JPH10170701A - 水滴付着防止性を有するガラスレンズ - Google Patents

水滴付着防止性を有するガラスレンズ

Info

Publication number
JPH10170701A
JPH10170701A JP8352250A JP35225096A JPH10170701A JP H10170701 A JPH10170701 A JP H10170701A JP 8352250 A JP8352250 A JP 8352250A JP 35225096 A JP35225096 A JP 35225096A JP H10170701 A JPH10170701 A JP H10170701A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
glass lens
surface layer
repellent
photocatalyst
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8352250A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuyoshi Machida
町田  光義
Makoto Hayakawa
信 早川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toto Ltd filed Critical Toto Ltd
Priority to JP8352250A priority Critical patent/JPH10170701A/ja
Publication of JPH10170701A publication Critical patent/JPH10170701A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 水滴が付着しにくく、可視性を喪失しにくい
ガラスレンズの提供。 【解決手段】 基材表面に、光触媒性酸化物粒子とシリ
コ−ンと撥水性フッ素樹脂とを含有する実質的に透明な
表面層が形成されている、或いは光触媒性酸化物粒子と
無定型シリカと撥水性フッ素樹脂とを含有する実質的に
透明な表面層が形成されているガラスレンズであって、
なおかつその表面の水との接触角が90゜以上であるよ
うにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、眼鏡やダイビング
用ゴ−グル等に使用される水滴付着防止性を有するガラ
スレンズに関する。
【0002】
【従来の技術】眼鏡のレンズは寒冷時や雨天に可視性が
失われることがある。また眼鏡のレンズが降雨や水しぶ
きを受けて、離散した多数の水滴が表面に付着して、そ
れらの表面が翳り、ぼやけ、斑模様になり、或いは曇
り、可視性が失われることがある。さらに、ダイビング
用ゴ−グルも水中で曇りが生じたり、海水から顔を出し
た時に表面に付着した水滴により、表面が翳り、ぼや
け、斑模様になり、或いは曇り、可視性が失われること
がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明では、
水滴が付着しにくい表面を有するガラスレンズを提供す
ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記課題を
解決すべく、基材表面に、光触媒性酸化物粒子とシリコ
−ンと撥水性フッ素樹脂とを含有する実質的に透明な表
面層が形成されており、かつ前記層表面は水との接触角
が90゜以上であることを特徴とする水滴付着防止性を
有するガラスレンズを提供する。光触媒性酸化物粒子と
シリコ−ンと撥水性フッ素樹脂とを含有する表面層が形
成されている構成にすることにより、光触媒を光励起し
たときに、光触媒作用によりシリコ−ン分子中のケイ素
原子に結合した有機基が少なくとも部分的に水酸基に置
換されて親水性を呈するようになり、シリコ−ンが外気
に露出した親水性を呈する部分と、撥水性フッ素樹脂が
外気に露出した撥水性を呈する部分の双方が表面に微視
的に分散された構造となる。さらに、光触媒が存在する
ことにより、光触媒の光励起に応じてシリコ−ン分子中
のケイ素原子に結合した有機基が少なくとも部分的に水
酸基に置換されたシリコ−ンは恒久的に親水性を維持す
るので、上記親水性を呈する部分と撥水性を呈する部分
の双方が表面に微視的に分散された構造は維持される。
このような構造では、親水性表面と撥水性表面が隣接す
るため、親水性表面になじみやすい親水性の付着物は隣
接する撥水性部分になじまない。逆に撥水性表面になじ
みやすい疎水性の付着物は隣接する親水性部分になじま
ない。そのため、親水性付着物も、疎水性付着物も部材
表面に固着されることはなく、表面は清浄な状態に維持
される。従って、清浄な状態、すなわち表面層製造時に
表面の水との接触角を90゜以上にすると、その状態は
光触媒の光励起に応じて維持され、水滴が付着しにくく
なる。
【0005】基材表面に、光触媒性酸化物粒子と無定型
シリカと撥水性フッ素樹脂とを含有する実質的に透明な
表面層が形成されており、かつ前記層表面は水との接触
角が90゜以上であることを特徴とする水滴付着防止性
を兼ね備えたガラスレンズを提供する。光触媒性酸化物
粒子と無定型シリカと撥水性フッ素樹脂とを含有する表
面層が形成されている構成にすることにより、表面層中
の無定型シリカが外気に露出した親水性を呈する部分
と、撥水性フッ素樹脂が外気に露出した撥水性を呈する
部分の双方が表面に微視的に分散された構造となる。さ
らに、光触媒が存在することにより、光触媒の光励起に
応じて無定型シリカは恒久的に親水性を維持するので、
上記親水性を呈する部分と撥水性を呈する部分の双方が
表面に微視的に分散された構造は維持される。このよう
な構造では、親水性表面と撥水性表面が隣接するため、
親水性表面になじみやすい親水性の付着物は隣接する撥
水性部分になじまない。逆に撥水性表面になじみやすい
疎水性の付着物は隣接する親水性部分になじまない。そ
のため、親水性付着物も、疎水性付着物も部材表面に固
着されることはなく、表面は清浄な状態に維持される。
従って、清浄な状態、すなわち表面層製造時に表面の水
との接触角を90゜以上にすると、その状態は光触媒の
光励起に応じて維持され、水滴が付着しにくくなる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明におけるガラスレンズの一
態様においては、図1に示すように、道路鏡の表面に
は、光触媒粒子と、シリコ−ンと、撥水性フッ素樹脂を
含む表面層が形成されており、かつその表面における水
との接触角は90゜以上にする。図1に光触媒を光励起
することの可能な光が照射されると、外気に露出したシ
リコ−ンの少なくとも一部が、光触媒作用によりシリコ
−ン分子中のケイ素原子に結合した有機基が少なくとも
部分的に水酸基に置換されて親水性を呈するようにな
り、シリコ−ンが外気に露出した親水性を呈する部分
と、撥水性フッ素樹脂が外気に露出した撥水性を呈する
部分の双方が表面に微視的に分散された構造となる。さ
らに、光触媒が存在することにより、光触媒の光励起に
応じて無定型シリカは恒久的に親水性を維持するので、
上記親水性を呈する部分と撥水性を呈する部分の双方が
表面に微視的に分散された構造は維持される。従って、
このような構造になることにより、親水性付着物も、疎
水性付着物も部材表面に固着されることはなく、表面は
清浄な状態に維持される。従って、清浄な状態、すなわ
ち表面層製造時に表面の水との接触角を90゜以上にす
ると、その状態は光触媒の光励起に応じて維持され、水
滴が付着しにくくなる。
【0007】本発明の他の態様においては、図2に示す
ように、基材表面には、光触媒粒子と、無定型シリカ
と、撥水性フッ素樹脂を含む表面層が形成されており、
かつその表面における水との接触角は90゜以上であ
る。光触媒粒子と、無定型シリカと、撥水性フッ素樹脂
を含む表面層が形成されている構成にすることにより、
表面層中の無定型シリカが外気に露出した親水性を呈す
る部分と、撥水性フッ素樹脂が外気に露出した撥水性を
呈する部分の双方が表面に微視的に分散された構造とな
る。さらに、光触媒が存在することにより、光触媒の光
励起に応じて無定型シリカは恒久的に親水性を維持する
ので、上記親水性を呈する部分と撥水性を呈する部分の
双方が表面に微視的に分散された構造は維持される。従
って、このような構造になることにより、親水性付着物
も、疎水性付着物も部材表面に固着されることはなく、
表面は清浄な状態に維持される。従って、清浄な状態、
すなわち表面層製造時に表面の水との接触角を90゜以
上にすると、その状態は光触媒の光励起に応じて維持さ
れ、水滴が付着しにくくなる。
【0008】表面層製造時に表面における水との接触角
を90゜以上にするには、表面層における光触媒性酸化
物とフッ素樹脂とシリコ−ン(または無定型シリカ)の
合計量に対するフッ素樹脂の配合比を50重量%以上、
より好ましくは60重量%以上配合するようにするとよ
い。
【0009】光触媒とは、その結晶の伝導帯と価電子帯
との間のエネルギ−ギャップよりも大きなエネルギ−
(すなわち短い波長)の光(励起光)を照射したとき
に、価電子帯中の電子の励起(光励起)が生じて、伝導
電子と正孔を生成しうる物質をいい、光触媒性酸化物に
は、例えば、アナタ−ゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チ
タン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化第二鉄、三酸化二ビスマ
ス、三酸化タングステン、チタン酸ストロンチウム等の
酸化物が好適に利用できる。
【0010】ガラスレンズ基材には、眼鏡用レンズ基
材、ダイビング用ゴ−グル基材の他、サングラス基材、
写真機レンズ基材、内視鏡レンズ基材等が好適に利用で
きる。基材と中間層との間には、基材との密着性向上等
の目的で、シリカやシリコ−ン等からなる透明な中間層
を設けてもよい。
【0011】光触媒の光励起に用いる光源は、室内照明
を利用してもよいし、及び付帯設備や携帯設備として、
励起光を照射しうる光源を使用してもよい。使用する光
源には、例えば、蛍光灯、白熱電灯、メタルハライドラ
ンプ、水銀ランプ、キセノンランプ、殺菌灯等が好適に
利用できる。光触媒の光励起により、基材表面のシリコ
−ン又は無定型シリカが親水化されるためには、励起光
の照度は0.001mW/cm2以上あればよいが、
0.01mW/cm2以上だと好ましく、0.1mW/
cm2以上だとより好ましい。
【0012】シリコ−ンには、平均組成式 RpSiO(4-p)/2 (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、pは0<p<2を満足する数
である)で表される樹脂が利用できる。
【0013】撥水性フッ素樹脂には、ポリテトラフルオ
ロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリヘ
キサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン−ヘ
キサフルオロプロピレンコポリマ−等が好適に利用でき
る。
【0014】表面層の膜厚は、0.4μm以下にするの
が好ましい。そうすれば、光の乱反射による白濁を防止
することができ、表面層は実質的に透明となる。さら
に、表面層の膜厚を、0.2μm以下にすると一層好ま
しい。そうすれば、光の干渉による表面層の発色を防止
することができる。また、表面層が薄ければ薄いほどそ
の透明度は向上する。更に、膜厚を薄くすれば、表面層
の耐摩耗性が向上する。
【0015】表面層には、Ag、Cu、Znのような金
属を添加することができる。前記金属を添加した表面層
は、表面に付着した細菌や黴を暗所でも死滅させること
ができる。
【0016】表面層にはPt、Pd、Ru、Rh、I
r、Osのような白金族金属を添加することができる。
前記金属を添加した表面層は、光触媒の酸化還元活性を
増強でき、有機物汚れの分解性、有害気体や悪臭の分解
性を向上させることができる。
【0017】次に、基材表面に、光触媒性酸化物粒子と
シリコ−ンと撥水性フッ素樹脂とを含有する表面層が形
成されている防汚性部材の製法について説明する。この
場合の製法は、基本的には、基材表面にコ−ティング組
成物を塗布し、硬化させることによる。
【0018】ここでコ−ティング組成物は、光触媒粒
子、撥水性フッ素樹脂の他にシリコ−ンの前駆体を必須
構成要件とし、その他に水、エタノ−ル、プロパノ−ル
等の溶媒や、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、マレイン酸等の
シリコ−ンの前駆体の加水分解を促進する触媒や、トリ
ブチルアミン、ヘキシルアミンなどの塩基性化合物類、
アルミニウムトリイソプロポキシド、テトライソプロピ
ルチタネ−トなどの酸性化合物類等のシリコ−ンの前駆
体を硬化させる触媒や、シランカップリング剤等のコ−
ティング液の分散性を向上させる界面活性剤などを添加
してもよい。
【0019】ここでシリコ−ンの前駆体としては、平均
組成式 RpSiXq(4-p-q)/2 (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、p及びqは0<p<2、0<
q<4を満足する数である)で表されるシロキサンから
なる塗膜形成要素、又は一般式 RpSiX4-p (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、pは1または2である)で表
される加水分解性シラン誘導体からなる塗膜形成要素、
が好適に利用できる。
【0020】ここで上記加水分解性シラン誘導体からな
る塗膜形成要素としては、メチルトリメトキシシラン、
メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラ
ン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシ
ラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキ
シシラン、エチルトリブトキシシラン、フェニルトリメ
トキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニル
トリプロポキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジブトキシ
シラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキ
シシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジエチルジブ
トキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェ
ニルメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジプロポ
キシシラン、フェニルメチルジブトキシシラン、n−プ
ロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシ
シラン、n−プロピルトリプロポキシシラン、n−プロ
ピルトリブトキシシラン、γ−グリコキシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン等が好適に利用できる。
【0021】また、上記シロキサンからなる塗膜形成要
素としては、上記加水分解性シラン誘導体の部分加水分
解及び脱水縮重合、又は上記加水分解性シラン誘導体の
部分加水分解物と、テトラメトキシシラン、テトラエト
キシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシ
シラン、ジエトキシジメトキシシラン等の部分加水分解
物との脱水縮重合等で作製することができる。
【0022】上記コ−ティング組成物の塗布方法として
は、スプレ−コ−ティング法、ディップコ−ティング
法、フロ−コ−ティング法、スピンコ−ティング法、ロ
−ルコ−ティング法、刷毛塗り、スポンジ塗り等の方法
が好適に利用できる。硬化方法としては、熱処理、室温
放置、紫外線照射等により重合させて行うことができ
る。
【0023】次に、基材表面に、光触媒粒子と無定型シ
リカと撥水性フッ素樹脂とを含有する表面層が形成され
ている防汚性部材の製法について説明する。この場合の
製法は、基本的には、基材表面にコ−ティング組成物を
塗布し、硬化させることによる。
【0024】ここでコ−ティング組成物は、光触媒粒
子、撥水性フッ素樹脂の他にシリカ粒子又はシリカの前
駆体を必須構成要件とし、その他に水、エタノ−ル、プ
ロパノ−ル等の溶媒や、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、マレ
イン酸等のシリカの前駆体の加水分解を促進する触媒
や、トリブチルアミン、ヘキシルアミンなどの塩基性化
合物類、アルミニウムトリイソプロポキシド、テトライ
ソプロピルチタネ−トなどの酸性化合物類等のシリカの
前駆体を硬化させる触媒や、シランカップリング剤等の
コ−ティング液の分散性を向上させる界面活性剤などを
添加してもよい。
【0025】ここでシリコ−ンの前駆体としては、平均
組成式 SiXq(4-q)/2 (式中、Xはアルコキシ基、又は、ハロゲン原子であ
り、qは0<q<4を満足する数である)で表されるシ
リケ−トからなる塗膜形成要素、又は 一般式SiX4 (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子である)で表される4官能加水分解性
シラン誘導体からなる塗膜形成要素等が好適に利用でき
る。
【0026】ここで上記4官能加水分解性シラン誘導体
からなる塗膜形成要素としては、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、
テトラブトキシシラン、ジエトキシジメトキシシラン等
が好適に利用できる。
【0027】また、上記シリケ−トからなる塗膜形成要
素としては、上記4官能加水分解性シラン誘導体の部分
加水分解及び脱水縮重合等で作製することができる。
【0028】上記コ−ティング組成物の塗布方法として
は、スプレ−コ−ティング法、ディップコ−ティング
法、フロ−コ−ティング法、スピンコ−ティング法、ロ
−ルコ−ティング法、刷毛塗り、スポンジ塗り等の方法
が好適に利用できる。硬化方法としては、熱処理、室温
放置、紫外線照射等により重合させて行うことができ
る。
【0029】
【実施例】
参考例.アナタ−ゼ型酸化チタンゾル(日産化学、TA
−15、硝酸解膠型、pH=1)と、シリカゾル(日本
合成ゴム、グラスカA液、pH=4)と、メチルトリメ
トキシシラン(日本合成ゴム、グラスカB液)とエタノ
−ルを混合し、2〜3分撹拌して得たコ−ティング液
を、スプレ−コ−ティング法にて10cm四角のソ−ダ
ライムガラス基材上に塗布し、200℃で15分熱処理
して、アナタ−ゼ型酸化チタン粒子11重量部、シリカ
6重量部、シリコ−ン5重量部からなる表面層を形成し
た#1試料を得た。#1試料の水との接触角は85゜で
あった。ここで水との接触角は接触角測定器(協和界面
科学、CA−X150)を用い、マイクロシリンジから
水滴を滴下した後30秒後の水との接触角で評価した。
次いで#1試料表面に、紫外線光源(三共電気、ブラッ
クライトブル−(BLB)蛍光灯)を用いて0.3mW
/cm2の紫外線照度で1日照射し、#2試料を得た。
その結果、#2試料の水との接触角は0゜まで親水化さ
れた。次に、#1試料と、#1試料に水銀灯を22.8
mW/cm2の紫外線照度で2時間照射して得た#3試
料夫々の試料表面をラマン分光分析した。その結果、#
1試料表面で認められたメチル基のピ−クが#3試料で
は認められず、代わりに水酸基のブロ−ドなピ−クが認
められた。以上のことから、光触媒であるアナタ−ゼ型
酸化チタンの光励起に応じて被膜の表面のシリコ−ン分
子中のケイ素原子に結合した有機基は、光触媒作用によ
り水酸基に置換されること、及び親水化されることがわ
かる。
【0030】実施例.アナタ−ゼ型酸化チタンゾル(日
産化学、TA−15)と、シリカゾル(日本合成ゴム、
グラスカA液)と、メチルトリメトキシシラン(日本合
成ゴム、グラスカB液)とポリテトラフルオロエチレン
(PTFE)粒子(ダイキン工業、ルブロンL−5)と
エタノ−ルを混合し、2〜3時間撹拌して得たコ−ティ
ング液を、スプレ−コ−ティング法にて10cm角のソ
−ダライムガラス板上に塗布し、200℃で15分熱処
理して、アナタ−ゼ型酸化チタン粒子33重量部、ポリ
テトラフルオロエチレン粒子66重量部、シリカ6重量
部、シリコ−ン5重量部からなる表面層を形成して#4
試料を作製した。#4試料の水との接触角は110゜で
あった。次いで#4試料表面に、紫外線光源(三共電
気、ブラックライトブル−(BLB)蛍光灯)を用いて
0.3mW/cm2の紫外線照度で1日照射し、#5試
料を得た。その結果、#5試料の水との接触角は97.
2゜とさほど変化がなかった。上記参考例より、シリコ
−ンが外気に露出した部分はシリコ−ン分子中のケイ素
原子に結合した有機基は、光触媒作用により水酸基に置
換され、親水化されるはずであるから、その分だけ親水
化して水との接触角が若干減少したと考えられる。すな
わち、#5試料表面は、光触媒作用により水酸基に置換
され、親水化されたシリコ−ンが外気に露出した親水性
を呈する部分と、撥水性フッ素樹脂が外気に露出した撥
水性を呈する部分の双方が表面に微視的に分散された構
造となっていると推定される。また水との接触角が9
7.2゜と90゜以上であることにより、ガラスを傾け
ると水滴は転がりながら落下した。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、ガラスレンズ表面は、
水滴が付着しにくくなるので、眼鏡レンズ等における寒
冷時や雨天の結露水の成長による曇りや、降雨や水しぶ
きを原因とする水滴の離散的付着による可視性の喪失、
ダイビング用ゴ−グル等における付着海水を原因とする
水滴の離散的付着による可視性の喪失を有効に防止する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガラスレンズの表面構造を示す
図。
【図2】本発明に係るガラスレンズの他の表面構造を示
す図。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材表面に、光触媒性酸化物粒子とシリ
    コ−ンと撥水性フッ素樹脂とを含有する実質的に透明な
    表面層が形成されており、かつ前記層表面は水との接触
    角が90゜以上であることを特徴とする水滴付着防止性
    を有するガラスレンズ。
  2. 【請求項2】 基材表面に、光触媒性酸化物粒子と無定
    型シリカと撥水性フッ素樹脂とを含有する実質的に透明
    な表面層が形成されており、かつ前記層表面は水との接
    触角が90゜以上であることを特徴とする水滴付着防止
    性を有するガラスレンズ。
JP8352250A 1996-12-12 1996-12-12 水滴付着防止性を有するガラスレンズ Pending JPH10170701A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8352250A JPH10170701A (ja) 1996-12-12 1996-12-12 水滴付着防止性を有するガラスレンズ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8352250A JPH10170701A (ja) 1996-12-12 1996-12-12 水滴付着防止性を有するガラスレンズ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10170701A true JPH10170701A (ja) 1998-06-26

Family

ID=18422788

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8352250A Pending JPH10170701A (ja) 1996-12-12 1996-12-12 水滴付着防止性を有するガラスレンズ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10170701A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017193480A (ja) * 2016-03-22 2017-10-26 ショット アクチエンゲゼルシャフトSchott AG ガラス物品またはガラスセラミック物品、特に改善された電気光学ディスプレイ素子のための視認性を有するガラス物品またはガラスセラミック物品ならびに前記物品の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017193480A (ja) * 2016-03-22 2017-10-26 ショット アクチエンゲゼルシャフトSchott AG ガラス物品またはガラスセラミック物品、特に改善された電気光学ディスプレイ素子のための視認性を有するガラス物品またはガラスセラミック物品ならびに前記物品の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH10132483A (ja) 水滴付着防止性を有する熱交換器用フィン、及びそれを備えた熱交換器
JPH10221504A (ja) プラスチックレンズ
JPH10102444A (ja) 防汚性路面標示、及びその施工方法
JPH10182189A (ja) 建築用窓ガラス
JPH10170701A (ja) 水滴付着防止性を有するガラスレンズ
JPH10130037A (ja) 防汚性と水滴付着防止性を兼ね備えた乗物用窓ガラス
JPH10170702A (ja) 水滴付着防止性を有するプラスチックレンズ
JPH10168637A (ja) 水滴付着防止性を有するヘルメットシ−ルド
JP3024748B2 (ja) 親水性部材
JPH10131134A (ja) 防汚性と水滴付着防止性を兼ね備えた道路鏡
JPH10106311A (ja) 防汚性トンネル用照明装置
JPH10221503A (ja) ガラスレンズ
JPH10287237A (ja) 飛石事故防止性鉄道車両
JPH10228809A (ja) 前照灯カバ−
JPH10134660A (ja) 防汚性と水滴付着防止性を兼ね備えた碍子
JPH10100901A (ja) 防汚性鉄道車両
JPH10159265A (ja) 氷雪付着防止性を有する屋根材
JPH10168344A (ja) 水滴付着防止性を有する自動二輪車計器盤用カバ−、及び自動二輪車計器盤
JPH10128229A (ja) 防汚性膜構造材
JPH10102422A (ja) 防汚性高欄
JPH10127448A (ja) 水滴付着防止性を有する洗面用鏡
JPH10137149A (ja) 浴 槽
JPH10131647A (ja) 防汚性ブラインド
JPH10226766A (ja) 航空機
JPH10129428A (ja) 防汚性と水滴付着防止性を兼ね備えた車両用ミラー