JP4785217B2 - 撥水性基体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セメント成形品、石タイル、金属タイル等の建材、コンクリート等の土木・建築物、砂岩等石材の建材・モニュメント、メガネ、光学レンズ等のガラス製品、合成樹脂板、プラスチックシート、繊維等の合成樹脂製品などの基材表面に撥水性処理が施され、その表面が撥水作用及び光触媒作用を有する防汚かつ防露機能を備えた撥水性基体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、撥水作用を有する撥水性基体としては次のものが知られている。例えば、特開平7−291667号公報には、光学特性を損なうことなく、透明で撥水性を有しかつ紫外線や赤外線を吸収遮蔽、特に400nm付近の波長の紫外線を充分に遮蔽することができ、密着性、耐薬品性、耐擦傷性等耐久性に優れた撥水性紫外線赤外線吸収ガラスを得るために、ガラス基板等の透明基材の片面に、ケイ素イソシアネート化合物とフルオロアルキルシラン化合物とを含有する撥水性薄膜を形成し、該基板のもう一方の表面に、蛍光増白剤、紫外線吸収剤及び赤外線吸収剤を溶解添加してなる合成樹脂系プライマーコーティング溶液を塗布して加熱硬化し形成した紫外線・赤外線吸収性薄膜と、該紫外線・赤外線吸収性薄膜上にシロキサンプレポリマーが有機溶剤に溶解されてなるシリコーン系ハードコーティング溶液を塗布して加熱硬化し被覆形成した保護薄膜とを備えてなる撥水性紫外線・赤外線吸収ガラスが記載されている。
【0003】
特開平8−143332号公報には、反射防止膜付きの光学素子のような被処理基材表面が汚染されることを長期間防止でき、常に良好な表面を確保することができる強固な撥水性薄膜を形成するために、撥水性薄膜の形成前に基材の表面をイオンビーム法、プラズマ法、またはボンバード法等により活性化処理し、この活性化処理された表面に、PVD法によって撥水性のあるパーフルオロ基を含む有機珪素化合物の薄膜を形成する方法が開示されている。
【0004】
特開平8−12922号公報には、建築物の窓枠の下などの雨水が集まって流れる部分に発生しやすいすじ状の汚れの発生を防止するために、テトラアルコキシシランまたはその多量体を加水分解させたシラノール基を有するシラン化合物を0.01〜50%含む表面処理剤を用い、屋外物品の疎水性合成樹脂塗膜表面をこの表面処理剤で処理して薄膜を形成することが記載されている。
【0005】
また従来、その表面に撥水機能と光触媒機能を併せもつ撥水性部材も知られている。例えば、特開平9−228073号公報には、表面に撥水性塗膜が形成された撥水性部材において、前記撥水性塗膜の下地層として光触媒粒子及び電子捕捉性金属を含む層が形成されている撥水性部材が記載されている。
【0006】
他方、光触媒能を有さないアモルファス型過酸化チタンゾル及びアモルファス型酸化チタンゾルや、これらゾルを100℃以上で加熱することにより得られる酸化チタンゾルも知られている。例えば、特開平9−71418号公報には、アモルファス型過酸化チタンゾルから形成されるチタニア膜が記載され、また本発明者らによる、特開平9−262481号公報には、光触媒を基体に担持固定してなる光触媒体の製造方法であって、光触媒能を有する酸化チタンゾルと光触媒能のないアモルファス型過酸化チタンゾルとを用いる光触媒体の製造方法が、特開平10−53437号公報には、基板にアモルファス型過酸化チタン層を固定する方法がそれぞれ記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、その表面に撥水機能と光触媒機能を併せもつ撥水性部材は知られているが、特開平9−228073号公報記載の撥水性部材では、表面に撥水層、下地層として光触媒粒子及び電子捕捉性金属を含む光触媒機能層が設けられていることから、光触媒機能の面において充分なものとはいえなかった。また、コンクリートや岩石等の多孔質で吸水性を有する基材の場合、雨水等の浸入によりその表面に油分等の汚れや藻の発生等の経年変化による基材の劣化及び化粧性の低下が生じるなどの問題があった。
【0008】
本発明の課題は、その表面に優れた撥水機能と優れた光触媒機能を併せもち、防汚作用と防露作用を共に有するばかりでなく、撥水性塗膜が有機高分子樹脂製であっても光触媒層によって劣化作用を受けることがない表面撥水性基体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、鋭意研究したところ、撥水性処理が施された基材の表面に、特定の光触媒、すなわち光触媒能を有さないアモルファス型過酸化チタンゾルを100℃以上で加熱することにより得られる光触媒能を有するアナターゼ型酸化チタンゾルを用いた光触媒層を設けた撥水性基体が、優れた光触媒性能を有するのみならず、優れた撥水性能を有することを見い出し本発明を完成するに至った。
【0010】
また、有機高分子樹脂製等の光触媒によって劣化を受ける撥水性塗膜が形成された基材の表面に、アルカリ金属シリカ化合物及び/又はアモルファス型過酸化チタンゾルもしくはアモルファス型酸化チタンゾルを用いたコーティング層を設け、さらにその上に、アモルファス型過酸化チタンゾルを100℃以上で加熱することにより得られるアナターゼ型酸化チタンゾルを用いた光触媒層を設けた撥水性基体が、優れた光触媒能を有するばかりでなく、有機高分子樹脂製の撥水性塗膜が光触媒コーティング層によって劣化作用を受けず、長期間にわたって優れた撥水性能を持続しうることを見い出し本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち本発明は、基材の表面に、アルカリ金属シリカ化合物又はこのアルカリ金属シリカ化合物を含有するアモルファス型過酸化チタンゾル、アモルファス型酸化チタンゾルもしくはアモルファス型チタン水酸化物を用いた塗膜等の撥水性塗膜が形成され、該撥水性塗膜の上に、アモルファス型過酸化チタンゾルを100℃以上で加熱することにより得られるアナターゼ型酸化チタンゾルを用いた光触媒層が設けられていることを特徴とする撥水性基体に関する。
【0012】
また本発明は、基材の表面に、撥水性塗膜が形成され、該撥水性塗膜の上に、アモルファス型過酸化チタンゾル又はアモルファス型酸化チタンゾルを用いたコーティング層が設けられ、該コーティング層の上に、アモルファス型過酸化チタンゾルを100℃以上で加熱することにより得られるアナターゼ型酸化チタンゾルを用いた光触媒層が設けられていることを特徴とする撥水性基体に関する。
【0013】
また本発明は、基材の表面に、撥水性塗膜が形成され、該撥水性塗膜の上に、アルカリ金属シリカ化合物又はこのアルカリ金属シリカ化合物を含有するアモルファス型過酸化チタンゾル、アモルファス型酸化チタンゾルもしくはアモルファス型チタン水酸化物を用いたコーティング層が設けられ、該コーティング層の上に、アモルファス型過酸化チタンゾルを100℃以上で加熱することにより得られるアナターゼ型酸化チタンゾルを用いた光触媒層が設けられていることを特徴とする撥水性基体に関する。
【0014】
また本発明は、基材の表面に、アモルファス型過酸化チタンゾル又はアモルファス型酸化チタンゾルを用いたコーティング層が設けられ、該コーティング層の上に、アモルファス型過酸化チタンゾルを100℃以上で加熱することにより得られるアナターゼ型酸化チタンゾルと、アルカリ金属シリカ化合物又はこのアルカリ金属シリカ化合物を含有するアモルファス型過酸化チタンゾル、アモルファス型酸化チタンゾルもしくはアモルファス型チタン水酸化物等からなる撥水剤とを用いた光触媒層が設けられていることを特徴とする撥水性基体に関する。
【0015】
また本発明は、基材の表面に、アルカリ金属シリカ化合物と、アモルファス型過酸化チタンゾル又はアモルファス型酸化チタンゾルと、アモルファス型過酸化チタンゾルを100℃以上で加熱することにより得られるアナターゼ型酸化チタンゾルとを用いた光触媒層が設けられていることを特徴とする撥水性基体に関する。
【0016】
さらに本発明は、その表面における水の接触角が80°以上でかつ表面張力が70dyne/cm以下であることを特徴とする上記撥水性基体や、基材が無機質で細孔をもつ基材、特にセメント若しくはコンクリート基材、又は砂岩等の多孔質岩石系基材であることを特徴とする上記撥水性基体に関する。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の表面撥水性基体において使用される基材としては、セメント成形品、金属タイル等の建材、コンクリート等の土木・建築物、メガネ、光学レンズ等のガラス製品、合成樹脂板、プラスチックシート、繊維等の合成樹脂製品などを例示することができ、その材質としては、セメント、砂岩等の多孔質岩石、セラミックス、ガラスなどの無機材、有機高分子樹脂、ゴム、木、紙などの有機材、並びにアルミニウム、鋼などの金属材等その種類に制限なく用いることができる。また、基材の大きさや形には特に制限されず、ブロック状、板状、針状、ハニカム状、ファイバー状、濾過シート状、ビーズ状、発泡状やそれらが集積したものでもよい。
【0018】
そして、これら基材の中でも、無機質で細孔をもつ基材、例えばセメント、コンクリート、GRC(セメント中空押出成形材)、モルタル、瓦、レンガ、砂岩等の多孔質岩石等を基材とし、アルカリ金属シリカ化合物又はこのアルカリ金属シリカ化合物を含有するアモルファス型過酸化チタンゾル、アモルファス型酸化チタンゾルもしくはアモルファス型チタン水酸化物を撥水剤として用いた本発明の撥水性基体は、優れた撥水性能と優れた光触媒能に加えて、基材表面に耐久性に優れた強固な吸水防止層が形成される結果、塩害、凍害、中性化等による劣化防止や藻の発生防止に優れた効果を示す。
【0019】
また、基材がプラスチック板等の有機高分子樹脂材などからなり、光触媒層によって劣化を受ける可能性のあるときは、光触媒層と有機高分子樹脂系基材との間に、アルカリ金属シリカ化合物溶液を用いたコーティング層、このアルカリ金属シリカ化合物を含有するアモルファス型過酸化チタンゾル、アモルファス型酸化チタンゾルもしくはアモルファス型チタン水酸化物を用いたコーティング層、又はアモルファス型過酸化チタンゾルもしくはアモルファス型酸化チタンゾルを用いたコーティング層を中間層として介在させることにより、あるいは、光触媒層として、アルカリ金属シリカ化合物と、アモルファス型過酸化チタンゾル又はアモルファス型酸化チタンゾルと、アナターゼ型酸化チタンゾルとを含む光触媒層を設けることによって、該有機高分子樹脂基材の光触媒による劣化を防止することができる。このように、本発明によると、従来の撥水性基体に比べて有機高分子樹脂系基材の使用が制限されるということがない。
【0020】
本発明における撥水性塗膜には、撥水剤を用いて基材表面に形成するコーティング層の他に、基材表面自体が撥水性を有するものや、基材表面に撥水剤が含浸したものや、基材表面における化学反応により撥水性を示すものも便宜上含まれる。そして、撥水性塗膜の形成に用いられる撥水剤としては、特開平7−291667号公報、特開平8−143332号公報、特開平8−12922号公報、特開平9−228073号公報等に記載された従来公知のものや市販されているものなど、基材に塗膜したときに撥水性や疎水性を示すものであれば、無機系又は有機系撥水剤を問わず、どのようなものでも用いることができるが、撥水(疎水)剤としては、熱、空気等によって撥水性(疎水性)能の発現をコントロールすることができるものが望ましい。
【0021】
有機系撥水剤、例えば、有機高分子系撥水剤では、熱処理又は空気中のCO2 と結合することで撥水機能が発生するシリコン系やフッ素系の撥水剤を挙げることができ、シラン・シリコン系撥水剤としては、メチル置換型線状ジメチルポリシロキサンやジメチルポリシロキサンとメチルヒドロキシシロキサンとの共重合物を、フッ素系性剤としては、パーフルオロアルキル基含有のアクリレートポリマーを主成分とするペルフルオロオクチルアクリレートポリマーや、飽和フッ素化1塩基酸のクロム配位化合物、ポリテトラフルオロエチレン剤等をそれぞれ具体的に挙げることができる。また、信越化学株式会社製のシリコーン表面改質剤「X−24−7890」を例示することができる。
【0022】
そして、本発明の撥水性基体において、これら有機高分子系撥水剤を用いて撥水性塗膜を形成する場合には、この有機高分子系撥水性塗膜と光触媒層との間に、アルカリ金属シリカ化合物溶液を用いたコーティング層、このアルカリ金属シリカ化合物を含有するアモルファス型過酸化チタンゾル、アモルファス型酸化チタンゾルもしくはアモルファス型チタン水酸化物を用いたコーティング層、又はアモルファス型過酸化チタンゾルもしくはアモルファス型酸化チタンゾルを用いたコーティング層を中間層として介在させることにより、光触媒による該有機高分子系撥水性塗膜の分解・劣化を防止することが好ましい。この中間層は、光触媒作用をブロックするが、撥水作用をブロックするものではない。
【0023】
無機系撥水剤としては、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウム等のアルカリ金属シリカ化合物の溶液、又はこれらアルカリ金属シリカ化合物を含有するアモルファス型過酸化チタンゾル、アモルファス型酸化チタンゾルもしくはアモルファス型チタン水酸化合物を例示することができる(特願平9−259495号参照)。これらアルカリ金属シリカ化合物溶液からなる無機系撥水剤やこれを含有する無機系撥水剤を、セメントやコンクリート系基材あるいは砂岩等の多孔質岩石系基材に適用すると、セメントやコンクリート基材あるいは砂岩等の多孔質岩石の多孔質表面の細孔中に該撥水剤が浸透し、コンクリート、岩石等中の石灰成分である水酸化カルシウムCa(OH)2と反応してケイ酸カルシウムCaSiO2層や、空気中の炭酸ガスと反応して炭酸カリウムK2CO3層や、かかるケイ酸カルシウムと炭酸カリウムからなる層が形成され、耐浸水性の優れた撥水性塗膜が形成されることとなる。また、無機系撥水剤の市販品としては、日本ケミックス株式会社製の「ハイドロサムRX」を具体的に例示することができる。そして、これら無機系撥水剤を用いる場合は、有機高分子系撥水剤を用いる場合と異なり、撥水性塗膜と光触媒層との間に、アモルファス型過酸化チタンゾル又はアモルファス型酸化チタンゾルからなる中間層を設ける必要がない。
【0024】
また、上記ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウム等のアルカリ金属シリカ化合物は、光触媒による該有機高分子系撥水性塗膜等の有機高分子材料の分解・劣化を防止する作用の他に、他の撥水剤の撥水性能を高める作用を有することから、このアルカリ金属シリカ化合物を含有するコーティング層を、有機高分子系撥水性塗膜や有機高分子系基材と、光触媒層との間に中間層として介在させることにより、有機高分子材料の光触媒による分解・劣化を防止するとともに、優れた撥水性能の撥水性基体を得ることができる。
【0025】
本発明におけるアモルファス型過酸化チタンゾルやアモルファス型酸化チタンゾルは、光触媒機能は有さないが、紫外線吸収機能は有している。これに対して、アナターゼ型酸化チタンゾルは光触媒機能を有している。これらアモルファス型過酸化チタンゾル、アモルファス型酸化チタンゾル及びアナターゼ型酸化チタンゾルは、例えば次のようにして製造することができる。
【0026】
四塩化チタンTiCl4のようなチタン塩水溶液に、アンモニア水ないし水酸化ナトリウムのような水酸化アルカリを加える。生じる淡青味白色、無定形の水酸化チタンTi(OH)4はオルトチタン酸H4TiO4とも呼ばれ、この水酸化チタンを洗浄・分離後、過酸化水素水で処理すると、アモルファス形態の過酸化チタン液が得られる。このアモルファス型過酸化チタンゾルは、pH6.0〜7.0、粒子径8〜20nmであり、その外観は黄色透明の液体であり、常温で長期間保存しても安定である。また、ゾル濃度は通常1.40〜1.60%に調整されているが、必要に応じてその濃度を調整することができ、低濃度で使用する場合は、蒸留水等で希釈して使用する。また、このアモルファス型過酸化チタンゾルを、常温〜100℃で加熱するとその一部がアモルファス型酸化チタンゾルに変化し、100℃以上で加熱すると徐々にアナターゼ型酸化チタンゾルになる。
【0027】
アモルファス型酸化チタンは、上記のように、アモルファス型過酸化チタンゾルをそのまま常温〜100℃で加熱することにより得られる他、アモルファス型過酸化チタンゾルを基体にコーティング後200℃程度で加熱して乾燥固定することによっても得ることができる。また、本発明において用いられるアモルファス型チタン水酸化物としては、上記アモルファス型過酸化チタンゾルの製造工程の中間生成物である無定形の水酸化チタン溶液を例示することができる。
【0028】
このアモルファス型過酸化チタンゾルやアモルファス型酸化チタンゾルは、常温ではアモルファスの状態で未だ結晶化しておらず、密着性に優れ、成膜性が高く、均一でフラットな薄膜を作製することができ、かつ、乾燥被膜は水に溶けないという性質を有していることから、これらを用いると常温でコーティング層を容易に形成することができる。そして、上記のように、このアモルファス型過酸化チタンゾルやアモルファス型酸化チタンゾルを用いたコーティング層は、隣接する下層の有機高分子樹脂基材や有機高分子系撥水性塗膜の光触媒による分解・劣化を防止する作用を有する上に、下層として形成されている撥水性塗膜における撥水性能を妨げることなく、このコーティング層表面に発現することができる。また、このアモルファス型過酸化チタンゾルやアモルファス型酸化チタンゾルと、アルカリ金属シリカ化合物と、アナターゼ型酸化チタンゾルとの混合物を用いたコーティング層は、隣接する下層の有機高分子樹脂基材の光触媒による分解・劣化を防止する作用を有する上に、優れた撥水性能と光触媒能をその表面に発現する。
【0029】
本発明において、光触媒層の形成に用いられるアナターゼ型酸化チタンゾルは、アモルファス型過酸化チタンゾルを100℃以上で加熱することにより調製することができる。上記のように、アモルファス型過酸化チタンゾルを、常温〜100℃で加熱するとその一部がアモルファス型酸化チタンゾルに変化し、100℃以上で加熱すると徐々にアナターゼ型酸化チタンゾルになることから、例えば、アモルファス型過酸化チタンゾルを100℃以上で加熱した場合であっても、加熱が短時間しか行われない場合等においては、そのすべてがアナターゼ型酸化チタンゾルにならず、アナターゼ型酸化チタンゾルとアモルファス型過酸化チタンゾル及び/又はアモルファス型酸化チタンゾルとの混合物が生成する。この混合物も光触媒能を有することから、本発明における「アモルファス型過酸化チタンゾルを100℃以上で加熱することにより得られるアナターゼ型酸化チタンゾル」には、便宜上、アナターゼ型酸化チタンゾルとアモルファス型過酸化チタンゾル及び/又はアモルファス型酸化チタンゾルとの混合物も含まれる。このように、アモルファス型過酸化チタンゾルの加熱温度と加熱時間により、その生成物の種類や性状は変化するが、例えば100℃で6時間処理すると、その大部分がアナターゼ型酸化チタンゾルとなる。このアナターゼ型の酸化チタンゾルの性状は、pH7.5〜9.5、粒子径8〜20nmであり、その外観は黄色懸濁の液体である。このアナターゼ型酸化チタンゾルのゾル濃度は通常2.70〜2.90重量%に調整されているが、必要に応じてその濃度を調整して使用することもできる。また、アナターゼ型酸化チタンゾルは、アモルファス型過酸化チタンゾルを基材にコーティング後乾燥固定したものを200℃程度以上に加熱してアナターゼ型酸化チタンとすることもできる。
【0030】
本発明は、このアナターゼ型酸化チタンゾルを用いることを大きな特徴としている。光触媒層の形成にこのアナターゼ型酸化チタンゾルを用いることにより、下層として形成されている撥水性塗膜等における撥水性能が光触媒層に妨げられることなく、撥水性基体表面に発現する。また、本発明においては、かかるアナターゼ型酸化チタンゾルの特性を損なわない範囲で、他の光触媒や電子捕捉金属をこのアナターゼ型酸化チタンゾルに含有させることもできる。このアナターゼ型酸化チタンゾルは、密着性に優れ、成膜性が高く、均一でフラットな薄膜を作製することができ、かつ、乾燥被膜は水に溶けないという性質を有し、常温でコーティング層を容易に形成することができ、成膜に際して200〜300℃の加熱を必要としないことから、加熱による撥水性塗膜等における撥水性能の低下をきたすことがないばかりか、セメントやコンクリート面あるいは砂岩等の多孔質岩石面を有する既存の建材・土木・建築物・モニュメント等の外面に直接施工することもできる。
【0031】
また、本発明において、撥水性塗膜の成膜やアモルファス型過酸化チタンゾルやアナターゼ型酸化チタンゾル等のコーティング方法としては、スプレーコート、ディッピング、スピンコートなどの工法で薄膜を作る方法が挙げられる。また、コーティング層の厚みとしては、撥水性付与、光触媒能の遮断、光触媒能の発現等、それぞれの層における機能が達成しうる厚みや各コーティング剤の造膜性能により決定される。
【0032】
本発明の撥水性基体の構造の模式図を図1〜6に示すが、本発明はこれによって制限されるものではない。図1には、無機系基材1の表面にアルカリ金属シリカ化合物溶液を用いた撥水性塗膜2が設けられ、該撥水性塗膜2の表面にアナターゼ型酸化チタンゾルを用いた光触媒層3が設けられた本発明の撥水性基体が示されている。図2には、無機系基材1の表面に有機高分子系撥水性塗膜4が設けられ、該撥水性塗膜4の上に、アモルファス型過酸化チタンゾルを用いたコーティング層5が設けられ、このコーティング層5の上面に、アナターゼ型酸化チタンゾルを用いた光触媒層3が設けられた本発明の撥水性基体が示されている。図3には、無機系基材1の表面に有機高分子系撥水性塗膜4が設けられ、該撥水性塗膜4の上に、アルカリ金属シリカ化合物溶液を用いたコーティング層2が設けられ、このコーティング層2の上面に、アナターゼ型酸化チタンゾルを用いた光触媒層3が設けられた本発明の撥水性基体が示されている。
【0033】
また図4には、無機系基材1の表面に有機高分子系撥水性塗膜4が設けられ、該撥水性塗膜4の上に、アルカリ金属シリカ化合物を含有するアモルファス型過酸化チタンゾルを用いたコーティング層6が設けられ、このコーティング層6の上面に、アナターゼ型酸化チタンゾルを用いた光触媒層3が設けられた本発明の撥水性基体が示されている。図5には、有機高分子樹脂基材7の表面に、アモルファス型過酸化チタンゾルを用いたコーティング層5が設けられ、該コーティング層5の上に、アナターゼ型酸化チタンゾルとアルカリ金属シリカ化合物からなる撥水剤を用いた光触媒層8が設けられた本発明の撥水性基体が示されている。図6には、有機高分子樹脂基材7の表面に、アルカリ金属シリカ化合物とアモルファス型過酸化チタンゾルとアナターゼ型酸化チタンゾルとを用いた光触媒層9が設けられた本発明の撥水性基体が示されている。
【0034】
本発明の光触媒層を有する表面撥水性基体は、紫外線照射時には優れた撥水(疎水)性能と光触媒による防汚機能とを有し、紫外線非照射時には光触媒による防汚機能は発揮し得ないが優れた撥水性能を有するという特徴をもつ。そして、この本発明の撥水性基体の場合、光触媒能を有する光触媒層と、有機高分子樹脂性撥水性塗膜や有機高分子樹脂基材との間には、光触媒機能による劣化をブロッキングする機能を有するアモルファス型過酸化チタンゾル及び/又はアモルファス型酸化チタンゾルを含有するコーティング層や、アルカリ金属シリカ化合物溶液を用いたコーティング層や、アルカリ金属シリカ化合物を含有するアモルファス型過酸化チタンゾル、アモルファス型酸化チタンゾルもしくはアモルファス型チタン水酸化物を用いたコーティング層があるので、上記有機高分子樹脂性撥水性塗膜や有機高分子樹脂基材が劣化することなく、優れた撥水性能と防汚機能が長期にわたって維持される。
【0035】
このように、本発明の撥水性基体の優れた撥水(疎水)性能は、下層の撥水性能が光触媒層を通って表面に発現し又は撥水剤が光触媒層に混合されている場合はその光触媒層の表面に発現し、雨水等を寄せ付けないが、油等に対する撥油作用は有していない。このような撥水性や撥油性は、固体と液体との間の相互作用の強弱、すなわち固/液界面張力の多寡によって決まるといわれ、固体の臨界表面張力(rc)よりも液体の表面張力(r)が大きいときに(rc<r)、基体表面が撥水性や撥油性を呈することになる。例えば、基体の臨界表面張力(rc)が24〜26dyne/cm程度のアルカリ金属ケイ酸化合物系撥水剤、パラフィン系撥水剤、シリコン系撥水剤で処理した基体は、表面張力が72dyne/cmである水や53dyne/cmである雨水に対して撥水作用を有するが、表面張力が22dyne/cmであるガソリン等に対しては撥油作用がなく、これらは基体表面に付着し、これが汚れの原因となる。また、雨水滴表面に付着した油膜は、撥水性基体から水滴が除去されるときにわずかに残留し、この油膜の累積も汚れの原因となるが、本発明の撥水性基体は、撥水性能と共に光触媒機能をも有することから、基体表面に付着した油、垢等の汚染有機物を光触媒作用によって分解することができる。
【0036】
また、固体と液体とその飽和蒸気を接触させたとき、3相の接触点で液体に引いた接線と固体面のなす角のうち液体を含む側の角として定義される接触角も、上記基体の臨界表面張力と同様に、撥水性基体の撥水性能を表す基準としてふつう用いられる。そして、本発明の撥水性基体としては、その表面における、水接触角が80°以上、好ましくは90°以上で、かつ表面張力が70dyne/cm以下、好ましくは50dyne/cm以下のものが望ましい。
【0037】
【実施例】
以下に、実施例を掲げてこの発明をさらに具体的に説明するが、この発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
参考例1(アモルファス型過酸化チタンゾルの製造)
四塩化チタンTiCl4の50%溶液(住友シティクス株式会社)を蒸留水で70倍に希釈したものと、水酸化アンモニウムNH4OHの25%溶液(高杉製薬株式会社)を蒸留水で10倍に希釈したものとを、容量比7:1に混合し、中和反応を行う。中和反応後pHを6.5〜6.8に調整し、しばらく放置後上澄液を捨てる。残ったTi(OH)4のゲル量の約4倍の蒸留水を加え十分に攪拌し放置する。塩化銀でチェックし上澄液中の塩素イオンが検出されなくなるまで水洗を繰り返し、最後に上澄液を捨ててゲルのみを残す。場合によっては遠心分離により脱水処理を行うことができる。この淡青味白色のTi(OH)43600mlに、35%過酸化水素水210mlを30分毎2回に分けて添加し、約5℃で一晩攪拌すると黄色透明のアモルファス型過酸化チタンゾル約2500mlが得られる。なお、上記の工程において、発熱を抑えないとメタチタン酸等の水に不溶な物質が析出する可能性があるので、すべての工程は発熱を抑えて行うのが望ましい。
【0038】
参考例2(アナターゼ型酸化チタンゾルの製造)
上記アモルファス型過酸化チタンゾルを100℃で加熱すると、3時間程度経過後にアナターゼ型酸化チタンが生じ、6時間程度加熱するとアナターゼ型酸化チタンゾルが得られる。また、100℃で8時間加熱すると、淡黄色やや懸濁蛍光を帯び、濃縮すると、黄色不透明のものが得られ、100℃で16時間加熱すると極淡黄色のものが得られるが、これらは上記100℃、6時間加熱のものに比べて乾燥密着度が多少低下する。このアナターゼ型酸化チタンゾルは、アモルファス型過酸化チタンに比べ粘性が低下しているのでディッピングしやすいように2.5重量%程度まで濃縮して使用することもできる。
【0039】
(撥水性基体の調製)
実施例1
100×100×2mmのガラス板の表面に、ケイ酸カリウムを7.4重量%含有する撥水剤0.05gを均一に塗布し、100℃で乾燥した後、その上に参考例2により製造されたアナターゼ型酸化チタンゾル(TiO2として1.7重量%含有)を2倍希釈したもの0.4gを均一に塗布し、28℃で乾燥し、本発明の撥水性基体を調製した。なお塗布には、明治機械社製の直径0.54mmの丸型吹き出しノズルを有するスプレーガンFS−G05R−1を2Kg/cm3のエアー圧で用いた(以下同じ)。
【0040】
実施例2
上記ガラス板の表面に、信越化学株式会社製のシリコーン表面改質剤「X−24−7890」0.4gを均一に塗布し、28℃で乾燥した後、その上に参考例1で製造したアモルファス型過酸化チタンゾル(TiO3として1.7重量%含有)を2倍希釈したもの0.2gを均一に塗布し、28℃で乾燥後、さらにその上に上記アナターゼ型酸化チタンゾル(TiO2として1.7重量%含有)を2倍希釈したもの0.4gを均一に塗布し、28℃で乾燥し、本発明の撥水性基体を調製した。
【0041】
比較例1及び2
上記ガラス板の表面に、上記アナターゼ型酸化チタンゾル(TiO2として1.7重量%含有)を2倍希釈したもの0.4gを均一に塗布し、28℃で乾燥した後、その上に上記ケイ酸カリウムを7.4重量%含有する撥水剤をそれぞれ0.05g及び0.1gを均一に塗布し、100℃で乾燥し、比較例1及び2の撥水性基体を調製した。
【0042】
実施例3
300×300×10mmのGRC(セメント中空押出成形材:昭和電工株式会社製)の表面に、上記ケイ酸カリウムを7.4重量%含有する撥水剤0.9gを均一に塗布し、28℃で乾燥後、その上に上記アナターゼ型酸化チタンゾル(TiO2として1.7重量%含有)を2倍希釈したもの0.6gを均一に塗布し、28℃で乾燥し、本発明の撥水性基体を調製した。
【0043】
実施例4
300×300×24mmのインド砂岩(壁用)建材の表面に、上記ケイ酸カリウムを7.4重量%含有する撥水剤を1.2g/100cm2の割合で均一に塗布し、28℃で乾燥後、その上に上記アナターゼ型酸化チタンゾル(TiO2として1.7重量%含有)の2倍希釈液を0.8g/100cm2の割合で均一に塗布し、28℃で乾燥し、本発明の撥水性基体を調製した。
【0044】
(撥水性能試験)
実施例1〜4並びに比較例1及び2で調製された試験用基体上に、水道水0.1mlをスポイトにて1cmの高さから滴下し、約10分間放置後、基板上の水滴の接触角を測定することにより行った。結果を表1に示す。
【0045】
(光触媒性能試験)
実施例1〜4並びに比較例1及び2で調製された試験用基体上に、市販の赤インク(パイロット株式会社製)の20倍希釈液を噴霧により塗布し、基板表面における消色までの時間を、曇、28℃の気候条件下、屋外にて測定した。結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
Figure 0004785217
【0047】
表1の撥水性試験からもわかるように、実施例1〜4並びに比較例1及び2で調製された各基体は、接触角がいずれも90°を超えており、優れた撥水性を示していたが、赤インクを用いた有機物分解反応による光触媒性能試験においては、その表層に光触媒層を有する本発明の実施例1〜3の撥水性基体は、その表層に撥水性塗膜を有する比較例の基体に比べて、赤インキの消色時間が1/4と速く、光触媒性能においては本発明の撥水性基体が格段に優れていることがわかった。
【0048】
【発明の効果】
本発明の撥水性基体は、極めて優れた撥水機能と光触媒機能を併せもち、防汚作用と防露作用を共に有する。また本発明の撥水性基体は、撥水性塗膜が有機高分子樹脂製であっても光触媒作用によって劣化を受けることがないばかりか、基材が有機高分子樹脂基材であっても光触媒作用によって劣化を受けることがないことから、本発明によると、撥水性塗膜や基材において有機高分子樹脂系材料の使用が制限されるということがない。さらに本発明において、基材としてコンクリート、砂岩等の岩石等の無機質で細孔をもつ基材を用い、撥水剤としてアルカリ金属シリカ化合物又はこのアルカリ金属シリカ化合物を含有するアモルファス型過酸化チタンゾル等を用いると、優れた撥水性能と優れた光触媒能に加えて、基材表面に耐久性に優れた強固な吸水防止層が形成される結果、塩害、凍害、中性化等による劣化防止や藻の発生防止に優れた効果を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の撥水性基体を表す模式図である。
【図2】本発明の異なる態様の撥水性基体を表す模式図である。
【図3】本発明の異なる態様の撥水性基体を表す模式図である。
【図4】本発明の異なる態様の撥水性基体を表す模式図である。
【図5】本発明の異なる態様の撥水性基体を表す模式図である。
【図6】本発明の異なる態様の撥水性基体を表す模式図である。
【符号の簡単な説明】
1 無機系基材
2 アルカリ金属シリカ化合物溶液を用いた撥水性塗膜又はコーティング層
3 アナターゼ型酸化チタンゾルを用いた光触媒層
4 有機高分子系撥水性塗膜
5 アモルファス型過酸化チタンゾルを用いたコーティング層
6 アルカリ金属シリカ化合物を含有するアモルファス型過酸化チタンゾルを用いたコーティング層
7 有機高分子樹脂基材
8 アナターゼ型酸化チタンゾルとアルカリ金属シリカ化合物からなる撥水剤を用いた光触媒層
9 アモルファス型過酸化チタンゾルとアナターゼ型酸化チタンゾルとを用いた光触媒層

Claims (9)

  1. 基材の表面に、無機系撥水性塗膜が形成され、該無機系撥水性塗膜の上に、アモルファス型過酸化チタンゾルを100℃以上で加熱することにより得られるアナターゼ型酸化チタンゾルを用いた光触媒層が設けられていることを特徴とする撥水性基体。
  2. 該無機系撥水性塗膜がアルカリ金属シリカ化合物又はこのアルカリ金属シリカ化合物を含有するアモルファス型過酸化チタンゾル、アモルファス型酸化チタンゾルもしくはアモルファス型チタン水酸化物を用いた塗膜であることを特徴とする請求項1記載の撥水性基体。
  3. 基材の表面に、撥水性塗膜が形成され、該撥水性塗膜の上に、アモルファス型過酸化チタンゾル又はアモルファス型酸化チタンゾルを用いたコーティング層が設けられ、該コーティング層の上に、アモルファス型過酸化チタンゾルを100℃以上で加熱することにより得られるアナターゼ型酸化チタンゾルを用いた光触媒層が設けられていることを特徴とする撥水性基体。
  4. 基材の表面に、撥水性塗膜が形成され、該撥水性塗膜の上に、アルカリ金属シリカ化合物又はこのアルカリ金属シリカ化合物を含有するアモルファス型過酸化チタンゾル、アモルファス型酸化チタンゾルもしくはアモルファス型チタン水酸化物を用いたコーティング層が設けられ、該コーティング層の上に、アモルファス型過酸化チタンゾルを100℃以上で加熱することにより得られるアナターゼ型酸化チタンゾルを用いた光触媒層が設けられていることを特徴とする撥水性基体。
  5. 基材の表面に、アモルファス型過酸化チタンゾル又はアモルファス型酸化チタンゾルを用いたコーティング層が設けられ、該コーティング層の上に、アモルファス型過酸化チタンゾルを100℃以上で加熱することにより得られるアナターゼ型酸化チタンゾルと撥水剤とを用いた光触媒層が設けられている撥水性基体であって、該撥水剤が、アルカリ金属シリカ化合物又はこのアルカリ金属シリカ化合物を含有するアモルファス型過酸化チタンゾル、アモルファス型酸化チタンゾルもしくはアモルファス型チタン水酸化物であることを特徴とする撥水性基体。
  6. 基材の表面に、アルカリ金属シリカ化合物と、アモルファス型過酸化チタンゾル又はアモルファス型酸化チタンゾルと、アモルファス型過酸化チタンゾルを100℃以上で加熱することにより得られるアナターゼ型酸化チタンゾルとを用いた光触媒層が設けられていることを特徴とする撥水性基体。
  7. その表面における水の接触角が80°以上で、かつ臨界表面張力が70dyne/cm以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれか記載の撥水性基体。
  8. 基材が、無機質で細孔をもつ基材であることを特徴とする請求項1〜のいずれか記載の撥水性基体。
  9. 無機質で細孔をもつ基材が、セメント若しくはコンクリート基材、又は多孔質岩石系基材であることを特徴とする請求項記載の撥水性基体。
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