JPH10215996A - 食器、及び食器収納装置 - Google Patents

食器、及び食器収納装置

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JPH10215996A
JPH10215996A JP3438497A JP3438497A JPH10215996A JP H10215996 A JPH10215996 A JP H10215996A JP 3438497 A JP3438497 A JP 3438497A JP 3438497 A JP3438497 A JP 3438497A JP H10215996 A JPH10215996 A JP H10215996A
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JP
Japan
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photocatalyst
water
tableware
cobalt
coating
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Application number
JP3438497A
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English (en)
Inventor
Atsushi Kitamura
厚 北村
Makoto Hayakawa
信 早川
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Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Publication date
Application filed by Toto Ltd filed Critical Toto Ltd
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  • Materials Applied To Surfaces To Minimize Adherence Of Mist Or Water (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 油汚れの固着しにくい食器の提供。 【解決手段】 食器において、表面に、光触媒粒子と、
撥水性シリコ−ンと、前記撥水性シリコ−ンの前記光触
媒の光励起による親水化を防止するための物質とを含有
する実質的に透明な表面層が形成されているようにす
る、或いは表面に光触媒粒子と撥水性シリコ−ンとを含
有する実質的に透明な層が形成され、さらにその層表面
の少なくとも一部には前記撥水性シリコ−ンの前記光触
媒の光励起による親水化を防止するための物質が固定さ
れているようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油汚れの非固着性
を改善した食器に関する。
【0002】
【従来の技術】食器に付着した食物の油汚れは落しにく
い。このため、中性洗剤等に食器を浸け、油分を表面か
ら浮かせてから水洗いする化学的な方法が一般家庭では
行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】食器の油汚れを落すた
めに洗剤を使用すると、肌荒れの原因になる。また、近
年家庭からの中性洗剤含有廃水が河川の水質汚濁の原因
として問題化している。そこで、油汚れの固着しにくい
食器が望まれている。
【0004】汚れの付着を防止する方法としては、基材
表面に撥水性を付与するとよいことが知られている。基
材表面に撥水性を付与すると、表面エネルギ−が著しく
小さくなるため、汚れ成分が付着されにくくなる。その
一方法として、基材表面に撥水性シリコ−ンからなる表
面層を形成する方法がある。しかしながら、この構成で
は経時的に汚れが付着することによって水との接触角が
70゜程度に低下し、撥水性の効果が持続しない。そこ
で、上記課題を解決する他の方法として、基材表面に光
触媒と撥水性シリコ−ンとからなる表面層を形成する方
法がある。この方法によれば、光触媒の酸化分解性に基
づき、経時的に付着する汚れを分解できる。しかしなが
ら、この構成では例えば太陽光に晒されると、光触媒の
光励起によりシリコ−ンが親水化してしまうため表面の
撥水性を維持することができない。本発明では、上記事
情に鑑み、表面の撥水性を長期にわたり維持しうる食器
を提供し、以て油汚れの固着しにくい食器を提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記課題を
解決すべく、食器表面に、光触媒粒子と、撥水性シリコ
−ンと、前記撥水性シリコ−ンの前記光触媒の光励起に
よる親水化を防止するための物質とを含有する表面層が
形成されている、或いは食器表面に、光触媒粒子と撥水
性シリコ−ンとを含有する層が形成され、さらにその層
表面の少なくとも一部には前記撥水性シリコ−ンの前記
光触媒の光励起による親水化を防止するための物質が固
定されていることを特徴とする食器を提供する。コバル
ト又はコバルト化合物のような光触媒の光励起による親
水化を防止するための物質が表面層に含有されているよ
うにすることにより、光触媒の光励起によりシリコ−ン
が親水化してしまうのを防止することができる。かつ光
触媒が含有されているので、光触媒の酸化分解性に基づ
き、経時的に付着する汚れを分解できる。従って、表面
の撥水性を維持することができ、食器は油汚れの固着し
にくくなる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。ここで、図1は本発明に係る
食器において、食器の表面層中の光触媒を励起し得る波
長の光を発する光源を備えている保管容器の例を示す図
であり、保管容器はボックス状に形成されており、且つ
複数段に仕切られ、各段の天井部には、光触媒を励起し
得る波長の光を発する蛍光灯、白熱電灯、ブラックライ
ト、キセノンランプ、水銀灯、殺菌灯等の光源が設けら
れている。ここで、各段に載置される食器の表面には、
その一実施態様においては、図2に示すように、光触媒
粒子と、シリコ−ンと、コバルト又はコバルト化合物等
の光触媒の光励起による親水化を防止するための物質を
含む層が形成されている。また、他の態様においては、
図3に示すように、光触媒粒子と、撥水性シリコ−ンと
を含有する層が形成され、さらにその層表面の少なくと
も一部にはコバルト又はコバルト化合物等の撥水性シリ
コ−ンの光触媒の光励起による親水化を防止するための
物質が固定されている。この表面層の全面に光を照射す
べく保管ボックスの内側面をステンレス等で鏡面として
おくことが好ましい。また、保管容器内に加熱装置を設
けて食器乾燥機能をもたせてもよい。また、保管容器内
に洗浄水を流す洗浄装置を設けて食器洗浄機能をもたせ
てもよい。また、保管ボックスに扉の開閉を感知するス
イッチ等を設け、扉の開閉に連動して所定時間のみ光源
を点灯するようにしてもよい。本発明が利用できる食器
基材は、特に限定されるものではなく、従来と同様に陶
磁器製食器、ガラス製食器、プラスチック製食器、陶磁
器製コップ、ガラス製コップ、プラスチック製コップ等
に好適に利用できる。食器基材と表面層との間には、シ
リカ、シリコ−ン、アクリルシリコン等の中間層を設け
てもよい。
【0007】光触媒とは、その結晶の伝導帯と価電子帯
との間のエネルギ−ギャップよりも大きなエネルギ−
(すなわち短い波長)の光(励起光)を照射したとき
に、価電子帯中の電子の励起(光励起)が生じて、伝導
電子と正孔を生成しうる物質をいい、例えば、アナタ−
ゼ型酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化第二鉄、三酸
化二ビスマス、三酸化タングステン、チタン酸ストロン
チウム等の酸化物が好適に利用できる。
【0008】シリコ−ンには、平均組成式 RpSiO(4-p)/2 (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、pは0<p<2を満足する数
である)で表される樹脂が利用できる。
【0009】コバルト化合物には、コバルト合金、酸化
コバルト、塩化コバルト、硫酸コバルト、ヨウ化コバル
ト、臭化コバルト、酢酸コバルト、塩素酸コバルト、硝
酸コバルト等が好適に利用できる。
【0010】表面層の膜厚は、0.4μm以下にするの
が好ましい。そうすれば、光の乱反射による白濁を防止
することができ、表面層は実質的に透明となる。さらに
表面層の膜厚を、0.2μm以下にすると一層好まし
い。そうすれば、光の干渉による表面層の発色を防止す
ることができる。また表面層が薄ければ薄いほどその透
明度は向上する。更に、膜厚を薄くすれば、表面層の耐
摩耗性が向上する。
【0011】表面層には、Ag、Cu、Znのような金
属を添加することができる。前記金属を添加した表面層
は、表面に付着した細菌や黴を暗所でも死滅させること
ができる。
【0012】表面層にはPt、Pd、Ru、Rh、I
r、Osのような白金族金属を添加することができる。
前記金属を添加した表面層は、光触媒の酸化還元活性を
増強でき、有機物汚れの分解性、有害気体や悪臭の分解
性を向上させることができる。
【0013】次に、基材表面に、光触媒粒子と、撥水性
シリコ−ンと、前記撥水性シリコ−ンの前記光触媒の光
励起による親水化を防止するための物質とを含有する表
面層が形成されている撥水性部材の製法について説明す
る。この場合の製法は、基本的には、基材表面にコ−テ
ィング組成物を塗布し、硬化させることによる。
【0014】ここでコ−ティング組成物は、光触媒粒
子、コバルト又はコバルト化合物等の光触媒の光励起に
よる親水化を防止するための物質にシリコ−ンの前駆体
を必須構成要件とし、その他に水、エタノ−ル、プロパ
ノ−ル等の溶媒や、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、マレイン
酸等のシリコ−ンの前駆体の加水分解を促進する触媒
や、トリブチルアミン、ヘキシルアミンなどの塩基性化
合物類、アルミニウムトリイソプロポキシド、テトライ
ソプロピルチタネ−トなどの酸性化合物類等のシリコ−
ンの前駆体を硬化させる触媒や、シランカップリング剤
等のコ−ティング液の分散性を向上させる界面活性剤な
どを添加してもよい。
【0015】コバルト又はコバルト化合物としては、水
溶性のコバルト化合物を用いるのが好ましい。水溶性の
コバルト化合物としては、例えば、塩化コバルト、硫酸
コバルト、ヨウ化コバルト、臭化コバルト、酢酸コバル
ト、塩素酸コバルト、硝酸コバルト等が好適に利用でき
る。
【0016】ここでシリコ−ンの前駆体としては、平均
組成式 RpSiXq(4-p-q)/2 (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、p及びqは0<p<2、0<
q<4を満足する数である)で表されるシロキサンから
なる塗膜形成要素、又は一般式 RpSiX4-p (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、pは1または2である)で表
される加水分解性シラン誘導体からなる塗膜形成要素、
が好適に利用できる。
【0017】ここで上記加水分解性シラン誘導体からな
る塗膜形成要素としては、メチルトリメトキシシラン、
メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラ
ン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシ
ラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキ
シシラン、エチルトリブトキシシラン、フェニルトリメ
トキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニル
トリプロポキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジブトキシ
シラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキ
シシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジエチルジブ
トキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェ
ニルメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジプロポ
キシシラン、フェニルメチルジブトキシシラン、n−プ
ロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシ
シラン、n−プロピルトリプロポキシシラン、n−プロ
ピルトリブトキシシラン、γ−グリコキシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン等が好適に利用できる。
【0018】また上記シロキサンからなる塗膜形成要素
としては、上記加水分解性シラン誘導体の部分加水分解
及び脱水縮重合、又は上記加水分解性シラン誘導体の部
分加水分解物と、テトラメトキシシラン、テトラエトキ
シシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシ
ラン、ジエトキシジメトキシシラン等の部分加水分解物
との脱水縮重合等で作製することができる。
【0019】上記コ−ティング組成物の塗布方法として
は、スプレ−コ−ティング法、ディップコ−ティング
法、フロ−コ−ティング法、スピンコ−ティング法、ロ
−ルコ−ティング法、刷毛塗り、スポンジ塗り等の方法
が好適に利用できる。硬化方法としては、熱処理、室温
放置、紫外線照射等により重合させて行うことができ
る。
【0020】次に、基材表面に、光触媒粒子と撥水性シ
リコ−ンとを含有する層が形成され、さらにその層表面
の少なくとも一部には前記撥水性シリコ−ンの前記光触
媒の光励起による親水化を防止するための物質が固定さ
れている撥水性部材の製法について説明する。この場合
の製法は、基本的には、光触媒粒子と撥水性シリコ−ン
の前駆体とを含有するコ−ティング組成物を塗布し、硬
化させた後、コバルト又はコバルト化合物等の光触媒の
光励起による親水化を防止するための物質を含有する溶
液を塗布し、表面に固定することによる。
【0021】ここでコ−ティング組成物は、光触媒粒子
と、撥水性シリコ−ンの前駆体を必須構成要件とし、そ
の他に水、エタノ−ル、プロパノ−ル等の溶媒や、塩
酸、硝酸、硫酸、酢酸、マレイン酸等のシリカの前駆体
の加水分解を促進する触媒や、トリブチルアミン、ヘキ
シルアミンなどの塩基性化合物類、アルミニウムトリイ
ソプロポキシド、テトライソプロピルチタネ−トなどの
酸性化合物類等のシリカの前駆体を硬化させる触媒や、
シランカップリング剤等のコ−ティング液の分散性を向
上させる界面活性剤などを添加してもよい。
【0022】ここでシリコ−ンの前駆体としては、平均
組成式 RpSiXq(4-p-q)/2 (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、p及びqは0<p<2、0<
q<4を満足する数である)で表されるシロキサンから
なる塗膜形成要素、又は一般式 RpSiX4-p (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、pは1または2である)で表
される加水分解性シラン誘導体からなる塗膜形成要素、
が好適に利用できる。
【0023】ここで上記加水分解性シラン誘導体からな
る塗膜形成要素としては、メチルトリメトキシシラン、
メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラ
ン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシ
ラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキ
シシラン、エチルトリブトキシシラン、フェニルトリメ
トキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニル
トリプロポキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジブトキシ
シラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキ
シシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジエチルジブ
トキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェ
ニルメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジプロポ
キシシラン、フェニルメチルジブトキシシラン、n−プ
ロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシ
シラン、n−プロピルトリプロポキシシラン、n−プロ
ピルトリブトキシシラン、γ−グリコキシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン等が好適に利用できる。
【0024】また上記シロキサンからなる塗膜形成要素
としては、上記加水分解性シラン誘導体の部分加水分解
及び脱水縮重合、又は上記加水分解性シラン誘導体の部
分加水分解物と、テトラメトキシシラン、テトラエトキ
シシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシ
ラン、ジエトキシジメトキシシラン等の部分加水分解物
との脱水縮重合等で作製することができる。
【0025】上記コ−ティング組成物の塗布方法として
は、スプレ−コ−ティング法、ディップコ−ティング
法、フロ−コ−ティング法、スピンコ−ティング法、ロ
−ルコ−ティング法、刷毛塗り、スポンジ塗り等の方法
が好適に利用できる。硬化方法としては、熱処理、室温
放置、紫外線照射等により重合させて行うことができ
る。
【0026】コバルト又はコバルト化合物等の光触媒の
光励起による親水化を防止するための物質を含有する溶
液を塗布し、表面に固定する方法は、例えば、塩化コバ
ルト、硫酸コバルト、ヨウ化コバルト、臭化コバルト、
酢酸コバルト、塩素酸コバルト、硝酸コバルト等の水溶
性のコバルト化合物を、スプレ−コ−ティング法、ディ
ップコ−ティング法、フロ−コ−ティング法、スピンコ
−ティング法、ロ−ルコ−ティング法、刷毛塗り、スポ
ンジ塗り等の方法で塗布し、光還元、熱処理、アルコ−
ル等の犠牲酸化剤を併用する還元等の方法で固定するこ
とにより行う。
【0027】
【実施例】
参考例.アナタ−ゼ型酸化チタンゾル(日産化学、TA
−15、硝酸解膠型、pH=1)と、シリカゾル(日本
合成ゴム、グラスカA液、pH=4)と、メチルトリメ
トキシシラン(日本合成ゴム、グラスカB液)とエタノ
−ルを混合し、2〜3時間撹拌して得たコ−ティング液
を、スプレ−コ−ティング法にて5×10cm角の施釉
タイル基材(東陶機器、AB02E11)上に塗布し、
200℃で15分熱処理して、アナタ−ゼ型酸化チタン
粒子11重量部、シリカ6重量部、シリコ−ン5重量部
からなる表面層を形成した#1試料を得た。#1試料の
水との接触角は92゜であった。ここで水との接触角は
接触角測定器(協和界面科学、CA−X150)を用
い、マイクロシリンジから水滴を滴下した後30秒後の
水との接触角で評価した。次いで#1試料表面に、紫外
線光源(三共電気、ブラックライトブル−(BLB)蛍
光灯)を用いて0.3mW/cm2の紫外線照度で1日
照射し、#2試料を得た。その結果、#2試料の水との
接触角は0゜まで親水化された。次に、#1試料と、#
1試料に水銀灯を22.8mW/cm2の紫外線照度で
2時間照射して得た#3試料夫々の試料表面をラマン分
光分析した。その結果、#1試料表面で認められたメチ
ル基のピ−クが#3試料では認められず、代わりに水酸
基のブロ−ドなピ−クが認められた。以上のことから、
光触媒であるアナタ−ゼ型酸化チタンの光励起により被
膜の表面のシリコ−ン分子中のケイ素原子に結合した有
機基は、水酸基に置換されること、及び親水化されるこ
とがわかる。
【0028】実施例1.アナタ−ゼ型酸化チタンゾル
(日産化学、TA−15、硝酸解膠型、pH=1)と、
シリカゾル(日本合成ゴム、グラスカA液、pH=4)
と、メチルトリメトキシシラン(日本合成ゴム、グラス
カB液)と、塩化コバルト六水和物と、エタノ−ルを混
合し、2〜3時間撹拌して得たコ−ティング液を、スプ
レ−コ−ティング法にて5×10cm角の施釉タイル
(東陶機器、AB02E11)基材上に塗布し、200
℃で15分熱処理して、アナタ−ゼ型酸化チタン粒子1
1重量部、シリカ6重量部、シリコ−ン5重量部、コバ
ルト0.2重量部からなる表面層を形成した#4試料を
得た。#4試料の水との接触角は97゜であった。ここ
で水との接触角は接触角測定器(協和界面科学、CA−
X150)を用い、マイクロシリンジから水滴を滴下し
た後30秒後の水との接触角で評価した。次いで#4試
料表面に、紫外線光源(三共電気、ブラックライトブル
−(BLB)蛍光灯)を用いて0.3mW/cm2の紫
外線照度で1日照射し、#5試料を得た。その結果、#
5試料の水との接触角は依然95゜と撥水性を維持し
た。従って、以上のことから、光触媒であるアナタ−ゼ
型酸化チタンの光励起による被膜の表面のシリコ−ンの
親水化が、コバルトにより阻害されることがわかる。こ
れは、被膜の表面のシリコ−ン分子中のケイ素原子に結
合した有機基の水酸基への置換がコバルトにより阻害さ
れるためと考えられる。
【0029】実施例2.アナタ−ゼ型酸化チタンゾル
(日産化学、TA−15、硝酸解膠型、pH=1)と、
シリカゾル(日本合成ゴム、グラスカA液、pH=4)
と、メチルトリメトキシシラン(日本合成ゴム、グラス
カB液)と、エタノ−ルを混合し、2〜3時間撹拌して
得たコ−ティング液を、スプレ−コ−ティング法にて5
×10cm角の施釉タイル(東陶機器、AB02E1
1)基材上に塗布し、200℃で15分熱処理して、ア
ナタ−ゼ型酸化チタン粒子11重量部、シリカ6重量
部、シリコ−ン5重量部からなる表面層を形成した。さ
らにその上にコバルト金属濃度50μmol/gの塩化
コバルト六水和物水溶液を0.3g塗布後、紫外線光源
(三共電気、ブラックライトブル−(BLB)蛍光灯)
を用いて紫外線照度0.4mW/cm2の紫外線を10
分照射して基材上にコバルトを固定して#6試料を得
た。#6試料の水との接触角は96゜であった。ここで
水との接触角は接触角測定器(協和界面科学、CA−X
150)を用い、マイクロシリンジから水滴を滴下した
後30秒後の水との接触角で評価した。次いで#6試料
表面に、紫外線光源(三共電気、ブラックライトブル−
(BLB)蛍光灯)を用いて0.3mW/cm2の紫外
線照度で1日照射し、#7試料を得た。その結果、#7
試料の水との接触角は依然94゜と撥水性を維持した。
従って、以上のことから、光触媒であるアナタ−ゼ型酸
化チタンの光励起による被膜の表面のシリコ−ンの親水
化が、コバルトにより阻害されることがわかる。これ
は、被膜の表面のシリコ−ン分子中のケイ素原子に結合
した有機基の水酸基への置換がコバルトにより阻害され
るためと考えられる。
【0030】実施例3.#5試料、#7試料、及び比較
のためポリテトラフルオロエチレン板に、サラダ油をス
プレ−で付着させた後、3か月放置し、付着油の固着性
を調べた。付着油の固着性は、試験後に布でこすったと
きの状態変化で調べた。その結果#7試料のほうがガラ
ス板よりもきれいに付着油が拭い取れた。
【0031】
【発明の効果】本発明では、食器において、表面に、光
触媒粒子と、撥水性シリコ−ンと、前記撥水性シリコ−
ンの前記光触媒の光励起による親水化を防止するための
物質とを含有する実質的に透明な表面層が形成されてい
るようにする、或いは表面に、光触媒粒子と撥水性シリ
コ−ンとを含有する実質的に透明な層が形成され、さら
にその層表面の少なくとも一部には前記撥水性シリコ−
ンの前記光触媒の光励起による親水化を防止するための
物質が固定されているようにすることにより、部材表面
は長期にわたり撥水性を維持可能となり、付着した油分
が重合・固化しても部材表面に強固に固着しなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る食器保管ボックスを示す図。
【図2】本発明に係る食器の表面構造を示す図。
【図3】本発明に係る食器の他の表面構造を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09K 3/32 C09K 3/32 Z

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材表面に、光触媒粒子と、撥水性シリ
    コ−ンと、前記撥水性シリコ−ンの前記光触媒の光励起
    による親水化を防止するための物質とを含有する表面層
    が形成されていることを特徴とする食器。
  2. 【請求項2】 基材表面に、光触媒粒子と撥水性シリコ
    −ンとを含有する実質的に透明な層が形成され、さらに
    その層表面の少なくとも一部には前記撥水性シリコ−ン
    の前記光触媒の光励起による親水化を防止するための物
    質が固定されていることを特徴とする食器。
  3. 【請求項3】 前記光触媒の光励起による親水化を防止
    するための物質はコバルト又はコバルト化合物であるこ
    とを特徴とする請求項1、2に記載の食器。
  4. 【請求項4】 食器保管庫又は食器乾燥機等の食器収納
    装置であって、この食器収納装置は請求項1〜3に記載
    の食器を保管するために、前記食器の表面層中の光触媒
    を励起し得る波長の光を発する光源を備えていることを
    特徴とする食器収納装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2000023528A1 (fr) * 1998-10-19 2000-04-27 Toto Ltd. Materiau resistant aux salissures, procede et dispositif de production et composition de revetement

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