JP2008506624A - 耐久親水特性を有するオキシ炭化ケイ素コーティング - Google Patents
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Abstract
オキシ炭化ケイ素コーティングは、(i)前記コーティングの屈折率が1.70あるいはそれ以上であるのみならず、(ii)前記コーティングの厚さが350Åあるいはそれ以上であるときに、約数ヶ月間というかなりの長期間親水性を維持する。
Description
本発明は、親水性コーティング、特に長期間親水性を保持するオキシ炭化ケイ素コーティングに関する。
親水性コーティングは、水がその物品の表面に広がって、その物品と汚染物質の間に浸透する能力を高めることにより物品から汚染物質(例えば「ほこり」)の除去を容易にすることができ、それにより汚染物質がその物品から分離される。
親水特性は、特に酸化チタンといった様々な金属酸化物に基づく半導体材料のコーティングにしばしば関連する。そのようなコーティングは、通常紫外線(「UV」)照射による「活性化」を必要とする。UVによる活性化は、金属酸化物コーティングが、そのコーティングに汚染物質を結びつける化学結合を破壊する能力を高める。
UVによる活性化は、金属酸化物の親水特性をも高める。例えばガラスなどの無機物との水の接触角は、一般的に20度から40度である。樹脂などの典型的な有機物質との水の接触角は、70度から90度である。ケイ素樹脂やフルオロカーボンポリマーなどの疎水性樹脂との水の接触角は、90度以上である。対照的に、UVによって活性化された金属酸化物コーティングの接触角は20度未満、かつしばしば10度未満であり、活性化された金属酸化物コーティングの上に広がろうとする水の傾向を示している。金属酸化物コーティングのUV照射は、水接触角をゼロに近づけることができる。
親水特性は、酸化ケイ素コーティング、オキシ炭化ケイ素コーティング及び酸窒化ケイ素コーティングにも見られる。これらのコーティングは、ゾルゲル法の利用及び化学気相蒸着やスパッタリングを含む蒸着法によって堆積されている。
特許文献1は、高度な親水特性を備えたオキシ炭化ケイ素コーティングを開示している。特許文献1は、1.68の屈折率及び50ナノメートルの厚さを有し、気温30℃、相対湿度95%の実験室環境に14日間もの間曝されるSiOCコーティング上では、水滴が観察されないことを開示している。
親水性コーティングは、時間の経過とともにその親水特性を失う。屋外暴露により、従来のオキシ炭化ケイ素コーティングは、通常約1、2週間しか親水性を保てない。
国際公開公報第01/32578号明細書
親水性を回復するためには、コーティングは様々な方法で処理されなければならない。金属酸化物コーティングは、その高度な親水特性を回復するためにUV照射によって「再活性化」されなければならない。ケイ素ベースのコーティングは、親水性を復元するために化学的に洗浄されなければならない。太陽光は、多くの場合再活性化のための十分なUV照射を提供することができる。しかしながら、太陽光への暴露は多くの用途において実用的でない。親水性回復のための化学洗浄は、費用がかかりかつ時間を浪費することが多い。
親水性コーティングの先行研究は、小さい水接触角でのコーティングを調査しているが、小さい水接触角の親水性コーティングが親水性を保てる期間を延ばすことには焦点を当ててこなかった。
高度な親水耐久性を示しかつ親水特性維持のためのメンテナンスが少なくて済む親水性コーティングが必要である。
本発明は、およそ数ヶ月もの間、天候を構成する要素(すなわち風、雨、雪、太陽など)に持続的な屋外暴露後でさえ親水性を保つオキシ炭化ケイ素コーティングを提供する。本発明のオキシ炭化ケイ素コーティングは、(1)1.70以上の屈折率、及び(2)350Å以上の厚さの両方を備えている。該オキシ炭化ケイ素コーティングは、親水性のためにUV放射にさらす必要がない。該オキシ炭化ケイ素コーティングがその親水性を失った場合は、例えば石けんと水ないし酢と水などのガラスクリーナーでコーティングを洗い流すことによりその親水性を容易に回復させることができる。
本発明のオキシ炭化ケイ素コーティングは、屋外のような汚染物質を含む環境に曝されるときに耐久性のある親水特性を発揮する。該コーティングの親水性表面は、雨などの降水に曝され、かつ洗浄される場合に、標準の被覆表面よりも清掃がずっと容易でありかつずっと長く清潔に保たれる。
図1は、コーティングされた物品10が、オキシ炭化ケイ素コーティング2でコーティングされた基材1を含む本発明の実施形態を示す。オキシ炭化ケイ素コーティング2は、2つの対向面2a及び2bを有する。面2aは、基材1と接触している。面2bは、大気圧で、かつ水の沸点である100℃未満の温度で、外気に接触しかつ曝される。オキシ炭化ケイ素コーティング2が固体層や基材1の間に挟まれないため、オキシ炭化ケイ素コーティング2の面2bは、固形層と接触しない。
図2は、コーティングされた物品20が基材1とオキシ炭化ケイ素コーティング2の間に挟まれた光学積層体3を含んでいる実施形態を示す。光学積層体3は、1つ以上の層を含むことができる。光学積層体3は、例えば、赤外線反射性金属(例えばAg)の1つ以上の層を含む低放射率積層体になり得る。
基材として適当なものには、建築用途および輸送用途に利用される材料を含む。そのような材料は、ガラス、金属、ガラスセラミック、セラミック、セメント、れんが、木材、ポリマー等を含む。好ましくは、該基材はガラスから成ることである。より好ましくは、該基材は可視光を通すガラスであることである。
本発明の耐久性のある親水性コーティングは、オキシ炭化ケイ素を含む。適切なオキシ炭化ケイ素は、0<x<1.8かつ0<y<1.5であるSiOxCyを含む。オキシ炭化ケイ素の一例はSiOCである。実施形態では、オキシ炭化ケイ素は、原子百分率で0%<Si≦25%のSi、0%<O≦45%のO、0%<C≦40%のCを含有している。他の実施形態においては、オキシ炭化ケイ素は、原子百分率で0%<Si≦35%のSi、0%<O≦55%のO、0%<C≦30%のCを含有している。実施形態では、オキシ炭化ケイ素コーティングにおけるSi/(C+O)の割合は、0.20から0.45の範囲であり、より好ましくは0.25から0.40の範囲である。他の実施形態では、オキシ炭化ケイ素コーティングにおけるSi/(C+O)の割合は、0.30から0.55の範囲であり、より好ましくは0.35から0.50の範囲である。
オキシ炭化ケイ素コーティングの親水性は、屈折率が増加するに伴って減少する(すなわち、水の接触角が拡大する)傾向にある。対照的に、オキシ炭化ケイ素コーティングの親水性の耐久性は、屈折率の増加とともに増している。
本発明のオキシ炭化ケイ素コーティングは、1.75以上、ないし1.80以上といった、1.70以上の屈折率(「n」)を有する。オキシ炭化ケイ素コーティングの屈折率は、コーティングに含まれるSi、O及びCの相対量およびそれらの間の化学結合の複雑な関数である。もし屈折率が1.70未満の場合、オキシ炭化ケイ素の親水特性の耐久性は減少する。光学ガラスに親水性コーティングを施すには、2.0以下の屈折率が好ましく、被覆光学ガラスが望ましい表面的特性を有することを確実にするためには、1.90以下がより好ましい。光学ガラスへの応用については、もしオキシ炭化ケイ素コーティングの屈折率が1.90を越える場合、コーティングは、光を反射し過ぎる傾向があって、コーティングされた光学ガラスにおいて好ましくない見た目の変化につながる。
本発明のオキシ炭化ケイ素コーティングは、350Å以上、好ましくは380Å以上、より好ましくは400Å以上の厚みを有する。もし該コーティングの厚みが350Å未満の場合、オキシ炭化ケイ素の親水特性の耐久性は低下する。
光学ガラスに親水性コーティングを施すためには、そのコーティングも800Å以下の厚さが好ましく、600Å以下の厚さがより好ましい。もし該コーティングの厚さが800Åを越えると、該コーティングは過剰に光を反射する傾向を呈する。
オキシ炭化ケイ素は、結晶質であっても非晶質であってもよいが、非晶質であることが好ましい。オキシ炭化ケイ素コーティングは、均一な組成であることが好ましい。
本発明のオキシ炭化ケイ素コーティングは、例えばスパッタリングや化学気相蒸着などの蒸着法を含むこの分野で周知の様々な方法で形成が可能である。
例えば、本発明のコーティングは、固体基材上に化学気相蒸着法を行うことによりオキシ炭化ケイ素を蒸着させて形成することができる。化学気相蒸着法は、この分野で周知であり、ここでは詳しく説明しない。オキシ炭化ケイ素は、シランの気相混合物、有機化合物、不活性なキャリアガス及び他の添加ガスを用いる化学気相蒸着により形成できる。適切なシランは、モノシラン(SiH4)、ジシラン(Si2H6)及びジクロロシアン(SiH2Cl2)のようなハロゲン化シランを含む。好ましくは、この有機化合物は室温で気相である。そのような有機化合物は、2から5の炭素原子を含有するオレフィン化合物及びアセチレン化合物を含む。5を越える炭素原子を含む有機化合物は、シランを使用する分解温度以下でそれらが気相であれば利用することができる。適切な有機化合物の例として、エチレン、ブタジエン、ペンテン及びジフルオロエチレンのようなハロゲン化オレフィン等のオレフィン、アセチレン等のアセチレン系炭化水素、及びベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素が挙げられる。不活性ガス(キャリアガス)は、希ガスないし窒素(N2)等であってよい。他の添加ガスには、アンモニア(NH3及び水素(H2))がある。
実施形態においては、オキシ炭化ケイ素コーティングは、シラン、エチレン、二酸化炭素及び窒素の混合物を用いた化学気相蒸着により形成される。反応性気体中における各ガスのモル濃度は、5%<シラン<20%、5%<エチレン<20%、20%<二酸化炭素<80%及び5%<窒素<20%の範囲でよい。各ガスの最高及び最低量は、目標となる屈折率の範囲により決められる。
オキシ炭化ケイ素コーティングは、約400℃から800℃の温度で蒸着されるのが好ましく、約550℃から700℃の範囲がより好ましい。蒸着率は、200Å/秒から600Å/秒の範囲が好ましい。
実施形態では、オキシ炭化ケイ素コーティングは、溶融スズ槽上に形成されたフロートガラスの上に蒸着することができる。
本発明のオキシ炭化ケイ素コーティングは、親水性である。本願で使用される「親水性」という用語は、コーティングと水の接触角が20度未満であることを意味する。該オキシ炭化ケイ素コーティングは、その水接触角が10度未満、より好ましくは5度未満の「超親水性」であることが好ましい。
一般的に、新たに蒸着されたオキシ炭化ケイ素コーティングは、該コーティングが親水性反応を発揮するのを阻止する(炭素、油脂性のほこり等の)表面汚染物で覆われる。該表面汚染物は、該コーティングと基材がコーティング蒸着の後に冷却されると、該コーティング上に集まる。
新たに蒸着されたオキシ炭化ケイ素コーティングは、コーティングから表面汚染物を除去することにより親水性が保たれる。これは、ガラスクリーナーでコーティングをすすぎ洗いすることや表面汚染物を洗い流すことにより達成される。一般的にガラスクリーナーとは、石けんと水ないし酢と水を含む。
コーティングされていないガラスでも、酢で洗うと親水性になり得る。しかしながら、コーティングされていないガラスは、耐久性のある親水特性を有する本発明のオキシ炭化ケイ素とは対照的に、1日か2日でその親水特性を失う。
本発明のオキシ炭化ケイ素コーティングは、n<1.70かつ厚さ<350Åである従来のオキシ炭化ケイ素コーティングよりも大幅に長い期間親水特性を発揮する。本発明のオキシ炭化ケイ素コーティングは、同じ環境下でn<1.70かつ厚さ<350Åであるオキシ炭化ケイ素層よりも少なくとも2倍の期間、好ましくは少なくとも5倍の期間、より好ましくは少なくとも10倍の期間親水性を保つ。従来のオキシ炭化ケイ素コーティングの親水特性を1〜2週間以内で失わせる暴露条件下で、本発明のオキシ炭化ケイ素コーティングは、数ヶ月間親水性を保つことができる。
図3は、フレーム4がコーティングされた物品10の周囲に接触できるように、オキシ炭化ケイ素コーティング2でコーティングされた基材1を含むコーティングされた物品10がフレーム4に設けられている本発明の実施形態を示す。好ましくは、フレーム4が、コーティングされた物品10の全周囲と接触することである。フレーム4は、コーティングされた物品10及びオキシ炭化ケイ素コーティング2に機械的支持を提供し、またコーティングされた物品10が他の対象物に対して配置されることを可能にする。例えば、実施形態において、フレーム4は自動車や建物にコーティングガラス窓10を配置するための窓枠としての役割を果たす。
使用時には、本発明のコーティングされた物品は、比較的汚染物質がない内側の領域と汚染物質を含有する外側の領域の間に設置することができる。コーティングされた物品は、オキシ炭化ケイ素コーティングが汚染物質を含有する外側の領域に面するよう配置されるのが好ましい。例えば、コーティングされた物品は、車両ないし建物の内部を屋外から分離させるように、屋外の汚染環境に面してオキシ炭化ケイ素コーティングを配置することができる。オキシ炭化ケイ素コーティングの親水特性は、該物品のコーティング表面上に堆積するいかなる汚染物質も水で洗い流すことによってその除去を容易にする。
本発明のオキシ炭化ケイ素コーティングは、従来の親水性コーティングよりも十分に長くその親水特性を保持するが、該コーティングの親水特性は最終的に劣化し始める。この状況が起こるときに、石けんと水、ないし酢と水のようなガラスクリーナーで再びオキシ炭化ケイ素コーティングを洗い流すことによって親水特性は回復される。
一般的に説明を行なってきた本発明において、特別の定めがない限り限定するものではなく、例示のみのために提供される下記実施例について述べる。
[実施例1〜3]
n>1.70かつ厚さ>350Åであるオキシ炭化ケイ素コーティングは、非酸化条件下でフロートガラス法により製造された熱いソーダ石灰ガラスのリボン上に化学気相蒸着によって蒸着された。該コーティングは、約8.8重量%のシラン、9.8重量%のエチレン、73.9重量%の二酸化炭素及び7.4重量%の窒素を含む反応性ガス混合物を、680℃の温度かつフロートバス圧力をやや上回る圧力でガラスリボンに吹きつけることで蒸着された。
n<1.70かつ厚さ<350Åの比較コーティングも同一の基材上に同じ条件下で蒸着された。
該コーティングは、水と酢のガラスクリーナーを利用して洗い流された。
各コーティングの組成は、X線光電子分光法(ESCA)により測定された。該コーティングのそれぞれの屈折率及び厚さは、分光光度法により測定された。
該コーティングは、水平状態で並べて屋外に曝された。
親水特性は、各コーティング表面上に吹付けられた水が、透明フロートガラスの標準的な断片に広がる水と比較してどのようにシート状に広がるかを観測することにより測定した。
n>1.70かつ厚さ>350Åであるオキシ炭化ケイ素コーティングは、非酸化条件下でフロートガラス法により製造された熱いソーダ石灰ガラスのリボン上に化学気相蒸着によって蒸着された。該コーティングは、約8.8重量%のシラン、9.8重量%のエチレン、73.9重量%の二酸化炭素及び7.4重量%の窒素を含む反応性ガス混合物を、680℃の温度かつフロートバス圧力をやや上回る圧力でガラスリボンに吹きつけることで蒸着された。
n<1.70かつ厚さ<350Åの比較コーティングも同一の基材上に同じ条件下で蒸着された。
該コーティングは、水と酢のガラスクリーナーを利用して洗い流された。
各コーティングの組成は、X線光電子分光法(ESCA)により測定された。該コーティングのそれぞれの屈折率及び厚さは、分光光度法により測定された。
該コーティングは、水平状態で並べて屋外に曝された。
親水特性は、各コーティング表面上に吹付けられた水が、透明フロートガラスの標準的な断片に広がる水と比較してどのようにシート状に広がるかを観測することにより測定した。
暴露初日には、実施例1、2及び3は、透明フロートガラスの標準的な断片とは異なり、水をシート状に薄く広げるという同じ挙動を示した。しかしながら、2日から10日後、実施例3は、もはや水をシート状には広がらず、代わりに透明フロートガラスの標準的な断片のような反応を示した。10日から20日後には、実施例2がもはや水をシート状に広げず、代わりに透明フロートガラスの標準的な断片のような反応を示した。実施例1は、200日後も引き続き水がシート状に広がった。
実施例2及び3における親水特性の継続期間は、屋外暴露の条件(例えば雨、日光、温度など)に応じて表1で示される範囲内で変化した。
表1は、オキシ炭化ケイ素コーティングが1.70以上の屈折率及び350Å以上の厚さを有するときに、該コーティングはかなり長期間親水特性を発揮することを示している。
[実施例4]
図4は、屈折率1.70及び厚さ550Åを有するオキシ炭化ケイ素コーティングであり、そのコーティングが屋外に3日間、12日間、及び200日間曝された後のそのコーティング上の水滴を図式的に表している。図4は、その比較コーティングが同じ条件下で、屋外に3日間、12日間、200日間曝された後の、屈折率1.58及び厚さ250Åを有する比較オキシ炭化ケイ素コーティング上の水滴をも図式的に表している。
図4は、屈折率1.70及び厚さ550Åを有するオキシ炭化ケイ素コーティングであり、そのコーティングが屋外に3日間、12日間、及び200日間曝された後のそのコーティング上の水滴を図式的に表している。図4は、その比較コーティングが同じ条件下で、屋外に3日間、12日間、200日間曝された後の、屈折率1.58及び厚さ250Åを有する比較オキシ炭化ケイ素コーティング上の水滴をも図式的に表している。
図4は、3日後では、両方のオキシ炭化ケイ素コーティングが親水性であることを示している。しかしながら、12日後には、屈折率1.70及び厚さ550Åであるオキシ炭化ケイ素コーティングは親水性を保持しているが、比較オキシ炭化ケイ素コーティングは、その親水特性を失っている。200日後においても、本発明のオキシ炭化ケイ素コーティングは、親水特性を発揮し続けている。
本発明におけるある値の数値範囲に関する開示は、その範囲に含まれるあらゆる数値の開示である。
本発明は特定の実施形態に関して記載されているが、説明された特定の詳細に限定されることはなく、当業者が提案してもよい様々な変更及び修正、記載の請求項に定義されるような本発明の範囲内に収まる全てを含んでいる。
1 基材
2 オキシ炭化ケイ素コーティング
3 光学積層体
4 フレーム
10、20 コーティングされた物品
2 オキシ炭化ケイ素コーティング
3 光学積層体
4 フレーム
10、20 コーティングされた物品
Claims (20)
- 向かい合う第1面及び第2面を有するコーティングであって、前記第1面が固体基材と接触し、前記第2面が大気圧で及び100℃未満の温度で基本的に空気とのみ接触しており、
前記コーティングが、
オキシ炭化ケイ素を含む均一な組成と、
1.70以上の屈折率と、
350Å以上の厚さと、を備え、
前記コーティングの前記第2面が、20度以下の対水接触角を有する親水性であるコーティング。 - 前記オキシ炭化ケイ素が、
35原子百分率以下であるが0原子百分率を越えるSiと、
55原子百分率以下であるが0原子百分率を越えるOと、
30原子百分率以下であるが0原子百分率を越えるCと
を備える請求項1に記載のコーティング。 - 前記オキシ炭化ケイ素が、SiOCを備える請求項1に記載のコーティング。
- 前記屈折率が、1.70から2.0の範囲である請求項1に記載のコーティング。
- 前記厚さが、350Åから800Åの範囲である請求項1に記載のコーティング。
- 前記コーティングが、化学気相蒸着法により生成される請求項1に記載のコーティング。
- 前記化学気相蒸着法が、400℃から800℃の範囲の温度で、前記固体基材をシラン、エチレン、二酸化炭素及び窒素を含有する気体中に曝すことを備える請求項6に記載のコーティング。
- 前記コーティングの前記第1面が、ガラスを有する固体基材と接触している請求項1に記載のコーティング。
- 前記コーティングの前記第1面が、前記コーティングと前記ガラスの間にある光学積層体と接触している請求項8に記載のコーティング。
- 前記コーティングの前記第2面が、10度未満の対水接触角を有する親水性である請求項1に記載のコーティング。
- 前記コーティングの前記第2面が、5度未満の対水接触角を有する親水性である請求項1に記載のコーティング。
- 化学気相蒸着法により固体基材上にオキシ炭化ケイ素組成物を蒸着することと、
請求項1に記載のコーティングを生成すること
を備えるコーティングの製造方法。 - 前記化学気相蒸着法が、400℃から800℃の範囲の温度で、前記固体基材をシラン、エチレン、二酸化炭素及び窒素を含有する気体中に曝すことを備える請求項12に記載の方法。
- 窓枠に請求項1に記載のコーティングを支持することを含むコーティングの使用方法。
- 内側の領域と、汚染物質を含む外側の領域の間に請求項1に記載のコーティングを配置することを含むコーティングの使用方法。
- 基材を汚染物質のない状態にしておくためのコーティングの使用方法であり、
請求項1のコーティングを屋外に曝すことと、
ガラスクリーナーで前記コーティングの前記第2面を洗い流すこと
を備える方法。 - 前記ガラスクリーナーが、水と、石けん及び酢から成るグループの少なくとも1つの成分とを備える請求項16に記載の方法。
- 前記洗浄後、前記コーティングの前記第2面が、同一環境下で1.70未満の屈折率及び350Å未満の厚さを有するオキシ炭化ケイ素層よりも長期間、20度未満の対水接触角を有する親水性を維持する請求項16に記載の方法。
- 前記洗浄後、前記コーティングの前記第2面が、同一環境下で1.70未満の屈折率及び350Å未満の厚さを有するオキシ炭化ケイ素層よりも少なくとも2倍長く、20度未満の対水接触角を有する親水性を維持する請求項18に記載の方法。
- 前記洗浄後、前記コーティングの前記第2面が、同一環境下で1.70未満の屈折率及び350Å未満の厚さを有するオキシ炭化ケイ素層よりも少なくとも5倍長く、20度未満の対水接触角を有する親水性を維持する請求項18に記載の方法。
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