JPH10137098A - 防汚食器、及び防汚食器用収納装置 - Google Patents

防汚食器、及び防汚食器用収納装置

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JPH10137098A
JPH10137098A JP8311418A JP31141896A JPH10137098A JP H10137098 A JPH10137098 A JP H10137098A JP 8311418 A JP8311418 A JP 8311418A JP 31141896 A JP31141896 A JP 31141896A JP H10137098 A JPH10137098 A JP H10137098A
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tableware
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water
silicone
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JP8311418A
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Mitsuyoshi Machida
町田  光義
Makoto Hayakawa
信 早川
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Toto Ltd
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Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 油汚れが固着しにくい防汚食器の提供。 【解決手段】 基材表面に、光触媒粒子とシリコ−ンと
撥水性フッ素樹脂、或いは光触媒粒子と無定型シリカと
撥水性フッ素樹脂とを含有する表面層が形成されている
ことを特徴とする防汚食器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油汚れの非固着性
を改善した食器に関する。
【0002】
【従来の技術】食器に付着した食物の油汚れは落しにく
い。このため、中性洗剤等に食器を浸け、油分を表面か
ら浮かせてから水洗いする化学的な方法が一般家庭では
行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】食器の油汚れを落すた
めに洗剤を使用すると、肌荒れの原因になる。また、近
年、家庭からの中性洗剤含有廃水が河川の水質汚濁の原
因として問題化している。そこで、本発明では、油汚れ
が固着しにくい防汚食器を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記課題を
解決すべく、基材表面に、光触媒粒子とシリコーンと撥
水性フッ素樹脂とを含有する表面層が形成されているこ
とを特徴とする防汚食器を提供する。このような構成に
することにより、光触媒を光励起したときに、光触媒作
用によりシリコーン分子中のケイ素原子に結合した有機
基が少なくとも部分的に水酸基に置換されて親水性を呈
するようになり、シリコーンが外気に露出した親水性を
呈する部分と、撥水性フッ素樹脂が外気に露出した撥水
性を呈する部分の双方が表面に微視的に分散された構造
となる。さらに、光触媒が存在することにより、光触媒
の光励起に応じてシリコーン分子中のケイ素原子に結合
した有機基が少なくとも部分的に水酸基に置換されたシ
リコーンは恒久的に親水性を維持するので、上記親水性
を呈する部分と撥水性を呈する部分の双方が表面に微視
的に分散された構造は維持される。このような構造で
は、親水性表面と撥水性表面が隣接するため、親水性表
面になじみやすい親水性の付着物は隣接する撥水性部分
になじまない。逆に撥水性表面になじみやすい疎水性の
付着物は隣接する親水性部分になじまない。そのため、
親水性付着物も、疎水性付着物も部材表面に固着される
ことはなく、付着した油分が重合・固化しても部材表面
に強固に固着しない。さらに、光触媒が存在することに
より、付着した油分を光酸化作用で徐々に分解する効果
も期待できる。
【0005】また、本発明では、基材表面に、光触媒粒
子と無定型シリカと撥水性フッ素樹脂とを含有する表面
層が形成されていることを特徴とする防汚食器を提供す
る。このような構成にすることにより、表面層中の無定
型シリカが外気に露出した親水性を呈する部分と、撥水
性フッ素樹脂が外気に露出した撥水性を呈する部分の双
方が表面に微視的に分散された構造となる。さらに、光
触媒が存在することにより、光触媒の光励起に応じて無
定型シリカは恒久的に親水性を維持するので、上記親水
性を呈する部分と撥水性を呈する部分の双方が表面に微
視的に分散された構造は維持される。このような構造で
は、親水性表面と撥水性表面が隣接するため、親水性表
面になじみやすい親水性の付着物は隣接する撥水性部分
になじまない。逆に撥水性表面になじみやすい疎水性の
付着物は隣接する親水性部分になじまない。そのため、
親水性付着物も、疎水性付着物も部材表面に固着される
ことはなく、付着した油分が重合・固化しても部材表面
に強固に固着しない。さらに、光触媒が存在することに
より、付着した油分を光酸化作用で徐々に分解する効果
も期待できる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。ここで、図1は本発明に係る
食器において、親水性を呈する部分と撥水性を呈する部
分の双方が表面に微視的に分散された構造を維持し、以
て付着した油分の重合・固化時の食器表面への固着性を
防止させるための保管容器の例を示す図であり、保管容
器はボックス状に形成されており、且つ複数段に仕切ら
れ、各段の天井部には、食器の表面層に含有される光触
媒粒子のバンドギャップエネルギーよりも高いエネルギ
ーの光(光触媒を励起し得る波長の光)を照射する蛍光
灯等の光源が設けられている。
【0007】ここで、各段に載置される食器の表面に
は、図2に示すように、光触媒粒子と、シリコーンと、
撥水性フッ素樹脂を含む表面層が形成されているか、或
いは図3に示すように、光触媒粒子と、無定型シリカ
と、撥水性フッ素樹脂を含む表面層が形成されており、
この表面層の全面に光を照射すべく保管ボックスの内側
面をステンレス等で鏡面としておくことが好ましい。ま
た、保管容器内に加熱装置を設けて食器乾燥機能をもた
せてもよい。また、保管容器内に洗浄水を流す洗浄装置
を設けて食器洗浄機能をもたせてもよい。また、保管ボ
ックスに扉の開閉を感知するスイッチ等を設け、扉の開
閉に連動して所定時間のみ光源を点灯するようにしても
よい。本発明が利用できる食器基材は、特に限定される
ものではなく、従来と同様に、陶磁器製食器、ガラス製
食器、プラスチック製食器、陶磁器製コップ、ガラス製
コップ、プラスチック製コップ等に好適に利用できる。
防汚食器基材と表面層との間には、表面層の密着性向上
等の目的で中間層を設けてもよい。
【0008】光触媒とは、その結晶の伝導帯と価電子帯
との間のエネルギーギャップよりも大きなエネルギー
(すなわち短い波長)の光(励起光)を照射したとき
に、価電子帯中の電子の励起(光励起)が生じて、伝導
電子と正孔を生成しうる物質をいい、光触媒性酸化物に
は、例えば、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チ
タン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化第二鉄、三酸化二ビスマ
ス、三酸化タングステン、チタン酸ストロンチウム等の
酸化物が好適に利用できる。光触媒の光励起に用いる光
源としては、上記専用光源の他、室内照明や窓から差込
む太陽光が利用できる。使用する光源には、例えば、蛍
光灯、白熱電灯、メタルハライドランプ、水銀ランプ、
キセノンランプ、ブラックライト、殺菌灯等が好適に利
用できる。光触媒の光励起により、基材表面が高度に親
水化されるためには、励起光の照度は0.001mW/
cm2以上あればよいが、0.01mW/cm2以上だと
好ましく、0.1mW/cm2以上だとより好ましい。
【0009】シリコーンには、平均組成式 RpSiO(4-p)/2 (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、pは0<p<2を満足する数
である)で表される樹脂が利用できる。
【0010】撥水性フッ素樹脂には、ポリテトラフルオ
ロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリヘ
キサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン−ヘ
キサフルオロプロピレンコポリマー等が好適に利用でき
る。
【0011】表面層の膜厚は、0.4μm以下にするの
が好ましい。そうすれば、光の乱反射による白濁を防止
することができ、表面層は実質的に透明となる。さら
に、表面層の膜厚を、0.2μm以下にすると一層好ま
しい。そうすれば、光の干渉による表面層の発色を防止
することができる。また、表面層が薄ければ薄いほどそ
の透明度は向上する。更に、膜厚を薄くすれば、表面層
の耐摩耗性が向上する。
【0012】表面層には、Ag、Cu、Znのような金
属を添加することができる。前記金属を添加した表面層
は、表面に付着した細菌や黴を暗所でも死滅させること
ができる。
【0013】表面層にはPt、Pd、Ru、Rh、I
r、Osのような白金族金属を添加することができる。
前記金属を添加した表面層は、光触媒の酸化還元活性を
増強でき、有機物汚れの分解性、有害気体や悪臭の分解
性を向上させることができる。
【0014】次に、基材表面に、光触媒性酸化物粒子と
シリコーンと撥水性フッ素樹脂とを含有する表面層が形
成されている防汚板材の製法について説明する。この場
合の製法は、基本的には、基材表面にコーティング組成
物を塗布し、硬化させることによる。
【0015】ここでコーティング組成物は、光触媒粒
子、撥水性フッ素樹脂の他にシリコーンの前駆体を必須
構成要件とし、その他に水、エタノール、プロパノール
等の溶媒や、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、マレイン酸等の
シリコーンの前駆体の加水分解を促進する触媒や、トリ
ブチルアミン、ヘキシルアミンなどの塩基性化合物類、
アルミニウムトリイソプロポキシド、テトライソプロピ
ルチタネートなどの酸性化合物類等のシリコーンの前駆
体を硬化させる触媒や、シランカップリング剤等のコー
ティング液の分散性を向上させる界面活性剤などを添加
してもよい。
【0016】ここでシリコーンの前駆体としては、平均
組成式 RpSiXq(4-p-q)/2 (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、p及びqは0<p<2、0<
q<4を満足する数である)で表されるシロキサンから
なる塗膜形成要素、又は一般式 RpSiX4-p (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、pは1または2である)で表
される加水分解性シラン誘導体からなる塗膜形成要素、
が好適に利用できる。
【0017】ここで上記加水分解性シラン誘導体からな
る塗膜形成要素としては、メチルトリメトキシシラン、
メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラ
ン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシ
ラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキ
シシラン、エチルトリブトキシシラン、フェニルトリメ
トキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニル
トリプロポキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジブトキシ
シラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキ
シシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジエチルジブ
トキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェ
ニルメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジプロポ
キシシラン、フェニルメチルジブトキシシラン、n−プ
ロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシ
シラン、n−プロピルトリプロポキシシラン、n−プロ
ピルトリブトキシシラン、γ−グリコキシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン等が好適に利用できる。
【0018】また、上記シロキサンからなる塗膜形成要
素としては、上記加水分解性シラン誘導体の部分加水分
解及び脱水縮重合、又は上記加水分解性シラン誘導体の
部分加水分解物と、テトラメトキシシラン、テトラエト
キシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシ
シラン、ジエトキシジメトキシシラン等の部分加水分解
物との脱水縮重合等で作製することができる。
【0019】上記コーティング組成物の塗布方法として
は、スプレーコーティング法、ディップコーティング
法、フローコーティング法、スピンコーティング法、ロ
ールコーティング法、刷毛塗り、スポンジ塗り等の方法
が好適に利用できる。硬化方法としては、熱処理、室温
放置、紫外線照射等により重合させて行うことができ
る。
【0020】次に、基材表面に、光触媒粒子と無定型シ
リカと撥水性フッ素樹脂とを含有する表面層が形成され
ている防汚板材の製法について説明する。この場合の製
法は、基本的には、基材表面にコーティング組成物を塗
布し、硬化させることによる。
【0021】ここでコーティング組成物は、光触媒粒
子、撥水性フッ素樹脂の他にシリカ粒子又はシリカの前
駆体を必須構成要件とし、その他に水、エタノール、プ
ロパノール等の溶媒や、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、マレ
イン酸等のシリカの前駆体の加水分解を促進する触媒
や、トリブチルアミン、ヘキシルアミンなどの塩基性化
合物類、アルミニウムトリイソプロポキシド、テトライ
ソプロピルチタネートなどの酸性化合物類等のシリカの
前駆体を硬化させる触媒や、シランカップリング剤等の
コーティング液の分散性を向上させる界面活性剤などを
添加してもよい。
【0022】ここでシリコーンの前駆体としては、平均
組成式 SiXq(4-q)/2 (式中、Xはアルコキシ基、又は、ハロゲン原子であ
り、qは0<q<4を満足する数である) で表されるシリケートからなる塗膜形成要素、又は一般
式 SiX4 (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子である)で表される4官能加水分解性
シラン誘導体からなる塗膜形成要素等が好適に利用でき
る。
【0023】ここで上記4官能加水分解性シラン誘導体
からなる塗膜形成要素としては、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、
テトラブトキシシラン、ジエトキシジメトキシシラン等
が好適に利用できる。
【0024】また、上記シリケートからなる塗膜形成要
素としては、上記4官能加水分解性シラン誘導体の部分
加水分解及び脱水縮重合等で作製することができる。
【0025】上記コーティング組成物の塗布方法として
は、スプレーコーティング法、ディップコーティング
法、フローコーティング法、スピンコーティング法、ロ
ールコーティング法、刷毛塗り、スポンジ塗り等の方法
が好適に利用できる。硬化方法としては、熱処理、室温
放置、紫外線照射等により重合させて行うことができ
る。
【0026】
【実施例】
参考例.アナターゼ型酸化チタンゾル(日産化学、TA
−15、硝酸解膠型、pH=1)と、シリカゾル(日本
合成ゴム、グラスカA液、pH=4)と、メチルトリメ
トキシシラン(日本合成ゴム、グラスカB液)とエタノ
ールを混合し、2〜3分撹拌して得たコーティング液
を、スプレーコーティング法にて10cm四角のアルミ
ニウム基材上に塗布し、200℃で15分熱処理して、
アナターゼ型酸化チタン粒子11重量部、シリカ6重量
部、シリコーン5重量部からなる表面層を形成した#1
試料を得た。#1試料の水との接触角は85゜であっ
た。ここで水との接触角は接触角測定器(協和界面科
学、CA−X150)を用い、マイクロシリンジから水
滴を滴下した後30秒後の水との接触角で評価した。次
いで#1試料表面に、紫外線光源(三共電気、ブラック
ライトブルー(BLB)蛍光灯)を用いて0.3mW/
cm2の紫外線照度で1日照射し、#2試料を得た。そ
の結果、#2試料の水との接触角は0゜まで親水化され
た。次に、#1試料と、#1試料に水銀灯を22.8m
W/cm2の紫外線照度で2時間照射して得た#3試料
夫々の試料表面をラマン分光分析した。その結果、#1
試料表面で認められたメチル基のピークが#3試料では
認められず、代わりに水酸基のブロードなピークが認め
られた。以上のことから、光触媒であるアナターゼ型酸
化チタンの光励起に応じて被膜の表面のシリコーン分子
中のケイ素原子に結合した有機基は、光触媒作用により
水酸基に置換されること、及び親水化されることがわか
る。
【0027】実施例1.アナターゼ型酸化チタンゾル
(日産化学、TA−15)と、シリカゾル(日本合成ゴ
ム、グラスカA液)と、メチルトリメトキシシラン(日
本合成ゴム、グラスカB液)とポリテトラフルオロエチ
レン(PTFE)粒子(ダイキン工業、ルブロンL−
5)とエタノールを混合し、2〜3時間撹拌して得たコ
ーティング液を、スプレーコーティング法にて5×10
cm四角の施釉タイル(東陶機器、AB02E11)基
材上に塗布し、200℃で15分熱処理して、アナター
ゼ型酸化チタン粒子33重量部、ポリテトラフルオロエ
チレン粒子66重量部、シリカ6重量部、シリコーン5
重量部からなる表面層を形成した#4試料を得た。#4
試料の水との接触角は110゜であった。次いで#4試
料表面に、紫外線光源(三共電気、ブラックライトブル
ー(BLB)蛍光灯)を用いて0.3mW/cm2の紫
外線照度で1日照射し、#5試料を得た。その結果、#
5試料の水との接触角は97.4゜とさほど変化がなか
った。上記参考例より、シリコーンが外気に露出した部
分はシリコーン分子中のケイ素原子に結合した有機基
は、光触媒作用により水酸基に置換され、親水化される
はずであるから、その分だけ親水化して水との接触角が
若干減少したと考えられる。すなわち、#5試料表面
は、光触媒作用により水酸基に置換され、親水化された
シリコーンが外気に露出した親水性を呈する部分と、撥
水性フッ素樹脂が外気に露出した撥水性を呈する部分の
双方が表面に微視的に分散された構造となっていると推
定される。
【0028】次に、#5試料及び比較のため施釉タイル
板に、サラダ油をスプレーで付着させた後、3か月放置
し、付着油の固着性を調べた。付着油の固着性は、試験
後に布でこすったときの状態変化で調べた。その結果、
#5試料のほうが施釉タイル板よりもきれいに付着油が
拭い取れた。
【0029】実施例2.アナターゼ型酸化チタンゾル
(日産化学、TA−15)と、シリカゾル(日本合成ゴ
ム、グラスカA液)と、メチルトリメトキシシラン(日
本合成ゴム、グラスカB液)とポリテトラフルオロエチ
レン(PTFE)粒子(ダイキン工業、ルブロンL−
5)とエタノールを混合し、2〜3時間撹拌して得たコ
ーティング液を、スプレーコーティング法にて10cm
四角のソーダライムガラス基材上に塗布し、200℃で
15分熱処理して、アナターゼ型酸化チタン粒子33重
量部、ポリテトラフルオロエチレン粒子66重量部、シ
リカ6重量部、シリコーン5重量部からなる表面層を形
成した#6試料を得た。#6試料の水との接触角は10
8゜であった。次いで#6試料表面に、紫外線光源(三
共電気、ブラックライトブルー(BLB)蛍光灯)を用
いて0.3mW/cm2の紫外線照度で1日照射し、#
7試料を得た。その結果、#7試料の水との接触角は9
6.4゜とさほど変化がなかった。上記参考例より、シ
リコーンが外気に露出した部分はシリコーン分子中のケ
イ素原子に結合した有機基は、光触媒作用により水酸基
に置換され、親水化されるはずであるから、その分だけ
親水化して水との接触角が若干減少したと考えられる。
すなわち、#7試料表面は、光触媒作用により水酸基に
置換され、親水化されたシリコーンが外気に露出した親
水性を呈する部分と、撥水性フッ素樹脂が外気に露出し
た撥水性を呈する部分の双方が表面に微視的に分散され
た構造となっていると推定される。
【0030】次に、#7試料及び比較のためガラス板
に、サラダ油をスプレーで付着させた後、3か月放置
し、付着油の固着性を調べた。付着油の固着性は、試験
後に布でこすったときの状態変化で調べた。その結果、
#7試料のほうがガラス板よりもきれいに付着油が拭い
取れた。
【0031】
【発明の効果】本発明では、食器表面に、光触媒粒子と
シリコーンと撥水性フッ素樹脂とを含有する表面層が形
成されているようにする、或いは基材表面に、光触媒粒
子と無定型シリカと撥水性フッ素樹脂とを含有する表面
層が形成されているようにすることにより、親水性付着
物も、疎水性付着物も部材表面に固着されにくくなり、
付着した油分が重合・固化しても部材表面に強固に固着
しなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る食器保管ボックスを示す図。
【図2】本発明に係る防汚食器の表面構造を示す図。
【図3】本発明に係る防汚食器の他の表面構造を示す
図。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材表面に、光触媒性酸化物粒子とシリ
    コーンと撥水性フッ素樹脂とを含有する表面層が形成さ
    れていることを特徴とする防汚食器。
  2. 【請求項2】 基材表面に、光触媒性酸化物粒子と無定
    型シリカと撥水性フッ素樹脂とを含有する表面層が形成
    されていることを特徴とする防汚食器。
  3. 【請求項3】 食器保管庫又は食器乾燥機等の食器収納
    装置であって、この食器収納装置は請求項1、2に記載
    の食器を保管するために、前記食器の表面層中の光触媒
    を励起し得る波長の光を発する光源を備えていることを
    特徴とする防汚食器用収納装置。
JP8311418A 1996-11-07 1996-11-07 防汚食器、及び防汚食器用収納装置 Pending JPH10137098A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002065374A (ja) * 2000-08-29 2002-03-05 Aitekku:Kk 食器保管庫及び調理台
US6510018B1 (en) 1999-02-17 2003-01-21 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Magnetic recording and reproducing apparatus with electronic adjustments of interval between stationary and rotary heads

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US6510018B1 (en) 1999-02-17 2003-01-21 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Magnetic recording and reproducing apparatus with electronic adjustments of interval between stationary and rotary heads
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