JPH10102722A - 防汚性外壁用建材 - Google Patents

防汚性外壁用建材

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JPH10102722A
JPH10102722A JP8291011A JP29101196A JPH10102722A JP H10102722 A JPH10102722 A JP H10102722A JP 8291011 A JP8291011 A JP 8291011A JP 29101196 A JP29101196 A JP 29101196A JP H10102722 A JPH10102722 A JP H10102722A
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JP
Japan
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building material
silicon
water
sample
exposed
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Application number
JP8291011A
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English (en)
Inventor
Mitsuyoshi Machida
町田  光義
Makoto Hayakawa
信 早川
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Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 煤塵や排気ガスなどの燃焼生成物による汚れ
や、上方にあるシーラントから溶出する汚れや、建物の
排気口から排出される汚染物質などの汚れに対して清浄
性を維持する外壁用建材の提供。 【解決手段】 外壁用建材基材表面に、光触媒粒子とシ
リコーンと撥水性フッ素樹脂、或いは光触媒粒子と無定
型シリカと撥水性フッ素樹脂とを含有する表面層が形成
されていることを特徴とする外壁用建材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、煤塵や排気ガスな
どの燃焼生成物による汚れや、上方にあるシーラントか
ら溶出する汚れや、建物の排気口から排出される汚染物
質などで汚れにくい防汚性外壁用建材に関する。
【0002】
【従来の技術】高層ビルや住宅等の外壁は、煤塵や排気
ガスなどの燃焼生成物による汚れや、上方にあるシーラ
ントから溶出する汚れや、建物の排気口から排出される
汚染物質などにより汚れる。これらの汚れは薄黒く、建
物の美観を著しく損ねる。さらに、高層ビル外壁を清掃
しようとすれば、その清掃は、高所作業であり、重労働
であると同時に危険を伴う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明では上
記事情に鑑み、汚れにくい外壁用建材を提供することを
目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記課題を
解決すべく、外壁用建材基材表面に、光触媒粒子とシリ
コーンと撥水性フッ素樹脂とを含有する表面層が形成さ
れていることを特徴とする防汚性外壁用建材を提供す
る。このような構成にすることにより、光触媒を光励起
したときに、光触媒作用によりシリコーン分子中のケイ
素原子に結合した有機基が少なくとも部分的に水酸基に
置換されて親水性を呈するようになり、シリコーンが外
気に露出した親水性を呈する部分と、撥水性フッ素樹脂
が外気に露出した撥水性を呈する部分の双方が表面に微
視的に分散された構造となる。さらに、光触媒が存在す
ることにより、光触媒の光励起に応じてシリコーン分子
中のケイ素原子に結合した有機基が少なくとも部分的に
水酸基に置換されたシリコーンは恒久的に親水性を維持
するので、上記親水性を呈する部分と撥水性を呈する部
分の双方が表面に微視的に分散された構造は維持され
る。このような構造では、親水性表面と撥水性表面が隣
接するため、親水性表面になじみやすい親水性の付着物
は隣接する撥水性部分になじまない。逆に撥水性表面に
なじみやすい疎水性の付着物は隣接する親水性部分にな
じまない。そのため、親水性付着物も、疎水性付着物も
部材表面に固着されることはなく、表面は清浄な状態に
維持される。
【0005】また、本発明では、外壁用建材基材表面
に、光触媒粒子と無定型シリカと撥水性フッ素樹脂とを
含有する表面層が形成されていることを特徴とする防汚
性外壁用建材を提供する。このような構成にすることに
より、表面層中の無定型シリカが外気に露出した親水性
を呈する部分と、撥水性フッ素樹脂が外気に露出した撥
水性を呈する部分の双方が表面に微視的に分散された構
造となる。さらに、光触媒が存在することにより、光触
媒の光励起に応じて無定型シリカは恒久的に親水性を維
持するので、上記親水性を呈する部分と撥水性を呈する
部分の双方が表面に微視的に分散された構造は維持され
る。このような構造では、親水性表面と撥水性表面が隣
接するため、親水性表面になじみやすい親水性の付着物
は隣接する撥水性部分になじまない。逆に撥水性表面に
なじみやすい疎水性の付着物は隣接する親水性部分にな
じまない。そのため、親水性付着物も、疎水性付着物も
部材表面に固着されることはなく、表面は清浄な状態に
維持される。
【0006】
【発明の実施の形態】次に、本発明の具体的な表面構造
について説明する。本発明の一態様においては、図1に
示すように、外壁用建材基材の表面に光触媒粒子と、シ
リコーンと、撥水性フッ素樹脂を含む表面層が形成され
ている。図1に光触媒を光励起することの可能な光が照
射されると、外気に露出したシリコーンの少なくとも一
部が、光触媒作用によりシリコーン分子中のケイ素原子
に結合した有機基が少なくとも部分的に水酸基に置換さ
れて親水性を呈するようになり、シリコーンが外気に露
出した親水性を呈する部分と、撥水性フッ素樹脂が外気
に露出した撥水性を呈する部分の双方が表面に微視的に
分散された構造となる。さらに、光触媒が存在すること
により、光触媒の光励起に応じて無定型シリカは恒久的
に親水性を維持するので、上記親水性を呈する部分と撥
水性を呈する部分の双方が表面に微視的に分散された構
造は維持される。このような構造になることにより、親
水性付着物も、疎水性付着物も部材表面に固着されるこ
とはなく、表面は清浄な状態に維持される。
【0007】本発明の他の態様においては、図2に示す
ように、外壁用建材基材の表面に光触媒粒子と、無定型
シリカと、撥水性フッ素樹脂を含む表面層が形成されて
いる。このような構成にすることにより、表面層中の無
定型シリカが外気に露出した親水性を呈する部分と、撥
水性フッ素樹脂が外気に露出した撥水性を呈する部分の
双方が表面に微視的に分散された構造となる。さらに、
光触媒が存在することにより、光触媒の光励起に応じて
無定型シリカは恒久的に親水性を維持するので、上記親
水性を呈する部分と撥水性を呈する部分の双方が表面に
微視的に分散された構造は維持される。このような構造
になることにより、親水性付着物も、疎水性付着物も部
材表面に固着されることはなく、表面は清浄な状態に維
持される。
【0008】外壁用建材基材には、施釉タイル、無釉タ
イル、煉瓦、結晶化ガラス、ガラスブロック、コンクリ
ート、石材、木材;軽量気泡コンクリート、石綿セメン
トケイ酸カルシウム、プレキャスト鉄筋コンクリート、
石綿スレート、パルプセメント、石膏ボードなどの無機
基材の表層に、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエス
テル、シリコーン、フッ素樹脂、アクリルシリコン樹脂
などの樹脂塗料を塗装した化粧無機建材;アルミニウ
ム、ステンレス、鉄鋼等の金属基材の表層に、アクリル
樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル、シリコーン、フッ
素樹脂、アクリルシリコン樹脂などの樹脂塗料を塗装し
た塗装鋼板材;アクリル、ポリカーボネート等のプラス
チック又はその塗装物等が好適に利用できる。外壁用建
材基材と表面層との間には、基材表面の平滑化、基材の
耐久性向上等の目的で中間層を設けてもよい。
【0009】光触媒とは、その結晶の伝導帯と価電子帯
との間のエネルギーギャップよりも大きなエネルギー
(すなわち短い波長)の光(励起光)を照射したとき
に、価電子帯中の電子の励起(光励起)が生じて、伝導
電子と正孔を生成しうる物質をいい、光触媒性酸化物に
は、例えば、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チ
タン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化第二鉄、三酸化二ビスマ
ス、三酸化タングステン、チタン酸ストロンチウム等の
酸化物が好適に利用できる。光触媒の光励起に用いる光
源は、日中は太陽の照射に晒されるので、太陽光が利用
できる。また、夜間は道路照明等を光源として利用でき
る。光触媒の光励起により、基材表面が高度に親水化さ
れるためには、励起光の照度は0.001mW/cm
以上あればよいが、0.01mW/cm以上だと好ま
しく、0.1mW/cm以上だとより好ましい。
【0010】シリコーンには、平均組成式 RSiO(4−p)/2 (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、pは0<p<2を満足する数
である)で表される樹脂が利用できる。
【0011】撥水性フッ素樹脂には、ポリテトラフルオ
ロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリヘ
キサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン−ヘ
キサフルオロプロピレンコポリマー等が好適に利用でき
る。
【0012】表面層の膜厚は、0.4μm以下にするの
が好ましい。そうすれば、光の乱反射による白濁を防止
することができ、表面層は実質的に透明となる。さら
に、表面層の膜厚を、0.2μm以下にすると一層好ま
しい。そうすれば、光の干渉による表面層の発色を防止
することができる。また、表面層が薄ければ薄いほどそ
の透明度は向上する。更に、膜厚を薄くすれば、表面層
の耐摩耗性が向上する。
【0013】表面層には、Ag、Cu、Znのような金
属を添加することができる。前記金属を添加した表面層
は、表面に付着した細菌や黴を暗所でも死滅させること
ができる。
【0014】表面層にはPt、Pd、Ru、Rh、I
r、Osのような白金族金属を添加することができる。
前記金属を添加した表面層は、光触媒の酸化還元活性を
増強でき、有機物汚れの分解性、有害気体や悪臭の分解
性を向上させることができる。
【0015】次に、基材表面に、光触媒性酸化物粒子と
シリコーンと撥水性フッ素樹脂とを含有する表面層が形
成されている防汚性部材の製法について説明する。この
場合の製法は、基本的には、基材表面にコーティング組
成物を塗布し、硬化させることによる。
【0016】ここでコーティング組成物は、光触媒粒
子、撥水性フッ素樹脂の他にシリコーンの前駆体を必須
構成要件とし、その他に水、エタノール、プロパノール
等の溶媒や、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、マレイン酸等の
シリコーンの前駆体の加水分解を促進する触媒や、トリ
ブチルアミン、ヘキシルアミンなどの塩基性化合物類、
アルミニウムトリイソプロポキシド、テトライソプロピ
ルチタネートなどの酸性化合物類等のシリコーンの前駆
体を硬化させる触媒や、シランカップリング剤等のコー
ティング液の分散性を向上させる界面活性剤などを添加
してもよい。
【0017】ここでシリコーンの前駆体としては、平均
組成式 RSiX(4−p−q)/2 (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、p及びqは0<p<2、0<
q<4を満足する数である)で表されるシロキサンから
なる塗膜形成要素、又は一般式 RSiX4−p (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、、又は、一価の有機基と水素基から選ばれ
た2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、
又は、ハロゲン原子であり、pは1または2である)で
表される加水分解性シラン誘導体からなる塗膜形成要
素、が好適に利用できる。
【0018】ここで上記加水分解性シラン誘導体からな
る塗膜形成要素としては、メチルトリメトキシシラン、
メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラ
ン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシ
ラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキ
シシラン、エチルトリブトキシシラン、フェニルトリメ
トキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニル
トリプロポキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジブトキシ
シラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキ
シシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジエチルジブ
トキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェ
ニルメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジプロポ
キシシラン、フェニルメチルジブトキシシラン、n−プ
ロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシ
シラン、n−プロピルトリプロポキシシラン、n−プロ
ピルトリブトキシシラン、γ−グリコキシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン等が好適に利用できる。
【0019】また、上記シロキサンからなる塗膜形成要
素としては、上記加水分解性シラン誘導体の部分加水分
解及び脱水縮重合、又は上記加水分解性シラン誘導体の
部分加水分解物と、テトラメトキシシラン、テトラエト
キシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシ
シラン、ジエトキシジメトキシシラン等の部分加水分解
物との脱水縮重合等で作製することができる。
【0020】上記コーティング組成物の塗布方法として
は、スプレーコーティング法、ディップコーティング
法、フローコーティング法、スピンコーティング法、ロ
ールコーティング法、刷毛塗り、スポンジ塗り等の方法
が好適に利用できる。硬化方法としては、熱処理、室温
放置、紫外線照射等により重合させて行うことができ
る。
【0021】次に、基材表面に、光触媒粒子と無定型シ
リカと撥水性フッ素樹脂とを含有する表面層が形成され
ている防汚性部材の製法について説明する。この場合の
製法は、基本的には、基材表面にコーティング組成物を
塗布し、硬化させることによる。
【0022】ここでコーティング組成物は、光触媒粒
子、撥水性フッ素樹脂の他にシリカ粒子又はシリカの前
駆体を必須構成要件とし、その他に水、エタノール、プ
ロパノール等の溶媒や、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、マレ
イン酸等のシリカの前駆体の加水分解を促進する触媒
や、トリブチルアミン、ヘキシルアミンなどの塩基性化
合物類、アルミニウムトリイソプロポキシド、テトライ
ソプロピルチタネートなどの酸性化合物類等のシリカの
前駆体を硬化させる触媒や、シランカップリング剤等の
コーティング液の分散性を向上させる界面活性剤などを
添加してもよい。
【0023】ここでシリコーンの前駆体としては、平均
組成式 SiX(4−q)/2 (式中、Xはアルコキシ基、又は、ハロゲン原子であ
り、qは0<q<4を満足する数である)で表されるシ
リケートからなる塗膜形成要素、又は一般式SiX
(式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上か
らなる官能基、、又は、一価の有機基と水素基から選ば
れた2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ
基、又は、ハロゲン原子である)で表される4官能加水
分解性シラン誘導体からなる塗膜形成要素等が好適に利
用できる。
【0024】ここで上記4官能加水分解性シラン誘導体
からなる塗膜形成要素としては、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、
テトラブトキシシラン、ジエトキシジメトキシシラン等
が好適に利用できる。
【0025】また、上記シリケートからなる塗膜形成要
素としては、上記4官能加水分解性シラン誘導体の部分
加水分解及び脱水縮重合等で作製することができる。
【0026】上記コーティング組成物の塗布方法として
は、スプレーコーティング法、ディップコーティング
法、フローコーティング法、スピンコーティング法、ロ
ールコーティング法、刷毛塗り、スポンジ塗り等の方法
が好適に利用できる。硬化方法としては、熱処理、室温
放置、紫外線照射等により重合させて行うことができ
る。
【0027】
【実施例】
参考例.アナターゼ型酸化チタンゾル(日産化学、TA
−15、硝酸解膠型、pH=1)と、シリカゾル(日本
合成ゴム、グラスカA液、pH=4)と、メチルトリメ
トキシシラン(日本合成ゴム、グラスカB液)とエタノ
ールを混合し、2〜3分攪拌して得たコーティング液
を、スプレーコーティング法にて10cm四角のソーダ
ライムガラス基材上に塗布し、200℃で15分熱処理
して、アナターゼ型酸化チタン粒子11重量部、シリカ
6重量部、シリコーン5重量部からなる表面層を形成し
た#1試料を得た。#1試料の水との接触角は85゜で
あった。ここで水との接触角は接触角測定器(協和界面
科学、CA−X150)を用い、マイクロシリンジから
水滴を滴下した後30秒後の水との接触角で評価した。
次いで#1試料表面に、紫外線光源(三共電気、ブラッ
クライトブルー(BLB)蛍光灯)を用いて0.3mW
/cmの紫外線照度で1日照射し、#2試料を得た。
その結果、#2試料の水との接触角は0゜まで親水化さ
れた。次に、#1試料と、#1試料に水銀灯を22.8
mW/cmの紫外線照度で2時間照射して得た#3試
料夫々の試料表面をラマン分光分析した。その結果、#
1試料表面で認められたメチル基のピークが#3試料で
は認められず、代わりに水酸基のブロードなピークが認
められた。以上のことから、光触媒であるアナターゼ型
酸化チタンの光励起に応じて被膜の表面のシリコーン分
子中のケイ素原子に結合した有機基は、光触媒作用によ
り水酸基に置換されること、及び親水化されることがわ
かる。
【0028】実施例1.アナターゼ型酸化チタンゾル
(日産化学、TA−15)と、シリカゾル(日本合成ゴ
ム、グラスカA液)と、メチルトリメトキシシラン(日
本合成ゴム、グラスカB液)とポリテトラフルオロエチ
レン(PTFE)粒子(ダイキン工業、ルブロンL−
5)とエタノールを混合し、2〜3時間攪拌して得たコ
ーティング液を、スプレーコーティング法にて5×10
cm四角の施釉タイル(東陶機器、AB02E11)基
材上に塗布し、200℃で15分熱処理して、アナター
ゼ型酸化チタン粒子33重量部、ポリテトラフルオロエ
チレン粒子66重量部、シリカ6重量部、シリコーン5
重量部からなる表面層を形成した#4試料を得た。#4
試料の水との接触角は110゜であった。次いで#4試
料表面に、紫外線光源(三共電気、ブラックライトブル
ー(BLB)蛍光灯)を用いて0.3mW/cmの紫
外線照度で1日照射し、#5試料を得た。その結果、#
5試料の水との接触角は97.4゜とさほど変化がなか
った。上記参考例より、シリコーンが外気に露出した部
分はシリコーン分子中のケイ素原子に結合した有機基
は、光触媒作用により水酸基に置換され、親水化される
はずであるから、その分だけ親水化して水との接触角が
若干減少したと考えられる。すなわち、#5試料表面
は、光触媒作用により水酸基に置換され、親水化された
シリコーンが外気に露出した親水性を呈する部分と、撥
水性フッ素樹脂が外気に露出した撥水性を呈する部分の
双方が表面に微視的に分散された構造となっていると推
定される。
【0029】次に、#5試料及び比較のため施釉タイル
板を屋外に設置して、堆積物や汚染物に対する表面の清
浄維持性を調べた。堆積物や汚染物に対する表面の清浄
維持性は、建物の屋上の屋根付き部分の下に図4のよう
に試料を設置し、4か月暴露することにより行った。そ
の結果、アルミニウム板では多少の汚れが観察されたの
に対し、#5試料では汚れは観察されなかった。その様
子を4か月暴露前後の色差の変化で調べた。ここで色差
は色差計(東京電色)を用い、日本工業規格(JIS)
H0201に従い、ΔE*表示を用いて調べた。その結
果、施釉タイル板では暴露前後の色差の変化は2あった
のに対し、#5試料では0.7と小さかった。
【0030】実施例2.アナターゼ型酸化チタンゾル
(日産化学、TA−15)と、シリカゾル(日本合成ゴ
ム、グラスカA液)と、メチルトリメトキシシラン(日
本合成ゴム、グラスカB液)とポリテトラフルオロエチ
レン(PTFE)粒子(ダイキン工業、ルブロンL−
5)とエタノールを混合し、2〜3時間攪拌して得たコ
ーティング液を、スプレーコーティング法にて10cm
四角の結晶化ガラス基材上に塗布し、200℃で15分
熱処理して、アナターゼ型酸化チタン粒子33重量部、
ポリテトラフルオロエチレン粒子66重量部、シリカ6
重量部、シリコーン5重量部からなる表面層を形成した
#6試料を得た。#6試料の水との接触角は110゜で
あった。次いで#6試料表面に、紫外線光源(三共電
気、ブラックライトブルー(BLB)蛍光灯)を用いて
0.3mW/cmの紫外線照度で1日照射し、#7試
料を得た。その結果、#7試料の水との接触角は97.
4゜とさほど変化がなかった。上記参考例より、シリコ
ーンが外気に露出した部分はシリコーン分子中のケイ素
原子に結合した有機基は、光触媒作用により水酸基に置
換され、親水化されるはずであるから、その分だけ親水
化して水との接触角が若干減少したと考えられる。すな
わち、#7試料表面は、光触媒作用により水酸基に置換
され、親水化されたシリコーンが外気に露出した親水性
を呈する部分と、撥水性フッ素樹脂が外気に露出した撥
水性を呈する部分の双方が表面に微視的に分散された構
造となっていると推定される。
【0031】次に、#7試料及び比較のため結晶化ガラ
ス板を屋外に設置して、堆積物や汚染物に対する表面の
清浄維持性を調べた。堆積物や汚染物に対する表面の清
浄維持性は、建物の屋上の屋根付き部分の下に図4のよ
うに試料を設置し、4か月暴露することにより行った。
その結果、結晶化ガラス板では汚れが観察されたのに対
し、#7試料では汚れは観察されなかった。
【0032】実施例3.10cm角の化粧無機建材板
(セメントケイ酸カルシウム板の表面を素地調整した
後、シリコーン樹脂系の着色塗料を塗布した化粧無機建
材板)の表面を、コロナ放電処理装置(春日電機)によ
り、電極にワイヤー電極を用い、電極先端と試料表面と
のギャップ2mm、電圧26kV、周波数39kHz、
試料送り速度4.2m/分の条件で、高周波コロナ放電
処理した。次に、その上にアナターゼ型酸化チタンゾル
(日産化学、TA−15)と、シリカゾル(日本合成ゴ
ム、グラスカA液)と、メチルトリメトキシシラン(日
本合成ゴム、グラスカB液)とポリテトラフルオロエチ
レン(PTFE)粒子(ダイキン工業、ルブロンL−
5)とエタノールを混合し、2〜3時間攪拌して得たコ
ーティング液を、スプレーコーティング法にて塗布し、
120℃で3時間熱処理して、アナターゼ型酸化チタン
粒子33重量部、ポリテトラフルオロエチレン粒子66
重量部、シリカ6重量部、シリコーン5重量部からなる
表面層を形成した#8試料を得た。#8試料の水との接
触角は111゜であった。次いで#8試料表面に、紫外
線光源(三共電気、ブラックライトブルー(BLB)蛍
光灯)を用いて0.3mW/cmの紫外線照度で1日
照射し、#9試料を得た。その結果、#9試料の水との
接触角は98.3゜とさほど変化がなかった。上記参考
例より、シリコーンが外気に露出した部分はシリコーン
分子中のケイ素原子に結合した有機基は、光触媒作用に
より水酸基に置換され、親水化されるはずであるから、
その分だけ親水化して水との接触角が若干減少したと考
えられる。すなわち、#9試料表面は、光触媒作用によ
り水酸基に置換され、親水化されたシリコーンが外気に
露出した親水性を呈する部分と、撥水性フッ素樹脂が外
気に露出した撥水性を呈する部分の双方が表面に微視的
に分散された構造となっていると推定される。
【0033】次に、#9試料及び比較のため化粧無機建
材板を屋外に設置して、堆積物や汚染物に対する表面の
清浄維持性を調べた。堆積物や汚染物に対する表面の清
浄維持性は、建物の屋上の屋根付き部分の下に図4のよ
うに試料を設置し、4か月暴露することにより行った。
その結果、ポリカーボネート板ではかなりの汚れが観察
されたのに対し、#9試料では汚れは観察されなかっ
た。
【0034】
【発明の効果】本発明では、外壁用建材において、外壁
用建材基材表面に、光触媒粒子とシリコーンと撥水性フ
ッ素樹脂とを含有する表面層が形成されているようにす
る、或いは外壁用建材基材表面に、光触媒粒子と無定型
シリカと撥水性フッ素樹脂とを含有する表面層が形成さ
れているようにすることにより、親水性付着物も、疎水
性付着物も部材表面に固着されることはなく、表面は清
浄な状態に維持されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る外壁用建材の表面構造を示す
図。
【図2】 本発明に係る外壁用建材の他の表面構造を示
す図。
【図3】 本発明の実施例にに係る試験の試料の設置方
法を示す図。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外壁用建材基材表面に、光触媒性酸化物
    粒子とシリコーンと撥水性フッ素樹脂とを含有する表面
    層が形成されていることを特徴とする防汚性外壁用建
    材。
  2. 【請求項2】 外壁用建材基材表面に、光触媒性酸化物
    粒子と無定型シリカと撥水性フッ素樹脂とを含有する表
    面層が形成されていることを特徴とする防汚性外壁用建
    材。
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