JPH10119229A - 防汚板材 - Google Patents

防汚板材

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JPH10119229A
JPH10119229A JP8299677A JP29967796A JPH10119229A JP H10119229 A JPH10119229 A JP H10119229A JP 8299677 A JP8299677 A JP 8299677A JP 29967796 A JP29967796 A JP 29967796A JP H10119229 A JPH10119229 A JP H10119229A
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JP
Japan
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silicone
water
property
plate material
photocatalyst
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JP8299677A
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Inventor
Mitsuyoshi Machida
町田  光義
Makoto Hayakawa
信 早川
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Toto Ltd
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Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 油汚れが固着しにくい防汚板材の提供。 【解決手段】 油汚れ発散原因となる装置の周囲に配置
されてその汚れを受ける防汚板材であって、基材表面
に、光触媒粒子とシリコ−ンと撥水性フッ素樹脂、或い
は光触媒粒子と無定型シリカと撥水性フッ素樹脂とを含
有する表面層が形成されていることを特徴とする防汚板
材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、台所のコンロの周
囲に配置されてコンロ上の調理品から飛散する油汚れを
受けるキッチンバック等の防汚板材に関する。より詳し
くは、油汚れの非固着性を改善した防汚板材に関する。
【0002】
【従来の技術】台所のコンロでは、フライパンなどを用
いて調理を行う際に、油に代表される汚れが飛散する。
この飛び散る汚れの当るコンロの周囲の壁面は、付着し
た汚れを落としやすい(清掃しやすい)材料で作られて
いる。或いは、コンロの周囲に衝立を立てて汚れの飛散
を受止めている。本明細書では、これらの壁面や衝立の
ような、油汚れの発生原因となる装置(コンロ)の周囲
に配置されてその汚れを受ける部材を防汚板材と呼ぶ。
防汚板材は、付着した汚れを落としやすい性質であるこ
とが望ましいので、タイルなどで作られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、タイル製の防
汚板材でも、強固な油汚れはなかなか落としにくい。特
に、付着した油分が重合・固化してにかわ状になると、
基材に固着してこの汚れを落とすのは困難な作業にな
る。そこで、本発明では、油汚れが固着しにくい防汚板
材を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記課題を
解決すべく、油汚れ発散原因となる装置の周囲に配置さ
れてその汚れを受ける防汚板材であって、基材表面に、
光触媒粒子とシリコーンと撥水性フッ素樹脂とを含有す
る表面層が形成されていることを特徴とする防汚板材を
提供する。このような構成にすることにより、光触媒を
光励起したときに、光触媒作用によりシリコーン分子中
のケイ素原子に結合した有機基が少なくとも部分的に水
酸基に置換されて親水性を呈するようになり、シリコー
ンが外気に露出した親水性を呈する部分と、撥水性フッ
素樹脂が外気に露出した撥水性を呈する部分の双方が表
面に微視的に分散された構造となる。さらに、光触媒が
存在することにより、光触媒の光励起に応じてシリコー
ン分子中のケイ素原子に結合した有機基が少なくとも部
分的に水酸基に置換されたシリコーンは恒久的に親水性
を維持するので、上記親水性を呈する部分と撥水性を呈
する部分の双方が表面に微視的に分散された構造は維持
される。このような構造では、親水性表面と撥水性表面
が隣接するため、親水性表面になじみやすい親水性の付
着物は隣接する撥水性部分になじまない。逆に撥水性表
面になじみやすい疎水性の付着物は隣接する親水性部分
になじまない。そのため、親水性付着物も、疎水性付着
物も部材表面に固着されることはなく、付着した油分が
重合・固化しても部材表面に強固に固着しない。さら
に、光触媒が存在することにより、付着した油分を光酸
化作用で徐々に分解する効果も期待できる。
【0005】また、本発明では、油汚れ発散原因となる
装置の周囲に配置されてその汚れを受ける防汚板材であ
って、基材表面に、光触媒粒子と無定型シリカと撥水性
フッ素樹脂とを含有する表面層が形成されていることを
特徴とする防汚板材を提供する。このような構成にする
ことにより、表面層中の無定型シリカが外気に露出した
親水性を呈する部分と、撥水性フッ素樹脂が外気に露出
した撥水性を呈する部分の双方が表面に微視的に分散さ
れた構造となる。さらに、光触媒が存在することによ
り、光触媒の光励起に応じて無定型シリカは恒久的に親
水性を維持するので、上記親水性を呈する部分と撥水性
を呈する部分の双方が表面に微視的に分散された構造は
維持される。このような構造では、親水性表面と撥水性
表面が隣接するため、親水性表面になじみやすい親水性
の付着物は隣接する撥水性部分になじまない。逆に撥水
性表面になじみやすい疎水性の付着物は隣接する親水性
部分になじまない。そのため、親水性付着物も、疎水性
付着物も部材表面に固着されることはなく、付着した油
分が重合・固化しても部材表面に強固に固着しない。さ
らに、光触媒が存在することにより、付着した油分を光
酸化作用で徐々に分解する効果も期待できる。
【0006】
【発明の実施の形態】次に、本発明の具体的な表面構造
について説明する。本発明の一態様においては、図1に
示すように、防汚板材基材の表面に光触媒粒子と、シリ
コーンと、撥水性フッ素樹脂を含む表面層が形成されて
いる。図1に光触媒を光励起することの可能な光が照射
されると、外気に露出したシリコーンの少なくとも一部
が、光触媒作用によりシリコーン分子中のケイ素原子に
結合した有機基が少なくとも部分的に水酸基に置換され
て親水性を呈するようになり、シリコーンが外気に露出
した親水性を呈する部分と、撥水性フッ素樹脂が外気に
露出した撥水性を呈する部分の双方が表面に微視的に分
散された構造となる。さらに、光触媒が存在することに
より、光触媒の光励起に応じて無定型シリカは恒久的に
親水性を維持するので、上記親水性を呈する部分と撥水
性を呈する部分の双方が表面に微視的に分散された構造
は維持される。このような構造になることにより、親水
性付着物も、疎水性付着物も部材表面に固着されること
はなく、付着した油分が重合・固化しても部材表面に強
固に固着しない。
【0007】本発明の他の態様においては、図2に示す
ように、防汚板材基材の表面に光触媒粒子と、無定型シ
リカと、撥水性フッ素樹脂を含む表面層が形成されてい
る。このような構成にすることにより、表面層中の無定
型シリカが外気に露出した親水性を呈する部分と、撥水
性フッ素樹脂が外気に露出した撥水性を呈する部分の双
方が表面に微視的に分散された構造となる。さらに、光
触媒が存在することにより、光触媒の光励起に応じて無
定型シリカは恒久的に親水性を維持するので、上記親水
性を呈する部分と撥水性を呈する部分の双方が表面に微
視的に分散された構造は維持される。このような構造に
なることにより、親水性付着物も、疎水性付着物も部材
表面に固着されることはなく、付着した油分が重合・固
化しても部材表面に強固に固着しない。
【0008】防汚板材基材には、施釉タイル、無釉タイ
ル、煉瓦、ガラス、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、シリ
コーン樹脂被覆物、フッ素樹脂被覆物等が好適に利用で
きる。防汚板材基材と表面層との間には、基材表面の平
滑化、基材の耐久性向上等の目的で中間層を設けてもよ
い。
【0009】光触媒とは、その結晶の伝導帯と価電子帯
との間のエネルギーギャップよりも大きなエネルギー
(すなわち短い波長)の光(励起光)を照射したとき
に、価電子帯中の電子の励起(光励起)が生じて、伝導
電子と正孔を生成しうる物質をいい、光触媒性酸化物に
は、例えば、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チ
タン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化第二鉄、三酸化二ビスマ
ス、三酸化タングステン、チタン酸ストロンチウム等の
酸化物が好適に利用できる。光触媒の光励起に用いる光
源としては、室内照明や窓から差込む太陽光が利用でき
る。光触媒の光励起により、基材表面が高度に親水化さ
れるためには、励起光の照度は0.001mW/cm2
以上あればよいが、0.01mW/cm2以上だと好ま
しく、0.1mW/cm2以上だとより好ましい。
【0010】シリコーンには、平均組成式 RpSiO(4-p)/2 (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、pは0<p<2を満足する数
である)で表される樹脂が利用できる。
【0011】撥水性フッ素樹脂には、ポリテトラフルオ
ロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリヘ
キサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン−ヘ
キサフルオロプロピレンコポリマー等が好適に利用でき
る。
【0012】表面層の膜厚は、0.4μm以下にするの
が好ましい。そうすれば、光の乱反射による白濁を防止
することができ、表面層は実質的に透明となる。さら
に、表面層の膜厚を、0.2μm以下にすると一層好ま
しい。そうすれば、光の干渉による表面層の発色を防止
することができる。また、表面層が薄ければ薄いほどそ
の透明度は向上する。更に、膜厚を薄くすれば、表面層
の耐摩耗性が向上する。
【0013】表面層には、Ag、Cu、Znのような金
属を添加することができる。前記金属を添加した表面層
は、表面に付着した細菌や黴を暗所でも死滅させること
ができる。
【0014】表面層にはPt、Pd、Ru、Rh、I
r、Osのような白金族金属を添加することができる。
前記金属を添加した表面層は、光触媒の酸化還元活性を
増強でき、有機物汚れの分解性、有害気体や悪臭の分解
性を向上させることができる。
【0015】次に、基材表面に光触媒性酸化物粒子とシ
リコーンと撥水性フッ素樹脂とを含有する表面層が形成
されている防汚板材の製法について説明する。この場合
の製法は、基本的には、基材表面にコーティング組成物
を塗布し、硬化させることによる。
【0016】ここでコーティング組成物は、光触媒粒
子、撥水性フッ素樹脂の他にシリコーンの前駆体を必須
構成要件とし、その他に水、エタノール、プロパノール
等の溶媒や、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、マレイン酸等の
シリコーンの前駆体の加水分解を促進する触媒や、トリ
ブチルアミン、ヘキシルアミンなどの塩基性化合物類、
アルミニウムトリイソプロポキシド、テトライソプロピ
ルチタネートなどの酸性化合物類等のシリコーンの前駆
体を硬化させる触媒や、シランカップリング剤等のコー
ティング液の分散性を向上させる界面活性剤などを添加
してもよい。
【0017】ここでシリコーンの前駆体としては、平均
組成式 RpSiXq(4-p-q)/2 (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、p及びqは0<p<2、0<
q<4を満足する数である)で表されるシロキサンから
なる塗膜形成要素、又は一般式 RpSiX4-p (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、pは1または2である)で表
される加水分解性シラン誘導体からなる塗膜形成要素、
が好適に利用できる。
【0018】ここで上記加水分解性シラン誘導体からな
る塗膜形成要素としては、メチルトリメトキシシラン、
メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラ
ン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシ
ラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキ
シシラン、エチルトリブトキシシラン、フェニルトリメ
トキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニル
トリプロポキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジブトキシ
シラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキ
シシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジエチルジブ
トキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェ
ニルメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジプロポ
キシシラン、フェニルメチルジブトキシシラン、n−プ
ロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシ
シラン、n−プロピルトリプロポキシシラン、n−プロ
ピルトリブトキシシラン、γ−グリコキシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン等が好適に利用できる。
【0019】また、上記シロキサンからなる塗膜形成要
素としては、上記加水分解性シラン誘導体の部分加水分
解及び脱水縮重合、又は上記加水分解性シラン誘導体の
部分加水分解物と、テトラメトキシシラン、テトラエト
キシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシ
シラン、ジエトキシジメトキシシラン等の部分加水分解
物との脱水縮重合等で作製することができる。
【0020】上記コーティング組成物の塗布方法として
は、スプレーコーティング法、ディップコーティング
法、フロ−コーティング法、スピンコーティング法、ロ
ールコーティング法、刷毛塗り、スポンジ塗り等の方法
が好適に利用できる。硬化方法としては、熱処理、室温
放置、紫外線照射等により重合させて行うことができ
る。
【0021】次に、基材表面に、光触媒粒子と無定型シ
リカと撥水性フッ素樹脂とを含有する表面層が形成され
ている防汚板材の製法について説明する。この場合の製
法は、基本的には、基材表面にコーティング組成物を塗
布し、硬化させることによる。
【0022】ここでコーティング組成物は、光触媒粒
子、撥水性フッ素樹脂の他にシリカ粒子又はシリカの前
駆体を必須構成要件とし、その他に水、エタノール、プ
ロパノール等の溶媒や、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、マレ
イン酸等のシリカの前駆体の加水分解を促進する触媒
や、トリブチルアミン、ヘキシルアミンなどの塩基性化
合物類、アルミニウムトリイソプロポキシド、テトライ
ソプロピルチタネートなどの酸性化合物類等のシリカの
前駆体を硬化させる触媒や、シランカップリング剤等の
コーティング液の分散性を向上させる界面活性剤などを
添加してもよい。
【0023】ここでシリコーンの前駆体としては、平均
組成式 SiXq(4-q)/2 (式中、Xはアルコキシ基、又は、ハロゲン原子であ
り、qは0<q<4を満足する数である)で表されるシ
リケートからなる塗膜形成要素、又は一般式SiX
4(式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上か
らなる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれ
た2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、
又は、ハロゲン原子である)で表される4官能加水分解
性シラン誘導体からなる塗膜形成要素等が好適に利用で
きる。
【0024】ここで上記4官能加水分解性シラン誘導体
からなる塗膜形成要素としては、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、
テトラブトキシシラン、ジエトキシジメトキシシラン等
が好適に利用できる。
【0025】また、上記シリケートからなる塗膜形成要
素としては、上記4官能加水分解性シラン誘導体の部分
加水分解及び脱水縮重合等で作製することができる。
【0026】上記コーティング組成物の塗布方法として
は、スプレーコーティング法、ディップコーティング
法、フローコーティング法、スピンコーティング法、ロ
ールコーティング法、刷毛塗り、スポンジ塗り等の方法
が好適に利用できる。硬化方法としては、熱処理、室温
放置、紫外線照射等により重合させて行うことができ
る。
【0027】
【実施例】
参考例.アナターゼ型酸化チタンゾル(日産化学、TA
−15、硝酸解膠型、pH=1)と、シリカゾル(日本
合成ゴム、グラスカA液、pH=4)と、メチルトリメ
トキシシラン(日本合成ゴム、グラスカB液)とエタノ
ールを混合し、2〜3分撹拌して得たコーティング液
を、スプレーコーティング法にて10cm四角のアルミ
ニウム基材上に塗布し、200℃で15分熱処理して、
アナターゼ型酸化チタン粒子11重量部、シリカ6重量
部、シリコーン5重量部からなる表面層を形成した#1
試料を得た。#1試料の水との接触角は85゜であっ
た。ここで水との接触角は接触角測定器(協和界面科
学、CA−X150)を用い、マイクロシリンジから水
滴を滴下した後30秒後の水との接触角で評価した。次
いで#1試料表面に、紫外線光源(三共電気、ブラック
ライトブルー(BLB)蛍光灯)を用いて0.3mW/
cm2の紫外線照度で1日照射し、#2試料を得た。そ
の結果、#2試料の水との接触角は0゜まで親水化され
た。次に、#1試料と、#1試料に水銀灯を22.8m
W/cm2の紫外線照度で2時間照射して得た#3試料
夫々の試料表面をラマン分光分析した。その結果、#1
試料表面で認められたメチル基のピークが#3試料では
認められず、代わりに水酸基のブロードなピークが認め
られた。以上のことから、光触媒であるアナターゼ型酸
化チタンの光励起に応じて被膜の表面のシリコーン分子
中のケイ素原子に結合した有機基は、光触媒作用により
水酸基に置換されること、及び親水化されることがわか
る。
【0028】実施例1.アナターゼ型酸化チタンゾル
(日産化学、TA−15)と、シリカゾル(日本合成ゴ
ム、グラスカA液)と、メチルトリメトキシシラン(日
本合成ゴム、グラスカB液)とポリテトラフルオロエチ
レン(PTFE)粒子(ダイキン工業、ルブロンL−
5)とエタノールを混合し、2〜3時間撹拌して得たコ
ーティング液を、スプレーコーティング法にて5×10
cm四角の施釉タイル(東陶機器、AB02E11)基
材上に塗布し、200℃で15分熱処理して、アナター
ゼ型酸化チタン粒子33重量部、ポリテトラフルオロエ
チレン粒子66重量部、シリカ6重量部、シリコーン5
重量部からなる表面層を形成した#4試料を得た。#4
試料の水との接触角は110゜であった。次いで#4試
料表面に、紫外線光源(三共電気、ブラックライトブル
ー(BLB)蛍光灯)を用いて0.3mW/cm2の紫
外線照度で1日照射し、#5試料を得た。その結果、#
5試料の水との接触角は97.4゜とさほど変化がなか
った。上記参考例より、シリコーンが外気に露出した部
分はシリコーン分子中のケイ素原子に結合した有機基
は、光触媒作用により水酸基に置換され、親水化される
はずであるから、その分だけ親水化して水との接触角が
若干減少したと考えられる。すなわち、#5試料表面
は、光触媒作用により水酸基に置換され、親水化された
シリコーンが外気に露出した親水性を呈する部分と、撥
水性フッ素樹脂が外気に露出した撥水性を呈する部分の
双方が表面に微視的に分散された構造となっていると推
定される。
【0029】次に、#5試料及び比較のため施釉タイル
板に、サラダ油をスプレーで付着させた後、3か月放置
し、付着油の固着性を調べた。付着油の固着性は、試験
後に布でこすったときの状態変化で調べた。その結果、
#5試料のほうが施釉タイル板よりもきれいに付着油が
拭い取れた。
【0030】
【発明の効果】本発明では、防汚板材において、基材表
面に、光触媒粒子とシリコーンと撥水性フッ素樹脂とを
含有する表面層が形成されているようにする、或いは基
材表面に、光触媒粒子と無定型シリカと撥水性フッ素樹
脂とを含有する表面層が形成されているようにすること
により、親水性付着物も、疎水性付着物も部材表面に固
着されにくくなり、付着した油分が重合・固化しても部
材表面に強固に固着しなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る防汚板材の表面構造を示す図。
【図2】 本発明に係る防汚板材の他の表面構造を示す
図。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油汚れ発散原因となる装置の周囲に配置
    されてその汚れを受ける防汚板材であって、 基材表面に、光触媒性酸化物粒子とシリコーンと撥水性
    フッ素樹脂とを含有する表面層が形成されていることを
    特徴とする防汚板材。
  2. 【請求項2】 油汚れ発散原因となる装置の周囲に配置
    されてその汚れを受ける防汚板材であって、 基材表面に、光触媒性酸化物粒子と無定型シリカと撥水
    性フッ素樹脂とを含有する表面層が形成されていること
    を特徴とする防汚板材。
  3. 【請求項3】 前記板材は、厨房のコンロの周囲に配置
    されるキッチンバックであることを特徴とする請求項
    1、2に記載の防汚板材。
JP8299677A 1996-10-24 1996-10-24 防汚板材 Pending JPH10119229A (ja)

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