ば
れた少なくとも1種の添加剤のほかに、例えば、無機及
び有機着色剤、及び充填剤として無機及び有機顔料、架
橋剤、防黴剤、抗菌剤、帯電防止剤などの添加剤が含ま
れていてもよい。
【0034】本発明の防汚性シートにおいて、シート状
基材には、その上面、すなわち親水性被膜を形成しよう
とする面に、添加剤移行防止層を形成していてもよい。
添加剤移行防止層を形成する目的は、重合体被覆層に添
加されている各種添加剤が、経時により親水性被膜層の
表面に移行することによって防汚性低下が起こることを
防ぐことにある。重合体被覆層に添加される添加剤は非
移行性に優れたものを選択することが好ましいことは言
うまでもないが、経時により移行する恐れのある添加剤
を使用せざるを得ない場合、添加剤移行防止層を設ける
ことによって、親水性被膜層の防汚性低下を抑制するこ
とができる。
【0035】本発明の防汚性シートにおいて、添加剤移
行防止層には、ポリ塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレ
ン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、酢酸ビニル−エチレ
ン−バーサチック酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−ビ
ニルアルコール共重合体樹脂、ポリビニルアルコール系
樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、アクリル系樹脂、
ポリウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素含有樹
脂、フッ素変性樹脂などの合成樹脂、天然ゴム、及び、
ネオプレン、ハイパロン、ニトリルゴム、スチレンブタ
ジエンゴム、イソブチレンゴム、イソプレンゴム、ブチ
ルゴム、ブタジエンゴム、EPT、アクリルゴム、ポリ
ウレタンゴム、フッ素含有ゴム、シリコーンゴムなどの
合成ゴム、から選ばれた少なくとも1種以上の重合体を
使用することができる。紫外線硬化性を有する組成物を
用いて添加剤移行防止層を形成してもよい。また、薄膜
として可撓性を示すものであれば、メラミンなどの熱硬
化性樹脂であってもよい。
【0036】上記添加剤移行防止層用重合体の中で好ま
しいものは、エチレン性付加重合によって得られる可撓
性重合体である。エチレン性付加重合体に用いることが
できるモノマーとしては、炭素−炭素二重結合を一つ有
するエチレン性不飽和モノマー、例えば、エチレン、プ
ロピレン、ブチレン、イソブチレンなどのα−オレフィ
ン類、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイ
ン酸などのα,β−不飽和カルボン酸類及びその塩、無
水マレイン酸、無水イタコン酸などの酸無水物、メチル
アクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレ
ート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、
プロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチル
メタクリレートなどのカルボン酸エステル類、2−ヒド
ロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート、ヒドロキシプロピルビニルエーテル、ポリ
エチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレ
ングリコールモノメタクリレートなどのヒドロキシル基
含有モノマー、グリシジルメタクリレートなどのエポキ
シ基含有モノマー、アクリルアミド、マレイン酸アミ
ド、N−メチロールアクリルアミド、N−(2−ヒドロ
キシエチル)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−
メチロールメタクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエ
チル)メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルア
ミド、N,N−ジメチルメタクリルアミドなどアミド基
含有モノマー、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレ
ート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、
N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−
ジエチルアミノエチルメタクリレート、ビニルピリジン
などのアミノ基含有モノマー、酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニル、酪酸ビニルなどのビニルエステル類、メチル
ビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソプロピル
ビニルエーテル、フェニルビニルエーテルなどのビニル
エーテル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、
フマロニトリルなどのシアノ基含有モノマー、メチルビ
ニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケト
ン、フェニルビニルケトンなどのビニルケトン類、N−
ビニルアセトアミドなどのビニルアミド類、塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン
などの含ハロゲンα,β−不飽和モノマー、スチレン、
メチルスチレン、クロロメチルスチレンなどのスチレン
類などを用いることができる。また、ブタジエンなどの
共役ジエン系モノマー、ビニルノルボルネン、ジシクロ
ペンタジエンなどの非共役ジエン系モノマーを用いても
よい。これらのモノマーは、単独で用いてもよく、2種
以上を併用してもよい。
【0037】本発明の防汚性シートにおいて、添加剤移
行防止層には、それに使用される重合体に対して反応性
を示す架橋剤、例えば、イソシアネート系化合物、メラ
ミン系化合物、エポキシ系化合物、オキサゾリン系化合
物、カルボジイミド系化合物、カップリング剤など、シ
リカ、アルミナなどの無機顔料、及びスチレン系ビー
ズ、アクリル系ビーズなどの有機顔料が添加されていて
もよい。また、シリカやアルミナなどの金属酸化物ゾル
や、アルミ粉顔料やパール顔料などの無機着色剤が添加
されていてもよい。
【0038】添加剤移行防止層を形成する方法として
は、上記の重合体(合成樹脂、天然ゴム、合成ゴム)、
紫外線硬化性組成物からなる、フィルム、溶液、エマル
ジョン(自己乳化型エマルジョンであることが好まし
い)などを用い、公知の方法、例えば、トッピング、ラ
ミネーティング、コーティングなどの方法によって、基
材上に形成することができる。添加剤移行防止層の厚み
は、0.3〜200μmとすることが好ましく、1〜1
00μmとすることがより好ましい。その厚さが0.3
μm未満では添加剤移行防止効果が不十分になることが
あり、またそれが200μmを超えると効果が飽和して
しまう。
【0039】なお、添加剤移行防止層を形成するにあた
っては、必要に応じて接着層を設けることができる。こ
の接着層を形成するために用いられる接着剤としては、
メラミン系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ系樹脂、ポ
リエステル系樹脂、ポリイソシアネート系樹脂、ポリウ
レタン樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩ビ
−酢ビ系樹脂、エチレン−酢ビ系樹脂等を挙げることが
でき、これらの中から、重合体被覆層及び添加剤移行防
止層の種類に応じて適宜選択することができる。また、
重合体被覆層の表面にコロナ放電処理やプラズマ処理を
施してから添加剤移行防止層を形成してもよい。添加剤
移行防止層がフィルム状に成形されたものである場合、
添加剤移行防止層用フィルムをコロナ放電処理やプラズ
マ処理したのちに、その処理面を重合体被覆層に貼り合
わせてもよい。
【0040】本発明の耐汚性シートにおいて、添加剤移
行防止層は、(1)前記一般式(I)〜(III )により
表される共重合単位の少なくとも1種を含むエチレン性
コモノマーの付加重合体、及び(2)ヒドロキシル基含
有エチレン性モノマーの付加重合体から選ばれた1種以
上を含むことが好ましい。上記式(I)〜(III )の共
重合単位を含む共重合体及びヒドロキシル基含有重合体
は、親水性被膜層との密着性に優れているので、親水性
被膜層の脱落等による防汚性低下を防止する効果が高
く、有効に使用することができる。とくに、式(I)〜
(III )の共重合単位を含む重合体は、その主共重合単
位を構成するコモノマーがアクリル系化合物であること
が好ましい。アクリル系重合体構造を有するものは、耐
光性、耐水性に優れているので好適である。このような
共重合体として、具体的には、ケミトリーL−20(商
標、綜研化学社製、主コモノマー:メチルメタクリレー
ト、副コモノマー:ヒドロキシエチルメタクリレー
ト)、ケミトリーL−40M(商標、綜研化学社製、主
コモノマー:メチルメタクリレート、副コモノマー:ヒ
ドロキシエチルメタクリレート及びN−メチロールアク
リルアミド)、ケミトリーLH−448(商標、綜研化
学製、主コモノマー:ヒドロキシエチルメタクリレート
及びメチルメタクリレート、副コモノマー:ヒドロキシ
エチルメタクリレート及びN−メチロールアクリルアミ
ド)、ポリメントNK−380(商標:日本触媒製、主
コモノマー:アクリル酸及びメタクリル酸エステル、副
コモノマー:エチレンイミン)などを例示することがで
きる。ヒドロキシル基含有エチレン性モノマーの重合体
としては、ポリビニルアルコール系樹脂(鹸化度70%
以上)、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂など
を用いることができる。ポリビニルアルコール系樹脂を
用いる場合には、架橋剤を併用することが好ましい。添
加剤移行防止層におけるこれらの樹脂の配合質量比は、
5%以上であることが好ましく、10%以上であること
がより好ましい。
【0041】本発明の防汚性シートにおいて、添加剤移
行防止層が上記式(III )の共重合単位を含む共重合体
を含む場合、エポキシ系化合物を添加することが好まし
い。この場合、上記式(III )の共重合単位を含む共重
合体とエポキシ系化合物が架橋することによって可塑剤
移行防止性能がさらに向上し、長期に渡って親水性被膜
層の親水性能を維持することができる。エポキシ系化合
物としては、例えば、フェノール類、またはアルコール
類とエピクロルヒドリンとの重縮合によって得られるグ
リシジルエーテル型エポキシ、ビスフェノールAとエピ
クロルヒドリンとの重縮合によって得られるビスフェノ
ールAエポキシ、カルボン酸類とエピクロルヒドリンと
の重縮合によって得られるグリシジルエステル型エポキ
シ、アミン類又はシアヌール酸類などとエピクロルヒド
リンとの重縮合によって得られるグリシジルアミン型エ
ポキシ、及び脂環式エポキシなどを用いることができ
る。
【0042】本発明の防汚性シートにおいて添加剤移行
防止層には、(1)平均粒子径が0.1μm以下の酸化
亜鉛超微細粒子、及び、(2)ベンゾトリアゾール系化
合物及びベンゾフェノン系化合物から選ばれた少なくと
も1種の紫外線吸収性モノマーを共重合単位として含む
共重合体から選ばれた少なくとも1種からなる紫外線吸
収性共重合体を含んでいてもよい。これらの化合物は紫
外線吸収性が高く、これらを添加することによって添加
剤移行防止層に優れた紫外線吸収性を付与することがで
き、シートを屋外で使用したときの重合体被覆層の変色
や劣化を効果的に抑制することができる。さらにこれら
の化合物は、添加剤移行防止層に添加しても移行するこ
とがないので親水性被膜層の防汚性を低下させることが
ない。また、添加剤移行防止層が透明である場合におい
ても、透光率及びヘーズ変化を最小限に抑えることがで
きるという特徴を有している。
【0043】添加剤移行防止層用酸化亜鉛超微細粒子
は、シリコン系樹脂等によって表面処理されたものであ
ってもよい。このような酸化亜鉛超微細粒子としては、
例えば、ZnO−100,ZnO−200(何れも商
標、ともに住友大阪セメント製)、TZO(商標、エレ
メンティス・ジャパン製)などの市販品を使用すること
ができる。酸化亜鉛超微細粒子の添加剤移行防止層への
添加量は、添加剤移行防止層を形成する重合体成分の1
00質量部に対して0.05〜10質量部であることが
好ましく、0.1〜5質量部であることがより好まし
い。それが0.05質量部未満では、添加剤移行防止層
の変色を防止する効果が十分でないことがあり、またそ
れが10質量部を超えると、効果が飽和しコスト高とな
ることがある。
【0044】本発明の防汚性シートの添加剤移行防止層
に用いられるベンゾトリアゾール系化合物及び/又はベ
ンゾフェノン系化合物を共重合してなる共重合体は、例
えば、メタクリロイル基を有するベンゾトリアゾール系
化合物及び/又はベンゾフェノン系化合物のモノマーを
メタクリル酸メチルやスチレンなどにラジカル重合する
ことによって製造することができる。あるいは、ヒドロ
キシエチル基を有するベンゾトリアゾール系化合物及び
/又はベンゾフェノン系化合物のモノマーを、イソシア
ネート系化合物、カルボン酸、カルボン酸エステルなど
に反応させ、さらにポリウレタン化、ポリエステル化す
ることによって製造することができる。あるいは、ヒド
ロキシエチル基を有するベンゾトリアゾール系化合物又
はベンゾフェノン系化合物を、アクリル系樹脂、ウレタ
ン系樹脂、ポリエステル系樹脂などに直接反応させるこ
とによっても得ることができる。アクリル系重合体構造
を有するものは、耐水性に優れているので好適である。
具体的には、ベンゾトリアゾール系化合物を共重合した
アクリル系共重合体樹脂として、サンライフUS(商
標、日華化学製)、ULS−933LP(商標、一方社
油脂工業製)、PUVA−30M(商標、大塚化学製)
など、ベンゾフェノン系化合物を共重合したアクリル系
共重合体樹脂として、UCI−635L(商標、一方社
油脂工業製)など、ベンゾトリアゾール系化合物を共重
合したスチレン系共重合体樹脂としてPUVA−30S
(商標、大塚化学製)などの市販品を用いることができ
る。これらは、添加剤移行防止層に用いられる樹脂との
相溶性に配慮して任意に選ぶことができる。添加剤移行
防止層におけるこれらの共重合体の配合質量比は、1〜
50%であることが好ましく、5〜30%であることが
より好ましい。それが1%未満では、添加剤移行防止層
の変色を防止する効果が十分でないことがあり、またそ
れが50%を超えると、効果が飽和し、コスト高となる
ことがある。
【0045】本発明の防汚性シートにおいて、基布の両
面もしくは裏面側に添加剤を含む重合体被覆層が形成さ
れたシートの表面側にのみ親水性被膜層が形成される場
合、裏面側に添加剤移行防止層を形成することが好まし
い。裏面側添加剤移行防止層を形成することによって、
シートがロール状に巻かれて保管されている状態におい
て、表面側に存在する親水性被膜層に、裏面側の重合体
被覆層中に含まれる添加剤などの移行性成分が付着する
ことを防止することができる。本発明の防汚性シートの
ように親水化された防汚層を有する場合、添加剤が付着
したことによって起こる防汚性低下は、親水化されてい
ない防汚層を有するシートよりも顕著であるので、裏面
側添加剤移行防止層を設けることによって、シートが実
際に使用されたときに、親水性被膜層が有する本来の防
汚性を発揮することができる。また、本発明の防汚性シ
ートをロール状巻き上げ体とする場合にあたり、巻き上
げ方法に格別の制限はないが、例えば、親水性被膜層が
片面にのみ形成されている防水シートを巻き上げる際に
は、親水性被膜層を内側にして巻き上げることが好まし
い。このようにすると、ロール状巻き上げ体の最外周に
シート裏面が露出する形態になり、ロール状巻き上げ体
の移動作業等に伴う親水性被膜層への汚れ付着や傷つき
を未然に防ぐことができる。
【0046】裏面側添加剤移行防止層は、表面側添加剤
移行防止層と同様にして重合体被覆層の裏面に形成する
ことができる。表面側添加剤移行防止層及び裏面側添加
剤移行防止層は、互いに同じものであってもよく、異な
るものであってもよい。裏面側添加剤移行防止層は、無
機顔料、及び有機顔料から選ばれた1種以上を含んでい
てもよい。また、シリカやアルミナなどの金属酸化物ゾ
ルや、アルミ粉顔料やパール顔料などの無機着色剤が添
加されていてもよい。
【0047】本発明の防汚性シートにおいて、重合体被
覆層には、30〜300ml/100gの吸油量を有する
無機顔料、及び有機顔料から選ばれる1種以上を50質
量%以下の含有量で含むことが好ましい。これにより重
合体被覆層に含まれている添加剤の移行が抑制される。
無機顔料としては、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カル
シウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリ
ウム、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、炭酸亜鉛、サ
チンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カ
ルシウム、合成非晶質シリカ、水酸化アルミニウム、ア
ルミナ、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、など
を用いることができる。これらの無機顔料は、単独に、
あるいは混合して用いてもよい。有機顔料としては、ス
チレン系ビーズ、アクリル系ビーズ、キトサン系ビー
ズ、セルロース系ビーズ、ナイロン系ビーズ、尿素樹脂
系ビーズなどの多孔質樹脂微粒子を用いることができ
る。これらの有機顔料は、単独、あるいは混合して用い
てもよい。無機顔料と有機顔料を混合して用いてもよ
い。これらの無機顔料、及び有機顔料の重合体被覆層へ
の添加量は、重合体被覆層の質量の50質量%以下であ
ることが好ましく、30質量%以下であることがより好
ましい。無機顔料、及び有機顔料の添加量が50質量%
を超えると重合体被覆層の被膜強度が低下したり、柔軟
性が低下したりすることがある。
【0048】本発明の防汚性シートにおいて、重合体被
覆層が、例えば、ポリ塩化ビニル系樹脂(例えば、塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−アクリル酸
エステル共重合体、及び塩化ビニル−塩化ビニリデン共
重合体など)とフタル酸エステル系可塑剤などの液状可
塑剤を多く含む組成からなる場合、重合体被覆層の上
に、フッ素含有樹脂及びフッ素変性樹脂から選ばれた1
種以上を含む可塑剤移行防止層を形成してもよい。フッ
素含有樹脂及びフッ素変性樹脂は、他の樹脂に比べ可塑
剤移行防止効果が高く、親水性被膜の防汚性低下防止に
有効である。
【0049】可塑剤移行防止層用フッ素含有樹脂として
は、テトラフルオロエチレン重合体、テトラフルオロエ
チレン−パーフルオロオレフィン共重合体(例えばテト
ラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合
体)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキル
ビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−パ
ーフルオロアルキルビニルエチレン共重合体、クロロト
リフルオロエチレン重合体、ビニリデンフルオライド重
合体、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体
などから選ばれた少なくとも1種を例示することができ
る。また、ビニリデンフルオライド系重合体として、ビ
ニリデンフルオライドと共重合可能な単量体、例えば、
テトラフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、フル
オロエチレンなどから選ばれる1種以上の単量体とを共
重合させて得られる共重合体が用いることができる。こ
れらの共重合体はランダム共重合体に限定されるもので
はなく、グラフト共重合体であってもよい。
【0050】また、これらの重合体または共重合体に、
それと良好な相溶性を有する他の樹脂を混用してもよ
い。例えば、ビニリデンフルオライド重合体と相溶性の
良好な樹脂としては、例えば、メチルメタクリレートも
しくはメチルアクリレートを主体とするアクリル重合体
もしくは共重合体、シアノエチル化エチレン−ビニルア
ルコール共重合体などを用いることができる。
【0051】可塑剤移行防止層用フッ素変性樹脂として
は、ポリ塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、
ポリビニルブチラール系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ
エステル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、
酢酸ビニル−エチレン−バーサチック酸ビニル共重合体
樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂、ポリ
ビニルアルコール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタ
ン系樹脂、シリコーン系樹脂、などの合成樹脂をフッ素
変性処理したものを用いることができる。
【0052】可塑剤移行防止層には、使用される樹脂に
対して反応性を示す架橋剤、例えば、イソシアネート系
化合物、メラミン系化合物、エポキシ系化合物、オキサ
ゾリン系化合物、カルボジイミド系化合物、カップリン
グ剤など、シリカ、アルミナなどの無機顔料、及びスチ
レン系ビーズ、アクリル系ビーズなどの有機顔料が添加
されていてもよい。また、シリカやアルミナなどの金属
酸化物ゾルや、アルミ粉顔料やパール顔料などの無機着
色剤が添加されていてもよい。可塑剤移行防止層を形成
するにあたっては、フッ素含有樹脂及びフッ素変性樹脂
の少なくとも1種以上を、可塑剤移行防止層を形成する
樹脂の不揮発分質量の総量に換算して30質量%以上の
割合で含有させることが好ましく、50質量%以上にす
ることがより好ましい。但し、これらの樹脂は、親水性
被膜層との密着性が低いので、可塑剤移行防止層の上に
直接に親水性被膜層を形成しても、経時により親水性被
膜層の脱落が起き易い。したがって、可塑剤移行防止層
を設ける必要がある場合、その上に添加剤移行防止層を
形成することが好ましい。
【0053】可塑剤移行防止層を形成する方法として
は、上記の樹脂からなる、フィルム、溶液、エマルジョ
ン(自己乳化型エマルジョンであることが好ましい)、
などを用い、公知の方法、例えば、トッピング、ラミネ
ーティング、コーティングなどの方法によって、基材上
に形成することができる。可塑剤移行防止層の厚みは、
0.3〜200μmとすることが好ましく、1〜100
μmとすることがより好ましい。それが0.3μm未満
では可塑剤移行防止効果が十分でなく、またそれが20
0μmを超えるとコスト面で不利である。なお、可塑剤
移行防止層を形成するにあたっては、必要に応じて重合
体被覆層上に接着層を設けることができる。この接着層
を形成するために用いられる接着剤としては、メラミン
系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステ
ル系樹脂、ポリイソシアネート系樹脂、ポリウレタン樹
脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩ビ−酢ビ系
樹脂、エチレン−酢ビ系樹脂等を挙げることができ、こ
れらの中から、重合体被覆層の種類に応じて適宜選択す
ることができる。また、重合体被覆層の表面にコロナ放
電処理やプラズマ処理を施してから添加剤移行防止層を
形成してもよい。可塑剤移行防止層がフィルム状に成形
されたものである場合、可塑剤移行防止層用フィルムを
コロナ放電処理やプラズマ処理したのちに、その処理面
と貼り合わせてもよい。
【0054】本発明の防汚性シートにおいて、親水性被
膜の形成に用いられるオルガノシリケートは、下記一般
式(IV)で表される化合物である。
【化3】 (式(IV)中、R1 〜R4 は、それぞれ互に独立に1〜
10個の炭素原子を有する炭化水素基を示す。) 前記一般式(IV)における炭素原子数1〜10の炭化水
素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロ
ピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチ
ル基、t−ブチル基などのアルキル基、フェニル基、ト
ルイル基、キシリル基などのアリール基が挙げられる。
具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシ
ラン、テトラn−プロポキシシラン、テトライソプロポ
キシシラン、テトラn−ブトキシシラン、ジメトキシジ
エトキシシラン、テトラフェノキシシランなどが挙げら
れる。
【0055】本発明の防汚性シートにおいて親水性被膜
に用いられるオルガノシリケートの縮合体は、前記一般
式(IV)で与えられるオルガノシリケートの縮合体であ
り、下記一般式(V)で表される縮合体である。オルガ
ノシリケート同士が直鎖状、分岐状あるいは環状に縮合
したものが包含され、縮合度は2〜20のものが好まし
い。縮合度が20を超えると、塗工液にするときに使用
される溶媒への溶解性、樹脂との相溶性が低下するので
扱い難くなる。2〜10の縮合度であることがより好ま
しい。
【化4】 (式(V)中、R1 〜R4 は、前記定義の通りであり、
nは2〜20の整数を表す。)
【0056】本発明の防汚性シートに用いられるオルガ
ノシリケート及び/又はその縮合体において、前記一般
式(IV)及び(V)におけるR1 〜R4 が炭素数1〜4
のアルキル基であることが好ましく、メチル基(即ちテ
トラメトキシシラン及び/又はその縮合体)であること
がより好ましい。これらは、加水分解反応性が高くシラ
ノール基を生成し易いので親水性発現に有利である。
【0057】これらのオルガノシリケート及び/又はそ
の縮合体を、水及び/又は溶剤に溶解して塗工液を調整
する場合において、これに使用できる水としては、格別
の制限はなく、水道水であってもよい。これに使用でき
る溶剤としては、格別の制限はなく、例えば、メタノー
ル、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノー
ル、n−ブタノール、イソブタノール等のアルコール
類、エチレングリコール、エチエングリコールモノメチ
ルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコ
ールモノメチルエーテル等のグリコール誘導体、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、n−ヘキサン等の炭化水素
類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル
類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、アセチルアセトン等のケトン類、エチルエーテ
ル、ブチルエーテル、メトキシエタノール、ジオキサ
ン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類等が使用
できる。なかでもアルコール類は、溶液としたときの貯
蔵安定性が高く、取り扱いも容易であるので好適に用い
られる。水及び/又は溶剤の添加量は、オルガノシリケ
ート及び/又はその縮合体のSi量をSiO2 に換算し
て100質量部に対して100〜20000質量部であ
ることが好ましい。とくに水の配合量に関しては、オル
ガノシリケート及び/又はその縮合体の有するオルガノ
キシ基を加水分解し得る水の当量よりも過剰に加えるこ
とが好ましく、これによりオルガノシリケート及び/又
はその縮合体の加水分解により生成したシラノール基を
水と共存させ、加水分解液の貯蔵安定性を向上させるこ
とができる。
【0058】また、これらのオルガノシリケート及び/
又はその縮合体の加水分解作用を促進する目的で、これ
らを含む溶液中に触媒を添加することが好ましい。この
ような触媒としては、例えば、アルミニウム、チタニウ
ム、ジルコニウム等の金属類にアルコキシ基が結合した
金属アルコキシド、又はこれらの金属アルコキシドにケ
ト・エノール互変異性体を構成しうる金属キレート化合
物、塩酸、硝酸、リン酸等の無機酸、ギ酸、酢酸、ベン
ゼンスルホン酸、シュウ酸等の有機酸、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カルシウム、アンモニア、有機アミン等のア
ルカリ触媒、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオ
クチエート等の有機錫化合物が挙げられる。とくに、ジ
イソプロポキシ・エチルアセトアセテートアルミニウ
ム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、
イソプロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)アル
ミニウム、モノアセチルアセトナート・ビス(エチルア
セトアセテート)アルミニウムなどのアルミニウムキレ
ート化合物、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセト
ナート)チタン、ジイソプロポキシ・ビス(エチルアセ
トアセテート)チタン、ジブトキシ・ビス(アセチルア
セトナート)チタンなどのチタンキレート化合物、テト
ラキス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、テトラ
キス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジブト
キシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウムなど
のジルコニウムキレート化合物、などの金属キレート化
合物が好適である。また、これらの触媒は、単独に、あ
るいは2種以上を混合して用いてもよい。これらの触媒
の添加量は、オルガノシリケート及び/又はその縮合体
のSi量をSiO2 に換算して100質量部に対して
0.1〜10質量部である。0.5〜5質量部添加され
ることが好ましい。それが0.1質量部未満では、得ら
れる塗膜の親水性発現が乏しく、またそれが10質量部
を超えて添加しても効果に変わりはない。
【0059】本発明の防汚性シートにおいて、オルガノ
シリケート及び/又はその縮合体を含む溶液(親水性被
膜形成用塗料)中のオルガノシリケート及び/又はその
縮合体の濃度は、オルガノシリケート及び/又はその縮
合体中のSi量をSiO2 に換算して0.1〜30質量
%が好ましく、より好ましくは0.5〜20質量%であ
る。SiO2 換算濃度が0.1質量%未満では濃度が低
すぎて親水性被膜としたときの防汚効果が不十分になる
ことがあり、またそれが30質量%を超えると塗工液の
貯蔵安定性、造膜性が不十分になることがある。
【0060】本発明の防汚性シートにおいて、オルガノ
シリケート及び/又はその縮合体を含む溶液には、カッ
プリング剤が添加されていてもよい。カップリング剤と
しては、シラン系カップリング剤、チタン系カップリン
グ剤、ジルコニウム系カップリング剤、アルミニウム系
カップリング剤、及びジルコアルミニウム系カップリン
グ剤から選ばれた少なくとも1種以上を用いることがで
きる。シラン系カップリング剤としては、例えば、γ−
アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ
−アミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノシラ
ン類、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グ
リシドキシプロピルメチルジエトキシシランなどのエポ
キシシラン類、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリ
エトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキ
シ)シランなどのビニルシラン類、γ−メルカプトプロ
ピルトリメトキシシランなどのメルカプトシラン類、γ
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのメ
タクリルシラン類などを用いることができる。
【0061】チタン系カップリング剤としては、テトラ
イソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、
テトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタンなどのアル
コキシ類、トリ−n−ブトキシチタンステアレート、イ
ソプロポキシチタントリステアレートなどのアシレート
類などを用いることができる。ジルコニウム系カップリ
ング剤としては、例えば、テトラブチルジルコネート、
テトラ(トリエタノールアミン)ジルコネート、テトラ
イソプロピルジルコネートなどを用いることができる。
アルミニウム系カップリング剤としては、例えば、アセ
トアルコキシアルミニウムジイソプロピレートなどを用
いることができる。また、ジルコアルミニウム系カップ
リング剤としては、テトラプロピルジルコアルミネート
などを用いることができる。
【0062】カップリング剤を親水性被膜中に添加する
ことによって、親水性被膜層の膜厚限界(亀裂を発生せ
ずに塗膜形成可能な最大膜厚)を高め、重合体被覆層、
あるいは添加剤移行防止層との密着性を向上させること
ができる。但し、カップリング剤を使用することによっ
て親水性被膜の親水性は低下するので、その添加量は、
オルガノシリケート及び/又はその縮合体中のSi量を
SiO2 に換算して100質量部に対して、100質量
部以下とすることが好ましく、50質量部以下とするこ
とがより好ましい。
【0063】オルガノシリケート及び/又はその縮合体
を含む溶液には、必要に応じ、各種の添加剤を添加して
もよい。例えば、タレ防止剤、消泡剤、レベリング剤、
ハジキ防止剤、防腐剤、防黴剤、抗菌剤等が挙げられ
る。但し、これら添加剤の配合量は、オルガノシリケー
ト及び/又はその縮合体のSi量をSiO2 に換算して
100質量部に対して、5質量部以下であることが好ま
しい。5質量部を超えて添加すると親水性被膜層の親水
性が低下することがある。オルガノシリケート及び/又
はその縮合体は、それらだけを水及び/又は溶剤に溶解
して親水性被膜形成用塗料とすることが好ましいが、溶
剤系バインダー樹脂、あるいは水系バインダー樹脂と併
用した親水性被膜形成用塗料であってもよい。
【0064】オルガノシリケート及び/又はその縮合体
を溶剤系バインダー樹脂あるいは水系バインダー樹脂と
併用した親水性被膜形成用塗料とする場合において、こ
れに使用できる溶剤系バインダー及び水系バインダーと
しては、格別の制限はないが、ヒドロキシル基、カルボ
キシル基、アミノ基、アミド基等の親水性官能基を有す
るバインダーが好ましい。とくにヒドロキシル基を含む
バインダー樹脂であることが好ましい。ヒドロキシル基
を含むバインダー樹脂である場合、塗工液としたときの
液安定性がよく、かつオルガノシリケート及び/又はそ
の縮合体との親和性が高いので屋外曝露における防汚効
果が発現し易い。オルガノシリケート及び/又はその縮
合体とバインダー樹脂と配合比率は、オルガノシリケー
ト及び/又はその縮合体中のSi量をSiO2 に換算に
して100質量部に対して固形分換算で150質量部以
下であることが好ましく、より好ましくは100質量部
以下である。また、オルガノシリケート及び/又はその
縮合体を水及び/又は溶剤に溶解して親水性被膜形成用
塗料とする場合と同様に、触媒を添加することが好まし
い。さらに、これらの溶液にイソシアネート系硬化剤や
アミノ樹脂などの硬化剤を加えることにより親水性被膜
の屋外耐久性が向上する。樹脂バインダーを併用する場
合においては、コロイダルシリカやアルミナなどの金属
酸化物ゾルを加えることによっても親水性が向上するこ
とがある。これらを含む塗工液の濃度は、水及び/又は
溶剤を用いて2〜30質量%に調整することが好まし
く、5〜20質量%に調整することがより好ましい。
【0065】本発明の防汚性シートにおいて、親水性被
膜層の厚さは、0.1〜30μmであることが好まし
く、0.3〜20μmであることがより好ましい。厚さ
が0.1μm未満では十分な防汚性を発揮することがで
きないことがある。一方、厚が30μmを超えると、防
汚効果は飽和し、親水性被膜層に亀裂が入ったり、シー
トの風合いが硬くなったりすることがある。とくに、親
水性被膜層を形成したシートの表面抵抗率が1.0×1
12Ω以下になるような厚さにすることが好ましい。よ
り好ましい表面抵抗率は、1.0×1010Ω以下であ
る。表面抵抗率を左記の値以下にすることにより、親水
性被膜層を設けたことによるシートの防汚性向上だけで
なく、シートに塵や埃が付着し難くなるという優れた効
果が発現される。
【0066】本発明の防汚性シートにおいて、親水性被
膜を形成する方法には、格別の制限はないが、例えば、
オルガノシリケート及び/又はその縮合体を含む溶液
を、バーコーター、ロールコーター、フローコーター等
のコーター、あるいはエアースプレー、エアレススプレ
ー、刷毛、ローラー、拭き塗り等によって塗工し、常温
で、あるいは加熱することによって乾燥する方法が挙げ
られる。また、シートを所望の形状に裁断、それらを縫
製し、そのあとに塗工してもよい。
【0067】本発明の防汚性シートにおいて、重合体被
覆層上に形成される親水性被膜層は、その全光線透過率
が75%以上、かつそのヘーズが15%未満であること
が好ましく、より好ましくは、それぞれ85%以上、1
0%未満である。また、重合体被覆層上に親水性被膜層
及び添加剤移行防止層を形成する場合、それら2層の複
合層の全光線透過率及びヘーズは、それぞれ75%以
上、15%未満であることが好ましく、より好ましく
は、それぞれ85%以上、10%未満である。全光線透
過率が75%未満、又はヘーズが15%以上では、得ら
れる防汚性シートの色相に曇りが生じ、鮮やかさが損な
われることがある。
【0068】
【実施例】本発明を下記実施例によりさらに説明する。
【0069】[評価方法]下記の試験方法により本発明
の耐防汚性シートの性能評価を行った。1.密着性評価 供試シートについて、デマッチャ・フレキシング・テス
ター(安田精機製作所製)を使用し、JIS K−63
01−1975に準じた屈曲試験を1000回行った。
なお、試験機に装着する試料の形態は、親水性被膜の折
り曲げと折り畳みに対する耐久性が評価できるように幅
50mm×長さ150mmのサイズとし、幅の中心25mmか
ら左右2つ折りに重ね合わせて幅25mm×長さ150mm
のサイズとした。次いで、屈曲試験後のシートの屈曲部
にセロハン粘着テープ(商標:セロテープ:ニチバン
製)を貼り、室温で24時間放置した後にセロハンを引
き剥がし、セロハン粘着テープの粘着面への親水性被膜
層の取られ度合いを目視評価した。評価は、下記の基準
に基づいて行った。 ○:屈曲部の親水性被膜層に剥がれが認められない。 △:屈曲部の親水性被膜層に僅かな剥がれが認められ
る。 ×:屈曲部の親水性被膜層に剥がれが認められる。
【0070】2.防汚性評価 供試シートについて、シートを南向きに、傾斜角30度
及び垂直に設置して屋外曝露試験を行い、シートの防汚
性と雨筋汚れの発生状態を評価した。 (1)防汚性 傾斜度30度に設置したシートについて、曝露前の試料
を基準として曝露後1年間の試料表面の明度差(ΔL)
を測定した。明度差測定には、ミノルタ社製カラーリー
ダーCR−10(測定径8mm)を使用し、サンプリング
時期に降雨があった日の翌日に測定を行った。評価は、
下記の基準に基づいて行った。 ◎:ΔL= −3以上(ほとんど汚れていない) ○:ΔL= −5以上−3未満(僅かに汚れている) △:ΔL=−10以上−5未満(汚れている) ×:ΔL=−10未満(顕著に汚れている) (2)雨筋汚れ防止性 垂直に設置したシートについて、雨筋汚れの発生状態を
目視により観察し下記の基準に基づいて評価した。 ◎:雨筋汚れが全く認められない ○:わずかに雨筋汚れが認められる △:雨筋汚れが認められる ×:顕著な雨筋汚れが認められる
【0071】3.耐候性 供試シートについて、スガ試験機社製サンシャインウェ
ザーメーターを使用し、ブラックパネル温度63℃、降
雨設定18分/2時間の条件で耐候促進試験を1000
時間行い、促進前のシートを基準として試料表面の色差
(ΔE)を測定した。色差測定には、ミノルタ社製カラ
ーリーダーCR−10(測定径8mm)を使用した。評価
は、下記の基準に基づいて行った。 ◎:ΔE= 3未満(変色が非常に少ない) ○:ΔE= 3以上5未満(僅かに変色している) △:ΔE= 5以上10未満(変色している) ×:ΔE=10以上(顕著に変色している)
【0072】4.加熱減量 供試シート状基材について、JIS−K6732−19
81に準じ、ギヤー式空気乾燥機中に100±2℃で6
時間つるしたときの加熱減量を下式により算出した。試
験片は、JIS−K6732−1981に記載されてい
る通りの形状(1号ダンベル)に切り抜いたものを使用
した。試験前後の試験片は、塩化カルシウムを乾燥剤と
したデシケーター中に室温で72時間放置し乾燥してか
ら、研精工業株式会社製EU−198A型製精密電子天
秤を用いて質量を測定した。算出された数値は、JIS
Z−8401−1961に記載された方法で小数点以
下2桁に丸めた。
【数1】
【0073】5.表面抵抗値 供試シートについて、アドバンテスト製デジタル超高抵
抗計R8340及びレジスティビティ・チェンバR12
702を使用して、JIS K−6911−1979に
準じて測定を行った。測定は、印可電圧10V、印可時
間1分、測定時間1分で行った。評価は、下記の基準に
基づいて行った。 ◎:1.0×1010Ω未満 ○:1.0×1012Ω未満 ×:1.0×1012Ω以上
【0074】6.全光線透過率及びヘーズ測定 試料は、添加剤移行防止層塗工液及び/又は親水被膜塗
工液を枠有りポリテトラフルオロエチレン樹脂板上にそ
れぞれ50g/m2 流し込み、20℃、60%RHの雰
囲気下にて7日間養生して添加剤移行防止層及び/又は
親水性被膜層の乾燥塗膜を作製した。得られた試料につ
いて、積分球式光線透過率測定装置(HGM−2DP、
スガ試練機(株)製)を使用して、JIS−K−710
5−1981に準じて測定を行った。測定は、サンシャ
インウェザーメーターによる耐候促進試験を1000時
間行った後の試料についても行った(測定条件は上記と
同じ)。評価は、下記の基準に基づいて行った。参考評
価として、シートの鮮やかさを目視により判定した。 (イ)全光線透過率 ◎:85%以上 ○:75%以上85%未満 △:70%以上75%未満 ×:70%未満 (ロ)ヘーズ ◎:10%未満 ○:10%以上15%未満 △:15%以上20%未満 ×:20%以上 (ハ)シート色相の鮮やかさ ◎:非常に鮮やかである。 ○:鮮やかである。 △:やや鮮やかさに欠ける。 ×:鮮やかさに欠ける。
【0075】[シートの作製]下記に示す方法によりシ
ートを作製した。シート状基材1 繊維基布として、下記の織り組織を有するポリエステル
繊維布帛を使用した。この織物の両面に下記の重合体被
覆層用塗工液をコーティング加工し、120℃で5分間
乾燥することにより乾燥質量の合計で200g/m2
重合体被覆層を形成し、シート状基材1を得た。 <重合体被覆層塗工液>自己乳化型アクリル樹脂(商
標:ニッポールSX−1706、固形分濃度:50質量
%、日本ゼオン製)70質量部、1級アミノ基含有アク
リル樹脂(商標:ポリメントNK−CK200、固形分
濃度:38質量%、日本触媒製)30質量部、光安定剤
(商標:Tinofast RSC、チバ・スペシャル
ティ・ケミカルズ製)0.2質量部、紫外線吸収剤(商
標:TINUVIN 213、チバ・スペシャルティ・
ケミカルズ製)0.2質量部、白色着色剤(ルチル型酸
化チタン)3質量部、5−クロロベンゾトリアゾール
(防黴剤)0.1質量部。※全て固形分換算の質量部に
て表示。
【0076】シート状基材2 重合体被覆層塗工液として、下記の重合体被覆層塗工液
を使用したこと以外は、シート状基材1と同様にしてシ
ート状基材2を作製した。 <重合体被覆層塗工液>自己乳化型アクリル樹脂(商
標:ニッポールSX−1706、固形分濃度:50質量
%、日本ゼオン製)100質量部、光安定剤(商標:T
inofast RSC、チバ・スペシャルティ・ケミ
カルズ製)0.2質量部、紫外線吸収剤(商標:TIN
UVIN 213、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ
製)0.2質量部、白色着色剤(ルチル型酸化チタン)
3質量部、5−クロロベンゾトリアゾール(防黴剤)
0.1質量部。 ※全て固形分換算の質量部にて表示。
【0077】シート状基材3 繊維基布として、シート状基材1で使用したものと同一
の織り組織を有するポリエステル繊維布帛を使用した。
この織物の両面に下記の重合体被覆層用塗工液をコーテ
ィング加工し、120℃で5分間乾燥することにより乾
燥質量の合計で200g/m2 の重合体被覆層を形成し
た。次いで、重合体被覆層の上面に下記の表面側添加剤
移行防止層用塗工液をロールコーターによりwetで1
0g/m 2 塗工し、110℃で2分間乾燥して表面側添
加剤移行防止層を形成し、シート状基材3を得た。 <重合体被覆層用塗工液>自己乳化型ウレタン樹脂(商
標:HUX−350、固形分濃度:30質量%、旭電化
製)100質量部、ベンゾグアナミン(商標:エポスタ
ーGP−50、防炎剤、日本触媒製)20質量部、レゾ
ルシノールビスジフェニルホスフェート(商標:ファイ
ロールフレックスRDP、防炎剤、アクゾ・カシマ製)
20質量部、オキサゾリン系架橋剤(商標:NKアシス
トOX、固形分濃度:50質量%、日華化学製)3質量
部、超微粒子無定形シリカ(商標:ファインシールX−
60、吸油量:240cm3 /100g、トクヤマ製)3
質量部、光安定剤(商標:Tinofast RSC、
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)0.2質量部、
紫外線吸収剤(商標:TINUVIN 213、チバ・
スペシャルティ・ケミカルズ製)0.2質量部、白色着
色剤(ルチル型酸化チタン)3質量部、5−クロロベン
ゾトリアゾール(防黴剤)0.1質量部。 ※全て固形分換算の質量部にて表示。 <表面側添加剤移行防止層用塗工液>ウレタン系樹脂
(クリスボンNYT−30、固形分濃度:25質量%、
大日本インキ化学工業製)100質量部、脂肪族ジイソ
シアネート系架橋剤(バーノックDN−950、大日本
インキ化学工業製)5質量部、トルエン50質量部。
【0078】シート状基材4 表面側添加剤移行防止層として下記の表面側添加剤移行
防止層塗工液を使用したこと以外は、シート状基材3と
同様にしてシート状基材4を得た。 <表面側添加剤移行防止層塗工液>自己乳化型ウレタン
樹脂(商標:エラストロンE−37、固形分濃度:25
質量%、第一工業製薬製)90質量部、ポリビニルアル
コール(商標:PVA117、クラレ製)10質量部、
架橋触媒(商標:エラストロンキャタリスト64、第一
工業製薬製)3質量部、シリカゾル(商標:スノーテッ
クス20、固形分濃度:20質量%、日産化学製)50
質量部、蒸留水80質量部。
【0079】シート状基材5 表面側添加剤移行防止層として下記の表面側添加剤移行
防止層塗工液を使用したこと以外は、シート状基材3と
同様にしてシート状基材5を得た。 <表面側添加剤移行防止層塗工液>自己乳化型ウレタン
樹脂(商標:エラストロンE−37、固形分濃度:25
質量%、第一工業製薬製)70質量部、1級アミノ基含
有アクリル樹脂(商標:ポリメントNK−CK200、
固形分濃度:38質量%、日本触媒製)30質量部、架
橋触媒(商標:エラストロンキャタリスト64、第一工
業製薬製)3質量部、シリカゾル(商標:スノーテック
ス20、固形分濃度:20質量%、日産化学製)50質
量部、蒸留水80質量部。
【0080】シート状基材6 繊維基布として、下記の織り組織を有するポリエステル
繊維布帛を使用し、この織物の両面にカレンダー加工に
よって成形した下記の重合体被覆層用フィルム(厚さ
0.2mm)をラミネート加工し、重合体被覆層を形成し
た。次いで、この基材の上面をコロナ放電処理し、この
処理面に下記の表面側添加剤移行防止層用塗工液をロー
ルコーターによりwetで10g/m2 塗工し、110
℃で2分間乾燥して表面側添加剤移行防止層を形成し、
シート状基材6を得た。 <重合体被覆層用フィルム>エチレン−メチルメタクリ
レート共重合体樹脂70質量部、直鎖状低密度ポリエチ
レン樹脂30質量部、リン酸エステル系滑剤(商標:L
TP−2、川研ファインケミカル製)0.5質量部、酸
化防止剤(商標:イルガノックス1010、チバ・スペ
シャルティ・ケミカルズ製)0.2質量部、紫外線吸収
剤(商標:バイオソーブ510、共同薬品製)0.2質
量部、光安定剤(商標:チヌビン770、チバ・スペシ
ャルティ・ケミカルズ製)0.2質量部、白色着色剤
(ルチル型酸化チタン)5質量部。 <表面側添加剤移行防止層塗工液>アクリル系樹脂(商
標:ソニーボンドSC−474、固形分濃度:25質量
%、ソニーケミカル製)60質量部、ポリエチレンイミ
ングラフト化アクリル樹脂(商標:ポリメントNK−3
80、固形分濃度:30質量%、日本触媒製)40質量
部、メチルエチルケトン100質量部。
【0081】シート状基材7 繊維基布として、下記の織り組織を有するポリエステル
繊維布帛を使用し、この織物の両面にカレンダー加工に
よって成形した下記の重合体被覆層用フィルム(厚さ
0.2mm)をラミネート加工し、重合体被覆層を形成し
た。次いで、この基材の上面に下記の表面側添加剤移行
防止層用塗工液をロールコーターによりwetで10g
/m2 塗工し、110℃で2分間乾燥して表面側添加剤
移行防止層を形成し、シート状基材7を得た。 <重合体被覆層用フィルム>軟質フッ素樹脂(商標:T
HV−400G、住友3M製)100質量部、リン酸エ
ステル系滑剤(商標:LTP−2、川研ファインケミカ
ル製)1質量部、酸化防止剤(商標:イルガノックス1
010、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)0.2
質量部。 <表面側添加剤移行防止層塗工液>ヒドロキシエチルメ
タクリレート−Nメチロールアクリルアミド共重合体グ
ラフト化アクリル樹脂100質量部、メチルエチルケト
ン700質量部。
【0082】シート状基材8 重合体被覆層として、下記の重合体被覆層用フィルムを
使用したこと以外は、シート状基材7と同様にしてシー
ト状基材8を得た。 <重合体被覆層用フィルム>ポリ塩化ビニル樹脂100
質量部、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素三元共重合
体(商標:エルバロイ741、三井デュポンポリケミカ
ル製)100質量部、エポキシ化大豆油5質量部、有機
錫系安定剤2質量部、Ba−Zn系安定剤2質量部、酸
化防止剤(商標:イルガノックス1010、チバ・スペ
シャルティ・ケミカルズ製)0.2質量部、紫外線吸収
剤(商標:TINUVIN P、チバ・スペシャルティ
・ケミカルズ製)0.2質量部、白色着色剤(ルチル型
酸化チタン)3質量部。
【0083】シート状基材9 重合体被覆層及び表面側添加剤移行防止層として、下記
の重合体被覆層用フィルム及び表面側添加剤移行防止層
塗工液を使用したこと以外は、シート状基材7と同様に
してシート状基材9を得た。 <重合体被覆層用フィルム>ポリ塩化ビニル樹脂100
質量部、エチレン−アクリル酸エステル−一酸化炭素三
元共重合体(商標:エルバロイHP553、高分子可塑
剤、三井デュポンポリケミカル製)100質量部、エポ
キシ化大豆油(可塑剤)5質量部、有機錫系安定剤2質
量部、Ba−Zn系安定剤2質量部、紫外線吸収剤(商
標:TINUVIN P、チバ・スペシャルティ・ケミ
カルズ製)0.2質量部、白色着色剤(ルチル型酸化チ
タン)3質量部。 <表面側添加剤移行防止層塗工液>ヒドロキシエチルメ
タクリレート重合体グラフト化アクリル樹脂:100質
量部、[2−ヒドロキシ−4−(メタクリロイルオキシ
エトキシ)ベンゾフェノン]/メチルメタクリレート共
重合体(商標:ULI−635L、MMA共重合率:5
0質量%、一方社油脂工業製):20質量部、メチルエ
チルケトン:800質量部。
【0084】シート状基材10 重合体被覆層及び表面側添加剤移行防止層として、下記
の重合体被覆層用フィルム及び表面側添加剤移行防止層
塗工液を使用したこと以外は、シート状基材7と同様に
してシート状基材10を得た。 <重合体被覆層用フィルム>ポリ塩化ビニル樹脂100
質量部、エステル系ウレタン重合体(商標:パンデック
スT−5275N、高分子可塑剤、大日本インキ化学工
業製)100質量部、エポキシ化大豆油3質量部、有機
錫系安定剤2質量部、Ba−Zn系安定剤2質量部、紫
外線吸収剤(商標:TINUVIN P、チバ・スペシ
ャルティ・ケミカルズ製)0.2質量部、白色着色剤
(ルチル型酸化チタン)3質量部。 <表面側添加剤移行防止層塗工液>ヒドロキシエチルメ
タクリレート−Nメチロールアクリルアミド共重合体グ
ラフト化アクリル樹脂:100質量部、[2−(2′−
ヒドロキシ−5′−メタクリロイルオキシエチルフェニ
ル)−2H−ベンゾトリアゾール]/メチルメタクリレ
ート共重合体(商標:PUVA−30M、MMA共重合
率:70質量%、大塚化学製):20質量部、メチルエ
チルケトン:700質量部。
【0085】シート状基材11 重合体被覆層及び表面側添加剤移行防止層として、下記
の重合体被覆層用フィルム及び表面側添加剤移行防止層
塗工液を使用したこと以外は、シート状基材7と同様に
してシート状基材11を得た。 <重合体被覆層用フィルム>ポリ塩化ビニル樹脂100
質量部、アジピン酸系ポリエステル可塑剤(商標:PN
−400、分子量:2000、旭電化製)80質量部、
エポキシ化大豆油3質量部、有機錫系安定剤2質量部、
Ba−Zn系安定剤2質量部、紫外線吸収剤(商標:T
INUVIN P、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ
製)0.2質量部、白色着色剤(ルチル型酸化チタン)
3質量部。 <表面側添加剤移行防止層塗工液>ヒドロキシエチルメ
タクリレート−Nメチロールアクリルアミド共重合体グ
ラフト化アクリル樹脂:100質量部、酸化亜鉛超微粒
子(商標:ZnO−200、平均粒子径:0.015μ
m、住友大阪セメント製):2.0質量部、メチルエチ
ルケトン:700質量部。
【0086】シート状基材12 表面側添加剤移行防止層として、下記の表面側添加剤移
行防止層塗工液を使用したこと以外は、シート状基材1
1と同様にしてシート状基材12を得た。 <表面側添加剤移行防止層塗工液>ポリエチレンイミン
グラフト化アクリル樹脂(商標:ポリメントNK−38
0、固形分濃度30質量%、アミン当量:1400g/
eq、日本触媒製)60質量部、アクリル系樹脂(商標:
ソニーポンドSC−474、固形分濃度:25質量%、
ソニーケミカル製)40質量部、ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂(商標:エピコート828、エポキシ当量:
200g/eq、油化シェル製)6重量部、酸化亜鉛超微
粒子0.5重量部(商標:ZnO−200、平均粒子
径:0.015μm、住友大阪セメント製)、メチルエ
チルケトン100質量部。
【0087】シート状基材13 繊維基布として、シート状基材6で使用したものと同一
の織り組織を有するポリエステル繊維布帛を使用し、こ
の織物の両面にカレンダー加工によって成形した下記の
重合体被覆層用フィルム(厚さ0.2mm)をラミネート
加工し、重合体被覆層を形成した。次いで、この基材の
上面に下記の可塑剤移行防止層用塗工液をロールコータ
ーによりwetで10g/m2 塗工し、120℃で2分
間乾燥して可塑剤移行防止層を形成した。さらに、この
可塑剤移行防止層の上に下記の表面側添加剤移行防止層
用塗工液をロールコーターによりwetで10g/m2
塗工し、110℃で2分間乾燥して表面側添加剤移行防
止層を形成し、シート状基材13を得た。 <重合体被覆層用フィルム>ポリ塩化ビニル樹脂100
質量部、アジピン酸系ポリエステル可塑剤(商標:PN
−400、分子量:2000、旭電化製)80質量部、
エポキシ化大豆油3質量部、有機錫系安定剤2質量部、
Ba−Zn系安定剤2質量部、紫外線吸収剤(商標:T
INUVIN P、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ
製)0.2質量部、白色着色剤(ルチル型酸化チタン)
3質量部。 <可塑剤移行防止層塗工液>ビニリデンフルオライド−
テトラフルオロエチレン共重合体(商標:カイナー72
01、エルフ・アトケム・ジャパン製)100質量部、
メチルメタクリレート樹脂100質量部、メチルエチル
ケトン800質量部。 <表面側添加剤移行防止層塗工液>ヒドロキシエチルメ
タクリレート−Nメチロールアクリルアミド共重合体グ
ラフト化アクリル樹脂100質量部、[2−(2′−ヒ
ドロキシ−5′−メタクリロイルオキシエチルフェニ
ル)−2H−ベンゾトリアゾール]/メチルメタクリレ
ート共重合体(商標:PUVA−30M、MMA共重合
率:70質量%、大塚化学製)20質量部、メチルエチ
ルケトン700質量部。
【0088】シート状基材14 重合体被覆層として、下記の重合体被覆層用フィルムを
使用したこと以外は、シート状基材13と同様にしてシ
ート状基材14を得た。 <重合体被覆層用フィルム>ポリ塩化ビニル樹脂100
質量部、ピロメリット酸テトラ2−エチルエキシル65
質量部、エポキシ化大豆油3質量部、有機錫系安定剤2
質量部、Ba−Zn系安定剤2質量部、紫外線吸収剤
(TINUVIN P、チバ・スペシャルティ・ケミカ
ルズ製)0.2質量部、白色着色剤(ルチル型酸化チタ
ン)3質量部。
【0089】シート状基材15 重合体被覆層として、下記の重合体被覆層用フィルムを
使用したこと以外は、シート状基材13と同様にしてシ
ート状基材15を得た。 <重合体被覆層組成>ポリ塩化ビニル樹脂100質量
部、トリメリット酸トリス−2−エチルヘキシル(分子
量:547)65質量部、エポキシ化大豆油3質量部、
有機錫系安定剤2質量部、Ba−Zn系安定剤2質量
部、紫外線吸収剤(商標:TINUVINP、チバ・ス
ペシャルティ・ケミカルズ製)0.2質量部、白色着色
剤(ルチル型酸化チタン)3質量部。
【0090】シート状基材16 重合体被覆層として下記の重合体被覆層用フィルムを用
いた以外は、シート状基材13と同様にしてシート状基
材16を得た。 <重合体被覆層用フィルム>ポリ塩化ビニル樹脂100
質量部、ペンタエリスリトールエステル系可塑剤(商
標:UL−6、旭電化製)70質量部、エポキシ化大豆
油3質量部、有機錫系安定剤2質量部、Ba−Zn系安
定剤2質量部、紫外線吸収剤(商標:TINUVIN
P、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)0.2質量
部、白色着色剤(ルチル型酸化チタン)3質量部。
【0091】シート状基材17 重合体被覆層として下記の重合体被覆層用フィルムを用
いた以外は、シート状基材13と同様にしてシート状基
材17を得た。 <重合体被覆層用フィルム>ポリ塩化ビニル樹脂100
質量部、フタル酸ジイソデシル(分子量:446)65
質量部、エポキシ化大豆油3質量部、有機錫系安定剤2
質量部、Ba−Zn系安定剤2質量部、紫外線吸収剤
(商標:TINUVIN P、チバ・スペシャルティ・
ケミカルズ製)0.2質量部、白色着色剤(ルチル型酸
化チタン)3質量部。
【0092】シート状基材18 重合体被覆層として下記の重合体被覆層用フィルムを用
いた以外は、シート状基材13と同様にしてシート状基
材18を得た。 <重合体被覆層組成>ポリ塩化ビニル樹脂100質量
部、アジピン酸ジイソデシル(分子量:427)65質
量部、エポキシ化大豆油3質量部、有機錫系安定剤2質
量部、Ba−Zn系安定剤2質量部、紫外線吸収剤(商
標:TINUVIN P、チバ・スペシャルティ・ケミ
カルズ製)0.2質量部、白色着色剤(ルチル型酸化チ
タン)3質量部。
【0093】シート状基材19 重合体被覆層として下記の重合体被覆層用フィルムを用
いた以外は、シート状基材13と同様にしてシート状基
材19を得た。 <重合体被覆層組成>ポリ塩化ビニル樹脂100質量
部、フタル酸ジイソノニル(分子量:418)65質量
部、エポキシ化大豆油3質量部、有機錫系安定剤2質量
部、Ba−Zn系安定剤2質量部、紫外線吸収剤(商
標:TINUVIN P、チバ・スペシャルティ・ケミ
カルズ製)0.2質量部、白色着色剤(ルチル型酸化チ
タン)3質量部。
【0094】シート状基材20 重合体被覆層として下記の重合体被覆層用フィルムを用
いた以外は、シート状基材13と同様にしてシート状基
材20を得た。 <重合体被覆層フィルム>ポリ塩化ビニル樹脂100質
量部、エポキシ化大豆油65質量部、有機錫系安定剤2
質量部、Ba−Zn系安定剤2質量部、紫外線吸収剤
(商標:TINUVIN P、チバ・スペシャルティ・
ケミカルズ製)0.2質量部、白色着色剤(ルチル型酸
化チタン)3質量部。
【0095】シート状基材21 重合体被覆層として下記の重合体被覆層用フィルムを用
いた以外は、シート状基材13と同様にしてシート状基
材21を得た。 <重合体被覆層フィルム>ポリ塩化ビニル樹脂100質
量部、フタル酸ジ2−エチルヘキシル(分子量:39
0)65質量部、エポキシ化大豆油3質量部、有機錫系
安定剤2質量部、Ba−Zn系安定剤2質量部、紫外線
吸収剤(商標:TINUVIN P、チバ・スペシャル
ティ・ケミカルズ製)0.2質量部、白色着色剤(ルチ
ル型酸化チタン)3質量部。
【0096】シート状基材22 重合体被覆層として下記の重合体被覆層用フィルムを用
いた以外は、シート状基材13と同様にしてシート状基
材22を得た。 <重合体被覆層フィルム>ポリ塩化ビニル樹脂100質
量部、フタル酸ジイソノニル65質量部、エポキシ化大
豆油3質量部、有機錫系安定剤2質量部、Ba−Zn系
安定剤2質量部、炭酸カルシウム(商標:スーパー#1
700、吸油量40cm3 /100g、丸尾カルシウム
製)20質量部、紫外線吸収剤(商標:TINUVIN
P、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)0.2質
量部、白色着色剤(ルチル型酸化チタン)3質量部。
【0097】シート状基材23 重合体被覆層として下記の重合体被覆層用フィルムを用
いたこと、及び添加剤移行防止層として下記の添加剤移
行防止層用塗工液を用いたこと以外は、シート状基材7
と同様にしてシート状基材23を得た。 <重合体被覆層フィルム>ポリ塩化ビニル樹脂100質
量部、フタル酸ジイソノニル65質量部、エポキシ化大
豆油3質量部、有機錫系安定剤2質量部、Ba−Zn系
安定剤2質量部、炭酸カルシウム(商標:スーパー#1
700、吸油量40cm3 /100g、丸尾カルシウム
製)20質量部、紫外線吸収剤(商標:TINUVIN
P、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)0.2質
量部、白色着色剤(ルチル型酸化チタン)3質量部。 <表面側添加剤移行防止層塗工液>メチルメタクリレー
ト樹脂100質量部、酸化亜鉛超微細粒子(商標:Zn
O−200、平均粒子径:0.015μm、住友大阪セ
メント製)2.0質量部、メチルエチルケトン400質
量部。
【0098】シート状基材24 重合体被覆層として下記の重合体被覆層用フィルムを用
いたこと、及び添加剤移行防止層として下記の添加剤移
行防止層用塗工液を用いたこと以外は、シート状基材7
と同様にしてシート状基材24を得た。 <重合体被覆層フィルム>ポリ塩化ビニル樹脂100質
量部、フタル酸ジイソノニル65質量部、エポキシ化大
豆油3質量部、有機錫系安定剤2質量部、Ba−Zn系
安定剤2質量部、炭酸カルシウム(商標:スーパー#1
700、吸油量40cm3 /100g、丸尾カルシウム
製)20質量部、紫外線吸収剤(商標:TINUVIN
P、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)0.2質
量部、白色着色剤(ルチル型酸化チタン)3質量部。 <表面側添加剤移行防止層塗工液>ポリエチレンイミン
グラフト化アクリル樹脂(商標:ポリメントNK−38
0、固形分濃度:30質量%、アミン当量:1400g
/eq、日本触媒製)60質量部、アクリル系樹脂(商
標:ソニーボンドSC−474、固形分濃度:25質量
%、ソニーケミカル製)40質量部、ビスフェノールA
型エポキシ樹脂(商標:エピコート828、エポキシ当
量:200g/eq、油化シェル製)6質量部、酸化亜鉛
超微細粒子(商標:ZnO−200、平均粒子径:0.
015μm、住友大阪セメント製)0.5質量部、メチ
ルエチルケトン100質量部。
【0099】シート状基材25 シート状基材8の下面に下記の裏面添加剤移行防止層塗
工液をロールコーターによりwetで10g/m2 塗工
し、110℃で2分間乾燥することにより裏面添加剤移
行防止層を形成し、シート状基材25を得た。 <裏面添加剤移行防止層塗工液>ビニリデンフルオライ
ド−テトラフルオロエチレン共重合体(商標:カイナー
7201、エルフ・アトケム・ジャパン製)100質量
部、メチルメタクリレート樹脂100質量部、超微粒子
無定形シリカ(商標:ファインシールX−60、トクヤ
マ製)10質量部、メチルエチルケトン800質量部。
【0100】シート状基材26 シート状基材22の下面に下記の裏面添加剤移行防止層
塗工液をロールコーターによりwetで10g/m2
工し、110℃で2分間乾燥することにより裏面添加剤
移行防止層を形成し、シート状基材26を得た。 <裏面添加剤移行防止層塗工液>ビニリデンフルオライ
ド−テトラフルオロエチレン共重合体(商標:カイナー
7201、エルフ・アトケム・ジャパン製)100質量
部、メチルメタクリレート樹脂100質量部、超微粒子
無定形シリカ(商標:ファインシールX−60、トクヤ
マ製)10質量部、メチルエチルケトン800質量部。
【0101】シート状基材27 シート状基材1と同様にして、シート状基材27を作製
した。但し、重合体被覆層塗工液に含まれる白色顔料の
添加量を3質量部から1質量部に変更し、さらに赤色顔
料(商標:RYUDYE−W RED FFGR、大日
本インキ化学工業製)を3質量部添加した。
【0102】シート状基材28 シート状基材1と同様にして、シート状基材28を作製
した。但し、重合体被覆層塗工液に含まれる白色顔料の
添加量を3質量部から1質量部に変更し、さらに青色顔
料(商標:RYUDYE−W BLUE GLK、大日
本インキ化学工業製)を3質量部添加した。
【0103】シート状基材29 シート状基材9と同様にして、シート状基材29を作製
した。但し、重合体被覆層塗工液に含まれる白色顔料の
添加量を3質量部から1質量部に変更し、さらに黄色顔
料(青味ポリアゾイエロー)を3質量部添加した。
【0104】実施例1 基材としてシート状基材1を用い、その上面に下記の親
水性被膜層用塗工液をロールコーターによりwetで1
0g/m2 塗工し、80℃で2分間乾燥することにより
親水性被膜層を形成し、本発明のシートを得た。得られ
たシートの評価結果を表1に示す。 <親水性被膜層用塗工液>メチルシリケート部分加水分
解縮合物(商標:MKCシリケートMS−56、三菱化
学製)100質量部、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン10質量部、蒸留水100質量部、有機金
属キレート系触媒0.3質量部、メタノール800質量
部。
【0105】実施例2 下記の親水性被膜層用塗工液を使用したこと以外は実施
例1と同様にして本発明のシートを得た。得られたシー
トの評価結果を表1に示す。 <親水性被膜層用塗工液>エチルシリケート部分加水分
解縮合物(商標:エチルシリケート48、コルコート
製)100質量部、γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン10質量部、蒸留水100質量部、有機金属
キレート系触媒0.3質量部、メタノール800質量
部。
【0106】実施例3 下記の親水性被膜層用塗工液を使用したこと以外は実施
例1と同様にして本発明のシートを得た。得られたシー
トの評価結果を表1に示す。 <親水性被膜層用塗工液>メチルシリケートの部分加水
分解縮合物(商標:MKCシリケートMS51、三菱化
学製)100質量部、アクリル系樹脂(商標:LH−4
48、固形分濃度:25質量%、綜研化学製)100質
量部、メチルエチルケトン100質量部。
【0107】実施例4 シート状基材2を使用したこと以外は実施例1と同様に
して本発明のシートを得た。得られたシートの評価結果
を表1に示す。
【0108】実施例5 シート状基材3を使用したこと以外は実施例1と同様に
して本発明のシートを得た。得られたシートの評価結果
を表1に示す。
【0109】実施例6 シート状基材4を使用したこと以外は実施例1と同様に
して本発明のシートを得た。得られたシートの評価結果
を表1に示す。
【0110】実施例7 シート状基材5を使用したこと以外は実施例1と同様に
して本発明のシートを得た。得られたシートの評価結果
を表1に示す。
【0111】実施例8 シート状基材6を使用したこと以外は実施例1と同様に
して本発明のシートを得た。得られたシートの評価結果
を表1に示す。
【0112】実施例9 シート状基材7を使用したこと以外は実施例1と同様に
して本発明のシートを得た。得られたシートの評価結果
を表1に示す。
【0113】実施例10 シート状基材8を使用したこと以外は実施例1と同様に
して本発明のシートを得た。得られたシートの評価結果
を表2に示す。
【0114】実施例11 シート状基材9を使用したこと以外は実施例1と同様に
して本発明のシートを得た。得られたシートの評価結果
を表2に示す。
【0115】実施例12 シート状基材10を使用したこと以外は実施例1と同様
にして本発明のシートを得た。得られたシートの評価結
果を表2に示す。
【0116】実施例13 シート状基材11を使用したこと以外は実施例1と同様
にして本発明のシートを得た。得られたシートの評価結
果を表2に示す。
【0117】実施例14 シート状基材12を使用したこと以外は実施例1と同様
にして本発明のシートを得た。得られたシートの評価結
果を表2に示す。
【0118】実施例15 シート状基材13を使用したこと以外は実施例1と同様
にして本発明のシートを得た。得られたシートの評価結
果を表2に示す。
【0119】実施例16 シート状基材14を使用したこと以外は実施例1と同様
にして本発明のシートを得た。得られたシートの評価結
果を表2に示す。
【0120】実施例17 シート状基材15を使用したこと以外は実施例1と同様
にして本発明のシートを得た。得られたシートの評価結
果を表2に示す。
【0121】実施例18 シート状基材16を使用したこと以外は実施例1と同様
にして本発明のシートを得た。得られたシートの評価結
果を表3に示す。
【0122】実施例19 シート状基材17を使用したこと以外は実施例1と同様
にして本発明のシートを得た。得られたシートの評価結
果を表3に示す。
【0123】実施例20 シート状基材18を使用したこと以外は実施例1と同様
にして本発明のシートを得た。得られたシートの評価結
果を表3に示す。
【0124】実施例21 シート状基材19を使用したこと以外は実施例1と同様
にして本発明のシートを得た。得られたシートの評価結
果を表3に示す。
【0125】実施例22 シート状基材20を使用したこと以外は実施例1と同様
にして本発明のシートを得た。得られたシートの評価結
果を表3に示す。
【0126】実施例23 シート状基材21を使用したこと以外は実施例1と同様
にして本発明のシートを得た。得られたシートの評価結
果を表3に示す。
【0127】実施例24 シート状基材22を使用したこと以外は実施例1と同様
にして本発明のシートを得た。得られたシートの評価結
果を表3に示す。
【0128】実施例25 シート状基材23を使用したこと以外は実施例1と同様
にして本発明のシートを得た。得られたシートの評価結
果を表3に示す。
【0129】実施例26 シート状基材24を使用したこと以外は実施例1と同様
にして本発明のシートを得た。得られたシートの評価結
果を表3に示す。
【0130】実施例27 シート状基材22を使用したこと、及び親水性被膜層塗
工液の塗布量を6g/m2 に変更したこと以外は実施例
1と同様にして本発明のシートを得た。
【0131】比較例1 親水性被膜層を形成しなかったこと以外は実施例1と同
様にして比較例のシートを得た。得られたシートの評価
結果を表3に示す。
【0132】比較例2 基材としてシート状基材13を用い、その上面に下記の
防汚層用塗工液をロールコーターによりwetで10g
/m2 塗工し、120℃で2分間乾燥することにより防
汚層を形成し、比較例のシートを得た。得られたシート
の評価結果を表3に示す。 <防汚層用塗工液>ビニリデンフルオライド−テトラフ
ルオロエチレン共重合体(カイナー7201、エルフ・
アトケム・ジャパン製)100重量部、メチルエチルケ
トン400重量部。
【0133】実施例28〜30 実施例28において、実施例1の防汚性シートの、ロー
ル状巻き上げ体の防汚性を下記方法により試験評価し
た。その結果を表4に示す。実施例29において、シー
ト状基材25を使用したこと以外は実施例1と同様にし
て本発明のシートを得た。得られたシートのロール状巻
き上げ体の評価結果を表4に示す。実施例30におい
て、シート状基材26を使用したこと以外は実施例1と
同様にして本発明のシートを得た。得られたシートのロ
ール状巻き上げ体の評価結果を表4に示す。
【0134】7.ロール状巻き上げ体の作製及び促進試
験後の防汚性評価 供試シートを直径5.08cmの紙管に防汚層が内側にな
るようにして巻き取り(シート長:40cm)、本発明の
防汚性シートのロール状巻き上げ体を得た。このロール
状巻き上げ体を50℃−相対湿度90%に設定されたオ
ーブン中に72週間放置し、促進試験を行った。
【0135】実施例31 シート状基材27を使用したこと以外は実施例1と同様
にして本発明のシートを得た。得られたシートの評価結
果を表5に示す。
【0136】実施例32 シート状基材27を使用したこと以外は実施例3と同様
にして本発明のシートを得た。得られたシートの評価結
果を表5に示す。
【0137】実施例33 シート状基材28を使用したこと以外は実施例1と同様
にして本発明のシートを得た。得られたシートの評価結
果を表5に示す。
【0138】実施例34 シート状基材29を使用したこと以外は実施例1と同様
にして本発明のシートを得た。得られたシートの評価結
果を表5に示す。
【0139】
【表1】
【0140】
【表2】
【0141】
【表3】
【0142】
【表4】
【0143】
【表5】
【0144】表1より、本発明の実施例のシートは優れ
た防汚性と雨筋汚れ防止性を有していた。とくに実施例
6〜9のシートは、シート状基材の重合体被覆層上に密
着性化合物を含む添加剤移行防止層が設けられていたの
で、防汚性及び雨筋汚れ防止性が長期に渡り良好であっ
た。表2及び3は、主にシート状基材の重合体被覆層が
ポリ塩化ビニル系樹脂と可塑剤を含んでいるシートにつ
いての結果である。これらより明らかなように、本発明
の実施例のシートは優れた防汚性と雨筋汚れ防止性を有
していた。とくに、シート状基材の加熱減量の低いもの
は非常に防汚性及び雨筋汚れ防止性の経時低下が少なか
った。これに対し、比較例1及び2のシートは、親水性
被膜層が形成されていなかったので、防汚性及び雨筋汚
れ防止性が不良であった。またその防汚性は、シート状
基材の加熱減量にも依存しなかった。表4より、本発明
の実施例のシートは、ロール上巻き上げ体にしても良好
な防汚性と雨筋汚れ防止性を維持した。とくに実施例2
9及び30のシートは、親水性被膜層にシート状基材の
重合体被覆層に添加した添加剤が移行しうる重合体被覆
層組成であったが、裏面側添加剤移行防止層を形成して
いたので、ロール状にして保管した後も防汚性は良好で
あった。表5より、本発明の実施例のシートは、シート
状基材の重合体被覆層を有彩色に着色している場合にお
いても、親水性被膜層(及び添加剤移行防止層)を形成
する前のシート色相に対して遜色のない外観を有してい
た。とくに実施例34のシートは、シート状基材の重合
体被覆層上に紫外線吸収性化合物を含む添加剤移行防止
層が設けられていたので、耐候促進試験後にもシート色
相の鮮やかさに変化がなく、極めて良好なものであっ
た。
【0145】
【発明の効果】本発明の防汚性シートは、屋外使用時に
おける親水性被膜層の防汚性の経時低下がほとんどな
く、長期間に渡って良好な防汚性を維持できる。とく
に、従来技術では不可能と考えられていたポリ塩化ビニ
ル系樹脂を重合体被覆層とするシートにおいても、添加
剤移行防止層、可塑剤移行防止層を併用することによ
り、極めて高い防汚性を得ることができる。本発明の防
汚性シートは、従来のシートよりも長期間使用すること
が可能なので、中・大型テント、テント倉庫、トラック
用の幌、看板用バックリットなどの産業資材用途におい
て極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防汚性シートの1例の断面説明図。
【図2】本発明の防汚性シートの他の例の断面説明図。
【図3】本発明の防汚性シートの更に他の例の断面説明
図。
【図4】本発明の防汚性シートの更に他の例の断面説明
図。
【図5】本発明の防汚性シートの更に他の例の断面説明
図。
【符号の説明】
1…基布 2…重合体被覆層 3,3a,3b…シート状基材 4…親水性被膜層 5…添加剤移行防止層 6…可塑剤移行防止層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA25D AH06C AK01B AK04D AK15B AK17D AK51B AK52C AK53D AK68B AK71B AL01B AL01D AL06D AN00B AR00D BA03 BA04 BA07 BA10A BA10C CA04B CA05B CA06B CA07B CA08B CA13B CA24B DE01D DG11A GB90 JB05C JD01D JD09D JG04C JL00 JL06 JN01C YY00B YY00C YY00D

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維布帛を含む基布と、この基布の少な
    くとも一面上に形成され、かつ、天然ゴム、合成ゴム、
    合成樹脂から選ばれた少なくとも1種を含む重合体被覆
    層とからなるシート状基材、並びに前記シート状基材の
    前記重合体被覆層上に形成され、かつ、オルガノシリケ
    ート及びその縮合体から選ばれた少なくとも1種を含む
    親水性被膜層を有することを特徴とする防汚性シート。
  2. 【請求項2】 前記シート状基材の重合体被覆層が、可
    塑剤、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、
    滑剤、及び防炎剤から選ばれた少なくとも1種からなる
    添加剤をさらに含む、請求項1に記載の防汚性シート。
  3. 【請求項3】 前記シート状基材の重合体被覆層に含ま
    れる合成樹脂が、その主成分としてポリ塩化ビニル系樹
    脂を含む、請求項1又は2に記載の防汚性シート。
  4. 【請求項4】 前記重合体被覆層が、ポリ塩化ビニル系
    樹脂と、及び、分子量400以上のフタル酸エステル系
    可塑剤、分子量420以上の脂肪族二塩基酸エステル系
    可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、ピロメリッ
    ト酸エステル系可塑剤、ジペンタエリスリトールエステ
    ル系可塑剤、エポキシ系可塑剤、分子量600以上のポ
    リエステル系可塑剤、エステル系ウレタン重合体、エチ
    レン−酢酸ビニル−一酸化炭素三元共重合体、エチレン
    −(メタ)アクリル酸エステル−一酸化炭素三元共重合
    体、の何れか1種以上から選ばれる可塑剤を含む、請求
    項1〜3のいずれか1項に記載の防汚性シート。
  5. 【請求項5】 前記シート状基材の重合体被覆層と、前
    記親水性被膜層との間に、前記重合体被覆層中の添加剤
    が、前記親水性被膜層に移行することを防止するための
    添加剤移行防止層が形成されている、請求項2〜4に記
    載の防汚性シート。
  6. 【請求項6】 前記添加剤移行防止層が、(1)下記一
    般式(I),(II)及び(III ): 【化1】 [但し、式(I),(II)及び(III )中、R1 及びR
    2 は、それぞれ互に独立に水素原子又は1〜6個の炭素
    原子を有する炭化水素基を表し、x1,x2及びx3
    は、それぞれ互に独立に、1〜100の整数を表し、y
    は2〜6の整数を表し、zは1〜2の整数を表す。]に
    より表される共重合単位から選ばれた少なくとも1種を
    含むエチレン性コモノマーの付加共重合体、及び(2)
    ヒドロキシル基含有エチレン性モノマーの付加重合体か
    ら選ばれた少なくとも1種を含む、請求項5に記載の防
    汚性シート。
  7. 【請求項7】 前記添加剤移行防止層が、前記合成樹脂
    に加えて、(1)0.1μm以下の平均粒子径を有する
    酸化亜鉛超微細粒子、並びに(2)ベンゾトリアゾール
    系化合物及びベンゾフェノン系化合物から選ばれた少な
    くとも1種の紫外線吸収性モノマーを共重合単位として
    含む共重合体からなる群から選ばれた少なくとも1種か
    らなる紫外線吸収性共重合体をさらに含む、請求項5〜
    6のいずれか1項に記載の防汚性シート。
  8. 【請求項8】 前記酸化亜鉛超微細粒子の平均粒子径が
    0.04μm以下である請求項7に記載の防汚性シー
    ト。
  9. 【請求項9】 前記紫外線吸収性共重合体が、前記ベン
    ゾトリアゾ−ル系化合物及びベンゾフェノン系化合物か
    ら選ばれた少なくとも1種の紫外線吸収性モノマーと、
    少なくとも1種のアクリル系モノマーとの共重合により
    得られた紫外線吸収性アクリル系共重合体から選ばれ
    る、請求項7又は8に記載の防汚性シート。
  10. 【請求項10】 前記添加剤移行防止層において、前記
    エチレン性コモノマーの付加重合体が前記一般式(III
    )の共重合体単位を有するエチレン性モノマーとアク
    リル系モノマーとの付加共重合体から選ばれる、請求項
    6に記載の防汚性シート。
  11. 【請求項11】 前記添加剤移行防止層が、少なくとも
    1種のエポキシ系化合物をさらに含む、請求項5〜10
    のいずれか1項に記載の防汚性シート。
  12. 【請求項12】 前記オルガノシリケートが、メチルシ
    リケートである、請求項1〜11のいずれか1項に記載
    の防汚性シート。
  13. 【請求項13】 前記シート状基材が、前記重合体被覆
    層と前記添加剤移行防止層との間に形成され、かつフッ
    素含有樹脂及び、フッ素変性樹脂から選ばれた1種以上
    を含む可塑剤移行部防止層をさらに含む、請求項1〜1
    2にいずれか1項に記載の防汚性シート。
  14. 【請求項14】 前記シート状基材のJIS K−67
    32−1981に従って測定された加熱減量が1.0%
    以下である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の防
    汚性シート。
  15. 【請求項15】 前記シート状基材の加熱減量(JIS
    K−6732−1981)が、0.50%以下である
    請求項1〜14のいずれか1項に記載の防汚性シート。
  16. 【請求項16】 前記親水性被膜層が透明である、請求
    項1〜15のいずれか1項に記載の防汚性シート。
  17. 【請求項17】 前記親水性被膜層の全光線透過率が7
    5%以上であり、かつそのヘーズが15%未満である、
    請求項1〜16のいずれか1項に記載の防汚性シート。
  18. 【請求項18】 前記親水性被膜層及び前記添加剤移行
    防止層の合計全光線透過率が75%以上であり、かつそ
    のヘーズが15%未満である、請求項5〜17のいずれ
    か1項に記載の防汚性シート。
  19. 【請求項19】 前記親水性被膜層の表面抵抗率が1.
    0×1012Ω以下である、請求項1〜18のいずれか1
    項に記載の防汚性シート。
  20. 【請求項20】 前記重合体被覆層が、30〜300ml
    /100gの吸油量を有する無機顔料及び有機顔料から
    選ばれた1種以上を、前記重合体被覆層の合計質量に対
    して50質量%以下の含有量で含む、請求項1〜19の
    いずれか1項に記載の防汚性シート。
JP2002093052A 2001-03-29 2002-03-28 防汚性シート Pending JP2003191386A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002093052A JP2003191386A (ja) 2001-03-29 2002-03-28 防汚性シート

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001-95879 2001-03-29
JP2001095879 2001-03-29
JP2001318365 2001-10-16
JP2001-318365 2001-10-16
JP2002093052A JP2003191386A (ja) 2001-03-29 2002-03-28 防汚性シート

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003191386A true JP2003191386A (ja) 2003-07-08

Family

ID=27617254

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002093052A Pending JP2003191386A (ja) 2001-03-29 2002-03-28 防汚性シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003191386A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006076184A (ja) * 2004-09-10 2006-03-23 Diatex Co Ltd 防汚性シート
JP2009007731A (ja) * 2007-05-31 2009-01-15 Lion Corp 紫外線吸収性繊維処理剤組成物
JP2018165317A (ja) * 2017-03-28 2018-10-25 株式会社ノリタケカンパニーリミテド マスキング用樹脂組成物とそれを用いたマスキングシート
JP2019014812A (ja) * 2017-07-06 2019-01-31 ベック株式会社 着色コーティング剤
WO2019131630A1 (ja) * 2017-12-27 2019-07-04 日本ゼオン株式会社 塩化ビニル樹脂積層シート、塩化ビニル樹脂積層シートの製造方法、及び積層体
JP2020082365A (ja) * 2018-11-15 2020-06-04 平岡織染株式会社 透明フレキシブルシート
JP2022146252A (ja) * 2021-03-22 2022-10-05 株式会社リベラルフィールズ 洗車機用防汚シートおよび洗車機

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006076184A (ja) * 2004-09-10 2006-03-23 Diatex Co Ltd 防汚性シート
JP2009007731A (ja) * 2007-05-31 2009-01-15 Lion Corp 紫外線吸収性繊維処理剤組成物
JP2018165317A (ja) * 2017-03-28 2018-10-25 株式会社ノリタケカンパニーリミテド マスキング用樹脂組成物とそれを用いたマスキングシート
JP2019014812A (ja) * 2017-07-06 2019-01-31 ベック株式会社 着色コーティング剤
WO2019131630A1 (ja) * 2017-12-27 2019-07-04 日本ゼオン株式会社 塩化ビニル樹脂積層シート、塩化ビニル樹脂積層シートの製造方法、及び積層体
JPWO2019131630A1 (ja) * 2017-12-27 2021-01-14 日本ゼオン株式会社 塩化ビニル樹脂積層シート、塩化ビニル樹脂積層シートの製造方法、及び積層体
JP7272277B2 (ja) 2017-12-27 2023-05-12 日本ゼオン株式会社 塩化ビニル樹脂積層シート、塩化ビニル樹脂積層シートの製造方法、及び積層体
JP2020082365A (ja) * 2018-11-15 2020-06-04 平岡織染株式会社 透明フレキシブルシート
JP7026950B2 (ja) 2018-11-15 2022-03-01 平岡織染株式会社 透明フレキシブルシート
JP2022146252A (ja) * 2021-03-22 2022-10-05 株式会社リベラルフィールズ 洗車機用防汚シートおよび洗車機
JP7423073B2 (ja) 2021-03-22 2024-01-29 株式会社リベラルフィールズ 洗車機用防汚シートおよび洗車機

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3968585B2 (ja) テント用防汚性防水シート
US20140004331A1 (en) Shatterproofing member with hardenable pressure-sensitive adhesive layer
JP6383926B2 (ja) 産業用ターポリン
JP4341752B2 (ja) 遮熱性防汚膜材
JP6318349B2 (ja) 軟質塩化ビニル樹脂製産業資材シート
JP6318348B2 (ja) 軟質塩化ビニル樹脂製産業資材シート
JP2002321452A (ja) 難燃性印刷用膜材
JP6435483B2 (ja) 接着性ペーストゾル組成物及びそれを用いた産業資材用帆布及びメッシュシートの製造方法
JP3826311B2 (ja) 防汚性防水シート
JP3709929B2 (ja) 防汚性膜体及びその製造方法
JP2003191386A (ja) 防汚性シート
CN103796831A (zh) 涂布膜
JP2003266612A (ja) 遮熱性防汚膜材
JP4375542B2 (ja) 防汚性オレフィン系樹脂シート
KR100490462B1 (ko) 광촉매 담지 텐트지 캔버스 및 이의 제조 방법
JP2006028470A (ja) 汚染防止塗料、汚染防止シートおよびその製造方法
JP3759004B2 (ja) 防汚性メッシュシート
JP2001295174A (ja) 光触媒担持テント地キャンバス及びその製造方法
JP2003182001A (ja) 雨筋汚れ防止効果に優れた防汚性防水シート
JP5544485B2 (ja) 自浄防汚シート
JP6383962B2 (ja) 軟質塩化ビニル樹脂製産業資材シート
JP2004098697A (ja) 防汚性テント用シート
JP6288160B2 (ja) 窓貼り用積層ポリエステルフィルムの製造方法
JP2003165185A (ja) 熱融着性に優れた防汚性防水シート
JP5568744B2 (ja) 自浄防汚シート

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051003

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051220

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060214

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070515