JP2001295174A - 光触媒担持テント地キャンバス及びその製造方法 - Google Patents

光触媒担持テント地キャンバス及びその製造方法

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JP2001295174A JP2001032790A JP2001032790A JP2001295174A JP 2001295174 A JP2001295174 A JP 2001295174A JP 2001032790 A JP2001032790 A JP 2001032790A JP 2001032790 A JP2001032790 A JP 2001032790A JP 2001295174 A JP2001295174 A JP 2001295174A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光触媒コーティングが表面に施されたテント地
キャンバスであって、(1)光触媒とテント地キャンバ
スとの接着性が良好であり、かつ長時間維持され、
(2)長期に亘って防汚能力が維持されることに加え
て、(3)光触媒活性がテント地キャンバス上へ担持さ
れることにより引裂強度の経時低下が促進されないテン
ト地キャンバスを提供すること。 【解決手段】テント地キャンバスに含まれる可塑剤量が
JIS−K5400に規定されるサンシャインカーボン
アーク式促進耐候性試験において1500時間経過した
後、又は屋外暴露3年経過後に初期と比較して50%以
上残存している光触媒コーティングが表面に施されたテ
ント地キャンバスを用いる。更に、上記性質、構造を有
するテント地キャンバスにおいて、テント地キャンバス
に含まれる可塑剤に、その分子量が400以上であるも
のを用いる、又は/及びテント地と光触媒コーティング
層の中間に可塑剤移行抑制層を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防汚、抗菌、防カ
ビ等の効果を有し、更に長時間にわたる耐侯性を改善し
た光触媒担持テント地キャンバス及びその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】紫外線のエネルギーによって、殺菌、有
機物の分解、等の各種の化学反応を進行させる光触媒と
して、n型半導体の酸化チタンが知られている。光触媒
をガラス、金属、プラスチック、タイル等に担持する方
法は種々提案されている(特開昭62−66861号公
報、特開平5−309267号公報、EP.63306
4号公報、US.4888101号公報等)。
【0003】ところで、従来から屋外設置を目的とした
テント地キャンバス及びテント地構造物が用いられてい
るが、このテント地キャンバス、特に塩化ビニルを主た
る成分とするB種及びC種テント地キャンバス並びにテ
ント地構造物は、塩化ビニル樹脂に大量に含まれる可塑
剤が表面に移行して滞留し、外気中の塵埃や煤煙をよく
付着させるため、通常2〜3ケ月で黒く変色し汚染が進
み、美観を損ねるという大きな欠点を有していた。そこ
で、テント地キャンバス、特に広く使用されているB種
テント地やC種テント地キャンバス表面に光触媒を担持
させて、その光触媒作用を有効に利用して防汚、抗菌、
防カビ性を長期にわたって維持する光触媒担持テント地
キャンバスが提案されている(特開平10−23776
9)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記光触媒が担持され
たテント地キャンバスにおいても、通常の用いられる可
塑剤が使用される。しかしながら、これらの可塑剤は塩
化ビニル樹脂層表面に移行し易く、表面に移行すると可
塑剤は光触媒の作用により分解されてしまう。その結
果、テント地キャンバスの内部から表面にわたって可塑
剤の濃度勾配が生じ、内部からの可塑剤の移行が促進さ
れる。従って、従来の光触媒を表面に担持させたテント
地キャンバスは、光触媒が担持されていないものと比較
して、より硬化が進行しやすく、引裂強度が低下しやす
いという問題があった。
【0005】本発明は、かかる実状に鑑みてなされたも
のであり、光触媒コーティングが表面に施されたテント
地キャンバス(以下、「光触媒担持テント地キャンバ
ス」ともいう。)であって、(1)光触媒コーティング
層とテント地との接着性が良好であり、(2)長期に亘
って防汚能力が維持されることに加えて、(3)光触媒
がテント地上に担持されることにより引裂強度の経時低
下が促進されない光触媒担持テント地キャンバスを提供
することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、テント地キャンバスに
含まれる可塑剤量が長期にわたり維持されるテント地キ
ャンバスを用いること、更に、分子量の大きい可塑剤を
選択するか又はテント地キャンバスと光触媒コーティン
グの間に可塑剤移行抑制層を設けるかのいずれかあるい
は両方の方法により、テント地キャンバスに含まれる可
塑剤量を維持できることを見出し、本発明を完成するに
至った。
【0007】即ち、本発明は、 (構成1)表面に光触媒コーティング層を有する光触媒
担持テント地キャンバスであって、前記テント地キャン
バスに含まれる可塑剤が、JIS−K5400に規定さ
れるサンシャインカーボンアーク式促進耐候性試験にお
いて1500時間経過した後に初期と比較して50%以
上残存していることを特徴とする光触媒担持テント地キ
ャンバス、 (構成2)表面に光触媒コーティング層を有する光触媒
担持テント地キャンバスであって、前記テント地キャン
バスに含まれる可塑剤が、屋外暴露3年経過後に初期と
比較して50%以上残存していることを特徴とする光触
媒担持テント地キャンバス、 (構成3)前記テント地キャンバスに含まれる可塑剤の
分子量が400以上であることを特徴とする(構成1)
又は(構成2)に記載の光触媒層担持テントキャンバ
ス、 (構成4)表面に光触媒コーティング層を有する光触媒
担持テント地キャンバスにおいて、テント地キャンバス
と光触媒コーティング層の中間に可塑剤移行抑制層を設
けたことを特徴とする(構成1)〜(構成3)のいずれ
かに記載の光触媒層坦持テント地キャンバス、 (構成5)可塑剤移行抑制層の厚さが0.5〜5μmで
あることを特徴とする(構成4)に記載の光触媒担持テ
ント地キャンバス、 (構成6)光触媒コーティング層が光触媒層とその下に
設けられた接着層からなる構造を有し、接着層が、酸化
物換算でシリコン含有量2〜60重量%のシリコン変性
樹脂、ポリシロキサンを酸化物換算で3〜60重量%含
有する樹脂、又は、コロイダルシリカを酸化物換算で5
〜40重量%含有する樹脂からなり、前記光触媒層は、
金属酸化物ゲル及び/又は金属水酸化物ゲルを酸化物換
算で25〜95重量%含有する光触媒粒子複合体からな
ることを特徴とする(構成1)〜(構成5)のいずれか
に記載の光触媒担持テント地キャンバス、 (構成7)テント地キャンバス上に、可塑剤移行抑制
層、接着層、光触媒層を順次積層する光触媒担持テント
地キャンバスの製造方法であって、テント地上に可塑剤
移行抑制層と接着層を連続的に積層することを特徴とす
る(構成1)〜(構成6)のいずれかに記載の光触媒担
持テント地キャンバスの製造方法、 (構成8)可塑剤移行抑制層の製造に用いられる塗布液
の溶剤の沸点が接着層乾燥工程温度以下であることを特
徴とする(構成7)に記載の光触媒担持テント地キャン
バスの製造方法、 に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の光触媒担持テント地キャ
ンバスは、テント地キャンバスに含まれる可塑剤がJI
S−K5400に規定されるサンシャインカーボンアー
ク式促進耐候性試験において1500時間経過した後に
初期と比較して50%以上残存していることを特徴とす
る。
【0009】本発明に用いられるテント地キャンバス
は、繊維材料から形成された基布と、その少なくとも1
面に形成された塩化ビニル系樹脂層等を有している。繊
維材料としては、木綿、麻等の天然樹脂、ガラス繊維、
カーボン繊維、金属繊維等の無機繊維、ビスコースレー
ヨン、キュプラ等の再生繊維、ジ又はトリアセテート繊
維等の半合成繊維、ナイロン6又はナイロン66等のポ
リアミド繊維、ポリエチレンテレフタレート等のポリエ
ステル繊維、芳香族ポリアミド繊維、アクリル繊維、ポ
リ塩化ビニル繊維、ポリオレフィン繊維等の合成繊維等
から選ばれる少なくとも1種以上繊維を使用することが
できる。
【0010】基布中の繊維は、短繊維紡績糸状、長繊維
状、スプリットヤーン、テープヤーン等のいずれの形状
のものも使用することができる。また、基布は、織物、
編物、不織布、又はこれらの複合布のいずれであっても
よい。中でも、本発明に用いられる基布としてはポリエ
ステル繊維が好ましく、形状としては長繊維(フィラメ
ント)の形状であるのが好ましく、また、平織布である
のが好ましい。
【0011】基布の少なくとも1面に形成される塩化ビ
ニル系樹脂としては、塩化ビニル重合体、塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル
共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体等を具
体的に例示することができ、これらは、単独で、あるい
は2種以上を混合して用いることができる。これらの樹
脂に、可塑剤、安定剤、充填剤、防炎剤、紫外線吸収剤
等を混合して使用することができる。
【0012】例えば、基布としてガラス繊維織物を使用
して、塩化ビニル系樹脂として、防炎剤を含有した塩化
ビニル樹脂を使用し、(社)日本膜構造協会の膜材料性
能判定基準に適合すれば、膜材料B種となる。また、同
様に、基布としてポリアミド繊維、ポリエステル繊維、
又は芳香族ポリアミド繊維を使用して、塩化ビニル系樹
脂として、防炎剤を含有した塩化ビニル樹脂を使用し、
(社)日本膜構造協会の膜材料性能判定基準に適合すれ
ば、膜材料C種となる。
【0013】このような構造を有しているテント地キャ
ンバスの耐久性は、引裂強度が重要な指標となる。長期
屋外暴露されたのと同様の環境下でのサンシャインカー
ボンアーク式促進耐候性試験において、1500時間経
過した後、初期と比較して50%以上の可塑剤がテント
地キャンバス内に残存していれば、引裂強度の低下が3
0%以内となり、そのようなテント地キャンバスを用い
た構造物は、通常の耐用年数を維持することができる。
また、実際の屋外暴露試験においては、3年後、上記と
同様の条件を満たせば、通常の耐用年数を満足すること
ができる。
【0014】本発明者らは、上記のような性質のテント
地キャンバスは、(1)触媒コーティングが表面に施さ
れたテント地キャンバスにおいて、テント地キャンバス
と光触媒コーティング層の中間に可塑剤の移行を抑制す
る層(可塑剤移行抑制層)を設けること、(2)分子量
が400以上の可塑剤をテント地キャンバスに用いるこ
と、(3)又は、両者を組み合わせること、で製造でき
ることを見出した。
【0015】本発明に用いられる可塑剤移行抑制層の材
質としては、具体的には、アクリル樹脂、アクリルシリ
コン樹脂、フッ素樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリアミド、ポリエステル、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、ポリウレタン、シリコーン樹脂、塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体、ネオプレン、ハイパロン、ポリ
ニトリルゴム、SBR、ポリイソブチレンゴム、ブチル
ゴム、ポリブタジエンゴム、フッ素含有ゴム、シリコー
ンゴムの中から選ばれた1種若しくは2種以上の組み合
わせ等を例示することができる。
【0016】可塑剤移行抑制層に使用される上記アクリ
ル樹脂としては、アクリル酸若しくはメタクリル酸のC
l〜C4アルコールのエステルを主構成モノマーとする
重合体若しくは共重合体を主成分とする樹脂が好まし
い。この様なアクリル酸エステル系樹脂の主構成モノマ
ーとして具体的には、メチルアクリレート、メチルメタ
クリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレー
ト、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、
ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート等を例示す
ることができで、中でもメチルアクリレート、メチルメ
タクリレート等が好ましい。また、これらの主構成モノ
マーと共重合させるコモノマーとしては、例えば、アク
リル酸若しくはメタクリル酸のCl〜C12アルコール
のエステル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、塩化ビ
ニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、スチレン、アクリ
ロニトリル、ウレタン、シリコーン、ブタジエン等のモ
ノマー等が挙げられる。
【0017】これらの共重合体の重合形態は特に制限さ
れず、ランダム共重合体、グラフト共重合体、ブロック
共重合体等いずれのものも使用することができる。例え
ば、メチルメタクリレート重合体にフッ化ビニリデンを
添加後、これをグラフト重合させた重合体等を使用する
ことができる。また、アミノ基、イミノ基、エチレンイミ
ン残基、アルキレンジアミン残基を含むアクリレートを
用いることもでき、またこれらをエポキシ樹脂と組み合
わせて用いることもできる。
【0018】抑制層の厚みは特に限定はされないが、
0.5〜5μmの範囲が好ましい。より厚い方が抑制効
果が高いが、厚さが5μm以上になると抑制効果が飽和
する一方で、0.5μm以下になると十分な抑制効果は
望めなくなる。
【0019】可塑剤移行抑制層の樹脂に、光による劣化
を抑える目的で光安定化剤及び/又は紫外線吸収剤等を
混合することにより耐久性を向上させることができる。
使用できる光安定化剤としては、ヒンダードアミン系が
良いが、その他の物でも使用可能である。紫外線吸収剤
としてはトリアゾール系等が使用できる。添加量は、樹
脂に対して0.005重量%以上10重量%以下が好ま
しく、更に0.01重量%以上5重量%以下が好まし
い。
【0020】可塑剤移行抑制層をテント地キャンバスに
塗布し、形成する方法としては、特に制限されないが、
例えば、キャスティング法、シート成形法、スプレー吹
き付け法、ディップコーティング法、スピンコーティン
グ法等でコート、乾燥する方法等が挙げられる。
【0021】テント地キャンバス上に複数層を積層する
工程を有する場合、なるべくその工程数省略して一度の
工程で複数層を積層できるのが好ましい。光触媒層の塗
布工程は、十分な触媒活性を維持するため、他の工程と
同時に行うことが困難である場合がある。
【0022】後述するように、本発明の好ましい一態様
であるテント地キャンバス上に可塑剤抑制層、接着層、
光触媒層を設けたテント地キャンバスにおいては、可塑
剤移行抑制層と接着層を塗布する工程を一工程で行うの
が好ましい。可塑剤移行抑制層と接着層をこの順で塗布
する工程を一工程で行う場合、可塑剤抑制層が接着層を
乾燥する温度で十分乾燥する組成であることが好まし
い。即ち、可塑剤移行抑制層の製造に用いられる塗布液
の溶剤の沸点が接着層乾燥工程温度以下であることが好
ましい。
【0023】後述する本発明の好ましい一態様である接
着層の組成では、乾燥温度を150℃以下に保つこと
が、耐久性、透明性を維持するには好ましく、したがっ
て、可塑剤抑制層の製造に用いられる塗布液の溶剤とし
ては、沸点が150℃以下のものを用いるのが好まし
い。
【0024】また、テント地キャンバス上に可塑剤抑制
層、接着層、光触媒層を積層する工程は、上記工程に限
定されず、例えば、可塑剤移行抑制層を塗布した後、接
着層、光触媒層を塗布する工程を一工程で行うこともで
きる。
【0025】本発明における可塑剤の材質としては、分
子量が400以上の化合物を用いるのが好ましい。具体
的には、ジイソノニルフタレート、ジイソデシルフタレ
ート、ジトリデシルフタレート、n−ヘプチル n−ノ
ニルフタレート、n−ノニルn−ウンデシルフタレー
ト、n−オクチル n−デシルフタレート、トリ(2−
エチルヘキシル)ホスフェート、アゼライン酸ジ−2−
エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、
アセチルクエン酸トリブチル、塩素化パラフィン等を例
示することができる。中でも、ジイソノニルフタレート
等のフタル酸エステル類が好ましい。また、可塑剤は、
これらの化合物群の中から選ばれた2種以上を組み合わ
せて用いることもできる。
【0026】光触媒コーティングは十分な有機物の分解
活性を有し、防汚能力のあるものであるならば、どのよ
うな構造を有するコーティングであっても構わないが、
特に以下のような構造を特徴とするものが望ましい。す
なわち、光触媒コーティングが、光触媒触媒層とその下
に設けられた接着層からなる構造を有し、接着層が、酸
化物換算でシリコン含有量2〜60重量%のシリコン変
性樹脂、ポリシロキサンを酸化物換算で3〜60重量%
含有する樹脂、又は、コロイダルシリカを酸化物換算で
5〜40重量%含有する樹脂からなり、光触媒層は、金
属酸化物ゲル及び/又は金属水酸化物ゲルを酸化物換算
で25〜95重量%含有する光触媒粒子複合体からなる
のが好ましい。
【0027】接着層の材質としては、酸化物換算でシリ
コン含有量2〜60重量%のアクリル−シリコン樹脂や
エポキシ−シリコン樹脂等のシリコン変性樹脂、ポリシ
ロキサンを酸化物換算で3〜60重量%含有する樹脂、
若しくはコロイダルシリカを酸化物換算で5〜40重量
%含有した樹脂が、光触媒を強固に接着し、テント地キ
ャンバスから拡散する可塑剤成分による光触媒活性の低
下を防ぐとともに光触媒による酸化分解からテント地キ
ャンバスを保護するのに適当である。シリコン含有量が
酸化物換算で2重量%未満のアクリル−シリコン樹脂や
エポキシ−シリコン樹脂等のシリコン変性樹脂、ポリシ
ロキサン含有量が酸化物換算で3重量%未満の樹脂、若
しくは、コロイダルシリカ含有量が酸化物換算で5重量
%未満の樹脂では、光触媒層との接着が悪くなり、ま
た、接着層が光触媒により劣化し、光触媒層が剥離し易
くなる。酸化物換算でシリコン含有量60重量%を超え
るアクリル−シリコン樹脂やエポキシ−シリコン樹脂等
のシリコン変性樹脂では、接着層と担体との接着が悪
く、また、接着層の硬度が小さくなるために耐摩耗性が
悪くなる。また、ポリシロキサン含有量が酸化物換算で
60重量%を超える樹脂、若しくは、コロイダルシリカ
含有量が酸化物換算で40重量%を超える樹脂では、接
着層が多孔質となったり、担体と接着層との間の接着性
が悪くなり、光触媒はテント地キャンバスより剥離し易
くなる。
【0028】接着層樹脂がアクリル−シリコン樹脂やエ
ポキシ−シリコン樹脂等のシリコン変性樹脂の場合、シ
リコンの樹脂への導入方法としては、エステル交換反
応、シリコンマクロマーや反応性シリコンモノマーを用
いたグラフト反応、ヒドロシリル化反応、ブロック共重
合法等種々あるが、どのような方法で得られる樹脂でも
使用できる。シリコンを導入する樹脂としては、アクリ
ル樹脂やエポキシ樹脂が成膜性、強靭性、担体との密着
性の点で最も優れているが、アルキド樹脂、ウレタン樹
脂、ポリエステル樹脂等どのような樹脂でも使用でき
る。これらの樹脂は、溶剤に溶けたタイプであってもエ
マルジョンタイプであってもどちらでも使用できる。架
橋剤等の添加物が含まれていても何等問題はない。
【0029】接着層樹脂がポリシロキサンを含有する場
合、そのポリシロキサンが炭素数1〜5のアルコキシ基
を持ったシリコンアルコキシドの加水分解物あるいは該
加水分解物から生成した物であるときに、接着性及び耐
久性が、より向上した光触媒担持テント地キャンバスが
得られる。シリコンアルコキシドのアルコキシ基の炭素
数が6を超えると、高価であり、しかも、加水分解速度
が非常に遅いので、樹脂中で硬化させるのが困難にな
り、接着性や耐久性が悪くなる。部分的に塩素を含んだ
シリコンアルコキシドを加水分解したポリシロキサンを
使用することもできるが、塩素を多量に含有したポリシ
ロキサンを使用すると、不純物の塩素イオンにより、担
体が腐食したり、接着性を悪くする場合がある。
【0030】ポリシロキサンの樹脂への導入方法として
は、シリコンアルコキシドモノマーの状態で樹脂溶液へ
混合し、接着層形成時に空気中の水分で加水分解させる
方法、前もって、シリコンアルコキシドを部分加水分解
した物を樹脂と混合し、更に、接着層形成時に空気中の
水分で加水分解する方法等種々あるが、樹脂と均一に混
合できる方法なら、どのような方法でも使用できる。ま
た、シリコンアルコキシドの加水分解速度を変えるため
に、酸や塩基触媒を少量添加しても構わない。ポリシロ
キサンを導入させる樹脂としては、アクリル樹脂、アク
リル−シリコン樹脂、エポキシ−シリコン樹脂、シリコ
ン変性樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステ
ル樹脂、アルキド樹脂等どのような樹脂でも使用できる
が、アクリル−シリコン樹脂やエポキシ−シリコン樹脂
を含むシリコン変性樹脂が耐久性の点で最も優れてい
る。
【0031】接着層がコロイダルシリカを含有する樹脂
の場合、そのコロイダルシリカの粒子径は50nm以下
が好ましい。50nm以上になると、接着層中の樹脂は
光触媒により劣化し易くなるばかりか、光触媒層と接着
層との接着も悪くなる。コロイダルシリカを樹脂に導入
する方法としては、樹脂溶液とコロイダルシリカ溶液を
混合後、塗布・乾燥して保護膜を形成する方法が最も簡
便であるが、コロイダルシリカを分散した状態で、樹脂
を重合し、合成したものを使用しても良い。コロイダル
シリカと樹脂との接着性及び分散性を良くするために、
シランカップリング剤でコロイダルシリカを処理して用
いても良い。
【0032】コロイダルシリカを導入させる樹脂として
は、アクリル樹脂、アクリル−シリコン樹脂、エポキシ
−シリコン樹脂、シリコン変性樹脂、ウレタン樹脂、エ
ポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂等どのよ
うな樹脂でも使用できるが、アクリル−シリコン樹脂や
エポキシ−シリコン樹脂を含むシリコン変性樹脂が最も
耐久性の点で優れている。コロイダルシリカは、珪酸ナ
トリウム溶液を陽イオン交換することにより作られるシ
リカゾルであっても、シリコンアルコキシドを加水分解
して作られるシリカゾルであっても、どのような物でも
使用することができる。
【0033】接着層樹脂に光触媒作用による劣化を抑え
る目的で、光安定化剤及び/又は紫外線吸収剤等を混合
することにより耐久性を向上させることができる。使用
できる光安定化剤としては、ヒンダードアミン系が最も
好ましいが、その他のものでも使用可能である。紫外線
吸収剤としてはトリアゾール系等が使用できる。添加量
は、樹脂に対して0.005重量%以上10重量%以
下、好ましくは0.01重量%以上5重量%以下であ
る。また、接着層上をシラン系若しくはチタン系カップ
リング剤で処理すると光触媒層との接着性が向上するこ
とがある。接着層の溶液中に界面活性剤を0.0000
1重量%〜0.1重量%添加することによっても良好な
光触媒担持体とすることができる。
【0034】接着層をテント地キャンバスに塗布する方
法としては、キャスティング法、シート成形法、スプレ
ー吹き付け法、ディップコーティング法、スピンコーテ
ィング法等でコート、乾燥する方法のいずれも使用でき
る。乾燥する温度は、塗布方法や溶媒やテント地キャン
バスの樹脂の種類によっても異なるが、一般的に150
℃以下が好ましい。接着層の厚さは、0.5μm以上が
好ましい。
【0035】光触媒層中の金属酸化物ゲル及び/又は金
属水酸化物ゲルは、光触媒粉末を固着し、接着層と強固
に接着させるだけでなく、ゲルが多孔質であることから
吸着性を持っており、光触媒活性を高める効果もある。
この金属酸化物ゲル及び/又は金属水酸化物ゲルの光触
媒層中での含有量は、酸化物換算で25〜95重量%が
好ましい。25重量%以下では、接着層との接着が不十
分となり、95重量%以上では、光触媒活性が不十分と
なる。また、金属酸化物ゲル若しくは金属水酸化物ゲル
の比表面積が100m/g以上であるのが好ましく、
この場合、接着性はより強固になり、触媒活性も向上す
る。
【0036】金属酸化物又は金属水酸化物ゲルの材質と
しては、ケイ素、アルミニウム、チタニウム、ジルコニ
ウム、マグネシウム、ニオビウム、タンタラム、タング
ステンの金属の酸化物ゲル若しくは水酸化物ゲルが好ま
しい。また、これらを混合したゲルでも、共沈法等の方
法で作られる複合酸化物ゲルでも使用することができ
る。光触媒と混合するためには、ゲルとなる前のゾルの
状態で混合するか、若しくは、ゾルを調製する前の原料
の段階で混合するのが望ましい。
【0037】ゲルを調製する方法には、金属塩を加水分
解する方法、中和分解する方法、イオン交換する方法、
金属アルコキシドを加水分解する方法等があるが、ゲル
の中に光触媒粉末が均一に分散された状態で得られるも
のであればいずれの方法も使用可能である。但し、ゲル
中に多量の不純物が存在すると、光触媒の接着性や触媒
活性に悪影響を与えるので、不純物の少ないゲルが好ま
しい。特に、ゲルの中に有機物が5%以上存在すると、
光触媒活性が低下する場合がある。ジルコニウムやアル
ミニウムの酸化物ゾルを含む光触媒層を使用した場合
は、水道水中での15分間の耐沸騰水性試験後のテープ
剥離試験に合格したり、5%炭酸ナトリウム水溶液中へ
の24時間浸漬試験後のテープ剥離試験に合格するもの
が得られるため、特に好ましく使用できる。
【0038】光触媒層中の光触媒としては、TiO
ZnO、SrTiO、CdS、GaP、InP、Ga
As、BaTiO、KNbO、Fe、Ta
、WO、SnO、Bi、NiO、Cu
O、SiC、SiO、MoS、InPb、RuO
、CeO等、及び、これらの光触媒にPt、Rh、
RuO、Nb、Cu、Sn、NiO等の金属及び金属
酸化物を添加した公知のものが全て使用できる。光触媒
層中の光触媒の含有量は、多量なほど触媒活性が高くな
るが、接着性の点から酸化物換算で75重量%以下が好
ましい。また、抗菌性や防カビ性を更に向上させるた
め、光触媒層中に酸化チタン光触媒に対して0.05〜
5重量%の銀や銅の金属若しくは金属化合物を添加する
ことも好ましく採用できる。添加量が0.05重量%以
下では防カビ性の向上効果に乏しく、5重量%以上では
光触媒層が変色したりするという現象が生じるためテン
ト地キャンバスの色や柄によっては使用が困難になる場
合もある。
【0039】光触媒層を接着層上へ形成するには、金属
酸化物ゾル若しくは金属水酸化物ゾル溶液中に光触媒を
分散した懸濁液を接着層を形成するのと同様のコート法
でコートすることができる。金属酸化物ゾル若しくは金
属水酸化物ゾルの前駆体溶液の状態で光触媒を分散し、
コート時に加水分解や中和分解してゾル化若しくはゲル
化させてることもできる。ゾルを使用する場合には、安
定化のために、酸やアルカリの解膠剤等が添加すること
もできる。また、ゾル懸濁液中に光触媒に対し、5重量
%以下の界面活性剤やシランカップリング剤等を添加し
て、接着性や操作性を良くすることもできる。光触媒層
形成時の乾燥温度としては、塗布方法やテント地キャン
バスの材質及び接着層中の樹脂材質によっても異なる
が、一般的に150℃以下が好ましい。
【0040】光触媒層の厚みは、0.5〜5μmの範囲
が好ましい。厚い方が活性が高くなるが、5μm以上に
なるとほとんど変わらなくなり、透光性、膜密着性が低
下する等の問題が生じる場合がある。厚さが、0.1μ
m以下になると透光性は良くなるものの、光触媒が利用
している紫外線をも透過してしまうために、高い活性は
望めなくなる。光触媒層の厚さを0.1μm以上5μm
以下にし、しかも、結晶粒子径が40nm以下の光触媒
粒子及び比表面積100m/g以上の金属酸化物ゲル
若しくは金属水酸化物ゲルを用いた場合、高い光触媒活
性を有し、下地のテント地キャンバスの風合いを損なう
ことがないので美観の上でも好ましい。
【0041】上記のような可塑剤を選択するか又はテン
ト地キャンバスと光触媒コーティングの間に可塑剤移行
抑制層を設けるかのいづれかあるいは両方を選択して、
その上に接着層と光触媒層を設けたテント地キャンバス
は、JIS−K5400のサンシャインカーボンアーク
式促進耐候性試験において1500時間経過した後に、
テント地に含まれる可塑剤量が初期と比較して50%以
上残存しており、初期と比較して引裂強度の低下が30
%以内であり、JIS−K5400碁盤目テープ法によ
る付着性が、評価点数6点以上を維持するような高耐久
性を示す。
【0042】本発明のテント地キャンバスは、広く使用
されているB種テント地キャンバス又はC種テント地キ
ャンバスとして好ましく使用できる。また、本発明に示
す光触媒を担持したテント地キャンバスは、広く一般建
築用材料として用いることができる。具体的には、テン
ト、テントシート倉庫、テント倉庫の屋根、トラックシ
ート等の輸送体機器の幌、野積みシート、店舗用装飾テ
ント、商店等の軒だし日よけ、各種アーケードの屋根、
展示会パビリオン等の屋根や側面の覆い、ガソリンスタ
ンドの屋根や側面の覆い、防水保護シート、防雪シー
ト、エアードーム、プールカバー、オイルフェンス、シ
ートシャッター、フレキシブルコンテナ、建築養生シー
ト、レーダードーム等に使用する場合を例示することが
できる。特に、防汚、抗菌、防カビの効果を必要とする
場所に使用した場合、優れた防汚性、抗菌性、防カビ性
を生かして長期にわたって表面の美麗な状態を維持する
ため、好ましく使用できる。
【0043】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明の範囲は実施例に限定されるものではない。
【0044】実施例1 (1)テント地キャンバスの製造 基布として、下記組織のポリエステルフィラメント平織
物を用いた。 1000d×1000d 25×25 目付 215g/m この基布を、ペースト塩化ビニル樹脂を含む下記配合1
の樹脂組成物の溶剤希釈液中に浸漬して、基布に樹脂液
を含浸させた後、絞り、150℃で1分間乾燥後、18
5℃で1分間熱処理して、基布に対し樹脂を145g/
付着させて、下塗り層を形成した。次に、可塑剤と
してn−ヘプチル−n−ウンデシルフタレートを含む下
記配合2の樹脂組成物からなるフィルム(0.16mm
厚)をカレンダー法で作成し、これを前記下塗り層含浸
基布の両面に貼着して、片面あたり200g/mの塩
化ビニル樹脂を形成し、合計重量760g/mのテン
ト地キャンバスを製造した。
【0045】 <配合1> ペースト塩化ビニル樹脂 100重量部 n−ヘプチル n−ウンデシルフタレート 70重量部 エポキシ化大豆油 4重量部 炭酸カルシウム 10重量部 Ba−Zn系安定剤 2重量部 顔料(TiO) 5重量部 トルエン(溶剤) 20重量部
【0046】 <配合2> ストレート塩化ビニル樹脂 100重量部 n−ヘプチル n−ウンデシルフタレート 70重量部 エポキシ化大豆油 4重量部 炭酸カルシウム 10重量部 Ba−Zn系安定剤 2重量部 顔料(TiO) 5重量部
【0047】(2)光触媒コーティング層の形成 前記テント地キャンバスの塩化ビニル系樹脂の上に、接
着層としてビストレーターL、NRC−300A(日本
曹達(株)製)をグラビヤコーターで塗布し、100℃
で1分間乾燥後冷却して、厚さ約2μmの接着層を形成
し、その上にさらに光触媒層としてビストレーターL、
NRC−300C(日本曹達(株)製)をグラビヤコー
ターで塗布し、100℃で1分間乾燥後冷却して、厚さ
約1μmの光触媒層を形成して、光触媒坦持テント地キ
ャンバスを製造した。
【0048】比較例1 実施例1中、配合2の可塑剤であるn−ヘプチル n−
ウンデシルフタレートの代わりにジ−2−エチルヘキシ
ルフタレートを用いる以外、実施例1と同様にして光触
媒坦持テント地キャンバスを製造した。
【0049】実施例2 塩化ビニル系樹脂層と光触媒コーティング層の配合3に
示す樹脂組成物溶剤希釈液を用い、グラビヤコーターを
用いて塗布し、100℃で1分間乾燥後冷却し、厚さ約
2μmの可塑剤移行抑制層を設け、引き続いて接着層塗
布液を塗布・乾燥する以外、実施例1と同様にして光触
媒坦持テント地キャンバスを製造した。
【0050】 <配合3> アクリプレンペレットHBS001(三菱レーヨン製) 20重量部 トルエン−メチルエチルケトン(重量比50/50)(溶剤) 80重量部
【0051】実施例3 実施例2中、配合2の可塑剤であるn−ヘプチル n−
ウンデシルフタレートの代わりにジ−2−エチルヘキシ
ルフタレートを用いる以外、実施例1と同様にして光触
媒坦持テント地キャンバスを製造した。
【0052】(評価方法) 屋外暴露試験 試料を各南向きに、傾斜角度30度にして連続的に屋外
に暴露して、試料の防汚性、可塑剤残存率、及び引裂強
度を評価した。 (イ)防汚性 初期の試料を基準として屋外暴露3年後の試料試料表面
の色差ΔEを測定し、下記のように3段階に評価した。 (ロ)可塑剤残存率 100cmの試料を300mlのヘキサンに40℃、
24時間浸漬し、可塑剤を抽出後、試料をギヤオーブン
で60℃、10分間乾燥し、初期重量からの減量分を可
塑剤残存量とし、暴露前、暴露後の可塑剤残存量を下式
で比較して可塑剤残存率を求めた。 可塑剤残存率(%)=暴露後可塑剤残存量/暴露前の可
塑剤残存量×100 (ハ)引裂強度 日本工業規格JIS L 1096トラぺゾイド法に従
って、測定した。 促進耐侯性試験 日本工業規格JIS K 5400に記載されているサ
ンシャインカーボンアーク式促進試験に従い、1500
時間経過後の可塑剤残存率及び引裂強度を評価した。
【0053】実施例1〜3、及び比較例1で調製した試
料を評価した結果を第1表にまとめて示す。
【0054】
【表1】
【0055】第1表中、防汚性における括弧内の数値は
ΔE値を表す。また、引裂強度における値は、(縦方向
の引裂強度)×(横方向の引裂強度)の形で表す。ま
た、引裂強度における強度低下率とは、[{初期引裂強
度である21×21(kgf)の値}−(屋外暴露、又
は耐候促進試験後における値)]/初期引裂強度×10
0で求められる値を表し、その値を(縦方向強度低下
率)×(横方向強度低下率)の形で表す。第1表から、
本発明のテント地キャンバスは、比較例1と比べて、防
汚性、引裂強度両方の点で優れていることがわかる。
【0056】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は、促進耐候
試験1500時間経過後、又は屋外暴露3年経過後に初
期と比較してテント地キャンバスに含まれる可塑剤が5
0%以上残存するようにして、テント地キャンバスの硬
化による引裂強度の経時劣化を抑制することを特徴とす
るものである。この光触媒層表面に付着した有機物系の
汚れは光触媒作用により速やかに分解され、残った無機
系の汚れも付着剤の役目を果たす油分等の有機物系の汚
れが無いため降雨時等に速やかに洗い流されるという特
徴を有しており、長期にわたって防汚性を維持できると
ともに、可塑剤を必要以上に消失させることがなく引裂
強度の経時変化を促進させることがない効果を有するも
のである。また、高温多湿の場所等での従来の光触媒担
持テント地キャンバスでは、可塑剤等を栄養源として光
触媒耐性のカビが生える等の問題があったが、本発明の
テント地キャンバスを用いることにより、可塑剤の移行
を抑制することができるので、上記問題をも解決するこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E04H 15/54 D06M 11/12 (72)発明者 鈴木 博 埼玉県北葛飾郡松伏町ゆめみ野1丁目16− 14 (72)発明者 四十物 暢高 埼玉県草加市神明2丁目7−17

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】テント地キャンバス表面に光触媒コーティ
    ング層を有する光触媒担持テント地キャンバスであっ
    て、前記テント地キャンバスに含まれる可塑剤が、JI
    S−K5400に規定されるサンシャインカーボンアー
    ク式促進耐候性試験において1500時間経過した後に
    初期と比較して50%以上残存していることを特徴とす
    る光触媒担持テント地キャンバス。
  2. 【請求項2】テント地キャンバス表面に光触媒コーティ
    ング層を有する光触媒担持テント地キャンバスであっ
    て、前記テント地に含まれる可塑剤が、屋外暴露3年経
    過後に初期と比較して50%以上残存していることを特
    徴とする光触媒担持テント地キャンバス。
  3. 【請求項3】前記可塑剤の分子量は400以上である請
    求項1又は2のいずれかに記載の光触媒層担持テント地
    キャンバス。
  4. 【請求項4】テント地キャンバス表面に光触媒コーティ
    ング層を有する光触媒担持テント地キャンバスであっ
    て、前記テント地キャンバスと光触媒コーティング層の
    中間に可塑剤移行抑制層を有する請求項1〜3のいずれ
    かに記載の光触媒層坦持テント地キャンバス。
  5. 【請求項5】前記可塑剤移行抑制層の厚さは0.5〜5
    μmである請求項4に記載の光触媒担持テント地キャン
    バス。
  6. 【請求項6】前記光触媒コーティング層は、光触媒層と
    その下に設けられた接着層からなる構造を有し、該接着
    層は、酸化物換算でシリコン含有量2〜60重量%のシ
    リコン変性樹脂、ポリシロキサンを酸化物換算で3〜6
    0重量%含有する樹脂、又は、コロイダルシリカを酸化
    物換算で5〜40重量%含有する樹脂からなり、前記光
    触媒層は、金属酸化物ゲル及び/又は金属水酸化物ゲル
    を酸化物換算で25〜95重量%含有する光触媒粒子複
    合体からなる請求項1〜5のいずれかに記載の光触媒担
    持テント地キャンバス。
  7. 【請求項7】テント地キャンバス上に、可塑剤移行抑制
    層、接着層及び光触媒層を順次積層する光触媒担持テン
    ト地キャンバスの製造方法であって、前記テント地キャ
    ンバス上に可塑剤移行抑制層と接着層を連続的に積層す
    ることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光
    触媒担持テント地キャンバスの製造方法。
  8. 【請求項8】前記可塑剤移行抑制層の形成に用いられる
    塗布液の溶剤の沸点が接着層乾燥工程温度以下であるこ
    とを特徴とする請求項7に記載の光触媒担持テント地キ
    ャンバスの製造方法。
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