JPH10228809A - 前照灯カバ− - Google Patents

前照灯カバ−

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JPH10228809A
JPH10228809A JP9047240A JP4724097A JPH10228809A JP H10228809 A JPH10228809 A JP H10228809A JP 9047240 A JP9047240 A JP 9047240A JP 4724097 A JP4724097 A JP 4724097A JP H10228809 A JPH10228809 A JP H10228809A
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JP
Japan
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water
surface layer
silicone
contact angle
repellent fluororesin
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Application number
JP9047240A
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English (en)
Inventor
Mitsuyoshi Machida
町田  光義
Makoto Hayakawa
信 早川
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Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水滴が付着しにくい表面を有し、以て乗物の
安全運転性を向上した前照灯カバ−を提供すること。 【解決手段】 透明なカバ−の表面に、光触媒性酸化物
粒子とシリコ−ンと撥水性フッ素樹脂とを含有する実質
的に透明な表面層が形成されている、或いは光触媒性酸
化物粒子と無定型シリカと撥水性フッ素樹脂とを含有す
る実質的に透明な表面層が形成されている前照灯カバ−
であって、なおかつその表面の水との接触角が90゜以
上であるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水滴付着防止性を
有する前照灯カバ−に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の前照灯カバ−外表面が降雨や水
しぶきを受け、離散した多数の水滴が表面に付着する、
又は寒冷時や雨天時に前照灯カバ−内表面が結露し、結
露水が水滴状に成長して曇ることにより、自動車の前照
灯から発する光線がぼやけることはしばしば経験され
る。このようにして光線がぼやけると、夜間や雨中での
前方確認性が低下するので、自動車の安全運転上支障を
来す。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明では、
上記事情に鑑み、水滴が付着しにくい表面を有し、以て
乗物の安全運転性を向上した前照灯カバ−を提供するこ
とを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記課題を
解決すべく、透明なカバ−の表面に、光触媒性酸化物粒
子とシリコ−ンと撥水性フッ素樹脂とを含有する実質的
に透明な表面層が形成されており、かつ前記層表面は水
との接触角が90゜以上であることを特徴とする前照灯
カバ−を提供する。光触媒性酸化物粒子とシリコ−ンと
撥水性フッ素樹脂とを含有する表面層が形成されている
構成にすることにより、光触媒を光励起したときに、光
触媒作用によりシリコ−ン分子中のケイ素原子に結合し
た有機基が少なくとも部分的に水酸基に置換されて親水
性を呈するようになり、シリコ−ンが外気に露出した親
水性を呈する部分と、撥水性フッ素樹脂が外気に露出し
た撥水性を呈する部分の双方が表面に微視的に分散され
た構造となる。さらに、光触媒が存在することにより、
光触媒の光励起に応じてシリコ−ン分子中のケイ素原子
に結合した有機基が少なくとも部分的に水酸基に置換さ
れたシリコ−ンは恒久的に親水性を維持するので、上記
親水性を呈する部分と撥水性を呈する部分の双方が表面
に微視的に分散された構造は維持される。このような構
造では、親水性表面と撥水性表面が隣接するため、親水
性表面になじみやすい親水性の付着物は隣接する撥水性
部分になじまない。逆に撥水性表面になじみやすい疎水
性の付着物は隣接する親水性部分になじまない。そのた
め、親水性付着物も、疎水性付着物も部材表面に固着さ
れることはなく、表面は清浄な状態に維持される。従っ
て、水滴が付着しにくい表面が形成可能となり、引いて
は乗物の安全運転性を向上することができる。
【0005】透明なカバ−の表面に、光触媒性酸化物粒
子と無定型シリカと撥水性フッ素樹脂とを含有する実質
的に透明な表面層が形成されており、かつ前記層表面は
水との接触角が90゜以上であることを特徴とする防汚
性と水滴付着防止性を兼ね備えた前照灯カバ−を提供す
る。光触媒性酸化物粒子と無定型シリカと撥水性フッ素
樹脂とを含有する表面層が形成されている構成にするこ
とにより、表面層中の無定型シリカが外気に露出した親
水性を呈する部分と、撥水性フッ素樹脂が外気に露出し
た撥水性を呈する部分の双方が表面に微視的に分散され
た構造となる。さらに、光触媒が存在することにより、
光触媒の光励起に応じて無定型シリカは恒久的に親水性
を維持するので、上記親水性を呈する部分と撥水性を呈
する部分の双方が表面に微視的に分散された構造は維持
される。このような構造では、親水性表面と撥水性表面
が隣接するため、親水性表面になじみやすい親水性の付
着物は隣接する撥水性部分になじまない。逆に撥水性表
面になじみやすい疎水性の付着物は隣接する親水性部分
になじまない。そのため、親水性付着物も、疎水性付着
物も部材表面に固着されることはなく、表面は清浄な状
態に維持される。従って、水滴が付着しにくい表面が形
成可能となり、引いては乗物の安全運転性を向上するこ
とができる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明における前照灯カバ−の一
態様においては、図1に示すように、透明カバ−の表面
には、光触媒粒子と、シリコ−ンと、撥水性フッ素樹脂
を含む表面層が形成されており、かつその表面における
水との接触角は90゜以上である。図1に光触媒を光励
起することの可能な光が照射されると、外気に露出した
シリコ−ンの少なくとも一部が、光触媒作用によりシリ
コ−ン分子中のケイ素原子に結合した有機基が少なくと
も部分的に水酸基に置換されて親水性を呈するようにな
り、シリコ−ンが外気に露出した親水性を呈する部分
と、撥水性フッ素樹脂が外気に露出した撥水性を呈する
部分の双方が表面に微視的に分散された構造となる。さ
らに、光触媒が存在することにより、光触媒の光励起に
応じて無定型シリカは恒久的に親水性を維持するので、
上記親水性を呈する部分と撥水性を呈する部分の双方が
表面に微視的に分散された構造は維持される。従って、
このような構造になることにより、親水性付着物も、疎
水性付着物も部材表面に固着されることはなく、表面は
清浄な状態に維持される。従って、水滴が付着しにくい
表面が形成可能となり、引いては乗物の安全運転性を向
上することができる。
【0007】本発明の他の態様においては、図2に示す
ように、透明カバ−の表面には、光触媒粒子と、無定型
シリカと、撥水性フッ素樹脂を含む表面層が形成されて
おり、かつその表面における水との接触角は90゜以上
である。光触媒粒子と、無定型シリカと、撥水性フッ素
樹脂を含む表面層が形成されている構成にすることによ
り、表面層中の無定型シリカが外気に露出した親水性を
呈する部分と、撥水性フッ素樹脂が外気に露出した撥水
性を呈する部分の双方が表面に微視的に分散された構造
となる。さらに、光触媒が存在することにより、光触媒
の光励起に応じて無定型シリカは恒久的に親水性を維持
するので、上記親水性を呈する部分と撥水性を呈する部
分の双方が表面に微視的に分散された構造は維持され
る。従って、このような構造になることにより、親水性
付着物も、疎水性付着物も部材表面に固着されることは
なく、表面は清浄な状態に維持される。従って、水滴が
付着しにくい表面が形成可能となり、引いては乗物の安
全運転性を向上することができる。
【0008】光触媒とは、その結晶の伝導帯と価電子帯
との間のエネルギ−ギャップよりも大きなエネルギ−
(すなわち短い波長)の光(励起光)を照射したとき
に、価電子帯中の電子の励起(光励起)が生じて、伝導
電子と正孔を生成しうる物質をいい、光触媒性酸化物に
は、例えば、アナタ−ゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チ
タン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化第二鉄、三酸化二ビスマ
ス、三酸化タングステン、チタン酸ストロンチウム等の
酸化物が好適に利用できる。
【0009】光触媒の光励起に用いる光源としては、透
明カバ−の内側を照射する光源としては前照灯ランプ
が、透明カバ−の外側を照射する光源としては太陽光が
利用できる。光触媒が光励起されるためには、励起光の
照度は0.001mW/cm2以上あればよいが、0.
01mW/cm2以上だと好ましく、0.1mW/cm2
以上だとより好ましい。
【0010】シリコ−ンには、平均組成式 RpSiO(4-p)/2 (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、pは0<p<2を満足する数
である)で表される樹脂が利用できる。
【0011】撥水性フッ素樹脂には、ポリテトラフルオ
ロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリヘ
キサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン−ヘ
キサフルオロプロピレンコポリマ−等が好適に利用でき
る。
【0012】表面層の膜厚は、0.4μm以下にするの
が好ましい。そうすれば、光の乱反射による白濁を防止
することができ、表面層は実質的に透明となる。さらに
表面層の膜厚を、0.2μm以下にすると一層好まし
い。そうすれば、光の干渉による表面層の発色を防止す
ることができる。また表面層が薄ければ薄いほどその透
明度は向上する。更に、膜厚を薄くすれば、表面層の耐
摩耗性が向上する。
【0013】表面層には、Ag、Cu、Znのような金
属を添加することができる。前記金属を添加した表面層
は、表面に付着した細菌や黴を暗所でも死滅させること
ができる。
【0014】表面層にはPt、Pd、Ru、Rh、I
r、Osのような白金族金属を添加することができる。
前記金属を添加した表面層は、光触媒の酸化還元活性を
増強でき、有機物汚れの分解性、有害気体や悪臭の分解
性を向上させることができる。
【0015】次に、基材表面に、光触媒性酸化物粒子と
シリコ−ンと撥水性フッ素樹脂とを含有する表面層が形
成されている防汚性部材の製法について説明する。この
場合の製法は、基本的には、基材表面にコ−ティング組
成物を塗布し、硬化させることによる。
【0016】ここでコ−ティング組成物は、光触媒粒
子、撥水性フッ素樹脂の他にシリコ−ンの前駆体を必須
構成要件とし、その他に水、エタノ−ル、プロパノ−ル
等の溶媒や、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、マレイン酸等の
シリコ−ンの前駆体の加水分解を促進する触媒や、トリ
ブチルアミン、ヘキシルアミンなどの塩基性化合物類、
アルミニウムトリイソプロポキシド、テトライソプロピ
ルチタネ−トなどの酸性化合物類等のシリコ−ンの前駆
体を硬化させる触媒や、シランカップリング剤等のコ−
ティング液の分散性を向上させる界面活性剤などを添加
してもよい。
【0017】ここでシリコ−ンの前駆体としては、平均
組成式 RpSiXq(4-p-q)/2 (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、p及びqは0<p<2、0<
q<4を満足する数である)で表されるシロキサンから
なる塗膜形成要素、又は一般式 RpSiX4-p (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、pは1または2である)で表
される加水分解性シラン誘導体からなる塗膜形成要素、
が好適に利用できる。
【0018】ここで上記加水分解性シラン誘導体からな
る塗膜形成要素としては、メチルトリメトキシシラン、
メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラ
ン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシ
ラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキ
シシラン、エチルトリブトキシシラン、フェニルトリメ
トキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニル
トリプロポキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジブトキシ
シラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキ
シシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジエチルジブ
トキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェ
ニルメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジプロポ
キシシラン、フェニルメチルジブトキシシラン、n−プ
ロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシ
シラン、n−プロピルトリプロポキシシラン、n−プロ
ピルトリブトキシシラン、γ−グリコキシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン等が好適に利用できる。
【0019】また上記シロキサンからなる塗膜形成要素
としては、上記加水分解性シラン誘導体の部分加水分解
及び脱水縮重合、又は上記加水分解性シラン誘導体の部
分加水分解物と、テトラメトキシシラン、テトラエトキ
シシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシ
ラン、ジエトキシジメトキシシラン等の部分加水分解物
との脱水縮重合等で作製することができる。
【0020】上記コ−ティング組成物の塗布方法として
は、スプレ−コ−ティング法、ディップコ−ティング
法、フロ−コ−ティング法、スピンコ−ティング法、ロ
−ルコ−ティング法、刷毛塗り、スポンジ塗り等の方法
が好適に利用できる。硬化方法としては、熱処理、室温
放置、紫外線照射等により重合させて行うことができ
る。
【0021】次に、基材表面に、光触媒粒子と無定型シ
リカと撥水性フッ素樹脂とを含有する表面層が形成され
ている防汚性部材の製法について説明する。この場合の
製法は、基本的には、基材表面にコ−ティング組成物を
塗布し、硬化させることによる。
【0022】ここでコ−ティング組成物は、光触媒粒
子、撥水性フッ素樹脂の他にシリカ粒子又はシリカの前
駆体を必須構成要件とし、その他に水、エタノ−ル、プ
ロパノ−ル等の溶媒や、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、マレ
イン酸等のシリカの前駆体の加水分解を促進する触媒
や、トリブチルアミン、ヘキシルアミンなどの塩基性化
合物類、アルミニウムトリイソプロポキシド、テトライ
ソプロピルチタネ−トなどの酸性化合物類等のシリカの
前駆体を硬化させる触媒や、シランカップリング剤等の
コ−ティング液の分散性を向上させる界面活性剤などを
添加してもよい。
【0023】ここでシリコ−ンの前駆体としては、平均
組成式 SiXq(4-q)/2 (式中、Xはアルコキシ基、又は、ハロゲン原子であ
り、qは0<q<4を満足する数である)で表されるシ
リケ−トからなる塗膜形成要素、又は 一般式SiX4 (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子である)で表される4官能加水分解性
シラン誘導体からなる塗膜形成要素等が好適に利用でき
る。
【0024】ここで上記4官能加水分解性シラン誘導体
からなる塗膜形成要素としては、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、
テトラブトキシシラン、ジエトキシジメトキシシラン等
が好適に利用できる。
【0025】また上記シリケ−トからなる塗膜形成要素
としては、上記4官能加水分解性シラン誘導体の部分加
水分解及び脱水縮重合等で作製することができる。
【0026】上記コ−ティング組成物の塗布方法として
は、スプレ−コ−ティング法、ディップコ−ティング
法、フロ−コ−ティング法、スピンコ−ティング法、ロ
−ルコ−ティング法、刷毛塗り、スポンジ塗り等の方法
が好適に利用できる。硬化方法としては、熱処理、室温
放置、紫外線照射等により重合させて行うことができ
る。
【0027】
【実施例】
参考例.アナタ−ゼ型酸化チタンゾル(日産化学、TA
−15、硝酸解膠型、pH=1)と、シリカゾル(日本
合成ゴム、グラスカA液、pH=4)と、メチルトリメ
トキシシラン(日本合成ゴム、グラスカB液)とエタノ
−ルを混合し、2〜3分撹拌して得たコ−ティング液
を、スプレ−コ−ティング法にて10cm四角のソ−ダ
ライムガラス基材上に塗布し、200℃で15分熱処理
して、アナタ−ゼ型酸化チタン粒子11重量部、シリカ
6重量部、シリコ−ン5重量部からなる表面層を形成し
た#1試料を得た。#1試料の水との接触角は85゜で
あった。ここで水との接触角は接触角測定器(協和界面
科学、CA−X150)を用い、マイクロシリンジから
水滴を滴下した後30秒後の水との接触角で評価した。
次いで#1試料表面に、紫外線光源(三共電気、ブラッ
クライトブル−(BLB)蛍光灯)を用いて0.3mW
/cm2の紫外線照度で1日照射し、#2試料を得た。
その結果、#2試料の水との接触角は0゜まで親水化さ
れた。次に、#1試料と、#1試料に水銀灯を22.8
mW/cm2の紫外線照度で2時間照射して得た#3試
料夫々の試料表面をラマン分光分析した。その結果、#
1試料表面で認められたメチル基のピ−クが#3試料で
は認められず、代わりに水酸基のブロ−ドなピ−クが認
められた。以上のことから、光触媒であるアナタ−ゼ型
酸化チタンの光励起に応じて被膜の表面のシリコ−ン分
子中のケイ素原子に結合した有機基は、光触媒作用によ
り水酸基に置換されること、及び親水化されることがわ
かる。
【0028】実施例.アナタ−ゼ型酸化チタンゾル(日
産化学、TA−15)と、シリカゾル(日本合成ゴム、
グラスカA液)と、メチルトリメトキシシラン(日本合
成ゴム、グラスカB液)とポリテトラフルオロエチレン
(PTFE)粒子(ダイキン工業、ルブロンL−5)と
エタノ−ルを混合し、2〜3時間撹拌して得たコ−ティ
ング液を、スプレ−コ−ティング法にて10cm角のソ
−ダライムガラス板上に塗布し、200℃で15分熱処
理して、アナタ−ゼ型酸化チタン粒子33重量部、ポリ
テトラフルオロエチレン粒子66重量部、シリカ6重量
部、シリコ−ン5重量部からなる表面層を形成した#4
試料を得た。#4試料の水との接触角は110゜であっ
た。次いで#4試料表面に、紫外線光源(三共電気、ブ
ラックライトブル−(BLB)蛍光灯)を用いて0.3
mW/cm2の紫外線照度で1日照射し、#5試料を得
た。その結果、#5試料の水との接触角は97.2゜と
さほど変化がなかった。上記参考例より、シリコ−ンが
外気に露出した部分はシリコ−ン分子中のケイ素原子に
結合した有機基は、光触媒作用により水酸基に置換さ
れ、親水化されるはずであるから、その分だけ親水化し
て水との接触角が若干減少したと考えられる。すなわ
ち、#5試料表面は、光触媒作用により水酸基に置換さ
れ、親水化されたシリコ−ンが外気に露出した親水性を
呈する部分と、撥水性フッ素樹脂が外気に露出した撥水
性を呈する部分の双方が表面に微視的に分散された構造
となっていると推定される。また水との接触角が97.
2゜と90゜以上であることにより、ガラスを傾けると
水滴は転がりながら落下した。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、前照灯カバ−におい
て、透明なカバ−表面は、水滴が付着しにくくなるの
で、乗物の安全運転性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る前照灯カバ−の表面構造を示す
図。
【図2】本発明に係る前照灯カバ−の他の表面構造を示
す図。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明なカバ−の表面に、光触媒性酸化物
    粒子とシリコ−ンと撥水性フッ素樹脂とを含有する実質
    的に透明な表面層が形成されており、かつ前記層表面は
    水との接触角が90゜以上であることを特徴とする前照
    灯カバ−。
  2. 【請求項2】 透明なカバ−の表面に、光触媒性酸化物
    粒子と無定型シリカと撥水性フッ素樹脂とを含有する実
    質的に透明な表面層が形成されており、かつ前記層表面
    は水との接触角が90゜以上であることを特徴とする前
    照灯カバ−。
JP9047240A 1997-02-13 1997-02-13 前照灯カバ− Pending JPH10228809A (ja)

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