JP2017193480A - ガラス物品またはガラスセラミック物品、特に改善された電気光学ディスプレイ素子のための視認性を有するガラス物品またはガラスセラミック物品ならびに前記物品の製造方法 - Google Patents

ガラス物品またはガラスセラミック物品、特に改善された電気光学ディスプレイ素子のための視認性を有するガラス物品またはガラスセラミック物品ならびに前記物品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】少なくとも1つの領域において改善された電気光学ディスプレイ素子のための視認性を有するガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントの提供。【解決手段】表面と裏面とを有するとともに、裏面上には、少なくとも領域において、特に改善された電気光学ディスプレイ素子のための視認性を有する領域において、0.1〜25質量%の間の散乱粒子の含有量を有するとともに、含ケイ素バインダーを有する少なくとも1つの層を有し、その際、前記領域、特に改善された光学的ディスプレイ素子のための視認性を有する範囲における透過率Tbは、ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントの被覆されていない領域の透過率Tuの15〜30%の間であるガラスエレメント又はガラスセラミックエレメント。【選択図】なし

Description

本発明は、ガラス物品またはガラスセラミック物品であって、特に該物品の下に配置される電気光学ディスプレイ素子のための改善された視認性を有する、例えば調理面として使用するためのガラス物品またはガラスセラミック物品、ならびに更に前記物品の製造方法に関する。
ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントは、既に長年にわたりコンロまたは家庭用品の操作パネルとして使用されている。そのうえ、ディスプレイ素子(「ディスプレイ」)をそのような調理面または操作パネルへと組み込むことは、更に発達したデジタル化に基づいて、しかしまた美観的理由からも、ますます重要性を増している。
しかし、そのようなディスプレイを組み込むにあたって難しい点は、有色で構成されていることも無色で構成されていることもあるガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントを通じたディスプレイの視認がしばしば困難になることである。ここで、斜視観察の場合に、つまり例えばガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントの面法線に対して80°の観察角で観察した場合には、ディスプレイは視認できないか、または非常に不十分に視認できるにすぎない。更に、観察角がずれることによって「光学的移動」という現象が引き起こされる、すなわち斜視観察の場合に、覆い被さったガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントに光源が投影されることにより引き起こされて、光源の位置の見掛け上の変化が生ずる。
同様に妨げとなるのは、複数の光源、特に点状の光源が使用される場合に、これらの光源は、しばしば離ればなれになっていると知覚されることである。むしろ、例えば一面を均等に照光するために、または背面照光するために、しばしば本質的により均質な光の分布が望まれている。
更に、しばしば、取り扱いを改善するためにしばしばドット加工された裏面を有するガラスセラミックエレメントの場合にまさに、そのドット加工された裏面を通じてガラスセラミックエレメントに内在する構造が光の屈折に基づいて表示の歪みを引き起こすため、高い輪郭鮮明度が可能でないという問題が生ずる。
更に先行技術からは、電気光学ディスプレイ素子をガラス製またはガラスセラミック製の操作パネルおよび/または調理面に組み込むために、様々な解決策が知られている。
例えば、独国特許第10259297号明細書(DE10259297B4)は、散乱要素を通じて導光板から光を取り出すことを記載している。この導光板は、調理面からある一定の間隔を有する。しかし、このようにして比較的均等な配光が達成できるものの、該導光板と背面照光されるガラスエレメントとの間隔から、斜視観察の場合には光を知覚できないか、または非常に不十分に知覚できるにすぎず、指定された位置は見掛け上「移動」するというように、強い視角依存性が生ずる。
更に、米国特許出願公開第2012/118870号明細書(US2012/118870A)は、ガラスセラミックの下方に配置されている照明装置を記載している。ガラスセラミックとの間隔によって、この場合も強い視角依存性が生じ、更に同様に上記の「光学的移動」が引き起こされる。
米国特許出願公開第2013/286630号明細書(US2013/286630A)においては、光導波要素が開示されている。具体的な一実施形態によれば、これらの光導波要素は、散乱層および様々なマスキング要素と組み合わせて使用することができる。その場合に散乱層は、背面照光されるべき領域の均等な照明に用いられる。しかしながら、この散乱層の構造物の上には正確な表示が得られない。更にここでも、それにより実現された照明の視角依存性については述べられていない。散乱層を含む光導波要素は、ガラスセラミックの裏面からある一定の間隔があるため、ここでも視角がずれることによってディスプレイ素子が「移動」する。
従って、ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントであって、特に背面照光されるべき領域の均等な照明が存在すると同時に、広範囲に及ぶ照明の視角非依存性があるというように、少なくとも1つの領域で改善された電気光学ディスプレイ素子のための視認性が実現されているガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントが求められている。
独国特許第10259297号明細書 米国特許出願公開第2012/118870号明細書 米国特許出願公開第2013/286630号明細書
本発明の課題は、特に少なくともある部分領域で改善された電気光学ディスプレイ素子のための視認性を有するガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントを提供することである。本発明の更なる態様は、そのようなガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントの製造方法に関する。
本発明は、驚くべきほど簡単な様式で独立形式請求項の主題によって解決される。有利な実施形態は、従属形式請求項に示されている。
本発明による、特に少なくとも1つの領域において改善された電気光学ディスプレイ素子のための視認性を有するガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントは、表面と裏面とを有する。その際、表面とは、ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントの、その使用に際して利用者側に向けられる側を指す。それに対応して、裏面とは、ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントの、その使用に際して利用者側と反対に向けられる側を指す。その裏面上には、ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントの少なくとも1つの領域に、特に改善された電気光学ディスプレイ素子のための視認性を有する領域に、0.1質量%から25質量%の間の散乱粒子の含有量を有するとともに、含ケイ素バインダー、例えばシリコーン樹脂を有する層が配置されている。380nmから780nmまでの波長領域の電磁線に関する透過率Tbは、その領域において、特に改善された電気光学ディスプレイ素子のための視認性を有する領域において、ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントの被覆されていない領域の透過率の15%から30%の間である。
散乱粒子を含む層は、本発明の範囲においては、散乱層とも呼ばれる。同様に、被覆および層の概念も同義的に使用される。
本発明のガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントでは、改善された光学的ディスプレイ素子の視認性は、以下の形で現れる:
a. ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)を通じた照明の知覚の視角依存性が低減されているので、斜視観察の場合にも照明を知覚できるだけでなく、
b. ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントの表面に対する法線に対して±5°の範囲の角度で観察した場合に照明の強度分布が均等であり、および/または
c. 観察者と反対側に存在するディスプレイ素子に対して、斜視観察の場合の、すなわち面法線に対して角度αで観察した場合の該ディスプレイ素子の表示位置につき、垂直に観察した場合の表示位置と比較して、以下の等式
から導き出される、垂直に観察した場合の表示位置と比較したずれwαだけしかずれない。この場合に、αは、観察方向と面法線との間に形成される角度を指し、かつDは、ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントの厚みを指す。
例えば、前記ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントは、市販のガラスセラミックから、例えばCERAN HIGHTRANS(登録商標)という名称またはCERAN CLEARTRANS(登録商標)という名称またはROBAX(登録商標)という名称で知られているガラスセラミックとして構成されていてよい。その際、一つ目は、可視波長領域で有色であり、後の2つは、可視波長領域で非常に低い固有色しか持たないため、例えば暖炉の覗き窓のガラスとしても使用することができる。
特に少なくとも1つの領域において改善された電気光学ディスプレイ素子のための視認性を有するガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントについて特に重要なのは、強度、特に衝撃強さである。この場合に、衝撃強さは、ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントの強度であって、表側から衝撃荷重がかかった場合に、つまり本発明によるガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントの表面に対して衝撃荷重がかかった場合に得られる強度として定義される。衝撃強さの測定のためには、いわゆる落球試験が行われる。そのために、側方寸法10×10cm2および厚さ約4mmを有する少なくとも5つの試料に、0.1質量%から25質量%の間の散乱粒子の含有量を有するとともに、含ケイ素バインダー、例えばシリコーン樹脂を有する被覆を設ける。次にそれらの試料を、ゴムで覆われた支持枠に載せるが、その際、そのゴム被覆がガラスの破片または同様のガラスもしくはガラスセラミックに傷を付ける可能性のある粒子を含まないだけでなく、試料が前記枠に挟持されずに、枠内にはめ込まれて存在することが保証されている。その後、落下台において直径36mmおよび質量200gを有する鋼球を、5cmの落下高さから始めて自由落下で表面に落下させる。その場合に、落下高さは、落下台で読み取ることができ、かつ鋼球の下面と試料の上面との間で測定される。落下高さは、それから、試料の破壊が引き起こされるまで、5cmずつ高められる。それぞれ合格した最後の落下高さを書き留める。その強度は、合格した最後の落下高さの平均値が65cmより高い場合に十分であるとみなされる。
裏面に被覆が設けられているガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントに荷重がかかった場合の衝撃強さは、特に重要であると考えられる。例えば、被覆と基材との界面領域において、ここではつまり散乱粒子を含む層とガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントとの界面領域において亀裂の発生がもたらされ得ることが知られている。このことは、例えば、被覆と基材との異なる熱膨張率によるものであるか、又は基材の表面、ここではつまりガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントの表面を、例えば微小亀裂の形成によって弱くする融接反応帯域の形成によるものである。裏面が被覆された基材に、例えば衝撃強さの場合のように表側から荷重がかかった場合に、その際、裏面の弱くなった領域に引張応力がもたらされるため、破損により該基材は壊れる。そのような「裏面被覆」によって、つまり一般的には基材の衝撃強さは低減される。そのことは、ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントにとっては特に重要である。それというのも、該ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントは、その非常に低い熱的延性に基づいて、特に熱力学的な応力が形成される傾向にあるとともに、それに基づき亀裂および/または貝殻状破面を形成する傾向にあるからである。その原因は、基材の材料と被覆との間の大きく異なる膨張率にあると推測される。更に、特に良好な付着性を有する複層は、衝撃強さを特に大きく低減させることが判明した。それは特に、基材の材料に対して特に良好に結合するか、または高い含有量のバインダーを有するような複層が該当する。
更に、被覆が基材の材料に十分に付着すべきであるだけでなく、ある程度の耐熱性も必要とされる場合には問題が生ずる。それというのも、弾性被覆材料、例えば有機塗料は、一般的に裏面上ではあまり大きな影響を及ぼさないからである。
本発明の範囲においては、層と基材との付着性は、特に該被覆が、複合層を200℃に加熱した場合に、および/または5Nの、有利には10Nの応力をかけたときに剥離を示さない場合に十分であると解釈される。
驚くべきことに、本発明の一実施形態によれば、ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントを構成する場合に、特に少なくとも1つの領域において改善された電気光学ディスプレイ素子のための視認性を有するガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントを構成する場合に、散乱粒子を0.1質量%から25質量%の間の含有量で含む層を用いると、バインダーの含有量が比較的高いにもかかわらず、十分な衝撃強さが、つまりは平均値で65cmを超える、好ましくは側方寸法10×10cm2および厚み約4mmを有する少なくとも5つの試料で直径36mmおよび質量200gを有する鋼球によって測定された衝撃強さが得られることが判明した。
本発明の一実施形態によれば、該ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントは、被覆の特定の特性が熱的負荷がかかった場合にも変化しないように構成されることが有利であり、その際、熱的負荷とは、特に少なくとも200℃の、有利には少なくとも250℃の、特に有利には270℃以上の温度で少なくとも75時間の長時間負荷を指す。そのような熱的負荷または温度負荷の後であっても、平均値で少なくとも65cmの十分な衝撃強さが更に達成されることが特に有利であり、被覆の基材への十分な付着強度が更に示されることが特に有利であり、光学的特性の変化がもたらされないことが特に有利である。
散乱粒子とは、この場合に可視光も散乱する粒子を指す。散乱粒子は、本発明の範囲においては10μmまでの粒度を有してよく、その際、本明細書での粒度とは、対象となる粒子の1つの空間方向での最大の側方の広がりを意味している。特に、本発明の範囲における散乱粒子は、小片状の粒子としても存在しうる。この場合に、粒度の記載は、最大の側方寸法に対するものであるため、例えば粒子の最大の側方寸法よりも一桁小さいことがある小片厚さは、粒度を考えるにあたり影響を及ぼさない。
散乱粒子とは、本発明の範囲においては、特に着色を示さない材料の粒子を指し、つまり本質的に380nmから780nmまでの波長領域にわたって電磁線に対して変わらない吸光係数を有するだけでなく、有利には560nmの波長で1.6より大きい屈折値を有する材料の粒子を指す。更に、散乱粒子として作用する種々の粒子の混合物を使用することも可能である。
しかしながら、本発明の範囲においては、光を散乱する、例えばミー散乱によって光を散乱する粒子だけでなく、一般的に、層中にまたは層形成材料(層マトリックスとも)中に一体化されて散乱光を発する粒子を指す。例えば、それは、自身も粗い表面を有し、従ってその表面での無秩序な反射によって種々の空間方向に光を反射し、一様な反射が得られず、むしろ無秩序な反射が得られ、従って光が散乱する粒子の場合に該当し得る。また、散乱粒子という概念には、例えば粗い表面の層、例えば微小粗さを有する表面の層がもたらされ、この場合に無秩序な反射が粒子の面上ではなく、むしろ層の面上で生ずるような粒子も含まれている。ここで驚くべきことに、ほぼ散乱されるべき可視光の波長にある、つまり200nmから800nmの間にある粒度を有する「古典的な」散乱粒子とは明らかに異なる粒度を有する粒子も、それにもかかわらず本発明の範囲においては散乱粒子として作用しうることが判明した。
任意に、本発明の一実施形態によれば、観察者とは反対側に向けられるガラスセラミックの側での微細構造の作製が更に改善され、こうして特に120dpi以上のディスプレイ素子の解像度を実現することができる。
本発明の更なる実施形態によれば、改善された電気光学ディスプレイ素子のための視認性を有するガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントの領域におけるヘイズ値は、95%より高い。その場合に、ヘイズ値は、光散乱についての尺度であり、好ましくは試料の全透過率から散乱光(ヘイズ)を計算する測定装置Haze Guard Dualによる測定によって測定される。
光点散逸性を評価するために、ストリップライトの写真画像(画像の一例は、図6に見られる)から輝度値を評価することができる。その際、写真撮影は、有利にはグレースケールカメラを用いて行われ、つまりは好ましくは人間の目に関連した輝度が、好ましくはまた色とは無関係に測定される。写真撮影に際して、LEDの間隔は、そのLEDとガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントとの間隔と互いに同じである(すなわち図3におけるd=a)という幾何学的条件が守られるべきである。その際に、LEDストリップライトは、例えばヘアライン加工されたアルミニウムから構成されていてよい金属製の土台上にある。そのLEDストリップライトは、少なくとも8つの、指定された120°の放射角度を有するLEDを備えている。適切な特性値は、2つの外側のLEDの間のLEDを結んだ線に沿っての最大強度の最小強度に対する比率(Imin/Imax)である。それらの強度がそれに沿って測定される線は、2つの外側のLED(=直線の始点と終点)によって生成される照明の強度極大によって定義される。グレイスケール写真撮影は、照明された面の5×5ピクセルの面積にわたって平均化することによる最大グレイスケールが、達成できる最大のグレイスケールの約80%であるように実施されるべきである。それらの強度は、その線に沿って、少なくとも5×5ピクセルの長方形にわたって平均化することによって測定される。その際、2つの外側のLEDを結んだ線の方向の長方形の長さはa/20であるべきであり、それに垂直方向はa/2であるべきである。それらのLEDの位置は、同じ写真画像から測定されるべきである。強度の最小値の測定は、その最小値が測定される位置の右側に少なくとも4つのLEDが存在し、その位置の左側に4つのLEDが存在するように行われる。使用されるべきカメラは、Basler AG社製のグレースケールカメラacA1920−40μmとして構成されており、そしてレンズは、Kowa GmbH社製のLM35HC Megapixelとして構成されており、それらの代わりに、同等の光学的特性および測定技術的特性を有するカメラとレンズを使用することができる。使用されるグレイスケール測定装置では、グレースケール画像は、例えばMVTec Software GmbH社製の画像評価ソフトウェアHalcon SDK Industryを用いることによって評価される。その測定は、画像が露出不足または露出過多でなければ、照明条件および照明の輝度とは無関係であることが判明した。散乱粒子を含む層の特に均質化する別形によって、写真画像における強度極大はもはや確認できない場合に、その代わりに、直線の始点と終点の測定またはLED同士の互いの間隔の測定のために、同じ幾何学において得られた、同じ面であるが散乱粒子を含まない層を示す写真画像を参照することができる。主観的な評価との比較の結果、比率Imin/Imaxが0.35より大きい、有利には0.7より大きい、特に有利には0.95より大きい場合に、それらのLEDは、もはや「目立つ」とみなされないことが分かった。上述の照明ユニットの幾何学的要求に際して、本発明による解決手段のためには、0.35より大きい、有利には0.7より大きい、特に有利には0.95より大きいImin/Imaxが得られる。
従って、本発明の好ましい一実施形態によれば、ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントは、2つの外側のLEDの間のLEDを結ぶ線に沿った最大強度の最小強度に対する比率Imin/Imax(ここで、強度はそれぞれ輝度としてグレースケールカメラによって測定される)が、0.35より大きい、有利には0.7より大きい、そして特に有利には0.95より大きいように構成され、その際、写真撮影は、好ましくは、8つのLEDを備えるストリップライトにおいて実施されており、強度の最小値の測定は、その最小値が測定される位置の右側に少なくとも4つのLEDが存在し、かつその位置の左側に4つのLEDが存在するように行われ、かつ照明された表面の5×5ピクセルの面積にわたって平均化することによる最大グレイスケールが、達成できる最大のグレイスケールの約80%であり、かつ線に沿った強度が、少なくとも5×5ピクセルの長方形にわたって平均化することによって測定され、かつ2つの外側のLEDを結ぶ線の方向の長方形の長さがa/20であり、かつそれに直交する方向はa/2であり、かつLED同士の互いの間隔が、そのLEDとガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントとの間隔と同じである。
改善された電気光学ディスプレイ素子のための視認性を有する領域は、更に区分することができる。ここで、本発明の特定の実施形態においては、そこで該ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントの下方に配置された電気光学ディスプレイ素子の個々のエレメント、例えば点状光源が、更に、例えば、それぞれの個々のエレメントに属する中央にあるより明るいコア部をより低い輝度で取り囲んでいる「光暈」の形で知覚されることができる。そのような光暈の直径は、一般的に数mmであり、例えば4mmである。そのような光暈は、この領域内に存在する光強度によって概略的に説明することができる。その際に、この部分領域中の光強度は、改善された視認性を有する領域の他の領域における光強度よりも少なくとも5パーセントポイント高く、概略的には、ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントの裏面に入射する光点の寸法によって決められてよい。従って、改善された光学的ディスプレイ素子のための視認性を有する領域は、少なくとも2つの部分領域に細分化することができ、すなわち光暈の外側(概略的に、裏面に入射する光点の半径外)にある部分領域と、光暈の内側の部分領域、または裏面に入射する光点の半径内の領域に区分することができる。
更なる一実施形態によれば、ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントは、照明強度I0に正規化された、ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントの、例えば調理面としての使用に際してその裏面の下方に配置された電気光学ディスプレイ素子の表示の、改善された光学的ディスプレイ素子のための視認性を有する領域における照明強度Iが、少なくとも1つの光源に対して垂直にある照明強度I0の少なくとも0.35倍、有利には0.7倍、特に有利には0.9倍であるように構成されている。
ガラスセラミックの本発明による実施形態の使用に際して、少なくとも1つの光源からなる電気光学ディスプレイ素子を使用することができる。本質的に点状のLEDライトを光源として使用する場合に、その際、ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントと、電気光学ディスプレイ素子または電気光学ディスプレイ素子の少なくとも2つの点状光源との間の間隔aの、少なくとも2つの点状光源の間の間隔dに対する比率は、有利には1以上の値をとる。つまり有利には、a/d≧1が当てはまる。
特に、比率a/dは2であってよく、比率Imin/Imaxは、0.7である。
本発明の更なる一実施形態によれば、散乱粒子は、200nmから800nmの間の平均一次粒度を有する。本発明の実施形態によれば、散乱粒子は、560nmの波長で1.6より大きい屈折値を有するとともに、好ましくは200nmから800nmの間の平均一次粒度を有する。
特に有利には、散乱粒子は、TiO2、ZrO2、ZnO、ZnS、PbCO3、BaSO4および/またはそれらの混合物を含む。例えば、散乱粒子は、BaSO4およびZnSと、場合により2質量%までのZnOからなる混合物であり、BaSO4とZnSの間の様々な混合比が可能なリトポンを含んでもよい。
本発明の更なる有利な実施形態によれば、含ケイ素バインダーは、シリコーン樹脂を含む。更に有利には、含ケイ素バインダーは、ポリエステル変性されたシリコーン樹脂である。
この場合に本発明の範囲においては、シリコーン樹脂とは、架橋可能な分子が存在し、これらの分子が、酸素によって互いに結合されているケイ素原子を有する化合物を指す。更に、これらの物質は、なおも付加的に、同様にケイ素原子に結合されている有機成分を有するとともに、任意になおも更なる有機官能基を有する。そのようなシリコーン樹脂は、重合しつつ硬化することが可能である。従って、シリコーン樹脂という概念には、有機ポリシロキサンも含まれる。
該層は、本発明の有利な一実施形態によれば、発色団または発色団の混合物を含む。例えば、発色団は、顔料または染料として、例えば発光性顔料または発光性染料として構成されていてよい。特に、そのような顔料は、YドープされたCe−YAG粒子またはLuAG粒子として構成されていてよい。このように、適切な照明を選択することによって、つまり放射される電磁線のスペクトルを適合させるとともに、層の散乱特性を考慮し、かつ1種以上の発光性発色団の発光特性を考慮し、かつガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントの透過率を考慮することで、照明の所望の色調を調整することができる。ガラスセラミックの裏面と電気光学ディスプレイ素子との間に取り付けられる更なるカラーフィルター、例えばカラーフィルター層の形のカラーフィルターによって、この色調の変更も可能である。
従って、本発明のなおも更なる実施形態によれば、ディスプレイ素子とガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントとの間には、少なくとも1つの更なる層が配置されている。
これらの少なくとも1つの更なる層は、異なる機能を有してよい。例えば、これらの層は、光学作用層、例えばカラーフィルターとして形成されていてよい。同様に、これらの層は、マスキング機能を、ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントの下方で場合により生ずる散乱光の漏れを遮断するとともに、ディスプレイ素子によって背面照光されるべき領域の外側に存在するガラスセラミックの領域が上方から視認できる程度に抑える形で有することができる。
特に、本発明の一実施形態によれば、これらの少なくとも1つの更なる層は、浸没層として形成されていてよい。この場合に、浸没層とは、ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントの裏面に場合により存在する構造を少なくとも部分的に埋めて、その視認性を下げる層を意味する。
有利には、散乱粒子を含む層の厚みは、1μmから50μmの間であり、有利には4μmから10μmの間である。
本発明の更なる一態様は、ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント、特に改善された光学的ディスプレイ素子のための視認性を有するガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントの製造方法に関する。その際に、該方法は、以下のステップ:
a. 表面と裏面とを有するガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントを準備するステップ、
b. 少なくとも含ケイ素バインダー、例えばシリコーン樹脂、溶剤および散乱粒子を含む液状被覆剤を準備するステップ、
c. 該液状被覆剤を、前記ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントの裏面の少なくとも1つの領域に塗布するステップ、
d. 該被覆剤を硬化させて、含ケイ素バインダー、例えばシリコーン樹脂の架橋を行うステップ、
を含む。
有利には、液状被覆剤の塗布は、ローラ塗り、流し塗り、ブレード塗り、または印刷法によって、有利にはスクリーン印刷またはインクジェット印刷によって行われる。更なる一実施形態においては、ドット加工された基材に、更なる浸没層なくして、吹き付け過程によって液状被覆剤を施すことができる。
好ましい一実施形態によれば、被覆剤は、スクリーン印刷法で塗布され、その際、その塗布は、1センチメートル当たり200本から100本の間の糸の糸数を有する、有利には1センチメートル当たり180本、140本および120本の糸の糸数を有するスクリーンによって行われる。
被覆剤の硬化は、熱的に、赤外線によって、または紫外線によって行われる。しかしながら、375℃から150℃の間の温度で少なくとも10分から最大で2時間までで行われる熱的硬化が有利である。有利には、硬化は275℃から180℃の間で行った。250℃で30分から1時間までの時間にわたる硬化が特に有利である。
本発明の範囲において塗料とも呼ばれる液状被覆剤は、硬化によって散乱粒子を含む層または散乱層へと変換される。
本発明の更なる一実施形態によれば、前記少なくとも1種の含ケイ素被覆剤は、シリコーン樹脂として構成されている。有利には、シリコーン樹脂は、縮合架橋性シリコーン樹脂として存在し、特に有利にはポリエステル変性された縮合架橋性シリコーン樹脂として存在する。
その際に、シリコーン樹脂は、本発明の更なる有利な実施形態によれば、官能基を有する。官能化された有機基として、例えばポリエステル、ポリアクリレート、エポキシド、ビニル、アクリレート、メタクリレートまたはアルカンによる修飾を使用することができる。
本発明の更なる有利な実施形態によれば、前記被覆剤は、少なくとも1種の表面活性添加剤、有利には脱気性および/または消泡性の表面活性添加剤を含む。
界面活性添加剤とは、本発明の範囲においては、被覆剤中の気泡の含有量または気泡の集合(フォーム)の含有量を、例えば既に存在する気泡を消すことによって減らすために、液状被覆剤に、少量で、つまり被覆剤の全質量に対して9質量%未満の範囲で加えられる物質を意味する。特に、本発明の範囲における界面活性添加剤とは、上述の消泡性および脱気性の添加剤を表す。
有利には、被覆剤の質量に対する添加剤の全含有量は、0.5質量%から9質量%の間であり、例えば0.5質量%から6質量%の間である。
更に、本発明の更なる一実施形態による被覆剤は、金属および/または半金属の有機化合物の加水分解物、有利には有機ケイ素化合物の加水分解物を含む。
以下に、本発明を実施例をもとにして説明する。
実施例1
0.08モルのグリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン(GPTES)および0.02モルのテトラエトキシシラン(TEOS)を、0.02モルの水で加水分解するが、その際、この水は、例えばパラトルエンスルホン酸の添加によって酸性化されていてもよい。引き続き、存在する低沸点溶剤、例えば加水分解に際して生ずるエタノールを回転蒸発器で除去する。このようにして、23.0gの加水分解物が得られる。この加水分解物に、撹拌し続けながら、11.5gのポリエステル変性されたシリコーン樹脂を添加し、更に同様に1.0gの消泡剤、1.7gのジエチレングリコールモノエチルエーテルおよび6.8gのTiO2粒子を添加する。
得られた被覆剤を、スクリーン印刷法で、ガラスセラミックエレメントのドット加工された裏面に塗布する。その際に、この裏面のドット構造は、塗料が塗られる領域において、少なくとも部分的に誘電性物質で埋められている(いわゆる浸没層)。散乱粒子を含む層のスクリーン印刷のために、180線の織物、つまり1センチメートル当たり180本の糸の糸数を有するスクリーンが使用される。硬化は、250℃で1時間にわたり行われ、その際に、その硬化は含ケイ素バインダーの架橋を含む。
このようにして得られた被覆は、該被覆の下に存在する電気光学ディスプレイ素子の視認を、斜視観察の場合にも可能にした。更に、この層で覆われた領域の照明は、照明強度I0に正規化された背面照光されるべき領域全体における光源の強度Iが、光強度I0の少なくとも0.9倍であるという意味において均等であった。但し、その場合に、個々のライトの互いの間隔が、ディスプレイ素子とガラスセラミック裏面との間隔よりも小さいことを前提とする。
更に、そのようにして被覆されたガラスセラミック試料に対して衝撃強さの調査を行った。この場合に、衝撃強さは、ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントの強度であって、上方から衝撃荷重がかかった場合に、つまり本発明によるガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントの表面上に衝撃荷重がかかった場合に得られる強度として定義される。このためには、いわゆる落球試験が行われる。そのために、側方寸法10×10cm2および厚さ約4mmを有する少なくとも5つの試料に、実施例1に相当する被覆を設ける。その次に、該試料を、ゴムで覆われた支持枠に載せたが、その際、そのゴム被覆がガラスの破片または同様のガラスもしくはガラスセラミックに傷を付ける可能性のある粒子を含まないだけでなく、更に試料が前記枠に挟持されずに存在することを保証した。その後、落下台において直径36mmおよび質量200gを有する鋼球を、5cmの落下高さから始めて自由落下で表面に落下させる。その場合に、落下高さは、落下台で読み取ることができ、かつ鋼球の下面と試料の上面との間で測定される。落下高さは、それから、試料の破壊が引き起こされるまで、5cmずつ高められる。それぞれ合格した最後の落下高さを書き留める。その強度は、合格した最後の落下高さの平均値が65cmより高い場合に十分であるとみなされる。
この落球試験は、実施例1の試料について110cmの値で合格した。
更に、該試料を、75時間の期間にわたって250℃の熱的負荷にかけた。その場合に、層の特性の変化は引き起こされなかった。
実施例2
11.5gのポリエステル変性されたシリコーン樹脂に、撹拌しながら1.0gの消泡剤および1.7gのジエチレングリコールモノエチルエーテルを加えた。更に、2.8gの散乱粒子(TiO2)を添加した。
得られた被覆剤を、スクリーン印刷法によって、ガラスセラミックエレメントのドット加工された裏面に塗布した。その際に、この裏面のドット構造は、塗料が塗られる領域において、少なくとも部分的に誘電性物質で埋められている(いわゆる浸没層)。スクリーン印刷のために、180線の織物、つまり1センチメートル当たり180本の糸の糸数を有するスクリーンが使用される。硬化は、250℃で1時間にわたり行われ、その際に、その硬化は含ケイ素バインダーの架橋を含む。
この場合にも、このようにして得られた散乱層は、その下に存在する電気光学ディスプレイ素子の視認を、斜視観察の場合にも可能にした。更に、この層で覆われた領域の照明は、照明強度I0に正規化された背面照光されるべき領域全体における光源の強度Iが、光強度I0の少なくとも0.9倍であるという意味において均等であった。但し、その場合に、個々のライトの互いの間隔が、ディスプレイ素子とガラスセラミック裏面との間隔よりも小さいことを前提とする。
そのようにして被覆されたガラスセラミックエレメントの強度は、140cmであった。該層は、270℃での75時間にわたる熱的負荷によってもその特性の変化を示さなかった。
以下に、本発明を図面をもとにしてより詳細に説明する。その場合に、同じ符号は、同じまたは等価の構成要素を示している。
本発明によるガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントの実施形態の縮尺に忠実でない概略図を示している。 本発明によるガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントの実施形態の縮尺に忠実でない概略図を示している。 本発明によるガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントの更なる一実施形態の更なる縮尺に忠実でない概略図を示している。 表示装置によって背面照光されるガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントの領域における正規化された光強度のグラフを示している。 本発明による背面照光されたガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントの写真画像を示している。 異なるガラスセラミックエレメントに関する背面照光された領域の写真画像を示している。 本発明によるものと本発明によるものではないガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントに関する光学的移動の現象の図解を示している。
図1のa)には、本発明によるガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)の一実施形態が示されている。このエレメントは、動作時に利用者側に向けられる表面(11)と、動作時に利用者と反対側に向けられる裏面(12)とを有する。裏面(12)の下方に、ディスプレイ素子(2)が配置されているが、ここでは示されていない。該ディスプレイ素子と裏面(12)との間に、散乱粒子を含み、含ケイ素バインダーを含む層(3)が配置されている。更に、ここでは示されていない電気光学ディスプレイ素子(2)と裏面(12)との間に更なる層(41,42)が配置されている。これらの層は、ここでは例えば、カラーフィルター層(41)およびマスキング層(42)として形成されている。この配置によって、該ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)は、種々の領域に区分されうる。領域(5)では、電気光学ディスプレイ素子(2)の視認性は、散乱粒子を含む層(3)が裏面(12)とディスプレイ素子(2)との間に配置されていない領域(6)に対して改善されている。領域(5)および領域(6)の間にあるここでは印されていない領域において、マスキング層(42)に基づき、主として、電気光学ディスプレイ素子(2)の視認性はもたらされていない。マスキング層(42)は、文字、数字、ロゴ、図形等が白抜きされており、こうして光る表示または光る面の形の多くの考えられるパターンを表現することができる。
更に、図1のb)は、本発明によるガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)の更なる一実施形態を示している。ここでは、裏面(12)と示されていない電気光学ディスプレイ素子(2)との間に、散乱粒子および含ケイ素バインダーを含む層(3)が配置されている。従って、その領域(5)では、ディスプレイ素子(2)のための視認性は、領域(6)に対して改善されている。マスキング層(42)がガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)の裏面(12)に直接的に施された領域(5)および領域(6)の間の印されていない領域においては、マスキングに基づき全く視認性はもたらされていない。更に、ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)の表面(11)が印されている。
図1のc)には、マスキング層(4)が、散乱粒子および含ケイ素バインダーを含む層(3)上に施与された本発明によるガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)の一実施形態の更なる縮尺に忠実ではない概略図を見ることができる。更に、領域(5)および領域(6)ならびにガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)の裏面(12)および表面(11)が印されている。
驚くべきことに、本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つの領域において改善された電気光学ディスプレイ素子のための視認性を有するガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)を構成する場合に、散乱粒子を0.1質量%から25質量%の間の含有量で含む層(3)を用いると、バインダーの含有量が比較的高いにもかかわらず、十分な衝撃強さが、つまりは平均値で65cmを超える衝撃強さ、好ましくは側方寸法10×10cm2および厚み約4mmを有する少なくとも5つの試料で直径36mmおよび質量200gを有する鋼球によって測定された衝撃強さが得られることが判明した。
本発明の一実施形態によれば、該ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)は、被覆(3)の特性が熱的負荷がかかった場合にも変化しないように構成されることが有利であり、その際、熱的負荷とは、特に少なくとも200℃の、有利には少なくとも250℃の、特に有利には270℃以上の温度で少なくとも75時間の長時間負荷を指す。そのような熱的負荷または温度負荷の後であっても、平均値で少なくとも65cmの十分な衝撃強さが更に達成されることが特に有利であり、被覆の基材への十分な付着強度が更に示されることが特に有利であり、光学的特性の変化が生じないことが特に有利である。
図2のa)は、本発明によるガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)の一実施形態の更なる縮尺に忠実でない概略図を示している。その場合に、(描かれていない)電気光学ディスプレイ素子(2)のための視認性が、領域(6)に対して改善されている領域(5)が示されている。その場合に、領域(5)において、散乱粒子および含ケイ素バインダーを含む層(3)が配置されている。
図2のb)においては、本発明の一実施形態の更なる縮尺に忠実でない概略を見ることができる。その場合に、該ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)は、表面(11)および裏面(12)を有し、その際、該裏面(12)はここでドット状に形成されている。領域(5)において、電気光学ディスプレイ素子(2)(図示せず)および裏面(12)の間に、散乱粒子および含ケイ素バインダーを含む層(3)が配置されている。更にここでは、マスキング機能を有する層(42)およびカラーフィルタとして機能する層(41)が印されている。これらの層は、それぞれ同様に、電気光学ディスプレイ素子(2)とガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)の裏面(12)との間に配置されている。その領域(5)では、電気光学ディスプレイ素子(2)のための視認性は、領域(6)と比較して改善されている。領域(5)と領域(6)との間に配置されている、ここでは印されていない領域であって、マスキング層(42)が配置されている領域においては、その場合にこの層のマスキング作用に基づいて、電気光学ディスプレイ素子の視認性は全くもたらされていない。
最後に、図2のc)は、本発明によるガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)の更なる縮尺に忠実でない概略図を示している。図2のb)に示されているガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)に加えて、ここでは更に、いわゆる浸没層としてここでは裏面(12)の構造を少なくとも部分的に埋める層(43)が配置されている。
図3においては、表面(11)および裏面(12)を有するガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)の図を、縮尺に忠実でない概略図で見ることができる。裏面(12)の下方に、ここでは例として様々な光源(21)を含む電気光学ディスプレイ素子(2)が形成されている。これらの互いの光源は、互いの間隔dで配置されている。更に、電気光学ディスプレイ素子(2)は、ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)の裏面(12)との間隔aを有し、この間隔は、ディスプレイ素子と層(3)の裏面(31)との間の間隔として生ずる。一般的に、層(3)の層厚は、マイクロメートルの範囲であり、それゆえ、裏面(12)と電気光学ディスプレイ素子との間の間隔aを近似的にとることができ、その間隔は、一般的に層(3)の厚みまたは裏面(12)とディスプレイ素子(2)との間に配置される層の層厚の合計よりも少なくとも2桁大きい。その場合に、層(3)は、改善された電気光学ディスプレイ素子(2)のための視認性がもたらされている領域(5)に配置されている。
図4においては、ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)の背面照射される領域に関する電気光学ディスプレイ素子(2)の光源(21)の正規化された強度のグラフを見ることができる。その際に、(7)で示される曲線は、本発明によるガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)に関する光源(21)の、a対dの比率が少なくとも1である場合の正規化された強度Iを示している。その正規化された強度Iは、ここでは常に、垂直に観察した場合に光源の直上で行われる、ここでは例えば4、5、6、7、8、9および10の位置での強度I0の少なくとも0.9倍である。(8)で示された強度推移の曲線は、それに対して、光源(21)のそれとは異なる幾何学的配置が表面(31)に対して存在する場合の強度の変動を示している。
図5は、本発明によるガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントの背面照光された領域の写真画像を示している。その場合に、この撮影は、ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)の表面(11)上で面法線に対して80°の角度で行われた。背面照光された領域は、斜視観察の場合にもなおも良好に視認できる。
更に、図6は、2つの異なるガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)の写真画像を示している。その際に、図6のa)においては、領域(5)に被覆が設けられたガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)(図示せず)を見ることができる。そのことは、光源(21)が、上方から観察した場合に更にそれ自体が明らかに認識できることにより明らかである(光源(21)の周りにある種の光暈を示す例示的に番号が振られた領域(52)を参照のこと)。ここで例示的に示される2つの領域(52)または2つの光暈の間に、同様に示される間隔Iが定義されている。ここでは2つだけが書き込まれている領域(52)の外側に、領域(51)がある。その場合に、図6のa)および図6のb)の領域(5)の散乱粒子を含む被覆は、散乱粒子の割合の点で異なる。例として、ここで示される領域(52)または光暈の直径は4mmである。しかし、この値は、使用される光源に応じて様々である。
ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)の下方の写真図では、改善された電気光学ディスプレイ素子(5)のための視認性を有する領域における、本発明の有利な一実施形態による散乱層(3)を有するガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)の図解に関連している。ここでも領域(52)が表示されているが、これらは、もはや領域(51)とは視覚上差が無い。従って、領域全体(5)が、均等に照明されている。
光点散逸性を評価するために、例として図6に描かれているストリップライトの写真画像から輝度値を評価することができる。適切な特性値は、2つの外側のLEDの間のLEDを結んだ線に沿っての最小強度の最大強度に対する比率、つまりImin/Imaxである。相応の値は、以下の表に列挙されている。
この場合に、「粒子」の列においては、使用される粒子が挙げられており、これは、2種の異なる二酸化チタン別形とTiO2含有粒子である。簡潔にするために、散乱粒子は、表中では単に「粒子」と呼んでいる。割合は質量%で示されている。更に、LMは、液状被覆剤に任意に添加される溶剤を示し、同様に質量%で示されている。スクリーンに関しては、使用されるメッシュ数が示されている。温度は℃で示されており、焼き付け温度を示している。
そのようにして製造された試料を視覚的に調査した場合に、結果として、比率Imin/Imaxが0.95より大きい場合に、個々の点状光源(21)はもはや「視認できる」とは評価されない、すなわちは「光暈」または領域(52)はもはやそれ自体知覚できないということが分かる。
ここでは写真撮影は、グレースケールカメラを用いて行われる。人間の目に関連した輝度を測定した。写真撮影に際して、LED同士の互いの間隔が、そのLEDとガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントとの間隔と同じである(すなわち図3におけるd=a)という幾何学的条件が守られた。その際に、LEDストリップライトは、例えばヘアライン加工されたアルミニウムから構成されていてよい金属製の土台上にある。そのLEDストリップライトは、少なくとも8つの、指定された120°の放射角度を有するLEDを備えている。適切な特性値は、2つの外側のLEDの間のLEDを結んだ線に沿っての最大強度の最小強度に対する比率(Imin/Imax)である。それらの強度がそれに沿って測定される線は、2つの外側のLED(=直線の始点と終点)によって生成される照明の強度極大によって定義される。グレイスケール写真撮影は、照明された面の5×5ピクセルの面積にわたって平均化することによる最大グレイスケールが、達成できる最大のグレイスケールの約80%であるように実施した。それらの強度は、その線に沿って、少なくとも5×5ピクセルの長方形にわたって平均化することによって測定した。その際、2つの外側のLEDを結んだ線の方向の長方形の長さはa/20であるべきであり、それに直交する方向はa/2であるべきである。それらのLEDの位置は、同じ写真画像から測定されるべきである。強度の最小値の測定は、その最小値が測定される位置の右側に少なくとも4つのLEDが存在し、その位置の左側に4つのLEDが存在するように行った。使用されたカメラは、Basler AG社製のグレースケールカメラacA1920−40μmとして構成されており、そしてレンズは、Kowa GmbH社製のLM35HC Megapixelとして構成されている。それらの代わりに、同等の光学的特性および測定技術的特性を有するカメラとレンズを使用することもできる。使用されるグレイスケール測定装置では、グレースケール画像は、本実施例においては、MVTec Software GmbH社製の画像評価ソフトウェアHalcon SDK Industryを用いることによって評価した。
更に、図7において、いわゆる「光学的移動」の現象をより詳しく表している。
ここで図7のa)およびb)は、ここでは両側が平滑に形成されているガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)を縮尺に忠実でない概略図でそれぞれ示している。更に、ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)は、両者の観察者B1およびB2の側に向けられた表面(11)と、観察者B1、B2と反対側に向けられた裏面(12)とを有する。ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)の厚みは、ここではDの値を有する。
本発明によるものではないガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)を示す図7のa)においては、ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)の裏面(12)との間隔hにおいてマスキング(9)が配置されているが、その際、そのような、例えば遮光板の形のマスキング(9)は必ず存在せねばならないわけではない。2つのマスキング(9)の間に、ディスプレイ素子(2)が配置されており、ここでは少なくとも1つの点状光源(21)を含むものとして例示されている。
しかしながら、一般的に、ここで示される、少なくとも1つの点状光源(21)を含むディスプレイ素子(2)の例に制限されることなく、そのディスプレイ素子は、ディスプレイとして形成されていてもよい。
該ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)は、ここで背面照光される。その際、光は、2つのマスキング(9)の間に配置されているディスプレイ素子(2)から出ている。
どの角度で背面照光されたガラスセラミックの観察が行われるかに応じて、これで背面照光された場所の位置は「移動する」ように見える。この場合に観察角αは、観察方向と面法線との間に挟まれた角度(観察角)を示す。
ディスプレイ素子(2)の位置または背面照光される場所の位置の移動とは、この場合に、ディスプレイ素子の実際の位置Otと見掛けの位置Owとが、特にずれwαだけずれていることを表す。この場合にOwは、図7のa)においては観察者B2についてだけ示されている。
図7のa)では、観察者B1は、ガラスセラミックを角度α=0°で観察する。ディスプレイ素子(2)の実際の位置Otと、ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)上へのディスプレイ素子(2)の投影、つまり見掛け上の位置Owは、その場合には重なり合う、すなわちはα=0°の場合のずれwαは0である。ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)を角度α≠0°で観察する観察者B2の場合に、該ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)での光の屈折によって引き起こされて、光源の実際の位置とガラスセラミック上への投影とはもはや重なり合わないこととなる。むしろ、ディスプレイ素子の実際の位置と見掛け上の位置とは、特にずれwαだけずれる。このずれは、図7のa)に表される配置の場合には、
で計算される。
本発明によるガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)が表されている図7のb)では、その裏面(12)に対して散乱粒子を含む層(3)が領域(5)に配置されている。この層(3)によって、光学的移動は低減され、そしてずれwαは、該ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)を角度αで観察する観察者B2については、
だけで導き出される。
tとOwとの間隔によって決定される、この場合に図7のb)でも同様に観察者B2についてしか示されないずれwαは、従ってここでは、ガラスセラミックの厚さによってのみ決められ、そして図7のa)の場合に比べて明らかに低減される。それというのも、ディスプレイ素子または光源とガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)の裏面との間の間隔は、もはや重要ではないからである。
1 ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント、 11 ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントの表面、 12 ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントの裏面、 2 電気光学ディスプレイ素子、 21 電気光学ディスプレイ素子中の光源、 3 散乱粒子を含む層、 31 層(3)の裏面、 4 更なる層、 41 カラーフィルタ層として形成された層(4)、 42 マスキング層として形成された層(4)、 43 浸没層として形成された層(4)、 5 改善された視認性を有する領域、 51 領域(5)の内側で光暈(52)の外側にある領域、 52 領域(5)の内側にある領域、つまり光暈、 6 不変の視認性を有する領域、 7,8 背面照光された領域における正規化された強度Iの推移、 9 マスキング、 B1,B2 観察者、 α 観察角、 wα ずれ、 Ot 光源/ディスプレイ素子の実際の位置、 Ow 光源/ディスプレイ素子の見掛け上の位置、 h 光源/ディスプレイ素子とガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントの裏面との間の間隔、 D ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメントの厚み

Claims (19)

  1. 表面(11)と裏面(12)とを有する、ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)、特に少なくとも1つの領域(5)において改善された電気光学ディスプレイ素子のための視認性を有するガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)であって、
    前記表面(11)とは、該ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)の、使用に際して利用者側に向けられる側を指し、かつ
    前記裏面(12)とは、その使用に際して利用者側とは反対に向けられる側を指し、
    かつ裏面(12)上には、少なくとも前記領域(5)において、特に改善された電気光学ディスプレイ素子のための視認性を有する領域において、0.1質量%から25質量%の間の散乱粒子の含有量およびシリコーン樹脂を有する少なくとも1つの層(3)を有し、その際、前記領域(5)、特に改善された光学的ディスプレイ素子のための視認性を有する領域における透過率Tbは、ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)の被覆されていない領域の透過率Tuの15%から30%の間である、ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)。
  2. ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)の衝撃強さは、好ましくは、側方寸法10×10cm2および厚さ約4mmを有する少なくとも5つの試料で、直径36mmおよび質量200gを有する鋼球によって測定されて、平均値で少なくとも65cmである、請求項1に記載のガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)。
  3. 被覆の特定の特性が、熱的負荷がかかった場合にも変化せず、その際、熱的負荷とは、特に少なくとも200℃の、有利には少なくとも250℃の、特に有利には270℃以上の温度で少なくとも75時間の長時間負荷を指し、かつ特に有利には、そのような熱的負荷または温度負荷の後であっても、平均値で少なくとも65cmの十分な衝撃強さが更に達成され、特に有利には該被覆の基材への十分な付着強度が更に示され、かつ特に有利には、光学的特性の変化が生じない、請求項1または2に記載のガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)。
  4. 角度αで斜視観察した場合のディスプレイ素子(2)の表示位置(Ow)が、垂直に観察した場合の表示位置(Ot)に比べて、以下の等式
    [式中、Dは、ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)の厚みを示し、かつnは、ガラスの屈折値を指す]から導き出される、ずれwαだけずれる、請求項1から3までのいずれか1項に記載のガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)。
  5. 領域(5)におけるヘイズ値は、好ましくは測定装置Haze Guard Dualによって測定されて、95%より高い、請求項1または2に記載のガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)。
  6. 2つの外側のLEDの間のLEDを結ぶ線に沿った最大強度の最小強度に対する比率Imin/Imax(ここで、強度はそれぞれ輝度としてグレースケールカメラによって測定される)が、0.35より大きい、有利には0.7より大きい、そして特に有利には0.95より大きい、請求項1から5までのいずれか1項に記載のガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)。
  7. 照明強度I0に正規化された、電気光学ディスプレイ素子(2)の改善された視認性を有する領域(5)における表示の照明強度Iが、少なくとも1つの光源(21)に対して垂直にある照明強度I0の少なくとも0.35倍、有利には0.7倍、特に有利には0.9倍である、請求項1から6までのいずれか1項に記載のガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)。
  8. 少なくとも1つの光源(21)が、点状光源として形成されている、請求項7に記載のガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)。
  9. 電気光学ディスプレイ素子(2)が、互いに間隔aで配置されている少なくとも2つの点状光源(21)を備え、かつ有利にはガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)と少なくとも2つの点状光源(21)との間の間隔aの、少なくとも2つの点状光源(21)の間の間隔dに対する比率が、1またはそれより大きい値をとる、請求項7または8に記載のガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)。
  10. 散乱粒子は、560nmの波長で1.6より大きい屈折値を有するとともに、好ましくは200nmから800nmの間の平均一次粒度を有する、請求項1から9までのいずれか1項に記載のガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)。
  11. 散乱粒子は、TiO2、ZrO2、ZnO、ZnS、PbCO3、BaSO4および/またはそれらの混合物、例えばリトポンを含む、請求項1から10までのいずれか1項に記載のガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)。
  12. 層(3)は、発色団または発色団の混合物、例えば発光性顔料および/または発光性染料を含む、請求項1から11までのいずれか1項に記載のガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)。
  13. ディスプレイ素子(2)とガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)との間に、少なくとも1つの更なる層(4,41,42,43)が配置されている、請求項1から12までのいずれか1項に記載のガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)。
  14. 層(3)の厚みが、1μmから50μmの間であり、有利には4μmから10μmの間である、請求項1から13までのいずれか1項に記載のガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)。
  15. ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)、特に改善された電気光学ディスプレイ素子(2)のための視認性を有するガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)の製造方法であって、以下のステップ:
    a. 表面(11)と裏面(12)とを有するガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)を準備するステップ、
    b. 少なくとも1種のシリコーン樹脂、溶剤および散乱粒子を含む液状被覆剤を準備するステップ、
    c. 該液状被覆剤を、前記ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)の裏面(11)の少なくとも1つの領域(5)に塗布するステップ、
    d. 該被覆剤を硬化させて、シリコーン樹脂の架橋を行うステップ、
    を含む、製造方法。
  16. 硬化は、熱的に375℃から150℃の間の温度で少なくとも10分から最大で2時間までの期間で行われ、有利には275℃から180℃の間で、特に有利には250℃で30分から1時間までの時間にわたって行われる、請求項15に記載の方法。
  17. 前記シリコーン樹脂は、縮合架橋性シリコーン樹脂として、有利にはポリエステル変性された縮合架橋性シリコーン樹脂として形成されており、その際、有利には該シリコーン樹脂は、官能基を有する、請求項15または16に記載の方法。
  18. 前記被覆剤は、金属および/または半金属の有機化合物の加水分解物、有利には有機ケイ素化合物の加水分解物を含む、請求項15から17までのいずれか1項に記載の方法。
  19. 請求項15から18までのいずれか1項に記載の方法において製造された、または製造できる、ガラスエレメントまたはガラスセラミックエレメント(1)。
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