JPH10215996A - 食器、及び食器収納装置 - Google Patents
食器、及び食器収納装置Info
- Publication number
- JPH10215996A JPH10215996A JP3438497A JP3438497A JPH10215996A JP H10215996 A JPH10215996 A JP H10215996A JP 3438497 A JP3438497 A JP 3438497A JP 3438497 A JP3438497 A JP 3438497A JP H10215996 A JPH10215996 A JP H10215996A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- photocatalyst
- water
- tableware
- cobalt
- coating
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Table Devices Or Equipment (AREA)
- Washing And Drying Of Tableware (AREA)
- Materials Applied To Surfaces To Minimize Adherence Of Mist Or Water (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 油汚れの固着しにくい食器の提供。
【解決手段】 食器において、表面に、光触媒粒子と、
撥水性シリコ−ンと、前記撥水性シリコ−ンの前記光触
媒の光励起による親水化を防止するための物質とを含有
する実質的に透明な表面層が形成されているようにす
る、或いは表面に光触媒粒子と撥水性シリコ−ンとを含
有する実質的に透明な層が形成され、さらにその層表面
の少なくとも一部には前記撥水性シリコ−ンの前記光触
媒の光励起による親水化を防止するための物質が固定さ
れているようにする。
撥水性シリコ−ンと、前記撥水性シリコ−ンの前記光触
媒の光励起による親水化を防止するための物質とを含有
する実質的に透明な表面層が形成されているようにす
る、或いは表面に光触媒粒子と撥水性シリコ−ンとを含
有する実質的に透明な層が形成され、さらにその層表面
の少なくとも一部には前記撥水性シリコ−ンの前記光触
媒の光励起による親水化を防止するための物質が固定さ
れているようにする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油汚れの非固着性
を改善した食器に関する。
を改善した食器に関する。
【0002】
【従来の技術】食器に付着した食物の油汚れは落しにく
い。このため、中性洗剤等に食器を浸け、油分を表面か
ら浮かせてから水洗いする化学的な方法が一般家庭では
行われている。
い。このため、中性洗剤等に食器を浸け、油分を表面か
ら浮かせてから水洗いする化学的な方法が一般家庭では
行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】食器の油汚れを落すた
めに洗剤を使用すると、肌荒れの原因になる。また、近
年家庭からの中性洗剤含有廃水が河川の水質汚濁の原因
として問題化している。そこで、油汚れの固着しにくい
食器が望まれている。
めに洗剤を使用すると、肌荒れの原因になる。また、近
年家庭からの中性洗剤含有廃水が河川の水質汚濁の原因
として問題化している。そこで、油汚れの固着しにくい
食器が望まれている。
【0004】汚れの付着を防止する方法としては、基材
表面に撥水性を付与するとよいことが知られている。基
材表面に撥水性を付与すると、表面エネルギ−が著しく
小さくなるため、汚れ成分が付着されにくくなる。その
一方法として、基材表面に撥水性シリコ−ンからなる表
面層を形成する方法がある。しかしながら、この構成で
は経時的に汚れが付着することによって水との接触角が
70゜程度に低下し、撥水性の効果が持続しない。そこ
で、上記課題を解決する他の方法として、基材表面に光
触媒と撥水性シリコ−ンとからなる表面層を形成する方
法がある。この方法によれば、光触媒の酸化分解性に基
づき、経時的に付着する汚れを分解できる。しかしなが
ら、この構成では例えば太陽光に晒されると、光触媒の
光励起によりシリコ−ンが親水化してしまうため表面の
撥水性を維持することができない。本発明では、上記事
情に鑑み、表面の撥水性を長期にわたり維持しうる食器
を提供し、以て油汚れの固着しにくい食器を提供するこ
とを目的とする。
表面に撥水性を付与するとよいことが知られている。基
材表面に撥水性を付与すると、表面エネルギ−が著しく
小さくなるため、汚れ成分が付着されにくくなる。その
一方法として、基材表面に撥水性シリコ−ンからなる表
面層を形成する方法がある。しかしながら、この構成で
は経時的に汚れが付着することによって水との接触角が
70゜程度に低下し、撥水性の効果が持続しない。そこ
で、上記課題を解決する他の方法として、基材表面に光
触媒と撥水性シリコ−ンとからなる表面層を形成する方
法がある。この方法によれば、光触媒の酸化分解性に基
づき、経時的に付着する汚れを分解できる。しかしなが
ら、この構成では例えば太陽光に晒されると、光触媒の
光励起によりシリコ−ンが親水化してしまうため表面の
撥水性を維持することができない。本発明では、上記事
情に鑑み、表面の撥水性を長期にわたり維持しうる食器
を提供し、以て油汚れの固着しにくい食器を提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記課題を
解決すべく、食器表面に、光触媒粒子と、撥水性シリコ
−ンと、前記撥水性シリコ−ンの前記光触媒の光励起に
よる親水化を防止するための物質とを含有する表面層が
形成されている、或いは食器表面に、光触媒粒子と撥水
性シリコ−ンとを含有する層が形成され、さらにその層
表面の少なくとも一部には前記撥水性シリコ−ンの前記
光触媒の光励起による親水化を防止するための物質が固
定されていることを特徴とする食器を提供する。コバル
ト又はコバルト化合物のような光触媒の光励起による親
水化を防止するための物質が表面層に含有されているよ
うにすることにより、光触媒の光励起によりシリコ−ン
が親水化してしまうのを防止することができる。かつ光
触媒が含有されているので、光触媒の酸化分解性に基づ
き、経時的に付着する汚れを分解できる。従って、表面
の撥水性を維持することができ、食器は油汚れの固着し
にくくなる。
解決すべく、食器表面に、光触媒粒子と、撥水性シリコ
−ンと、前記撥水性シリコ−ンの前記光触媒の光励起に
よる親水化を防止するための物質とを含有する表面層が
形成されている、或いは食器表面に、光触媒粒子と撥水
性シリコ−ンとを含有する層が形成され、さらにその層
表面の少なくとも一部には前記撥水性シリコ−ンの前記
光触媒の光励起による親水化を防止するための物質が固
定されていることを特徴とする食器を提供する。コバル
ト又はコバルト化合物のような光触媒の光励起による親
水化を防止するための物質が表面層に含有されているよ
うにすることにより、光触媒の光励起によりシリコ−ン
が親水化してしまうのを防止することができる。かつ光
触媒が含有されているので、光触媒の酸化分解性に基づ
き、経時的に付着する汚れを分解できる。従って、表面
の撥水性を維持することができ、食器は油汚れの固着し
にくくなる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。ここで、図1は本発明に係る
食器において、食器の表面層中の光触媒を励起し得る波
長の光を発する光源を備えている保管容器の例を示す図
であり、保管容器はボックス状に形成されており、且つ
複数段に仕切られ、各段の天井部には、光触媒を励起し
得る波長の光を発する蛍光灯、白熱電灯、ブラックライ
ト、キセノンランプ、水銀灯、殺菌灯等の光源が設けら
れている。ここで、各段に載置される食器の表面には、
その一実施態様においては、図2に示すように、光触媒
粒子と、シリコ−ンと、コバルト又はコバルト化合物等
の光触媒の光励起による親水化を防止するための物質を
含む層が形成されている。また、他の態様においては、
図3に示すように、光触媒粒子と、撥水性シリコ−ンと
を含有する層が形成され、さらにその層表面の少なくと
も一部にはコバルト又はコバルト化合物等の撥水性シリ
コ−ンの光触媒の光励起による親水化を防止するための
物質が固定されている。この表面層の全面に光を照射す
べく保管ボックスの内側面をステンレス等で鏡面として
おくことが好ましい。また、保管容器内に加熱装置を設
けて食器乾燥機能をもたせてもよい。また、保管容器内
に洗浄水を流す洗浄装置を設けて食器洗浄機能をもたせ
てもよい。また、保管ボックスに扉の開閉を感知するス
イッチ等を設け、扉の開閉に連動して所定時間のみ光源
を点灯するようにしてもよい。本発明が利用できる食器
基材は、特に限定されるものではなく、従来と同様に陶
磁器製食器、ガラス製食器、プラスチック製食器、陶磁
器製コップ、ガラス製コップ、プラスチック製コップ等
に好適に利用できる。食器基材と表面層との間には、シ
リカ、シリコ−ン、アクリルシリコン等の中間層を設け
てもよい。
図面に基づいて説明する。ここで、図1は本発明に係る
食器において、食器の表面層中の光触媒を励起し得る波
長の光を発する光源を備えている保管容器の例を示す図
であり、保管容器はボックス状に形成されており、且つ
複数段に仕切られ、各段の天井部には、光触媒を励起し
得る波長の光を発する蛍光灯、白熱電灯、ブラックライ
ト、キセノンランプ、水銀灯、殺菌灯等の光源が設けら
れている。ここで、各段に載置される食器の表面には、
その一実施態様においては、図2に示すように、光触媒
粒子と、シリコ−ンと、コバルト又はコバルト化合物等
の光触媒の光励起による親水化を防止するための物質を
含む層が形成されている。また、他の態様においては、
図3に示すように、光触媒粒子と、撥水性シリコ−ンと
を含有する層が形成され、さらにその層表面の少なくと
も一部にはコバルト又はコバルト化合物等の撥水性シリ
コ−ンの光触媒の光励起による親水化を防止するための
物質が固定されている。この表面層の全面に光を照射す
べく保管ボックスの内側面をステンレス等で鏡面として
おくことが好ましい。また、保管容器内に加熱装置を設
けて食器乾燥機能をもたせてもよい。また、保管容器内
に洗浄水を流す洗浄装置を設けて食器洗浄機能をもたせ
てもよい。また、保管ボックスに扉の開閉を感知するス
イッチ等を設け、扉の開閉に連動して所定時間のみ光源
を点灯するようにしてもよい。本発明が利用できる食器
基材は、特に限定されるものではなく、従来と同様に陶
磁器製食器、ガラス製食器、プラスチック製食器、陶磁
器製コップ、ガラス製コップ、プラスチック製コップ等
に好適に利用できる。食器基材と表面層との間には、シ
リカ、シリコ−ン、アクリルシリコン等の中間層を設け
てもよい。
【0007】光触媒とは、その結晶の伝導帯と価電子帯
との間のエネルギ−ギャップよりも大きなエネルギ−
(すなわち短い波長)の光(励起光)を照射したとき
に、価電子帯中の電子の励起(光励起)が生じて、伝導
電子と正孔を生成しうる物質をいい、例えば、アナタ−
ゼ型酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化第二鉄、三酸
化二ビスマス、三酸化タングステン、チタン酸ストロン
チウム等の酸化物が好適に利用できる。
との間のエネルギ−ギャップよりも大きなエネルギ−
(すなわち短い波長)の光(励起光)を照射したとき
に、価電子帯中の電子の励起(光励起)が生じて、伝導
電子と正孔を生成しうる物質をいい、例えば、アナタ−
ゼ型酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化第二鉄、三酸
化二ビスマス、三酸化タングステン、チタン酸ストロン
チウム等の酸化物が好適に利用できる。
【0008】シリコ−ンには、平均組成式 RpSiO(4-p)/2 (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、pは0<p<2を満足する数
である)で表される樹脂が利用できる。
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、pは0<p<2を満足する数
である)で表される樹脂が利用できる。
【0009】コバルト化合物には、コバルト合金、酸化
コバルト、塩化コバルト、硫酸コバルト、ヨウ化コバル
ト、臭化コバルト、酢酸コバルト、塩素酸コバルト、硝
酸コバルト等が好適に利用できる。
コバルト、塩化コバルト、硫酸コバルト、ヨウ化コバル
ト、臭化コバルト、酢酸コバルト、塩素酸コバルト、硝
酸コバルト等が好適に利用できる。
【0010】表面層の膜厚は、0.4μm以下にするの
が好ましい。そうすれば、光の乱反射による白濁を防止
することができ、表面層は実質的に透明となる。さらに
表面層の膜厚を、0.2μm以下にすると一層好まし
い。そうすれば、光の干渉による表面層の発色を防止す
ることができる。また表面層が薄ければ薄いほどその透
明度は向上する。更に、膜厚を薄くすれば、表面層の耐
摩耗性が向上する。
が好ましい。そうすれば、光の乱反射による白濁を防止
することができ、表面層は実質的に透明となる。さらに
表面層の膜厚を、0.2μm以下にすると一層好まし
い。そうすれば、光の干渉による表面層の発色を防止す
ることができる。また表面層が薄ければ薄いほどその透
明度は向上する。更に、膜厚を薄くすれば、表面層の耐
摩耗性が向上する。
【0011】表面層には、Ag、Cu、Znのような金
属を添加することができる。前記金属を添加した表面層
は、表面に付着した細菌や黴を暗所でも死滅させること
ができる。
属を添加することができる。前記金属を添加した表面層
は、表面に付着した細菌や黴を暗所でも死滅させること
ができる。
【0012】表面層にはPt、Pd、Ru、Rh、I
r、Osのような白金族金属を添加することができる。
前記金属を添加した表面層は、光触媒の酸化還元活性を
増強でき、有機物汚れの分解性、有害気体や悪臭の分解
性を向上させることができる。
r、Osのような白金族金属を添加することができる。
前記金属を添加した表面層は、光触媒の酸化還元活性を
増強でき、有機物汚れの分解性、有害気体や悪臭の分解
性を向上させることができる。
【0013】次に、基材表面に、光触媒粒子と、撥水性
シリコ−ンと、前記撥水性シリコ−ンの前記光触媒の光
励起による親水化を防止するための物質とを含有する表
面層が形成されている撥水性部材の製法について説明す
る。この場合の製法は、基本的には、基材表面にコ−テ
ィング組成物を塗布し、硬化させることによる。
シリコ−ンと、前記撥水性シリコ−ンの前記光触媒の光
励起による親水化を防止するための物質とを含有する表
面層が形成されている撥水性部材の製法について説明す
る。この場合の製法は、基本的には、基材表面にコ−テ
ィング組成物を塗布し、硬化させることによる。
【0014】ここでコ−ティング組成物は、光触媒粒
子、コバルト又はコバルト化合物等の光触媒の光励起に
よる親水化を防止するための物質にシリコ−ンの前駆体
を必須構成要件とし、その他に水、エタノ−ル、プロパ
ノ−ル等の溶媒や、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、マレイン
酸等のシリコ−ンの前駆体の加水分解を促進する触媒
や、トリブチルアミン、ヘキシルアミンなどの塩基性化
合物類、アルミニウムトリイソプロポキシド、テトライ
ソプロピルチタネ−トなどの酸性化合物類等のシリコ−
ンの前駆体を硬化させる触媒や、シランカップリング剤
等のコ−ティング液の分散性を向上させる界面活性剤な
どを添加してもよい。
子、コバルト又はコバルト化合物等の光触媒の光励起に
よる親水化を防止するための物質にシリコ−ンの前駆体
を必須構成要件とし、その他に水、エタノ−ル、プロパ
ノ−ル等の溶媒や、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、マレイン
酸等のシリコ−ンの前駆体の加水分解を促進する触媒
や、トリブチルアミン、ヘキシルアミンなどの塩基性化
合物類、アルミニウムトリイソプロポキシド、テトライ
ソプロピルチタネ−トなどの酸性化合物類等のシリコ−
ンの前駆体を硬化させる触媒や、シランカップリング剤
等のコ−ティング液の分散性を向上させる界面活性剤な
どを添加してもよい。
【0015】コバルト又はコバルト化合物としては、水
溶性のコバルト化合物を用いるのが好ましい。水溶性の
コバルト化合物としては、例えば、塩化コバルト、硫酸
コバルト、ヨウ化コバルト、臭化コバルト、酢酸コバル
ト、塩素酸コバルト、硝酸コバルト等が好適に利用でき
る。
溶性のコバルト化合物を用いるのが好ましい。水溶性の
コバルト化合物としては、例えば、塩化コバルト、硫酸
コバルト、ヨウ化コバルト、臭化コバルト、酢酸コバル
ト、塩素酸コバルト、硝酸コバルト等が好適に利用でき
る。
【0016】ここでシリコ−ンの前駆体としては、平均
組成式 RpSiXqO(4-p-q)/2 (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、p及びqは0<p<2、0<
q<4を満足する数である)で表されるシロキサンから
なる塗膜形成要素、又は一般式 RpSiX4-p (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、pは1または2である)で表
される加水分解性シラン誘導体からなる塗膜形成要素、
が好適に利用できる。
組成式 RpSiXqO(4-p-q)/2 (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、p及びqは0<p<2、0<
q<4を満足する数である)で表されるシロキサンから
なる塗膜形成要素、又は一般式 RpSiX4-p (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、pは1または2である)で表
される加水分解性シラン誘導体からなる塗膜形成要素、
が好適に利用できる。
【0017】ここで上記加水分解性シラン誘導体からな
る塗膜形成要素としては、メチルトリメトキシシラン、
メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラ
ン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシ
ラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキ
シシラン、エチルトリブトキシシラン、フェニルトリメ
トキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニル
トリプロポキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジブトキシ
シラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキ
シシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジエチルジブ
トキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェ
ニルメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジプロポ
キシシラン、フェニルメチルジブトキシシラン、n−プ
ロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシ
シラン、n−プロピルトリプロポキシシラン、n−プロ
ピルトリブトキシシラン、γ−グリコキシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン等が好適に利用できる。
る塗膜形成要素としては、メチルトリメトキシシラン、
メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラ
ン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシ
ラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキ
シシラン、エチルトリブトキシシラン、フェニルトリメ
トキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニル
トリプロポキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジブトキシ
シラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキ
シシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジエチルジブ
トキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェ
ニルメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジプロポ
キシシラン、フェニルメチルジブトキシシラン、n−プ
ロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシ
シラン、n−プロピルトリプロポキシシラン、n−プロ
ピルトリブトキシシラン、γ−グリコキシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン等が好適に利用できる。
【0018】また上記シロキサンからなる塗膜形成要素
としては、上記加水分解性シラン誘導体の部分加水分解
及び脱水縮重合、又は上記加水分解性シラン誘導体の部
分加水分解物と、テトラメトキシシラン、テトラエトキ
シシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシ
ラン、ジエトキシジメトキシシラン等の部分加水分解物
との脱水縮重合等で作製することができる。
としては、上記加水分解性シラン誘導体の部分加水分解
及び脱水縮重合、又は上記加水分解性シラン誘導体の部
分加水分解物と、テトラメトキシシラン、テトラエトキ
シシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシ
ラン、ジエトキシジメトキシシラン等の部分加水分解物
との脱水縮重合等で作製することができる。
【0019】上記コ−ティング組成物の塗布方法として
は、スプレ−コ−ティング法、ディップコ−ティング
法、フロ−コ−ティング法、スピンコ−ティング法、ロ
−ルコ−ティング法、刷毛塗り、スポンジ塗り等の方法
が好適に利用できる。硬化方法としては、熱処理、室温
放置、紫外線照射等により重合させて行うことができ
る。
は、スプレ−コ−ティング法、ディップコ−ティング
法、フロ−コ−ティング法、スピンコ−ティング法、ロ
−ルコ−ティング法、刷毛塗り、スポンジ塗り等の方法
が好適に利用できる。硬化方法としては、熱処理、室温
放置、紫外線照射等により重合させて行うことができ
る。
【0020】次に、基材表面に、光触媒粒子と撥水性シ
リコ−ンとを含有する層が形成され、さらにその層表面
の少なくとも一部には前記撥水性シリコ−ンの前記光触
媒の光励起による親水化を防止するための物質が固定さ
れている撥水性部材の製法について説明する。この場合
の製法は、基本的には、光触媒粒子と撥水性シリコ−ン
の前駆体とを含有するコ−ティング組成物を塗布し、硬
化させた後、コバルト又はコバルト化合物等の光触媒の
光励起による親水化を防止するための物質を含有する溶
液を塗布し、表面に固定することによる。
リコ−ンとを含有する層が形成され、さらにその層表面
の少なくとも一部には前記撥水性シリコ−ンの前記光触
媒の光励起による親水化を防止するための物質が固定さ
れている撥水性部材の製法について説明する。この場合
の製法は、基本的には、光触媒粒子と撥水性シリコ−ン
の前駆体とを含有するコ−ティング組成物を塗布し、硬
化させた後、コバルト又はコバルト化合物等の光触媒の
光励起による親水化を防止するための物質を含有する溶
液を塗布し、表面に固定することによる。
【0021】ここでコ−ティング組成物は、光触媒粒子
と、撥水性シリコ−ンの前駆体を必須構成要件とし、そ
の他に水、エタノ−ル、プロパノ−ル等の溶媒や、塩
酸、硝酸、硫酸、酢酸、マレイン酸等のシリカの前駆体
の加水分解を促進する触媒や、トリブチルアミン、ヘキ
シルアミンなどの塩基性化合物類、アルミニウムトリイ
ソプロポキシド、テトライソプロピルチタネ−トなどの
酸性化合物類等のシリカの前駆体を硬化させる触媒や、
シランカップリング剤等のコ−ティング液の分散性を向
上させる界面活性剤などを添加してもよい。
と、撥水性シリコ−ンの前駆体を必須構成要件とし、そ
の他に水、エタノ−ル、プロパノ−ル等の溶媒や、塩
酸、硝酸、硫酸、酢酸、マレイン酸等のシリカの前駆体
の加水分解を促進する触媒や、トリブチルアミン、ヘキ
シルアミンなどの塩基性化合物類、アルミニウムトリイ
ソプロポキシド、テトライソプロピルチタネ−トなどの
酸性化合物類等のシリカの前駆体を硬化させる触媒や、
シランカップリング剤等のコ−ティング液の分散性を向
上させる界面活性剤などを添加してもよい。
【0022】ここでシリコ−ンの前駆体としては、平均
組成式 RpSiXqO(4-p-q)/2 (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、p及びqは0<p<2、0<
q<4を満足する数である)で表されるシロキサンから
なる塗膜形成要素、又は一般式 RpSiX4-p (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、pは1または2である)で表
される加水分解性シラン誘導体からなる塗膜形成要素、
が好適に利用できる。
組成式 RpSiXqO(4-p-q)/2 (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、p及びqは0<p<2、0<
q<4を満足する数である)で表されるシロキサンから
なる塗膜形成要素、又は一般式 RpSiX4-p (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、pは1または2である)で表
される加水分解性シラン誘導体からなる塗膜形成要素、
が好適に利用できる。
【0023】ここで上記加水分解性シラン誘導体からな
る塗膜形成要素としては、メチルトリメトキシシラン、
メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラ
ン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシ
ラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキ
シシラン、エチルトリブトキシシラン、フェニルトリメ
トキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニル
トリプロポキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジブトキシ
シラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキ
シシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジエチルジブ
トキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェ
ニルメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジプロポ
キシシラン、フェニルメチルジブトキシシラン、n−プ
ロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシ
シラン、n−プロピルトリプロポキシシラン、n−プロ
ピルトリブトキシシラン、γ−グリコキシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン等が好適に利用できる。
る塗膜形成要素としては、メチルトリメトキシシラン、
メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラ
ン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシ
ラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキ
シシラン、エチルトリブトキシシラン、フェニルトリメ
トキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニル
トリプロポキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジブトキシ
シラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキ
シシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジエチルジブ
トキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェ
ニルメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジプロポ
キシシラン、フェニルメチルジブトキシシラン、n−プ
ロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシ
シラン、n−プロピルトリプロポキシシラン、n−プロ
ピルトリブトキシシラン、γ−グリコキシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン等が好適に利用できる。
【0024】また上記シロキサンからなる塗膜形成要素
としては、上記加水分解性シラン誘導体の部分加水分解
及び脱水縮重合、又は上記加水分解性シラン誘導体の部
分加水分解物と、テトラメトキシシラン、テトラエトキ
シシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシ
ラン、ジエトキシジメトキシシラン等の部分加水分解物
との脱水縮重合等で作製することができる。
としては、上記加水分解性シラン誘導体の部分加水分解
及び脱水縮重合、又は上記加水分解性シラン誘導体の部
分加水分解物と、テトラメトキシシラン、テトラエトキ
シシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシ
ラン、ジエトキシジメトキシシラン等の部分加水分解物
との脱水縮重合等で作製することができる。
【0025】上記コ−ティング組成物の塗布方法として
は、スプレ−コ−ティング法、ディップコ−ティング
法、フロ−コ−ティング法、スピンコ−ティング法、ロ
−ルコ−ティング法、刷毛塗り、スポンジ塗り等の方法
が好適に利用できる。硬化方法としては、熱処理、室温
放置、紫外線照射等により重合させて行うことができ
る。
は、スプレ−コ−ティング法、ディップコ−ティング
法、フロ−コ−ティング法、スピンコ−ティング法、ロ
−ルコ−ティング法、刷毛塗り、スポンジ塗り等の方法
が好適に利用できる。硬化方法としては、熱処理、室温
放置、紫外線照射等により重合させて行うことができ
る。
【0026】コバルト又はコバルト化合物等の光触媒の
光励起による親水化を防止するための物質を含有する溶
液を塗布し、表面に固定する方法は、例えば、塩化コバ
ルト、硫酸コバルト、ヨウ化コバルト、臭化コバルト、
酢酸コバルト、塩素酸コバルト、硝酸コバルト等の水溶
性のコバルト化合物を、スプレ−コ−ティング法、ディ
ップコ−ティング法、フロ−コ−ティング法、スピンコ
−ティング法、ロ−ルコ−ティング法、刷毛塗り、スポ
ンジ塗り等の方法で塗布し、光還元、熱処理、アルコ−
ル等の犠牲酸化剤を併用する還元等の方法で固定するこ
とにより行う。
光励起による親水化を防止するための物質を含有する溶
液を塗布し、表面に固定する方法は、例えば、塩化コバ
ルト、硫酸コバルト、ヨウ化コバルト、臭化コバルト、
酢酸コバルト、塩素酸コバルト、硝酸コバルト等の水溶
性のコバルト化合物を、スプレ−コ−ティング法、ディ
ップコ−ティング法、フロ−コ−ティング法、スピンコ
−ティング法、ロ−ルコ−ティング法、刷毛塗り、スポ
ンジ塗り等の方法で塗布し、光還元、熱処理、アルコ−
ル等の犠牲酸化剤を併用する還元等の方法で固定するこ
とにより行う。
【0027】
参考例.アナタ−ゼ型酸化チタンゾル(日産化学、TA
−15、硝酸解膠型、pH=1)と、シリカゾル(日本
合成ゴム、グラスカA液、pH=4)と、メチルトリメ
トキシシラン(日本合成ゴム、グラスカB液)とエタノ
−ルを混合し、2〜3時間撹拌して得たコ−ティング液
を、スプレ−コ−ティング法にて5×10cm角の施釉
タイル基材(東陶機器、AB02E11)上に塗布し、
200℃で15分熱処理して、アナタ−ゼ型酸化チタン
粒子11重量部、シリカ6重量部、シリコ−ン5重量部
からなる表面層を形成した#1試料を得た。#1試料の
水との接触角は92゜であった。ここで水との接触角は
接触角測定器(協和界面科学、CA−X150)を用
い、マイクロシリンジから水滴を滴下した後30秒後の
水との接触角で評価した。次いで#1試料表面に、紫外
線光源(三共電気、ブラックライトブル−(BLB)蛍
光灯)を用いて0.3mW/cm2の紫外線照度で1日
照射し、#2試料を得た。その結果、#2試料の水との
接触角は0゜まで親水化された。次に、#1試料と、#
1試料に水銀灯を22.8mW/cm2の紫外線照度で
2時間照射して得た#3試料夫々の試料表面をラマン分
光分析した。その結果、#1試料表面で認められたメチ
ル基のピ−クが#3試料では認められず、代わりに水酸
基のブロ−ドなピ−クが認められた。以上のことから、
光触媒であるアナタ−ゼ型酸化チタンの光励起により被
膜の表面のシリコ−ン分子中のケイ素原子に結合した有
機基は、水酸基に置換されること、及び親水化されるこ
とがわかる。
−15、硝酸解膠型、pH=1)と、シリカゾル(日本
合成ゴム、グラスカA液、pH=4)と、メチルトリメ
トキシシラン(日本合成ゴム、グラスカB液)とエタノ
−ルを混合し、2〜3時間撹拌して得たコ−ティング液
を、スプレ−コ−ティング法にて5×10cm角の施釉
タイル基材(東陶機器、AB02E11)上に塗布し、
200℃で15分熱処理して、アナタ−ゼ型酸化チタン
粒子11重量部、シリカ6重量部、シリコ−ン5重量部
からなる表面層を形成した#1試料を得た。#1試料の
水との接触角は92゜であった。ここで水との接触角は
接触角測定器(協和界面科学、CA−X150)を用
い、マイクロシリンジから水滴を滴下した後30秒後の
水との接触角で評価した。次いで#1試料表面に、紫外
線光源(三共電気、ブラックライトブル−(BLB)蛍
光灯)を用いて0.3mW/cm2の紫外線照度で1日
照射し、#2試料を得た。その結果、#2試料の水との
接触角は0゜まで親水化された。次に、#1試料と、#
1試料に水銀灯を22.8mW/cm2の紫外線照度で
2時間照射して得た#3試料夫々の試料表面をラマン分
光分析した。その結果、#1試料表面で認められたメチ
ル基のピ−クが#3試料では認められず、代わりに水酸
基のブロ−ドなピ−クが認められた。以上のことから、
光触媒であるアナタ−ゼ型酸化チタンの光励起により被
膜の表面のシリコ−ン分子中のケイ素原子に結合した有
機基は、水酸基に置換されること、及び親水化されるこ
とがわかる。
【0028】実施例1.アナタ−ゼ型酸化チタンゾル
(日産化学、TA−15、硝酸解膠型、pH=1)と、
シリカゾル(日本合成ゴム、グラスカA液、pH=4)
と、メチルトリメトキシシラン(日本合成ゴム、グラス
カB液)と、塩化コバルト六水和物と、エタノ−ルを混
合し、2〜3時間撹拌して得たコ−ティング液を、スプ
レ−コ−ティング法にて5×10cm角の施釉タイル
(東陶機器、AB02E11)基材上に塗布し、200
℃で15分熱処理して、アナタ−ゼ型酸化チタン粒子1
1重量部、シリカ6重量部、シリコ−ン5重量部、コバ
ルト0.2重量部からなる表面層を形成した#4試料を
得た。#4試料の水との接触角は97゜であった。ここ
で水との接触角は接触角測定器(協和界面科学、CA−
X150)を用い、マイクロシリンジから水滴を滴下し
た後30秒後の水との接触角で評価した。次いで#4試
料表面に、紫外線光源(三共電気、ブラックライトブル
−(BLB)蛍光灯)を用いて0.3mW/cm2の紫
外線照度で1日照射し、#5試料を得た。その結果、#
5試料の水との接触角は依然95゜と撥水性を維持し
た。従って、以上のことから、光触媒であるアナタ−ゼ
型酸化チタンの光励起による被膜の表面のシリコ−ンの
親水化が、コバルトにより阻害されることがわかる。こ
れは、被膜の表面のシリコ−ン分子中のケイ素原子に結
合した有機基の水酸基への置換がコバルトにより阻害さ
れるためと考えられる。
(日産化学、TA−15、硝酸解膠型、pH=1)と、
シリカゾル(日本合成ゴム、グラスカA液、pH=4)
と、メチルトリメトキシシラン(日本合成ゴム、グラス
カB液)と、塩化コバルト六水和物と、エタノ−ルを混
合し、2〜3時間撹拌して得たコ−ティング液を、スプ
レ−コ−ティング法にて5×10cm角の施釉タイル
(東陶機器、AB02E11)基材上に塗布し、200
℃で15分熱処理して、アナタ−ゼ型酸化チタン粒子1
1重量部、シリカ6重量部、シリコ−ン5重量部、コバ
ルト0.2重量部からなる表面層を形成した#4試料を
得た。#4試料の水との接触角は97゜であった。ここ
で水との接触角は接触角測定器(協和界面科学、CA−
X150)を用い、マイクロシリンジから水滴を滴下し
た後30秒後の水との接触角で評価した。次いで#4試
料表面に、紫外線光源(三共電気、ブラックライトブル
−(BLB)蛍光灯)を用いて0.3mW/cm2の紫
外線照度で1日照射し、#5試料を得た。その結果、#
5試料の水との接触角は依然95゜と撥水性を維持し
た。従って、以上のことから、光触媒であるアナタ−ゼ
型酸化チタンの光励起による被膜の表面のシリコ−ンの
親水化が、コバルトにより阻害されることがわかる。こ
れは、被膜の表面のシリコ−ン分子中のケイ素原子に結
合した有機基の水酸基への置換がコバルトにより阻害さ
れるためと考えられる。
【0029】実施例2.アナタ−ゼ型酸化チタンゾル
(日産化学、TA−15、硝酸解膠型、pH=1)と、
シリカゾル(日本合成ゴム、グラスカA液、pH=4)
と、メチルトリメトキシシラン(日本合成ゴム、グラス
カB液)と、エタノ−ルを混合し、2〜3時間撹拌して
得たコ−ティング液を、スプレ−コ−ティング法にて5
×10cm角の施釉タイル(東陶機器、AB02E1
1)基材上に塗布し、200℃で15分熱処理して、ア
ナタ−ゼ型酸化チタン粒子11重量部、シリカ6重量
部、シリコ−ン5重量部からなる表面層を形成した。さ
らにその上にコバルト金属濃度50μmol/gの塩化
コバルト六水和物水溶液を0.3g塗布後、紫外線光源
(三共電気、ブラックライトブル−(BLB)蛍光灯)
を用いて紫外線照度0.4mW/cm2の紫外線を10
分照射して基材上にコバルトを固定して#6試料を得
た。#6試料の水との接触角は96゜であった。ここで
水との接触角は接触角測定器(協和界面科学、CA−X
150)を用い、マイクロシリンジから水滴を滴下した
後30秒後の水との接触角で評価した。次いで#6試料
表面に、紫外線光源(三共電気、ブラックライトブル−
(BLB)蛍光灯)を用いて0.3mW/cm2の紫外
線照度で1日照射し、#7試料を得た。その結果、#7
試料の水との接触角は依然94゜と撥水性を維持した。
従って、以上のことから、光触媒であるアナタ−ゼ型酸
化チタンの光励起による被膜の表面のシリコ−ンの親水
化が、コバルトにより阻害されることがわかる。これ
は、被膜の表面のシリコ−ン分子中のケイ素原子に結合
した有機基の水酸基への置換がコバルトにより阻害され
るためと考えられる。
(日産化学、TA−15、硝酸解膠型、pH=1)と、
シリカゾル(日本合成ゴム、グラスカA液、pH=4)
と、メチルトリメトキシシラン(日本合成ゴム、グラス
カB液)と、エタノ−ルを混合し、2〜3時間撹拌して
得たコ−ティング液を、スプレ−コ−ティング法にて5
×10cm角の施釉タイル(東陶機器、AB02E1
1)基材上に塗布し、200℃で15分熱処理して、ア
ナタ−ゼ型酸化チタン粒子11重量部、シリカ6重量
部、シリコ−ン5重量部からなる表面層を形成した。さ
らにその上にコバルト金属濃度50μmol/gの塩化
コバルト六水和物水溶液を0.3g塗布後、紫外線光源
(三共電気、ブラックライトブル−(BLB)蛍光灯)
を用いて紫外線照度0.4mW/cm2の紫外線を10
分照射して基材上にコバルトを固定して#6試料を得
た。#6試料の水との接触角は96゜であった。ここで
水との接触角は接触角測定器(協和界面科学、CA−X
150)を用い、マイクロシリンジから水滴を滴下した
後30秒後の水との接触角で評価した。次いで#6試料
表面に、紫外線光源(三共電気、ブラックライトブル−
(BLB)蛍光灯)を用いて0.3mW/cm2の紫外
線照度で1日照射し、#7試料を得た。その結果、#7
試料の水との接触角は依然94゜と撥水性を維持した。
従って、以上のことから、光触媒であるアナタ−ゼ型酸
化チタンの光励起による被膜の表面のシリコ−ンの親水
化が、コバルトにより阻害されることがわかる。これ
は、被膜の表面のシリコ−ン分子中のケイ素原子に結合
した有機基の水酸基への置換がコバルトにより阻害され
るためと考えられる。
【0030】実施例3.#5試料、#7試料、及び比較
のためポリテトラフルオロエチレン板に、サラダ油をス
プレ−で付着させた後、3か月放置し、付着油の固着性
を調べた。付着油の固着性は、試験後に布でこすったと
きの状態変化で調べた。その結果#7試料のほうがガラ
ス板よりもきれいに付着油が拭い取れた。
のためポリテトラフルオロエチレン板に、サラダ油をス
プレ−で付着させた後、3か月放置し、付着油の固着性
を調べた。付着油の固着性は、試験後に布でこすったと
きの状態変化で調べた。その結果#7試料のほうがガラ
ス板よりもきれいに付着油が拭い取れた。
【0031】
【発明の効果】本発明では、食器において、表面に、光
触媒粒子と、撥水性シリコ−ンと、前記撥水性シリコ−
ンの前記光触媒の光励起による親水化を防止するための
物質とを含有する実質的に透明な表面層が形成されてい
るようにする、或いは表面に、光触媒粒子と撥水性シリ
コ−ンとを含有する実質的に透明な層が形成され、さら
にその層表面の少なくとも一部には前記撥水性シリコ−
ンの前記光触媒の光励起による親水化を防止するための
物質が固定されているようにすることにより、部材表面
は長期にわたり撥水性を維持可能となり、付着した油分
が重合・固化しても部材表面に強固に固着しなくなる。
触媒粒子と、撥水性シリコ−ンと、前記撥水性シリコ−
ンの前記光触媒の光励起による親水化を防止するための
物質とを含有する実質的に透明な表面層が形成されてい
るようにする、或いは表面に、光触媒粒子と撥水性シリ
コ−ンとを含有する実質的に透明な層が形成され、さら
にその層表面の少なくとも一部には前記撥水性シリコ−
ンの前記光触媒の光励起による親水化を防止するための
物質が固定されているようにすることにより、部材表面
は長期にわたり撥水性を維持可能となり、付着した油分
が重合・固化しても部材表面に強固に固着しなくなる。
【図1】本発明に係る食器保管ボックスを示す図。
【図2】本発明に係る食器の表面構造を示す図。
【図3】本発明に係る食器の他の表面構造を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09K 3/32 C09K 3/32 Z
Claims (4)
- 【請求項1】 基材表面に、光触媒粒子と、撥水性シリ
コ−ンと、前記撥水性シリコ−ンの前記光触媒の光励起
による親水化を防止するための物質とを含有する表面層
が形成されていることを特徴とする食器。 - 【請求項2】 基材表面に、光触媒粒子と撥水性シリコ
−ンとを含有する実質的に透明な層が形成され、さらに
その層表面の少なくとも一部には前記撥水性シリコ−ン
の前記光触媒の光励起による親水化を防止するための物
質が固定されていることを特徴とする食器。 - 【請求項3】 前記光触媒の光励起による親水化を防止
するための物質はコバルト又はコバルト化合物であるこ
とを特徴とする請求項1、2に記載の食器。 - 【請求項4】 食器保管庫又は食器乾燥機等の食器収納
装置であって、この食器収納装置は請求項1〜3に記載
の食器を保管するために、前記食器の表面層中の光触媒
を励起し得る波長の光を発する光源を備えていることを
特徴とする食器収納装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3438497A JPH10215996A (ja) | 1997-02-03 | 1997-02-03 | 食器、及び食器収納装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3438497A JPH10215996A (ja) | 1997-02-03 | 1997-02-03 | 食器、及び食器収納装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10215996A true JPH10215996A (ja) | 1998-08-18 |
Family
ID=12412682
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3438497A Pending JPH10215996A (ja) | 1997-02-03 | 1997-02-03 | 食器、及び食器収納装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10215996A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000023528A1 (fr) * | 1998-10-19 | 2000-04-27 | Toto Ltd. | Materiau resistant aux salissures, procede et dispositif de production et composition de revetement |
-
1997
- 1997-02-03 JP JP3438497A patent/JPH10215996A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000023528A1 (fr) * | 1998-10-19 | 2000-04-27 | Toto Ltd. | Materiau resistant aux salissures, procede et dispositif de production et composition de revetement |
US6673433B1 (en) | 1998-10-19 | 2004-01-06 | Toto Ltd. | Stainproof material and method for manufacturing the same, and coating composition and apparatus thereof |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH10212809A (ja) | 外壁用建材 | |
JPH10215996A (ja) | 食器、及び食器収納装置 | |
JPH10221504A (ja) | プラスチックレンズ | |
JP3024748B2 (ja) | 親水性部材 | |
JPH10137098A (ja) | 防汚食器、及び防汚食器用収納装置 | |
JPH10192110A (ja) | 洗面用鏡 | |
JPH10229950A (ja) | 浴 槽 | |
JPH10269814A (ja) | 照明器具 | |
JPH10204718A (ja) | ヘルメットシ−ルド | |
JPH10201655A (ja) | 浴 槽 | |
JPH10137149A (ja) | 浴 槽 | |
JPH10211680A (ja) | 膜構造材 | |
JPH10219147A (ja) | 防汚板材 | |
JPH10212139A (ja) | 建築用窓ガラス | |
JPH10195385A (ja) | 自動車 | |
JPH10216629A (ja) | 鉄道車両 | |
JPH10221503A (ja) | ガラスレンズ | |
JPH10199311A (ja) | トンネル用照明装置 | |
JPH10214985A (ja) | 太陽電池カバ− | |
JPH10193524A (ja) | 道路用化粧板 | |
JPH10227532A (ja) | 太陽熱集熱器の透明カバ− | |
JPH10193901A (ja) | ホイ−ル | |
JPH10226765A (ja) | 航空機 | |
JPH10198890A (ja) | 信号機用光源カバ− | |
JPH10192103A (ja) | 保温ショ−ケ−ス |