JP2011084074A - 表面処理金属 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は,光触媒効果を利用した耐汚染性に優れた表面処理金属であって,耐候性に優れ,塗膜の劣化を著しく低減した表面処理金属を提供する。
【解決手段】金属表面の少なくとも一部に1層以上の被覆層を有する表面処理金属であって,前記被覆層は,所定のアルコキシシラン又はその加水分解物の1種以上を主成分とし,これに光触媒活性を有する粒子を含有してなる処理液より形成されるものであって,主骨格の主要結合がシロキサン結合であり,かつ,炭素数1以上12以下のアルキル基,アリール基,カルボキシル基,アミノ基および水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の有機基を含み,かつ,光触媒活性を有する粒子のみを含有する無機−有機複合体皮膜を少なくとも最表層として有し,かつ,前記光触媒活性を有する粒子の無機−有機複合体皮膜中の含有率は,体積比で50〜95%であることを特徴とする表面処理金属である。
【選択図】なし
【解決手段】金属表面の少なくとも一部に1層以上の被覆層を有する表面処理金属であって,前記被覆層は,所定のアルコキシシラン又はその加水分解物の1種以上を主成分とし,これに光触媒活性を有する粒子を含有してなる処理液より形成されるものであって,主骨格の主要結合がシロキサン結合であり,かつ,炭素数1以上12以下のアルキル基,アリール基,カルボキシル基,アミノ基および水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の有機基を含み,かつ,光触媒活性を有する粒子のみを含有する無機−有機複合体皮膜を少なくとも最表層として有し,かつ,前記光触媒活性を有する粒子の無機−有機複合体皮膜中の含有率は,体積比で50〜95%であることを特徴とする表面処理金属である。
【選択図】なし
Description
本発明は,表面に光触媒活性を示す皮膜を有することで,耐汚染性に優れた表面処理金属に関する。即ち,光触媒活性を有する粒子と光触媒による劣化の少ないマトリックス樹脂からなる皮膜を表面に有することで,長期間にわたって光触媒活性と耐候性に優れる表面処理金属に関するものである。
鉄に代表される金属材料は耐久性を向上させることを目的として,あるいは美しい外観を得ることを目的として塗装して使用される場合も多く,塗装された金属は,家電,自動車,建材,屋外構造物等の分野で広く用いられている。このうち,特に屋外での使用においては,雨,風,砂塵等に曝されるため,耐食性に加えて耐汚染性に優れることが必要とされている。
光触媒技術は,光触媒活性に優れた粒子を表面の塗膜中に分散させておくことで有機物を中心とした汚染物質を分解・除去する技術である。この技術は,表面の汚染物質の分解に対して高い効果を発揮するものの,有機物である樹脂系の塗膜も徐々に分解し,劣化が進行するため,そのままの状態で塗膜として長期間使用することは困難である。このため,塗膜の劣化を最小限に抑制するために種々の提案がなされてきた。
例えば,マトリックスとして無機系材料を用いる方法が,特許文献1,特許文献2に開示されている。また,有機系塗膜であっても,フッ素樹脂は光触媒に対して比較的安定であるため,これをマトリックスとして用いる方法が開示されている(特許文献3)。また,特にプレコート金属用には,光触媒に対する高い安定性と加工性が必要とされるが,この目的に対しては,シリカ−オルガノシラン系をマトリックスとして用いる技術が,アクリル樹脂とオルガノアルコキシシランとの重合反応によって得られたアルキルシリケートをマトリックスとして用いる方法として,特許文献4と特許文献5にそれぞれ開示されている。また,フッ化ビニリデン樹脂及びアクリル樹脂を用いる方法が,特許文献6に開示されている。
しかしながら,汚染物質の分解・除去と下地を構成する塗膜の分解・劣化のメカニズムが基本的には同じであるため,高い汚染物質除去効果を得ようとした場合,樹脂系塗膜の劣化が顕著になることは避けられず,一方,塗膜の劣化を抑制しようとすると十分な光触媒効果が得られないこととなり,この両者をそれぞれ十分満足できるレベルで両立させることは困難であった。
本発明は,これらの課題を解決すべくなされたものであり,十分な光触媒効果を発現させることによって耐汚染性に優れ,一方で,皮膜を構成している樹脂成分や下地である有機樹脂塗膜の劣化が殆ど生じない表面処理金属を提供することを目的とする。
本発明者らは,上記課題を解決すべく,鋭意検討を行った結果,化学的には光触媒活性を有する同じ成分でありながら,粒径の異なる2以上の粒子集合体を含有してなる無機−有機複合皮膜を有する表面処理金属によって,上記課題が解決できることを見出し,本発明を完成させるに至った。具体的には,以下の通りである。
(1) 金属表面の少なくとも一部に1層以上の被覆層を有する表面処理金属であって,前記被覆層は,テトラアルコキシシランと,炭素数1〜12のアルキル基を有するアルコキシシラン,アリール基を有するアルコキシシランから選ばれる1種以上のアルコキシシラン又はその加水分解物の1種以上を主成分とし,これに光触媒活性を有する粒子を含有してなる処理液より形成されるものであって,主骨格の主要結合がシロキサン結合であり,かつ,炭素数1以上12以下のアルキル基,アリール基,カルボキシル基,アミノ基および水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の有機基を含み,かつ,光触媒活性を有する粒子のみを含有する無機−有機複合体皮膜を少なくとも最表層として有し,かつ,前記粒子の無機−有機複合体皮膜中の含有率が,体積比で50〜95%であることを特徴とする表面処理金属。
(2) 前記光触媒活性を有する粒子は,同一成分であり,かつ,異なる平均粒子径を有する2種類以上の粒子であることを特徴とする,(1)記載の表面処理金属。
(3) 前記光触媒活性を有する粒子は,アナタース型の構造を含む酸化チタンであることを特徴とする,(1)記載の表面処理金属。
(4) 前記金属は金属板であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の表面処理金属。
(5) 前記金属板が,鋼板,ステンレス鋼板,チタン板,チタン合金板,アルミニウム板,アルミニウム合金板,または,鋼板,ステンレス鋼板,チタン板,チタン合金板,アルミニウム板,もしくはアルミニウム合金板にめっき処理しためっき金属板から選ばれる1種であることを特徴とする,(4)記載の表面処理金属。
(6) 前記被覆層は,最表層の無機−有機複合体皮膜の下に,少なくとも1層の有機塗膜を有する積層構造であることを特徴とする,(1)〜(5)のいずれかに記載の表面処理金属。
(2) 前記光触媒活性を有する粒子は,同一成分であり,かつ,異なる平均粒子径を有する2種類以上の粒子であることを特徴とする,(1)記載の表面処理金属。
(3) 前記光触媒活性を有する粒子は,アナタース型の構造を含む酸化チタンであることを特徴とする,(1)記載の表面処理金属。
(4) 前記金属は金属板であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の表面処理金属。
(5) 前記金属板が,鋼板,ステンレス鋼板,チタン板,チタン合金板,アルミニウム板,アルミニウム合金板,または,鋼板,ステンレス鋼板,チタン板,チタン合金板,アルミニウム板,もしくはアルミニウム合金板にめっき処理しためっき金属板から選ばれる1種であることを特徴とする,(4)記載の表面処理金属。
(6) 前記被覆層は,最表層の無機−有機複合体皮膜の下に,少なくとも1層の有機塗膜を有する積層構造であることを特徴とする,(1)〜(5)のいずれかに記載の表面処理金属。
本発明によれば,光触媒効果によって耐汚染性に優れ,かつ皮膜を構成している樹脂成分や下地である有機樹脂塗膜の劣化が殆ど生じない表面処理金属を容易に得ることができる。また,従来はポストコート法が主流であった光触媒皮膜をプレコート法によって容易に得ることができる。即ち,耐侯性と耐汚染性に優れ,折り曲げ,絞り等の加工が可能な表面処理金属を容易に得ることができる。
以下に,本発明を詳細に説明する。
本発明で用いる皮膜に含まれる粒子に関する具体的態様は,光触媒効果を有する単一の成分系からなるものであって,当該皮膜中に少なくとも体積比で50%以上95%以下の充填率で充填されていることを特徴とするものである。これは,皮膜中に含有する粒子が光触媒粒子のみからなる場合であっても,ある一定値以上の充填率で皮膜中に存在している場合には皮膜中を紫外線が透過し難くなるため,皮膜表面では顕著な光触媒効果が得られる一方で,皮膜内部においては光触媒効果を発現させないことを意図したものである。即ち,皮膜表面では優れた耐汚染効果が得られるものの,皮膜内部,あるいは下層皮膜との界面では光触媒による有機物分解も殆ど認められないため,下層皮膜が樹脂系塗膜であっても,その表面に直接光触媒皮膜を形成することが可能となる。このような効果は,粒子の充填率が体積比で50%以上であれば発現するが,好ましくは体積比で70%以上の充填率,さらに好ましくは80%以上の充填率であるとさらに優れた効果が発現する。一方,粒子の充填率の上限は,皮膜としての外観,強度等を保持する観点から体積比で95%以下とする必要があり,さらには90%以下とすることが好ましい。
上記した粒子の充填率を達成するための方法は,特に限定されない。通常は,特定性状の粒子を使用することによって実現することができる。一つの例としては,例えば,粒度分布が極めてシャープな粒子を使用することで実現できる場合がある。あるいは,逆に,非常にブロードな粒度分布を有する粒子を使用することで実現できる場合も考えられる。また,球形に近い粒子を使用することで,効率的に実現できる可能性もある。中でも,比較的容易に充填率を顕著に向上させる方法としては,成分は同じであるものの,平均粒子径あるいは粒度分布が異なる粒子を混合して用いる方法を挙げることができる.例えば,アナタース型の酸化チタンを用いる場合,例えば,20nm程度の平均粒子径を有する酸化チタンと平均粒子径200nm程度の酸化チタンとを組み合わせて用いることで,容易に高い充填率を実現することができる。選択する粒子の平均粒子径あるいは粒度分布は,最適なものを適宜組み合わせて用いることができる。ここで,平均粒子径とは,原則として,一つひとつの粒子の粒子径を測定し,その値を平均したものである。
平均粒子径を測定する方法の一つは,原料として用いる粉末粒子の粒子径を測定する方法が挙げられる。即ち,皮膜中に含まれる粒子の平均粒子径は,原料として用いる粉末粒子の粒子径で代用させることができる。これには,レーザー光を用いた光散乱法等が好適に用いられる。しかしながら,この方法では,凝集粒子が存在する場合には,凝集粒子の大きさを測定している可能性があるため,注意が必要である。凝集粒子が存在する場合には,顕微鏡を使用した直接観察法と組み合わせることが好ましい。
平均粒子径を算定するもう一つの方法は,皮膜の断面を顕微鏡で観察し,観察される粒子の大きさから計算する方法である。使用する顕微鏡は,観察したい粒子に合わせて選択するのが望ましい。即ち,比較的大きな粒子を観察する場合には光学顕微鏡を,細かい粒子を観察するときには透過型電子顕微鏡を使用するのが望ましく,さらには,走査型電子顕微鏡等を併用することで効率的に観察することができる。
皮膜中に含まれる粒子について,その平均粒子径を求めるためには,全ての粒子の粒子径を求める必要があるが,これは大変な困難を伴うため,現実的には不可能である。そこで,作為的でない方法によって抽出した一部の粒子を測定することによって,全体を代表させることも可能である。平均粒子径が既知の粒子について発明者等が行った検討結果では,500個以上,好ましくは1000個以上の粒子について粒子径を観察および測定することで,ほとんど誤差を生じることなく平均粒子径を求められることが分かっている。しかしながら,500個〜1000個の粒子径を測定すること自体かなり困難な作業であり,成分が異なる粒子を含有している場合には,それらを2種類以上の成分に分類した後,画像処理等の方法によって自動的に粒子径を測定する等の方法を使用することができる。
この場合に用いる光触媒粒子としては,例えば,酸化チタン,酸化亜鉛,酸化セリウム,酸化スズ,酸化ビスマス,酸化インジウム,酸化ジルコニウム,酸化タングステン,酸化クロム,酸化モリブデン,酸化鉄,酸化ニッケル,酸化ルテニウム,酸化コバルト,酸化銅,酸化マンガン,酸化ゲルマニウム,酸化鉛,酸化カドミウム,酸化バナジウム,酸化ニオブ,酸化タンタル,酸化ロジウム,酸化レニウム,チタン酸バリウム,チタン酸ストロンチウム,チタン酸鉄等が好適に用いられる。中でも,酸化チタン,酸化亜鉛,酸化スズ,酸化ジルコニウム,酸化タングステン,酸化鉄,酸化ニオブは,100℃以下の低温で処理を行った場合でも高い活性を示すことから,好適に用いられる。このうち,アナタース型の構造を含む酸化チタンは,光触媒としての活性が高いことから,特に好適に用いられる。
ここで,本発明の表面処理金属は,表面の皮膜を構成するマトリックス樹脂にも大きな特徴を有している。即ち,光触媒と同時に使用した場合であっても,光触媒による分解,劣化が極めて少ないものである。以下に,詳しく説明する。
まず,樹脂の構造は,三次元網目構造状に発達した無機骨格を主骨格としており,その主骨格が≡Si−O−Si≡で表記される無機のシロキサン結合を主要結合として成り立っている。このシロキサン結合主体の構造中に,炭素数1以上12以下のアルキル基,アリール基,カルボキシル基,アミノ基,水酸基からなる群から選択された少なくとも1種を含むことで,光触媒に対する優れた安定性,耐候性に加えて,例えば,プレコート皮膜に必要とされる加工性も併せ持つことができる。この理由については,無機のシロキサン結合を主体とすることで,光触媒に対する安定性,耐候性が確保され,また,樹脂の架橋密度を制御していることに加えて,有機成分によって皮膜に柔軟性が付与され,優れた加工性が確保されていると考えている。ここで,炭素数1以上12以下のアルキル基としては,メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ヘキシル基,2−エチルヘキシル基,ドデシル基等,アリール基としては,フェニル基,トリル基,キシリル基,ナフチル基等が挙げられる。また,カルボキシル基は−COOH,アミノ基は−NH2,水酸基は−OHをそれぞれ指している。
本発明で用いる有機成分は,2種類以上のものを同時に使用することができるが,このうち,主となる有機基,即ち最も含有量が多い有機基としては,炭素数5以上12以下のアルキル基又はアリール基を使用するのが好ましく,より好ましくは炭素数6以上12以下のアルキル基又はアリール基であり,さらに好ましくは炭素数6以上10以下のアルキル基又はアリール基を使用するのが良い。このうち,本発明の有機基として最も好適に用いられるのはフェニル基であり,フェニル基のみを用いて主骨格を形成するシロキサン結合と組み合わせることで,光触媒に対する安定性,耐候性と加工性,及び加工時の密着性に優れた皮膜が得られる。これらの有機成分は,主骨格に存在していても,あるいは側鎖に存在していても差し支えない。これらの成分が皮膜中に存在していることによって,本発明で用いる皮膜の優れた特徴が発現している。
シロキサン結合以外の結合としては,−CH2−CH(CH2)−O−CH2−のようなエーテル結合または第2あるいは第3アミンとなるようなアミノ結合等が挙げられる。このうち,エーテル結合やアミノ結合の一方又は双方を皮膜構造中の主骨格又は側鎖,あるいはこれらの双方に有している場合,特に光触媒に対する安定性,加工性に優れた皮膜が得られる。
皮膜中において,光触媒を始めとした粒子は,均一に分散していることで高い充填率を達成することができるが,必ずしも均一であることが必須ではない。例えば,上述のように,凝集体を形成している場合や,粒子の含有濃度が最表面部と内部とで異なっていたり,含有濃度に傾斜をつけたりしたときに,より優れた耐汚染効果が得られる場合があり,それらの場合には,必ずしも均一に分散していることを必要としないのは言うまでもない。ここで,本発明で用いている粒子の充填率は,皮膜全体として測定した場合であって,上記した局所的な不均一,あるいは粒子の充填率の勾配が存在していても一向に差し支えない。
本発明で用いる光触媒活性を有する皮膜の厚さは,必要とされる特性あるいは用途によっても異なるが,0.05μm以上25μm以下であることが好ましく,より好ましくは0.1μm以上20μm以下であり,さらに好ましくは0.1μm以上10μm以下である。皮膜厚さがこの範囲を超えて薄い場合,均一な皮膜を形成して,耐汚染性に優れ,皮膜を構成している樹脂成分や下地である有機樹脂塗膜の劣化を防ぐという所定の特性を発現することが困難であり,一方で,皮膜が上記範囲を超えて厚過ぎる場合には,成型加工性が十分でなかったり,あるいは加工時の密着性が不十分となったりする場合が多い。また,マトリックスとなる皮膜の性質上,一回の操作で厚い塗膜を形成することはひび割れ,剥離等の原因となるため好ましくない。所定以上の厚さの皮膜を形成する場合には,後述する塗布−乾燥(固化)の作業を繰り返し行うことが好ましい。
本発明の皮膜マトリックス中には,金属成分としてSiが含まれているが,これ以外の元素として,B,Al,Ge,Ti,Y,Zr,Nb,Ta等から選ばれる1種以上の金属元素を添加することができる。この内,Al,Ti,Nb,Taは,酸を触媒として系に添加しているときに,皮膜の固化を低温あるいは短時間で完了させるための触媒的な働きを示すものである。酸を触媒としてこれらの金属アルコキシドを添加したときにはエポキシの開環速度が速くなり,低温短時間での皮膜硬化が可能となる。特に,しばしば用いられるのはTiであり,Ti−エトキシド,Ti−イソプロポキシド等のTiのアルコキシドが原料として用いられる。また,Zrを添加した系では,皮膜の耐アルカリ性が顕著に改善されるため,特に耐アルカリ性が必要とされる用途で好適に用いられる。
本発明の表面処理金属の基材となる金属については,材質,形状,加工の有無,最終製品(形状)であるか否かを含めて何ら限定を受けるものではなく,如何なるものも好適に使用することができる。例えば,鋼材,ステンレス鋼,チタン,アルミニウム,アルミニウム合金あるいはこれらにめっき処理を行ったもの等が,また,厚板,薄板,管(パイプ),形鋼等の成形品,棒,線材等を好適に用いることができる。
中でも,特に好ましい金属としては,鋼板,ステンレス鋼板,チタン板,アルミニウム板,アルミニウム合金板又はこれらにめっき処理を行っためっき金属板又はこれらに有機塗膜を形成した塗装鋼板が挙げられる。めっき鋼板としては,亜鉛めっき鋼板,亜鉛−鉄合金めっき鋼板,亜鉛−ニッケル合金めっき鋼板,亜鉛−クロム合金めっき鋼板,亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板,アルミめっき鋼板,亜鉛−アルミニウム−マグネシウム合金めっき鋼板,亜鉛−アルミニウム−マグネシウム−シリコン合金めっき鋼板,アルミニウム−シリコン合金めっき鋼板,亜鉛めっきステンレス鋼板,アルミニウムめっきステンレス鋼板等が挙げられる。
ステンレス鋼板としては,フェライト系ステンレス鋼板,マルテンサイト系ステンレス鋼板,オーステナイト系ステンレス鋼板等が挙げられる。ステンレス鋼板の厚さとしては,数十mm程度の厚いものから,圧延により10μm程度まで薄くした,いわゆるステンレス箔までが挙げられる。ステンレス鋼板及びステンレス箔の表面は,ブライトアニール,バフ研磨等の表面処理を施してあってもよい。
アルミニウム合金板としては,JIS1000番系(純Al系),JIS2000番系(Al−Cu系),JIS3000番系(Al−Mn系),JIS4000番系(Al−Si系),JIS5000番系(Al−Mg系),JIS6000番系(Al−Mg−Si系),JIS7000番系(Al−Zn系)等が挙げられる。
上記の態様において,塗装鋼板以外の基材金属に皮膜を形成する場合,基材金属に直接形成する場合は勿論であるが,他の前処理皮膜が存在する基材金属に形成され,複層化されている状態であっても全く差し支えない。例えば,クロメート処理を施し,クロメート皮膜が形成された金属やクロメート以外の公知の表面処理(例えば,リン酸塩処理等)がなされている金属表面に,本発明で用いる光触媒活性を有する皮膜が形成されている場合等が挙げられる。
本発明で用いる皮膜は,例えば,樹脂系塗膜表面であっても,直接形成することが可能である。これは,繰り返し述べているように,光触媒皮膜中を紫外線が殆ど透過しないため,下層皮膜(樹脂系塗膜)との界面に光触媒粒子が存在していても,有機樹脂の劣化が殆ど生じないためである。したがって,これまで困難とされていた有機塗膜を有する塗装金属板であっても,その表面に直接形成することが可能である。これは,塗装工程を一工程省略することができるため,むしろ好ましい態様であると言える。一方で,下層皮膜が光触媒によって劣化することを完全に抑制したい場合には,下層皮膜と光触媒皮膜との間に中間層(保護層)を設けることも可能である。この中間層は殆ど劣化することがないため,特に限定されるものではなく,如何なるものも使用可能であるが,上述した無機-有機複合体,即ち,最表面の光触媒皮膜で使用しているマトリックス樹脂を,光触媒を混合せずに使用するのが好ましいと考える。
本発明の表面処理金属は,材料として用いることも可能であるが,部品に加工した状態でも好適に用いることができる。部品としては特に限定されるものではなく,建材用途,例えば,家屋の外壁,サイジング等,また,屋外用途の家電製品,例えば,エアコンの室外機,給湯器のハウジング(外板)等に好適に用いることができる。
本発明の表面処理金属を好適に製造するための,最表層形成用の処理液は,テトラアルコキシシランと,炭素数1〜12のアルキル基を有するアルコキシシラン,アリール基を有するアルコキシシランから選ばれる1種以上のアルコキシシラン又はその加水分解物の1種以上を主成分とし,これに光触媒活性を有する粒子を含有してなる液である。
テトラアルコキシシランとしては,テトラメトキシシラン,テトラエトキシシラン,テトラプロポキシシラン,テトラブトキシシラン等が挙げられる。また,炭素数1〜12のアルキル基を有するアルコキシシランとしては,メチルトリメトキシシラン,ジメチルジメトキシシラン,メチルトリエトキシシラン,ジメチルジエトキシシラン,ヘキシルトリメトキシシラン,ヘキシルトリエトキシシラン,デシルトリメトキシシラン,デシルトリエトキシシラン等が挙げられる。アリール基を有するアルコキシシランとしては,フェニルトリメトキシシラン,ジフェニルジメトキシシラン,フェニルトリエトキシシラン,ジフェニルジエトキシシラン等が挙げられる。
処理液は,上記のシラン化合物あるいはその加水分解物もしくはそれらが重合,縮合反応をして高分子化したものを主成分として含有している。これらの成分を使用することで,本発明で用いる主骨格の主要結合がシロキサン結合であり,かつ炭素数1以上12以下のアルキル基,アリール基,カルボキシル基,アミノ基又は水酸基から選ばれる少なくとも1種の有機基を含む無機−有機複合体皮膜を容易に得ることができる。また,上記の成分を用いることで,複合体皮膜中における無機成分/有機成分の比率を容易に変えることができ,また,皮膜中に導入する有機成分の種類と量を容易に制御することができる。即ち,皮膜に要求される性質に応じて無機成分を多くしたり,あるいは逆に有機成分を多くしたりすることができ,さらには添加する有機成分の種類も必要とする性質に応じて適宜選択することができる。
また,あくまでも一つの例であるが,本発明の皮膜を薄い中間層として使用する場合には,加工性を殆ど考慮する必要がないため,光触媒に対する劣化が少ない無機成分主体の成分とすることが可能である。一方で,ある程度有機成分を添加する場合には,加工性,柔軟性と光触媒による皮膜の劣化のバランスを考慮しながら,皮膜成分の設計をすることが可能となる。
本発明で用いる処理液には,さらにエポキシ基を有するアルコキシシラン,アミノ基を有するアルコキシシランを含有することができる。エポキシ基を有するアルコキシシランとしては,γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン,γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン,γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン,γ−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン,3,4−エポキシシクロヘキシルメチルトリメトキシシラン,3,4−エポキシシクロヘキシルメチルトリエトキシシラン,β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン,β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等が好適に用いられ,取扱いの容易さ,反応性等の点でγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランが特に好適に用いられる。
また,アミノ基を有するアルコキシシランとしては,アミノプロピルトリメトキシシラン,アミノプロピルトリエトキシシラン,(β−アミノエチル)−β−アミノプロピルトリメトキシシラン,(β−アミノエチル)−β−アミノプロピルメチルジメトキシシラン,(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等が好適に用いられ,中でも,アミノプロピルトリエトキシシランが扱い易さ等の点から特に好適に用いられる。
これらのアルコキシシランは,上述のアルコキシシランと同様,処理液中において,アルコキシ基の全て,あるいは一部が加水分解され,あるいはそれらが重合,縮合反応を起こして高分子化していても差し支えない。これらのエポキシ基を有するアルコキシシラン,アミノ基を有するアルコキシシランを配合するメリットは,基材となる金属との密着性及び光触媒に対する安定性が向上することである。この理由について,詳しいことは明らかにできていないが,エポキシ基やアミノ基を添加することで,基材金属との間に密着に寄与する強固な結合が形成されることによると推定している。
また,本発明の処理液には,必要に応じて,テトラアルコキシシラン以外の金属成分のアルコキシドを添加物として用いることもできる。特に,Ti,Al,Ta,Nbから選ばれる少なくとも1種以上の金属アルコキシドを添加し,酢酸を酸触媒として用いたとき,エポキシ基の開環速度が速くなり,低温短時間硬化の効果が特に大きくなる。アルコキシシラン以外の金属アルコキシドは,アルコキシ基の全て,又は一部が加水分解されていてもよい。また,本発明の処理液には,必要に応じて,ジルコニウムの化合物,例えばジルコニウムアルコキシド,その加水分解物,あるいは酸化ジルコニウム(ジルコニア)ゾルの少なくとも1種を含有させることができる。この成分は,本発明の塗布液として用いるシリカを主成分とする処理液の耐アルカリ薬品性を改善する成分である。本成分を添加することによって耐アルカリ性がどのようなメカニズムで改善されるのかは必ずしも明らかにされていないが,シロキサン結合を構成するSiの位置にZrが置換して,シリカとジルコニウムを中心としたネットワークが形成され,アルカリに対して安定化されるためであると考えている。
本発明で用いる処理液には,塗膜の意匠性,耐食性,耐摩耗性,触媒機能等を向上させることを目的として,さらに,着色顔料,耐湿顔料,触媒,防錆顔料,金属粉末,高周波損失剤,骨材等を添加することも可能である。顔料としては,前述した化合物の他に,Ti,Al等の酸化物や複合酸化物,Zn粉末,Al粉末等の金属粉末等が挙げられる。防錆顔料としては,環境汚染物質を含まないモリブデン酸カルシウム,リンモリブデン酸カルシウム,リンモリブデン酸アルミニウム等の非クロム酸顔料を用いることが好ましい。また,高周波損失剤としてはZn−Niフェライトが,骨材としてはチタン酸カリウム繊維等が挙げられる。
また,本発明で用いる処理液には,必要に応じて酸触媒を添加することができる。酸触媒としては,ギ酸,マレイン酸,安息香酸等の有機酸,塩酸,硝酸等の無機酸が挙げられるが,特に酢酸が好適に用いられる。触媒として酸を用いることで,原料として用いているアルコキシシランが製膜に適した重合状態をとることに加えて,酢酸を触媒として用いたときにはエポキシ基の開環が促進され,低温短時間硬化の効果が大きくなるためである。
また,添加剤として,レベリング効果剤,抗酸化剤,紫外線吸収剤,安定剤,可塑剤,ワックス,添加型紫外線安定剤等を混合させて用いることができる。また,必要に応じて,皮膜の耐熱性等を損なわない範囲,あるいは光触媒による劣化が生じない範囲でフッ素樹脂,ポリエステル樹脂,ウレタン樹脂等の樹脂系塗料を含んでもよい。これら添加剤は1種のみを用いてもよく,2種類以上を適宜混合して用いることもできる。
本発明を以下の実験例によって具体的に説明する。
(実験例)
(実施例1〜実施例10)
γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(GPTES)100質量部,チタニウムテトラエトキシド(TE)8.2質量部,フェニルトリエトキシシラン(PhTES)144質量部,テトラエトキシシラン(TEOS)87質量部を十分に撹拌した後,エタノールで希釈した蒸留水を用いて酸性条件下で加水分解を行った。ここに,アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)39.7質量部を加え,さらに蒸留水/エタノール混合溶液を用いて加水分解を行い,無機−有機複合体を主成分とする塗布液を調製した。
(実験例)
(実施例1〜実施例10)
γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(GPTES)100質量部,チタニウムテトラエトキシド(TE)8.2質量部,フェニルトリエトキシシラン(PhTES)144質量部,テトラエトキシシラン(TEOS)87質量部を十分に撹拌した後,エタノールで希釈した蒸留水を用いて酸性条件下で加水分解を行った。ここに,アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)39.7質量部を加え,さらに蒸留水/エタノール混合溶液を用いて加水分解を行い,無機−有機複合体を主成分とする塗布液を調製した。
加水分解には十分な量の水を添加し,処理液は150℃で乾燥させたときの固形分濃度が10質量%になるように調整した。この処理液に,表4に示した割合で,いずれも光触媒活性を有する粒子を添加して,コーティング用の塗布液を作製した。用いた光触媒粒子の粒子径は,ZnOが約60nm,TiO2が約10nm,Nb2O5,Ta2O5がいずれも100nmのものである。
塗装に使用した鋼板は,亜鉛めっき鋼板表面にメラミン架橋のポリエステル皮膜を約15μmの厚さで塗装したプレコート鋼板である。この鋼板に,上記の塗布液をバーコータを用いて塗布後,50秒後に板温が250℃となるような昇温条件を用いて最高温度250℃で乾燥,焼付けを行い,表面に光触媒皮膜を形成した。形成した皮膜の厚さは,いずれも約5μmである。
(比較例1〜比較例8)
また,比較例として,下記の3種類の鋼板を準備した。即ち,アナタース型のTiO2粒子のみ添加した無機−有機複合皮膜を表面に塗装した鋼板(比較例1〜4),最表面層としてメラミン架橋のポリエステルに2種類の光触媒粒子を添加した皮膜を形成した鋼板(比較例5,6),テトラエトキシシラン(TEOS)を加水分解して得たマトリックスに2種類の光触媒粒子を添加した皮膜を形成した鋼板(比較例7,8)である。形成した皮膜の厚さは,実施例と同様,いずれも約5μmであった。
また,比較例として,下記の3種類の鋼板を準備した。即ち,アナタース型のTiO2粒子のみ添加した無機−有機複合皮膜を表面に塗装した鋼板(比較例1〜4),最表面層としてメラミン架橋のポリエステルに2種類の光触媒粒子を添加した皮膜を形成した鋼板(比較例5,6),テトラエトキシシラン(TEOS)を加水分解して得たマトリックスに2種類の光触媒粒子を添加した皮膜を形成した鋼板(比較例7,8)である。形成した皮膜の厚さは,実施例と同様,いずれも約5μmであった。
作製した表面処理鋼板表面の光触媒皮膜からサンプルを作製し,電子顕微鏡観察を行って,光触媒皮膜中の粒子の充填率を求めたところ,表1に示した結果を得た。得られた値は,いずれも目標とした充填率と1%以内の精度であった。
光触媒効果の検証は,以下の方法によって行った。まず,(1)屋外で鋼板の暴露試験を行い,雨だれ汚染および砂塵等に対する汚染を評価した。(2)暴露試験では,効果が発現するまでに長い時間を必要とする場合があるため,簡易的な評価方法として,塗装した鋼板の表面に汚染物質(黒マジック,赤マジック)を塗布し,紫外線の照射時間と汚染物質の除去の様子とを測定した。汚染物質の除去の程度は,表面の色を測定することによって行った。(3)光触媒塗膜の劣化(損傷)の状況は,表面の色と光沢を測定することによって行った。また,下層のポリエステル皮膜の劣化の状況は,光触媒皮膜とポリエステル皮膜の界面の状態を観察することによって,評価した。試験結果の評価は,◎→○→△→×の4段階とした。なお,塗膜の劣化の状況のみは,それぞれの違いを明確にするために,最高ランクである◎◎を加えた5段階評価とした。それぞれの評価の基準は,表2に示した。
結果を表3に併せて示した。本実験例で試験を行った鋼板は,いずれも優れた耐汚染性を有していることが分かる。また,表には記載していないが,2T曲げ試験を行って,曲げ加工性を試験したところ,皮膜の割れ,剥離とも認められず,優れた曲げ加工性を有していた。皮膜の劣化状況は,本実施例と比較例で大きく異なっていた。マトリックスとして無機−有機複合皮膜を用い,光触媒皮膜に50%以上の充填率で光触媒粒子を含有し,光の透過を抑制した本実施例の鋼板では,光触媒皮膜,下層塗膜共に顕著な劣化は認められなかった。一方,マトリックスとして無機−有機複合皮膜を用いているものの,光触媒粒子の充填率が低い比較例1〜4の鋼板では,光触媒皮膜はほぼ健全であるものの,下層塗膜が著しく劣化していることが分かる。この結果から,光触媒皮膜中に50%以上の充填率で光触媒粒子を含有し,光の透過を抑制した鋼板では,下層塗膜の劣化が殆ど生じないことが分かった。また,マトリックスとしてポリエステル皮膜を用いた比較例5,6では,優れた耐汚染性効果は得られるものの,特に最表面の光触媒皮膜で著しい塗膜の劣化が生じていた。また,TEOSを加水分解して得た無機質のマトリックスに異なる2種類の粒子を分散した皮膜(比較例7,8)では,優れた耐汚染効果が得られ,皮膜の劣化も少ないものの,4T曲げ試験において,最表層皮膜に顕著な剥離が認められた。以上の結果を総合的に評価して,本発明の表面処理金属は,耐汚染性に優れ,また,光触媒皮膜及び下層塗膜の劣化も著しく抑制されていることが分かる。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
Claims (6)
- 金属表面の少なくとも一部に1層以上の被覆層を有する表面処理金属であって,
前記被覆層は,テトラアルコキシシランと,炭素数1〜12のアルキル基を有するアルコキシシラン,アリール基を有するアルコキシシランから選ばれる1種以上のアルコキシシラン又はその加水分解物の1種以上を主成分とし,これに光触媒活性を有する粒子を含有してなる処理液より形成されるものであって,主骨格の主要結合がシロキサン結合であり,かつ,炭素数1以上12以下のアルキル基,アリール基,カルボキシル基,アミノ基および水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の有機基を含み,かつ,光触媒活性を有する粒子のみを含有する無機−有機複合体皮膜を少なくとも最表層として有し,かつ,前記光触媒活性を有する粒子の無機−有機複合体皮膜中の含有率は,体積比で50〜95%であることを特徴とする,表面処理金属。 - 前記光触媒活性を有する粒子は,同一成分であり,かつ,異なる平均粒子径を有する2種類以上の粒子であることを特徴とする,請求項1記載の表面処理金属。
- 前記光触媒活性を有する粒子は,アナタース型の構造を含む酸化チタンであることを特徴とする,請求項1記載の表面処理金属。
- 前記金属は,金属板であることを特徴とする,請求項1〜3のいずれか1項に記載の表面処理金属。
- 前記金属板は,鋼板,ステンレス鋼板,チタン板,チタン合金板,アルミニウム板,アルミニウム合金板,または,鋼板,ステンレス鋼板,チタン板,チタン合金板,アルミニウム板,もしくはアルミニウム合金板にめっき処理しためっき金属板から選ばれる1種であることを特徴とする,請求項4記載の表面処理金属。
- 前記被覆層は,前記金属表面と前記最表層の無機−有機複合体皮膜との間に,少なくとも1層の有機塗膜を有する積層構造であることを特徴とする,請求項1〜5のいずれか1項に記載の表面処理金属。
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