JP7241403B2 - 産業用シート材 - Google Patents
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Description
耐屈曲揉み性:JIS L1096 8.19.2 B法)スコット形法
シート材から採取した2.5cm(タテ)×12cm(ヨコ)、及び2.5cm(ヨコ)×12cm(タテ)を試験片として、スコット形試験機に装着(ストローク4cm)し、1kgfg荷重×100回の屈曲揉みを施した後、デジタルマイクロスコープ(VHX-1000:株式会社キーエンス)を使用して防汚層の500倍の拡大画像観察を行い、防汚層に亀裂の有無、及び剥離や脱落の有無を判定した。
1:防汚層に亀裂、剥離、脱落の何れも認めない
2:防汚層に亀裂を認めるが、剥離、脱落は認めない
3:防汚層に亀裂、剥離、脱落を認める
耐摩耗性:JIS L1096 8.19.3 C法)テーバ形法
シート材から採取した直径13cmの円盤を試験片として、テーバ形摩耗試験機に装着(摩耗輪CS-10)し、荷重2.45Nで50回転、及び100回転の摩耗を施した後、埼玉県草加市内、2019年7月~9月の3ケ月間の屋外曝露を行い防汚層(摩耗試験部分)の汚れ度合いを色差ΔE(JIS Z8730)で判定(清拭、洗浄なしの状態で測定)した。
1:ΔE=0~2.9 初期状態を維持する好成績(問題なし)
2:ΔE=3~4.9 やや薄黒いが気にならない(問題なし)
3:ΔE=5~7.9 薄黒く、気になる
4:ΔE=8~9.9 黒ずみ、汚らしい
5:ΔE=10~ かなり黒ずんで、汚い
〈織物(1)〉
1000デニール(1111dtex)のポリエチレンテレタレート(PET)繊維(フィラメント数192本)からなり、S撚50T/mを施したPETマルチフィラメント糸条を経糸群及び緯糸群に用い、経糸群は1インチ間16本の織組織とし、また緯糸群は1インチ間16本の織組織とする平織物を用いた。この織物(1)の質量は150g/m2、空隙率(目抜け部総和)は14%であった。
〈ターポリン基材〉
この織物(1)を基材として、その両面に下記〔配合1〕の軟質塩化ビニル樹脂組成物からなる厚さ0.2mmのカレンダー成型フィルムを表裏の被覆層として、ラミネーターでの熱圧着による溶融ラミネートを施して、厚さ0.7mm、質量830g/m2のターポリン基材を得た。
〔配合1〕:軟質塩化ビニル樹脂組成物(コンパウンド)
塩化ビニル樹脂(重合度1300) 100質量部
4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ビス(2-エチルヘキシル)(可塑剤)
55質量部
リン酸トリクレジル(防炎可塑剤) 10質量部
エポキシ化大豆油(安定剤兼可塑剤) 5質量部
バリウム/亜鉛複合安定剤 2質量部
三酸化アンチモン(難燃剤) 10質量部
ルチル型酸化チタン(白顔料) 5質量部
ベンゾトリアゾール骨格化合物(紫外線吸収剤) 0.3質量部
〈産業用シート材(1):ターポリン〉
ターポリン基材の片表面上に、下記〔配合2〕のフッ素系樹脂塗料を100メッシユのグラビアロールによりターポリン基材の片面(表面)にグラビア塗工し、120℃の熱風炉で2分間加熱乾燥し、〔配合2〕のフッ素系樹脂塗料が硬化(フッ素樹脂が含有する水酸基と硬化剤のオキサゾリン基との反応)した有機重合体による防汚層を付帯する「防汚層〔配合2による〕/被覆層/織物(1)/被覆層」断面構造の厚さが0.71mm、質量835g/m2の産業用シート材(1)を得た。
〔配合2〕防汚層形成用塗料
水酸基含有フルオロオレフィンビニルエーテル共重合体 100質量部
※フッ素系樹脂エマルジョン(固形分50質量%)
オキサゾリン基を有するアクリル/スチレンポリマー硬化剤 10質量部
※エマルジョン(固形分40質量%):オキサゾリン基量1.8mmol/g(固形分)
エポキシ系シランカップリング剤 2質量部
※3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
変性セルロースナノファイバー(2質量%水溶液) 100質量部
※3-アミノプロピルトリメトキシシラン(アミノ系シランカップリング剤)の加水分
解物をセルロースナノファイバーの水酸基に反応させたシランカップリング処理変性体
:繊維幅3~10nm:繊維長30~100μm
〈織物(2)〉
1000デニール(1111dtex)のポリエチレンテレタレート(PET)繊維(フィラメント数192本)からなり、S撚50T/mを施したマルチフィラメント糸条を経糸群、及び緯糸群に用い、経糸群及び緯糸群は1インチ間16本の織組織とし、但し経糸群及び緯糸群の糸条配列1,2,3,4,5・・・n(nは整数)において、10の倍数(10,20,30・・・)本目毎に、4,6-ジアミノレゾルシノールとテレフタル酸との重縮合物から乾式紡糸されたポリベンゾオキサゾール(PBO)の延伸マルチフィラメント糸条(1100dtex:フィラメント本数664、S撚50T/m)が格子状に置換挿入し、ポリベンゾオキサゾール(PBO)の延伸マルチフィラメント糸条の糸本数による含有率を10%本とするリップストップ織物(2)を用いた。この織物(2)の質量は165g/m2、空隙率(目抜け部総和)は14%であった。織物(2)を基材として、その両面に〔配合1〕の軟質塩化ビニル樹脂組成物からなる厚さ0.2mmのカレンダー成型フィルムを表裏の被覆層として、ラミネーターでの熱圧着による溶融ラミネートを施し、厚さ0.70mm、質量845g/m2のターポリン基材を得た。このターポリン基材の片表面上に、下記〔配合3〕のフッ素系樹脂塗料を100メッシユのグラビアロールによりターポリン基材の片面(表面)にグラビア塗工し、120℃の熱風炉で2分間加熱乾燥し、〔配合3〕のフッ素系樹脂塗料が硬化(フッ素樹脂が含有する水酸基と硬化剤のオキサゾリン基との反応)した有機重合体による防汚層を付帯する「防汚層〔配合3による〕/被覆層/織物(2)/被覆層」断面構造の厚さが0.71mm、質量850g/m2の産業用シート材(2)を得た。
〔配合3〕防汚層形成用塗料
水酸基含有フルオロオレフィンビニルエーテル共重合体 100質量部
※フッ素系樹脂エマルジョン(固形分50質量%)
オキサゾリン基を有するアクリル/スチレンポリマー硬化剤 10質量部
※エマルジョン(固形分40質量%):オキサゾリン基量1.8mmol/g(固形分)
メタクリル系シランカップリング剤 2質量部
※3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
変性セルロースナノクリスタル(2質量%水溶液) 100質量部
※3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(イソシアネート系シランカップリ
ング剤)の加水分解物をセルロースナノクリスタルの水酸基に反応させたシランカップ
リング処理変性体:平均アスペクト比(平均繊維長/平均繊維径)50以下、平均繊維
径10nm~50nm、平均繊維長300nm~500nmの短繊維
実施例1の〔配合2〕に用いたシランカップリング剤処理された変性セルロースナノファイバーを、ホウ酸エステル化された変性セルロースナノファイバーに変更した〔配合4〕とした以外は実施例1と同様として「防汚層〔配合4による〕/被覆層/織物(1)/被覆層」断面構造の厚さが0.71mm、質量835g/m2の産業用シート材(3)を得た。
〔配合4〕防汚層形成用塗料
水酸基含有フルオロオレフィンビニルエーテル共重合体 100質量部
※フッ素系樹脂エマルジョン(固形分50質量%)
オキサゾリン基を有するアクリル/スチレンポリマー硬化剤 10質量部
※エマルジョン(固形分40質量%):オキサゾリン基量1.8mmol/g(固形分)
エポキシ系シランカップリング剤 2質量部
※3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
ホウ酸エステル化変性セルロースナノファイバー(2質量%水溶液) 100質量部
※3質量%ホウ酸+78質量%エチルセロソルブの水溶液をカルボキシメチル化セルロ
ースナノファイバー(セルロースの1級、2級水酸基(2,3,6位)をカルボキシメチ
ル化)のカルボキシメチル基に反応させた変性体:繊維幅3~10nm:繊維長30~100μm
〈織物(3)〉
1000デニール(1111dtex)のポリエチレンテレタレート(PET)繊維(フィラメント数192本)からなり、S撚50T/mを施したマルチフィラメント糸条を経糸群及び左上バイアス糸群/右上バイアス糸群に用い、経糸群は1インチ間13本の織組織とし、また左上バイアス糸群/右上バイアス糸群は各々1インチ間13本の織組織とする三軸平織物を織物(3)に用いた。この織物(3)の質量は180g/m2、空隙率(目抜け部総和)は11%であった。織物(3)を基材として、その両面に〔配合1〕の軟質塩化ビニル樹脂組成物からなる厚さ0.2mmのカレンダー成型フィルムを表裏の被覆層として、ラミネーターでの熱圧着による溶融ラミネートを施し、厚さ0.7mm、質量860g/m2のターポリン基材を得た。このターポリン基材の表面に有機重合体による防汚層を形成した。防汚層は実施例1の〔配合2〕に用いたシランカップリング剤処理された変性セルロースナノファイバーを、リン酸エステル化された変性セルロースナノファイバーに変更した〔配合5〕とした以外は実施例1と同様として、「防汚層〔配合5による〕/被覆層/織物(3)/被覆層」断面構造の厚さが0.71mm、質量865g/m2の産業用シート材(4)を得た。
〔配合5〕防汚層形成用塗料
水酸基含有フルオロオレフィンビニルエーテル共重合体 100質量部
※フッ素系樹脂エマルジョン(固形分50質量%)
オキサゾリン基を有するアクリル/スチレンポリマー硬化剤 10質量部
※エマルジョン(固形分40質量%):オキサゾリン基量1.8mmol/g(固形分)
エポキシ系シランカップリング剤 2質量部
※3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
リン酸エステル化変性セルロースナノファイバー(2質量%水溶液) 100質量部
※3質量%リン酸+78質量%エチルセロソルブの水溶液をカルボキシメチル化セルロ
ースナノファイバー(セルロースの1級、2級水酸基(2,3,6位)をカルボキシメチ
ル化)のカルボキシメチル基に反応させた変性体:繊維幅3~10nm:繊維長30~100μm
〈織物(4)〉
750デニール(833dtex)のポリエチレンテレタレート(PET)繊維(フィラメント数145本)からなり、S撚50T/mを施したマルチフィラメント糸条を経糸群、緯糸群、及び4,6-ジアミノレゾルシノールとテレフタル酸との重縮合物から乾式紡糸されたポリベンゾオキサゾール(PBO)の延伸マルチフィラメント糸条(555dtex:フィラメント本数332、S撚50T/m)を左上バイアス糸群/右上バイアス糸群に用い、経糸群及び緯糸群は1インチ間14本の織組織とし、また左上バイアス糸群/右上バイアス糸群は各々1インチ間15本の織組織とする四軸平織物を織物(4)に用いた。この織物(4)の質量は202g/m2、空隙率(目抜け部総和)は9%であった。織物(4)を基材として、その両面に〔配合1〕の軟質塩化ビニル樹脂組成物からなる厚さ0.2mmのカレンダー成型フィルムを表裏の被覆層として、ラミネーターでの熱圧着による溶融ラミネートを施し、厚さ0.68mm、質量882g/m2のターポリン基材を得た。このターポリン基材の表面に有機重合体による防汚層を形成した。防汚層は実施例1の〔配合2〕に用いたシランカップリング剤処理された変性セルロースナノファイバーを、ケイ酸エステル化された変性セルロースナノクリスタルに変更した〔配合6〕とした以外は実施例1と同様として、「防汚層〔配合6による〕/被覆層/織物(4)/被覆層」断面構造の厚さが0.69mm、質量887g/m2の産業用シート材(5)を得た。
〔配合6〕防汚層形成用塗料
水酸基含有フルオロオレフィンビニルエーテル共重合体 100質量部
※フッ素系樹脂エマルジョン(固形分50質量%)
オキサゾリン基を有するアクリル/スチレンポリマー硬化剤 10質量部
※エマルジョン(固形分40質量%):オキサゾリン基量1.8mmol/g(固形分)
エポキシ系シランカップリング剤 2質量部
※3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
ケイ酸エステル化変性セルロースナノクリスタル(2質量%水溶液) 100質量部
※3質量%ケイ酸+78質量%エチルセロソルブの水溶液をカルボキシメチル化セルロ
ースナノクリスタル(セルロースの1級、2級水酸基(2,3,6位)をカルボキシメチ
ル化)のカルボキシメチル基に反応させた変性体:平均アスペクト比(平均繊維長/平均
繊維径)50以下、平均繊維径10nm~50nm、平均繊維長300nm~500nmの短繊維
実施例1の防汚層〔配合2による〕を下記の〔配合7〕による防汚層(有機/無機縮合体)に変更した以外は実施例1と同様として、〔配合7〕のエチルシリケートを加水分解して得られるシラノール基含有シラン化合物と、シランカップリング剤、光触媒性酸化チタンゾル、シリカゾル、及びシランカップリング処理セルロースナノファイバーとのゾルゲル構成要素で得た有機/無機縮合体による防汚層を付帯する「防汚層〔配合7による〕/被覆層/織物(1)/被覆層」断面構造の厚さが0.71mm、質量835g/m2の産業用シート材(6)を得た。
〔配合7〕防汚層形成用塗料
エチルシリケート(Si(OC2H5)4:SiO2換算40質量%)
※[Si5O4(OC2H5)12]のテトラエトキシシラン5量体 100質量部
加水分解触媒:2%塩酸 5質量部
光触媒性酸化チタンゾル 50質量部
硝酸酸性:粒子径10nm:固形分30質量%エタノール溶液
ビニル系シランカップリング剤 5質量部
※ビニルトリメトキシシラン
シリカゾル(粒子径12nm:固形分30質量%エタノール溶液) 50質量部
変性セルロースナノファイバー(2質量%水溶液) 500質量部
※3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(メルカプト系シランカップリング剤)
の加水分解物をセルロースナノファイバーの水酸基に反応させたシランカップリング
処理変性体:繊維幅3~10nm:繊維長30~100μm
実施例2の防汚層〔配合3による〕を下記の〔配合8〕による防汚層(有機/無機縮合体)に変更した以外は実施例2と同様として、〔配合8〕のエチルシリケートを加水分解して得られるシラノール基含有シラン化合物と、シランカップリング剤、光触媒性酸化チタンゾル、シリカゾル、及びシランカップリング処理セルロースナノクリスタルとのゾルゲル構成要素で得た有機/無機縮合体による防汚層を付帯する「防汚層〔配合8による〕/被覆層/織物(2)/被覆層」断面構造の厚さが0.71mm、質量850g/m2の産業用シート材(7)を得た。
〔配合8〕防汚層形成用塗料
エチルシリケート(Si(OC2H5)4:SiO2換算40質量%)
※[Si5O4(OC2H5)12]のテトラエトキシシラン5量体 100質量部
加水分解触媒:2%塩酸 5質量部
光触媒性酸化チタンゾル 50質量部
硝酸酸性:粒子径10nm:固形分30質量%エタノール溶液
メタクリル系シランカップリング剤 5質量部
※3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
シリカゾル(粒子径12nm:固形分30質量%エタノール溶液) 50質量部
変性セルロースナノクリスタル(2質量%水溶液) 500質量部
※ビニルトリエトキシシラン(ビニル系シランカップリング剤)の加水分解物をセルロ
ースナノクリスタルの水酸基に反応させたシランカップリング処理変性体:平均アスペ
クト比(平均繊維長/平均繊維径)50以下、平均繊維径10nm~50nm、平均繊維長300nm
~500nmの短繊維
実施例3の防汚層〔配合4による〕を下記の〔配合9〕による防汚層(有機/無機縮合体)に変更した以外は実施例3と同様として、〔配合9〕のエチルシリケートを加水分解して得られるシラノール基含有シラン化合物と、シランカップリング剤、光触媒性酸化チタンゾル、シリカゾル、及びシランカップリング処理セルロースナノファイバーとのゾルゲル構成要素で得た有機/無機縮合体による防汚層を付帯する「防汚層〔配合9による〕/被覆層/織物(1)/被覆層」断面構造の厚さが0.71mm、質量835g/m2の産業用シート材(8)を得た。
〔配合9〕防汚層形成用塗料
エチルシリケート(Si(OC2H5)4:SiO2換算40質量%)
※[Si5O4(OC2H5)12]のテトラエトキシシラン5量体 100質量部
加水分解触媒:2%塩酸 5質量部
光触媒性酸化チタンゾル 50質量部
硝酸酸性:粒子径10nm:固形分30質量%エタノール溶液
ビニル系シランカップリング剤 5質量部
※ビニルトリメトキシシラン
シリカゾル(粒子径12nm:固形分30質量%エタノール溶液) 50質量部
ホウ酸エステル化変性セルロースナノファイバー(2質量%水溶液) 500質量部
※3質量%ホウ酸+78質量%エチルセロソルブの水溶液をカルボキシメチル化セルロ
ースナノファイバー(セルロースの1級、2級水酸基(2,3,6位)をカルボキシメチ
ル化)のカルボキシメチル基に反応させた変性体:繊維幅3~10nm:繊維長30~100μm
実施例4の防汚層〔配合5による〕を下記の〔配合10〕による防汚層(有機/無機縮合体)に変更した以外は実施例4と同様として、〔配合10〕のエチルシリケートを加水分解して得られるシラノール基含有シラン化合物と、シランカップリング剤、光触媒性酸化チタンゾル、シリカゾル、及びシランカップリング処理セルロースナノファイバーとのゾルゲル構成要素で得た有機/無機縮合体による防汚層を付帯する「防汚層〔配合10による〕/被覆層/織物(3)/被覆層」断面構造の厚さが0.71mm、質量865g/m2の産業用シート材(9)を得た。
〔配合10〕防汚層形成用塗料
エチルシリケート(Si(OC2H5)4:SiO2換算40質量%)
※[Si5O4(OC2H5)12]のテトラエトキシシラン5量体 100質量部
加水分解触媒:2%塩酸 5質量部
光触媒性酸化チタンゾル 50質量部
硝酸酸性:粒子径10nm:固形分30質量%エタノール溶液
ビニル系シランカップリング剤 5質量部
※ビニルトリメトキシシラン
シリカゾル(粒子径12nm:固形分30質量%エタノール溶液) 50質量部
リン酸エステル化変性セルロースナノファイバー(2質量%水溶液) 500質量部
※3質量%リン酸+78質量%エチルセロソルブの水溶液をカルボキシメチル化セルロ
ースナノファイバー(セルロースの1級、2級水酸基(2,3,6位)をカルボキシメチ
ル化)のカルボキシメチル基に反応させた変性体:繊維幅3~10nm:繊維長30~100μm
実施例5の防汚層〔配合6による〕を下記の〔配合11〕による防汚層(有機/無機縮合体)に変更した以外は実施例5と同様として、〔配合11〕のエチルシリケートを加水分解して得られるシラノール基含有シラン化合物と、シランカップリング剤、光触媒性酸化チタンゾル、シリカゾル、及びシランカップリング処理セルロースナノクリスタルとのゾルゲル構成要素で得た有機/無機縮合体による防汚層を付帯する「防汚層〔配合11による〕/被覆層/織物(4)/被覆層」断面構造の厚さが0.69mm、質量877g/m2の産業用シート材(10)を得た。
〔配合11〕防汚層形成用塗料
エチルシリケート(Si(OC2H5)4:SiO2換算40質量%)
※[Si5O4(OC2H5)12]のテトラエトキシシラン5量体 100質量部
加水分解触媒:2%塩酸 5質量部
光触媒性酸化チタンゾル 50質量部
硝酸酸性:粒子径10nm:固形分30質量%エタノール溶液
ビニル系シランカップリング剤 5質量部
※ビニルトリメトキシシラン
シリカゾル(粒子径12nm:固形分30質量%エタノール溶液) 50質量部
ケイ酸エステル化変性セルロースナノファイバー(2質量%水溶液) 500質量部
※3質量%ケイ酸+78質量%エチルセロソルブの水溶液をカルボキシメチル化セルロ
ースナノクリスタル(セルロースの1級、2級水酸基(2,3,6位)をカルボキシメチ
ル化)のカルボキシメチル基に反応させた変性体:平均アスペクト比(平均繊維長/平均
繊維径)50以下、平均繊維径10nm~50nm、平均繊維長300nm~500nmの短繊維
実施例1~5において、防汚層([配合2-6])に各々光触媒性酸化チタンを担持する無機系多孔質微粒子(〔配合17〕)を5質量部追加配合し、[配合12-16]として用いた以外は、各々実施例1~5と同様として産業用シート材(11)~(16)を得た。(実施例11~16)
〈光触媒性酸化チタンを担持する無機系多孔質微粒子〉
〔配合17〕
エチルシリケート(Si(OC2H5)4:SiO2換算40質量%)
※[Si5O4(OC2H5)12]のテトラエトキシシラン5量体 25質量部
加水分解触媒:2%塩酸 1質量部
光触媒性酸化チタンゾル 25質量部
硝酸酸性:粒子径10nm:固形分30質量%エタノール溶液
ビニル系シランカップリング剤(ビニルトリメトキシシラン) 1質量部
多孔質シリカ球状粒子(3μmφ) 100質量部
水/エタノール 300質量部
※多孔質シリカ球状粒子にエチルシリケート、光触媒性酸化チタンゾル、及びシランカ
ップリング剤を吸着させ、120℃で1時間加熱処理することで、エチルシリケートを
加水分解して得られるシラノール基含有シラン化合物と、シランカップリング剤、光触
媒性酸化チタンゾルとのゾルゲル薄膜を多孔質シリカ球状粒子の表面、及び微細孔内に
形成した。
実施例1の防汚層[配合2]から、変性セルロースナノファイバー(2質量%水溶液)100質量部を省略し、水100質量部と置き換えた以外は実施例1と同様として、厚さ0.71mm、質量835g/m2の産業用シート材を得た。変性セルロースナノファイバーの省略があってもスコット式耐屈曲揉み試験での防汚層(フッ素系樹脂)への影響は確認されなかったが、テーバ摩耗試験(50回転、100回転)での摩耗ダメージが実施例1の防汚層[配合2]よりも劣るものとなったことで、屋外曝露での汚れ付着量が顕著に増して黒く汚れてしまい、シート材の表面に摩耗を受ける用途では、長期使用には適さないものと判断した。
実施例6の防汚層[配合7]から、変性セルロースナノファイバー(2質量%水溶液)500質量部を省略し、水500質量部と置き換えた以外は実施例6と同様として、厚さ0.71mm、質量835g/m2の産業用シート材を得た。変性セルロースナノファイバーの省略があったことでスコット式耐屈曲揉み試験での防汚層(ゾルゲル薄膜)に微細な亀裂の発生が認められた。またテーバ摩耗試験(50回転、100回転)での摩耗ダメージが実施例1の防汚層[配合2]よりも劣るものとなったことで、屋外曝露での汚れ付着量が顕著に増し、比較例1のシート材よりも酷く黒く汚れてしまい、シート材の表面に摩耗を受ける用途では、長期使用には適さないものと判断した。
実施例1の防汚層[配合2]で用いた変性セルロースナノファイバーから、3-アミノプロピルトリメトキシシランによるシランカップリング処理を省略した以外は実施例1と同様として、厚さ0.71mm、質量835g/m2の産業用シート材を得た。シランカップリング処理を省略したことで、テーバ摩耗試験(100回転)での摩耗ダメージが実施例1の防汚層[配合2]よりも若干劣るものとなったことで、屋外曝露での汚れ付着量が増してやや薄黒さを増したが、特に問題はないレベルと判断した。
実施例6の防汚層[配合7]で用いた変性セルロースナノファイバーから、3-メルカプトプロピルトリメトキシシランによるシランカップリング処理を省略した以外は実施例1と同様として、厚さ0.71mm、質量835g/m2の産業用シート材を得た。シランカップリング処理を省略したことで、テーバ摩耗試験(100回転)での摩耗ダメージが実施例1の防汚層[配合2]よりも若干劣るものとなったことで、屋外曝露での汚れ付着量が増してやや薄黒さを増したが、特に問題はないレベルと判断した。
Claims (8)
- 織物の表面及び裏面に熱可塑性樹脂組成物による被覆層が設けられ、さらに表面の被覆層に防汚層が形成された産業用シート材であって、前記防汚層の主構成要素が有機重合体、または有機/無機縮合体であり、かつ、セルロースナノファイバー、変性セルロースナノファイバー、セルロースナノクリスタル、及び変性セルロースナノクリスタル、から選ばれた1種以上のセルロース系物質を含有していることを特徴とする産業用シート材。
- 1)前記変性セルロースナノファイバー、及び2)前記変性セルロースナノクリスタルが共に、カルボキシメチル化、酸化変性、エステル化(ホウ酸エステル化、リン酸エステル化、ケイ酸エステル化、から選ばれた1種以上)、イソシアネート化、シランカップリング剤処理(アミノシラン変性、ビニルシラン変性、エポキシシラン変性、メタクリルシラン変性、アクリルシラン変性、クロルシラン変性、メルカプトシラン変性、イソシアヌレートシラン変性、イソシアネートシラン変性、から選ばれた1種以上)、から選ばれた1種以上の変性がなされたセルロース物質である請求項1に記載の産業用シート材。
- 前記有機重合体が、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル/シリコン系共重合体樹脂、フッ素系共重合体樹脂、アクリル系樹脂とフッ素系共重合体樹脂のブレンド、ウレタン/シリコン系グラフト共重合体樹脂、及びウレタン/フッ素系グラフト共重合体樹脂、から選ばれた1種以上である請求項1または2に記載の産業用シート材。
- 前記有機重合体が、光触媒性酸化チタン、光触媒性過酸化チタン(ペルオキソチタン酸)、光触媒性酸化亜鉛、光触媒性酸化錫、光触媒性チタン酸ストロンチウム、光触媒性酸化タングステン、光触媒性酸化ビスマス、及び光触媒性酸化鉄、から選ばれた1種以上の光触媒性金属酸化物を担持する無機系多孔質微粒子を含有する請求項3に記載の産業用シート材。
- 前記有機/無機縮合体が、オルガノシリケート化合物、またはシラノール基含有有機シラン化合物のゾルゲル縮合体である請求項1または2に記載の産業用シート材。
- 前記有機/無機縮合体が、光触媒性酸化チタン、光触媒性過酸化チタン(ペルオキソチタン酸)、光触媒性酸化亜鉛、光触媒性酸化錫、光触媒性チタン酸ストロンチウム、光触媒性酸化タングステン、光触媒性酸化ビスマス、及び光触媒性酸化鉄、から選ばれた1種以上の光触媒性金属酸化物を含有する請求項5に記載の産業用シート材。
- 前記織物が、1)経糸及び緯糸とする織物、または2)経糸及び左上/右上バイアス糸とする三軸織物、または3)経糸、緯糸及び左上/右上バイアス糸とする四軸織物、の何れかである請求項1~6の何れかに記載の産業用シート材。
- 前記織物が、ポリベンゾイミダゾール系、ポリベンゾオキサゾール系、ポリベンゾチアゾール系、及びこれらの共重合高分子(ベンゾイミダゾール-ベンゾオキサゾール共重合系、ベンゾイミダゾール-ベンゾチアゾール共重合系、ベンゾオキサゾール-ベンゾチアゾール共重合系、ベンゾイミダゾール-ベンゾオキサゾール-ベンゾチアゾール共重合系、芳香族ポリアミド成分を含む上記共重合系)、の群から選ばれた1種以上の芳香族複素環高分子繊維からなる糸条を含んでいる請求項7に記載の産業用シート材。
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