JP2000317393A - 加工性,耐候性及び光触媒活性に優れたプレコート鋼板及びその製造方法 - Google Patents
加工性,耐候性及び光触媒活性に優れたプレコート鋼板及びその製造方法Info
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Abstract
カ及びTiO2 を分散させることにより、加工性,耐候
性,光触媒活性をバランスさせたプレコート鋼板を得
る。 【構成】 このプレコート鋼板は、アクリル樹脂とオル
ガノアルコキシシランとの重合反応で生成した3次元網
目構造のアクリルシリケートにコロイド状シリカ及びT
iO2 粒子が分散した膜厚0.2〜10μmの塗膜が形
成されている。コロイド状シリカ:10〜60重量%,
オルガノアルコキシシランの部分加水分解縮合物:10
〜60重量%,不飽和エチレン性単量体の重合体又は共
重合体:20〜70重量%の組成をもつベース樹脂10
0重量部に粒径200nm以下のTiO2 粒子を10〜
150重量部の割合で分散させた塗料が使用される。T
iO 2 分散塗膜と下地鋼との間に、加工性を改善する中
間層を介在させても良い。
Description
触媒活性に優れたプレコート鋼板及びその製造方法に関
する。
で活性化し、有機物,NOX ,SOX等を分解する作用
を呈する。この作用を活用し、アナターゼ型のTiO2
粒子及びシリカを配合した塗膜を基材表面に設けること
により、塗装鋼板に光触媒活性を付与することが検討さ
れている。この種の塗装鋼板でベースとなる塗膜に有機
物を使用すると、光触媒反応で生成した活性酸素
(O2 -,・OH等)で有機塗膜が分解され、チョーキン
グによる塗膜剥離が懸念される。そのため、ベース樹脂
として、無機系材料が一般的に使用されている(特開平
7−113272号公報,特開平8−164334号公
報,WO96・29375等参照)。有機系塗膜は光触
媒反応によって分解される虞れがあるが、比較的安定な
フッ素樹脂をベースとするとき有機系塗膜の分解が抑え
られる。そこで、フッ素樹脂をベースとしてアナターゼ
型TiO2 粒子を添加した塗膜が提案されている(特開
平7−171408号公報)。この塗膜は、ベース樹脂
が有機質であるため比較的加工性に優れている。また、
特開平10−225658号公報では、主としてシリカ
−オルガノシラン系塗料にアナターゼ型TiO2 粒子を
添加した有機・無機複合塗膜を形成した光触媒プレコー
ト鋼板が紹介されている。
光触媒活性を付与した無機系塗膜は、加工性に劣り、曲
げ加工等でクラックが発生し、鋼板表面から塗膜が剥離
し易い。そのため、曲げ加工等が必須になる建材,家電
製品等の用途では、加工後に塗膜を形成するポストコー
トによって光触媒活性を付与せざるを得ない。しかし、
ポストコートは生産性が低いことから、製造コストが低
減できるプレコート化が要求されているが、建材,家電
製品等の用途で要求される加工性を十分満足した無機系
プレコート鋼板は開発されていない。
る分解に対する抵抗力を高めるためフッ素系樹脂を用い
た有機系塗装鋼板は、建材等に要求される耐候性を十分
満足するには至っていない。たとえば、TiO2 粒子の
周りに他の無機物をコーティングしてTiO2 粒子と有
機系塗膜の直接接触を防止する方法,TiO2 粒子の配
合量を減らす方法等で有機系塗膜の分解を抑制している
が、何れの方法によってもTiO2 粒子の光触媒活性が
低下する。光触媒活性を付与した有機・無機複合塗膜を
形成した塗装鋼板では、無機系塗装鋼板と同様に加工性
に劣る。たとえば、塗膜を膜厚1μm程度に薄くした場
合にあっても、T曲げテープ剥離試験で10Tもクリア
できず、光触媒プレコート鋼板に要求される特性(具体
的には、T曲げテープ剥離試験で2T以下)が得られて
いない。
題を解消すべく案出されたものであり、アクリルシリケ
ートにコロイド状のシリカ及びTiO2 粒子を巻き込む
形態の塗膜を形成することにより、優れた光触媒活性を
呈し、耐候性と加工性をバランスさせたプレコート鋼板
を提供することを目的とする。本発明のプレコート鋼板
は、その目的を達成するため、アクリル樹脂とオルガノ
アルコキシシランとの重合反応で生成した3次元網目構
造のアクリルシリケートにコロイド状シリカ及びTiO
2 粒子が分散している塗膜をもつことを特徴とする。
イド状シリカ:10〜60重量%,オルガノアルコキシ
シランの部分加水分解縮合物:10〜60重量%,不飽
和エチレン性単量体の重合体又は共重合体:20〜70
重量%の組成をもつ樹脂組成物が使用される。TiO2
粒子は、200nm以下の粒径をもつアナターゼ型,ル
チル型等のチタニア粉末が使用され、ベース樹脂100
重量部に対し10〜150重量部の割合で分散してい
る。TiO2 分散塗膜は、膜厚0.2〜10μmで形成
することが好ましい。また、加工性を高めるため、鋼板
及びTiO2 分散塗膜の双方に対する密着性に優れた有
機又は有機・無機複合塗膜を中間層として設けることも
できる。中間層には、好ましくはベンゾトリアゾール,
ジフェニルピクリルヒドラジル等のラジカル禁止剤が配
合される。
を加えた有機溶媒にコロイド状シリカ及びオルガノアル
コキシシランの部分加水分解縮合物を溶解してコロイド
状シリカ:10〜60重量%,オルガノアルコキシシラ
ンの部分加水分解縮合物:10〜60重量%,不飽和エ
チレン性単量体の重合体又は共重合体:20〜70重量
%からなるベース樹脂を用意し、ベース樹脂100重量
部に対して粒径200nm以上のTiO2 粒子を10〜
150重量部分散させて塗料を調整し、鋼板又は中間層
を形成した鋼板の塗料を塗布することにより製造され
る。
たベース樹脂にTiO2 を分散させた塗料から作られた
塗膜では、通常、光照射時にTiO2 の光触媒反応によ
って生じる活性酸素によってアクリル樹脂が分解され、
塗膜にチョーキング現象が生じ、耐候性が劣化する。こ
れに対し、本発明では、アクリル及びオルガノアルコキ
シシランの重合反応によりアクリルシリケートが生成す
る樹脂組成を採用している。アクリルシリケートは、コ
ロイド状のシリカ及びTiO2 粒子を巻き込んだ3次元
の網目構造をとる。TiO2 及びコロイダルシリカを分
散させたアクリルシリケートの網目構造は、アクリルの
一部分が活性酸素で分解・切断されてもシリケート側で
3次元の網目構造が維持されるためチョーキング現象に
至らず、塗膜の耐候性を向上させるものと推察される。
また、アクリル成分の導入によって塗膜に可撓性が付与
され、加工性も改善される。しかも、TiO2 粒子を塗
膜中に比較的高濃度まで分散できるため、優れた光触媒
活性を付与できる。
け(図1)、或いは中間層を介して鋼板表面(図2)に
設けることができる。鋼板1の表面に設けられるTiO
2 分散塗膜2は、コロイド状シリカ:10〜60重量
%,オルガノアルコキシシランの部分加水分解縮合物:
10〜60重量%,不飽和エチレン性単量体の重合体又
は共重合体:20〜70重量%からなるベース樹脂10
0重量部に、粒径200nm以下のTiO2 粒子3を1
0〜150重量部配合した塗料から作られる。コロイド
状シリカの配合量が10重量%に満たないと塗膜の硬度
が低下し、逆に60重量%を越える配合量では耐衝撃性
が低下する。
縮合物は、オルガノアルコキシシランを酸性の水性コロ
イド状シリカ及び非水性コロイド状シリカの混合分散液
中で次式に従って加水分解することにより得られるオル
ガノヒドロキシシラン又はその部分縮合物である。オル
ガノアルコキシシランの部分加水分解縮合物の配合量が
10重量%未満では塗膜の密着性が低下し、逆に60重
量%を越える配合量では耐衝撃性が劣化する。 R1 Si(OR2 )3 → R1 Si(OH)3 ただし、R1 :炭素数1〜3のアルキル基,ビニル基,
3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基,γ−グリシ
ドキシプロピル基,γ−メタクリルオキシプロピル基,
γ−メルカプトプロピル基,γ−クロロプロピル基から
選ばれた基 R2 :炭素数1〜3のアルキル基又はアリール基
合体に使用される不飽和エチレン性単量体としては、た
とえばメチルアクリレート,エチルアクリレート,2−
エチルヘキシルアクリレート,t−ブチルアクリレー
ト,2−ヒドロキシメチルアクリレート,2−ヒドロキ
シエチルアクリレート,メチルメタクリレート,エチル
メタクリレート,n−ブチルメタクリレート,イソブチ
ルメタクリレート,t−ブチルメタクリレート,グリシ
ジルメタクリレート,2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート,2−ヒドロキシプロピルメタクリレート,ジメチ
ルアミノエチルメタクリレート,ジエチルアミノエチル
メタクリレート,2−エチルヘキシルメタクリレート,
メトキシジエチレングリコールアクリレート,メトキシ
ジエチレングリコールメタクリレート,メトキシテトラ
エチレングリコールメタクリレート,アリルメタクリレ
ート等のアクリル酸エステルやメタクリル酸エステル等
が使用され、スチレン等の他の単量体を少量配合しても
良い。不飽和エチレン性単量体の重合体又は共重合体の
配合量が20重量%未満では、塗膜を数μm以上の厚膜
にできず、塗膜の熱収縮等に起因するクラックを抑制
し、加工性を向上させることが困難になる。逆に70重
量%を越える配合量では、光触媒性によるチョーキング
現象が起こりやすくなり、塗膜の寿命が短くなる。
以下のアナターゼ型,ルチル型等が使用される。TiO
2 粒子は、ベース樹脂100重量部に対し10〜150
重量部の割合で塗膜に分散させる。粒径が200nmを
越えるTiO2 粒子では、塗膜中に分散しているTiO
2 粒子の比表面積が小さくなり、十分な光触媒活性が得
られない。TiO2 粒子の分散量が10重量部に満たな
い場合でも、十分な光触媒活性が得られない。しかし、
150重量部を越える多量のTiO2 粒子を配合する
と、樹脂成分の不足から緻密な塗膜が形成されず、加工
等で容易に破壊され易くなる。TiO2 分散塗膜は、
0.2〜10μmの膜厚で鋼板表面を形成することが好
ましい。0.2μm未満の膜厚では、鋼板表面の凹凸を
吸収できず、凸部での膜切れを起点とした塗膜剥離が生
じ易くなる。逆に10μmを越える厚膜では、建材,家
電製品等で要求される加工性が得られなくなる。
面及びTiO2 分散塗膜2の双方に対する密着性に優れ
た中間層4を介在させることにより改善される(図
2)。中間層4は、仮にTiO2 分散塗膜2にクラック
が加工時に発生しても、鋼板1からTiO2 分散塗膜2
が剥離することを防止する。TiO2 粒子3は、TiO
2分散塗膜2中のクラックの有無に拘わらず、所期の光
触媒活性を呈する。中間層4としては、TiO2 分散塗
膜2よりも優れた加工性が要求されることから、有機塗
膜又は有機・無機複合塗膜が使用される。中間層4に使
用される有機塗膜には、鋼板1及びTiO2 分散塗膜に
対する密着性を考慮すると極性基をもつ樹脂塗料が好ま
しく、具体的にはエポキシ系樹脂,ポリウレタン系樹
脂,ポリエステル系樹脂,アクリル系樹脂,フッ素−ア
クリル混合樹脂等が使用される。有機・無機複合塗膜と
しては、アクリルシリケート系,ポリエステルシリケー
ト系,フッ素−アクリルシリケート系等が好適である。
中間層4は、表層のTiO2 分散塗膜2で生成する活性
酸素によって分解される虞れがある。そのため、ベンゾ
トリアゾール、ジフェニルピクリルヒドラジル等のラジ
カル禁止剤を中間層4に配合することが好ましい。ラジ
カル禁止剤は、TiO2 分散塗膜2で生成したラジカル
をトラップし、中間層4を形成する有機成分の分解を抑
制する作用を呈する。
ール性コロイド状シリカ分散液と混合した後、メチルト
リエトキシシランを添加し、室温で約5時間攪拌して加
水分解を完了させた。得られた生成物にイソプロピルア
ルコールを添加し、固形分約20重量%のコロイド状シ
リカ分散オルガノアルコキシシラン液(以下、シリカ分
散液という)を用意した。アクリル酸エステル(メチル
メタクリレート:n−ブチルメタクリレート=2:1の
混合物)をイソプロパノールとエチレングリコールモノ
ブチルエーテルとの混合物(混合比2:5)で希釈し、
窒素置換雰囲気中でAIBN(アゾビスイソブチロニト
リル)を添加し、80℃で約6時間重合反応させ、固形
分約30重量%のアクリル樹脂液(以下、単にアクリル
樹脂液という)を用意した。シリカ分散液にアクリル樹
脂液を配合した後、アナターゼ型TiO2 粉末を分散さ
せ、次に掲げる複数種類のTiO2 分散塗膜形成用塗料
を調製した。
固形分比率でコロイド状シリカ:10重量%,メチルト
リエトキシシラン:10重量%,アクリル酸エステル:
70重量%,アナターゼ型TiO2 :10重量%の塗料
組成に調製した。板厚0.4mmのステンレス鋼帯を脱
脂し、塗料をロールコータで塗布し、250℃×1分間
の焼成で膜厚3μmのTiO2 分散塗膜を形成した。得
られたTiO2 分散塗膜は、白色を呈し、アクリルシリ
ケート中にTiO2 粒子が均一分散していることが塗膜
断面のSEM観察で確認された。 塗装条件2(本発明例) 固形分比率でアクリル酸エステルの濃度を20重量%,
アナターゼ型TiO2粉末の分散量を60重量%とする
以外は、実施例1と同様にして膜厚3μmのTiO2 分
散塗膜を形成した。
クリル酸エステルを20重量%とする以外は、実施例1
と同様にして膜厚3μmのTiO2 分散塗膜を形成し
た。 塗装条件4(本発明例) 固形分比率でメチルトリエトキシシランの濃度を60重
量%,アクリル酸エステルを20重量%とする以外は、
実施例1と同様にして膜厚3μmのTiO2 分散塗膜を
形成した。 塗装条件5(本発明例) 板厚0.4mmのステンレス鋼板を脱脂した後、中間層
用にアクリル樹脂液を使用し、ロールコータでアクリル
樹脂液を鋼板表面に塗布し、230℃×1分間の焼成で
中間層を形成した。次いで、塗装条件1を同じTiO2
分散塗料を中間層上にロールコータで塗布し、250℃
×1分間の焼成で膜厚3μmのTiO2分散塗膜を形成
した。
リル樹脂液との混合液を使用し、TiO2 分散塗膜形成
用に塗装条件1と同じTiO2 分散塗料を使用した。板
厚0.4mmのステンレス鋼板を脱脂した後、中間層形
成用塗料をロールコータで塗布し、230℃×1分間で
焼成し、次いでTiO2 分散塗料をロールコータで塗布
し、250℃×1分間の焼成で膜厚3μmのTiO2 分
散塗膜を形成した。 塗装条件7(本発明例) 中間層形成用の塗料にベンゾトリアゾールを1重量%添
加する以外は、塗装条件5と同じ条件下で膜厚1μmの
中間層及び膜厚3μmのTiO2 分散塗膜を形成した。
以外は、塗装条件2と同様に膜厚3μmのTiO2 分散
塗膜を形成した。 塗装条件9(比較例) 固形分比率でメチルトリエトキシシランの濃度を15重
量%,アナターゼ型TiO2 粉末を5重量%とする以外
は、塗装条件1と同じ条件下で膜厚3μmのTiO2 分
散塗膜を形成した。 塗装条件10(比較例) 固形分比率でアクリル酸エステルの濃度を15重量%,
アナターゼ型TiO2粉末を65重量%とする以外は、
塗装条件1と同じ条件下で膜厚3μmのTiO 2 分散塗
膜を形成した。 塗装条件11(比較例) 固形分比率でアクリル酸エステルの濃度を15重量%,
アナターゼ型TiO2粉末を15重量%とする以外は、
塗装条件3と同じ条件下で膜厚3μmのTiO 2 分散塗
膜を形成した。
ルトリエトキシシランを5重量%,アクリル酸エステル
を80重量%とする以外は、塗装条件1と同じ条件下で
膜厚3μmのTiO2 分散塗膜を形成した。 塗装条件13(比較例) メチルトリエトキシシランを添加することなく、固形分
比率でアナターゼ型TiO2 粉末の濃度を20重量%と
する以外は、塗装条件1と同じ条件下で膜厚3μmのT
iO2 分散塗膜を形成した。 塗装条件14(比較例) コロイド状シリカを添加することなく、固形分比率でア
ナターゼ型TiO2 粉末の濃度を20重量%とする以外
は、塗装条件1と同じ条件下で膜厚3μmのTiO2 分
散塗膜を形成した。
クリル酸エステルを15重量%とする以外は、塗装条件
1と同じ条件下で膜厚3μmのTiO2 分散塗膜を形成
した。 塗装条件16(比較例) 固形分比率でメチルトリエトキシシランの濃度を65重
量%,アクリル酸エステルを15重量%とする以外は、
塗装条件1と同じ条件下で膜厚3μmのTiO 2 分散塗
膜を形成した。 塗装条件17(比較例) ロールコータのアプリケータロールの周速を減速して膜
厚を0.1μmに調製する以外は、塗装条件1と同じ条
件下でTiO2 分散塗膜を形成した。 塗装条件18(比較例) ロールコータのアプリケータロールの周速を増速して膜
厚を15μmに調製する以外は、塗装条件1と同じ条件
下でTiO2 分散塗膜を形成した。
ら試験片を切り出し、加工性試験,耐候性試験及び光触
媒活性試験に供した。加工性試験では、試験片をT曲げ
した後、テープ剥離試験した。テープ剥離後の塗膜残存
状況を目視観察し、0Tの曲げで塗膜に剥離が検出され
ないものを◎,2T以下の曲げで塗膜に剥離が検出され
ないものを○,5T以下の曲げで塗膜に剥離が検出され
ないものを△,5Tの曲げで塗膜に剥離が生じたものを
×と評価した。耐候性試験では、63℃サンシャインウ
エザー促進試験機に試験片を1000時間保持し、試験
前後の光沢保持率で耐候性を調査した。光沢保持率が9
0%以上を◎,80%以上を○,70%以上を△,70
%未満を×と評価した。光触媒活性試験では、付着量
0.2mg/cm2 でサラダ油を試験片表面に付着さ
せ、5mW/cm2 の紫外光を24時間照射した後、試
験片に残存しているサラダ油の重量を測定した。そし
て、紫外光照射前のサラダ油に比較して紫外光照射後の
サラダ油の重量減少率を求め、この重量減少率を油分解
率として光触媒活性を判定し、油分解率40%以上を
○,40%未満を×と評価した。
例)及び表2(比較例)に示す。表1と表2の対比から
明らかなように、アクリルシリケートの3次元網目構造
にコロイド状シリカ及びTiO2 を分散させた本発明例
のプレコート鋼板は、何れも加工性,耐候性及び光触媒
活性の間でバランスが良く、加工性が要求される建材,
家電製品等の用途にセルフクリーニング作用のある塗装
鋼板として使用できることが判る。なかでも、下地鋼板
とTiO2 分散塗膜との間に中間層を介在させた試験番
号5〜7では優れた加工性が得られ、更にラジカル禁止
剤を添加した試験番号7では耐候性も改善されていた。
ート鋼板はアクリル及びオルガノアルコキシシランの反
応・重合で生成したアクリルシリケートの3次元網目構
造に巻き込まれる形態でコロイド状のシリカ及びTiO
2 粒子を分散させた塗膜を鋼板表面に形成している。こ
の塗膜構造のため、光触媒反応で生成する活性酸素によ
る塗膜のチョーキング現象が抑制され、TiO2 粒子の
光触媒活性を維持しつつ耐候性及び加工性が改善され
る。このようにして得られたプレコート鋼板は、優れた
光触媒活性,耐候性,加工性を活用し、建材,家電製品
用ハウジングを始めとして広範な分野で使用される。
レコート鋼板
たプレコート鋼板
子 4:中間層
Claims (6)
- 【請求項1】 アクリル樹脂とオルガノアルコキシシラ
ンとの重合反応で生成したアクリルシリケートの3次元
網目構造にコロイド状シリカ及び粒径200nm以下の
TiO2 粒子が分散している塗膜をもつことを特徴とす
る加工性,耐候性及び光触媒活性に優れたプレコート鋼
板。 - 【請求項2】 塗膜を形成するベース樹脂がコロイド状
シリカ:10〜60重量%,オルガノアルコキシシラン
の部分加水分解縮合物:10〜60重量%,不飽和エチ
レン性単量体の重合体又は共重合体:20〜70重量%
の組成をもち、ベース樹脂100重量部に粒径200n
m以下のTiO2 粒子を10〜150重量部の割合で分
散している請求項1記載の加工性,耐候性及び光触媒活
性に優れたプレコート鋼板。 - 【請求項3】 膜厚0.2〜10μmでTiO2 分散塗
膜が形成されている請求項1又は2記載の加工性,耐候
性及び光触媒活性に優れたプレコート鋼板。 - 【請求項4】 鋼板及びTiO2 分散塗膜の双方に対す
る密着性に優れた有機又は有機・無機複合塗膜が中間層
として設けられている請求項1〜3の何れかに記載の加
工性,耐候性及び光触媒活性に優れたプレコート鋼板。 - 【請求項5】 中間層にラジカル禁止剤が配合されてい
る請求項4記載の加工性,耐候性及び光触媒活性に優れ
たプレコート鋼板。 - 【請求項6】 グリコール誘導体を加えた有機溶媒にコ
ロイド状シリカ及びオルガノアルコキシシランの部分加
水分解縮合物を溶解してコロイド状シリカ:10〜60
重量%,オルガノアルコキシシランの部分加水分解縮合
物:10〜60重量%,不飽和エチレン性単量体の重合
体又は共重合体:20〜70重量%からなるベース樹脂
を用意し、ベース樹脂100重量部に対して粒径200
nm以下のTiO2 粒子を10〜150重量部分散させ
て塗料を調整し、鋼板又は中間層を形成した鋼板に塗料
を塗布することを特徴とする加工性,耐候性及び光触媒
活性に優れたプレコート鋼板の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13305499A JP4223138B2 (ja) | 1999-05-13 | 1999-05-13 | 加工性,耐候性及び光触媒活性に優れたプレコート鋼板及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13305499A JP4223138B2 (ja) | 1999-05-13 | 1999-05-13 | 加工性,耐候性及び光触媒活性に優れたプレコート鋼板及びその製造方法 |
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JP2000317393A true JP2000317393A (ja) | 2000-11-21 |
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ID=15095753
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JP13305499A Expired - Fee Related JP4223138B2 (ja) | 1999-05-13 | 1999-05-13 | 加工性,耐候性及び光触媒活性に優れたプレコート鋼板及びその製造方法 |
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