JP2002121539A - 防汚改質剤および路面標示用防汚性塗料 - Google Patents

防汚改質剤および路面標示用防汚性塗料

Info

Publication number
JP2002121539A
JP2002121539A JP2000312576A JP2000312576A JP2002121539A JP 2002121539 A JP2002121539 A JP 2002121539A JP 2000312576 A JP2000312576 A JP 2000312576A JP 2000312576 A JP2000312576 A JP 2000312576A JP 2002121539 A JP2002121539 A JP 2002121539A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicone oil
antifouling
mass
silicate
modifier
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000312576A
Other languages
English (en)
Inventor
Michiko Okamoto
美知子 岡本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KORPE EKOO KK
SHIFUTO CHEMICAL KK
ST ENERGY KK
Shingo Kizai KK
Original Assignee
KORPE EKOO KK
SHIFUTO CHEMICAL KK
ST ENERGY KK
Shingo Kizai KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KORPE EKOO KK, SHIFUTO CHEMICAL KK, ST ENERGY KK, Shingo Kizai KK filed Critical KORPE EKOO KK
Priority to JP2000312576A priority Critical patent/JP2002121539A/ja
Publication of JP2002121539A publication Critical patent/JP2002121539A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 路面に対し優れた密着性を示すと共に、優れ
た防汚性を長期的に持続し得る様な特性を塗料に付与す
ることのできる防汚改質剤を提供し、ひいては該防汚改
質剤を配合することにより、防汚持続性に優れた路面標
示用防汚塗料を提供する。 【解決手段】 本発明目的は、下記(1)〜(3)に示し
た防汚改質剤を路面標示用塗料に添加し操業する。 (1)シリコーンオイル含有成分が珪酸塩で被覆されて
いる防汚改質剤、(2)無機多孔物質の細孔内にシリコ
ーンオイルが封入されている防汚改質剤、(3)無機多
孔物質の細孔内にシリコーンオイルが封入されていると
共に、その外面が珪酸塩で被覆されている防汚改質剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防汚改質剤および
これを防汚成分として含む路面標示用防汚性塗料に関す
るものであり、この防汚性塗料は、道路のセンターライ
ン、横断歩道、指示ライン、速度標示などの路面標示を
施す際の塗料として使用される。
【0002】
【従来の技術】路面標示用塗料は、車両や歩行者が安全
に道路を交通できるように、路面に黄色や白色の中央区
分線や横断歩道を施したり、或いは一時停止や制限速度
などの道路交通法の標示を施したり、さらに、駐車場な
どにおいて車両を秩序良く整列させるための区画線を施
すための塗料として広く用いられている。
【0003】これら路面標示用塗料は、下記4種類に大
別される。 (1)常温乾燥型路面標示用塗料:ビヒクル成分として
速乾性合成樹脂を含む常温乾燥型の塗料であり、現在最
も広く使用されている。 (2)加熱硬化型路面標示用塗料:ビヒクル成分として
熱硬化性樹脂を含む速硬性の塗料である。 (3)ホットメルト型路面標示用塗料:常温では固体の
熱可塑性樹脂をビヒクル成分とする塗料であり、加熱溶
融させて、そのまま路面に流し塗りし、或いはホットス
プレーガンを用いて塗布されるもので、固化・乾燥が極
めて速く、厚膜塗装が容易で耐久性に優れている。 (4)水性路面標示用塗料:水性樹脂をビヒクル成分と
するもので、通常は硬化性のものが使用される。溶剤タ
イプの路面標示用塗料に比べて、引火等の危険がなく、
且つ施工性も良好で環境には良いものの、乾燥に長時間
を要するという欠点がある。
【0004】上記路面標示用塗料には、車両が通行する
際の摩擦に耐える十分な耐摩耗性が要求されるほか、陽
光や雨風に直接曝されるためそれら厳しい環境下でも劣
化、退色しない耐候性、路面から剥がれない密着性、降
雨時や夜間でも標示を確認できる視野性などに優れたも
のであることが求められる。
【0005】また、路面標示の視野性を向上させるた
め、塗料に蛍光顔料、燐光顔料、更にはガラスビーズな
どの混合も試みられており、路面に標示を施した直後
は、顔料の発光等が良好で、優れた視野性を発揮する。
ところが、前述した様な厳しい環境下に曝されるうち、
タイヤ痕やアスファルト流出油などによって標示は著し
く汚染され、比較的短時間のうちに標示機能が失われ
る。
【0006】そこで、こうした汚染による標示機能の低
下を抑えるための手段として、路面標示用塗料内に一般
的な体質顔料である炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、酸化アルミニウムなどを多量に配合し、塗料自体を
堅く脆くして自己摩耗性を与えることで、防汚性を高め
る方法も提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
様な方法では、標示面が劣化して始めて防汚効果を発揮
するものであり、劣化するまでの間はタイヤ痕やアスフ
ァルト流出油などで汚れ、視野性の低下を回避できな
い。また、防汚作用は自己摩耗によって発揮されるもの
であるから、交通量の多い場所では耐久性に問題があ
り、標示施工を頻繁に繰り返さなければならないという
問題がある。
【0008】また、標示塗料に適量のシリコーンオイル
を配合し、シリコーンオイルを塗料表面に染み出させる
ことによって防汚性を高める方法も試みられたことがあ
るが、路面用塗料に直接シリコーンオイルを添加して用
いると、路面と塗料との密着性が悪くなり、標示が路面
から剥離しやすくなるという致命的な欠陥が生じる。
【0009】本発明は、この様な実状に鑑みてなされた
ものであり、路面に対し優れた密着性を示すと共に、優
れた防汚性を長期的に持続し得る様な特性を塗料に付与
することのできる防汚改質剤を提供し、ひいては該防汚
改質剤を配合することにより、防汚持続性に優れた路面
標示用防汚塗料を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すること
のできる本発明の防汚改質剤とは、シリコーンオイル含
有成分が珪酸塩で被覆されていることに要旨を有するも
のである。また、無機多孔物質の細孔内にシリコーンオ
イルが封入されている防汚改質剤や、無機多孔物質の細
孔内にシリコーンオイルが封入されていると共に、その
外面が珪酸塩で被覆されている防汚改質剤でも同様に本
発明効果を達成することができる。
【0011】更に、前記シリコーンオイルが、ジメチル
シリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、
およびアミノ変性シリコーンオイルから選ばれる1種以
上を含むものであると好ましく、ジメチルシリコーンオ
イル、メチルフェニルシリコーンオイル、およびアミノ
変性シリコーンオイルを含むものであると更に好まし
い。
【0012】また、前記珪酸塩が珪酸ナトリウム及び
/または珪酸カリウムを含むもの、 前記多孔物質がセラミックスであるものであると好ま
しい。尚、前記セラミックスが、炭酸カルシウム、酸化
アルミニウム、酸化珪素のうち1種以上を含むものであ
ると好ましく、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸
化珪素を含むものであると更に好ましい。
【0013】一方、本発明の防汚改質剤を含む路面標示
用防汚性塗料を用いて路面標示を施工すると良い。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明者らは、上記課題を解決す
る為に、様々な角度から検討した。その結果、路面に塗
料を塗布した後に、標示塗料の表面にシリコーンオイル
が徐々に滲出し得るような特性を与えた防汚改質剤を塗
料に添加すれば、路面への密着性不良といった問題を生
じること無く防汚性が向上することを見出し、上記課題
を見事に解決することができた。以下に本発明に係る防
汚改質剤および路面標示用防汚性塗料について詳細に説
明する。
【0015】本発明の防汚改質剤とは、路面標示施工後
にシリコーンオイルが標示表面に滲出するような機構を
与えられたことを特徴としており、その第一の例は、シ
リコーンオイル含有成分が珪酸塩で被覆されているもの
である。珪酸塩は、耐熱性及び断熱性を有すると共に、
シリコーンオイルを変質させることがない。また、例え
ばホットメルト型の路面標示施工を行なった後、塗料温
度が70℃以下に冷却されると、珪酸塩皮膜に貫乳状のひ
びが入り、内部に封入されたシリコーンオイルが珪酸塩
皮膜を通して標示塗料の表面に徐々に滲出し、標示表面
に防汚皮膜を形成する。つまり、標示施工時にはシリコ
ーンオイルは珪酸塩皮膜によって封入されており、塗料
内に拡散することがないので、上述の様な路面と塗料と
の密着性が悪くなるという問題は生じない。しかも、標
示塗装後は、珪酸塩皮膜のひび割れによってシリコーン
オイルが徐々に滲出してくるので優れた防汚持続性を発
揮する。
【0016】また、本発明の第2の例として、無機多孔
物質の細孔内にシリコーンオイルが封入されている防汚
改質剤が挙げられる。このタイプの防汚剤では、シリコ
ーンオイルが無機多孔物質の細孔内に封入されているの
で、これを塗料中に配合しても、路面と塗料との密着性
が悪くなるという問題を生じることがなく、しかも、路
面標示施工後は、細孔内のシリコーンオイルが標示表面
に徐々に滲出して防汚皮膜を形成するので、路面標示の
防汚性を長期的に持続させることが出来る。
【0017】また、本発明の第3の例では、無機多孔物
質の細孔内にシリコーンオイルが封入されると共に、そ
の外面が珪酸塩で被覆された構造のもので、最も優れた
性能が発揮される。つまり、細孔内にシリコーンオイル
が封入された無機多孔物質を珪酸塩で被覆すると、施工
後の塗料の温度変化によって珪酸塩皮膜にひびが入り、
細孔内に封入されたシリコーンオイルが徐々に滲出し
て、標示表面に防汚性を与える。このタイプの防汚改質
剤では、シリコーンオイルが多孔質物質の細孔内に封入
された状態で珪酸塩被覆されているので、施工時におけ
る密着性不良の問題を確実に防止できる他、防汚改質剤
として耐衝撃性や取扱い性に優れた商品となるので好ま
しい。
【0018】本発明で使用するシリコーンオイルとは、
標示表面に滲出して防汚性能を発揮するシリコーン系の
オイルを総称するもので、その種類は特に制限されず、
様々のシリコーン系オイルを使用することができる。具
体的には、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニル
シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、メチ
ル水素シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイ
ル、フロロシリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオ
イル、エポキシ変性シリコーンオイルなどが挙げられ
る。これらは単独使用し得る他、必要により2種以上を
適宜組合わせて使用することができる。それらの中でも
とりわけ好ましいのは、ジメチルシリコーンオイル、メ
チルフェニルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーン
オイルの3種を併用したものであり、該3種のシリコーン
オイル混合物は、標示施工時の密着性を確保しつつ、施
工後はその直後から優れた防汚性を発揮すると共に、防
汚持続性においても優れた性能を発揮するものとして推
奨される。
【0019】上記3種類のシリコーンオイルを併用する
際の好ましい混合比率は、標示塗料を構成する主たるビ
ヒクル成分や顔料、無機多孔物質の種類や使用条件など
によっても変わってくるので、一律に決めることはでき
ないが、標準的な配合組成は、ジメチルシリコーンオイ
ルが50質量部以上、70質量部以下、より好ましくは60質
量部以下、メチルフェニルシリコーンオイルが30質量部
以上、より好ましくは40質量部以上、50質量部以下、よ
り好ましくは45質量部以下、アミノ変性シリコーンオイ
ルが10質量部以上、20質量部以下、より好ましくは13質
量部以下の範囲である。
【0020】ちなみに、上記3種のシリコーンオイルを
併用する場合の配合比率について更に詳細に説明する
と、ジメチルシリコーンオイルが、50質量部未満では標
示塗面への滲出不足ぎみとなり、逆に70質量部を超える
と滲出過剰傾向を示すようになる。また、メチルフェニ
ルシリコーンオイルが、30質量部未満ではアスファルト
に対する防汚効果を低減し、50質量部を超えると被覆膜
不良の原因となる。更に、アミノ変性シリコーンオイル
が、10質量部未満では防汚耐久効果が低くなり、20質量
部を超えると被覆膜の脆弱の原因となる。
【0021】また、珪酸塩の種類も特に限定されるもの
ではないが、(1)珪酸ナトリウム若しくは(2)珪酸カ
リウム、或いは(3)珪酸ナトリウムと珪酸カリウムの
混合塩が好ましいことが分かった。上記(1)〜(3)の
珪酸塩水溶液を用いて、シリコーンオイル含有成分、あ
るいは細孔内にシリコーンオイルを封入した無機多孔物
質の表面を被覆すると、路面標示用塗料に卓越した防汚
性を付与することのできる防汚改質剤が得られる。これ
ら3種の珪酸塩を使用する場合について更に詳細に説明
すると、下記の通りである。
【0022】(1)硅酸ナトリウム(1〜3号)を用いる
場合は、50〜70質量%を含む水溶液で被覆することが好
ましい。硅酸ナトリウム(1〜3号)が、50質量%未満で
は被覆膜強度不足ぎみとなり、逆に70質量%を超えると
被覆膜強度過剰ぎみとなる。
【0023】(2)硅酸カリウムを用いる場合は、50〜9
0質量%を含む水溶液で被覆することが好ましい。硅酸
カリウムが50質量%未満では被覆膜強度不足ぎみとな
り、90質量%を超えると被覆膜強度過剰ぎみとなる。
【0024】(3)硅酸ナトリウムと硅酸カリウムの混
合塩を用いる場合は、硅酸ナトリウム50質量%及び硅酸
カリウム50質量%の混合塩を50〜70質量%含む水溶液で
被覆することが好ましい。硅酸ナトリウム50質量%及び
硅酸カリウム50質量%の混合割合が良い理由は、被覆膜
強度が適正となるからである。また、混合塩の場合は、
混合塩を50質量%未満で含む水溶液では被覆膜強度不足
ぎみとなり、混合塩を70質量%を超えて含む水溶液では
被覆膜強度過剰ぎみとなる。
【0025】シリコーンオイル含有成分を珪酸塩で被覆
する方法も、特に限定されないが、シリコーンオイル含
有成分を攪拌しながらこれに珪酸塩水溶液をスプレー
し、表面に珪酸塩を付着させ、乾燥して皮膜とする方法
が例示できる。また、高温溶融(180〜200℃)にて塗料
を塗布する場合は、珪酸塩で被覆されたシリコーンオイ
ル含有成分を不活性ガス中で250〜280℃に加熱し、耐熱
性を向上させた防汚改質剤を添加することが好ましい。
【0026】本発明で用いる無機多孔物質は、特に限定
されないが、アルミニウム、カルシウム、マグネシウ
ム、ジルコニウム、珪素などの酸化物や、これらの酸化
物の混合物であるゼオライト、セピオライト、シリマナ
イト、カオリナイト、ウォラストナイトなどが挙げられ
る。この中でも、加工性や生産コストを考えると、多孔
物質はセラミックスであることが好ましい。
【0027】これらセラミックスの原料は、シリコーン
オイルの性質を変質させることがなく、しかも耐熱性を
備えたものであれば特に限定されないが、コストや性能
等を総合的に特に好ましいのは、主成分が炭酸カルシウ
ム、酸化アルミニウム、酸化珪素を1種以上含むもので
あり、中でもこれら3種を下記の比率で含む粉末状のセ
ラミックスは特に好ましいものとして推奨される。
【0028】上記3種の酸化物を含む場合は、好ましく
は炭酸カルシウムが10質量部以上、より好ましくは20質
量部以上、30質量部以下、より好ましくは25質量部以
下、酸化アルミニウムが30質量部以上、より好ましくは
35質量部以上、50質量部以下、より好ましくは40質量部
以下、酸化硅素が20質量部以上、より好ましくは25質量
部以上、30質量部以下を夫々水10質量部以上、20質量部
以下、より好ましくは15質量部以下に混合し、粘土化
し、これを塊状もしくは板状にして乾燥後、800〜1000
℃の温度範囲で焼成し、次いで数十μm以上、より好ま
しくは100μm以上、1mm程度以下、より好ましくは200μ
m以下に粉砕することによって製造される。
【0029】このとき、炭酸カルシウムが10質量部未満
では隙孔の発生量が少なくなり、30質量部を超えると隙
孔が粗大の原因となる。酸化アルミニウムが30質量部未
満では軟質のセラミックスとなり、50質量部を超えると
焼成不良の原因となる。また、酸化硅素が20質量部未満
では隙孔率の少ないセラミックスの原因となり、30質量
部を超えると封孔セラミックス発生の原因となる。更
に、水が10質量部未満では成形不良の原因となり、20質
量部を超えると成形不能の原因となる。
【0030】シリコーンオイルを封入した無機多孔物質
を得るには、シリコーンオイルに多孔物質を浸漬、若し
くは、シリコーンオイルを多孔物質にスプレーする方法
が例示できる。
【0031】このようにして得られた防汚改質剤を、一
般的な各種路面標示用塗料に適当量含させると、当該塗
料の標示施工後の防汚性を著しく且つ効率よく向上させ
ることができる。つまり、上述した如くシリコーンオイ
ルが珪酸塩で被覆された防汚改質剤、あるいは、無機多
孔物質の細孔内にシリコーンオイルが封入されると共
に、その外面が珪酸塩で被覆された防汚改質剤のよう
に、珪酸塩で被覆されている防汚改質剤は、全ての路面
用塗料に添加することができるが、施工時に熱が加えら
れる塗装法に適用される塗料(例えばホットメルト型塗
料など)に配合することにより一層優れた性能を示す。
一方、無機多孔物質の細孔内にシリコーンオイルが封入
された防汚改質剤は、例えば水性路面用塗料のように、
施工時に加熱を必要としない塗装方法に用いる塗料に添
加することが好ましい。
【0032】上記防汚改質剤が配合される路面標示用塗
料の種類は特に限定されず、前述した(1)〜(4)タイ
プの全ての塗料に適用できる。各塗料の主たるビヒクル
成分を例示すると、下記の通りである。
【0033】前述(1)の常温乾燥型路面標示用塗料と
しては、主たるビヒクル成分として、アクリル樹脂、不
飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹
脂、カシュー樹脂(人工漆)、塩化ビニル樹脂などの速
乾性合成樹脂を含むものが挙げられる。
【0034】前述(2)の加熱硬化型路面標示用塗料と
しては、主たるビヒクル成分として、尿素樹脂、メラミ
ン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエ
ステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、ベンゾグア
ナミン樹脂などの熱硬化性樹脂を含むものである。
【0035】前述(3)のホットメルト型路面標示用塗
料としては、主たるビヒクル成分として、一般に石油樹
脂が使用されるが、生ロジン、マレイン化ロジン、マレ
イン化ロジンエステル、ポリアミド樹脂、不飽和ポリエ
ステル樹脂、キシレン樹脂等の熱可塑性樹脂を含むもの
である。
【0036】前述(4)の水性路面標示用塗料として
は、アクリル酸樹脂、アルキド樹脂、合成乾性油、合成
ラテックス、変性カゼイン、変性デンプン、変性ニカワ
などの水性樹脂を架橋剤としてビヒクル成分とするもの
である。
【0037】更に、路面標示用塗料には、一般的に上記
主たるビヒクル成分以外に、顔料、充填剤、ガラスビー
ズ等が配合されており、施工に際して路面等との接着性
を向上させるためにプライマーを介して路面等に塗布さ
れている。
【0038】プライマーとしては、トルエン、キシレ
ン、アセトン、酢酸エチル等の有機溶剤が挙げられる。
顔料としては、酸化チタン、亜鉛華、リトポン等の白色
顔料、黄鉛、チタンイエロー等の黄色顔料等が使用され
る。充填剤としては、炭酸カルシウム、珪砂、寒水砂、
タルク等が使用される。このほか添加剤として酸化防止
剤や沈降防止剤のワックス、あるいは植物油、植物油変
性アルキド樹脂、フタル酸エステル等の可塑剤等が必要
に応じて適宜量配合されればよい。
【0039】以下、本発明を実施例によって更に詳細に
説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のもの
ではなく、前・後記の主旨に徴して設計変更することは
いずれも本発明の技術的範囲内に含まれるものである。
【0040】
【実施例】多孔質物質として、多孔質セラミックスを用
い、該多孔質セラミックスにシリコーンオイルを浸透さ
せ、珪酸塩で被覆したものを防汚改質剤とした。
【0041】多孔質セラミックスは、炭酸カルシウム25
質量%、酸化アルミニウム35質量%、酸化珪素30質量
%、水10質量%を加え、粘土化し、塊状にしたものを乾
燥後850〜900℃で焼成、粉砕、加工したものを用いた。
【0042】シリコーンオイルは、ジメチルシリコーン
オイル50質量%、メチルフェニルシリコーンオイル40質
量%、アミノ変性シリコーンオイル10質量%を混合した
ものを用いた。
【0043】珪酸塩は、珪酸ナトリウム50質量%、珪酸
カリウム50質量%を混合したものを50質量%含む水溶液
を調製した。攪拌している多孔質セラミックス粒子に該
水溶液をスプレーし、表面を被覆した未焼成防汚改質剤
と、前記未焼成防汚改質剤を250〜280℃で加熱し、耐熱
性を向上させた焼成防汚改質剤を調製した。
【0044】路面標示用塗料には、ホットメルト型塗料
として、ボンライン(白)、ミストライン(白)、ミス
トライン(黄)(全て信号器材株式会社製;主たる成分
は、ビヒクル成分に石油樹脂、大豆油変性アルキッド樹
脂、ポリエチレン系ワックス、低分子ポリエチレン、顔
料に酸化チタン、体質材に炭酸カルシウム、反射材にガ
ラスビーズなどを含む)を用いた。また、ホットまたは
常温メルト型塗料として、ハードラインC-4000(白)
(アトミクス株式会社製;主たる成分は、ビヒクル成分
に変性エポキシ樹脂、顔料に酸化チタン,体質顔料、補
助剤に沈殿防止剤、皮膜膨防止剤、溶剤)を用い、水性
路面標示用塗料として、ボンペイントエコ(白)(信号
器材株式会社製;主たる成分は、ビヒクル成分に特殊合
成樹脂エマルジョン、顔料に酸化チタン,体質顔料、補
助剤に分散剤,防腐剤,消泡剤、溶剤に揮発性有機溶
剤,水)を用いた。
【0045】ボンライン(白)、ミストライン(白)、
ミストライン(黄)に焼成防汚改質剤を1〜5質量部添加
したものを本発明例とし、防汚改質剤を添加していない
ものを比較例とした。また、ハードラインC-4000
(白)、ボンペイントエコ(白)に未焼成防汚改質剤を
1〜5質量部添加したものを本発明例とし、防汚改質剤を
添加していないものを比較例とした。
【0046】ボンライン(白)を用いた場合は180℃で
溶融塗布したものをワーク(供試体)とし、ミストライ
ン(白)、ミストライン(黄)を用いた場合は180〜200
℃で溶融させたものをホットスプレーガンで噴霧塗布し
たものをワークとした。また、ハードラインC-4000
(白)を用いた場合は常温で塗布後、200℃で焼きつけ
乾燥し、10分以上冷却したものをワークとし、ボンペイ
ントエコ(白)を用いた場合は常温で塗布後、24時間自
然乾燥したものをワークとした。ワークを旋回テスト機
の台座に固定し、タイヤ旋回方式の汚染測定を行った。
【0047】タイヤ旋回方式の汚染測定は、次のように
行った。NBR(ニトリルブタジエンゴム)製タイヤ(直
径100mm、幅20mm、厚さ50mm)を用い、旋回径φ130mm、
荷重圧200kg/cm2、100r.p.mでワーク上を2時間旋回さ
せ、ワーク表面にタイヤ痕を転写する。該タイヤ痕を水
にて洗浄後、塗料塗布面の汚染度を目視して評価した。
実質的に汚れが不着しないもの(防汚性に優れているも
の)を「1」とし、顕著に汚れが付着し残るもの(防汚
性に劣るもの)を「5」とし、耐タイヤ汚染度を5段階で
評価した。結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】表1を見て分かるように、本発明の防汚改
質剤を路面標示用塗料に1質量部添加すると、全ての塗
料で防汚効果を発揮した。特に、ボンライン(白)、ミ
ストライン(白)、ミストライン(黄)、ボンペイント
エコ(白)を用いた場合は、本発明の防汚改質剤を2質
量部添加すると優れた効果を得ることができ、実質的に
汚れの不着を防ぐことができる。ハードラインC-4000
(白)を用いた場合は、防汚改質剤を5質量部添加する
と優れた効果を発揮し、汚れの不着を防ぐことができ
る。
【0050】
【発明の効果】路面に対し優れた密着性を示すと共に、
優れた防汚性を長期的に持続し得る様な特性を塗料に付
与することのできる防汚改質剤を提供し、ひいては該防
汚改質剤を配合することにより、防汚持続性に優れた路
面標示用防汚塗料を提供することができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 201/00 C09D 201/00 (71)出願人 500115251 コルペエコー株式会社 大阪府柏原市田辺1丁目2番15号 (72)発明者 岡本 美知子 大阪府柏原市大県3丁目10番19号 Fターム(参考) 4J038 BA121 BA201 BA221 BA231 CD031 CG141 CR011 DA041 DA111 DB001 DD121 DD181 DG001 DH001 DL032 DL082 EA011 HA216 HA286 HA446 HA456 HA566 KA08 KA15 KA22 NA05 NA12 NA14 PB05

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコーンオイル含有成分が珪酸塩で被
    覆されていることを特徴とする防汚改質剤。
  2. 【請求項2】 無機多孔物質の細孔内にシリコーンオイ
    ルが封入されていることを特徴とする防汚改質剤。
  3. 【請求項3】 無機多孔物質の細孔内にシリコーンオイ
    ルが封入されていると共に、その外面が珪酸塩で被覆さ
    れていることを特徴とする防汚改質剤。
  4. 【請求項4】 前記シリコーンオイルが、ジメチルシリ
    コーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、およ
    びアミノ変性シリコーンオイルから選ばれる1種以上を
    含むものである請求項1〜3のいずれかに記載の防汚改
    質剤。
  5. 【請求項5】 前記シリコーンオイルが、ジメチルシリ
    コーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、およ
    びアミノ変性シリコーンオイルを含むものである請求項
    4に記載の防汚改質剤。
  6. 【請求項6】 前記珪酸塩が珪酸ナトリウム及び/また
    は珪酸カリウムを含むものである請求項1,3,4,5
    のいずれかに記載の防汚改質剤。
  7. 【請求項7】 前記多孔物質がセラミックスである請求
    項2〜6のいずれかに記載の防汚改質剤。
  8. 【請求項8】 前記セラミックスが、炭酸カルシウム、
    酸化アルミニウム、酸化珪素のうち1種以上を含むもの
    である請求項7に記載の防汚改質剤。
  9. 【請求項9】 前記セラミックスが、炭酸カルシウム、
    酸化アルミニウムおよび酸化珪素を含むものである請求
    項8に記載の防汚改質剤。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載の防汚
    改質剤を含む路面標示用防汚性塗料。
JP2000312576A 2000-10-12 2000-10-12 防汚改質剤および路面標示用防汚性塗料 Pending JP2002121539A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000312576A JP2002121539A (ja) 2000-10-12 2000-10-12 防汚改質剤および路面標示用防汚性塗料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000312576A JP2002121539A (ja) 2000-10-12 2000-10-12 防汚改質剤および路面標示用防汚性塗料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002121539A true JP2002121539A (ja) 2002-04-26

Family

ID=18792142

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000312576A Pending JP2002121539A (ja) 2000-10-12 2000-10-12 防汚改質剤および路面標示用防汚性塗料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002121539A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20190069861A (ko) * 2017-12-12 2019-06-20 전자부품연구원 아이스포빅 도료 및 그의 제조방법

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10102444A (ja) * 1996-09-27 1998-04-21 Toto Ltd 防汚性路面標示、及びその施工方法
JP2000135442A (ja) * 1998-08-28 2000-05-16 Tao:Kk 撥水性基体

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10102444A (ja) * 1996-09-27 1998-04-21 Toto Ltd 防汚性路面標示、及びその施工方法
JP2000135442A (ja) * 1998-08-28 2000-05-16 Tao:Kk 撥水性基体

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20190069861A (ko) * 2017-12-12 2019-06-20 전자부품연구원 아이스포빅 도료 및 그의 제조방법
KR102085802B1 (ko) 2017-12-12 2020-03-06 전자부품연구원 아이스포빅 도료 및 그의 제조방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6624232B2 (en) Pavement sealing composition and method of application
KR101748254B1 (ko) 융착형 노면 표지용 도료 조성물 및 이를 이용한 노면 표지의 형성 방법
US4324711A (en) Melt-adhesive traffic paint composition
KR101176043B1 (ko) 혼합 비드를 함유하는 도로의 차선용 액상 도료 조성물
CS274426B2 (en) Binding agent on bitumen base for cold-working
EP0447235B1 (en) Method of providing a high opacity, thin coat line-marking paint on airport runways
KR101837148B1 (ko) 고휘도 발광안료를 이용한 노면표지용 융착식 플라스틱 도료 조성물
US3852228A (en) Thixotropic coating composition
GB1475411A (en) Tiles
KR101488816B1 (ko) 미끄럼 방지 기능과 시인성이 향상된 노면표시선용 도료 조성물 및 이를 이용한 노면표시선 시공방법
JP2002121539A (ja) 防汚改質剤および路面標示用防汚性塗料
JP5204142B2 (ja) 遮熱性塗料組成物
KR101889270B1 (ko) 발수기능 및 내오염기능을 증대시키고, 기계적 물성을 향상시킨 고기능성 미끄럼 방지 포장재 조성물 및 이를 이용한 시공방법
KR101110574B1 (ko) 미끄럼 방지 기능을 가지며 내크랙성 및 휘도가 우수한 도로노면 표시 조성물
KR0182662B1 (ko) 고내마모성 도로 표지용 도료 조성물
JPH0617563B2 (ja) 路面標示方法
KR19980701768A (ko) 수계 표지물질 및 이의 제조방법
JP3548791B2 (ja) 加熱溶融型道路標示塗料
TWI572685B (zh) 濕固化型塗料之低濕固化
JPH07179787A (ja) 加熱溶融型道路標示塗料
KR20050057864A (ko) 야간시인성이 우수한 차선의 도색 방법
JPS60130660A (ja) 溶融式すべり止め標示材
Cohen Zircoaluminate adhesion promoters
JP4316062B2 (ja) 熱溶融型すべり止め材料
JPH07258583A (ja) 加熱溶融型道路標示塗料

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040917

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20050119

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20050119

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050315

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20050315

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071011

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20071219

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20071219

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100930

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101109

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110308