JPH10102422A - 防汚性高欄 - Google Patents
防汚性高欄Info
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- JPH10102422A JPH10102422A JP29100996A JP29100996A JPH10102422A JP H10102422 A JPH10102422 A JP H10102422A JP 29100996 A JP29100996 A JP 29100996A JP 29100996 A JP29100996 A JP 29100996A JP H10102422 A JPH10102422 A JP H10102422A
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- JP
- Japan
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- water
- silicone
- balustrade
- surface layer
- repellent
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- Bridges Or Land Bridges (AREA)
- Materials Applied To Surfaces To Minimize Adherence Of Mist Or Water (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 煤煙などの汚れに対して清浄性を維持する高
欄の提供。 【解決手段】 高欄基材表面に、光触媒粒子とシリコー
ンと撥水性フッ素樹脂、或いは光触媒粒子と無定型シリ
カと撥水性フッ素樹脂とを含有する表面層が形成されて
いることを特徴とする防汚性高欄。
欄の提供。 【解決手段】 高欄基材表面に、光触媒粒子とシリコー
ンと撥水性フッ素樹脂、或いは光触媒粒子と無定型シリ
カと撥水性フッ素樹脂とを含有する表面層が形成されて
いることを特徴とする防汚性高欄。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、煤煙などで汚れに
くい道路や鉄道の防汚性高欄に関する。
くい道路や鉄道の防汚性高欄に関する。
【0002】
【従来の技術】高欄とは、橋梁用の転落防止柵であり、
歩行者や車両が橋梁外に転落することを防止するために
設置されるものである。近年は、従来の転落防止という
機能面だけでなく、景観性を重視した個別のデザイン設
計により他の高欄との差別化が図られている。高欄に
は、鋼鉄、鋳鉄、アルミニウム、ステンレス等が使用さ
れている。
歩行者や車両が橋梁外に転落することを防止するために
設置されるものである。近年は、従来の転落防止という
機能面だけでなく、景観性を重視した個別のデザイン設
計により他の高欄との差別化が図られている。高欄に
は、鋼鉄、鋳鉄、アルミニウム、ステンレス等が使用さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】高欄は排気ガス中の煤
煙やタイヤの摩耗粉や路面や大地から舞い上がった煤塵
によって汚れる。高欄が薄黒く汚れると不快な印象を与
え、景観が損なわれる。そこで、本発明では、汚れにく
い高欄を提供することを目的とする。
煙やタイヤの摩耗粉や路面や大地から舞い上がった煤塵
によって汚れる。高欄が薄黒く汚れると不快な印象を与
え、景観が損なわれる。そこで、本発明では、汚れにく
い高欄を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記課題を
解決すべく、高欄基材表面に、光触媒粒子とシリコーン
と撥水性フッ素樹脂とを含有する表面層が形成されてい
ることを特徴とする防汚性高欄を提供する。このような
構成にすることにより、光触媒を光励起したときに、光
触媒作用によりシリコーン分子中のケイ素原子に結合し
た有機基が少なくとも部分的に水酸基に置換されて親水
性を呈するようになり、シリコーンが外気に露出した親
水性を呈する部分と、撥水性フッ素樹脂が外気に露出し
た撥水性を呈する部分の双方が表面に微視的に分散され
た構造となる。さらに、光触媒が存在することにより、
光触媒の光励起に応じてシリコーン分子中のケイ素原子
に結合した有機基が少なくとも部分的に水酸基に置換さ
れたシリコーンは恒久的に親水性を維持するので、上記
親水性を呈する部分と撥水性を呈する部分の双方が表面
に微視的に分散された構造は維持される。このような構
造では、親水性表面と撥水性表面が隣接するため、親水
性表面になじみやすい親水性の付着物は隣接する撥水性
部分になじまない。逆に撥水性表面になじみやすい疎水
性の付着物は隣接する親水性部分になじまない。そのた
め、親水性付着物も、疎水性付着物も部材表面に固着さ
れることはなく、表面は清浄な状態に維持される。
解決すべく、高欄基材表面に、光触媒粒子とシリコーン
と撥水性フッ素樹脂とを含有する表面層が形成されてい
ることを特徴とする防汚性高欄を提供する。このような
構成にすることにより、光触媒を光励起したときに、光
触媒作用によりシリコーン分子中のケイ素原子に結合し
た有機基が少なくとも部分的に水酸基に置換されて親水
性を呈するようになり、シリコーンが外気に露出した親
水性を呈する部分と、撥水性フッ素樹脂が外気に露出し
た撥水性を呈する部分の双方が表面に微視的に分散され
た構造となる。さらに、光触媒が存在することにより、
光触媒の光励起に応じてシリコーン分子中のケイ素原子
に結合した有機基が少なくとも部分的に水酸基に置換さ
れたシリコーンは恒久的に親水性を維持するので、上記
親水性を呈する部分と撥水性を呈する部分の双方が表面
に微視的に分散された構造は維持される。このような構
造では、親水性表面と撥水性表面が隣接するため、親水
性表面になじみやすい親水性の付着物は隣接する撥水性
部分になじまない。逆に撥水性表面になじみやすい疎水
性の付着物は隣接する親水性部分になじまない。そのた
め、親水性付着物も、疎水性付着物も部材表面に固着さ
れることはなく、表面は清浄な状態に維持される。
【0005】また、本発明では、高欄基材表面に、光触
媒粒子と無定型シリカと撥水性フッ素樹脂とを含有する
表面層が形成されていることを特徴とする防汚性高欄を
提供する。このような構成にすることにより、表面層中
の無定型シリカが外気に露出した親水性を呈する部分
と、撥水性フッ素樹脂が外気に露出した撥水性を呈する
部分の双方が表面に微視的に分散された構造となる。さ
らに、光触媒が存在することにより、光触媒の光励起に
応じて無定型シリカは恒久的に親水性を維持するので、
上記親水性を呈する部分と撥水性を呈する部分の双方が
表面に微視的に分散された構造は維持される。このよう
な構造では、親水性表面と撥水性表面が隣接するため、
親水性表面になじみやすい親水性の付着物は隣接する撥
水性部分になじまない。逆に撥水性表面になじみやすい
疎水性の付着物は隣接する親水性部分になじまない。そ
のため、親水性付着物も、疎水性付着物も部材表面に固
着されることはなく、表面は清浄な状態に維持される。
媒粒子と無定型シリカと撥水性フッ素樹脂とを含有する
表面層が形成されていることを特徴とする防汚性高欄を
提供する。このような構成にすることにより、表面層中
の無定型シリカが外気に露出した親水性を呈する部分
と、撥水性フッ素樹脂が外気に露出した撥水性を呈する
部分の双方が表面に微視的に分散された構造となる。さ
らに、光触媒が存在することにより、光触媒の光励起に
応じて無定型シリカは恒久的に親水性を維持するので、
上記親水性を呈する部分と撥水性を呈する部分の双方が
表面に微視的に分散された構造は維持される。このよう
な構造では、親水性表面と撥水性表面が隣接するため、
親水性表面になじみやすい親水性の付着物は隣接する撥
水性部分になじまない。逆に撥水性表面になじみやすい
疎水性の付着物は隣接する親水性部分になじまない。そ
のため、親水性付着物も、疎水性付着物も部材表面に固
着されることはなく、表面は清浄な状態に維持される。
【0006】
【発明の実施の形態】次に、本発明の具体的な構成につ
いて説明する。まず、本発明の高欄の表面構造について
説明する。本発明の一態様においては、図1に示すよう
に、高欄基材の表面に光触媒粒子と、シリコーンと、撥
水性フッ素樹脂を含む表面層が形成されている。図1に
光触媒を光励起することの可能な光が照射されると、外
気に露出したシリコーンの少なくとも一部が、光触媒作
用によりシリコーン分子中のケイ素原子に結合した有機
基が少なくとも部分的に水酸基に置換されて親水性を呈
するようになり、シリコーンが外気に露出した親水性を
呈する部分と、撥水性フッ素樹脂が外気に露出した撥水
性を呈する部分の双方が表面に微視的に分散された構造
となる。さらに、光触媒が存在することにより、光触媒
の光励起に応じて無定型シリカは恒久的に親水性を維持
するので、上記親水性を呈する部分と撥水性を呈する部
分の双方が表面に微視的に分散された構造は維持され
る。このような構造になることにより、親水性付着物
も、疎水性付着物も部材表面に固着されることはなく、
表面は清浄な状態に維持される。
いて説明する。まず、本発明の高欄の表面構造について
説明する。本発明の一態様においては、図1に示すよう
に、高欄基材の表面に光触媒粒子と、シリコーンと、撥
水性フッ素樹脂を含む表面層が形成されている。図1に
光触媒を光励起することの可能な光が照射されると、外
気に露出したシリコーンの少なくとも一部が、光触媒作
用によりシリコーン分子中のケイ素原子に結合した有機
基が少なくとも部分的に水酸基に置換されて親水性を呈
するようになり、シリコーンが外気に露出した親水性を
呈する部分と、撥水性フッ素樹脂が外気に露出した撥水
性を呈する部分の双方が表面に微視的に分散された構造
となる。さらに、光触媒が存在することにより、光触媒
の光励起に応じて無定型シリカは恒久的に親水性を維持
するので、上記親水性を呈する部分と撥水性を呈する部
分の双方が表面に微視的に分散された構造は維持され
る。このような構造になることにより、親水性付着物
も、疎水性付着物も部材表面に固着されることはなく、
表面は清浄な状態に維持される。
【0007】本発明の他の態様においては、図3に示す
ように、高欄基材の表面に光触媒粒子と、無定型シリカ
と、撥水性フッ素樹脂を含む表面層が形成されている。
このような構成にすることにより、表面層中の無定型シ
リカが外気に露出した親水性を呈する部分と、撥水性フ
ッ素樹脂が外気に露出した撥水性を呈する部分の双方が
表面に微視的に分散された構造となる。さらに、光触媒
が存在することにより、光触媒の光励起に応じて無定型
シリカは恒久的に親水性を維持するので、上記親水性を
呈する部分と撥水性を呈する部分の双方が表面に微視的
に分散された構造は維持される。このような構造になる
ことにより、親水性付着物も、疎水性付着物も部材表面
に固着されることはなく、表面は清浄な状態に維持され
る。
ように、高欄基材の表面に光触媒粒子と、無定型シリカ
と、撥水性フッ素樹脂を含む表面層が形成されている。
このような構成にすることにより、表面層中の無定型シ
リカが外気に露出した親水性を呈する部分と、撥水性フ
ッ素樹脂が外気に露出した撥水性を呈する部分の双方が
表面に微視的に分散された構造となる。さらに、光触媒
が存在することにより、光触媒の光励起に応じて無定型
シリカは恒久的に親水性を維持するので、上記親水性を
呈する部分と撥水性を呈する部分の双方が表面に微視的
に分散された構造は維持される。このような構造になる
ことにより、親水性付着物も、疎水性付着物も部材表面
に固着されることはなく、表面は清浄な状態に維持され
る。
【0008】高欄基材には、アルミニウム、鋼鉄、鋳
鉄、ステンレス等が使用できる。
鉄、ステンレス等が使用できる。
【0009】光触媒とは、その結晶の伝導帯と価電子帯
との間のエネルギーギャップよりも大きなエネルギー
(すなわち短い波長)の光(励起光)を照射したとき
に、価電子帯中の電子の励起(光励起)が生じて、伝導
電子と正孔を生成しうる物質をいい、光触媒性酸化物に
は、例えば、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チ
タン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化第二鉄、三酸化二ビスマ
ス、三酸化タングステン、チタン酸ストロンチウム等の
酸化物が好適に利用できる。光触媒の光励起に用いる光
源は、日中は太陽の照射に晒されるので、太陽光が利用
できる。また、夜間は道路照明や走行車の照明灯を光源
として利用できる。光触媒の光励起により、基材表面が
高度に親水化されるためには、励起光の照度は0.00
1mW/cm2以上あればよいが、0.01mW/cm
2以上だと好ましく、0.1mW/cm2以上だとより
好ましい。
との間のエネルギーギャップよりも大きなエネルギー
(すなわち短い波長)の光(励起光)を照射したとき
に、価電子帯中の電子の励起(光励起)が生じて、伝導
電子と正孔を生成しうる物質をいい、光触媒性酸化物に
は、例えば、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チ
タン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化第二鉄、三酸化二ビスマ
ス、三酸化タングステン、チタン酸ストロンチウム等の
酸化物が好適に利用できる。光触媒の光励起に用いる光
源は、日中は太陽の照射に晒されるので、太陽光が利用
できる。また、夜間は道路照明や走行車の照明灯を光源
として利用できる。光触媒の光励起により、基材表面が
高度に親水化されるためには、励起光の照度は0.00
1mW/cm2以上あればよいが、0.01mW/cm
2以上だと好ましく、0.1mW/cm2以上だとより
好ましい。
【0010】シリコーンには、平均組成式 RpSiO(4−p)/2 (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、pは0<p<2を満足する数
である)で表される樹脂が利用できる。
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、pは0<p<2を満足する数
である)で表される樹脂が利用できる。
【0011】撥水性フッ素樹脂には、ポリテトラフルオ
ロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリヘ
キサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン−ヘ
キサフルオロプロピレンコポリマー等が好適に利用でき
る。
ロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリヘ
キサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン−ヘ
キサフルオロプロピレンコポリマー等が好適に利用でき
る。
【0012】表面層の膜厚は、0.4μm以下にするの
が好ましい。そうすれば、光の乱反射による白濁を防止
することができ、表面層は実質的に透明となる。さら
に、表面層の膜厚を、0.2μm以下にすると一層好ま
しい。そうすれば、光の干渉による表面層の発色を防止
することができる。また、表面層が薄ければ薄いほどそ
の透明度は向上する。更に、膜厚を薄くすれば、表面層
の耐摩耗性が向上する。
が好ましい。そうすれば、光の乱反射による白濁を防止
することができ、表面層は実質的に透明となる。さら
に、表面層の膜厚を、0.2μm以下にすると一層好ま
しい。そうすれば、光の干渉による表面層の発色を防止
することができる。また、表面層が薄ければ薄いほどそ
の透明度は向上する。更に、膜厚を薄くすれば、表面層
の耐摩耗性が向上する。
【0013】表面層には、Ag、Cu、Znのような金
属を添加することができる。前記金属を添加した表面層
は、表面に付着した細菌や黴を暗所でも死滅させること
ができる。
属を添加することができる。前記金属を添加した表面層
は、表面に付着した細菌や黴を暗所でも死滅させること
ができる。
【0014】表面層にはPt、Pd、Ru、Rh、I
r、Osのような白金族金属を添加することができる。
前記金属を添加した表面層は、光触媒の酸化還元活性を
増強でき、有機物汚れの分解性、有害気体や悪臭の分解
性を向上させることができる。
r、Osのような白金族金属を添加することができる。
前記金属を添加した表面層は、光触媒の酸化還元活性を
増強でき、有機物汚れの分解性、有害気体や悪臭の分解
性を向上させることができる。
【0015】次に、基材表面に、光触媒性酸化物粒子と
シリコーンと撥水性フッ素樹脂とを含有する表面層が形
成されている防汚性部材の製法について説明する。この
場合の製法は、基本的には、基材表面にコーティング組
成物を塗布し、硬化させることによる。
シリコーンと撥水性フッ素樹脂とを含有する表面層が形
成されている防汚性部材の製法について説明する。この
場合の製法は、基本的には、基材表面にコーティング組
成物を塗布し、硬化させることによる。
【0016】ここでコーティング組成物は、光触媒粒
子、撥水性フッ素樹脂の他にシリコーンの前駆体を必須
構成要件とし、その他に水、エタノール、プロパノール
等の溶媒や、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、マレイン酸等の
シリコーンの前駆体の加水分解を促進する触媒や、トリ
ブチルアミン、ヘキシルアミンなどの塩基性化合物類、
アルミニウムトリイソプロポキシド、テトライソプロピ
ルチタネートなどの酸性化合物類等のシリコーンの前駆
体を硬化させる触媒や、シランカップリング剤等のコー
ティング液の分散性を向上させる界面活性剤などを添加
してもよい。
子、撥水性フッ素樹脂の他にシリコーンの前駆体を必須
構成要件とし、その他に水、エタノール、プロパノール
等の溶媒や、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、マレイン酸等の
シリコーンの前駆体の加水分解を促進する触媒や、トリ
ブチルアミン、ヘキシルアミンなどの塩基性化合物類、
アルミニウムトリイソプロポキシド、テトライソプロピ
ルチタネートなどの酸性化合物類等のシリコーンの前駆
体を硬化させる触媒や、シランカップリング剤等のコー
ティング液の分散性を向上させる界面活性剤などを添加
してもよい。
【0017】ここでシリコーンの前駆体としては、平均
組成式 RpSiXqO(4−p−q)/2 (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、p及びqは0<p<2、0<
q<4を満足する数である)で表されるシロキサンから
なる塗膜形成要素、又は一般式 RpSiX4−p (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、、又は、一価の有機基と水素基から選ばれ
た2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、
又は、ハロゲン原子であり、pは1または2である)で
表される加水分解性シラン誘導体からなる塗膜形成要
素、が好適に利用できる。
組成式 RpSiXqO(4−p−q)/2 (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、p及びqは0<p<2、0<
q<4を満足する数である)で表されるシロキサンから
なる塗膜形成要素、又は一般式 RpSiX4−p (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、、又は、一価の有機基と水素基から選ばれ
た2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、
又は、ハロゲン原子であり、pは1または2である)で
表される加水分解性シラン誘導体からなる塗膜形成要
素、が好適に利用できる。
【0018】ここで上記加水分解性シラン誘導体からな
る塗膜形成要素としては、メチルトリメトキシシラン、
メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラ
ン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシ
ラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキ
シシラン、エチルトリブトキシシラン、フェニルトリメ
トキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニル
トリプロポキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジブトキシ
シラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキ
シシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジエチルジブ
トキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェ
ニルメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジプロポ
キシシラン、フェニルメチルジブトキシシラン、n−プ
ロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシ
シラン、n−プロピルトリプロポキシシラン、n−プロ
ピルトリブトキシシラン、γ−グリコキシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン等が好適に利用できる。
る塗膜形成要素としては、メチルトリメトキシシラン、
メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラ
ン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシ
ラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキ
シシラン、エチルトリブトキシシラン、フェニルトリメ
トキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニル
トリプロポキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジブトキシ
シラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキ
シシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジエチルジブ
トキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェ
ニルメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジプロポ
キシシラン、フェニルメチルジブトキシシラン、n−プ
ロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシ
シラン、n−プロピルトリプロポキシシラン、n−プロ
ピルトリブトキシシラン、γ−グリコキシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン等が好適に利用できる。
【0019】また、上記シロキサンからなる塗膜形成要
素としては、上記加水分解性シラン誘導体の部分加水分
解及び脱水縮重合、又は上記加水分解性シラン誘導体の
部分加水分解物と、テトラメトキシシラン、テトラエト
キシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシ
シラン、ジエトキシジメトキシシラン等の部分加水分解
物との脱水縮重合等で作製することができる。
素としては、上記加水分解性シラン誘導体の部分加水分
解及び脱水縮重合、又は上記加水分解性シラン誘導体の
部分加水分解物と、テトラメトキシシラン、テトラエト
キシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシ
シラン、ジエトキシジメトキシシラン等の部分加水分解
物との脱水縮重合等で作製することができる。
【0020】上記コーティング組成物の塗布方法として
は、スプレーコーティング法、ディップコーティング
法、フローコーティング法、スピンコーティング法、ロ
ールコーティング法、刷毛塗り、スポンジ塗り等の方法
が好適に利用できる。硬化方法としては、熱処理、室温
放置、紫外線照射等により重合させて行うことができ
る。
は、スプレーコーティング法、ディップコーティング
法、フローコーティング法、スピンコーティング法、ロ
ールコーティング法、刷毛塗り、スポンジ塗り等の方法
が好適に利用できる。硬化方法としては、熱処理、室温
放置、紫外線照射等により重合させて行うことができ
る。
【0021】次に、基材表面に、光触媒粒子と無定型シ
リカと撥水性フッ素樹脂とを含有する表面層が形成され
ている防汚性部材の製法について説明する。この場合の
製法は、基本的には、基材表面にコーティング組成物を
塗布し、硬化させることによる。
リカと撥水性フッ素樹脂とを含有する表面層が形成され
ている防汚性部材の製法について説明する。この場合の
製法は、基本的には、基材表面にコーティング組成物を
塗布し、硬化させることによる。
【0022】ここでコーティング組成物は、光触媒粒
子、撥水性フッ素樹脂の他にシリカ粒子又はシリカの前
駆体を必須構成要件とし、その他に水、エタノール、プ
ロパノール等の溶媒や、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、マレ
イン酸等のシリカの前駆体の加水分解を促進する触媒
や、トリブチルアミン、ヘキシルアミンなどの塩基性化
合物類、アルミニウムトリイソプロポキシド、テトライ
ソプロピルチタネートなどの酸性化合物類等のシリカの
前駆体を硬化させる触媒や、シランカップリング剤等の
コーティング液の分散性を向上させる界面活性剤などを
添加してもよい。
子、撥水性フッ素樹脂の他にシリカ粒子又はシリカの前
駆体を必須構成要件とし、その他に水、エタノール、プ
ロパノール等の溶媒や、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、マレ
イン酸等のシリカの前駆体の加水分解を促進する触媒
や、トリブチルアミン、ヘキシルアミンなどの塩基性化
合物類、アルミニウムトリイソプロポキシド、テトライ
ソプロピルチタネートなどの酸性化合物類等のシリカの
前駆体を硬化させる触媒や、シランカップリング剤等の
コーティング液の分散性を向上させる界面活性剤などを
添加してもよい。
【0023】ここでシリコーンの前駆体としては、平均
組成式 SiXqO(4−q)/2 (式中、Xはアルコキシ基、又は、ハロゲン原子であ
り、qは0<q<4を満足する数である)で表されるシ
リケートからなる塗膜形成要素、又は一般式 SiX4 (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、、又は、一価の有機基と水素基から選ばれ
た2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、
又は、ハロゲン原子である)で表される4官能加水分解
性シラン誘導体からなる塗膜形成要素等が好適に利用で
きる。
組成式 SiXqO(4−q)/2 (式中、Xはアルコキシ基、又は、ハロゲン原子であ
り、qは0<q<4を満足する数である)で表されるシ
リケートからなる塗膜形成要素、又は一般式 SiX4 (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、、又は、一価の有機基と水素基から選ばれ
た2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、
又は、ハロゲン原子である)で表される4官能加水分解
性シラン誘導体からなる塗膜形成要素等が好適に利用で
きる。
【0024】ここで上記4官能加水分解性シラン誘導体
からなる塗膜形成要素としては、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、
テトラブトキシシラン、ジエトキシジメトキシシラン等
が好適に利用できる。
からなる塗膜形成要素としては、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、
テトラブトキシシラン、ジエトキシジメトキシシラン等
が好適に利用できる。
【0025】また、上記シリケートからなる塗膜形成要
素としては、上記4官能加水分解性シラン誘導体の部分
加水分解及び脱水縮重合等で作製することができる。
素としては、上記4官能加水分解性シラン誘導体の部分
加水分解及び脱水縮重合等で作製することができる。
【0026】上記コーティング組成物の塗布方法として
は、スプレーコーティング法、ディップコーティング
法、フローコーティング法、スピンコーティング法、ロ
ールコーティング法、刷毛塗り、スポンジ塗り等の方法
が好適に利用できる。硬化方法としては、熱処理、室温
放置、紫外線照射等により重合させて行うことができ
る。
は、スプレーコーティング法、ディップコーティング
法、フローコーティング法、スピンコーティング法、ロ
ールコーティング法、刷毛塗り、スポンジ塗り等の方法
が好適に利用できる。硬化方法としては、熱処理、室温
放置、紫外線照射等により重合させて行うことができ
る。
【0027】
参考例 アナターゼ型酸化チタンゾル(日産化学、TA−15、
硝酸解膠型、pH=1)と、シリカゾル(日本合成ゴ
ム、グラスカA液、pH=4)と、メチルトリメトキシ
シラン(日本合成ゴム、グラスカB液)とエタノールを
混合し、2〜3分攪拌して得たコーティング液を、スプ
レーコーティング法にて10cm四角のソーダライムガ
ラス基材上に塗布し、200℃で15分熱処理して、ア
ナターゼ型酸化チタン粒子11重量部、シリカ6重量
部、シリコーン5重量部からなる表面層を形成した#1
試料を得た。#1試料の水との接触角は85゜であっ
た。ここで水との接触角は接触角測定器(協和界面科
学、CA−X150)を用い、マイクロシリンジから水
滴を滴下した後30秒後の水との接触角で評価した。次
いで#1試料表面に、紫外線光源(三共電気、ブラック
ライトブルー(BLB)蛍光灯)を用いて0.3mW/
cm2の紫外線照度で1日照射し、#2試料を得た。そ
の結果、#2試料の水との接触角は0゜まで親水化され
た。次に、#1試料と、#1試料に水銀灯を22.8m
W/cm2の紫外線照度で2時間照射して得た#3試料
夫々の試料表面をラマン分光分析した。その結果、#1
試料表面で認められたメチル基のピークが#3試料では
認められず、代わりに水酸基のブロードなピークが認め
られた。以上のことから、光触媒であるアナターゼ型酸
化チタンの光励起に応じて被膜の表面のシリコーン分子
中のケイ素原子に結合した有機基は、光触媒作用により
水酸基に置換されること、及び親水化されることがわか
る。
硝酸解膠型、pH=1)と、シリカゾル(日本合成ゴ
ム、グラスカA液、pH=4)と、メチルトリメトキシ
シラン(日本合成ゴム、グラスカB液)とエタノールを
混合し、2〜3分攪拌して得たコーティング液を、スプ
レーコーティング法にて10cm四角のソーダライムガ
ラス基材上に塗布し、200℃で15分熱処理して、ア
ナターゼ型酸化チタン粒子11重量部、シリカ6重量
部、シリコーン5重量部からなる表面層を形成した#1
試料を得た。#1試料の水との接触角は85゜であっ
た。ここで水との接触角は接触角測定器(協和界面科
学、CA−X150)を用い、マイクロシリンジから水
滴を滴下した後30秒後の水との接触角で評価した。次
いで#1試料表面に、紫外線光源(三共電気、ブラック
ライトブルー(BLB)蛍光灯)を用いて0.3mW/
cm2の紫外線照度で1日照射し、#2試料を得た。そ
の結果、#2試料の水との接触角は0゜まで親水化され
た。次に、#1試料と、#1試料に水銀灯を22.8m
W/cm2の紫外線照度で2時間照射して得た#3試料
夫々の試料表面をラマン分光分析した。その結果、#1
試料表面で認められたメチル基のピークが#3試料では
認められず、代わりに水酸基のブロードなピークが認め
られた。以上のことから、光触媒であるアナターゼ型酸
化チタンの光励起に応じて被膜の表面のシリコーン分子
中のケイ素原子に結合した有機基は、光触媒作用により
水酸基に置換されること、及び親水化されることがわか
る。
【0028】実施例1.アナターゼ型酸化チタンゾル
(日産化学、TA−15)と、シリカゾル(日本合成ゴ
ム、グラスカA液)と、メチルトリメトキシシラン(日
本合成ゴム、グラスカB液)とポリテトラフルオロエチ
レン(PTFE)粒子(ダイキン工業、ルブロンL−
5)とエタノールを混合し、2〜3時間撹拌して得たコ
ーティング液を、スプレーコーティング法にて10cm
四角のアルミニウム基材上に塗布し、200℃で15分
熱処理して、アナターゼ型酸化チタン粒子33重量部、
ポリテトラフルオロエチレン粒子66重量部、シリカ6
重量部、シリコーン5重量部からなる表面層を形成した
#4試料を得た。#4試料の水との接触角は107゜で
あった。次いで#4試料表面に、紫外線光源(三共電
気、ブラックライトブルー(BLB)蛍光灯)を用いて
0.3mW/cm2の紫外線照度で1日照射し、#5試
料を得た。その結果、#5試料の水との接触角は96.
4゜とさほど変化がなかった。上記参考例より、シリコ
ーンが外気に露出した部分はシリコーン分子中のケイ素
原子に結合した有機基は、光触媒作用により水酸基に置
換され、親水化されるはずであるから、その分だけ親水
化して水との接触角が若干減少したと考えられる。すな
わち、#5試料表面は、光触媒作用により水酸基に置換
され、親水化されたシリコーンが外気に露出した親水性
を呈する部分と、撥水性フッ素樹脂が外気に露出した撥
水性を呈する部分の双方が表面に微視的に分散された構
造となっていると推定される。
(日産化学、TA−15)と、シリカゾル(日本合成ゴ
ム、グラスカA液)と、メチルトリメトキシシラン(日
本合成ゴム、グラスカB液)とポリテトラフルオロエチ
レン(PTFE)粒子(ダイキン工業、ルブロンL−
5)とエタノールを混合し、2〜3時間撹拌して得たコ
ーティング液を、スプレーコーティング法にて10cm
四角のアルミニウム基材上に塗布し、200℃で15分
熱処理して、アナターゼ型酸化チタン粒子33重量部、
ポリテトラフルオロエチレン粒子66重量部、シリカ6
重量部、シリコーン5重量部からなる表面層を形成した
#4試料を得た。#4試料の水との接触角は107゜で
あった。次いで#4試料表面に、紫外線光源(三共電
気、ブラックライトブルー(BLB)蛍光灯)を用いて
0.3mW/cm2の紫外線照度で1日照射し、#5試
料を得た。その結果、#5試料の水との接触角は96.
4゜とさほど変化がなかった。上記参考例より、シリコ
ーンが外気に露出した部分はシリコーン分子中のケイ素
原子に結合した有機基は、光触媒作用により水酸基に置
換され、親水化されるはずであるから、その分だけ親水
化して水との接触角が若干減少したと考えられる。すな
わち、#5試料表面は、光触媒作用により水酸基に置換
され、親水化されたシリコーンが外気に露出した親水性
を呈する部分と、撥水性フッ素樹脂が外気に露出した撥
水性を呈する部分の双方が表面に微視的に分散された構
造となっていると推定される。
【0029】次に、#5試料及び比較のためアルミニウ
ム板を屋外に設置して、堆積物や汚染物に対する表面の
清浄維持性を調べた。堆積物や汚染物に対する表面の清
浄維持性は、建物の屋上の屋根付き部分の下に図4のよ
うに試料を設置し、4か月暴露することにより行った。
その結果、アルミニウム板では多少の汚れが観察された
のに対し、#5試料では汚れは観察されなかった。その
様子を4か月暴露前後の色差の変化で調べた。ここで色
差は色差計(東京電色)を用い、日本工業規格(JI
S)H0201に従い、ΔE*表示を用いて調べた。そ
の結果、アルミニウム板では暴露前後の色差の変化は4
程度あったのに対し、#5試料では0.7と小さかっ
た。
ム板を屋外に設置して、堆積物や汚染物に対する表面の
清浄維持性を調べた。堆積物や汚染物に対する表面の清
浄維持性は、建物の屋上の屋根付き部分の下に図4のよ
うに試料を設置し、4か月暴露することにより行った。
その結果、アルミニウム板では多少の汚れが観察された
のに対し、#5試料では汚れは観察されなかった。その
様子を4か月暴露前後の色差の変化で調べた。ここで色
差は色差計(東京電色)を用い、日本工業規格(JI
S)H0201に従い、ΔE*表示を用いて調べた。そ
の結果、アルミニウム板では暴露前後の色差の変化は4
程度あったのに対し、#5試料では0.7と小さかっ
た。
【0030】実施例2.アナターゼ型酸化チタンゾル
(日産化学、TA−15)と、シリカゾル(日本合成ゴ
ム、グラスカA液)と、メチルトリメトキシシラン(日
本合成ゴム、グラスカB液)とポリテトラフルオロエチ
レン(PTFE)粒子(ダイキン工業、ルブロンL−
5)とエタノールを混合し、2〜3時間撹拌して得たコ
ーティング液を、スプレーコーティング法にて10cm
四角のステンレス基材上に塗布し、200℃で15分熱
処理して、アナターゼ型酸化チタン粒子33重量部、ポ
リテトラフルオロエチレン粒子66重量部、シリカ6重
量部、シリコーン5重量部からなる表面層を形成した#
6試料を得た。#6試料の水との接触角は110゜であ
った。次いで#6試料表面に、紫外線光源(三共電気、
ブラックライトブルー(BLB)蛍光灯)を用いて0.
3mW/cm2の紫外線照度で1日照射し、#7試料を
得た。その結果、#7試料の水との接触角は97.4゜
とさほど変化がなかった。上記参考例より、シリコーン
が外気に露出した部分はシリコーン分子中のケイ素原子
に結合した有機基は、光触媒作用により水酸基に置換さ
れ、親水化されるはずであるから、その分だけ親水化し
て水との接触角が若干減少したと考えられる。すなわ
ち、#7試料表面は、光触媒作用により水酸基に置換さ
れ、親水化されたシリコーンが外気に露出した親水性を
呈する部分と、撥水性フッ素樹脂が外気に露出した撥水
性を呈する部分の双方が表面に微視的に分散された構造
となっていると推定される。
(日産化学、TA−15)と、シリカゾル(日本合成ゴ
ム、グラスカA液)と、メチルトリメトキシシラン(日
本合成ゴム、グラスカB液)とポリテトラフルオロエチ
レン(PTFE)粒子(ダイキン工業、ルブロンL−
5)とエタノールを混合し、2〜3時間撹拌して得たコ
ーティング液を、スプレーコーティング法にて10cm
四角のステンレス基材上に塗布し、200℃で15分熱
処理して、アナターゼ型酸化チタン粒子33重量部、ポ
リテトラフルオロエチレン粒子66重量部、シリカ6重
量部、シリコーン5重量部からなる表面層を形成した#
6試料を得た。#6試料の水との接触角は110゜であ
った。次いで#6試料表面に、紫外線光源(三共電気、
ブラックライトブルー(BLB)蛍光灯)を用いて0.
3mW/cm2の紫外線照度で1日照射し、#7試料を
得た。その結果、#7試料の水との接触角は97.4゜
とさほど変化がなかった。上記参考例より、シリコーン
が外気に露出した部分はシリコーン分子中のケイ素原子
に結合した有機基は、光触媒作用により水酸基に置換さ
れ、親水化されるはずであるから、その分だけ親水化し
て水との接触角が若干減少したと考えられる。すなわ
ち、#7試料表面は、光触媒作用により水酸基に置換さ
れ、親水化されたシリコーンが外気に露出した親水性を
呈する部分と、撥水性フッ素樹脂が外気に露出した撥水
性を呈する部分の双方が表面に微視的に分散された構造
となっていると推定される。
【0031】次に、#7試料及び比較のためステンレス
板を屋外に設置して、堆積物や汚染物に対する表面の清
浄維持性を調べた。堆積物や汚染物に対する表面の清浄
維持性は、建物の屋上の屋根付き部分の下に図4のよう
に試料を設置し、4か月暴露することにより行った。そ
の結果、ステンレス板では多少の汚れが観察されたのに
対し、#7試料では汚れは観察されなかった。
板を屋外に設置して、堆積物や汚染物に対する表面の清
浄維持性を調べた。堆積物や汚染物に対する表面の清浄
維持性は、建物の屋上の屋根付き部分の下に図4のよう
に試料を設置し、4か月暴露することにより行った。そ
の結果、ステンレス板では多少の汚れが観察されたのに
対し、#7試料では汚れは観察されなかった。
【0032】
【発明の効果】本発明では、高欄において、高欄基材表
面に、光触媒粒子とシリコーンと撥水性フッ素樹脂とを
含有する表面層が形成されているようにする、或いは高
欄基材表面に、光触媒粒子と無定型シリカと撥水性フッ
素樹脂とを含有する表面層が形成されているようにする
ことにより、親水性付着物も、疎水性付着物も部材表面
に固着されることはなく、表面は清浄な状態に維持され
るようになる。
面に、光触媒粒子とシリコーンと撥水性フッ素樹脂とを
含有する表面層が形成されているようにする、或いは高
欄基材表面に、光触媒粒子と無定型シリカと撥水性フッ
素樹脂とを含有する表面層が形成されているようにする
ことにより、親水性付着物も、疎水性付着物も部材表面
に固着されることはなく、表面は清浄な状態に維持され
るようになる。
【図1】 本発明に係る高欄の表面構造を示す図。
【図2】 本発明に係る高欄の他の表面構造を示す図。
【図3】 本発明の実施例にに係る試験の試料の設置方
法を示す図。
法を示す図。
Claims (2)
- 【請求項1】 高欄基材表面に、光触媒性酸化物粒子と
シリコーンと撥水性フッ素樹脂とを含有する表面層が形
成されていることを特徴とする防汚性高欄。 - 【請求項2】 高欄基材表面に、光触媒性酸化物粒子と
無定型シリカと撥水性フッ素樹脂とを含有する表面層が
形成されていることを特徴とする防汚性高欄。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29100996A JPH10102422A (ja) | 1996-09-26 | 1996-09-26 | 防汚性高欄 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29100996A JPH10102422A (ja) | 1996-09-26 | 1996-09-26 | 防汚性高欄 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10102422A true JPH10102422A (ja) | 1998-04-21 |
Family
ID=17763283
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29100996A Pending JPH10102422A (ja) | 1996-09-26 | 1996-09-26 | 防汚性高欄 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10102422A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102071000A (zh) * | 2009-11-25 | 2011-05-25 | 乐金电子(天津)电器有限公司 | 一种不粘尘材料 |
CN102703030A (zh) * | 2012-05-18 | 2012-10-03 | 天津理工大学 | 一种光催化降解型抑尘剂的制备方法 |
-
1996
- 1996-09-26 JP JP29100996A patent/JPH10102422A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102071000A (zh) * | 2009-11-25 | 2011-05-25 | 乐金电子(天津)电器有限公司 | 一种不粘尘材料 |
CN102703030A (zh) * | 2012-05-18 | 2012-10-03 | 天津理工大学 | 一种光催化降解型抑尘剂的制备方法 |
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