JP2865065B2 - 親水性表面を備えた複合材 - Google Patents
親水性表面を備えた複合材Info
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- Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
- Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Description
の親水性になし、かつ、維持する技術に関する。より詳
しくは、本発明は、鏡、レンズ、板ガラスその他の透明
基材の表面を高度に親水化することにより、基材の曇り
や水滴形成を防止する防曇技術に関する。本発明は、ま
た、建物や窓ガラスや機械装置や物品の表面を高度に親
水化することにより、表面が汚れるのを防止し、又は表
面を自己浄化(セルフクリーニング)し、若しくは容易
に清掃する技術に関する。
基材表面に一様に拡がるようになるので、ガラス、レン
ズ、鏡の曇りを有効に防止でき、湿分による失透防止、
雨天時の視界性確保等に役立つ。基材表面が親水化され
ると、さらに、都市媒塵、自動車等の排気ガスに含有さ
れるカーボンブラック等の燃焼生成物、油脂、シーラン
ト溶出成分等の疎水性汚染物質が付着しにくく、付着し
ても降雨や水洗により簡単に落せるようになるので便利
である。
汚塗料の分野において、従来から親水性樹脂が提案され
ている(例えば、実開平5−68006号や、「高分
子」、44巻、1995年5月号、p.307)。ま
た、親水化するための表面処理方法も提案されている
(例えば、実開平3−129357号)。
樹脂は水との接触角に換算して30〜50゜までしか親
水化されず、充分な曇り防止効果が発揮できない。また
無機粘土質からなる汚染物質の付着及び降雨、水洗によ
る清浄性が充分でない。かつ一時的に親水化されても長
期にわたりその状態を維持することができない。また従
来提案されている親水化するための表面処理方法(エッ
チング処理、プラズマ処理)では、一時的に高度に親水
化できても、その状態を長期間維持することができな
い。
導体層を形成すると、光触媒性半導体材料の光励起に応
じて、層表面が高度に親水化される技術を発明し、基材
の曇りや水滴形成を防止する防曇技術、建物や窓ガラス
や機械装置や物品の表面の汚れ防止、自己浄化(セルフ
クリーニング)、易清掃に利用できることを提案した
(PCT/JP96/00733号)。この方法によれ
ば、水との接触角に換算して10゜以下程度まで高度に
親水化されるので、充分な曇り防止効果が発揮され、無
機粘土質からなる汚染物質の付着及び降雨、水洗による
清浄性も飛躍的に向上する。また光触媒性半導体材料の
光励起に応じて、表面の親水化された状態が維持、回復
される。
触媒性半導体のみからなる層を形成したのでは一旦光触
媒性半導体材料の光励起に応じて、親水化させた後、暗
所に放置すると水との接触角の上昇が速い。従って、頻
繁に光触媒性半導体を励起させうる波長の光を照射しな
ければ基材表面の親水性を維持できず、基材の曇りや水
滴形成の防止性、建物や窓ガラスや機械装置や物品の表
面の汚れ防止性や自己浄化性、易清掃性が発揮されない
という問題があった。そこで、本発明では、一旦光触媒
性半導体材料の光励起に応じて、親水化させた場合に、
室内微弱照明下、又は暗所において長期にわたり良好な
親水維持性を呈する複合材を提供することを目的とす
る。
解決すべく、基材と、前記基材の表面に形成された光触
媒性半導体からなる層と、さらにその表面に形成された
親水性の層からなり、前記親水性の層の表面は、前記光
触媒性半導体材料の光励起に応じて、親水化されること
を特徴とする複合材を提供する。本発明の好ましい態様
においては、前記親水性の層は、シリカ、及び/又はシ
リコン原子に結合された有機基の少なくとも一部が水酸
基に置換されたシリコーン樹脂であるようにする。光触
媒性半導体からなる層の表面に上記物質からなる層を設
けることにより、一旦光触媒性半導体材料の光励起に応
じて親水化させた場合に、複合材表面は、室内微弱照明
下、又は暗所において長期にわたり良好な親水維持性を
呈するようになる。
説明する。ここで、基材には、防曇、視界確保、失透防
止の目的で使用する場合には、鏡、レンズ、ガラス、プ
リズム、透明プラスチック等の透明性の基材ならいずれ
でも使用できる。汚れ防止性や自己浄化性、易清掃性の
目的で使用する場合には、上記の他、例えば、金属、セ
ラミック、プラスチック、木、石、セメント、コンクリ
ート、及びそれらの組合せである塗装板、積層板等使用
できる。
る状態の変化をいう。例えば、都市煤塵や、建造物の排
気口からの排出物、自動車等の排気ガスに含有されるカ
ーボンブラック等の燃焼生成物、油脂、シーラント溶出
成分等の疎水性汚染物質が付着しにくく、付着しても降
雨や水洗により簡単に落せるようにするには、基材表面
は水との接触角に換算して50゜以下、より好ましくは
30゜以下程度まで親水化するのがよい。さらに無機粘
土質汚染物質が付着しにくく、付着しても降雨や水洗に
より簡単に落せるようにするには、基材表面は水との接
触角に換算して10゜以下、より好ましくは5゜以下程
度まで親水化するのがよい。また透明基材表面に付着し
た水滴を一様に拡がらせて、ガラス、レンズ、鏡等の曇
りを有効に防止し、湿分による失透防止、雨天時の視界
性確保を図るためには、基材表面は水との接触角に換算
して10゜以下程度まで親水化するのがよい。
中の電子の光励起によって生成する正孔或いは伝導電子
を介する反応により、おそらくは表面に極性を付与し
て、吸着水層を形成することにより、表面を高度に親水
化しうる材料をいい、より具体的には、アナターゼ型酸
化チタン、ルチル型酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、三
酸化二ビスマス、三酸化タングステン、酸化第二鉄、チ
タン酸ストロンチウム等が使用できる。
には、シリカ、アルミナ、酸化錫等の無機酸化物や、シ
リコン原子に結合された有機基の少なくとも一部が水酸
基に置換されたシリコーン樹脂が好適に利用できる。こ
こで親水性の層の膜厚は100nm以下、好ましくは5
0nm以下、より好ましくは20nm以下にする。この
ようにすると、光触媒性半導体の光励起によって生成す
る正孔或いは伝導電子が表面まで拡散する確率をある程
度確保できるので、光触媒性半導体の光励起による親水
化反応を促進できる。親水性の層を、光触媒性半導体よ
りも屈折率の低い物質で形成すると、さらに親水性の層
は反射防止膜を兼ねることができる。ここで、光触媒性
半導体よりも屈折率の低い物質とは、例えば、光触媒性
半導体がアナターゼ型酸化チタン(屈折率2.5)の場
合、シリカ(同1.5)、アルミナ(同1.6)、酸化
錫(同1.9)、シリコン原子に結合された有機基の少
なくとも一部が水酸基に置換されたシリコーン樹脂(同
1.4〜1.6)が好適に利用できる。
の少なくとも一部が水酸基に置換されたシリコーン樹脂
は、シリコーン樹脂に光触媒性半導体を接触させて、光
触媒性半導体を光励起させる方法、コロナ放電処理、プ
ラズマ処理、アルカリ処理等の方法で作製できる。ここ
で、シリコーン樹脂とはオルガノアルコキシシラン、そ
の加水分解物、その脱水縮重合物の少なくとも1種を含
む塗膜形成要素の加水分解、脱水縮重合により形成され
る樹脂をさす。ここでオルガノアルコキシシランとして
は、例えば、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメ
トキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−プロ
ピルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、
エチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラ
ン、n−プロピルトリエトキシシラン、メチルトリイソ
プロポキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、
フェニルトリイソプロポキシシラン、n−プロピルトリ
イソプロポキシシラン、メチルトリt−ブトキシシラ
ン、エチルトリt−ブトキシシラン、フェニルトリt−
ブトキシシラン、n−プロピルトリt−ブトキシシラ
ン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシ
ラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジフェニルジ
メトキシシラン、n−プロピルメチルジメトキシシラ
ン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシ
ラン、フェニルメチルジエトキシシラン、n−プロピル
メチルジエトキシシラン、ジメチルジイソプロポキシシ
ラン、ジエチルジイソプロポキシシラン、フェニルメチ
ルジイソプロポキシシラン、n−プロピルメチルジイソ
プロポキシシラン、ジメチルジt−ブトキシシラン、ジ
エチルジt−ブトキシシラン、フェニルメチルジt−ブ
トキシシラン、n−プロピルメチルジt−ブトキシシラ
ン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン等、及びそれらの混合物を使用するこ
とができる。
体結晶の伝導電子帯と価電子帯との間のエネルギー・ギ
ャップよりも大きなエネルギー(すなわち短い波長)を
有する光を照射することにより行う。より具体的には、
光触媒性半導体がアナターゼ型酸化チタンの場合には3
87nm以下、ルチル型酸化チタンの場合には413n
m以下、酸化錫の場合には344nm以下の波長を有す
る光を照射する。その光源としては、蛍光灯、白熱電
灯、メタルハライドランプ、水銀ランプのような室内照
明、太陽光、及びそれらの光源を低損失のファイバーで
誘導した光源等を利用できる。光触媒性半導体の光励起
により、基材表面を親水化するには、上記励起光の照度
は、0.001mW/cm2以上、より好ましくは0.
01mW/cm2以上であれば充分である。
成し、さらにその表面に親水性の層を形成する方法は、
大別して以下2つの方法がある。 (1)特に親水性の層を形成する物質が光触媒性半導体
より比重の小さい材料である場合や、非晶質材料である
場合においては、光触媒性半導体粒子(またはその前駆
体)と親水性の層を形成する物質(またはその前駆体)
との液状混合物を作製し、基材表面に塗布、熱処理す
る。 (2)基材表面を光触媒性半導体粒子で被覆後、さらに
前記被覆面を親水性の層を形成する物質で被覆する。
体より比重の小さい材料からなる親水性の層を形成する
物質とは、例えば、光触媒性半導体が酸化チタンの場合
には、シリカ、シリコン原子に結合された有機基の少な
くとも一部が水酸基に置換されたシリコーン樹脂等が挙
げられる。前記(1)の方法において、非晶質材料から
なる親水性の層を形成する物質とは、例えば、光触媒性
半導体が酸化チタンの場合には、シリカ、チタニア−シ
リカガラス、シリカ−アルミナガラス、シリカ−リチウ
ムガラス、シリコン原子に結合された有機基の少なくと
も一部が水酸基に置換されたシリコーン樹脂等が挙げら
れる。
体の前駆体とは、例えば光触媒性半導体が結晶性酸化チ
タンの場合には、焼成すれば結晶化する無定型酸化チタ
ン、脱水縮重合すれば無定型酸化チタンを形成する水酸
化チタン、加水分解すれば水酸化チタンを形成するチタ
ンアルコキシド(例えば、テトラエトキシチタン、テト
ライソプロポキシチタン、テトラn−プロポキシチタ
ン、テトラブトキシチタン、テトラメトキシチタン)、
チタンキレート、チタンアセテート、四塩化チタン、硫
酸チタン等が好適に利用できる。
半導体が結晶性酸化チタン、親水性の層を形成する物質
がシリカである場合を例にとり以下に説明する。まず、
基材表面を光触媒性半導体粒子で被覆する。その方法に
は以下のような方法がある。 (1)基材上に無定型酸化チタン層を形成し、焼成によ
り結晶化させる。 チタンアルコキシド、チタンキレート、チタンアセテ
ートに、塩酸、エチルアミン等の加水分解抑制剤と、エ
タノール、プロパノール等の希釈剤を添加して、部分的
に加水分解を進行させながら、又は完全に加水分解を進
行させた後、混合物をスプレーコーティング、フローコ
ーティング、スピンコーティング、ディップコーティン
グ、ロールコーティングその他のコーティング法によ
り、基材の表面に塗布し、乾燥させる。乾燥により、加
水分解が完遂して水酸化チタンが生成し、水酸化チタン
の脱水縮重合により無定型酸化チタン層が形成される。
得られた無定型酸化チタン層を400℃以上で焼成して
結晶化させる。 四塩化チタン、硫酸チタンの酸性水溶液に、必要に応
じてアルカリ水溶液を添加後、スプレーコーティング、
フローコーティング、スピンコーティング、ディップコ
ーティング、ロールコーティングその他のコーティング
法により、基材の表面に塗布し、乾燥させる。乾燥によ
り、加水分解が完遂して水酸化チタンが生成し、水酸化
チタンの脱水縮重合により無定型酸化チタン層が形成さ
れる。得られた無定型酸化チタン層を400℃以上で焼
成して結晶化させる。 金属チタン又は酸化チタンのターゲットに酸化雰囲気
で電子ビームを照射することにより、基材表面に無定型
酸化チタン層を被着する。得られた無定型酸化チタン層
を400℃以上で焼成して結晶化させる。 (2)結晶性酸化チタンゾルをスプレーコーティング、
フローコーティング、スピンコーティング、ディップコ
ーティング、ロールコーティングその他のコーティング
法により、基材の表面に塗布し、乾燥させる。
する方法例について、親水性の層を形成する物質が無定
型シリカである場合を例にとり説明する。 テトラアルコキシシラン(例えば、テトラエトキシシ
ラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−プロポ
キシシラン、テトラブトキシシラン、テトラメトキシシ
ラン)、シリコンキレート、シリコンアセテートに、塩
酸、エチルアミン等の加水分解抑制剤と、エタノール、
プロパノール等の希釈剤を添加して、部分的に加水分解
を進行させながら、又は完全に加水分解を進行させた
後、混合物をスプレーコーティング、フローコーティン
グ、スピンコーティング、ディップコーティング、ロー
ルコーティングその他のコーティング法により、基材の
表面に塗布し、乾燥させる。乾燥により、加水分解が完
遂してシラノールが生成し、シラノールの脱水縮重合に
よりシリカ層が形成される。 金属シリコン又はシリカのターゲットに酸化雰囲気で
電子ビームを照射することにより、基材表面にシリカ層
を被着する。 シリカゾルをスプレーコーティング、フローコーティ
ング、スピンコーティング、ディップコーティング、ロ
ールコーティングその他のコーティング法により、基材
の表面に塗布し、乾燥させる。
滑化するため、予めシリコーン層で被覆した。このた
め、シリカゾル(日本合成ゴム製、グラスカA液)とト
リメトキシシラン(日本合成ゴム製、グラスカB液)
を、重量比で3:1になるように混合し、この混合液を
アルミニウム基板に塗布し、150℃の温度で硬化さ
せ、膜厚3μmのシリコーンのベースコートで被覆され
たアルミニウム基板(#1試料)を得た。次に、#1試
料表面に光触媒性半導体とシリコーン樹脂よりなる薄膜
を形成した。より詳しくはアナターゼ型酸化チタンゾル
56重量部(日産化学製、TA−15)と前記シリカゾ
ル33重量部を混合し、エタノールで希釈後、更に、上
記トリメトキシシラン11重量部を添加し、酸化チタン
含有シリコーン塗料用組成物を調製した。この塗料用組
成物を#1試料の表面に塗布し、150℃の温度で硬化
させ、アナターゼ型酸化チタン粒子とシリコーン樹脂よ
りなる膜厚0.1μmのトップコート層を形成し、#2
試料を得た。ここで#2試料のトップコート層の組成
は、アナターゼ型酸化チタン粒子1重量部に対し、シリ
カとシリコーン樹脂の合計重量部は1になる。
オージェ分光分析法により行った。結果を図1(a)〜
図1(c)に示す。図1(a)は試料最表面の元素分析
結果を示している。図1(a)からわかるように、試料
最表面には、Si、C、N、Oは観察されるが、Tiは
観察されなかった。Tiが観察されなかったことから、
試料最表面には光触媒性半導体であるアナターゼ型酸化
チタンは存在しないと考えられる。一方、Si、C、O
が観察されたのは、シリコーンが最表面に存在するため
である。さらにNが観察されたのは、酸化チタンゾルの
分散液が硝酸であるので硝酸由来の窒素が観察されたた
めと考えられる。図1(b)は試料最表面から20nm
下層面の元素分析結果を示している。図1(b)からわ
かるように、この断面ではSi、C、N、Oの他、Ti
が認められた。Tiが観察されたことから、試料最表面
から20nm下層には光触媒性半導体であるアナターゼ
型酸化チタンは存在することがわかる。またSi、C、
Oが同時に観察されたことより、この断面にはシリコー
ンも存在する。図1(c)は試料最表面から200nm
下層面、すなわちベースコート内の断面の元素分析結果
を示している。図1(c)からわかるように、この断面
ではSi、C、Oが認められ、シリコーンのみからなる
ことがわかる。以上のことから、上記製法で、基材と前
記基材の表面に接合された光触媒性半導体からなる層
(アナターゼ型酸化チタンが分散されたシリコーン層)
とさらにその表面に形成された層(シリコーン層)から
なる複合材が形成されることが確認された。
共電気製、ブラックライトブルー(BLB)蛍光灯)を
用いて、0.5mw/cm2の紫外線照度で紫外線を1
日照射して#3試料を得た。#3試料について、接触角
測定器(協和界面化学製、CA−X150)を用いて試
料表面の水との接触角を測定した。接触角は、マイクロ
シリンジから試料表面に水滴を滴下した後30秒後に測
定した。その結果、#2試料では水との接触角が85゜
であったのに対し、光触媒性半導体の光励起に応じて、
#3試料では、水との接触角に換算して2゜まで親水化
された。
との接触角の経時的変化を調べた。その結果、1週間後
では3゜、2週間後には5゜、3週間後には7゜、1か
月後には7゜までしか上昇せず、暗所においても長期に
わたり高度の親水性が維持されることが確認された。
体的には、テトラエトキシシラン(コルコート社製、エ
チル28)をスプレーコーティング法でガラス基板上に
塗布し、300℃で20分焼成した。次に、無定型シリ
カ層上に、酸化チタンをターゲットとして酸素雰囲気に
てスパッタリングを行い、無定型酸化チタン層を形成し
た#4試料を得た。さらに#4試料を500℃で焼成す
ることにより、無定型酸化チタンが結晶化されてアナタ
ーゼ型酸化チタン層に変化した#5試料を得た。ここで
#5試料の膜厚は50nmであった。#5試料表面に、
さらにエタノール溶媒で希釈したテトラエトキシシラン
溶液(濃度0.9重量%)を、フローコーティング法に
て塗布後、150℃で20分焼成することにより、表面
にシリカ層の形成された#6試料を得た。ここで表面シ
リカ層の膜厚は50nm程度に相当する。他方、#5試
料表面に、さらにエタノール溶媒で希釈したテトラエト
キシシラン溶液(濃度0.09重量%)を、フローコー
ティング法にて塗布後、150℃で20分焼成すること
により、表面にシリカ層の形成された#7試料を得た。
ここで表面シリカ層の膜厚は10nm以下と考えられ
る。
射を1週間行ったところ、#5試料、#7試料では水と
の接触角が0゜、#6試料では水との接触角が10゜ま
でに、いずれも高度に親水化された。次に上記高度に親
水化された#5〜#7試料を暗所に移し、1週間放置し
たところ、表面シリカ層を形成していない#5試料では
水との接触角が40゜まで上昇したのに対し、表面シリ
カ層を形成した#6試料では15゜、#7試料では25
゜の水との接触角に止まり、比較的低い接触角を維持し
ていた。
からなる層の表面に、シリカ、又はシリコン原子に結合
された有機基の少なくとも一部が水酸基に置換されたシ
リコーン樹脂等からなる親水性の層を形成することによ
り、前記光触媒性半導体材料の光励起に応じて親水化さ
せた複合材表面は、室内微弱照明下、又は暗所に放置さ
れても長期にわたり良好な親水維持性を呈するようにな
る。
ルであり、それぞれ(a)は試料最表面 (b)は試料最表面から20nm下部のトップコート層
中の断面 (c)は試料最表面から200nm下部のベースコート
層中の断面のスペクトルである。
Claims (2)
- 【請求項1】基材と、前記基材の表面に形成された光触
媒性半導体からなる層と、さらにその表面に形成された
親水性の層からなり、前記親水性の層の表面は、前記光
触媒性半導体材料の光励起に応じて、親水化されること
を特徴とする複合材。 - 【請求項2】前記親水性の層は、シリカ、及び/又はシ
リコン原子に結合された有機基の少なくとも一部が水酸
基に置換されたシリコーン樹脂であることを特徴とする
請求項1に記載の複合材。
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---|---|---|---|
JP8189850A JP2865065B2 (ja) | 1995-06-14 | 1996-06-14 | 親水性表面を備えた複合材 |
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JP18201995 | 1995-06-14 | ||
JP7-182020 | 1995-12-22 | ||
JP7-182019 | 1995-12-22 | ||
JP8189850A JP2865065B2 (ja) | 1995-06-14 | 1996-06-14 | 親水性表面を備えた複合材 |
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