JPH10137149A - 浴 槽 - Google Patents

浴 槽

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JPH10137149A
JPH10137149A JP8314215A JP31421596A JPH10137149A JP H10137149 A JPH10137149 A JP H10137149A JP 8314215 A JP8314215 A JP 8314215A JP 31421596 A JP31421596 A JP 31421596A JP H10137149 A JPH10137149 A JP H10137149A
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JP
Japan
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water
bathtub
silicone
contact angle
photocatalyst
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JP8314215A
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Inventor
Mitsuyoshi Machida
町田  光義
Makoto Hayakawa
信 早川
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Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 浴槽エプロン部に水垢汚れが生じにくい浴槽
の提供。 【解決手段】 浴槽において、エプロン部表面に、光触
媒性酸化物粒子とシリコ−ンと撥水性フッ素樹脂とを含
有する表面層が形成されている、或いは光触媒性酸化物
粒子と無定型シリカと撥水性フッ素樹脂とを含有する表
面層が形成されていて、なおかつその表面の水との接触
角が90゜以上であるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、浴槽エプロン部に
水垢汚れが生じにくい浴槽に関する。
【0002】
【従来の技術】浴槽には、ホーロー、ポリエステル、マ
ーブライト、ステンレス、FRP、アクリルなどが使用
されている。浴槽のエプロン部に白い輪状の汚れである
水垢汚れが生じていることはしばしば観察される。特に
青色のホーロー浴槽の場合、その汚れは背景とのコント
ラストが大きいためによく目立って、ホーロー浴槽の美
観、質感、高級感を損ねるという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】水垢汚れは以下のよう
にして生じると考えられる。すなわち、浴槽のエプロン
部に残留した付着水滴中に含有されるカルシウムイオン
等が、空気中の二酸化炭素と反応して炭酸カルシウムの
ような塩が生じ、それが水滴の乾燥と共に浴槽のエプロ
ン部表面に析出し、固着化するのである。そこで、本発
明では、浴槽のエプロン部に水滴が付着、残留しにくい
浴槽を提供し、以て浴槽エプロン部に水垢汚れが生じに
くく、浴槽の美観、質感、高級感を損ねないことを目的
とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記課題を
解決すべく、浴槽エプロン部表面に、光触媒性酸化物粒
子とシリコーンと撥水性フッ素樹脂とを含有する実質的
に透明な表面層が形成されており、かつ前記層表面は水
との接触角が90゜以上であることを特徴とする浴槽を
提供する。光触媒性酸化物粒子とシリコーンと撥水性フ
ッ素樹脂とを含有する表面層が形成されている構成にす
ることにより、光触媒を光励起したときに、光触媒作用
によりシリコーン分子中のケイ素原子に結合した有機基
が少なくとも部分的に水酸基に置換されて親水性を呈す
るようになり、シリコーンが外気に露出した親水性を呈
する部分と、撥水性フッ素樹脂が外気に露出した撥水性
を呈する部分の双方が表面に微視的に分散された構造と
なる。さらに、光触媒が存在することにより、光触媒の
光励起に応じてシリコーン分子中のケイ素原子に結合し
た有機基が少なくとも部分的に水酸基に置換されたシリ
コーンは恒久的に親水性を維持するので、上記親水性を
呈する部分と撥水性を呈する部分の双方が表面に微視的
に分散された構造は維持される。このような構造では、
親水性表面と撥水性表面が隣接するため、親水性表面に
なじみやすい親水性の付着物は隣接する撥水性部分にな
じまない。逆に撥水性表面になじみやすい疎水性の付着
物は隣接する親水性部分になじまない。そのため、親水
性付着物も、疎水性付着物も部材表面に固着されること
はなく、表面は清浄な状態に維持される。すなわち、水
との接触角を90゜以上にすると、その状態は光触媒の
光励起に応じて維持され、水滴が付着しにくくなる。従
って、水滴が付着しにくい表面が形成可能となり、引い
ては浴槽エプロン部に水垢汚れが生じにくくなる。
【0005】本発明では、浴槽エプロン部表面に、光触
媒性酸化物粒子と無定型シリカと撥水性フッ素樹脂とを
含有する実質的に透明な表面層が形成されており、かつ
前記層表面は水との接触角が90゜以上であることを特
徴とする防汚性と水滴付着防止性を兼ね備えた浴槽を提
供する。光触媒性酸化物粒子と無定型シリカと撥水性フ
ッ素樹脂とを含有する表面層が形成されている構成にす
ることにより、表面層中の無定型シリカが外気に露出し
た親水性を呈する部分と、撥水性フッ素樹脂が外気に露
出した撥水性を呈する部分の双方が表面に微視的に分散
された構造となる。さらに、光触媒が存在することによ
り、光触媒の光励起に応じて無定型シリカは恒久的に親
水性を維持するので、上記親水性を呈する部分と撥水性
を呈する部分の双方が表面に微視的に分散された構造は
維持される。このような構造では、親水性表面と撥水性
表面が隣接するため、親水性表面になじみやすい親水性
の付着物は隣接する撥水性部分になじまない。逆に撥水
性表面になじみやすい疎水性の付着物は隣接する親水性
部分になじまない。そのため、親水性付着物も、疎水性
付着物も部材表面に固着されることはなく、表面は清浄
な状態に維持される。すなわち水との接触角を90゜以
上にすると、その状態は光触媒の光励起に応じて維持さ
れ、水滴が付着しにくくなる。従って、水滴が付着しに
くい表面が形成可能となり、引いては浴槽エプロン部に
水垢汚れが生じにくくなる。
【0006】本発明の好ましい態様においては、浴槽エ
プロン部表面は水平でないようにする。このようにする
ことで、エプロン部において水滴は高い所から低い所へ
流滴するようになり、付着しにくくなるとともに、残留
もしなくなるので、浴槽エプロン部に水垢汚れがより生
じにくくなる。
【0007】本発明の好ましい態様においては、浴槽内
部側のほうが浴槽外部側よりも高い位置にくるように傾
斜しているようにする。このようにすることで、エプロ
ン部において流滴する水滴は浴槽内部に滴下されないの
で、入浴に際し、より気持ちよく使用できる。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は本発明の浴槽の一例を示す
平面図である。図2及び図3は浴槽エプロン部表面の例
を示す要部拡大断面図であり、図2では、浴槽エプロン
部基材の表面には、光触媒性酸化チタン粒子と、シリコ
ーンと、撥水性フッ素樹脂を含む表面層が形成されてお
り、かつその表面における水との接触角は90゜以上で
ある。また図3では、浴槽エプロン部基材の表面には、
光触媒性酸化チタン粒子と、無定型シリカと、撥水性フ
ッ素樹脂を含む表面層が形成されており、かつその表面
における水との接触角は90゜以上である。浴槽の材質
には、従来と同様に、ホーロー、ポリエステル、マーブ
ライト、ステンレス、FRP、アクリルなどが利用でき
る。浴槽エプロン部基材と表面層との間には、基材との
密着性向上等の目的で透明な中間層を設けることもでき
る。
【0009】表面における水との接触角を90゜以上に
するには、表面層における光触媒性酸化物とフッ素樹脂
とシリコーン(または無定型シリカ)の合計量に対する
フッ素樹脂の配合比を50重量%以上、より好ましくは
60重量%以上配合するようにするとよい。
【0010】光触媒とは、その結晶の伝導帯と価電子帯
との間のエネルギーギャップよりも大きなエネルギー
(すなわち短い波長)の光(励起光)を照射したとき
に、価電子帯中の電子の励起(光励起)が生じて、伝導
電子と正孔を生成しうる物質をいい、光触媒性酸化物に
は、例えば、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チ
タン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化第二鉄、三酸化二ビスマ
ス、三酸化タングステン、チタン酸ストロンチウム等の
酸化物が好適に利用できる。
【0011】光触媒の光励起に用いる光源としては、専
用光源を浴室に取付けたり、携帯光源を利用してもよい
し、太陽光、浴室内一般照明等の環境にある光源を利用
してもよい。使用する光源には、例えば、蛍光灯、白熱
電灯、メタルハライドランプ、水銀ランプ、キセノンラ
ンプ、ブラックライト、殺菌灯等が好適に利用できる
が、特に光触媒が酸化チタンの場合には、好ましい光源
は、可視光と紫外線の双方を含む光を発する形式の照明
灯である。光触媒の光励起により、基材表面のシリコー
ン又は無定型シリカが親水化されるためには、励起光の
照度は0.001mW/cm2以上あればよいが、0.
01mW/cm2以上だと好ましく、0.1mW/cm2
以上だとより好ましい。
【0012】シリコーンには、平均組成式 RpSiO(4-p)/2 (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、pは0<p<2を満足する数
である)で表される樹脂が利用できる。
【0013】撥水性フッ素樹脂には、ポリテトラフルオ
ロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリヘ
キサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン−ヘ
キサフルオロプロピレンコポリマー等が好適に利用でき
る。
【0014】表面層の膜厚は、0.4μm以下にするの
が好ましい。そうすれば、光の乱反射による白濁を防止
することができ、表面層は実質的に透明となる。さら
に、表面層の膜厚を、0.2μm以下にすると一層好ま
しい。そうすれば、光の干渉による表面層の発色を防止
することができる。また、表面層が薄ければ薄いほどそ
の透明度は向上する。更に、膜厚を薄くすれば、表面層
の耐摩耗性が向上する。
【0015】表面層には、Ag、Cu、Znのような金
属を添加することができる。前記金属を添加した表面層
は、表面に付着した細菌や黴を暗所でも死滅させること
ができる。
【0016】表面層にはPt、Pd、Ru、Rh、I
r、Osのような白金族金属を添加することができる。
前記金属を添加した表面層は、光触媒の酸化還元活性を
増強でき、有機物汚れの分解性、有害気体や悪臭の分解
性を向上させることができる。
【0017】次に、基材表面に、光触媒性酸化物粒子と
シリコーンと撥水性フッ素樹脂とを含有する表面層が形
成されている防汚性部材の製法について説明する。この
場合の製法は、基本的には、基材表面にコーティング組
成物を塗布し、硬化させることによる。
【0018】ここでコーティング組成物は、光触媒粒
子、撥水性フッ素樹脂の他にシリコーンの前駆体を必須
構成要件とし、その他に水、エタノール、プロパノール
等の溶媒や、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、マレイン酸等の
シリコーンの前駆体の加水分解を促進する触媒や、トリ
ブチルアミン、ヘキシルアミンなどの塩基性化合物類、
アルミニウムトリイソプロポキシド、テトライソプロピ
ルチタネートなどの酸性化合物類等のシリコーンの前駆
体を硬化させる触媒や、シランカップリング剤等のコー
ティング液の分散性を向上させる界面活性剤などを添加
してもよい。
【0019】ここでシリコーンの前駆体としては、平均
組成式 RpSiXq(4-p-q)/2 (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、p及びqは0<p<2、0<
q<4を満足する数である)で表されるシロキサンから
なる塗膜形成要素、又は一般式 RpSiX4-p (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、pは1または2である)で表
される加水分解性シラン誘導体からなる塗膜形成要素、
が好適に利用できる。
【0020】ここで上記加水分解性シラン誘導体からな
る塗膜形成要素としては、メチルトリメトキシシラン、
メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラ
ン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシ
ラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキ
シシラン、エチルトリブトキシシラン、フェニルトリメ
トキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニル
トリプロポキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジブトキシ
シラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキ
シシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジエチルジブ
トキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェ
ニルメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジプロポ
キシシラン、フェニルメチルジブトキシシラン、n−プ
ロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシ
シラン、n−プロピルトリプロポキシシラン、n−プロ
ピルトリブトキシシラン、γ−グリコキシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン等が好適に利用できる。
【0021】また、上記シロキサンからなる塗膜形成要
素としては、上記加水分解性シラン誘導体の部分加水分
解及び脱水縮重合、又は上記加水分解性シラン誘導体の
部分加水分解物と、テトラメトキシシラン、テトラエト
キシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシ
シラン、ジエトキシジメトキシシラン等の部分加水分解
物との脱水縮重合等で作製することができる。
【0022】上記コーティング組成物の塗布方法として
は、スプレーコーティング法、ディップコーティング
法、フローコーティング法、スピンコーティング法、ロ
ールコーティング法、刷毛塗り、スポンジ塗り等の方法
が好適に利用できる。硬化方法としては、熱処理、室温
放置、紫外線照射等により重合させて行うことができ
る。
【0023】次に、基材表面に、光触媒粒子と無定型シ
リカと撥水性フッ素樹脂とを含有する表面層が形成され
ている防汚性部材の製法について説明する。この場合の
製法は、基本的には、基材表面にコーティング組成物を
塗布し、硬化させることによる。
【0024】ここでコーティング組成物は、光触媒粒
子、撥水性フッ素樹脂の他にシリカ粒子又はシリカの前
駆体を必須構成要件とし、その他に水、エタノール、プ
ロパノール等の溶媒や、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、マレ
イン酸等のシリカの前駆体の加水分解を促進する触媒
や、トリブチルアミン、ヘキシルアミンなどの塩基性化
合物類、アルミニウムトリイソプロポキシド、テトライ
ソプロピルチタネートなどの酸性化合物類等のシリカの
前駆体を硬化させる触媒や、シランカップリング剤等の
コーティング液の分散性を向上させる界面活性剤などを
添加してもよい。
【0025】ここでシリコーンの前駆体としては、平均
組成式 SiXq(4-q)/2 (式中、Xはアルコキシ基、又は、ハロゲン原子であ
り、qは0<q<4を満足する数である)で表されるシ
リケートからなる塗膜形成要素、又は一般式SiX
4(式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上か
らなる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれ
た2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、
又は、ハロゲン原子である)で表される4官能加水分解
性シラン誘導体からなる塗膜形成要素等が好適に利用で
きる。
【0026】ここで上記4官能加水分解性シラン誘導体
からなる塗膜形成要素としては、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、
テトラブトキシシラン、ジエトキシジメトキシシラン等
が好適に利用できる。
【0027】また、上記シリケートからなる塗膜形成要
素としては、上記4官能加水分解性シラン誘導体の部分
加水分解及び脱水縮重合等で作製することができる。
【0028】上記コーティング組成物の塗布方法として
は、スプレーコーティング法、ディップコーティング
法、フローコーティング法、スピンコーティング法、ロ
ールコーティング法、刷毛塗り、スポンジ塗り等の方法
が好適に利用できる。硬化方法としては、熱処理、室温
放置、紫外線照射等により重合させて行うことができ
る。
【0029】
【実施例】
参考例.アナターゼ型酸化チタンゾル(日産化学、TA
−15、硝酸解膠型、pH=1)と、シリカゾル(日本
合成ゴム、グラスカA液、pH=4)と、メチルトリメ
トキシシラン(日本合成ゴム、グラスカB液)とエタノ
ールを混合し、2〜3分撹拌して得たコーティング液
を、スプレーコーティング法にて10cm四角のアルミ
ニウム基材上に塗布し、200℃で15分熱処理して、
アナターゼ型酸化チタン粒子11重量部、シリカ6重量
部、シリコーン5重量部からなる表面層を形成した#1
試料を得た。#1試料の水との接触角は85゜であっ
た。ここで水との接触角は接触角測定器(協和界面科
学、CA−X150)を用い、マイクロシリンジから水
滴を滴下した後30秒後の水との接触角で評価した。次
いで#1試料表面に、紫外線光源(三共電気、ブラック
ライトブルー(BLB)蛍光灯)を用いて0.3mW/
cm2の紫外線照度で1日照射し、#2試料を得た。そ
の結果、#2試料の水との接触角は0゜まで親水化され
た。次に、#1試料と、#1試料に水銀灯を22.8m
W/cm2の紫外線照度で2時間照射して得た#3試料
夫々の試料表面をラマン分光分析した。その結果、#1
試料表面で認められたメチル基のピークが#3試料では
認められず、代わりに水酸基のブロードなピークが認め
られた。以上のことから、光触媒であるアナターゼ型酸
化チタンの光励起に応じて被膜の表面のシリコーン分子
中のケイ素原子に結合した有機基は、光触媒作用により
水酸基に置換されること、及び親水化されることがわか
る。
【0030】実施例.アナターゼ型酸化チタンゾル(日
産化学、TA−15)と、シリカゾル(日本合成ゴム、
グラスカA液)と、メチルトリメトキシシラン(日本合
成ゴム、グラスカB液)とポリテトラフルオロエチレン
(PTFE)粒子(ダイキン工業、ルブロンL−5)と
エタノールを混合し、2〜3時間撹拌して得たコーティ
ング液を、スプレーコーティング法にて5×10cm角
の施釉ホーロー基材上に塗布し、200℃で15分熱処
理して、アナターゼ型酸化チタン粒子33重量部、ポリ
テトラフルオロエチレン粒子66重量部、シリカ6重量
部、シリコーン5重量部からなる表面層を形成し#4試
料を作製した。#4試料の水との接触角は110゜であ
った。次いで#4試料表面に、紫外線光源(三共電気、
ブラックライトブルー(BLB)蛍光灯)を用いて0.
3mW/cm2の紫外線照度で1日照射し、#5試料を
得た。その結果、#5試料の水との接触角は97.2゜
とさほど変化がなかった。上記参考例より、シリコーン
が外気に露出した部分はシリコーン分子中のケイ素原子
に結合した有機基は、光触媒作用により水酸基に置換さ
れ、親水化されるはずであるから、その分だけ親水化し
て水との接触角が若干減少したと考えられる。すなわ
ち、#5試料表面は、光触媒作用により水酸基に置換さ
れ、親水化されたシリコーンが外気に露出した親水性を
呈する部分と、撥水性フッ素樹脂が外気に露出した撥水
性を呈する部分の双方が表面に微視的に分散された構造
となっていると推定される。また水との接触角が97.
2゜と90゜以上であることにより、#5試料を傾ける
と水滴は転がりながら落下した。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、浴槽のエプロン部に水
滴が付着、残留しにくい浴槽を提供することが可能とな
り、引いては、浴槽エプロン部に水垢汚れが生じにくく
することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る浴槽の平面図。
【図2】本発明に係る浴槽のエプロン部の表面構造を示
す図。
【図3】本発明に係る浴槽のエプロン部の他の表面構造
を示す図。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 浴槽エプロン部表面に、光触媒性酸化物
    粒子とシリコーンと撥水性フッ素樹脂とを含有する表面
    層が形成されており、かつ前記層表面は水との接触角が
    90゜以上であることを特徴とする浴槽。
  2. 【請求項2】 浴槽エプロン部表面に、光触媒性酸化物
    粒子と無定型シリカと撥水性フッ素樹脂とを含有する表
    面層が形成されており、かつ前記層表面は水との接触角
    が90゜以上であることを特徴とする浴槽。
  3. 【請求項3】 前記浴槽エプロン部表面は水平でないこ
    とを特徴とする請求項1、2に記載の浴槽。
  4. 【請求項4】 前記浴槽エプロン部表面は、浴槽内部側
    のほうが浴槽外部側よりも高い位置にくるように傾斜し
    ていることを特徴とする請求項3に記載の浴槽。
JP8314215A 1996-11-11 1996-11-11 浴 槽 Pending JPH10137149A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013083050A (ja) * 2011-10-06 2013-05-09 Bridgestone Corp 洗い場付浴槽

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013083050A (ja) * 2011-10-06 2013-05-09 Bridgestone Corp 洗い場付浴槽

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