JP2003251728A - 採光性遮熱膜材 - Google Patents

採光性遮熱膜材

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JP2003251728A
JP2003251728A JP2002054222A JP2002054222A JP2003251728A JP 2003251728 A JP2003251728 A JP 2003251728A JP 2002054222 A JP2002054222 A JP 2002054222A JP 2002054222 A JP2002054222 A JP 2002054222A JP 2003251728 A JP2003251728 A JP 2003251728A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 遮熱効果を低下させる煤塵汚れを長期間にわ
たり防止し、採光性、遮熱性・汚れ除去性に優れ、屋外
用膜材として有用な採光性遮熱膜材の提供。 【解決手段】 シート状基材の表裏面の少なくとも1面
上に形成された、熱可塑性樹脂を含む可撓性樹脂層、少
なくとも表面側の可撓性樹脂層上に形成され耐分解性樹
脂を含む保護層、保護層上に形成された光触媒性最外層
を含み、可撓性樹脂層、及び保護層の少なくとも1層上
に、金属酸化物微細粒子及び近赤外線吸収色素の少なく
とも1種からなる熱制御性物質を含み、全体として3%
以上の透光率を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、屋外用途におい
て、実用上十分な採光性を有し、かつ太陽光線を効率良
く減衰させる効果を持続する遮熱機能を有する膜材に関
するものである。更に詳しく述べるならば、本発明は、
人間や動物に快適な空間を提供する日除けテント、シー
トハウスなど、及び、物流中の商品や食品などの過度の
温度上昇を防ぐことができる、トラック幌、荷台カバー
などに好適に用いられ、実用上十分な採光性及び防水性
を有する膜材に関するものである。特に本発明は、遮熱
機能の減衰を招く原因となる煤塵付着汚れを防ぐ機能を
有し、遮熱機能を効率的に持続させることができる採光
性の遮熱膜材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】日除テント、中大型テント、テント倉庫
などの建築構造物に使用される膜材、及びトラック幌や
荷台カバーなどに使用される防水帆布などとしては、繊
維織物を基布として用い、その表面に軟質配合のポリ塩
化ビニル樹脂を被覆加工して得られた繊維複合膜材が主
に使用されている。これらの膜材は柔軟かつ強靭で、か
つ耐候性にも優れているため屋外での長期使用に耐える
ことが可能である。ところが、これらの従来の繊維複合
膜材は用途上、高度の遮熱性を有することが理想的であ
るが、現状のポリ塩化ビニル樹脂製の繊維複合膜材では
遮熱性が低いため、特に夏期においては、直射日光を遮
断している割にはテント倉庫やトラック幌の内部に熱気
がこもり易く、その結果、倉庫内に保管している荷物や
資材、輸送中の荷物などが外気温並の温度に上昇するこ
とがある。これはポリ塩化ビニル樹脂製繊維複合膜材の
みに限られたことではなく、例えばポリ塩化ビニル樹脂
を、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレ
タン樹脂、ポリエステル樹脂などの熱可塑性樹脂に置き
換えてみたとしても結果は同様であり、つまり従来の繊
維複合膜材では十分な遮熱効果が得られないものであ
る。
【0003】一般に、密閉された空間、例えば建物や容
器などにおいて、内部から外部への、又は外部から内部
への熱の伝達を効果的に遮断するには、無機質または有
機質遮熱材層が、それ相応の厚さで形成されていること
が必要である。無機質遮熱材としては、例えば、グラス
ウール、泡ガラスのようなガラス質断熱材、石綿、鉱滓
綿、パーライト、バーミキュライトのような鉱物質遮熱
材、多孔質シリカ、多孔質アルミナ、アルミナ、マグネ
シア、ジルコニア、耐火煉瓦などのセラミックス系遮熱
材、黒鉛、炭素繊維などの炭素系遮熱材などである。ま
た、有機質遮熱材としては、発泡ポリエチレン、発泡ポ
リスチレン、発泡ポリウレタンなどの気泡痕含有樹脂、
木質ボード、コルク、植物繊維などの天然物質系遮熱材
などである。その他、空気、窒素、ヘリウムなどの気体
の低熱伝導性を利用し、これらをアルミニウム、紙、プ
ラスチックなどに封入した空気セル含有断熱材も効果的
である。これらの遮熱材は、それ自体熱伝導性の低い材
料を用いて熱の伝達を抑制したり、気体のような熱伝導
性の低い物質を細孔や空隙に封入して熱の移動を減衰す
るものである。一般に、多孔質遮熱材などを用いると
き、遮熱材自体の厚さを増加させて、遮熱効果を高める
ことも可能であるが、遮熱だけのための体積増大は実用
面で大きな不利を伴う。
【0004】これに対して上記テント構造物やトラック
幌などに用いられる繊維複合膜材は遮熱層を有する設計
がなされていないため、その遮熱性が極めて乏しいので
ある。そこで、これらに遮熱性を付与するために、
1).繊維複合膜材の層構造中に発泡層を挿入した膜
材、2).繊維複合膜材の樹脂被覆層中に無機化合物粉
末を練り込んだ膜材、及び、3).これらの組み合わせ
膜材などが提案されている。
【0005】しかし、発泡層を含む膜材では遮熱効果を
高めるために発泡セル数を増やしたり、空隙サイズを大
きくするなどして膜材自体の密度を小さくすることによ
って遮熱効果を得ることはできるが、これでは発泡層の
厚さを増して取り扱い性が困難と化すだけでなく、膜材
の機械的強度も不十分となる不都合を伴うものである。
また、セラミック粉末を練り込んだだけの膜材では十分
な遮熱効果を得ることができないものであった。
【0006】また一方で、特に直射日光による温度上昇
を防ぐ手段として、4).膜材の表面に光反射性の金属
箔層を設ける方法、及び、5).樹脂被覆層中に金属粉
末を練り込んだ膜材、6).さらに金属箔層と無機化合
物粉末含有層との併用による多層構造膜材、7).また
金属箔層と無機化合物粉末含有層との併用と、さらに発
泡層との併用による多層構造膜材などが提案されてい
る。
【0007】4〜7)の態様の膜材では確かに直射日光
を効率良く反射して、膜材自体の蓄熱と膜材内部への熱
伝導を抑制することができるものである。しかし、金属
箔層を用いた膜材では膜材の伸びに対する追従性と屈曲
耐久性とに劣り、また、4〜7)の態様の膜材では、使
用の経過に伴って膜材の表面が大気中を浮遊する排気ガ
スや煤塵などの付着によって汚れることによって、直射
日光の反射率が低下してしまい、その結果、満足な遮熱
性を得ることができなくなる欠点を有している。また、
これらの膜材では遮光性が強く、テント構造物に用いた
時にテント構造物内部が暗くなるため、照明器具を必要
以上に多く設置しなければならない。また、トラック幌
として用いた場合には、同様に荷台内部が暗くなり過ぎ
て積載物の積み卸し作業が困難となる。
【0008】これらの採光性を改良した遮熱膜材として
は、8).金属蒸着フィルムを積層した膜材、9).樹
脂被覆層中に近赤外線吸収化合物を添加した膜材、1
0).樹脂被覆層中に有機系顔料、色素などを添加した
膜材などが提案されているが、これらの膜材でも使用の
経過に伴い、膜材の表面に汚れが蓄積することによっ
て、遮熱効果が半減するものであり、特に9),10)
の膜材などでは耐光性が悪く、屋外で使用するには不適
切なものであった。
【0009】従って、特に日除テント、中大型テント、
テント倉庫などの建築構造物用途において、適度な採光
性と遮熱機能とを有し、かつ、煤塵などの環境汚れの影
響を受けずに遮熱効果を安定して持続することが可能で
ある繊維複合膜材の開発が希求されていたのである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、屋外使用時
において遮熱効果の妨げとなる煤塵付着汚れ(環境汚
れ)を長期間効果的に防止することが可能であって、し
かも採光性と遮熱機能とを安定的に有して、特に日除テ
ント、中大型テント、テント倉庫などの建築構造物用途
に適した採光性遮熱膜材を提供しようとするものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の現状
に鑑みて研究、検討を重ねた結果、特定の物質と光触媒
物質とを併用すること、さらに特定の金属薄膜層の併
用、さらに特定の透明蒸着層の併用などによって得られ
る繊維複合膜材が、上記従来技術では困難であった、採
光性と遮熱機能との両者を安定的に保持するという課題
を解決できることを見い出して、本発明を完成するに至
ったのである。
【0012】本発明の採光性遮熱膜材は、シート状基材
と、このシート状基材の表裏両面の少なくとも1面上に
形成され、かつ熱可塑性樹脂を含む可撓性樹脂層と、前
記シート状基材の少なくとも表面側の可撓性樹脂層の上
に形成され、かつ光触媒物質を含む光触媒性最外層と、
前記可撓性樹脂層と、前記光触媒性最外層との間に形成
され、かつ前記可撓性樹脂層を、前記光触媒性最外層の
光触媒作用から保護するための難分解性樹脂を含む保護
層とを含み、前記可撓性樹脂層及び前記保護層の少なく
とも1層中に、金属酸化物微細粒子及び近赤外線吸収性
色素から選ばれた少なくとも1種からなる熱制御性物質
が含有され、それによって、熱制御性物質含有可撓性樹
脂層及び熱制御性物質含有保護層の少なくとも1層が構
成されており、全体として3%以上の透光率(JISL
1055、A法による遮光率の補数)を有することを
特徴とするものである。本発明の採光性遮熱膜材におい
て、前記熱制御性物質含有可撓性樹脂層が、前記熱可塑
性樹脂の質量に対し、0.05〜3.0質量%の前記熱
制御性物質微細粒子を含むことが好ましい。本発明の採
光性遮熱膜材において、前記熱制御性物質含有保護層
が、前記難分解性樹脂の質量に対し、0.5〜10.0
質量%の前記熱制御性物質微細粒子を含むことが好まし
い。本発明の採光性遮熱膜材において、前記熱制御性物
質含有可撓性樹脂層及び前記熱制御性物質含有保護層の
少なくとも1層中に含まれる熱制御性物質の含有量が、
0.001〜50g/m2 であることが好ましい。本発
明の採光性遮熱膜材において、前記可撓性樹脂層と、前
記保護層との間に、少なくとも1種の金属酸化物からな
る金属酸化物透明層が更に形成されており、前記可撓性
樹脂層及び前記保護層の少なくとも1層中に前記熱制御
性物質が含まれていることが好ましい。本発明の採光性
遮熱膜材において、前記可撓性樹脂層と前記保護層との
間に、金属薄膜からなる光制御層が更に形成されてお
り、前記可撓性樹脂層及び前記保護層の少なくとも1層
中に前記熱制御性物質が含まれていることが好ましい。
本発明の採光性遮熱膜材において、前記可撓性樹脂層の
表面上に、金属薄膜からなる光制御層が形成され、この
光制御層の表面上に、少なくとも1種の金属酸化物から
なる金属酸化物透明層が形成され、この金属酸化物透明
層の表面上に前記保護層が形成されており、前記可撓性
樹脂層及び前記保護層の少なくとも1層中に前記熱制御
性物質が含まれていることが好ましい。本発明の採光性
遮熱膜材において、前記熱制御性物質用金属酸化物及び
前記金属酸化物透明層用金属酸化物が、それぞれ互いに
独立に、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコ
ニウム、酸化インジウム、スズドープ酸化インジウム、
インジウムドープ酸化スズ、及びアンチモンドープ酸化
スズから選ばれた少なくとも1種を含むことが好まし
い。本発明の採光性遮熱膜材において、前記熱制御性物
質用近赤外線吸収色素が、フタロシアニン系化合物、ナ
フトールキノン系化合物、イモニウム系化合物、アント
ラキノン系化合物、アミニウム系化合物、及びニッケル
−チオール系錯体化合物から選ばれた少なくとも1種を
含むことが好ましい。本発明の採光性遮熱膜材におい
て、前記シート状基材が、プラスチックフィルム及びシ
ート、繊維布帛並びに熱可塑性樹脂により表面被覆され
た繊維布帛から選ばれた少なくとも1員により構成され
ていることが好ましい。本発明の採光性遮熱膜材におい
て、前記シート状基材用繊維布帛が、目合い空隙率10
〜85%の目開き編織物から選ばれることが好ましい。
本発明の採光性遮熱膜材において、前記難分解性樹脂
が、シリコン系樹脂、フッ素系樹脂、メラミン系樹脂、
エポキシ系樹脂、及びフォスファーゼン系樹脂から選ば
れた少なくとも1種を含むことが好ましい。本発明の採
光性遮熱膜材において、前記難分解性樹脂中に少なくと
も1種のケイ素化合物が混合されており、このケイ素化
合物が、ポリシロキサン、コロイダルシリカ、シリカか
ら選ばれることが好ましい。本発明の採光性遮熱膜材に
おいて、前記光制御層が、アルミニウム、ニッケル、ク
ロム、ステンレス、銅、及びスズの金属、並びにこれら
の酸化物、窒化物、及び炭化物から選ばれた1種以上の
蒸着により形成された薄膜からなることが好ましい。本
発明の採光性遮熱膜材において、前記金属酸化物透明層
が、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウ
ム、酸化インジウム、スズドープ酸化インジウム、イン
ジウムドープ酸化スズ、及びアンチモンドープ酸化スズ
から選ばれた1種以上の金属酸化物をスパッタリングま
たは蒸着して形成された薄膜からなることが好ましい。
本発明の採光性遮熱膜材において、前記可撓性樹脂層
と、その上に形成された保護層、金属酸化物透明層、又
は光制御層との間に形成された添加物揮散防止層をさら
に含み、前記可撓性樹脂層、及び前記保護層の少なくと
も1層が前記熱制御性物質を含むことが好ましい。本発
明の採光性遮熱膜材において、前記光触媒性最外層が、
光触媒物質10〜70質量%と、金属酸化物ゲル及び金
属水酸化物ゲルから選ばれた1種以上25〜90質量%
と、ケイ素化合物1〜20質量%とを含有することが好
ましい。本発明の採光性遮熱膜材において、前記光触媒
物質が、酸化チタン(TiO2)、過酸化チタン(ペル
オキソチタン酸)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(S
nO2 )、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3 )、
酸化タングステン(WO 3 )、酸化ビスマス(Bi2
3 )、及び酸化鉄(Fe23 )から選ばれた少なくと
も1種を含有することが好ましい。本発明の採光性遮熱
膜材において、前記光触媒物質が、酸化チタン(TiO
2)、過酸化チタン(ペルオキソチタン酸)、酸化亜鉛
(ZnO)、酸化スズ(SnO2 )、チタン酸ストロン
チウム(SrTiO3 )、酸化タングステン(WO
3 )、酸化ビスマス(Bi23 )、及び酸化鉄(Fe
23 )から選ばれた少なくとも1種以上と、それを担
持する無機系多孔質微粒子とからなるものであることが
好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の採光性遮熱膜材は(1)
シート状基材と、(2)この基材の表裏両面の少なくと
も表面上に形成され、かつ熱可塑性樹脂を含む可撓性樹
脂層と、(3)少なくとも表面側の熱可撓性樹脂層の上
に形成され光触媒物質を含む光触媒性最外層と、(4)
前記熱可撓性樹脂層と、前記光触媒層との間に形成さ
れ、前記樹脂層を、前記光触媒層の光触媒作用から保護
するための難分解性樹脂を含む保護層とを含むものであ
って、前記可撓性樹脂層(2)及び前記保護層(4)の
少なくとも1層中に、金属酸化物微細粒子及び近赤外線
吸収性色素から選ばれた少なくとも1種からなる熱制御
性物質が含有され、それによって、熱制御性物質含有熱
可撓性樹脂層(2a)及び熱制御性物質含有保護層(4
a)の少なくとも1層が構成されていることを特徴とす
るものである。
【0014】本発明の採光性遮熱膜材には、必要によ
り、その構成要素として、前記シート状基材(1)の表
裏面のうちの少なくとも表面上に形成された前記熱制御
性物質含有可撓性樹脂層(2a)と前記保護層(4)と
の間に、及び/又は、前記可撓性樹脂層(2)と前記熱
制御性物質含有保護層(4a)との間に、少なくとも1
種の金属酸化物からなる金属酸化物透明層(5)及び/
又は、金属薄膜からなる光制御層(6)が形成される。
【0015】さらに、本発明の採光性遮熱膜材には、必
要により、前記シート状基材(1)の表裏面のうちの少
なくとも表面上に形成された前記熱制御性物質含有可撓
性樹脂層(2a)と、その上に形成された保護層(4)
(熱制御性物質含有保護層(4a)であってもよい)、
金属酸化物透明層(5)、又は光制御層(6)との間
に、添加物揮散防止層(7)が形成されていてもよい。
添加物揮散防止層は可撓性樹脂層(2)(熱制御性物質
含有可撓性樹脂層(2a)であってもよい)に含まれる
添加剤(例えば、可塑剤)の揮発逃散及び光触媒性最外
層(3)への移行を防止するものである。
【0016】本発明の採光性遮熱膜材において、下記の
「可撓性樹脂層」とは、特に断らない限り熱制御性物質
を含まない熱可塑性樹脂材料よりなるものを意味し、下
記の「保護層」とは、特に断らない限り、熱制御性物質
を含まない難分解性樹脂材料よりなるものを意味する。
【0017】本発明の採光性遮熱膜材の種々の態様の積
層構造を図1〜図12に例示する。図1に示されている
本発明の採光性遮熱膜材1は、シート状基材1aの表面
及び裏面上に形成された熱制御性物質含有可撓性樹脂層
2a−1及び2a−2と、前記表面側熱制御性物質含有
可撓性樹脂層2a−1の上に形成された保護層4と、こ
の保護層4上に形成された光触媒性最外層3とから構成
されている。
【0018】図2に示されている本発明の採光性遮熱膜
材1は、シート状基材1aの表裏両面上に形成された可
撓性樹脂層2−1及び2−2と、表面側可撓性樹脂層2
−1上に形成された熱制御性物質含有保護層4aと、そ
の上に形成された光触媒層3とから構成されている。図
3に示されている本発明の採光性遮熱膜材1は、シート
状基材1aの表面及び裏面上に形成された熱制御性物質
含有可撓性樹脂層2a−1及び2a−2と、前記表面側
熱制御性物質含有可撓性樹脂層2a−1上に形成された
熱制御性物質含有保護層4aと、その上に形成された光
触媒層3とから構成されている。
【0019】図4に示された本発明の採光性遮熱膜材1
は、図1に示されているものと同一の構成を有し、但
し、保護層4と表面側熱制御性物質含有可撓性樹脂層2
a−1との間に金属酸化物透明層5がさらに形成されて
いる。図5に示された本発明の採光性遮熱膜材1は、図
2に示されているものと同一の構成を有し、但し熱制御
性物質含有保護層4aと表面側可撓性樹脂層2−1との
間に金属酸化物透明層5がさらに形成されている。図6
に示された本発明の採光性遮熱膜材1は、図3に示され
ているものと同一の構成を有し、但し、熱制御性物質含
有保護層4aと表面側熱制御性物質含有可撓性樹脂層2
a−1との間に金属酸化物透明層5がさらに形成されて
いる。
【0020】図7に示された本発明の1態様に係る採光
性遮熱膜材1は、図1に示されているものと同一の構成
を有し、但し、保護層4と表面側熱制御性物質含有可撓
性樹脂層2a−1との間に光制御層6がさらに形成され
ている。図8に示された本発明の採光性遮熱膜材1は、
図2に示されているものと同一の構成を有し、但し熱制
御性物質含有保護層4aと表面側可撓性樹脂層2−1と
の間に光制御層6がさらに形成されている。図9に示さ
れた本発明の採光性遮熱膜材1は、図3に示されている
ものと同一の構成を有し、但し、熱制御性物質含有保護
層4aと表面側熱制御性物質含有可撓性樹脂層2a−1
との間に光制御層6がさらに形成されている。
【0021】図10に示された本発明の採光性遮熱膜材
1は、図1に示されているものと同一の構成を有し、但
し、保護層4と表面側熱制御性物質含有可撓性樹脂層2
a−1との間に、表面側熱制御性物質含有可撓性樹脂層
2a−1上に直接形成されている光制御層6と、その上
に形成されている金属酸化物透明層5とをさらに有して
いる。図11に示された本発明の採光性遮熱膜材1は、
図2に示されているものと同一の構成を有し、但し熱制
御性物質含有保護層4aと表面側可撓性樹脂層2−1と
の間に表面側可撓性樹脂層2−1上に直接形成された光
制御層6と、その上に形成された金属酸化物透明層5と
をさらに有している。図12に示された本発明の採光性
遮熱膜材1は、図3に示されているものと同一の構成を
有し、但し、熱制御性物質含有保護層4aと表面側熱制
御性物質含有可撓性樹脂層2a−1との間に、表面側熱
制御性物質含有可撓性樹脂層2a−1上に直接形成され
ている光制御層6と、その上に形成されている金属酸化
物透明層5とをさらに有している。
【0022】本発明の膜材に使用するシート状基材は、
プラスチックフィルム及びシート、繊維布帛、及び熱可
塑性樹脂によって表面被覆された繊維布帛から選ばれた
少なくとも1員から構成されることが好ましい。プラス
チックフィルム及びシートとしては、アクリル樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂(PET,PB
T)、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミ
ド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などか
ら、T−ダイ押出法、カレンダー圧延法、及びキャステ
ィング法などの公知のフィルム製造方法によって得ら
れ、厚みが0.1〜1.0mm程度の透明、または半透明
のものが適している。これらプラスチックフィルム及び
シートには、後述の熱制御性物質を含んでいてもよく、
さらに後述の光制御層が設けられたものであってもよ
い。本発明に用いるシート状基材としては、特に繊維布
帛であることが、得られる膜材の屈曲耐久性と引裂強度
が高いという観点においてこのましい。このような繊維
布帛としては、織布、編布、不織布などの何れの態様の
ものであってもよいが、織布及び編布が好ましい。織布
としては、平織物(経糸・緯糸とも最少2本ずつ用いた
最小構成単位を有する)、綾織物(経糸・緯糸とも最少
3本ずつ用いた最小構成単位を有する:3枚斜文、4枚
斜文、5枚斜文など)、朱子織物(経糸・緯糸とも最少
5本ずつ用いた最小構成単位を有する:2飛び、3飛
び、4飛びなどの正則朱子)などが使用でき、特に目抜
け平織物が好ましい。編布としてはラッセル編が特に好
ましい。
【0023】また、繊維織物の縦糸と緯糸を構成する糸
条には、合成繊維、天然繊維、半合成繊維、無機繊維ま
たはこれらの2種以上から成る混合繊維が適している
が、特に本発明に使用する繊維織物には、ポリプロピレ
ン繊維、ポリエチレン繊維、ポリビニルアルコール繊
維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ポリアミド繊
維、アクリル繊維、ポリウレタン繊維、または、これら
の混合繊維などが好ましく使用でき、これらの繊維糸条
としては、モノフィラメント糸条、マルチフィラメント
糸条、短繊維紡績(スパン)糸条、スプリットヤーン、
テープヤーンなどの態様の糸条が好ましい。また、無機
繊維では、ガラス繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、炭
素繊維などのマルチフィラメント糸条なども使用するこ
とができる。
【0024】本発明においては、これらの繊維糸条のう
ち、汎用性が高く、引張強力、引裂強力、耐熱クリープ
特性などの物性バランスに優れているポリエステル繊
維、ナイロン繊維、ポリアミド繊維、ガラス繊維、及び
これらの混合繊維や、混用繊維などから製織されたマル
チフィラメント糸平織物または、スパン糸平織物を用い
ることが好ましい。これらの繊維織物は、シャットル織
機、シャットルレス織機(レピア方式、グリッパ方式、
ウオータージェット方式、エアジェット方式)などの従
来公知の織機を用いて製織することができる。また、上
記の繊維織物には公知の繊維処理加工、例えば、精練処
理、漂白処理、染色処理、柔軟化処理、撥水処理、防水
処理、防カビ処理、防炎処理、毛焼き処理、カレンダー
処理、及びバインダー樹脂処理などを施したものを使用
するもできる。
【0025】本発明においてシート状基材に用いられる
繊維織物としては、マルチフィラメント糸条からなる目
抜け平織り織物が好ましく、マルチフィラメント糸条に
は、111〜2222dtexの範囲のもの、特に138〜
1111dtexの繊度の糸条が好ましい。糸条の繊度が1
11dtexよりも小さいと、得られる膜材の引裂強度に劣
り、また2222dtexよりも大きいと、得られる膜材の
破断強力と引裂強力には優れるが、織交点の凹凸度を増
して煤塵汚れが蓄積し易くなるため、遮熱効果が不十分
になることがある。
【0026】目抜け平織り織布の経糸と緯糸の打込み密
度は、111〜2222dtexの糸条を経糸、及び緯糸と
して1インチ間2〜30本、特に4〜20本打込んで織
られた織布が好ましく使用できる。この糸条は無撚であ
っても、撚りが掛けられたものであっても良い。この目
抜け平織り織布の目付量は、20〜300g/m2 のも
のが適している。また、目抜け平織り織布の空隙率(目
抜け度合い)は、10〜85%、特に30〜70%のも
のが適している。空隙率が85%を越えると、膜材に含
まれる糸条の含有量が少なくなりすぎて得られる膜材の
寸法安定性と引裂き強度に劣るため、テント膜材などに
使用するに不適切となる。目抜け度合いを表す空隙率
は、目抜け平織り織布の単位面積中に占める糸条の面積
を百分率として求め、100から差し引いた値として求
めることができる。空隙率は経方向10cm×緯方向10
cmを単位面積として求めることが簡便である。
【0027】本発明に使用するマルチフィラメント糸条
には、汎用性から特にポリエステル繊維であることが好
ましく、ポリエステル繊維としては、具体的に、テレフ
タル酸とエチレングリコールとの重縮合によって得られ
るポリエチレンテレフタレート(PET)、テレフタル
酸とブチレングリコールとの重縮合によって得られるポ
リブチレンテレフタレート(PBT)などが挙げられ、
中でもポリエチレンテレフタレート樹脂から紡糸される
ポリエステル繊維が、強力及び、溶融紡糸性の観点で好
ましい。これらの目抜け平織り織布には、後述の熱可塑
性樹脂組成物から得られたフィルムを、織布の片面また
は両面に、接着剤を用いて、あるいは熱圧着だけによっ
て積層したものを基材とすることが好ましい。
【0028】本発明の採光性遮熱膜材において、可撓性
樹脂層及び保護層の少なくとも1層中に熱制御性物質が
含有され、このとき、熱制御性物質含有可撓性樹脂層及
び熱制御性物質含有保護層の少なくとも1層が構成され
る。熱制御性物質は、金属酸化物微細粒子及び近赤外線
吸収性色素から選ばれた少なくとも1種からなるもので
ある。
【0029】熱制御性物質として用いられる金属酸化物
微細粒子は、好ましくは、酸化チタン(TiO2 )、酸
化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2 )、酸化ジルコ
ニウム(ZrO2 )、酸化インジウム(In2 O,In
23 )、スズドープ酸化インジウム(TlO)、イン
ジウムドープ酸化スズ(ITO)、及びアンチモンドー
プ酸化スズ(ATO)から選ばれる。金属酸化物微細粒
子の平均粒子径は0.3μm以下であることが好まし
く、0.1μm以下であることがより好ましい。
【0030】また熱制御性物質として用いられる近赤外
線吸収色素は、好ましくは、フタロシアニン系化合物、
ナフトールキノン系化合物、イモニウム系化合物、アン
トラキノン系化合物、アミニウム系化合物、及びニッケ
ル−チオール系錯体化合物から選ばれ、これらは特開昭
51−135886号公報、特開昭56−143242
号公報、特開昭58−13676号公報、特開昭60−
23451号公報、特開昭61−115958号公報、
特開昭63−295578号公報、特開平4−1744
02号公報、特開平5−93160号公報、特開平5−
222302号公報、特開平6−264050号公報な
どに記されている色素から選ぶことができる。
【0031】本発明の採光性遮熱膜材において、シート
状基材の表裏両面上に形成される可撓性樹脂層又は熱制
御性物質含有可撓性樹脂層には、熱可塑性樹脂が含まれ
る。この熱可塑性樹脂としては、汎用的には、軟質ポリ
塩化ビニル系樹脂が最も好ましく、耐久性的にはフッ素
系共重合体樹脂が最も好ましい。また、特に環境問題に
配慮して、焼却廃棄時にハロゲン化水素ガスを排出しな
い、ハロゲン非含有設計の膜材が所望される場合におい
ては、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエス
テル系樹脂、エチレン系共重合体樹脂:[エチレン−α
−オレフィン共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重
合体樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸(エステル)
共重合体樹脂]、ポリプロピレン系樹脂、及びスチレン
系共重合体樹脂、その他、アイオノマー樹脂、エチレン
−ビニルアルコール共重合体樹脂、ナイロン系樹脂、ポ
リカーボネート樹脂などの熱可塑性樹脂から選ばれた1
種以上の、単層構造体、または多層構造体などが好適に
使用できる。
【0032】本発明において、可撓性樹脂層又は熱制御
性物質含有可撓性樹脂層の厚さに特に制限はないが、1
00〜1000μmであることが好ましく150〜50
0μmであることがより好ましい。これら可撓性樹脂層
の厚さが100μm未満であると得られる膜材の遮熱効
果が不十分となることがある。熱可塑性樹脂層及び熱制
御性物質含有熱可塑性樹脂層は、カレンダー成型、T−
ダイ押出成型など、公知の成型法によってフィルム成型
することができる。
【0033】本発明の採光性遮熱膜材において、熱制御
性物質含有可撓性樹脂層に含まれる熱制御性物質の含有
量は、熱可塑性樹脂の質量に対して0.05〜3.0質
量%であることが好ましく、0.1〜2.0質量%であ
ることがさらに好ましい。熱制御性物質の含有量が、熱
可塑性樹脂の質量に対し、0.05質量%未満である
と、得られる膜材の遮熱性が不十分になることがあり、
また、それが3.0質量%を超えると、得られる膜材の
採光性が不十分になることがある。熱制御性物質の添加
量は、得られる熱制御性物質含有可撓性樹脂層の所望の
厚さ、及び得られる膜材の所望の採光性及び遮熱性を考
慮して適宜に設定することが好ましい。また熱制御性物
質含有可撓性樹脂層に含まれる熱制御性物質の含有量は
0.001〜50g/m2 であることが好ましく、より
好ましくは0.5〜25g/m 2 である。
【0034】前記熱可塑性樹脂用ポリ塩化ビニル系樹脂
は、塩化ビニル系共重合体樹脂を包含し、具体的に、ポ
リ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−エチレン共重合体樹
脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル
−ビニルエーテル共重合体樹脂、塩化ビニル−塩化ビニ
リデン共重合体樹脂、塩化ビニル−マレイン酸エステル
共重合体樹脂、塩化ビニル−(メタ)アクリル酸共重合
体樹脂、塩化ビニル−(メタ)アクリル酸エステル共重
合体樹脂、塩化ビニル−ウレタン共重合体樹脂などであ
り、これらの樹脂は2種以上併用することもできる。
【0035】上記ポリ塩化ビニル樹脂は、数平均分子
量、P=700〜3800、好ましくは1000〜20
00のストレート塩化ビニル樹脂であり、また、上記塩
化ビニル系共重合体樹脂中に含まれる共重合成分の含有
量は2〜30質量%である。本発明において、目抜け平
織り織布を被覆する可撓性樹脂層又は熱制御性物質含有
可撓性樹脂層にポリ塩化ビニル樹脂を用いる場合、従来
の軟質配合物を用いることが好ましく、特に軟質配合に
使用する可塑剤としてはフタル酸エステル系可塑剤に代
表される公知の汎用可塑剤のほか、可塑剤揮散防止効果
の観点から平均分子量が900〜6000、特に100
0〜3200のポリエステル系可塑剤を使用すること、
さらに可塑剤揮散防止効果の観点から平均分子量が10
000以上、特に20000以上のエチレン−酢酸ビニ
ル−一酸化炭素3元共重合体樹脂、エチレン−(メタ)
アクリル酸エステル−一酸化炭素3元共重合体樹脂など
の高分子可塑剤を含んで使用することが好ましい。
【0036】ポリエステル系可塑剤は、アジピン酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸、フタル酸などのジカルボン酸
と、エチレングリコール、1,2−ブタンジオール、
1,6−ヘキサンジオールなどから任意に合成されたも
のが使用できる。具体的に熱可撓性樹脂層又は熱制御性
物質含有可撓性樹脂層は、i).ストレート塩ビ100
質量部に対し、可塑剤の総和量として50〜100質量
部用い、さらに可塑剤の30〜100質量%にポリエス
テル系可塑剤を用いて含むコンパウンドを、カレンダー
成型、T−ダイ押出成型など、公知の成型法によってフ
ィルム成型されてもよく、また、ii).ストレート塩ビ
100質量部に対し、可塑剤の総和量として60〜14
0質量部用い、可塑剤の30〜100質量%に高分子可
塑剤を含むコンパウンドを、カレンダー成型、T−ダイ
押出成型など、従来の成型法によってフィルム成型され
てもよい。
【0037】これらの軟質ポリ塩化ビニル樹脂組成物に
おいて、安定剤は従来のものから適宜選定して使用すれ
ばよく、必要に応じて、着色剤、滑剤、難燃剤、発泡
剤、帯電防止剤、界面活性剤、撥水剤、撥油剤、架橋
剤、硬化剤、フィラー、紫外線吸収剤、酸化防止剤、H
ALS系耐候安定剤など公知の添加剤を使用できる。熱
制御性物質含有可撓性樹脂層、及び可撓性樹脂層が、軟
質配合によるポリ塩化ビニル樹脂を含む場合には、可塑
剤、添加物などの揮発、揮散による膜材の環境汚れを防
止する目的で、可撓性樹脂層又は熱制御性物質含有可撓
性樹脂層の表面に、添加物揮散防止層を配置することが
好ましい。添加物揮散防止層の形成には、アクリル系樹
脂(特に紫外線硬化型が好ましい)、ポリウレタン系樹
脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂などが適
し、これらは塗布して形成してもよく、あるいはフィル
ムを積層して形成してもよい。
【0038】上記熱可塑性樹脂用フッ素系共重合体樹脂
としては、フルオロオレフィン共重合体樹脂が好まし
く、フルオロオレフィン単位としては、例えば、フッ化
ビニル(VF)、ビニリデンフルオライド(VdF)、
トリフルオロエチレン(TrEE)、テトラフルオロエ
チレン(TFE)、クロロトリフルオロエチレン(CT
FE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)などフッ
素原子を構成単位中に1個以上含有するエチレン、プロ
ピレン、及びα−オレフィンなどのオレフィン骨格のモ
ノマーであれば特に限定はない。フルオロオレフィン共
重合体樹脂は上記フルオロオレフィン単位から選ばれた
2種以上を共重合して得られるものであり、これらは具
体的に、VdF−TFE共重合体樹脂、VdF−CTF
E共重合体樹脂、VdF−HFP共重合体樹脂、TFE
−CTFE共重合体樹脂、TFE−HFP共重合体樹
脂、CTFE−HFP共重合体樹脂、VdF−TFE−
CTFE共重合体樹脂、VdF−TFE−HFP共重合
体樹脂、TFE−CTFE−HFP共重合体樹脂、Vd
F−CTFE−HFP共重合体樹脂、VdF−TFE−
CTFE−HFP共重合体樹脂などである。また、これ
らは2種以上を併用することもできる。
【0039】上記熱可塑性樹脂用アクリル系樹脂として
は、i).アルキル基の炭素数が1〜18のアクリル酸
アルキルエステル類のラジラル重合体樹脂で、例えば、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−
ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどをモノマーとし
て得られる重合体、ii).アルキル基の炭素数が1〜1
8のメタアクリル酸アルキルエステル類のラジカル重合
体樹脂で、例えば、メタアクリル酸メチル、メタアクリ
ル酸エチル、メタアクリル酸n−プロピル、メタアクリ
ル酸i−プロピル、メタアクリル酸n−ブチル、メタア
クリル酸i−ブチル、メタアクリル酸t−ブチル、メタ
アクリル酸2−エチルヘキシルなどをモノマーとして得
られる重合体、及び iii).上記2種以上のモノマーか
らなる共重合体樹脂を用いることができる。
【0040】これらのアクリル系樹脂は、アクリル系モ
ノマーと反応性を有する共重合用モノマーをアクリル系
モノマーと置換して含むものであってもよい。これらの
共重合用モノマーは、例えば、a).マレイン酸、無水
イタコン酸などのエチレン性不飽和カルボン酸類、
b).アクリルアミド、メタアクリルアミド、N−メチ
ルアクリルアミドなどのアミド化合物類、c).アクリ
ル酸ヒドロキシエチル、メタアクリル酸ヒドロキシエチ
ルなどの水酸基含有(メタ)アクリル酸類、d).アク
リル酸グリシジル、メタアクリル酸グリシジルなどのエ
ポキシ基含有(メタ)アクリル酸類、e).エチレン、
プロピレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘ
キセン−1などのα−オレフィン類、f).エチルビニ
ルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテルなどのビニ
ルエーテル類、g).ポリオキシエチレンアリルエーテ
ル、エチルアリルエーテルなどのアルケニル類、h).
酢酸ビニル、乳酸ビニル、酪酸ビニルなどのビニルエス
テル類、i).スチレン、α−メチルスチレンなどの芳
香族ビニル化合物類などを包含する。
【0041】上記熱可塑性樹脂用エチレン系共重合体樹
脂は、エチレン−α−オレフィン共重合体樹脂、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−(メタ)アク
リル酸(エステル)共重合体樹脂などの共重合体樹脂を
包含する、i).エチレン−α−オレフィン共重合体樹
脂は、例えば、チーグラー・ナッタ系触媒、あるいはメ
タロセン系触媒の存在下、気相法、スラリー液相法、ま
たは高圧法によってエチレンと炭素数3〜18のα−オ
レフィンとを共重合して得られるエチレン−α−オレフ
ィン共重合体樹脂が挙げられ、α−オレフィンモノマー
としては、例えばプロピレン、ブテン−1、4−メチル
ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン
−1、ノネン−1、デセン−1などである。ii).ま
た、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂としては、エチ
レンと酢酸ビニルとをラジカル共重合して製造される、
酢酸ビニル成分量を5〜35質量%含有するエチレン系
共重合体樹脂であり、 iii).エチレン−(メタ)アク
リル酸(エステル)共重合体樹脂としては、エチレンと
(メタ)アクリル酸とのラジカル共重合によって製造さ
れる、(メタ)アクリル酸成分量を5〜35質量%含有
するエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体樹脂、及び
エチレンと(メタ)アクリル酸エステルとのラジカル共
重合によって製造された、(メタ)アクリル酸エステル
成分を5〜35質量%含有するエチレン−(メタ)アク
リル酸エステル共重合体樹脂などが挙げられる。(メ
タ)アクリル酸エステルとは、具体的に(メタ)アクリ
ル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アク
リル酸ブチル、(メタ)アクリル酸グリシジルなどであ
る。
【0042】上記熱可塑性樹脂用ポリプロピレン系樹脂
としては、i).プロピレンの単独重合によって得られ
るホモポリマー、ii).及びプロピレンとエチレンとを
共重合して得られるエチレン−プロピレン共重合体樹
脂、 iii).プロピレンとα−オレフィンとを共重合し
て得られるプロピレン−α−オレフィン共重合体樹脂、
iv).及び、予備重合で得られたエチレン−プロピレン
共重合体に連続してプロピレンモノマーを共重合させる
多段階重合によって得られるプロピレン・エチレン−プ
ロピレン系共重合体エラストマー、及び予備重合で得ら
れたエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体に連
続してプロピレンを共重合させる多段階重合によって得
られるプロピレン−エチレン・プロピレン・非共役ジエ
ン系共重合体エラストマーなどを包含する。プロピレン
−α−オレフィン共重合体樹脂の重合に使用するα−オ
レフィンとしては、炭素数4〜10のα−オレフィンモ
ノマー、例えば、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン
−1、オクテン−1、ヘプテン−1、3−メチル−ブテ
ン−1、4−メチル−ペンテン−1、4−メチル−ヘキ
セン−1などが挙げられ、得られるプロピレン系共重合
体は、ランダム共重合体であっても、あるいはブロック
共重合体の何れの共重合体であってもよい。
【0043】v).さらに、ポリプロピレン系樹脂とし
ては、特にメタロセン系触媒の存在下で気相法、スラリ
ー液相法、または高圧法の何れかの方法によって重合さ
れたシンジオタクティック立体規則性を有するポリプロ
ピレン系樹脂、またはアイソタクティック立体規則性を
有するポリプロピレン系樹脂などを用いることが熱可塑
性樹脂層の柔軟性の観点で好ましい。また、プロピレン
−エチレン・プロピレン系共重合体エラストマー及び、
プロピレン−エチレン・プロピレン・非共役ジエン系共
重合体エラストマーは、具体的に、第1段階として、チ
タン化合物触媒及び、アルミニウム化合物触媒、または
メタロセン系触媒の存在下において、プロピレン及び、
必要に応じてプロピレン以外のα−オレフィンを用いて
重合を行い、第1のプロピレン系ポリオレフィンを調製
する。このポリオレフィンはプロピレン単独重合体、プ
ロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−α−オレフ
ィン共重合体などであり、第2段階として、前記触媒を
含有したままで、次のオレフィン(例えば、エチレン、
プロピレン、非共役ジエンなどのモノマー)とを共重合
することによって得るものである。
【0044】上記エチレン系共重合体樹脂、及びポリプ
ロピレン系樹脂には、柔軟性、及び加工性を改良する目
的で、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレ
ン−共役ジエン系ゴムなどのソフト成分と上記ポリオレ
フィン系樹脂との架橋、加硫アロイ体であるオレフィン
系熱可塑性エラストマー(TPO)などをブレンド使用
することもできる。特に、テント膜材の柔軟化の目的
で、上記エチレン系共重合体樹脂、及びポリプロピレン
系樹脂に、スチレン系共重合体樹脂をブレンドすること
が好ましく、スチレン系共重合体樹脂としては、i).
A−B−A型スチレンブロック共重合体樹脂(Aはスチ
レン重合体ブロック、Bはブタジエン重合体ブロック、
イソプレン重合体ブロック、もしくはビニルイソプレン
重合体ブロックである。)、ii).A−B型スチレンブ
ロック共重合体樹脂(AとBは、上記と同義であ
る。)、スチレンランダム共重合体樹脂、 iii).及
び、これらのスチレン系共重合体樹脂の水素添加樹脂
(二重結合を水素置換したもの)などである。これらの
市販品としては、具体的に、シェル.ケミカル社のスチ
レン系ブロック共重合体樹脂(商標:クレイトンG)、
旭化成工業(株)のスチレン系ブロック共重合体樹脂
(商標:タフテック)、(株)クラレのスチレン系ブロ
ック共重合体樹脂(商標:ハイブラー、商標:セプト
ン)、日本合成ゴム(株)のスチレン系ランダム共重合
体樹脂(商標:ダイナロン)などが挙げられる。これら
のスチレン系共重合体樹脂は、ポリオレフィン系樹脂1
00質量部に対して、5〜80質量部をブレンドして使
用することができる。
【0045】上記熱可塑性樹脂用ポリウレタン系樹脂と
しては、ジイソシアネート化合物とヒドロキシル基を分
子構造内に2個以上有するポリオール化合物の中から選
ばれた1種以上とイソシアネート基と反応する官能基を
含有する化合物との付加重合反応と、場合によってはア
ミン系化合物との併用によって得られる熱可塑性ポリウ
レタン樹脂であり、用いるポリオール化合物の種類によ
って、ポリエステル系ポリウレタン樹脂、ポリエーテル
系ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート系ポリウレタン
樹脂、ポリカプロラクトン系ポリウレタン樹脂などから
選択できる。ジイソシアネートとしては、芳香族、脂肪
族、脂環式(水素添加物を包含する)のジイソシアネー
ト化合物が用いられ、これらは例えば、トリレンジイソ
シアネート、フェニレンジイソシアネート、4,4′−
ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソ
シアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロ
ヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどが挙
げられるが、本発明においては、耐候性の観点から脂肪
族または脂環式ジイソシアネート化合物を用いて重合さ
れたものが好ましく、また、ポリオール化合物として
は、例えば、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、
ジヒドロキシポリエチレンアジペート、ポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコールを用いて重合され
たものが好ましい。
【0046】上記熱可塑性樹脂用ポリエステル系樹脂と
しては、テレフタル酸とエチレングリコールとの重縮合
によって得られるポリエチレンテレフタレート(PE
T)、テレフタル酸とブチレングリコールとの重縮合に
よって得られるポリブチレンテレフタレート(PBT)
など、さらにエラストマーとして、高融点結晶性ポリエ
ステルセグメント(A)と、脂肪族ポリエーテル単位及
び/又は脂肪族ポリエステル単位からなる低融点重合体
セグメント(B)とからなるブロック共重合体樹脂が挙
げられる。この(A)セグメントはジカルボン酸と、ジ
オールとの重合によって得られるポリエステルであり、
ジカルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イ
ソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの
芳香族ジカルボン酸、及びシクロヘキサンジカルボン
酸、シクロペンタンジカルボン酸などの脂環族ジカルボ
ン酸、及びアジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸など
の脂肪族ジカルボン酸などが挙げられる。またジオール
成分としては、炭素数2〜12の脂肪族、または脂環族
ジオールが挙げられ、これらは例えば、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ールなどである。また、(B)セグメントを構成する脂
肪族ポリエーテル単位としては、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリ(テトラメチレン
オキサイド)グリコール、及びこれらの共重合体のグリ
コールなどである。一方、(B)セグメントを構成する
脂肪族ポリエステル単位としては、ポリε−カプロラク
トン、ポリエナントラクトン、ポリカプリロラクトン、
ポリブチレンアジペート、ポリエチレンアジペートなど
が挙げられる。
【0047】上記に説明した各種熱可塑性樹脂(可撓性
樹脂層及び熱制御性物質含有可撓性樹脂層用)には、何
れも必要に応じて、着色剤、滑剤、難燃剤、発泡剤、帯
電防止剤、界面活性剤、撥水剤、撥油剤、架橋剤、硬化
剤、フィラー、紫外線吸収剤、酸化防止剤、HALS系
耐候安定剤など従来の添加剤を使用できる。特に本発明
において、上記各種熱可塑性樹脂には、その質量に対し
て、紫外線吸収剤0.1〜3.0質量%を含むことが好
ましく、それによって、得られる膜材の遮熱効率がさら
に向上することがある。
【0048】また、本発明の膜材において、基布を被覆
する熱制御性物質含有可撓性樹脂層、及び可撓性樹脂層
は、有機系顔料を含んで着色されていてもよい。有機系
顔料としては、アゾ系顔料(不溶性モノアゾ顔料、不溶
性ジスアゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、金属
錯塩アゾ顔料)、フタロシアニン顔料(フタロシアニン
ブルー、フタロシアニングリーン)、染付けレーキ顔料
(酸性染料レーキ顔料、塩基性染料レーキ顔料)、縮合
多環系顔料(アントラキノン系顔料、チオインジゴ系顔
料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、キナクリドン系
顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、
キノフタロン系顔料、イソインドリン系顔料)、その他
ニトロソ顔料、アリザリンレーキ顔料、金属錯塩アゾメ
チン顔料、アニリン系顔料などの有機系顔料が挙げら
れ、その着色量は、上記熱制御性物質微細粒子の添加質
量に対して100質量%未満であることが好ましい。
【0049】本発明の採光性遮熱膜材において、可撓性
樹脂層又は熱制御性物質含有可撓性樹脂層と光触媒性最
外層との間には、前記可撓性樹脂層又は熱制御性物質含
有可撓性樹脂層を、光触媒性最外層の光触媒性作用から
保護するための難分解性樹脂を含む保護層が形成されて
いる。この保護層には熱制御性物質が含まれていてもよ
い。この熱制御性物質は前述のとおりである。この保護
層に用いる難分解性樹脂としては、シリコン系樹脂、フ
ッ素系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、フォス
ファーゼン系樹脂が挙げられる。これらの難分解性樹脂
は、粘性を有する塗工剤の硬化物であることが好まし
く、また熱または光によって塗膜形成能を有するもので
あることが好ましい。このうちシリコン系樹脂として
は、アルキル基、アルケニル基、アリル基、水素を1〜
3個結合したクロロシランまたはアルコキシシランを単
独ないし、複数種を無溶剤または有機系溶剤中で加水分
解して重合した直鎖シリコーン樹脂、共重合シリコン樹
脂、シリコンゴムなどが用いられ、特に共重合シリコン
樹脂としてSi−OH基、Si−OMe基を有する2官
能以上の変性シリコン(例えば、シラノール基あるいは
アルコキシ基を有するメチルメチルフェニルシリコン樹
脂)とアルコール性水酸基含有樹脂とを、アルキルチタ
ネート触媒の存在下で、反応させて得られるシリコン変
性体類、例えばアクリル変性シリコン樹脂、アクリル−
ウレタン変性シリコン樹脂、ウレタン変性シリコン樹
脂、ウレタン変性シリコン−フッ素共重合体樹脂、エポ
キシ変性シリコン樹脂、ポリエステル変性シリコン樹
脂、アルキッド変性シリコン樹脂、フェノール変性シリ
コン樹脂が挙げられる。また、シロキサン架橋可能なシ
リコン変性共重合体、シロキサン架橋可能なシリコン変
性オリゴマー、イソシアネート架橋可能なシリコン変性
共重合体、イソシアネート架橋可能なシリコン変性オリ
ゴマーなどを使用することもできる。
【0050】フッ素系樹脂としては、ビニルエーテル−
フルオロオレフィン共重合体樹脂、ビニルエステル−フ
ルオロオレフィン共重合体樹脂及び、これらのフッ素系
樹脂(水酸基含有)とイソシアネート化合物の併用組成
物などが挙げられる。特にフルオロオレフィン共重合体
樹脂としては、ビニリデンフルオライド(VdF)、テ
トラフルオロエチレン(TFE)、クロロトリフルオロ
エチレン(CTFE)成分を含有する共重合体樹脂が好
ましく、これらは、VdF−TFE共重合体樹脂、Vd
F−CTFE共重合体樹脂、TFE−CTFE共重合体
樹脂、VdF−TFE−CTFE共重合体樹脂などであ
る。これらの共重合体樹脂には、フッ化ビニル(V
F)、トリフルオロエチレン(TrEE)、ヘキサフル
オロプロピレン(HFP)などのフルオロオレフィンモ
ノマーをさらに共重合して含むものであってもよい。
【0051】メラミン系樹脂としては、シアヌルアミ
ド、シアヌル酸トリアミド、シアヌル酸アミド、2,
4,6−トリアミノ−1,3,5−トリアジン及びこれ
らの誘導体から選ばれた1種以上のメラミン化合物とホ
ルマリンを反応させ、メチロール化メラミンの初期縮合
物をブタノールで変性しブチル化メチロールメラミンと
して有機系溶剤に可溶化させたもの、さらにブチル化メ
チロールメラミンをアルキッド樹脂とともに有機系溶剤
に可溶化させたものなどが挙げられる。エポキシ系樹脂
としては、エピクロルヒドリンと多価フェノール類との
開環付加反応によって得られるもの、汎用的にはエピク
ロルヒドリンとビスフェノールA、またはレゾールとの
反応によって得られる重縮合物が使用でき、有機系溶剤
中にアミン類、有機酸、酸無水物及びポリイソシアネー
ト化合物などの硬化剤と共に用いて使用でき、さらにア
ルキッド樹脂、メラミン樹脂、ブチル化メラミン樹脂な
どと併用したものが挙げられる。
【0052】フォスファーゼン系樹脂としては、(PN
Cl2n (n=1,2,3,4)などの塩化ホスファ
ーゼン及び、直鎖状塩化ホスファーゼンオリゴマー、ま
たは(PNCl2n (n=2,3,4)の4員環、6
員環、8員環の環状塩化ホスファーゼンを原料として塩
素をアクリル酸化合物に置換した反応性ホスファーゼン
化合物の紫外線硬化物が挙げられる。ホスファーゼン化
合物に付加して置換されるアクリレート化合物として
は、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−ヒド
ロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロ
ピル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メ
タ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリ
ル酸グリシジルなどが挙げられる。
【0053】本発明の採光性遮熱膜材において、熱制御
性物質含有保護層に含まれる熱制御性物質の含有量は、
難分解性樹脂の質量に対して0.5〜10.0質量%で
あることが好ましく、1.0〜5.0質量%であること
がさらに好ましい。熱制御性物質の含有量が、難分解性
樹脂の質量に対し、0.5質量%未満であると、得られ
る膜材の遮熱性が不十分になることがあり、また、それ
が10.0質量%を超えると、得られる膜材の採光性が
不十分になることがある。熱制御性物質の添加量は、得
られる熱制御性物質含有保護層の所望の厚さ、及び得ら
れる膜材の所望の採光性及び遮熱性を考慮して適宜に設
定することが好ましい。また熱制御性物質含有保護層に
含まれる熱制御性物質の含有量は0.001〜5g/m
2 であることが好ましく、より好ましくは0.01〜3
g/m2 である。さらに、表面側、及び/又は裏面側可
撓性樹脂層並びに保護層の2層以上に熱制御性物質が含
まれるときは、それらの合計含有量が1g/m2 以上で
あることが好ましく、より好ましくは3g/m2 以上で
ある。
【0054】本発明において、保護層又は熱制御性物質
含有保護層にはケイ素化合物を含有することが好まし
く、それによって、最外面に形成する光触媒性最外層と
の密着性を向上させることができる。ケイ素化合物とし
ては、ポリシロキサン、コロイダルシリカ、シリカが挙
げられる。ポリシロキサンとしては、ゾル−ゲル法によ
りアルコキシシラン化合物を加水分解、重縮合して得ら
れるものが好ましく、例えばアルコキシシランとして、
一般式:Yn SiX4-n(n=1〜3)で表されるケイ
素化合物の1種または2種以上の加水分解縮合物、共加
水分解化合物が適している。前記一般式においてYは例
えば、アルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、メ
ルカプト基、アミノ基またはエポキシ基であることがで
き、Xは例えば、ハロゲン、メトキシル基、エトキシル
基、またはアセチル基であることができる。具体的に
は、アルキル基置換トリクロルシラン、アルキル基置換
トリブロムシラン、アルキル基置換トリメトキシシラ
ン、アルキル基置換トリエトキシシラン、アルキル基置
換トリイソプロポキシシラン、アルキル基置換トリ−t
−ブトキシシランなどが挙げられ、アルキル基として
は、それぞれメチル基、エチル基、n−プロピル基、n
−ヘキシル基、n−デシル基、n−オクタデシル基、フ
ェニル基である。また、具体的には、上記アルキル置換
シラン化合物のアルキル基をトリフルオロプロピル基に
変えたもの、上記アルキル置換シラン化合物のアルキル
基をビニル基に変えたもの、上記アルキル置換シラン化
合物のアルキル基をγ−メタアクリロキシプロピル基に
変えたもの、上記アルキル置換シラン化合物のアルキル
基をγ−アミノプロピル基に変えたもの、上記アルキル
置換シラン化合物のアルキル基をγ−メルカプトプロピ
ル基に変えたものなどが挙げられる。
【0055】コロイダルシリカとしては、ケイ酸ナトリ
ウム溶液を陽イオン交換することによって得られる水分
散媒のシリカゾル(SiO2 )を用いることができる。
また、保護層又は熱制御性物質含有保護層に使用するコ
ロイダルシリカとしては、BET平均粒子径が10〜2
0nmのコロイダルシリカ粒子を、有機溶媒からなる分散
媒中に分散したものを用いることが好ましく、有機系溶
剤としてメタノール、イソプロパノール、n−ブタノー
ルなどのアルコール系溶剤、トルエン、キシレンなどの
芳香族炭化水素系溶剤、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪
族炭化水素系溶剤、シクロヘキサン、メチルシクロヘキ
サンなどの脂環式炭化水素系溶剤、メチルエチルケト
ン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤、N,N−ジ
メチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなど
のアミド系溶剤、及び酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエ
ステル系溶剤、その他テトラヒドロフランなどの1種以
上から選ばれた1種以上からなるものを用いることが好
ましい。また、さらに他のシリカ(SiO2 )として
は、ケイ酸ナトリウムと鉱酸(硫酸)及び塩類を水溶液
中で反応させる湿式法によって得られる合成非晶質シリ
カを用いることが好ましい。合成非晶質シリカは、表面
のシラノール基(Si−OH基)に水素結合で結合する
水分と、シラノール基自体が含有する水酸基として存在
する水分を結合水分として有する含水シリカである。非
晶質含水シリカの平均凝集粒径としては、平均凝集粒径
(コールカウンター法)が1〜20μm、特に2〜10
μmの非晶質含水シリカを用いることが好ましく、含水
率としては3〜15質量%、特に5〜10質量%の含水
シリカを用いることが好ましい。これらのシリカはシラ
ンカップリング剤で表面処理して用いることもできる。
【0056】上記保護層又は熱制御性物質含有保護層を
形成する塗工剤に含まれるケイ素化合物の配合量として
は、上記ポリシロキサン、上記コロイダルシリカ及び、
上記シリカから選ばれた1種以上を、前記保護層を構成
する難分解性樹脂の固形分総和質量に対して5〜35質
量%であることが好ましい。ケイ素化合物の含有量が5
質量%未満であると保護層又は熱制御性物質含有保護層
と光触媒性最外層との密着性が不十分になることがあ
り、また35質量%を越えると、得られる保護層又は熱
制御性物質含有保護層と光触媒性最外層との密着性は向
上するが、その摩耗強度が不十分になることがある。
【0057】保護層、及び熱制御性物質含有保護層を形
成する塗工剤の塗布方法には、特別の限定はないが、一
般にこれらの塗工剤を熱制御性物質含有可撓性樹脂層、
または可撓性樹脂層に均一、かつ均質に塗布できるコー
ティング方式を用いればよく、例えば、グラビアコート
法、マイクログラビアコート法、コンマコート法、ロー
ルコート法、リバースロールコート法、バーコート法、
キスコート法、フローコート法などが好適である。上記
塗工剤による保護層、及び熱制御性物質含有保護層の厚
さに特に制限はないが、上記コーティング方法のいずれ
か、もしくは、組み合わせによって、固形分付着量を2
〜30g/m2 にコントロールすることが好ましく、よ
り好ましくは3〜10g/m2 に形成する。固形分付着
量が2g/m2 よりも少ないと、本発明の採光性遮熱膜
材の遮熱性と耐久性が不十分となることがあり、また、
それが30g/m2 を超えると、得られる保護層、又は
熱制御性物質含有保護層の屈曲強さが不十分になること
がある。保護層、及び熱制御性物質含有保護層の塗布
量、すなわち膜厚設定には、上記塗工剤の有機系溶剤量
をコントロールすることが有効である。保護層、及び熱
制御性物質含有保護層の厚さは、0.3〜50μmであ
ることが好ましく、それによって十分な遮熱性と屈曲強
さを得ることができる。塗工剤に含まれる有機系溶剤と
しては、例えば、イソプロパノール、n−ブタノールな
どのアルコール系溶剤、トルエン、キシレンなどの芳香
族炭化水素系溶剤、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭
化水素系溶剤、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン
などの脂環式炭化水素系溶剤、メチルエチルケトン、シ
クロヘキサノンなどのケトン系溶剤、N,N−ジメチル
アセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミ
ド系溶剤、及び酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル
系溶剤、及びテトラヒドロフランなどを用いることがで
きる。
【0058】また、本発明の採光性遮熱膜材において、
図7〜9に示すように、可撓性樹脂層と保護層との間
に、少なくとも1種の金属酸化物からなる光制御層がさ
らに設けられていてもよく、この場合、前記可撓性樹脂
層及び保護層の少なくとも1層中に熱制御性物質が含ま
れている。この光制御層は、アルミニウム、ニッケル、
クロム、ステンレス、銅、スズの金属、及び、これらの
酸化物、窒化物、炭化物から選ばれた1種以上の金属を
ターゲット材に用いて、可撓性樹脂層上に蒸着して形成
された金属光沢を有するハーフミラー層であり、特にア
ルミニウム蒸着によって得られたハーフミラー層である
ことが好ましい。蒸着方法としては、各種公知の蒸着方
法を用いることができ、例えば、真空蒸着法、スパッタ
リング法、イオンプレーティング法、CVD(化学的蒸
着)法などの何れであってもよい。本発明において、特
に熱制御性物質含有可撓性樹脂層、及び可撓性樹脂層が
軟質配合によるポリ塩化ビニル樹脂である場合、蒸着中
の可塑剤、添加物などの揮発、揮散による蒸着阻害を防
止することを目的として、熱制御性物質含有可撓性樹脂
層、及び可撓性樹脂層の表面には添加物揮散防止層を設
けることが好ましい。添加物揮散防止層は、アクリル系
樹脂(特に紫外線硬化型が好ましい)、ポリウレタン系
樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂などが
適し、これらはそれを含布塗布液を塗布する方法、ある
いはフィルムを積層する方法によって形成することがで
きる。
【0059】光制御層(ハーフミラー層)の厚さは、
5.0〜50nm(50〜500Å)であることが好まし
く、特に10〜25nm(100〜250Å)であること
がより好ましく、それによって採光性と遮熱効果を向上
させることができる。光制御層の厚さが、5nm未満であ
ると、得られる膜材の遮熱効果が不十分となることがあ
り、また、50nmを越えると、得られる膜材の採光性が
不十分になることがある。
【0060】また、本発明の採光性遮熱膜材において、
図4〜5に示されているように熱制御性物質含有可撓性
樹脂層又は可撓性樹脂層と、保護層又は熱制御性物質含
有保護層との間に、少なくとも1種の金属酸化物からな
る金属酸化物透明層が形成されていてもよい。金属酸化
物透明層の形成は、酸化チタン(TiO2 )、酸化亜鉛
(ZnO)、酸化スズ(SnO2 )、酸化ジルコニウム
(ZrO2 )、酸化インジウム(In2 O,In2
3 )、スズドープ酸化インジウム(TlO)、インジウ
ムドープ酸化スズ(ITO)、及びアンチモンドープ酸
化スズ(ATO)から選ばれた1種以上の金属酸化物を
ターゲット材に用いて、これを熱制御性物質含有可撓性
樹脂層、可撓性樹脂層あるいは光制御層上に蒸着するこ
とによって形成することができる。蒸着方法としては、
各種公知の蒸着方法を用いることができ、例えば、真空
蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、
CVD(化学的蒸着)法などの何れであってもよいが、
特にスパッタリング法が好ましい。金属酸化物透明層の
厚さは、3〜30nm(30〜300Å)であることが好
ましく、特に5.0〜15.0nm(50〜150Å)で
あることがより好ましく、このようにすることによって
採光性と遮熱効果を向上させることができる金属酸化物
透明層の厚さが、3.0nm未満であると、得られる膜材
の遮熱効果が不十分となることがあり、また、それが3
0.0nmを越えると、得られる膜材の採光性が不十分に
なることがある。特に本発明の採光性遮熱膜材の図10
〜12に示された態様において、光制御層上に金属酸化
物透明層を蒸着した時に、下層の光制御層の光反射効果
を効果的に得ることができなくなることがある。本発明
において、金属酸化物透明層の形成には、スズドープ酸
化インジウム(TlO)、インジウムドープ酸化スズ
(ITO)、及びアンチモンドープ酸化スズ(ATO)
から選ばれた1種以上の金属酸化物をターゲット材に用
いて蒸着することが好ましく、このようにすることによ
って、透明性と遮熱効率とを向上させることができる。
また本発明において、特に熱制御性物質含有可撓性樹脂
層、及び可撓性樹脂層が軟質配合によるポリ塩化ビニル
樹脂である場合、蒸着中の可塑剤の揮発、揮散による蒸
着阻害を防止する目的で、熱制御性物質含有可撓性樹脂
層、及び可撓性樹脂層には添加物揮散防止層を設けるこ
とが好ましい。添加物揮散防止層は、アクリル系樹脂、
ポリウレタン系樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重
合体樹脂などが適し、これらは塗布して形成しても、あ
るいはフィルムを積層して形成してもよい。
【0061】光触媒性最外層には、光触媒物質が含まれ
る。この光触媒性最外層は、光触媒性物質10〜70質
量%と、バインダーとして金属酸化物ゲル及び/又は金
属水酸化物ゲル25〜90質量%と、必要があればケイ
素化合物1〜20質量%を含有することが好ましい。光
触媒性最外層はこれらの光触媒性物質、金属酸化物ゲル
及び/又は金属水酸化物ゲル、ケイ素化合物を含有する
塗工剤を、上記保護層又は熱制御性物質含有保護層の表
面に塗布、乾燥して形成される。光触媒性最外層中に含
まれる金属酸化物ゲル及び/又は金属水酸化物ゲルは、
光触媒性物質を固着し、また保護層又は熱制御性物質含
有保護層の表面と強固に密着させる。さらに、これらの
金属酸化物ゲル及び/又は金属水酸化物ゲルが多孔質で
あるから、光触媒性最外層の表面積を大きくし、このた
め光触媒活性を有効に発揮させることができる。光触媒
性最外層中に含まれる金属酸化物ゲル及び/又は金属水
酸化物ゲルの含有量は、光触媒性最外層の総質量に対し
て25〜90質量%であることが好ましい。この含有量
が25質量%未満では、保護層又は熱制御性物質含有保
護層と、光触媒性最外層との密着性が不十分となること
があり、またそれが90質量%を越えると、光触媒性物
質の含有量が過少になり光触媒活性が十分に発揮させる
ことができないことがある。さらに金属酸化物ゲル及び
/又は金属水酸化物ゲルの乾燥物の比表面積は、100
2 /g以上であることが好ましく、このようにする
と、光触媒性最外層と、保護層又は熱制御性物質含有保
護層との密着性及び光触媒活性効率を向上させることが
できる。
【0062】前記金属酸化物ゲル及び/又は金属水酸化
物ゲルとしては、ケイ素、アルミニウム、チタニウム、
ジルコニウム、マグネシウム、ニオビウム、タンタラ
ム、タングステン、及び錫の金属から選ばれた1種また
は2種以上の金属の酸化物ゲル、もしくは水酸化物ゲル
であることが好ましく、より好ましくは、シリカゾル、
アルミナゾル、ジルコニアゾル、酸化ニオブゾルなどが
例示できる。また、これらの混合ゲルとして、共沈法で
得られる複合酸化物ゲルを使用してもよい。これらの金
属酸化物ゲル及び/又は金属水酸化物ゲルと光触媒性物
質との混合には、これらのゲルとなる前のゾルの状態で
混合するか、もしくはゾルを調製する前の原料の段階で
混合することが好ましい。金属酸化物ゲル及び/又は金
属水酸化物ゲルを調製する方法には、金属塩を加水分解
する方法、中和分解する方法、イオン交換する方法など
があるが、ゲルの中に光触媒性物質が均一に分散可能で
あれば何れの方法を用いてもよい。本発明の採光性遮熱
膜材の光触媒性最外層に用いられる酸化物ゾルとして
は、特にジルコニウム及び、アルミニウムの酸化物ゾル
を用いることが好ましく、それによって高い耐久性が得
られる。
【0063】本発明の光触媒性最外層に用いる光触媒物
質としては、TiO2 ,ZnO,SrTiO3 ,Cd
S,GaP,InP,GaAs,BaTiO3 ,K2
bO3,Fe23 ,Ta25 ,WO3 ,SnO2
Bi23 ,NiO,Cu2 O,SiC,SiO2 ,M
oS2 ,InPb,RuO2 ,CeO2 などを例示する
ことができ、またこれらの光触媒物質にPt,Rh,R
uO2 ,Nb,Cu,Sn,NiOなどの金属及び金属
酸化物を添加して得られる既知の光触媒物質のすべてが
使用できる。これらの光触媒物質のうち、特に酸化チタ
ン(TiO2 )、過酸化チタン(ペルオキソチタン
酸)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化錫(SnO2)、チタ
ン酸ストロンチウム(SrTiO3 )、酸化タングステ
ン(WO3 )、酸化ビスマス(Bi23 )、酸化鉄
(Fe23 )などが好ましい。さらに、これら光触媒
物質を無機系多孔質微粒子などに担持させてもよい。上
記光触媒物質を担持する無機系多孔質微粒子としては、
シリカ、(合成)ゼオライト、チタンゼオライト、リン
酸ジルコニウム、リン酸カルシウム、リン酸亜鉛カルシ
ウム、ハイドロタルサイト、ヒドロキシアパタイト、シ
リカアルミナ、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミン酸マ
グネシウム、ケイソウ土などが用いられる。これらの無
機系多孔質微粒子の平均一次粒子径は0.01〜10μ
mであることが好ましく、特に0.05〜5μmである
ことがより好ましい。光触媒物質を無機系多孔質微粒子
に担持させるには、光触媒物質を含有する金属アルコラ
ートによるゾル−ゲル薄膜製造工程を応用した表面処理
を用いることが好ましい。
【0064】本発明の光触媒性最外層に用いる光触媒物
質としては、上記の金属酸化物の中で、バンドギャップ
エネルギーが高く、化学的に安定で、しかも汎用性の金
属酸化物であることが好ましく、このような金属酸化物
としては、酸化チタンを使用することが好ましい。光触
媒物質用酸化チタンは、硫酸チタニル、塩化チタン、チ
タンアルコキシドなどのチタン化合物を熱加水分解して
得られる酸化チタンゾル、及び酸化チタンゾルのアルカ
リ中和物として得られる酸化チタンなど、また水酸化チ
タン及び、チタン酸化物の超微粒子を過酸化水素などの
過酸化物でペルオキソ化して水中に分散したアナターゼ
型ペルオキソチタン酸分散液であることが好ましい。酸
化チタンはアナターゼ型とルチル型の何れも使用できる
が、アナターゼ型の酸化チタンが、その光触媒活性が高
いという点において好ましい。具体的には、平均結晶子
径5〜20nmの塩酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾ
ル、硝酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾルなどが好ま
しく使用できる。光触媒物質の粒径は小さい方が光触媒
活性に優れているため、平均粒子径50nm以下、より好
ましくは20nm以下の光触媒物質が適している。また、
酸化チタンとしては含水酸化チタン、水和酸化チタン、
メタチタン酸、オルトチタン酸、水酸化チタンなども含
まれる。光触媒性最外層中の光触媒物質の含有量は、多
くなるほど光触媒活性が高くなるが、得られる光触媒性
最外層と、保護層又は熱制御性物質含有保護層との接着
性を考慮すると、それは70重量%以下であることが好
ましく、10〜70質量%であることがより好ましい。
光触媒物質の配合量が10質量%未満であると光触媒活
性が不十分となることがあり、また光触媒物質の配合量
が70質量%を越えると光触媒活性は高くなるが得られ
る光触媒性最外層と、保護層又は熱制御性物質含有保護
層との密着性が不十分になるだけでなく、光触媒性最外
層の表面摩耗強さが不十分になるため、屋外耐久性が十
分に得られないことがある。
【0065】光触媒性最外層に使用するケイ素化合物と
してはポリシロキサンが使用でき、ゾルゲル法によりア
ルコキシシラン化合物を加水分解、重縮合して得られる
ものが好ましく使用できる。これらアルコキシシラン化
合物としては、本発明の採光性遮熱膜材の得られる光触
媒性最外層と、保護層又は熱制御性物質含有保護層に使
用できるアルコキシシラン化合物として例示したものが
使用できる。これらのケイ素化合物は光触媒性最外層に
対して1〜20質量%使用することが好ましい。光触媒
物質を含有する塗工剤の塗布の方法としては、特別に限
定はないが、これらの光触媒物質を含有する塗工剤を保
護層、及び熱制御牲物質含有保護層の表面上に均一、か
つ均質に塗布できる様なコーティング方式が望ましく、
例えば、グラビアコート法、マイクログラビアコート
法、コンマコート法、ロールコート法、リバースロール
コート法、バーコート法、キスコート法、フローコート
法などが好適である。上記コーティング剤による光触媒
性最外層の厚さは上記コーティング方法のいずれか、も
しくは、組み合わせによって0.1〜10μmの厚さに
コントロールする事が好ましい。光触媒性最外層の厚さ
が0.1μmよりも少ないと、得られる膜材の防汚性が
満足に得られないことがあり、また、10μmを超える
と光触媒性最外層の屈曲耐久性が不十分になって亀裂を
生ずることがある。上記手順によって得られる膜材の透
光率は、膜材全体として3%以上であることが、採光性
の観点において好ましい。この透光率が3%未満だと、
得られる膜材の採光性に劣り、テント倉庫や、トラック
幌などに使用した時に、内部が暗くなり、なかでの作業
が困難となる。透光率は、JIS L−1055:A法
に規定されている遮光率を求め、100(%)−遮光率
(%)で求めた、すなわち遮光率の100に対する補数
として求めることができる。また、この透光率は、JI
S L−1055:A法の遮光率を求める時に測定した
透光照度を、ブランクと比較して百分率で表したものと
同一である(JIS L−1055:A法準拠)。
【0066】本発明の採光性遮熱膜材の接合(重ね合わ
せ接着)は、光触媒性最外層及び、保護又は熱制御性物
質含有保護層が形成されていない表面において、高周波
ウエルダー機を用いての熱融着によって容易に接合を行
うことができる。高周波融着法としては、2ヶ所の電極
(一方の電極は、ウエルドバーである)間にシート置
き、ウエルドバーで加圧しながら高周波(1〜200MH
z )で発振する電位差を印加することでシートの樹脂層
を分子摩擦熱で溶融させて接着するものである。また、
別の接合方法として、シートの光触媒物質含有層が形成
されていない部分において、超音波振動子から発生する
超音波エネルギー(16〜30KHz )の振幅を増幅さ
せ、膜材の境界面に発生する摩擦熱を利用して熱融着を
行う超音波ウエルダー融着法、またはヒーターの電気制
御によって、20〜700℃に無段階設定された熱風
を、ノズルを通じて膜材間に吹き込み、膜材の表面を瞬
時に熱溶融させ、直後膜材を圧着して接着を行う熱風融
着法、あるいは熱可塑性樹脂の溶融温度以上にヒーター
内蔵加熱された金型(こて)を用いて被着体を圧着し接
着する熱板融着法などによっても接合が可能である。
【0067】
【実施例】本発明を下記実施例によりさらに具体的に説
明するが、本発明はこれらの例の範囲に限定されるもの
ではない。下記実施例及び比較例において、試験膜材の
遮光性、防汚性などの性能は下記試験方法により測定し
評価した。
【0068】(I)遮熱性 〈試験環境〉たて・よこ0.5cmの正方形の断面積を有
するアクリル樹脂製角材棒を梁として、外径が、高さ5
cm×幅10cm×長さ15cmの箱型フレームを瞬間接着剤
で組み立て、箱型フレームの4側面と上面部、及び底面
部に試験膜材を表面が外向きとなるように両面テープで
貼り付けて固定し、気密性の箱を準備した。また、この
試験箱内部の底面部の中央には熱流量計(Shothr
m HFM熱流量計:昭和電工(株)製)のセンサーを
取り付けて固定した。次に箱型内径が、高さ45cm×幅
35cm×長さ35cmの外気温遮断性と気密性を有する箱
型構造体の天井部中央に白熱ランプ(100V,500
Wのフォトリフレクタランプ:デイライトカラー用:東
芝(株))を取り付けて固定したものを遮熱性評価の試
験環境として、試験膜材で被覆した試験箱(比較時には
試験膜材の装着がないものを使用)を、この箱型構造体
の底面部の中央に取り付けて、ランプの中心部と試験箱
の中心部が鉛直方向に重なるように固定した。この箱型
構造体内部におけるランプ先端から試験箱の天井部まで
の距離は35cmであった。 〈試験〉 A).試験膜材を装着しない試験箱を箱型構造体に入れ
て密閉状態に置き、ランプを点灯し、試験箱内部温度と
熱流量(kcal/m2h )を1分ごとに測定し、30分後の
温度と熱流量qn(kcal/m2h )を測定した。箱型構造
体内の温度を外気温度まで戻した後、膜材を装着した試
験箱と箱型構造体に入れて密閉状態に置き、ランプを点
灯し、試験箱内部温度と熱流量(kcal/m2h )を1分ご
とに測定し、30分後の温度と熱流量qc(kcal/m2h
)を測定し、下記式により遮熱率を求めた。尚、外気
温度は20℃の恒温環境とした。遮熱率pfは、数値が
大きい程、遮熱性が高いものと判断した。 遮熱率pf(%)=〔(qn−qc)/qn〕×100 B).A)の試験において、試験箱内部温度が30℃に
到達するまでの時間T30を測定した。T30は、数値が大
きい程、遮熱性が高いものと判断した。
【0069】(II)屋外展張による防汚性 幅20cm×長さ2mの試験膜材を、光触媒物質含有層形
成面を表側にして、陽当たりの良い南向きに設置した曝
露台の傾斜30°方向と垂直方向にそれぞれ1mずつ連
続して展張し、屋外汚れ試験を12ヶ月間行った。展張
6ヶ月後、12ヶ月後にサンプル小片を採取し、未展張
膜材との色差ΔE(JIS Z−8729)を求め、下
記の判定基準にて防汚性の評価を行った。※屋外展張
は、埼玉県草加市内において3月より開始した。 ΔE=0〜1.9 :◎=汚れがなく良好。初期の状態を維持している。 ΔE=2〜3.5 :○=うすく汚れているが実用に支障はない。 ΔE=3.6〜5.0:△=汚れと雨筋が、目立つ。 ΔE=5.1〜 :×=汚れと雨筋が酷く、実用的に問題がある。
【0070】(III )屋外展張膜材の遮熱性 (II)の展張6ヶ月、及び12ヶ月の屋外展張サンプル
を採取し、(I)−Aと同様の遮熱試験を行い、遮熱率
pf6 、及びpf12を求め、未展張膜材の遮熱率pf0
との比較(遮熱率差)を行った。 ※ 6ヶ月遮熱率差=pf0 −pf6 ※12ヶ月遮熱率差=pf0 −pf12 ○:遮熱率の低下は4%未満である。 △:遮熱率の低下が4〜8%未満である。 ×:遮熱率の低下が8%以上である。
【0071】(IV)膜材の採光性 膜材の採光性は、JIS L−1055:A法によって
膜材の透光照度を測定し、これを透光率に換算して求め
た。 透光率(%)=(膜材を透過した照度Lx/ブランクの
照度Lx0 )×100
【0072】実施例1 −(i)基材(繊維織物への熱制御性物質含有可撓性樹
脂層被覆)− 1111dtexのマルチフィラメント糸条を平織して得ら
れたポリエステル織布(経糸打ち込み6本/2.54cm
×緯糸打ち込み6本/2.54cm:目抜け空隙率64
%:質量38g/m2 )を基材として用いた。また下記
配合のストレート塩化ビニル樹脂コンパウンド(塩化ビ
ニル樹脂に対して平均粒子径0.1μmの金属酸化物微
粒子:ITOを0.6質量%含有する)を160℃の熱
条件でバンバリーミキサー混練し、これを165℃でカ
レンダー圧延成型して得られた厚さ0.18mmのフィル
ムを作製した。このフィルムを熱制御性物質含有可撓性
樹脂層を形成するために、160℃に温度設定した熱ロ
ールと赤外線ヒーターとを備えたラミネーターを用い
て、熱圧着法により前記基材の両面に積層し、基布の両
面に熱制御性物質含有可撓性樹脂層を設け、厚さ0.3
8mm、質量500g/m 2 の積層体を得た。 〈熱制御性物質含有可撓性樹脂層用塩化ビニル樹脂組成物〉 ストレート塩化ビニル樹脂(P=1050) 100質量部 高分子可塑剤 55質量部 アジピン酸ポリエステル 35質量部 エポキシ化大豆油(ESBO) 4質量部 金属酸化物微粒子(ITO) 0.6質量部 Ba−Zn系複合安定剤 2質量部 ルチル型酸化チタン 5質量部 有機系防カビ剤(TBZ) 0.2質量部 紫外線吸収剤 0.3質量部 酸化防止剤 0.2質量部 ※塩化ビニル樹脂…商標:ZEST1000S(新第一
塩ビ(株)製) ※高分子可塑剤…商標:エルバロイ742(三井デュポ
ン・ポリケミカル(株)製) ※アジピン酸ポリエステル…商標:アデカサイザーPN
−446(旭電化工業(株)製) ※エポキシ化大豆油…商標:アデカサイザーO−130
P(旭電化工業(株)製) ※金属酸化物微粒子(ITO:インジウムドープ酸化ス
ズ)…住友大阪セメント(株)製 ※Ba−Zn系複合安定剤…商標:KV−400B(共
同薬品(株)製) ※ルチル型酸化チタン…商標:酸化チタンCR(石原産
業(株)製) ※有機系防カビ剤…商標:サンアイゾール100(TB
Z)、三愛石油(株)製 ※紫外線吸収剤…商標:バイオソープ510(共同薬品
(株)製) ※酸化防止剤…商標:イルガノックスE201(ビタミ
ンE系:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
【0073】−(ii)添加物揮散防止層の形成− 次に、(i)で得た積層体の片面の塩化ビニル樹脂面
(熱制御性物質含有可撓性樹脂層)に、80メッシュ線
にピラミッド彫刻されたグラビアロールを有するロール
コーター機を用いて、添加物揮散防止層(アクリル系樹
脂層)を形成するために、下記組成の塗工液12g/m
2 (wet)を均一に全面塗布し、100℃の熱風炉で
乾燥し、添加物揮散防止層を形成した。(固形分付着量
3.6g/m2 ) 〈添加物揮散防止層形成用塗工液〉 商標:ソニーボンドSC−474:ソニーケミカル
(株)製:アクリル系共重合樹脂(固形分30質量%)
100質量部
【0074】−(iii )保護層(難分解性樹脂)の形成
− 次に、(ii)で得た積層体の添加物揮散防止層形成面
に、80メッシュ線にピラミッド彫刻されたグラビアロ
ールを有するロールコーター機を用いて、保護層を形成
するために、下記組成の塗工液12g/m2 を塗布(w
et)し、100℃の熱風炉中で1分間乾燥させて全面
に保護層を形成した。(固形分付着量3g/m2 ) 〈保護層用塗工液:アクリル−シリコン系樹脂ベース〉 (1).a)アクリル−シリコン樹脂(シリコン含有量3 mol%) 100質量部 b)エタノール/酢酸エチル(質量比1:1) 900質量部 (2).a)エチルシリケート40:コルコート(株) :SiO2 換算40質量%多量化度6のポリシロキサン 100質量部 b)加水分解触媒:2%塩酸 3質量部 c)エタノール/脱イオン水(質量比1:1) 400質量部 (3).γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン (東レ・ダウコーニング・シリコーン(株):SH6062) 6重量部 ※(1)のa)+b)成分、(2)のa)+b)+c)
成分(2時間撹拌して加水分解を実施)、及び(3)の
成分をそれぞれに調製後、(1)〜(3)成分を混合し
て2時間撹拌(加水分解)したものを用いた。
【0075】−(iv)光触媒性最外層の形成− 次に、(iii )の保護層の表面全面に、100メッシュ
線にピラミッド彫刻されたグラビアロールを有するロー
ルコーター機を用いて、光触媒物質含有層を形成するた
めに、下記組成の塗工液を12g/m2 塗布(wet)
し、100℃の熱風炉中で1分間乾燥させて、光触媒性
最外層が最外面全面に形成させた。質量508g/m2
の膜材(図1)を得た。(光触媒性最外層付着量1g/
2 ) 〈光触媒性最外層形成用の光触媒物質分散溶液〉 a)光触媒物質:硝酸酸性酸化チタンゾル(結晶粒子径10nm) 10質量部 b)金属酸化物ゾル:シリカゾル(商標:カタロイドSI−30 :触媒化成(株)) 10質量部 c)シランカップリング剤(商標:SZ6300:東レ・ダウ コーニングシリコン(株):ビニルトリメトキシシラン) 2質量部 d)希釈剤:脱イオン水−エタノール(質量比1:1)溶液 200質量部 ※この光触媒物質分散溶液の固形分質量に対し、それに
含有される光触媒物質の質量は45質量%であった。試
験結果を表1に示す。
【0076】実施例2 −(i)基材(繊維織物上に熱制御性物質含有可撓性樹
脂層の被覆)− 実施例1と同一の繊維織物を基材として用い、実施例1
と同様の手順によって、厚さ0.18mmのポリ塩化ビニ
ル樹脂フィルムを基材の両面に積層して厚さ0.38m
m、質量500g/m2 の積層体を得た。但し熱制御性
物質含有可撓性樹脂層用塩化ビニル樹脂組成物の配合に
おいて、実施例1で用いた金属酸化物微粒子(ITO:
インジウムドープ酸化スズ)0.6質量部の代りに、平
均粒子径0.1μmアンチモンドープ酸化スズ(AT
O:住友大阪セメント(株))0.6質量部を用いた。
また、前記金属酸化物微粒子に加えて、新たにフタロシ
アニン系近赤外線吸収性色素(商標:TX−103A:
日本触媒(株))を、塩化ビニル樹脂質量に対して、
0.03質量部配合した。これ以外は実施例1と同一配
合とし、また、添加物揮散防止層も実施例1(ii)と同
様にして形成した。 −(ii)熱制御性物質含有保護層の形成− 実施例1(iii )と同様にして前記積層体の片面全面に
熱制御性物質含有保護層を形成した。但し、実施例1
(iii )の塗工液の配合組成(1)に、新たに金属酸化
物微粒子(ATO 1質量部をアクリル−シリコン系樹
脂に対して1質量%含有する)配合した。配合組成
(2)、及び(3)は実施例1と同一である。 〈ケイ素化合物(ポリシロキサン)含有樹脂層塗工液:アクリル−シリコン系樹 脂ベース〉 (1).a)アクリル−シリコン樹脂(シリコン含有量3 mol%) 100質量部 b)アンチモンドープ酸化スズ(ATO:平均粒子径 0.1μm:住友大阪セメント(株)) 1質量部 c)エタノール/酢酸エチル(質量比1:1) 900質量部 −(iii )光触媒性最外層の形成− 次に、(ii)で形成した熱制御性物質含有保護層の表面
に、実施例1(iv)と同一の光触媒性最外層用塗工液を
実施例1と同様に塗布(wet)して、光触媒性最外層
を最外面全面に形成した。質量508g/m2 の膜材
(図2)を得た。光触媒性最外層の付着量は1g/m2
であった。試験結果を表1に示す。
【0077】実施例3 −(i)基材(繊維織物の可撓性樹脂層による被覆)− 実施例1と同一の繊維織物を基材として用い、実施例1
と同様の手順によって、厚さ0.18mmのポリ塩化ビニ
ル樹脂フィルムを基材の両面に積層して厚さ0.38m
m、質量500g/m2 の積層体を得た。但し可撓性樹
脂層を形成する塩化ビニル樹脂組成物の配合において、
実施例1で用いた金属酸化物微粒子(ITO:インジウ
ムドープ酸化スズ)0.6質量部を省いた。また、得ら
れた積層体の片面に添加物揮散防止層を実施例1(ii)
と同様にして形成した。 −(ii)熱制御性物質含有保護層の形成− 次に、(i)で得た積層体の添加物揮散防止層形成面全
面に、80メッシュ線にピラミッド彫刻されたグラビア
ロールを有するロールコーター機を用いて、熱制御性物
質含有保護層を形成するための下記組成の塗工液(フッ
素系樹脂に対して1質量%の金属酸化物微粒子:ZnO
を含有する)12g/m2 を塗布(wet)し、100
℃の熱風炉中で1分間乾燥させて熱制御性物質含有保護
層を形成した。その固形分付着量は6g/m2 であっ
た。 〈熱制御性物質含有保護層用塗工液:フッ素系樹脂ベース〉 商標:ルミフロンLF200C:旭硝子(株): フルオロオレフィンビニルエーテル共重合体 (固形分60質量%) 167質量部 商標:タケネートD−170N:武田薬品工業(株): ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体 (固形分100質量%) 10質量部 商標:超微粒子酸化亜鉛(平均粒子径0.1μmのZnO: 住友大阪セメント(株)) 1質量部 商標:スノーテックスXBA−ST:日産化学工業(株): コロイダルシリカ(固形分30質量%) 20質量部 商標:メチルシリケートMS51:コルコート(株): ポリメトキシシロキサン(固形分50質量%) 20質量部 希釈剤:トルエン/MEK(1:1質量比) 60質量部 −(iii )光触媒性最外層の形成− 次に、(ii)で形成した熱制御性物質含有保護層の表面
に、実施例1(iv)と同一の塗工液を実施例1と同様に
塗布(wet)して、光触媒性最外層を最外面全面に形
成した。質量511g/m2 の膜材(図3)を得た。光
触媒性最外層の付着量は1g/m2 であった。試験結果
を表1に示す。
【0078】実施例4 実施例1(i)と同様にして基材/熱制御性物質含有可
撓性樹脂層積層体を作製し、また、その片面に実施例1
(ii)と同一の添加物揮散防止層を形成した。この積層
体の添加物揮散防止層面全面に膜厚約10.0nmの金属
酸化物透明層を形成した。金属酸化物透明層の形成は真
空蒸着によって行い、金属酸化物としてはインジウムド
ープ酸化スズ(ITO:住友大阪セメント(株))をタ
ーゲット材に用いた。次に、金属酸化物透明層の表面
に、実施例1(iii )と同一の保護層を設け、さらにこ
の保護層の表面に実施例1(iv)と同一の光触媒性最外
層を形成し、光触媒性最外層を最外面全面に形成した。
質量508g/m2 (図4)を得た。試験結果を表1に
示す。
【0079】実施例5 実施例2(i)と同一の、添加物揮散防止層を形成され
た積層体を作製し、この添加物揮散防止層面全面上に、
膜厚約10.0nmの金属酸化物透明層を形成した。金属
酸化物透明層の形成は真空蒸着によって行い、金属酸化
物にはインジウムドープ酸化スズ(ITO:住友大阪セ
メント(株))をターゲット材に用いた。次に、金属酸
化物透明層の表面に、実施例2(ii)と同一の熱制御性
物質含有保護層を設け、さらにこの保護層の表面に実施
例1(iv)と同一の光触媒性最外層を形成し、光触媒性
最外層を最外面全面に形成した。質量508g/m2
膜材(図5)を得た。試験結果を表1に示す。
【0080】実施例6 実施例3(i)と同様にして、添加物揮散防止層が形成
された積層体を作製し、この添加物揮散防止層面全面上
に膜厚約10.0nmの金属酸化物透明層を形成した。金
属酸化物透明層の形成は真空蒸着によって行い、金属酸
化物にはインジウムドープ酸化スズ(ITO:住友大阪
セメント(株))をターゲット材に用いた。次に、金属
酸化物透明層の表面全面に、80メッシュ線にピラミッ
ド彫刻されたグラビアロールを有するロールコーター機
を用いて、熱制御性物質含有保護層を形成するための下
記組成の塗工液(エポキシ−シリコン系樹脂に対して1
質量%の金属酸化物微粒子:ZnOを含有する)12g
/m2 を塗布(wet)し、100℃の熱風炉中で1分
間乾燥させて熱制御性物質含有保護層を形成した。(固
形分付着量5g/m2 )次に、さらにこの熱制御性物質
含有保護層の表面に実施例1(iv)と同一の光触媒性最
外層を形成し、光触媒性最外層を最外面全面に形成し
た。質量510g/m2 の膜材(図6)を得た。 〈熱制御性物質含有保護層:エポキシ−シリコン系樹脂ベース〉 商標:セルトップ#056:ダイセル化学工業(株) :エポキシ−シリコン系共重合体(固形分50質量%)200質量部 商標:タケネートD−170N:武田薬品工業(株): ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体 (固形分100質量%) 10質量部 商標:超微粒子酸化亜鉛(平均粒子径0.1μmのZnO: 住友大阪セメント(株)) 1質量部 商標:SZ6079:東レ・ダウコーニングシリコーン(株) :ヘキサメチルジシラザン 10質量部 商標:スノーテックスXBA−ST:日産化学工業(株): コロイダルシリカ(固形分30質量%) 20質量部 商標:メチルシリケートMS51:コルコート(株): ポリメトキシシロキサン(固形分50質量%) 20質量部 希釈剤:トルエン/MEK(1:1質量比) 100質量部 試験結果を表1に示す。
【0081】実施例7 実施例1(i),(ii)と同様にして、添加物揮散防止
層が形成された積層体を作製し、この添加物揮散防止層
面全面上に膜厚約16.0nmの光制御層を形成した。光
制御層の形成は真空蒸着によって行い、ターゲット金属
にはアルミニウムを用いた。次に、光制御層の表面に、
実施例1(iii )と同一の保護層を形成し、次に、さら
にこの保護層の表面に実施例1(iv)と同一の光触媒性
最外層を形成し、光触媒性最外層を最外面全面に形成し
た。質量508g/m2 の膜材(図7)を得た。試験結
果を表2に示す。
【0082】実施例8 実施例2(i),(ii)と同様にして、添加物揮散防止
層が形成された積層体を作製し、この添加物揮散防止層
面全面上に膜厚約16.0nmの光制御層を形成した。光
制御層の形成は真空蒸着によって行い、ターゲット金属
にはアルミニウムを用いた。次に、光制御層の表面に、
実施例2(iii )と同一の熱制御性物質含有保護層を形
成し、次に、さらにこの保護層の表面に実施例1(iv)
と同一の光触媒性最外層を形成し、光触媒性最外層を最
外面全面に形成した。質量508g/m2 の膜材(図
8)を得た。試験結果を表2に示す。
【0083】実施例9 実施例3(i)と同様にして、添加物揮散防止層が形成
された積層体を作製し、この添加物揮散防止層面全面上
に膜厚約16.0nmの光制御層を形成した。光制御層の
形成は真空蒸着によって行い、ターゲット金属にはアル
ミニウムを用いた。次に、光制御層の表面全面に、80
メッシュ線にピラミッド彫刻されたグラビアロールを有
するロールコーター機を用いて、熱制御性物質含有保護
層を形成するための下記の塗工液(アクリル−シリコン
系樹脂に対して1質量%の金属酸化物微粒子:ZnOを
含有する)12g/m2 を塗布(wet)し、100℃
の熱風炉中で1分間乾燥させて熱制御性物質含有保護層
を形成した。その固形分付着量は6g/m2 であった。
次に、この保護層の表面上に、実施例1(iv)と同一の
光触媒性最外層を形成し、光触媒性最外層を最外面全面
に形成した。質量510g/m2 の膜材(図9)を得
た。試験結果を表2に示す。 〈熱制御性物質含有保護層の組成:アクリル−シリコン系樹脂ベース〉 商標:ネオシリカ#4000クリアー:イサム塗料(株) :アクリル−シリコーン共重合(固形分50質量%) 200質量部 商標:超微粒子酸化亜鉛(平均粒子径0.1μmのZnO: 住友大阪セメント(株)) 1質量部 商標:SZ6079:東レ・ダウコーニングシリコーン(株) :ヘキサメチルジシラザン 10質量部 商標:メチルシリケートMS51:コルコート(株) :ポリメトキシシロキサン(固形分50質量%) 40質量部 希釈剤:トルエン/MEK(1:1質量比)
100質量部試験結果を表2に示す。
【0084】実施例10 実施例1(i),(ii)と同様にして、添加物揮散防止
層が形成された積層体を作製し、この添加物揮散防止層
面全面上に、膜厚約16.0nmの光制御層を形成した。
この光制御層の形成は真空蒸着によって行い、ターゲッ
ト金属にはアルミニウムを用いた。次に、光制御層の表
面全面に、膜厚約10.0nmの金属酸化物透明層を形成
した。金属酸化物透明層の形成は真空蒸着によって行
い、金属酸化物にはアンチモンドープ酸化スズ(AT
O:住友大阪セメント(株))をターゲット材に用い
た。次にこの金属酸化物透明層の表面全面に、実施例1
(iii )と同一の保護層を形成し、次に、さらにこの保
護層の表面に実施例1(iv)と同一の光触媒性最外層を
形成し、光触媒性最外層を最外面全面上に形成した。質
量508g/m2 の膜材(図10)を得た。試験結果を
表2に示す。
【0085】実施例11 実施例2(i),(ii)と同様にして、添加物揮散防止
層が形成された積層体を作製し、この添加物揮散防止層
面全面上に膜厚約16.0nmの光制御層を形成した。光
制御層の形成は真空蒸着によって行い、ターゲット金属
にはアルミニウムを用いた。次に、光制御層の表面全面
に、膜厚約10.0nmの金属酸化物透明層を形成した。
金属酸化物透明層の形成は真空蒸着によって行い、金属
酸化物にはアンチモンドープ酸化スズ(ATO:住友大
阪セメント(株))をターゲット材に用いた。次にこの
金属酸化物透明層の表面全面に、実施例2(iii )と同
一の熱制御性物質含有保護層を形成し、次に、さらにこ
の熱制御性物質含有保護層の表面に実施例1(iv)と同
一の光触媒性最外層を形成し、光触媒性最外層を最外面
全面に形成した。質量508g/m2 の膜材(図11)
を得た。試験結果を表2に示す。
【0086】実施例12 実施例3(i)と同様にして、添加物揮散防止層が形成
された積層体を作製し、この添加物揮散防止層面全面上
に膜厚約16.0nmの光制御層を形成した。光制御層の
形成は真空蒸着によって行い、ターゲット金属にはアル
ミニウムを用いた。次に、光制御層の表面全面に、膜厚
約10.0nmの金属酸化物透明層を形成した。金属酸化
物透明層の形成は真空蒸着によって行い、金属酸化物に
はアンチモンドープ酸化スズ(ATO:住友大阪セメン
ト(株))をターゲット材に用いた。次にこの金属酸化
物透明層の表面全面に、120メッシュ線にピラミッド
彫刻されたグラビアロールを有するロールコーター機を
用いて、熱制御性物質含有保護層を形成するための下記
組成の塗工液(フォスファーゼン系樹脂に対して1質量
%の金属酸化物微粒子:ZnOを含有する)8g/m2
を塗布(wet)し、高圧紫外線ランプにより紫外線光
量500〜1000mj/cm2 で3秒間照射し、フォスフ
ァーゼン系樹脂を光硬化させて熱制御性物質含有保護層
を形成した。固形分付着量は6g/m2 であった。次
に、さらにこの熱制御性物質含有保護層の表面に実施例
1(iv)と同一の光触媒性最外層を形成し、光触媒性最
外層を最外面全面上に形成した。質量511g/m2
膜材(図12)を得た。 〈熱制御性物質含有保護層:フォスファーゼン系樹脂ベース〉 商標:ACE−40:出光石油化学(株): メタアクリル酸2−ヒドロキシエチル置換P−N6員 環フォスファーゼン(3PC−6HEMA) 100質量部 商標:超微粒子酸化亜鉛(平均粒子径0.1μmのZnO: 住友大阪セメント(株)) 1質量部 商標:スノーテックスXBA−ST:日産化学工業(株): コロイダルシリカ(固形分30質量%) 30質量部 商標:メチルシリケートMS51:コルコート(株) :ポリメトキシシロキサン(固形分50質量%) 20質量部 試験結果を表2に示す。
【0087】
【表1】
【0088】
【表2】
【0089】実施例1〜12の試験結果 実施例1〜3(図1〜3)は、可撓樹脂層、及び/又は
保護層中に、金属酸化物微粒子、及び/又は近赤外線吸
収性色素の少なくとも1種からなる熱制御性物質を含む
膜材であり、実施例4〜6(図4〜6)は、それぞれ実
施例1〜3の熱制御性物質含有樹脂層、または可撓性樹
脂層と、保護層、または熱制御性物質含有保護層との間
に、金属酸化物透明層を設けた膜材であり、実施例7〜
9(図7〜9)は、それぞれ実施例1〜3の熱制御性物
質含有樹脂層、または可撓性樹脂層と、保護層または熱
制御性物質含有保護層との間に、光制御層を設けた膜材
であり、実施例10〜12(図10〜12)は、それぞ
れ実施例1〜3の熱制御性物質含有樹脂層、または可撓
性樹脂層と、保護層または熱制御性物質含有保護層との
間に、光制御層と、その表面に設けられた金属酸化物透
明層とを設けた膜材である。これらの膜材は、表1及び
表2から明らかなようにそれぞれ高い遮熱性(試験I)
を有するものであり、特に実施例7〜12の、層構造中
に、光制御層、及び/又は金属酸化物透明層を有する膜
材が最も遮熱効果に優れていた。また、これらの実施例
の膜材は何れも最外面に光触媒性最外層を有しているた
め、屋外展張時(試験II)には膜材表面に自然付着する
煤塵汚れ(環境汚れ)が極めて少なく、膜材の外観が初
期状態に近い美麗さを長期間にわたり保つことのできる
ものであった。また、1ヶ月ごとの詳細な観察による
と、膜材表面に付着した煤塵汚れは、降雨によって、付
着汚れが効果的に洗い流され、これらの膜材においては
表面に蓄積した煤塵汚れが、光触媒物質によって逐次分
解され、常時、膜体の表面から脱離し易い状態に置かれ
ていることが明らかとなった。従来の遮熱性膜材では、
初期的に効果的な遮熱効果が得られても、煤塵汚れの付
着によって、例えば、金属蒸着層面での光反射効果や、
熱線吸収性物質層への光進入を妨げるようになるため、
これらの煤塵汚れの蓄積物を除去しない限り、経時的に
機能的な遮熱効果が失効する事実は不可避なものであっ
た。しかし、本発明の膜材では、膜材の表面が長期間に
わたり初期に近い状態を保つ機能を有するため、継続的
に安定した遮熱効果を発現可能であることが、試験III
によって明らかとなった。また、試験IVの結果から、本
発明の膜材は、適度な採光性を有するため、屋外で使用
可能なテント構造物や、トラック幌などにも適して使用
することができ、これらの用途において、人的に快適な
温度空間、及び、貨物輸送に適した温度環境を提供する
ことができるものであることが明らかとなった。
【0090】比較例1 実施例1と同様にして膜材を作製した。但し、熱制御性
物質含有樹脂層形成用の軟質塩化ビニル樹脂組成物か
ら、金属酸化物微粒子(ITO:インジウムドープ酸化
スズ:住友大阪セメント(株))0.6質量部を除い
た。得られた膜材は、屋外展張12ヶ月間、煤塵汚れの
付着が目立たず、安定した採光性を得ることが可能なも
のであったが、根本的に遮熱性に乏しく、遮熱効果を期
待する用途には不適切なものであった。試験結果を表3
に示す。
【0091】比較例2 実施例2と同様にして膜材を作製した。但し、実施例2
(iii )の光触媒性最外層の形成を省略した。得られた
膜材は、初期的には十分な遮熱効果を有するものであっ
たが、屋外展張の12ヶ月間に煤塵汚れが徐々に膜材の
表面に蓄積、固着してしまうことによって、本来の遮熱
効果が煤塵汚れの進行に伴って失効することが明らかと
なった。従って、この膜材では屋外で遮熱効果を期待し
て長期間使用するには不適切なものであった。試験結果
を表3に示す。
【0092】比較例3 実施例5と同様にして膜材を作製した。但し、熱制御性
物質含有樹脂層形成用の軟質塩化ビニル樹脂組成物か
ら、金属酸化物微粒子(ITO:インジウムドープ酸化
スズ:住友大阪セメント(株))0.6質量部と、フタ
ロシアニン系近赤外線吸収性色素(商標:TX−103
A:日本触媒(株))0.03質量部とを除き、さら
に、実施例5の膜材から、光触媒性最外層の形成を省略
した。得られた膜材は、初期的には十分な遮熱効果を有
するものであったが、屋外展張の12ヶ月間に煤塵汚れ
が徐々に膜材の表面に蓄積、固着してしまうことによっ
て、本来の遮熱効果が煤塵汚れの進行に伴って失効する
ことが明らかとなった。従って、この膜材では屋外で遮
熱効果を期待して長期間使用するには不適切なものであ
った。試験結果を表3に示す。
【0093】比較例4 実施例7と同様にして膜材を作製した。但し、熱制御性
物質含有樹脂層形成用の軟質塩化ビニル樹脂組成物か
ら、金属酸化物微粒子(ITO:インジウムドープ酸化
スズ:住友大阪セメント(株))0.6質量部の配合を
除き、さらに、実施例7の膜材から、光触媒性最外層の
形成を省略した。得られた膜材は、初期的には十分な遮
熱効果を有するものであったが、屋外展張の12ヶ月間
に煤塵汚れが徐々に膜材の表面に蓄積、固着してしまう
ことによって、本来の遮熱効果が煤塵汚れの進行に伴っ
て失効することが明らかとなった。従って、この膜材で
は屋外で遮熱効果を期待して長期間使用するには不適切
なものであった。試験結果を表3に示す。
【0094】比較例5 実施例3と同様にして膜材を作製した。但し、可撓性樹
脂層形成用の軟質塩化ビニル樹脂組成に、粉末アルミニ
ウムフレーク粉(商標:アルペーストP0100:45
μmメッシュパス:東洋アルミニウム(株))2質量部
を配合し、また、実施例3の保護層を省略した。得られ
た膜材は、屋外展張6ヶ月間までは煤塵汚れの付着が目
立たないものであったが、遮熱性に乏しく、遮熱効果を
期待する用途には不適切なものであった。また、熱制御
性保護層を省略したことによって、比較例5の膜材は1
2ヶ月後に、光触媒物質含有層が風化するとともに、熱
可塑性樹脂層に煤塵汚れが付着して、アルミニウム粉末
の光反射効果が失効してしまい、初期の遮熱効果を持続
することができなかった。また、比較例5の膜材では採
光性が全くないものであった。試験結果を表3に示す。
【0095】比較例6 実施例3と同様にして膜材を作製した。但し、可撓性樹
脂層形成用の軟質塩化ビニル樹脂組成物に、カーボンブ
ラック顔料(商標:HSM5078Kスタンダードカラ
ー:カーボンブラック含有量35質量%:日弘ビックス
(株))3質量部を配合し、また、実施例3の熱制御性
物質含有保護層を省略した。得られた黒色の膜材は、屋
外展張12ヶ月間、煤塵汚れの付着が目立たず、安定し
た数値での遮熱性を持続可能なものであったが、しか
し、この数値では遮熱効果に乏しく、遮熱効果を期待す
る用途には不適切なものであった。また、比較例6の膜
材は採光性が全くないものであった。試験結果を表3に
示す。
【0096】
【表3】
【0097】
【発明の効果】本発明の採光性遮熱膜材には、熱制御性
物質を含む可撓性樹脂層及び保護層の少なくとも1層が
配置され、かつ、光触媒性最外層を膜材の最外面に設け
ることによって、遮熱機能の減衰を招く原因となる煤塵
付着汚れ(環境汚れ)の付着を効果的に防止すると同時
に、長期に渡り安定した遮熱効果を持続することが可能
であり、さらにテント構造物やトラック幌などに適した
適度な採光性を有するなど、極めて有用性の高い膜材で
ある。従って本発明の採光性遮熱膜材は、日除けテン
ト、シートハウスなどに利用して保管資材の過度の温度
上昇を防ぐ目的に適し、また同様に、物流中の商品、食
品などに対しての過度の温度上昇を防ぐ目的で、トラッ
ク幌、荷台カバーなどにも好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の採光性遮熱膜材の一例の構成を示す断
面説明図。
【図2】本発明の採光性遮熱膜材の他の例の構成を示す
断面説明図。
【図3】本発明の採光性遮熱膜材の他の例の構成を示す
断面説明図。
【図4】本発明の採光性遮熱膜材の他の例の構成を示す
断面説明図。
【図5】本発明の採光性遮熱膜材の他の例の構成を示す
断面説明図。
【図6】本発明の採光性遮熱膜材の他の例の構成を示す
断面説明図。
【図7】本発明の採光性遮熱膜材の他の例の構成を示す
断面説明図。
【図8】本発明の採光性遮熱膜材の他の例の構成を示す
断面説明図。
【図9】本発明の採光性遮熱膜材の他の例の構成を示す
断面説明図。
【図10】本発明の採光性遮熱膜材の他の例の構成を示
す断面説明図。
【図11】本発明の採光性遮熱膜材の他の例の構成を示
す断面説明図。
【図12】本発明の採光性遮熱膜材の他の例の構成を示
す断面説明図。
【符号の説明】
1…採光性遮光膜材 1a…シート状基材 2−1…表面側可撓性樹脂層 2−2…裏面側可撓性樹脂層 2a−1…表面側熱制御性物質含有可撓性樹脂層 2a−2…裏面側熱制御性物質含有可撓性樹脂層 3…光触媒性最外層 4…保護層 4a…熱制御性物質含有保護層 5…金属酸化物透明層 6…光制御層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2E141 AA02 AA09 EE02 EE03 EE04 EE05 4F100 AA17C AA17D AA21C AA21D AA25C AA25D AA27C AA27D AA28C AA28D AA33C AA33D AB01E AB03C AB10C AB13C AB16C AB17C AB21C AB33E AK01B AK15 AK17D AK36D AK41 AK52D AK53D AK79D AL05C AL05D AR00D AT00A BA04 BA05 BA10A BA10C CA13 DE01C DE01D DG11A EH46 EH462 GB07 GB32 JB16B JB16C JB16D JJ02 JJ02C JJ02D JK17B JL08C JN01D JN08C JN08D YY00C YY00D

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状基材と、このシート状基材の表
    裏両面の少なくとも1面上に形成され、かつ熱可塑性樹
    脂を含む可撓性樹脂層と、前記シート状基材の少なくと
    も表面側の可撓性樹脂層の上に形成され、かつ光触媒物
    質を含む光触媒性最外層と、前記可撓性樹脂層と、前記
    光触媒性最外層との間に形成され、かつ前記可撓性樹脂
    層を、前記光触媒性最外層の光触媒作用から保護するた
    めの難分解性樹脂を含む保護層とを含み、 前記可撓性樹脂層及び前記保護層の少なくとも1層中
    に、金属酸化物微細粒子及び近赤外線吸収性色素から選
    ばれた少なくとも1種からなる熱制御性物質が含有さ
    れ、それによって、熱制御性物質含有可撓性樹脂層及び
    熱制御性物質含有保護層の少なくとも1層が構成されて
    おり、全体として3%以上の透光率(JISL 105
    5、A法による遮光率の補数)を有することを特徴とす
    る採光性遮熱膜材。
  2. 【請求項2】 前記熱制御性物質含有可撓性樹脂層が、
    前記熱可塑性樹脂の質量に対し、0.05〜3.0質量
    %の前記熱制御性物質を含む、請求項1に記載の採光性
    遮熱膜材。
  3. 【請求項3】 前記熱制御性物質含有保護層が、前記難
    分解性樹脂の質量に対し、0.5〜10.0質量%の前
    記熱制御性物質を含む、請求項1又は2に記載の採光性
    遮熱膜材。
  4. 【請求項4】 前記熱制御性物質含有可撓性樹脂層及び
    前記熱制御性物質含有保護層の少なくとも1層中に含ま
    れる熱制御性物質の含有量が、0.001〜50g/m
    2 である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の採光性
    遮熱膜材。
  5. 【請求項5】 前記可撓性樹脂層と、前記保護層との間
    に、少なくとも1種の金属酸化物からなる金属酸化物透
    明層が更に形成されており、前記可撓性樹脂層及び前記
    保護層の少なくとも1層中に前記熱制御性物質が含まれ
    ている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の採光性遮
    熱膜材。
  6. 【請求項6】 前記可撓性樹脂層と前記保護層との間
    に、金属薄膜からなる光制御層が更に形成されており、
    前記可撓性樹脂層及び前記保護層の少なくとも1層中に
    前記熱制御性物質が含まれている、請求項1〜4のいず
    れか1項に記載の採光性遮熱膜材。
  7. 【請求項7】 前記可撓性樹脂層の表面上に、金属薄膜
    からなる光制御層が形成され、この光制御層の表面上
    に、少なくとも1種の金属酸化物からなる金属酸化物透
    明層が形成され、この金属酸化物透明層の表面上に前記
    保護層が形成されており、前記可撓性樹脂層及び前記保
    護層の少なくとも1層中に前記熱制御性物質が含まれて
    いる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の採光性遮熱
    膜材。
  8. 【請求項8】 前記熱制御性物質用金属酸化物及び前記
    金属酸化物透明層用金属酸化物が、それぞれ互いに独立
    に、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウ
    ム、酸化インジウム、スズドープ酸化インジウム、イン
    ジウムドープ酸化スズ、及びアンチモンドープ酸化スズ
    から選ばれた少なくとも1種を含む、請求項1〜7のい
    ずれか1項に記載の採光性遮熱膜材。
  9. 【請求項9】 前記熱制御性物質用近赤外線吸収色素
    が、フタロシアニン系化合物、ナフトールキノン系化合
    物、イモニウム系化合物、アントラキノン系化合物、ア
    ミニウム系化合物、及びニッケル−チオール系錯体化合
    物から選ばれた少なくとも1種を含む、請求項1〜7の
    いずれか1項に記載の採光性遮熱膜材。
  10. 【請求項10】 前記シート状基材が、プラスチックフ
    ィルム及びシート、繊維布帛並びに熱可塑性樹脂により
    表面被覆された繊維布帛から選ばれた少なくとも1員に
    より構成されている、請求項1〜9のいずれか1項に記
    載の採光性遮熱膜材。
  11. 【請求項11】 前記シート状基材用繊維布帛が、目合
    い空隙率10〜85%の目開き編織物から選ばれる、請
    求項10に記載の採光性遮熱膜材。
  12. 【請求項12】 前記難分解性樹脂が、シリコン系樹
    脂、フッ素系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、
    及びフォスファーゼン系樹脂から選ばれた少なくとも1
    種を含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の採光
    性遮熱膜材。
  13. 【請求項13】 前記難分解性樹脂中に少なくとも1種
    のケイ素化合物が混合されており、このケイ素化合物
    が、ポリシロキサン、コロイダルシリカ、シリカから選
    ばれる、請求項1〜12のいずれか1項に記載の採光性
    遮熱膜材。
  14. 【請求項14】 前記光制御層が、アルミニウム、ニッ
    ケル、クロム、ステンレス、銅、及びスズの金属、並び
    にこれらの酸化物、窒化物、及び炭化物から選ばれた1
    種以上の蒸着により形成された薄膜からなる、請求項6
    〜13のいずれか1項に記載の採光性遮熱膜材。
  15. 【請求項15】 前記金属酸化物透明層が、酸化チタ
    ン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化イン
    ジウム、スズドープ酸化インジウム、インジウムドープ
    酸化スズ、及びアンチモンドープ酸化スズから選ばれた
    1種以上の金属酸化物をスパッタリングまたは蒸着して
    形成された薄膜からなる、請求項5,7,8〜14のい
    ずれか1項に記載の採光性遮熱膜材。
  16. 【請求項16】 前記可撓性樹脂層と、その上に形成さ
    れた保護層、金属酸化物透明層、又は光制御層との間に
    形成された添加物揮散防止層をさらに含み、前記可撓性
    樹脂層、及び前記保護層の少なくとも1層が前記熱制御
    性物質を含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載の
    採光性遮熱膜材。
  17. 【請求項17】 前記光触媒性最外層が、光触媒物質1
    0〜70質量%と、金属酸化物ゲル及び金属水酸化物ゲ
    ルから選ばれた1種以上25〜90質量%と、ケイ素化
    合物1〜20質量%とを含有する、請求項1〜16のい
    ずれか1項に記載の採光性遮熱膜材。
  18. 【請求項18】 前記光触媒物質が、酸化チタン(Ti
    2 )、過酸化チタン(ペルオキソチタン酸)、酸化亜
    鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2 )、チタン酸ストロ
    ンチウム(SrTiO3 )、酸化タングステン(WO
    3 )、酸化ビスマス(Bi23 )、及び酸化鉄(Fe
    23 )から選ばれた少なくとも1種を含有する、請求
    項1〜17のいずれか1項に記載の採光性遮熱膜材。
  19. 【請求項19】 前記光触媒物質が、酸化チタン(Ti
    2 )、過酸化チタン(ペルオキソチタン酸)、酸化亜
    鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2 )、チタン酸ストロ
    ンチウム(SrTiO3 )、酸化タングステン(WO
    3 )、酸化ビスマス(Bi23 )、及び酸化鉄(Fe
    23 )から選ばれた少なくとも1種以上と、それを担
    持する無機系多孔質微粒子とからなるものである、請求
    項1〜17のいずれか1項に記載の採光性遮熱膜材。
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