JP2021092693A - カバーガラス - Google Patents

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隆義 齊藤
Takayoshi Saito
隆義 齊藤
耕司 池上
Koji Ikegami
耕司 池上
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Abstract

【課題】意匠性に優れるカバーガラスを提供する。
【解決手段】ガラス基板2と、ガラス基板2上に設けられているアンチグレア層3と、を備え、光を入射角度60°で入射させたときの反射散乱分布において、反射角度をXとし、正反射の反射角度をX=0°とし、反射角度Xにおける散乱光の強度をIとし、散乱光の強度の最大値をIMaxとし、反射角度Xにおける散乱光分布値をY(X)とし、Y(X)=log10(I/IMax)+10としたときに、−5°≦X≦5°の角度範囲における散乱光分布値の積分値が71以上、90以下であり、−25°≦X≦−20°及び20°≦X≦25°の角度範囲における散乱光分布値の積分値が50以上、70以下であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、アンチグレア機能を有するカバーガラスに関する。
カバーガラスは、携帯電話機、タブレット端末、テレビやデジタルサイネージ等のディスプレイに広く用いられている。このようなディスプレイの視認性は、外光の映り込みなどにより劣化することがある。そのため、ディスプレイの視認性を高める様々な試みがなされている。例えば、下記の特許文献1には、アンチグレア処理された透明基体の光学特性を評価する方法が開示されている。この方法においては、防眩性指標値及びぎらつき指標値が評価の指標として用いられている。
国際公開第2015/174132号
近年では、カバーガラスは、例えば車載用等の用途においては、視認性以外にも意匠性が求められる。具体的には、例えば、スピードメータ類のクラスタディスプレイでは、環境光等の映り込みを防眩する特性が求められる一方、CID(センターインフォメーションディスプレイ)には、適度な光沢感、色目等のインテリアデザインの一部としての特性が求められる。
しかしながら、従来の防眩性が高められたカバーガラス等においては、意匠性を十分に高めることは困難であった。また、従来のカバーガラス等の光学特性の指標では、意匠性を定量的に評価すること自体が困難であった。
本発明の目的は、意匠性に優れるカバーガラスを提供することにある。
本発明に係るカバーガラスは、ガラス基板と、ガラス基板上に設けられているアンチグレア層と、を備え、光を入射角度60°で入射させたときの反射散乱分布において、反射角度をXとし、正反射の反射角度をX=0°とし、反射角度Xにおける散乱光の強度をIとし、散乱光の強度の最大値をIMaxとし、反射角度Xにおける散乱光分布値をY(X)とし、Y(X)=log10(I/IMax)+10としたときに、−5°≦X≦5°の角度範囲における散乱光分布値の積分値が71以上、90以下であり、−25°≦X≦−20°及び20°≦X≦25°の角度範囲における散乱光分布値の積分値が50以上、70以下であることを特徴とする。
光を入射角度60°で入射させたときの反射散乱分布が、反射角度Xが0°のときに散乱光分布値がY=10となるピーク波形部を有し、反射散乱分布において、ピーク波形部における下端部の散乱光分布値YをYとし、光沢感評価値をBとし、B=10−Yとしたときに、1.5≦B≦5であることが好ましい。
アンチグレア層が凹凸構造を有し、凹凸構造が、第1の凹凸周期成分と、第1の凹凸周期成分よりも凹凸の周期が短い第2の凹凸周期成分とを有し、第2の凹凸周期成分が第1の凹凸周期成分に含まれていることが好ましい。
アンチグレア層の組成が、チタン及びシリコンを含有することが好ましい。
本発明によれば、定量的な評価に基づく、意匠性に優れるカバーガラスを提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係るカバーガラスの正面断面図である。 本発明の第1の実施形態におけるアンチグレア層の凹凸構造を説明するための模式図である。 反射散乱分布の測定の方法を説明するための模式的斜視図である。 本発明の実施例1に係るカバーガラスの、光を入射角度60°で入射させたときの反射散乱分布を示す図である。 本発明の実施例2に係るカバーガラスの、光を入射角度60°で入射させたときの反射散乱分布を示す図である。 本発明の実施例3に係るカバーガラスの、光を入射角度60°で入射させたときの反射散乱分布を示す図である。 比較例1のカバーガラスの、光を入射角度60°で入射させたときの反射散乱分布を示す図である。 比較例2のカバーガラスの、光を入射角度60°で入射させたときの反射散乱分布を示す図である。 比較例3のカバーガラスの、光を入射角度60°で入射させたときの反射散乱分布を示す図である。 比較例4のカバーガラスの、光を入射角度60°で入射させたときの反射散乱分布を示す図である。 実施例1のカバーガラスにおけるアンチグレア層の粗さ曲線及びうねり曲線を示す図である。 実施例2のカバーガラスにおけるアンチグレア層の粗さ曲線及びうねり曲線を示す図である。 実施例3のカバーガラスにおけるアンチグレア層の粗さ曲線及びうねり曲線を示す図である。 比較例1のカバーガラスにおけるアンチグレア層の粗さ曲線及びうねり曲線を示す図である。
以下、好ましい実施形態について説明する。但し、以下の実施形態は単なる例示であり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また、各図面において、実質的に同一の機能を有する部材は同一の符号で参照する場合がある。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るカバーガラスの正面断面図である。カバーガラス1は、ガラス基板2と、アンチグレア層3とを備える。アンチグレア層3は、外光の映り込み等を抑制する、いわゆる防眩効果を付与するために設けられている。
ガラス基板2は、第1の主面2a及び第2の主面2bを有する。第1の主面2a及び第2の主面2bは対向し合っている。本実施形態において、ガラス基板2は、略矩形板状の形状を有する。もっとも、ガラス基板2は、例えば略円板状等の形状を有していてもよく、形状は特に限定されない。ガラス基板2の厚みは、光透過率などに応じて適宜設定することができる。ガラス基板2の厚みは、例えば、0.1mm〜3mm程度とすることができる。なお、ガラス基板2の厚みは上記に限定されない。
ガラス基板2に用いられるガラスとしては、特に限定されないが、例えば、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス、アルミノシリケートガラス、化学強化ガラス等を挙げることができる。
ガラス基板2の第1の主面2a上に、上記アンチグレア層3が設けられている。本実施形態においては、アンチグレア層3は無機膜である。アンチグレア層3は凹凸構造を有する。このようなアンチグレア層3は、無機塗料をガラス基板2上に塗布することにより形成することができる。本実施形態においては、アンチグレア層3は、無機塗料をスプレーにより塗布することによって形成されている。もっとも、無機塗料の塗布の方法は上記に限定されない。
無機塗料の溶媒としては、例えば、水、アルコール等を用いることができる。また、無機塗料としては、シリカ前駆体、アルミナ前駆体、ジルコニア前駆体、チタニア前駆体等が含まれている。
シリカ前駆体としては、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン等のアルコキシシラン、アルコキシシランの加水分解縮合物(ゾルゲルシリカ)、シラザン等が挙げられ、防眩効果をより高める観点からは、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン等のアルコキシシラン、それらの加水分解縮合物の少なくとも一種が好ましく、テトラエトキシシランの加水分解縮合物がより好ましい。
アルミナ前駆体としては、アルミニウムアルコキシド、アルミニウムアルコキシドの加水分解縮合物、水溶性アルミニウム塩、アルミニウムキレート等が挙げられる。
ジルコニア前駆体としては、ジルコニウムアルコキシド、ジルコニウムアルコキシドの加水分解縮合物等が挙げられる。
チタニア前駆体としては、チタンアルコキシド、チタンアルコキシドの加水分解縮合物等が挙げられる。
無機塗料は、無機粒子を含んでいてもよい。無機粒子としては、例えば、シリカ粒子、アルミナ粒子、ジルコニア粒子、チタニア粒子、ハフニア粒子、イットリア粒子等が挙げられる。
本実施形態のアンチグレア層3の形成に用いられる無機塗料はシリカ前駆体を含む。よって、アンチグレア層3の組成は、シリコンを含有している。
図2は、第1の実施形態におけるアンチグレア層の凹凸構造を説明するための模式図である。
アンチグレア層3の凹凸構造は、図2中の破線で示す、第1の凹凸周期成分3Aを有する。さらに、アンチグレア層3は、図2中の実線で示す、第2の凹凸周期成分3Bを有する。第1の凹凸周期成分3Aの凹凸の周期よりも、第2の凹凸周期成分3Bの凹凸の周期は短い。具体的には、第1の凹凸周期成分3Aの一周期分の凹凸中に、第2の凹凸周期成分3Bの複数周期分の凹凸が含まれている。なお、図2においては、第1の凹凸周期成分3Aの変位と第2の凹凸周期成分3Bの変位は、互いに独立して示されている。アンチグレア層3の凹凸構造の表面の変位は、第1の凹凸周期成分3Aの変位と第2の凹凸周期成分3Bの変位とが合成された変位である。本実施形態では、第2の凹凸周期成分3Bにおける変位は、第1の凹凸周期成分3Aにおける変位よりも大きい。
なお、第2の凹凸周期成分3Bの変位の曲線は粗さ曲線に相当する。第1の凹凸周期成分3Aの変位の曲線はうねり曲線に相当する。第1の凹凸周期成分3Aの変位と第2の凹凸周期成分3Bの変位とが合成された変位の曲線は、断面曲線に相当する。上記粗さ曲線、うねり曲線及び断面曲線は、JIS B 0601:2001に基づく。
カバーガラス1は、上記アンチグレア層3を備え、所定の反射散乱分布を呈する。もっとも、アンチグレア層3における凹凸構造は上記に限定されるものではない。
本発明者は、カバーガラスにおける反射散乱分布と、ぼやかし感、かすみ感及び光沢感との相関関係を見出した。ぼやかし感とは、外光の映り込みの輪郭がぼやけることによる意匠性をいう。ぼやかし感は、正反射成分近傍の光散乱成分により評価することができる。かすみ感とは、画面において全体的にかすみがかった感覚による意匠性をいう。かすみ感は、大きな反射角度における光散乱成分により評価することができる。光沢感は、正反射成分により評価することができる。
具体的には、上記反射散乱分布は、光を入射角度60°で入射させたときの反射散乱分布である。ここで、反射角度をXとし、光を入射角度60°で入射させたときの正反射の反射角度をX=0°とする。反射角度Xにおける散乱光の強度をIとし、散乱光の強度の最大値をIMaxとし、反射角度Xにおける散乱光分布値をY(X)とし、Y(X)=log10(I/IMax)+10とする。−5°≦X≦5°を第1の角度範囲Xとし、−25°≦X≦−20°及び20°≦X≦25°を第2の角度範囲Xとする。さらに、第1の角度範囲Xにおける散乱光分布値Yの積分値を第1の積分値Aとし、第2の角度範囲Xにおける散乱光分布値Yの積分値を第2の積分値Aとする。
第1の角度範囲Xにおける第1の積分値Aが71以上である場合には、ぼやかし感に優れる。一方で、第1の積分値Aが90以下である場合には、ディスプレイの解像度の劣化を抑制することができる。第1の積分値Aは、72以上、80以下であることが好ましく、72以上、76以下であることがより好ましい。これらの場合には、解像度を劣化させることなく、ぼやかし感に、より一層優れる。
第2の角度範囲Xにおいて、第2の積分値Aが50以上である場合には、かすみ感に優れる。一方で、第2の積分値Aが70以下である場合には、明るい場所における、ディスプレイのコントラストの劣化を抑制することができる。第2の積分値Aは、50以上、55以下であることが好ましく、50以上、53以下であることがより好ましい。これらの場合には、明るい場所におけるコントラストを劣化させることなく、かすみ感に、より一層優れる。
本実施形態の、光を60°で入射させたときの反射散乱分布では、X=0°において散乱光の強度Iが最大値IMaxとなる。よって、上記反射散乱分布は、反射角度Xが0°のときに、散乱光分布値Yが10となるピーク波形部を有する。ここで、ピーク波形部における下端部の散乱光分布値YをYとし、光沢感評価値をBとし、B=10−Yとする。1.5≦Bである場合に、光沢感に優れる。一方で、B≦5である場合に、十分な防眩効果を得ることができる。
なお、本明細書において、反射散乱分布におけるピーク波形部の下端部は、正反射成分と光散乱成分との境界である。
本実施形態の特徴は、光を60°で入射させたときの反射散乱分布において、第1の積分値Aが71以上、90以下であり、第2の積分値Aが50以上、70以下であることにある。それによって、カバーガラス1は、ぼやかし感及びかすみ感の双方に優れる。このように、カバーガラス1は、定量的な評価に基づいた優れた意匠性を備える。この詳細を以下において説明する。なお、以下においては、第1の実施形態の構成を有するカバーガラス1を、実施例1のカバーガラスとして記載することがある。
第1の実施形態の構成を有する実施例1のカバーガラス1の反射散乱分布は、図3に模式的に示すように、ゴニオメータ式の変角光度計4を用いて測定した。光源5から、波長520nmの光を、入射角度60°でカバーガラス1に入射させた。入射光はS偏光とし、入射光のスポット径はφ2mmとした。ディテクタ6のアパーチャアングルは0.3°とした。なお、上記反射散乱分布は、少なくとも入射光の波長が500nm〜550nmにおいては大きく変化しないことがわかっている。
図4は、実施例1のカバーガラスの、光を入射角度60°で入射させたときの反射散乱分布を示す図である。図4において、カバーガラスの第1の角度範囲Xにおいては、散乱光分布値Yの第1の積分値Aは72である。第2の角度範囲Xにおいては、散乱光分布値Yの第2の積分値Aは53である。よって、ぼやかし感及びかすみ感の双方に優れる。
さらに、図4に示すように、カバーガラスに光を入射角度60°で入射させたときの反射散乱分布は、矢印Pに示すピーク波形部を有する。ピーク波形部の頂点が、X=0°に位置していることがわかる。さらに、ピーク波形部の頂点においてY=10であることがわかる。このピーク波形部は、矢印Dに示す下端部を有する。図4中の破線は、ピーク波形部における下端部の散乱光分布値Yを示す。実施例1においては、Y=7.7である。そのため、光沢感評価値Bは、B=10−7.7=2.3であり、B≧1.5である。従って、実施例1のカバーガラスは、ぼやかし感及びかすみ感の双方に優れるだけでなく、光沢感にも優れる。
以下において、本発明の一実施形態の構成を有する実施例2及び3のカバーガラス及び比較例1〜4のカバーガラスの反射散乱分布を示す。なお、上記各カバーガラスの反射散乱分布は、実施例1のカバーガラスと同様にして測定した。
ここで、実施例2のカバーガラスは、アンチグレア層の組成がシリコン及びチタンの双方を含むことを除き、第1の実施形態のカバーガラス1と同様の構成を有する。実施例3のカバーガラスは、第1の実施形態のカバーガラス1と同様の構成を有する。なお、実施例3は実施例1とは条件を異ならせている。比較例1においては、ガラス基板の表面をエッチング処理することにより、アンチグレア層を設けた。比較例2〜4においては、アンチグレア層を形成するための無機塗料の組成を第1の実施形態と異ならせた。実施例2及び3並びに比較例1〜4における反射散乱分布を図5〜図10により示す。
図5は、実施例2のカバーガラスの、光を入射角度60°で入射させたときの反射散乱分布を示す図である。図6は、実施例3のカバーガラスの、光を入射角度60°で入射させたときの反射散乱分布を示す図である。図7は、比較例1のカバーガラスの、光を入射角度60°で入射させたときの反射散乱分布を示す図である。図8は、比較例2のカバーガラスの、光を入射角度60°で入射させたときの反射散乱分布を示す図である。図9は、比較例3のカバーガラスの、光を入射角度60°で入射させたときの反射散乱分布を示す図である。図10は、比較例4のカバーガラスの、光を入射角度60°で入射させたときの反射散乱分布を示す図である。
図5に示す実施例2における、光を入射角度60°で入射させたときの反射散乱分布においては、第1の角度範囲Xにおける散乱光分布値Yの第1の積分値Aは76である。第2の角度範囲Xにおける散乱光分布値Yの第2の積分値Aは52である。光沢感評価値Bは2である。よって、実施例2においては、第1の実施形態と同様に、ぼやかし感、かすみ感及び光沢感のいずれにおいても優れ、意匠性に優れる。
図6に示す実施例3における、光を入射角度60°で入射させたときの反射散乱分布においては、散乱光分布値Yの第1の積分値Aは74である。第2の積分値Aは50である。光沢感評価値Bは2.3である。よって、実施例3においても、第1の実施形態と同様に、ぼやかし感、かすみ感及び光沢感のいずれにおいても優れ、意匠性に優れる。
他方、比較例1〜4においては、ぼやかし感に優れること及びかすみ感に優れることを両立できていない。具体的には、図7に示す比較例1の反射散乱分布においては、第1の積分値Aは86である。第2の積分値Aは49であり、50未満である。光沢感評価値Bは1であり、1.5未満である。図8に示す比較例2の反射散乱分布においては、第1の積分値Aは76である。第2の積分値Aは43であり、50未満である。光沢感評価値Bは2.8である。図9に示す比較例3の反射散乱分布においては、第1の積分値Aは65であり、71未満である。第2の積分値Aは56である。光沢感評価値Bは4.0である。図10に示す比較例4の反射散乱分布においては、第1の積分値Aは70であり、71未満である。第2の積分値Aは52である。光沢感評価値Bは3.1である。
ところで、従来においては、視認性の指標値として、光沢度(G:Gloss)、ヘイズ(H:Haze)、ぎらつき指標値(S:Sparkle)及び映り込み指標値(C:Clarity)等が用いられることもあった。光沢度Gは、光の反射の程度を示す指標である。光沢度Gが低いほど、反射の度合いが低く、視認性が良好となる。ヘイズHは、透光体のくもりの程度を示す、透光性の指標である。ヘイズHが低いほどくもりの度合いが低く、視認性が良好となる。ぎらつき指標値Sは、ディスプレイ等において、RGBの画素や明るさのムラが多数の光点等としてチラついて見える程度を示す。ぎらつき指標値Sが低いほど、ぎらつきの度合いが低く、視認性が良好となる。映り込み指標値Cは、外光が映り込む程度を示す指標である。映り込み指標値Cが低いほど、外光が映り込む度合いが低く、視認性が良好となる。
これらに対して、本発明においては、ぼやかし感及びかすみ感のような、意匠性との関連性がより一層高い、散乱光分布値Yの指標を導入している。それによって、本発明に係るカバーガラスは、定量的な評価に基づく優れた意匠性を備える。
ここで、実施例1〜3及び比較例1〜4のカバーガラスについて、光沢度G、ヘイズH、ぎらつき指標値S及び映り込み指標値Cを測定した。さらに、上記各カバーガラスのぼやかし感、かすみ感及び光沢感の官能評価を行った。
なお、光沢度Gとしては、JIS Z 8741:1997に基づいて、カバーガラスにおける入射角度60°の光沢度Gを、Microgloss(60°)(BYK社製)を用いて測定した。ヘイズHは、JIS K 7136:2000に基づいて、NDH−5000(日本電色社製)を用いて測定した。ぎらつき指標値Sは、SMS−1000(Display−Messtechnik&Systeme社製)を用いて、スパークル測定モードにより測定した。なお、SMS−1000のCCDカメラの画素数は1296×966であり、センサーサイズは1/3型であり、ピクセルサイズは3.75×3.75μmである。また、レンズの焦点距離を100mm、レンズ絞り径を4.5mm、倍率比を1:1、許容錯乱円径を53μmに設定した。また、パターンマスクについては、レンズの焦点位置にトップ面が位置するように配置した。映り込み指標値Cは、SMS−1000(Display−Messtechnik&Systeme社製)を用いて、反射分布測定モードにより測定した。なお、焦点距離16mmのレンズを用い、入射光の入射角度を3°、カバーガラス上の照射位置からレンズまでの距離を410mmに設定し、カバーガラスの裏面に屈折率1.53の浸液を付けた状態で黒板ガラスと貼り付けて測定した。
官能評価は、白色のライン光源をカバーガラスに映りこませ、その像のぼやかし感、カバーガラス全体のかすみ感および光沢感を比較し、程度に応じて順番付けを行った。
これらの結果を表1に示す。併せて、表1に、実施例1〜3及び比較例1〜4のカバーガラスの第1の角度範囲Xにおける第1の積分値A、第2の角度範囲Xにおける第2の積分値A及び光沢感評価値Bも示す。
なお、表1において、ぼやかし感、かすみ感及び光沢感の官能評価の結果は、◎が最も高く、○がその次に高く、×は最も低い。
Figure 2021092693
表1に示すように、比較例1〜4においては、ぼやかし感又はかすみ感においては高い評価を得られていない。これに対して、実施例1〜3においては、ぼやかし感、かすみ感及び光沢感の全てにおいて評価が高いことがわかる。
なお、実施例1〜3と、比較例4においては、映り込み指標値Cに大差はないことがわかる。さらに、実施例1〜3のぎらつき指標値Sは、比較例2〜4のぎらつき指標値S以上であることがわかる。これらに関わらず、実施例1〜3は、ぼやかし感及びかすみ感の双方に優れる。本発明においては、意匠性との関連性が高い、反射散乱分布における散乱光分布値Yの指標を導入している。それによって、意匠性をより一層高めることができる。
次に、実施例1〜3及び比較例1〜4のカバーガラスにおけるアンチグレア層の粗さ曲線の算術平均高さRa、粗さ曲線の二乗平均平方根高さRq、うねり曲線の算術平均高さWa、うねり曲線の二乗平均平方根高さWq、断面曲線要素の平均長さPSm及び断面曲線の二乗平均平方根傾斜PΔqの測定を行った。なお、上記各パラメータは、JIS B 0601:2001に基づく。上記各パラメータの測定は、JIS B 0633:2001に基づいて行った。
さらに、実施例1〜3及び比較例1〜4において、Ra/Wa及びRq/Wqを算出した。結果を表2に示す。なお、実施例1〜3及び比較例1のカバーガラスのアンチグレア層における粗さ曲線及びうねり曲線を図11〜図14に示す。上述したように、第1の凹凸周期成分の変位の曲線がうねり曲線に相当し、第2の凹凸周期成分の変位の曲線が粗さ曲線に相当する。
図11は、実施例1のカバーガラスにおけるアンチグレア層の粗さ曲線及びうねり曲線を示す図である。図12は、実施例2のカバーガラスにおけるアンチグレア層の粗さ曲線及びうねり曲線を示す図である。図13は、実施例3のカバーガラスにおけるアンチグレア層の粗さ曲線及びうねり曲線を示す図である。図14は、比較例1のカバーガラスにおけるアンチグレア層の粗さ曲線及びうねり曲線を示す図である。図11〜図14において、破線はうねり曲線を示し、実線は粗さ曲線を示す。
図11〜図13に示すように、実施例1〜3においては、粗さ曲線の算術平均高さRaは、うねり曲線の算術平均高さWaよりも大きい。他方、図14に示すように、比較例1においては、粗さ曲線の算術平均高さRaは、うねり曲線の算術平均高さWaよりも小さい。なお、以下において、表2を参照してさらなる詳細を説明する。
Figure 2021092693
表2に示すように、比較例1においては、Wa及びWqが99.6nm及び122.8nmと大きい。さらに、比較例1においては、Ra/Wa及びRq/Wqがそれぞれ0.72と小さい。このように、Wa及びWqが大きい場合並びにRa/Wa及びRq/Wqが小さい場合には、かすみ感が劣化していることがわかる。一方で、比較例3においては、Wa及びWqは、14.4nm及び16.6nmと小さい。さらに比較例3においては、Ra/Wa及びRq/Wqが5.47及び5.66と大きい。同様に、比較例4においても、Wa及びWqは、14.9nm及び17.8nmと小さく、Ra/Wa及びRq/Wqは3.54及び3.80と大きい。これらの場合には、ぼやかし感が劣化していることがわかる。
比較例1においては、断面曲線要素の平均長さPSmが、15.7μmと長い。この場合には、光沢感が劣化することがわかる。さらに、比較例1においては、断面曲線の二乗平均平方根傾斜PΔqが0.038と小さい。この場合には、かすみ感が劣化することがわかる。一方で、比較例3においては、断面曲線の二乗平均平方根傾斜PΔqは0.194と大きい。同様に、比較例4においては、断面曲線の二乗平均平方根傾斜PΔqは0.141と大きい。これらの場合には、ぼやかし感が劣化していることがわかる。
各比較例に対して、実施例1〜3においては、14.9nm<Wa<99.6nmであり、17.8nm<Wq<122.8nmである。さらに、0.72<Ra/Wa<3.54であり、0.72<Rq/Wq<3.80である。加えて、0.038<PΔq<0.141である。これらにより、ぼやかし感に優れ、かつかすみ感に優れる。実施例1〜3においては、PSm<15.7μmである。これにより、光沢感にも優れる。
1…カバーガラス
2…ガラス基板
2a…第1の主面
2b…第2の主面
3…アンチグレア層
3A…第1の凹凸周期成分
3B…第2の凹凸周期成分
4…変角光度計
5…光源
6…ディテクタ

Claims (4)

  1. ガラス基板と、
    前記ガラス基板上に設けられているアンチグレア層と、
    を備え、
    光を入射角度60°で入射させたときの反射散乱分布において、反射角度をXとし、正反射の前記反射角度をX=0°とし、前記反射角度Xにおける散乱光の強度をIとし、散乱光の強度の最大値をIMaxとし、前記反射角度Xにおける散乱光分布値をY(X)とし、Y(X)=log10(I/IMax)+10としたときに、−5°≦X≦5°の角度範囲における散乱光分布値の積分値が71以上、90以下であり、−25°≦X≦−20°及び20°≦X≦25°の角度範囲における散乱光分布値の積分値が50以上、70以下である、カバーガラス。
  2. 光を入射角度60°で入射させたときの前記反射散乱分布が、前記反射角度Xが0°のときに前記散乱光分布値がY=10となるピーク波形部を有し、
    前記反射散乱分布において、前記ピーク波形部における下端部の前記散乱光分布値YをYとし、光沢感評価値をBとし、B=10−Yとしたときに、1.5≦B≦5である、請求項1に記載のカバーガラス。
  3. 前記アンチグレア層が凹凸構造を有し、
    前記凹凸構造が、第1の凹凸周期成分と、前記第1の凹凸周期成分よりも凹凸の周期が短い第2の凹凸周期成分とを有し、前記第2の凹凸周期成分が前記第1の凹凸周期成分に含まれている、請求項1又は2に記載のカバーガラス。
  4. 前記アンチグレア層の組成が、チタン及びシリコンを含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のカバーガラス。
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