JPH10129428A - 防汚性と水滴付着防止性を兼ね備えた車両用ミラー - Google Patents

防汚性と水滴付着防止性を兼ね備えた車両用ミラー

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JPH10129428A
JPH10129428A JP8301041A JP30104196A JPH10129428A JP H10129428 A JPH10129428 A JP H10129428A JP 8301041 A JP8301041 A JP 8301041A JP 30104196 A JP30104196 A JP 30104196A JP H10129428 A JPH10129428 A JP H10129428A
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JP
Japan
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water
mirror
property
silicone
surface layer
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JP8301041A
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Inventor
Mitsuyoshi Machida
町田  光義
Makoto Hayakawa
信 早川
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Toto Ltd
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Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 汚れにくく、かつ水滴が付着しにくい表面を
有し、以て乗物の安全運転性を向上した車両用ミラ−を
提供すること。 【解決手段】 基材表面に、光触媒性酸化物粒子とシリ
コ−ンと撥水性フッ素樹脂とを含有する実質的に透明な
表面層が形成されている、或いは光触媒性酸化物粒子と
無定型シリカと撥水性フッ素樹脂とを含有する実質的に
透明な表面層が形成されている車両用ミラ−であって、
なおかつその表面の水との接触角が90゜以上であるよ
うにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のドアミラ
ー、フェンダーミラー等に利用できる車両用ミラーに関
する。
【0002】
【従来の技術】自動車のドアミラー、フェンダーミラー
等に利用できる車両用ミラーが雨天に降雨や水しぶきを
受けると、離散した多数の水滴が表面に付着して、可視
性が失われることはしばしば経験されることである。こ
のようにして可視性が失われると運転中の後方確認が困
難となり、自動車の安全運転上支障を来す。
【0003】また、自動車のドアミラー、フェンダーミ
ラー等に利用できる車両用ミラーは、交通量の多い道路
走行中に、排気ガス中の煤煙やタイヤの摩耗粉や路面や
大地から舞い上がった煤塵によって汚される。車両用ミ
ラーが汚れると反射率が低下するのでやはり自動車の安
全運転上支障を来す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明では、
上記事情に鑑み、汚れにくく、かつ水滴が付着しにくい
表面を有し、以て乗物の安全運転性を向上した車両用ミ
ラーを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記課題を
解決すべく、基材表面に、光触媒性酸化物粒子とシリコ
ーンと撥水性フッ素樹脂とを含有する実質的に透明な表
面層が形成されており、かつ前記層表面は水との接触角
が90゜以上であることを特徴とする防汚性と水滴付着
防止性を兼ね備えた車両用ミラーを提供する。光触媒性
酸化物粒子とシリコーンと撥水性フッ素樹脂とを含有す
る表面層が形成されている構成にすることにより、光触
媒を光励起したときに、光触媒作用によりシリコーン分
子中のケイ素原子に結合した有機基が少なくとも部分的
に水酸基に置換されて親水性を呈するようになり、シリ
コーンが外気に露出した親水性を呈する部分と、撥水性
フッ素樹脂が外気に露出した撥水性を呈する部分の双方
が表面に微視的に分散された構造となる。さらに、光触
媒が存在することにより、光触媒の光励起に応じてシリ
コーン分子中のケイ素原子に結合した有機基が少なくと
も部分的に水酸基に置換されたシリコーンは恒久的に親
水性を維持するので、上記親水性を呈する部分と撥水性
を呈する部分の双方が表面に微視的に分散された構造は
維持される。このような構造では、親水性表面と撥水性
表面が隣接するため、親水性表面になじみやすい親水性
の付着物は隣接する撥水性部分になじまない。逆に撥水
性表面になじみやすい疎水性の付着物は隣接する親水性
部分になじまない。そのため、親水性付着物も、疎水性
付着物も部材表面に固着されることはなく、表面は清浄
な状態に維持される。さらに水との接触角を90゜以上
にすることにより、水滴が付着しにくくなる。従って、
汚れにくく、かつ水滴が付着しにくい表面が形成可能と
なり、引いては乗物の安全運転性を向上することができ
る。
【0006】基材表面に、光触媒性酸化物粒子と無定型
シリカと撥水性フッ素樹脂とを含有する実質的に透明な
表面層が形成されており、かつ前記層表面は水との接触
角が90゜以上であることを特徴とする防汚性と水滴付
着防止性を兼ね備えた車両用ミラーを提供する。光触媒
性酸化物粒子と無定型シリカと撥水性フッ素樹脂とを含
有する表面層が形成されている構成にすることにより、
表面層中の無定型シリカが外気に露出した親水性を呈す
る部分と、撥水性フッ素樹脂が外気に露出した撥水性を
呈する部分の双方が表面に微視的に分散された構造とな
る。さらに、光触媒が存在することにより、光触媒の光
励起に応じて無定型シリカは恒久的に親水性を維持する
ので、上記親水性を呈する部分と撥水性を呈する部分の
双方が表面に微視的に分散された構造は維持される。こ
のような構造では、親水性表面と撥水性表面が隣接する
ため、親水性表面になじみやすい親水性の付着物は隣接
する撥水性部分になじまない。逆に撥水性表面になじみ
やすい疎水性の付着物は隣接する親水性部分になじまな
い。そのため、親水性付着物も、疎水性付着物も部材表
面に固着されることはなく、表面は清浄な状態に維持さ
れる。さらに水との接触角を90゜以上にすることによ
り、水滴が付着しにくくなる。従って、汚れにくく、か
つ水滴が付着しにくい表面が形成可能となり、引いては
乗物の安全運転性を向上することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明における車両用ミラーの一
態様においては、図1に示すように、車両用ミラーの表
面には、光触媒粒子と、シリコーンと、撥水性フッ素樹
脂を含む表面層が形成されており、かつその表面におけ
る水との接触角は90゜以上にする。図1に光触媒を光
励起することの可能な光が照射されると、外気に露出し
たシリコーンの少なくとも一部が、光触媒作用によりシ
リコーン分子中のケイ素原子に結合した有機基が少なく
とも部分的に水酸基に置換されて親水性を呈するように
なり、シリコーンが外気に露出した親水性を呈する部分
と、撥水性フッ素樹脂が外気に露出した撥水性を呈する
部分の双方が表面に微視的に分散された構造となる。さ
らに、光触媒が存在することにより、光触媒の光励起に
応じて無定型シリカは恒久的に親水性を維持するので、
上記親水性を呈する部分と撥水性を呈する部分の双方が
表面に微視的に分散された構造は維持される。従って、
このような構造になることにより、親水性付着物も、疎
水性付着物も部材表面に固着されることはなく、表面は
清浄な状態に維持される。さらに、水との接触角を90
゜以上にすることにより、水滴が付着しにくくなる。従
って、汚れにくく、かつ水滴が付着しにくい表面が形成
可能となり、引いては乗物の安全運転性を向上すること
ができる。
【0008】本発明の他の態様においては、図2に示す
ように、基材表面には、光触媒粒子と、無定型シリカ
と、撥水性フッ素樹脂を含む表面層が形成されており、
かつその表面における水との接触角は90゜以上であ
る。光触媒粒子と、無定型シリカと、撥水性フッ素樹脂
を含む表面層が形成されている構成にすることにより、
表面層中の無定型シリカが外気に露出した親水性を呈す
る部分と、撥水性フッ素樹脂が外気に露出した撥水性を
呈する部分の双方が表面に微視的に分散された構造とな
る。さらに、光触媒が存在することにより、光触媒の光
励起に応じて無定型シリカは恒久的に親水性を維持する
ので、上記親水性を呈する部分と撥水性を呈する部分の
双方が表面に微視的に分散された構造は維持される。従
って、このような構造になることにより、親水性付着物
も、疎水性付着物も部材表面に固着されることはなく、
表面は清浄な状態に維持される。さらに水との接触角を
90゜以上にすることにより、水滴が付着しにくくな
る。従って、汚れにくく、かつ水滴が付着しにくい表面
が形成可能となり、引いては乗物の安全運転性を向上す
ることができる。
【0009】光触媒とは、その結晶の伝導帯と価電子帯
との間のエネルギーギャップよりも大きなエネルギー
(すなわち短い波長)の光(励起光)を照射したとき
に、価電子帯中の電子の励起(光励起)が生じて、伝導
電子と正孔を生成しうる物質をいい、光触媒性酸化物に
は、例えば、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チ
タン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化第二鉄、三酸化二ビスマ
ス、三酸化タングステン、チタン酸ストロンチウム等の
酸化物が好適に利用できる。
【0010】車両用ミラー基材には、裏面に反射コート
を設けたガラス基材からなる鏡、裏面に反射コートを設
けた透明プラスチック基材からなる鏡、プラスチック、
ガラス、金属等の基材表面に反射コートを設けた鏡、プ
ラスチック、ガラス、金属等の基材表面に反射コートを
設け、さらにその上に透明なハードコートを設けた鏡、
鏡面研磨した金属基材からなる鏡、鏡面研磨した金属基
材からなる鏡の表面に透明なハードコートを設けた鏡、
裏面に反射コートを設けた透明プラスチック基材の上に
透明なハードコートを設けた鏡、などが好適に利用でき
る。
【0011】光触媒の光励起に用いる光源は、太陽光、
街灯、トンネル内照明、常夜灯等の走行環境にある光源
を利用してもよいし、及び付帯設備や携帯設備として、
励起光を照射しうる光源を使用してもよい。その場合使
用する光源には、例えば、蛍光灯、白熱電灯、メタルハ
ライドランプ、水銀ランプ、キセノンランプ、殺菌灯等
が好適に利用できる。光触媒の光励起により、基材表面
のシリコーンまたは無定型シリカが露出した部分が高度
に親水化されるためには、励起光の照度は0.001m
W/cm2以上あればよいが、0.01mW/cm2以上
だと好ましく、0.1mW/cm2以上だとより好まし
い。
【0012】シリコーンには、平均組成式 RpSiO(4-p)/2 (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、pは0<p<2を満足する数
である)で表される樹脂が利用できる。
【0013】撥水性フッ素樹脂には、ポリテトラフルオ
ロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリヘ
キサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン−ヘ
キサフルオロプロピレンコポリマー等が好適に利用でき
る。
【0014】表面層の膜厚は、0.4μm以下にするの
が好ましい。そうすれば、光の乱反射による白濁を防止
することができ、表面層は実質的に透明となる。さら
に、表面層の膜厚を、0.2μm以下にすると一層好ま
しい。そうすれば、光の干渉による表面層の発色を防止
することができる。また、表面層が薄ければ薄いほどそ
の透明度は向上する。更に、膜厚を薄くすれば、表面層
の耐摩耗性が向上する。
【0015】表面層には、Ag、Cu、Znのような金
属を添加することができる。前記金属を添加した表面層
は、表面に付着した細菌や黴を暗所でも死滅させること
ができる。
【0016】表面層にはPt、Pd、Ru、Rh、I
r、Osのような白金族金属を添加することができる。
前記金属を添加した表面層は、光触媒の酸化還元活性を
増強でき、有機物汚れの分解性、有害気体や悪臭の分解
性を向上させることができる。
【0017】次に、基材表面に、光触媒性酸化物粒子と
シリコーンと撥水性フッ素樹脂とを含有する表面層が形
成されている防汚性部材の製法について説明する。この
場合の製法は、基本的には、基材表面にコーティング組
成物を塗布し、硬化させることによる。
【0018】ここでコーティング組成物は、光触媒粒
子、撥水性フッ素樹脂の他にシリコーンの前駆体を必須
構成要件とし、その他に水、エタノール、プロパノール
等の溶媒や、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、マレイン酸等の
シリコーンの前駆体の加水分解を促進する触媒や、トリ
ブチルアミン、ヘキシルアミンなどの塩基性化合物類、
アルミニウムトリイソプロポキシド、テトライソプロピ
ルチタネートなどの酸性化合物類等のシリコーンの前駆
体を硬化させる触媒や、シランカップリング剤等のコー
ティング液の分散性を向上させる界面活性剤などを添加
してもよい。
【0019】ここでシリコーンの前駆体としては、平均
組成式 RpSiXq(4-p-q)/2 (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、p及びqは0<p<2、0<
q<4を満足する数である)で表されるシロキサンから
なる塗膜形成要素、又は一般式 RpSiX4-p (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、pは1または2である)で表
される加水分解性シラン誘導体からなる塗膜形成要素、
が好適に利用できる。
【0020】ここで上記加水分解性シラン誘導体からな
る塗膜形成要素としては、メチルトリメトキシシラン、
メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラ
ン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシ
ラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキ
シシラン、エチルトリブトキシシラン、フェニルトリメ
トキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニル
トリプロポキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジブトキシ
シラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキ
シシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジエチルジブ
トキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェ
ニルメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジプロポ
キシシラン、フェニルメチルジブトキシシラン、n−プ
ロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシ
シラン、n−プロピルトリプロポキシシラン、n−プロ
ピルトリブトキシシラン、γ−グリコキシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン等が好適に利用できる。
【0021】また、上記シロキサンからなる塗膜形成要
素としては、上記加水分解性シラン誘導体の部分加水分
解及び脱水縮重合、又は上記加水分解性シラン誘導体の
部分加水分解物と、テトラメトキシシラン、テトラエト
キシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシ
シラン、ジエトキシジメトキシシラン等の部分加水分解
物との脱水縮重合等で作製することができる。
【0022】上記コーティング組成物の塗布方法として
は、スプレーコーティング法、ディップコーティング
法、フローコーティング法、スピンコーティング法、ロ
ールコーティング法、刷毛塗り、スポンジ塗り等の方法
が好適に利用できる。硬化方法としては、熱処理、室温
放置、紫外線照射等により重合させて行うことができ
る。
【0023】次に、基材表面に、光触媒粒子と無定型シ
リカと撥水性フッ素樹脂とを含有する表面層が形成され
ている防汚性部材の製法について説明する。この場合の
製法は、基本的には、基材表面にコーティング組成物を
塗布し、硬化させることによる。
【0024】ここでコーティング組成物は、光触媒粒
子、撥水性フッ素樹脂の他にシリカ粒子又はシリカの前
駆体を必須構成要件とし、その他に水、エタノール、プ
ロパノール等の溶媒や、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、マレ
イン酸等のシリカの前駆体の加水分解を促進する触媒
や、トリブチルアミン、ヘキシルアミンなどの塩基性化
合物類、アルミニウムトリイソプロポキシド、テトライ
ソプロピルチタネートなどの酸性化合物類等のシリカの
前駆体を硬化させる触媒や、シランカップリング剤等の
コーティング液の分散性を向上させる界面活性剤などを
添加してもよい。
【0025】ここでシリコーンの前駆体としては、平均
組成式 SiXq(4-q)/2 (式中、Xはアルコキシ基、又は、ハロゲン原子であ
り、qは0<q<4を満足する数である)で表されるシ
リケートからなる塗膜形成要素、又は一般式 SiX4 (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子である)で表される4官能加水分解性
シラン誘導体からなる塗膜形成要素等が好適に利用でき
る。
【0026】ここで上記4官能加水分解性シラン誘導体
からなる塗膜形成要素としては、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、
テトラブトキシシラン、ジエトキシジメトキシシラン等
が好適に利用できる。
【0027】また、上記シリケートからなる塗膜形成要
素としては、上記4官能加水分解性シラン誘導体の部分
加水分解及び脱水縮重合等で作製することができる。
【0028】上記コーティング組成物の塗布方法として
は、スプレーコーティング法、ディップコーティング
法、フローコーティング法、スピンコーティング法、ロ
ールコーティング法、刷毛塗り、スポンジ塗り等の方法
が好適に利用できる。硬化方法としては、熱処理、室温
放置、紫外線照射等により重合させて行うことができ
る。
【0029】
【実施例】
参考例.アナターゼ型酸化チタンゾル(日産化学、TA
−15、硝酸解膠型、pH=1)と、シリカゾル(日本
合成ゴム、グラスカA液、pH=4)と、メチルトリメ
トキシシラン(日本合成ゴム、グラスカB液)とエタノ
ールを混合し、2〜3分撹拌して得たコーティング液
を、スプレーコーティング法にて10cm四角のソーダ
ライムガラス基材上に塗布し、200℃で15分熱処理
して、アナターゼ型酸化チタン粒子11重量部、シリカ
6重量部、シリコーン5重量部からなる表面層を形成し
た#1試料を得た。#1試料の水との接触角は85゜で
あった。ここで水との接触角は接触角測定器(協和界面
科学、CA−X150)を用い、マイクロシリンジから
水滴を滴下した後30秒後の水との接触角で評価した。
次いで#1試料表面に、紫外線光源(三共電気、ブラッ
クライトブルー(BLB)蛍光灯)を用いて0.3mW
/cm2の紫外線照度で1日照射し、#2試料を得た。
その結果、#2試料の水との接触角は0゜まで親水化さ
れた。次に、#1試料と、#1試料に水銀灯を22.8
mW/cm2の紫外線照度で2時間照射して得た#3試
料夫々の試料表面をラマン分光分析した。その結果、#
1試料表面で認められたメチル基のピークが#3試料で
は認められず、代わりに水酸基のブロードなピークが認
められた。以上のことから、光触媒であるアナターゼ型
酸化チタンの光励起に応じて被膜の表面のシリコーン分
子中のケイ素原子に結合した有機基は、光触媒作用によ
り水酸基に置換されること、及び親水化されることがわ
かる。
【0030】実施例.アナターゼ型酸化チタンゾル(日
産化学、TA−15)と、シリカゾル(日本合成ゴム、
グラスカA液)と、メチルトリメトキシシラン(日本合
成ゴム、グラスカB液)とポリテトラフルオロエチレン
(PTFE)粒子(ダイキン工業、ルブロンL−5)と
エタノールを混合し、2〜3時間撹拌して得たコーティ
ング液を、スプレーコーティング法にて10cm角のソ
ーダライムガラス板上に塗布し、200℃で15分熱処
理して、アナターゼ型酸化チタン粒子33重量部、ポリ
テトラフルオロエチレン粒子66重量部、シリカ6重量
部、シリコーン5重量部からなる表面層を形成した。次
に、このガラス板の裏面に真空蒸着によりアルミニウム
の反射コーティングを形成して#4鏡試料を作製した。
#4試料の水との接触角は110゜であった。次いで#
4試料表面に、紫外線光源(三共電気、ブラックライト
ブルー(BLB)蛍光灯)を用いて0.3mW/cm2
の紫外線照度で1日照射し、#5試料を得た。その結
果、#5試料の水との接触角は97.2゜とさほど変化
がなかった。上記参考例より、シリコーンが外気に露出
した部分はシリコーン分子中のケイ素原子に結合した有
機基は、光触媒作用により水酸基に置換され、親水化さ
れるはずであるから、その分だけ親水化して水との接触
角が若干減少したと考えられる。すなわち、#5試料表
面は、光触媒作用により水酸基に置換され、親水化され
たシリコーンが外気に露出した親水性を呈する部分と、
撥水性フッ素樹脂が外気に露出した撥水性を呈する部分
の双方が表面に微視的に分散された構造となっていると
推定される。また水との接触角が97.2゜と90゜以
上であることにより、ガラスを傾けると水滴は転がりな
がら落下した。
【0031】次に、#5試料、及び比較のため10cm
角のソーダライムガラス板の裏面に真空蒸着によりアル
ミニウムの反射コーティングを形成することにより作製
した鏡板を屋外に設置して、堆積物や汚染物に対する表
面の清浄維持性を調べた。堆積物や汚染物に対する表面
の清浄維持性は、建物の屋上の屋根付き部分の下に図3
のように試料を設置し、4か月暴露することにより行っ
た。その結果、ソーダライムガラス板では多少の汚れが
観察され、像がやや見にくく感じたのに対し、#5試料
では汚れは観察されず、像も比較試料よりはっきりと見
えた。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、車両用ミラー表面は、
水滴及び汚れが付着しにくくなるので乗物の安全運転性
が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用ミラーの表面構造を示す
図。
【図2】本発明に係る車両用ミラーの他の表面構造を示
す図。
【図3】本発明の実施例にに係る試験の試料の設置方法
を示す図。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材表面に、光触媒性酸化物粒子とシリ
    コーンと撥水性フッ素樹脂とを含有する実質的に透明な
    表面層が形成されており、かつ前記層表面は水との接触
    角が90゜以上であることを特徴とする防汚性と水滴付
    着防止性を兼ね備えた車両用ミラー。
  2. 【請求項2】 基材表面に、光触媒性酸化物粒子と無定
    型シリカと撥水性フッ素樹脂とを含有する実質的に透明
    な表面層が形成されており、かつ前記層表面は水との接
    触角が90゜以上であることを特徴とする防汚性と水滴
    付着防止性を兼ね備えた車両用ミラー。
JP8301041A 1996-10-25 1996-10-25 防汚性と水滴付着防止性を兼ね備えた車両用ミラー Pending JPH10129428A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102021101287B4 (de) 2020-02-17 2023-07-06 GM Global Technology Operations LLC Formverändernder spiegel

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102021101287B4 (de) 2020-02-17 2023-07-06 GM Global Technology Operations LLC Formverändernder spiegel

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