JPH10107303A - 防汚性カバーを備えた太陽電池 - Google Patents

防汚性カバーを備えた太陽電池

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JPH10107303A
JPH10107303A JP8292208A JP29220896A JPH10107303A JP H10107303 A JPH10107303 A JP H10107303A JP 8292208 A JP8292208 A JP 8292208A JP 29220896 A JP29220896 A JP 29220896A JP H10107303 A JPH10107303 A JP H10107303A
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JP
Japan
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solar cell
water
silicone
cover
repellent
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Application number
JP8292208A
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English (en)
Inventor
Mitsuyoshi Machida
町田  光義
Makoto Hayakawa
信 早川
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Toto Ltd
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Toto Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/548Amorphous silicon PV cells

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  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 太陽電池を保護する透明カバーの汚れを防止
し、太陽電池のエネルギー変換効率を長期間にわたり高
く維持する。 【解決手段】 太陽電池を保護する透明カバーの表面
に、光触媒性酸化物粒子とシリコーンと撥水性フッ素樹
脂とを含有する実質的に透明な表面層が形成されてい
る、或いは光触媒性酸化物粒子と無定型シリカと撥水性
フッ素樹脂とを含有する実質的に透明な表面層が形成さ
れているようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、太陽電池に係り、
より詳しくは、防汚性カバーを備えた太陽電池に関す
る。
【0002】
【従来の技術】太陽電池の受光面は強化ガラスや耐候性
樹脂フィルムなどからなる保護カバーによって保護され
ている。太陽電池のカバーは長期間の使用中には煤塵で
汚れ、光透過率が低下するので太陽電池のエネルギー変
換効率を低下させる。特に近年では環境汚染に伴いカバ
ーの汚れが促進され、太陽電池の変換効率が早期に減少
する傾向にある。そこで、太陽電池カバーを定期的に又
は必要に応じて清掃するのが望ましい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、太陽電
池は一般に屋根や建物の外壁に設置されるので、そのカ
バーの清掃は容易ではない。そこで、本発明では、カバ
ー表面が汚れにくい太陽電池を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記課題を
解決すべく、太陽電池を保護する透明カバーの表面に、
光触媒性酸化物粒子とシリコーンと撥水性フッ素樹脂と
を含有する実質的に透明な表面層が形成されていること
を特徴とする防汚性カバーを備えた太陽電池を提供す
る。このような構成にすることにより、光触媒を光励起
したときに、光触媒作用によりシリコーン分子中のケイ
素原子に結合した有機基が少なくとも部分的に水酸基に
置換されて親水性を呈するようになり、シリコーンが外
気に露出した親水性を呈する部分と、撥水性フッ素樹脂
が外気に露出した撥水性を呈する部分の双方が表面に微
視的に分散された構造となる。さらに、光触媒が存在す
ることにより、光触媒の光励起に応じてシリコーン分子
中のケイ素原子に結合した有機基が少なくとも部分的に
水酸基に置換されたシリコーンは恒久的に親水性を維持
するので、上記親水性を呈する部分と撥水性を呈する部
分の双方が表面に微視的に分散された構造は維持され
る。このような構造では、親水性表面と撥水性表面が隣
接するため、親水性表面になじみやすい親水性の付着物
は隣接する撥水性部分になじまない。逆に撥水性表面に
なじみやすい疎水性の付着物は隣接する親水性部分にな
じまない。そのため、親水性付着物も、疎水性付着物も
部材表面に固着されることはなく、表面は清浄な状態に
維持される。
【0005】また、本発明では、太陽電池を保護する透
明カバーの表面に、光触媒性酸化物粒子と無定型シリカ
と撥水性フッ素樹脂とを含有する実質的に透明な表面層
が形成されていることを特徴とする防汚性カバーを備え
た太陽電池を提供する。このような構成にすることによ
り、表面層中の無定型シリカが外気に露出した親水性を
呈する部分と、撥水性フッ素樹脂が外気に露出した撥水
性を呈する部分の双方が表面に微視的に分散された構造
となる。さらに、光触媒が存在することにより、光触媒
の光励起に応じて無定型シリカは恒久的に親水性を維持
するので、上記親水性を呈する部分と撥水性を呈する部
分の双方が表面に微視的に分散された構造は維持され
る。このような構造では、親水性表面と撥水性表面が隣
接するため、親水性表面になじみやすい親水性の付着物
は隣接する撥水性部分になじまない。逆に撥水性表面に
なじみやすい疎水性の付着物は隣接する親水性部分にな
じまない。そのため、親水性付着物も、疎水性付着物も
部材表面に固着されることはなく、表面は清浄な状態に
維持される。
【0006】
【発明の実施の形態】図1はアモルファスシリコンから
なる太陽電池に本発明を適用した実施例を示し、太陽電
池10は、ガラス基板12と透明電極14とp型、i
型、n型の3層からなるアモルファスシリコン層16と
金属電極18とで構成されている。しかし、本発明は結
晶シリコンからなる太陽電池にも適用することができ
る。図示した実施例では、ガラス基板12は強化ガラス
などからなる保護カバー20によって保護されている。
保護カバー20はガラス基板12に接着してもよいし、
ガラス基板12から離間してもよい。
【0007】次に、本発明の太陽電池の保護カバーの表
面構造について説明する。本発明の一態様においては、
図2に示すように、保護カバー20の表面には、光触媒
粒子と、シリコーンと、撥水性フッ素樹脂を含む表面層
が形成されている。図2に光触媒を光励起することの可
能な光が照射されると、外気に露出したシリコーンの少
なくとも一部が、光触媒作用によりシリコーン分子中の
ケイ素原子に結合した有機基が少なくとも部分的に水酸
基に置換されて親水性を呈するようになり、シリコーン
が外気に露出した親水性を呈する部分と、撥水性フッ素
樹脂が外気に露出した撥水性を呈する部分の双方が表面
に微視的に分散された構造となる。さらに、光触媒が存
在することにより、光触媒の光励起に応じて無定型シリ
カは恒久的に親水性を維持するので、上記親水性を呈す
る部分と撥水性を呈する部分の双方が表面に微視的に分
散された構造は維持される。このような構造になること
により、親水性付着物も、疎水性付着物も部材表面に固
着されることはなく、表面は清浄な状態に維持される。
【0008】本発明の他の態様においては、図3に示す
ように、保護カバー20の表面には、光触媒粒子と、無
定型シリカと、撥水性フッ素樹脂を含む表面層が形成さ
れている。このような構成にすることにより、表面層中
の無定型シリカが外気に露出した親水性を呈する部分
と、撥水性フッ素樹脂が外気に露出した撥水性を呈する
部分の双方が表面に微視的に分散された構造となる。さ
らに、光触媒が存在することにより、光触媒の光励起に
応じて無定型シリカは恒久的に親水性を維持するので、
上記親水性を呈する部分と撥水性を呈する部分の双方が
表面に微視的に分散された構造は維持される。このよう
な構造になることにより、親水性付着物も、疎水性付着
物も部材表面に固着されることはなく、表面は清浄な状
態に維持される。
【0009】光触媒とは、その結晶の伝導帯と価電子帯
との間のエネルギーギャップよりも大きなエネルギー
(すなわち短い波長)の光(励起光)を照射したとき
に、価電子帯中の電子の励起(光励起)が生じて、伝導
電子と正孔を生成しうる物質をいい、光触媒性酸化物に
は、例えば、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チ
タン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化第二鉄、三酸化二ビスマ
ス、三酸化タングステン、チタン酸ストロンチウム等の
酸化物が好適に利用できる。
【0010】太陽電池10が可視光帯域にピーク感度を
有する場合には、紫外線によって光励起されるようなバ
ンドギャップエネルギーを有する光触媒を採択するのが
好ましい。そうすれば、光触媒層22が可視光帯域の光
を吸収することがないので、太陽電池の良好な感度を確
保することができる。紫外線によって光励起可能な光触
媒としては、アナターゼ型酸化チタン(励起波長387
nm)、酸化亜鉛(励起波長387nm)、チタン酸ス
トロンチウム(励起波長387nm)、酸化錫(励起波
長344nm)、ルチル型酸化チタン(励起波長413
nm)を挙げることができる。
【0011】光触媒の光励起に用いる光源は、日中は太
陽の照射に晒されるので、太陽光が利用できる。また、
夜間は道路照明等を光源として利用できる。光触媒の光
励起により、基材表面が高度に親水化されるためには、
励起光の照度は0.001mW/cm以上あればよい
が、0.01mW/cm以上だと好ましく、0.1m
W/cm以上だとより好ましい。
【0012】シリコーンには、平均組成式 RSiO(4−p)/2 (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、pは0<p<2を満足する数
である)で表される樹脂が利用できる。
【0013】撥水性フッ素樹脂には、ポリテトラフルオ
ロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリヘ
キサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン−ヘ
キサフルオロプロピレンコポリマー等が好適に利用でき
る。
【0014】表面層の膜厚は、0.4μm以下にするの
が好ましい。そうすれば、光の乱反射による白濁を防止
することができ、表面層は実質的に透明となる。さら
に、表面層の膜厚を、0.2μm以下にすると一層好ま
しい。そうすれば、光の干渉による表面層の発色を防止
することができる。また、表面層が薄ければ薄いほどそ
の透明度は向上する。更に、膜厚を薄くすれば、表面層
の耐摩耗性が向上する。
【0015】表面層には、Ag、Cu、Znのような金
属を添加することができる。前記金属を添加した表面層
は、表面に付着した細菌や黴を暗所でも死滅させること
ができる。
【0016】表面層にはPt、Pd、Ru、Rh、I
r、Osのような白金族金属を添加することができる。
前記金属を添加した表面層は、光触媒の酸化還元活性を
増強でき、有機物汚れの分解性、有害気体や悪臭の分解
性を向上させることができる。
【0017】 次に、基材表面に、光触媒性酸化物粒
子とシリコーンと撥水性フッ素樹脂とを含有する表面層
が形成されている防汚性部材の製法について説明する。
この場合の製法は、基本的には、基材表面にコーティン
グ組成物を塗布し、硬化させることによる。
【0018】ここでコーティング組成物は、光触媒粒
子、撥水性フッ素樹脂の他にシリコーンの前駆体を必須
構成要件とし、その他に水、エタノール、プロパノール
等の溶媒や、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、マレイン酸等の
シリコーンの前駆体の加水分解を促進する触媒や、トリ
ブチルアミン、ヘキシルアミンなどの塩基性化合物類、
アルミニウムトリイソプロポキシド、テトライソプロピ
ルチタネートなどの酸性化合物類等のシリコーンの前駆
体を硬化させる触媒や、シランカップリング剤等のコー
ティング液の分散性を向上させる界面活性剤などを添加
してもよい。
【0019】ここでシリコーンの前駆体としては、平均
組成式 RSiX(4−p−q)/2 (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、p及びqは0<p<2、0<
q<4を満足する数である)で表されるシロキサンから
なる塗膜形成要素、又は一般式 RSiX4−p (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、、又は、一価の有機基と水素基から選ばれ
た2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、
又は、ハロゲン原子であり、pは1または2である)で
表される加水分解性シラン誘導体からなる塗膜形成要
素、が好適に利用できる。
【0020】ここで上記加水分解性シラン誘導体からな
る塗膜形成要素としては、メチルトリメトキシシラン、
メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラ
ン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシ
ラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキ
シシラン、エチルトリブトキシシラン、フェニルトリメ
トキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニル
トリプロポキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジブトキシ
シラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキ
シシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジエチルジブ
トキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェ
ニルメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジプロポ
キシシラン、フェニルメチルジブトキシシラン、n−プ
ロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシ
シラン、n−プロピルトリプロポキシシラン、n−プロ
ピルトリブトキシシラン、γ−グリコキシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン等が好適に利用できる。
【0021】また、上記シロキサンからなる塗膜形成要
素としては、上記加水分解性シラン誘導体の部分加水分
解及び脱水縮重合、又は上記加水分解性シラン誘導体の
部分加水分解物と、テトラメトキシシラン、テトラエト
キシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシ
シラン、ジエトキシジメトキシシラン等の部分加水分解
物との脱水縮重合等で作製することができる。
【0022】上記コーティング組成物の塗布方法として
は、スプレーコーティング法、ディップコーティング
法、フローコーティング法、スピンコーティング法、ロ
ールコーティング法、刷毛塗り、スポンジ塗り等の方法
が好適に利用できる。硬化方法としては、熱処理、室温
放置、紫外線照射等により重合させて行うことができ
る。
【0023】次に、基材表面に、光触媒粒子と無定型シ
リカと撥水性フッ素樹脂とを含有する表面層が形成され
ている防汚性部材の製法について説明する。この場合の
製法は、基本的には、基材表面にコーティング組成物を
塗布し、硬化させることによる。
【0024】ここでコーティング組成物は、光触媒粒
子、撥水性フッ素樹脂の他にシリカ粒子又はシリカの前
駆体を必須構成要件とし、その他に水、エタノール、プ
ロパノール等の溶媒や、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、マレ
イン酸等のシリカの前駆体の加水分解を促進する触媒
や、トリブチルアミン、ヘキシルアミンなどの塩基性化
合物類、アルミニウムトリイソプロポキシド、テトライ
ソプロピルチタネートなどの酸性化合物類等のシリカの
前駆体を硬化させる触媒や、シランカップリング剤等の
コーティング液の分散性を向上させる界面活性剤などを
添加してもよい。
【0025】ここでシリコーンの前駆体としては、平均
組成式 SiX(4−q)/2 (式中、Xはアルコキシ基、又は、ハロゲン原子であ
り、qは0<q<4を満足する数である)で表されるシ
リケートからなる塗膜形成要素、又は一般式 SiX (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、、又は、一価の有機基と水素基から選ばれ
た2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、
又は、ハロゲン原子である)で表される4官能加水分解
性シラン誘導体からなる塗膜形成要素等が好適に利用で
きる。
【0026】ここで上記4官能加水分解性シラン誘導体
からなる塗膜形成要素としては、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、
テトラブトキシシラン、ジエトキシジメトキシシラン等
が好適に利用できる。
【0027】また、上記シリケートからなる塗膜形成要
素としては、上記4官能加水分解性シラン誘導体の部分
加水分解及び脱水縮重合等で作製することができる。
【0028】上記コーティング組成物の塗布方法として
は、スプレーコーティング法、ディップコーティング
法、フローコーティング法、スピンコーティング法、ロ
ールコーティング法、刷毛塗り、スポンジ塗り等の方法
が好適に利用できる。硬化方法としては、熱処理、室温
放置、紫外線照射等により重合させて行うことができ
る。
【0029】
【実施例】
参考例.アナターゼ型酸化チタンゾル(日産化学、TA
−15、硝酸解膠型、pH=1)と、シリカゾル(日本
合成ゴム、グラスカA液、pH=4)と、メチルトリメ
トキシシラン(日本合成ゴム、グラスカB液)とエタノ
ールを混合し、2〜3分撹拌して得たコーティング液
を、スプレーコーティング法にて10cm四角のソーダ
ライムガラス基材上に塗布し、200℃で15分熱処理
して、アナターゼ型酸化チタン粒子11重量部、シリカ
6重量部、シリコーン5重量部からなる表面層を形成し
た#1試料を得た。#1試料の水との接触角は85゜で
あった。ここで水との接触角は接触角測定器(協和界面
科学、CA−X150)を用い、マイクロシリンジから
水滴を滴下した後30秒後の水との接触角で評価した。
次いで#1試料表面に、紫外線光源(三共電気、ブラッ
クライトブルー(BLB)蛍光灯)を用いて0.3mW
/cmの紫外線照度で1日照射し、#2試料を得た。
その結果、#2試料の水との接触角は0゜まで親水化さ
れた。次に、#1試料と、#1試料に水銀灯を22.8
mW/cmの紫外線照度で2時間照射して得た#3試
料夫々の試料表面をラマン分光分析した。その結果、#
1試料表面で認められたメチル基のピークが#3試料で
は認められず、代わりに水酸基のブロードなピークが認
められた。以上のことから、光触媒であるアナターゼ型
酸化チタンの光励起に応じて被膜の表面のシリコーン分
子中のケイ素原子に結合した有機基は、光触媒作用によ
り水酸基に置換されること、及び親水化されることがわ
かる。
【0030】実施例.アナターゼ型酸化チタンゾル(日
産化学、TA−15)と、シリカゾル(日本合成ゴム、
グラスカA液)と、メチルトリメトキシシラン(日本合
成ゴム、グラスカB液)とポリテトラフルオロエチレン
(PTFE)粒子(ダイキン工業、ルブロンL−5)と
エタノールを混合し、2〜3時間撹拌して得たコーティ
ング液を、スプレーコーティング法にて10cm角のソ
ーダライムガラス板上に塗布し、200℃で15分熱処
理して、アナターゼ型酸化チタン粒子33重量部、ポリ
テトラフルオロエチレン粒子66重量部、シリカ6重量
部、シリコーン5重量部からなる表面層を形成した#4
試料を得た。#4試料の水との接触角は110゜であっ
た。次いで#4試料表面に、紫外線光源(三共電気、ブ
ラックライトブルー(BLB)蛍光灯)を用いて0.3
mW/cmの紫外線照度で1日照射し、#5試料を得
た。その結果、#5試料の水との接触角は97.2゜と
さほど変化がなかった。上記参考例より、シリコーンが
外気に露出した部分はシリコーン分子中のケイ素原子に
結合した有機基は、光触媒作用により水酸基に置換さ
れ、親水化されるはずであるから、その分だけ親水化し
て水との接触角が若干減少したと考えられる。すなわ
ち、#5試料表面は、光触媒作用により水酸基に置換さ
れ、親水化されたシリコーンが外気に露出した親水性を
呈する部分と、撥水性フッ素樹脂が外気に露出した撥水
性を呈する部分の双方が表面に微視的に分散された構造
となっていると推定される。
【0031】次に、#5試料及び比較のためソーダライ
ムガラス板を屋外に設置して、堆積物や汚染物に対する
表面の清浄維持性を調べた。堆積物や汚染物に対する表
面の清浄維持性は、建物の屋上の屋根付き部分の下に図
4のように試料を設置し、4か月暴露することにより行
った。その結果、ソーダライムガラス板では多少の汚れ
が観察されたのに対し、#5試料では汚れは観察されな
かった。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、太陽電池を保護する透
明カバーが汚れにくくなるので、太陽電池のエネルギー
変換効率を長期間にわたり高く維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の太陽電池の模式的断面図。
【図2】 本発明に係る太陽電池を保護する透明カバー
の表面構造を示す図。
【図3】 本発明に係る太陽電池を保護する透明カバー
の表面層構造を示す図。
【図4】 本発明の実施例に係る試験の試料の設置方法
を示す図。
【符号の説明】
10: 太陽電池 20: 保護カバー

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 太陽電池を保護する透明カバーの表面
    に、光触媒性酸化物粒子とシリコーンと撥水性フッ素樹
    脂とを含有する実質的に透明な表面層が形成されている
    ことを特徴とする防汚性カバーを備えた太陽電池。
  2. 【請求項2】 太陽電池を保護する透明カバーの表面
    に、光触媒性酸化物粒子と無定型シリカと撥水性フッ素
    樹脂とを含有する実質的に透明な表面層が形成されてい
    ることを特徴とする防汚性カバーを備えた太陽電池。
  3. 【請求項3】 前記太陽電池は可視光帯域にピーク感度
    を有し、前記光触媒は紫外線によって光励起されるよう
    なバンドギャップエネルギーを有することを特徴とする
    請求項1、2に記載の防汚性カバーを備えた太陽電池。
JP8292208A 1996-09-27 1996-09-27 防汚性カバーを備えた太陽電池 Pending JPH10107303A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10164273A1 (de) * 2001-12-27 2003-07-10 Solarwatt Solar Systeme Gmbh Photovoltaisches Solarmodul in Plattenform
JP2011503851A (ja) * 2007-11-08 2011-01-27 中国楽凱フィルム集団公司 太陽電池用バックシート及びその製造方法
JP2011127198A (ja) * 2009-12-18 2011-06-30 Shincron:Kk 太陽電池カバー、その製造方法及び融雪方法

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