JP2013194181A - コーティング材、及びこのコーティング材から形成されているコーティング層を備える外装材 - Google Patents

コーティング材、及びこのコーティング材から形成されているコーティング層を備える外装材 Download PDF

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Kazuhito Hashimoto
和仁 橋本
Kayano Sunada
香矢乃 砂田
Takeshi Ueda
剛士 植田
Shinichiro Miki
慎一郎 三木
Kensaku Kinukawa
謙作 絹川
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Abstract

【課題】本発明の目的とするところは、外装材に適用されるコーティング材に必要とされる特性を備え、しかも優れた防汚性能を発揮するコーティング層を形成するためのコーティング材を提供することにある。
【解決手段】本発明に係るコーティング材は、(A)加水分解性ケイ素化合物とその加水分解縮合物とから選ばれる少なくとも一種を含む無機質樹脂、(B)光半導体、及び
(C)銅化合物を、含有する。前記(A)成分100質量部に対する前記(B)成分の割合が10質量部以上300質量部以下であり、前記(A)成分100質量部に対する前記(C)成分中の銅原子の割合が0.5質量部以上10質量部以下の範囲である。
【選択図】なし

Description

本発明は、コーティング材、及びこのコーティング材から形成されているコーティング層を備える外装材に関する。
従来、建築物等の外装材に、撥水処理、親水化処理などの各種汚染防止処理を施すことで、外装材の外観を維持することがおこなわれ、これにより外装材のメンテナンスフリー化が図られている。
例えば特許文献1には、撥水性不服組成物に、シリコーン樹脂及びフッ素樹脂から選ばれる少なくとも一種の高撥水性樹脂を含有させることで、コーティング層の撥水性を向上することが、開示されている。このようなフッ素樹脂などを利用する撥水塗装は、樹脂の高い結合エネルギーによって優れた耐候性を有し、また汚染物質が付着しにくい。
しかし、一旦付着した汚染物質は降雨などよって自然に除去されることは無く、このため、汚れが生じた場合は外装材等の外観が低下してしまう。
一方、特許文献2では、被膜に酸化チタンや酸化タングステンなどの光触媒を含有させることで、コーティング層を親水化することが開示されている。このような光触媒などを利用した親水塗装は、水による易洗浄性に優れ、また汚染物質が付着しても降雨等により除去されやすくなる。
しかし、湿度の高い場所や水分の多い場所、光の当たりにくい場所では十分な防汚性能が発現せず、このため、特に藻類などが外装材の表面に繁殖して外観を損ねる場合がある。
また、外装材に適用されるコーティング材には、良好な硬化成膜性も要求され、またコーティング材から形成されるコーティング層には、優れた耐候性、良好な外観なども要求される。
特開平7−268245号公報 特開2002−234105号公報
本発明は上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、外装材に適用されるコーティング材に必要とされる特性を備え、しかも優れた防汚性能を発揮するコーティング層を形成するためのコーティング材、並びにこのコーティング材から形成されたコーティング層を備える外装材を提供することにある。
本発明に係るコーティン材は、
(A)加水分解性ケイ素化合物とその加水分解縮合物とから選ばれる少なくとも一種を含む無機質樹脂、
(B)光半導体、及び
(C)銅化合物を、含有し、
前記(A)成分100質量部に対する前記(B)成分の割合が10質量部以上300質量部以下であり、前記(A)成分100質量部に対する前記(C)成分中の銅原子の割合が0.5質量部以上10質量部以下の範囲である。
本発明において、前記(A)成分が、
(D)一般式(R1aSiX4-a(R1は置換もしくは非置換の炭素数1以上8以下の1価の炭化水素基を示し、一分子中のR1が複数の場合はR1は互いに同一でも異なっていてもよい。Xは加水分解性基を示す。aは0以上3以下の整数である。)で表される加水分解性オルガノシランを、シリカ粒子の存在下で加水分解縮合させてなる、オルガノシランのシリカ分散オリゴマー;及び
(E)平均組成式(R2bSi(OH)c(4-b-c)/2(R2は置換もしくは非置換の炭素数1以上8以下の1価の炭化水素基を示し、(E)成分中に複数種のR2が含まれていてもよい。bは0.2≦b≦2.0を満たす数、cは0.0001≦c≦3を満たす数であり、且つbとcはb+c<4の関係を満たす。)で示されるポリオルガノシロキサンを、含有し、
更に本発明に係るコーティング材が、(F)硬化触媒を更に含有することが、好ましい。
本発明に係る外装材は、前記コーティング材から形成されているコーティング層を備える。
本発明に係るコーティング材は、硬化成膜性が良好であり、またこのコーティング材から形成されるコーティング層は外観が良好であると共に耐候性も良好である。しかもこのコーティング材から形成されるコーティング層には、汚れが付着しにくく、且つ汚れが付着してもこの汚れが容易に除去され、しかも湿度が高い場所及び光の当たりにくい場所であっても優れた防汚性能を発揮することができる。
また、本発明に係る外装材は、外観が良好であると共に耐候性も良好である。更に、この外装材には汚れが付着しにくく、且つ汚れが付着してもこの汚れが容易に除去され、しかも湿度が高い場所及び光の当たりにくい場所であっても優れた防汚性能を発揮することができる。
本実施形態によるコーティング材は、次の(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を含有する。
(A)加水分解性ケイ素化合物とその加水分解縮合物とから選ばれる少なくとも一種を含む無機質樹脂;
(B)光半導体、及び
(C)銅化合物。
更に、このコーティング材において、(A)成分100質量部に対する(B)成分の割合が10質量部以上300質量部以下の範囲であり、且つ、(A)成分100質量部に対する(C)成分中の銅原子の割合が0.5質量部以上10質量部以下の範囲である。
(A)成分は、上記の通り、加水分解性ケイ素化合物とその加水分解縮合物とから選ばれる少なくとも一種を含む無機質樹脂からなる。加水分解縮合物には、部分加水分解縮合物が含まれる。
加水分解性ケイ素化合物は、例えばケイ素アルコキシドを含むことができる。ケイ素アルコキシドは、例えば一般式(1)で表される。
(R3mSi(OR44-m …(1)
3はメチル基、エチル基又はフェニル基を示し、一分子中にR3が複数ある場合には複数のR3が互いに同一でも異なってもよい。R4は炭素数1以上8以下のアルキル基を表し、一分子中にR4が複数ある場合には複数のR4が互いに同一でも異なってもよい。mは0,1又は2である。
(A)成分は、加水分解性ケイ素化合物とその加水分解縮合物とから選ばれる少なくとも一種と、無機質粒子とが複合してなる、無機質複合樹脂を含有することもできる。無機質粒子としては、シリカ粒子等が挙げられる。
(A)成分は、特に次の(D)成分と(C)成分とを含有することが好ましい。
(D)一般式(2)で表される加水分解性オルガノシランを、シリカ粒子の存在下で加水分解縮合させてなる、オルガノシランのシリカ分散オリゴマー。
(R1aSiX4-a …(2)
1は置換もしくは非置換の炭素数1以上8以下の1価の炭化水素基を示し、一分子中のR1が複数の場合はR1は互いに同一でも異なっていてもよい。Xは加水分解性基を示す。aは0以上3以下の整数である。
(E)平均組成式(3)で示されるポリオルガノシロキサン。
(R2bSi(OH)c(4-b-c)/2 …(3)
2は置換もしくは非置換の炭素数1以上8以下の1価の炭化水素基を示し、(E)成分中に複数種のR2が含まれていてもよい。bは0.2≦b≦2.0を満たす数、cは0.0001≦c≦3を満たす数であり、且つbとcはb+c<4の関係を満たす。
(D)成分は、上記の通り、一般式(2)で表される加水分解性オルガノシランを、シリカ粒子の存在下で加水分解縮合させてなる、オルガノシランのシリカ分散オリゴマーからなる。すなわち、(D)成分は、加水分解性オルガノシランの加水分解縮合物とシリカ粒子とが複合してなる、無機質複合樹脂である。
(R1aSiX4-a …(2)
1は置換もしくは非置換の炭素数1以上8以下の1価の炭化水素基を示し、一分子中のR1が複数の場合はR1は互いに同一でも異なっていてもよい。Xは加水分解性基を示す。aは0以上3以下の整数である。
一般式(2)におけるR1としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などのアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;2−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基などのアラルキル基;フェニル基、トリル基などのアリール基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;クロロメチル基、γ−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基などのハロゲン置換炭化水素基;γ−メタクリロキシプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基、γ−メルカプトプロピル基などの置換炭化水素基等が、挙げられる。特に、R1が炭素数1以上4以下のアルキル基又はフェニル基であれば、加水分解性オルガノシランの合成が容易となり、或いは加水分解性オルガノシランの入手が容易となる。
一般式(2)における加水分解性基であるXの例としては、アルコキシ基、アセトキシ基、オキシム基、エノキシ基、アミノ基、アミノキシ基、アミド基などが、挙げられる。特にXがアルコキシ基であれば、加水分解性オルガノシランの入手が容易となり、且つシリカ分散オリゴマーを調製しやすくなる。Xとしてアルコキシ基を有する加水分解性オルガノシランの例としては、単官能、二官能、及び三官能の、アルコキシシラン類、アセトキシシラン類、オキシムシラン類、エノキシシラン類、アミノシラン類、アミノキシシラン類、アミドシラン類などが、挙げられる。特に、アルコキシシラン類は入手が容易であり、且つアルコキシシラン類からはシリカ分散オリゴマーが調製されやすいことから、アルコキシシラン類が用いられることが好ましい。
一般式(2)で示されるアルコキシシラン類の具体例を次に示す。テトラアルコキシシラン(一般式(2)においてa=0である場合)の具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどが、挙げられる。オルガノトリアルコキシシラン(一般式(2)においてa=1である場合)の具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシランなどが、挙げられる。ジオルガノジアルコキシシラン(一般式(2)においてa=2である場合)の具体例としては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシランなどが、挙げられる。さらに、トリオルガノアルコキシシラン(一般式(2)においてa=3である場合)の具体例としては、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルイソプロポキシシラン、ジメチルイソブチルメトキシシランなどが、挙げられる。また一、般にシランカップリング剤とよばれるオルガノシラン化合物もアルコキシシラン類として用いることができる。
(D)成分を得るために使用される一般式(2)で示される加水分解性オルガノシラン全体のうち、50モル%以上が、3官能の化合物(一般式(2)で示され、且つ式中でa=1である化合物)であることが好ましい。この場合、コーティング材の乾燥硬化性が良好となり、またコーティング層の硬度が高くなる。この3官能の化合物の割合は、60モル%以上であればより好ましく、70モル%以上であれば最も好ましい。
シリカ粒子としては、コロイド状シリカ中のシリカ粒子が使用されることが好ましい。コロイド状シリカは、分散媒として水を含有する水分散性コロイド状シリカでもよく、分散媒としてアルコールなどの有機溶媒を含有する有機溶媒分散性コロイド状シリカでもよい。一般にこのようなコロイド状シリカは固形分としてのシリカ粒子を20質量%以上50質量%以下含有しており、この値からシリカ粒子の配合量を決定できる。
水分散性コロイド状シリカが使用される場合、分散媒である水は加水分解性オルガノシランの加水分解のために使用されることができる。水分散性コロイド状シリカは、通常、水ガラスから調製される。水分散性コロイド状シリカとして、市販品が容易に入手され得る。
有機溶媒分散性コロイド状シリカは、水分散性コロイド状シリカ中の分散媒である水を有機溶媒と置換することで、容易に調製される。有機溶媒分散性コロイド状シリカとして、市販品が容易に入手され得る。有機溶媒分散性コロイド状シリカにおける分散媒である有機溶媒として、親水性有機溶剤が用いられることが好ましい。親水性有機溶剤の例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノールなどの低級脂肪族アルコール類;エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテルなどのエチレングリコール誘導体;ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのジエチレングリコール誘導体;ジアセトンアルコール等が、挙げられる。これらの親水性有機溶剤のうち一種のみが用いられても、二種以上が併用されてもよい。また、親水性有機溶剤と、非親水性有機溶剤とが、併用されてもよい。非親水性有機溶剤の例としては、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトオキシムなどが、挙げられる。
シリカ粒子は、コーティング層の硬度向上に寄与する。コロイド状シリカにおけるシリカ粒子の割合は、5質量%以上95質量%の範囲であることが好ましい。この割合が5質量%以上であると、コーティング層の硬度がより高くなる。また、この割合が95質量%以下であると、コロイド状シリカ中のシリカ粒子の分散性が良好となり、このため(D)成分のゲル化が抑制される。このシリカ粒子の割合は、10質量%以上90質量%以下の範囲であればより好ましく、20質量%以上85質量%以下の範囲であれば最も好ましい。
(D)成分を得るための方法は、特に制限されない。(D)成分を得るための方法の一例においては、まずコロイド状シリカと加水分解性オルガノシランとを混合し、或いは更に必要に応じて水を加えることで、混合液を調製する。この混合液中で加水分解性オルガノシランを加水分解縮重合させることにより、(D)成分を含有する溶液(すなわち、オルガノシランのシリカ分散オリゴマー溶液)が、得られる。
混合液中の水の量は、加水分解性オルガノシランにおける加水分解性基1モルに対して、0.001モル以上0.5モル以下の範囲であることが、好ましい。この水の量が0.001モル以上であると、加水分解縮合反応を充分に進行させることができる。また、この水の量が0.5モル以下であると、安定した加水分解縮合物が得られる。
加水分解縮合反応を進行させるための方法は、特に限定されない。加水分解縮合反応は常温でも進行し得るが、加水分解縮合反応を促進させるために、混合液が60℃以上100℃以下の範囲の温度に加温されてもよい。また、加水分解縮合反応を促進させるために、混合液中に触媒が加えられてもよい。触媒の例としては、塩酸、酢酸、ハロゲン化シラン、クロロ酢酸、クエン酸、安息香酸、ジメチルマロン酸、蟻酸、プロピオン酸、グルタル酸、グリコール酸、マレイン酸、マロン酸、トルエンスルホン酸、シュウ酸などの、無機酸及び有機酸が挙げられる。
(D)成分を含有する溶液が長期的に安定した性能を有するためには、(D)成分を含有する溶液のpHが2.0以上7.0以下の範囲であることが好ましい。このpHは、2.5以上6.5以下であればより好ましく、3.0以上6.0以下であれば最も好ましい。(D)成分を含有する溶液のpHの調整は、例えば(D)成分を含有する溶液に、アンモニア、エチレンジアミン等の塩基性物質を添加し、或いは塩酸、硝酸、酢酸等の酸性物質を添加することで、おこなわれる。
(E)成分は、上記の通り、平均組成式(3)で示されるポリオルガノシロキサンからなる。
(R2bSi(OH)c(4-b-c)/2 …(3)
2は置換もしくは非置換の炭素数1以上8以下の1価の炭化水素基を示し、(E)成分中に複数種のR2が含まれていてもよい。
平均組成式(3)におけるR2としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などのアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;2−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基などのアラルキル基;フェニル基、トリル基などのアリール基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;クロロメチル基、γ−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基などのハロゲン置換炭化水素基;γ−メタクリロキシプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基、γ−メルカプトプロピル基などの置換炭化水素基等が、挙げられる。特に、R2が炭素数1以上4以下のアルキル基又はフェニル基であれば、ポリオルガノシロキサンの合成が容易となり、或いはポリオルガノシロキサンの入手が容易となる。
また、(E)成分中のR2がフェニル基を含み、且つ(E)成分中のR2全体に対するフェニル基の割合が5質量%以上50質量%以下の範囲であることが好ましい。このフェニル基の割合が5質量%以上であるとコーティング層の伸び性が向上してコーティング層にクラックが発生しにくくなる。また、この割合が50質量%以下であると、コーティング材の良好な硬化成膜性が確保される。R2がフェニル基を含む場合、R2は更に炭素数1以上4以下のアルキル基、ビニル基、γ−グリシドキシプロピル基、γ−メタクリロキシプロピル基、γ−アミノプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基などの置換炭化水素基等を含むことが好ましく、特にメチル基、エチル基等のアルキル基を含むことが好ましい。
また、上記の通り、平均組成式(3)において、bは0.2≦b≦2.0を満たす数、cは0.0001≦c≦3を満たす数であり、且つbとcはb+c<4の関係を満たす。bが0.2以上であり、且つcが3以下であることで、コーティング層のクラックの発生が抑制される。また、bが2.0以下であり且つeが0.0001以上であることで、コーティング材の良好な硬化成膜性が確保される。
(E)成分は、例えば、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、もしくはこれらに対応するアルコキシシランから選ばれる一種若しくは二種以上を、公知の方法により大量の水で加水分解することによって得られる。アルコキシシランが用いられる場合、(E)成分中に微量のアルコキシ基が加水分解されずに残存していてもよい。
(E)成分の平均分子量は、700以上20000以下の範囲であることが好ましい。尚、本明細書における平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)により測定される、標準ポリスチレン換算による重量平均分子量である。この平均分子量が700以上であると、コーティング材の硬化成膜性がより向上し、また、コーティング層にクラックがより発生しにくくなる。また、この平均20000以下であると、コーティング層の表面光沢が向上し、またコーティング層の平滑性も向上する。
(D)成分と(E)成分との質量比は、特に制限されないが、1:99〜99:1の範囲であることが好ましい。(D)成分の質量比が1以上(すなわち(E)成分の質量比が99以下)であると、常温下でのコーティング材の硬化成膜性がより向上し、またコーティング層の硬度がより向上する。また、(D)成分の質量比が99以下(すなわち(E)成分の質量比が1以上)であると、コーティング材の硬化成膜性が安定し、良好なコーティング層が形成される。
また、(A)成分中の(D)成分及び(E)成分の合計量の割合は、特に制限されないが、5質量%以上100質量%以下の範囲であることが好ましい。また、(A)成分が(D)成分と(E)成分のみを含むことも好ましい。
(B)成分は、上記の通り、光半導体からなる。光半導体により、コーティング層に光触媒機能が付与される。すなわち、光半導体を含有するコーティング層に紫外線等の光が照射されると、光半導体上で活性酸素が発生し、この活性酸素による活性作用によって、有機物が酸化、分解される。その結果、コーティング層に付着する汚れや、臭いが生じる要因である有機物などが、分解されて除去される。これにより、コーティング層が防汚性及び防臭性を発揮する。更に、光半導体によって、後述するとおり(C)成分が活性化し、このためコーティング層の防藻性が向上する。
(B)成分が含有することができる光半導体の具体例としては、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化タングステン、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化ゲルマニウム、酸化鉛、酸化カドニウム、酸化銅、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化ロジウム、酸化レニウム等が挙げられる。これらの光半導体のうち、一種のみが用いられても、二種以上が併用されてもよい。特にアナターゼ型酸化チタンは、光触媒機能が高く、且つ入手し易いため、(B)成分がアナターゼ型酸化チタンを含有することが好ましい。
また、(B)成分の平均一次粒子径は、50μm以下であることが好ましい。この場合、コーティング層の透明性が向上し、或いはコーティング層が顔料などで着色される場合にはコーティング層の着色が(B)成分により阻害されにくくなる。この平均一次粒子径が5μm以下であれば更に好ましい。また、(B)成分の平均一次粒子径は、限定的ではないが、50nm以上であることが好ましい。
また、アナターゼ型の酸化チタンが用いられる場合、このアナターゼ型の酸化チタンの平均一次粒子径が、5μm以下であることが好ましい。この場合、コーティング層の透明性がより向上し、或いはコーティング層が顔料などで着色される場合にはコーティング層の着色がアナターゼ型の酸化チタンにより阻害されにくくなる。更に、コーティング層に優れた光触媒機能が付与される。このアナターゼ型の酸化チタンの平均一次粒子径が0.1μm以下であればより好ましく、0.05μm以下であれば更に好ましい。また、アナターゼ型の酸化チタンの平均一次粒子径は、限定的ではないが、50nm以上であることが好ましい。
尚、本明細書において、平均一次粒子径は、日本電子株式会社製走査型透過電子顕微鏡(加速電圧20kV 倍率100k)等を用いることで得られる粒子の電子顕微鏡画像を画像処理することで導出される真円換算の直径の、算術平均値である。
また、上記の通り、コーティング材中の(A)成分100質量部に対する(B)成分の割合は、10質量部以上300質量部以下の範囲である。この(B)成分の割合が10質量部以上であることで、コーティング層に防汚性が付与される。一方、この(B)成分の割合が300質量部以下であることで、コーティング材に良好な硬化成膜性が付与される。また、コーティング層の耐候性が向上し、コーティング層に経時的にクラックが発生しにくくなる。更に、有機溶剤に対する耐久性が高くなる。
(C)成分は、上記の通り、銅化合物からなる。コーティング材が(C)成分を含有することで、コーティング層に、藻類が繁殖しにくくなる性質(以下、防藻性という)が付与される。このため、湿度の高い場所、水分の多い場所、光の当たりにくい場所などであっても、コーティング層上で藻類が繁殖しにくくなり、これによりコーティング層の防汚性が更に向上する。
コーティング層中には、特に一価の銅化合物が存在することが好ましく、この場合、コーティング層の防藻性が特に高くなる。本実施形態では、コーティング材中並びにコーティング層中に光半導体が含まれるため、既述の通り、コーティング層中では光半導体の作用によって(C)成分が活性化し、コーティング層が優れた防藻性を発揮する。これは、光半導体による光触媒作用によって、(C)成分中の銅が一価の酸化状態で安定化し、これに起因して優れた防藻性が発揮されるためであると、考えられる。このため、コーティング材中での(C)成分中の銅が二価の酸化状態であっても、コーティング層は優れた防藻性を発揮する。但し、コーティング層がより優れた防藻性を発揮するためには、コーティング材中の(C)成分が一価の銅化合物を含有することが好ましい。
(C)成分が含むことができる銅化合物としては、特に制限されないが、酸化銅(CuO)、亜酸化銅(Cu2O)、硫酸銅、塩化銅、硝酸銅、リン酸銅、ハロゲン化銅(CuX,CuX2;Xはハロゲンを示す)等が挙げられる。(C)成分は、一種類の銅化合物のみを含有しても、二種以上の銅化合物を含有してもよい。
コーティング材中における、(A)成分100質量部に対する(C)成分中の銅原子の割合は、0.5質量部以上10質量部以下の範囲である。この(C)成分中の銅原子の割合が0.5質量部以上であることで、コーティング層に防藻性が付与される。一方、この(C)成分中の銅原子の割合が10質量部以下であることで、コーティング層の透明性が向上し、或いはコーティング層が顔料などで着色される場合にはコーティング層の着色が(C)成分によって阻害されにくくなる。これによりコーティング層に良好な外観が付与される。この(C)成分中の銅原子の割合は、更に0.9質量%以上5質量%以下の範囲であることが好ましい。
コーティング材が、更に次の(F)成分を含有することも好ましい。
(F)硬化触媒。
(F)成分は、(A)成分の縮合反応を促進するために用いられる。(F)成分が含むことができる硬化触媒としては、酸性触媒、塩基性触媒、有機金属触媒等が、挙げられる。硬化触媒の具体例としては、アルキルチタン酸塩、オクチル酸錫およびジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジマレート等のカルボン酸の金属塩;ジブチルアミン−2−ヘキソエート、ジメチルアミンアセテート、エタノールアミンアセテート等のアミン塩;酢酸テトラメチルアンモニム等のカルボン酸第4級アンモニウム塩;テトラエチルペンタミン等のアミン類;N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミン系シランカップリング剤;p−トルエンスルホン酸、フタル酸、塩酸等の酸類;アルミニウムアルコキシド、アルミニウムキレート等のアルミニウム化合物、水酸化カリウムなどのアルカリ触媒、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、チタニウムテトラアセチルアセトネート等のチタニウム化合物、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルモノクロロシラン等のハロゲン化シラン等が、挙げられる。また、これらの化合物以外にも、(A)成分の縮合反応を促進することができる適宜の化合物が用いられてもよい。また、(F)成分は、一種類の硬化触媒のみを含有してもよく、二種以上の硬化触媒を含有してもよい。
コーティング材中における、(A)成分100質量部に対する(F)成分の割合は0.0001質量部以上10重量部以下の範囲であることが好ましい。(F)成分の割合が0.0001重量部以上であると、コーティング材組成物の常温下での硬化成膜性が向上する。また、(F)成分の割合が10重量部以上であると、コーティング層の耐熱性及び耐候性が向上する。(F)成分の割合が0.0005質量部以上8重量部以下の範囲であればより好ましく、0.0007質量部以上5重量部以下であれば更に好ましい。
コーティング材は、更に顔料、フィラー等の適宜の添加剤を含有してもよい。
コーティング材が含有してもよい顔料の例としては、カーボンブラック、キナクリドン、ナフトールレッド、シアニンブルー、シアニングリーン、ハンザイエロー等の有機顔料;酸化チタン、硫酸バリウム、弁柄、炭酸カルシウム、アルミナ、酸化鉄赤、複合金属酸化物等の無機顔料などが、挙げられる。コーティング材は一種類の顔料のみを含有してもよく、二種以上の顔料を含有してもよい。また、コーティング層の耐候性を向上させるためには、特に無機顔料が用いられることが好ましい。
コーティング材が含有してもよいフィラーの例としては、シリカ粉、硫酸バリウム粉等が挙げられる。コーティング材は、一種類のフィラーのみを含有してもよく、二種以上のフィラーを含有してもよい。
顔料の平均粒径は、特に制限されないが、0.01μm以上4μm以下の範囲であることが好ましい。またフィラーの粒径も、特に制限されないが、0.01μm以上4μm以下の範囲であることが好ましい。
コーティング材中の顔料の配合量は、顔料の種類に応じて適宜設定される。特に無機質顔料が使用される場合には、コーティング材中の(A)成分100質量部に対する無機質顔料の割合が15質量部以上80質量部以下の範囲であることが好ましい。この無機質顔料の割合が15重量部以上であると、コーティング層が充分に着色される。また無機質顔料の割合が80質量部以下であると、コーティング層の平滑性が良好になる。顔料は、適宜の手法によってコーティング材中に分散されることができる。また、コーティング材中での顔料の分散性向上のために、分散剤、分散助剤、増粘剤、カップリング剤等が使用されてもよい。
コーティング材が適宜の部材に塗布され、更に硬化成膜されることで、部材上にコーティング層が形成される。本実施形態によるコーティング材は、硬化成膜性が良好である。更に、コーティング層は、外観が良好であると共に耐候性も良好である。更にコーティング層には汚れが付着しにくく、且つ汚れが付着してもこの汚れが容易に除去され、しかも湿度が高い場所及び光の当たりにくい場所であっても優れた防汚性能を発揮することができる。更に、コーティング層は優れた防藻性も発揮し得る。
コーティング材の塗布方法としては、特に制限されないが、エアースプレー法、カーテンコート、ロールコート等の適宜の手法が挙げられる。また、コーティング材を硬化成膜させためには、部材上のコーティング材が、常温(25℃)以上の温度下に曝露されることが好ましい。特にコーティング材が、常温以上130℃以下の温度下に曝露されることが好ましい。この温度が常温以上であれば、コーティング材の硬化が進行しやすくなる。また、この温度が130℃以下であると、コーティング層に親水性の官能基が残存しやすくなり、このためコーティング層の親水性が向上する。コーティング層の厚みは、特に制限されないが、レベリング性を向上する観点からは、2μm以上15μm以下の範囲であることが好ましい。
コーティング材が塗布される部材の種類には、特に制限はない。この部材の好ましい例として、建築用の外装材などにように、屋外で使用される部材が挙げられる。外装材が本実施形態によるコーティング層を備える場合、外装材が湿度が高い場所、光の当たりにくい場所等に設置されても、外装材は優れた防汚性能を発揮し、更に優れた防藻性も発揮することができる。外装材の具体例としては、特に制限されないが、例えば適宜の材料から形成されている外壁材、屋根材、外装化粧材等が、挙げられる。
以下、本発明の具体的な実施例を示すことで本発明を更に詳述する。尚、下記の実施例及び比較例において、特に断らない限り「部」は総て「質量部」を、「%」は総て「質量%」を示す。また本発明が下記の実施例に限定されないのは言うまでもない。
[無機バインダー液の調製]
下記に示すようにして、無機質樹脂を含有する無機バインダー液(I),(II)を調製した。
(無機バインダー液(I))
攪拌機、加温ジャケット、コンデンサー及び温度計が取り付けられているフラスコ中に、イソプロピルアルコール分散コロイダルシリカゾル(日産化学工業株式会社社製、品番IPA−ST、粒子径10〜20μm、固形分30%、H2O含有量0.5%)100部、メチルトリメトキシシラン68部、ジメチルジメトキシシラン18部、水2.7部、及び無水酢酸0.1部を投入することで、混合液を調製した。この混合液を攪拌しながら80℃の温度で約3時間加熱することで、部分加水分解縮合反応を進行させた。続いてこの混合液を冷却してから、室温で48時間放置した。これにより、樹脂固形分量36%の無機バインダー液(I)を得た。
(無機バインダー液(II))
攪拌機、加温ジャケット、コンデンサー、滴下漏斗及び温度計が取り付けられたフラスコに、水1000部、及びアセトン50部を投入した。また、メチルトリクロロシラン59.7部(0.4モル)、ジメチルジクロロシラン51.6部(0.4モル)、及びフェニルトリクロロシラン42.3部(0.2モル)を、トルエン200部に溶解させることで、溶液を得た。この溶液をフラスコ内に滴下しながら、フラスコ内の液を攪拌した。フラスコ内に溶液を滴下し終えてから40分経過した時点で、攪拌を終了した。続いて、フラスコ内の液を分液漏斗に移し入れてから、この液を静置することで、この液を二層に分離させた。この分液漏斗内の下層液を分液漏斗から除去した。続いて、減圧ストリッピングによって、上層液から水及び塩酸を過剰のトルエンと共に留去することで除去した。これにより、無機バインダー液(II)(平均分子量3000のシラノール基含有オルガノポリシロキサンを60%の割合で含有するトルエン溶液)を得た。この無機バインダー液(II)中のシラノール基含有オルガノポリシロキサンは、平均組成式(3)で表され、且つ式(3)中のR2全体のうち14%がフェニル基である。
[実施例1]
無機バインダー液(I)56部と、無機バインダー液(II)43部と、硬化触媒(N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン)1部とを混合し、これらを攪拌することで、混合液を得た。
この混合液100部と、アナターゼ型酸化チタン粉のイソプロピルアルコール分散液(固形分割合16%、株式会社テイカ製、品番TKD−702)191部と、Cu2O粉のエタノール分散液(固形分割合1.5%、シグマアルドリッチジャパン社製、品名Copper(I) oxide, nanospheres)68部とを混合することで、コーティング材を得た。
[実施例2]
無機バインダー液(I)56部と、無機バインダー液(II)43部と、硬化触媒(N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン)1部とを混合し、これらを攪拌することで、混合液を得た。
この混合液100部と、アナターゼ型酸化チタン粉のイソプロピルアルコール分散液(固形分割合16%、株式会社テイカ製、品番TKD−702)13部と、Cu2O粉のエタノール分散液(固形分割合1.5%、シグマアルドリッチジャパン社製、品名Copper(I) oxide, nanospheres)7部とを混合することで、コーティング材を得た。
[実施例3]
無機バインダー液(I)56部と、無機バインダー液(II)43部と、硬化触媒(N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン)1部とを混合し、これらを攪拌することで、混合液を得た。
この混合液100部と、アナターゼ型酸化チタン粉のイソプロピルアルコール分散液(固形分割合16%、株式会社テイカ製、品番TKD−702)13部と、Cu2O粉のエタノール分散液(固形分割合1.5%、シグマアルドリッチジャパン社製、品名Copper(I) oxide, nanospheres)136部とを混合することで、コーティング材を得た。
[実施例4]
無機バインダー液(I)56部と、無機バインダー液(II)43部と、硬化触媒(N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン)1部とを混合し、これらを攪拌することで、混合液を得た。
この混合液100部と、アナターゼ型酸化チタン粉のイソプロピルアルコール分散液(固形分割合16%、株式会社テイカ製、品番TKD−702)382部と、Cu2O粉のエタノール分散液(固形分割合1.5%、シグマアルドリッチジャパン社製、品名Copper(I) oxide, nanospheres)14部とを混合することで、コーティング材を得た。
[実施例5]
無機バインダー液(I)56部と、無機バインダー液(II)43部と、硬化触媒(N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン)1部とを混合し、これらを攪拌することで、混合液を得た。
この混合液100部と、アナターゼ型酸化チタン粉のイソプロピルアルコール分散液(固形分割合16%、株式会社テイカ製、品番TKD−702)382部と、Cu2O粉のエタノール分散液(固形分割合1.5%、シグマアルドリッチジャパン社製、品名Copper(I) oxide, nanospheres)136部とを混合することで、コーティング材を得た。
[実施例6]
無機コーティング剤(パナソニック株式会社製、品名フレッセラNA-100)120部と、アナターゼ型酸化チタン粉のイソプロピルアルコール分散液(固形分割合16%、株式会社テイカ製、品番TKD−702)188部と、Cu2O粉のエタノール分散液(固形分割合1.5%、シグマアルドリッチジャパン社製、品名Copper(I) oxide, nanospheres)67部とを混合することで、コーティング材を得た。
[実施例7]
無機バインダー液(I)56部と、無機バインダー液(II)43部と、硬化触媒(N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン)1部とを混合し、これらを攪拌することで、混合液を得た。
この混合液100部と、アナターゼ型酸化チタン粉のイソプロピルアルコール分散液(固形分割合16%、株式会社テイカ製、品番TKD−702)336部と、CuO粉(シグマアルドリッチジャパン社製、品名Copper(II) oxide)2部とを混合することで、コーティング材を得た。
[比較例1]
無機バインダー液(I)56部と、無機バインダー液(II)43部と、硬化触媒(N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン)1部とを混合し、これらを攪拌することで、混合液を得た。
この混合液100部と、アナターゼ型酸化チタン粉のイソプロピルアルコール分散液(固形分割合16%、株式会社テイカ製、品番TKD−702)382部とを混合することで、コーティング材を得た。
[比較例2]
無機バインダー液(I)56部と、無機バインダー液(II)43部と、硬化触媒(N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン)1部とを混合し、これらを攪拌することで、混合液を得た。
この混合液100部と、Cu2O粉のエタノール分散液(固形分割合1.5%、シグマアルドリッチジャパン社製、品名Copper(I) oxide, nanospheres)68部とを混合することで、コーティング材を得た。
[比較例3]
無機バインダー液(I)56部と、無機バインダー液(II)43部と、硬化触媒(N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン)1部とを混合し、これらを攪拌することで、混合液を得た。
この混合液100部と、アナターゼ型酸化チタン粉のイソプロピルアルコール分散液(固形分割合16%、株式会社テイカ製、品番TKD−702)382部と、Cu2O粉のエタノール分散液(固形分割合1.5%、シグマアルドリッチジャパン社製、品名Copper(I) oxide, nanospheres)204部とを混合することで、コーティング材を得た。
[比較例4]
無機バインダー液(I)56部と、無機バインダー液(II)43部と、硬化触媒(N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン)1部とを混合し、これらを攪拌することで、混合液を得た。
この混合液100部と、アナターゼ型酸化チタン粉のイソプロピルアルコール分散液(固形分割合16%、株式会社テイカ製、品番TKD−702)382部と、Cu2O粉のエタノール分散液(固形分割合1.5%、シグマアルドリッチジャパン社製、品名Copper(I) oxide, nanospheres)1部とを混合することで、コーティング材を得た。
[比較例5]
無機バインダー液(I)56部と、無機バインダー液(II)43部と、硬化触媒(N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン)1部とを混合し、これらを攪拌することで、混合液を得た。
この混合液100部と、アナターゼ型酸化チタン粉のイソプロピルアルコール分散液(固形分割合16%、株式会社テイカ製、品番TKD−702)509部と、Cu2O粉のエタノール分散液(固形分割合1.5%、シグマアルドリッチジャパン社製、品名Copper(I) oxide, nanospheres)68部とを混合することで、コーティング材を得た。
[比較例6]
無機バインダー液(I)56部と、無機バインダー液(II)43部と、硬化触媒(N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン)1部とを混合し、これらを攪拌することで、混合液を得た。
この混合液100部と、アナターゼ型酸化チタン粉のイソプロピルアルコール分散液(固形分割合16%、株式会社テイカ製、品番TKD−702)1部と、Cu2O粉のエタノール分散液(固形分割合1.5%、シグマアルドリッチジャパン社製、品名Copper(I) oxide, nanospheres)68部とを混合することで、コーティング材を得た。
[比較例7]
アクリル樹脂(DIC株式会社製、品番ACRYDIC A190)100部と、アナターゼ型酸化チタン粉のイソプロピルアルコール分散液(固形分割合16%、株式会社テイカ製、品番TKD−702)469部と、Cu2O粉のエタノール分散液(固形分割合1.5%、シグマアルドリッチジャパン社製、品名Copper(I) oxide, nanospheres)167部とを混合することで、コーティング材を得た。
[比較例8]
ポリオール樹脂(三井化学株式会社製、品名オレスターQ164)85部と、硬化剤(三井化学株式会社製、品名オレスターP−49−75S)15部とを混合することで、混合液を得た。
この混合液100部と、アナターゼ型酸化チタン粉のイソプロピルアルコール分散液(固形分割合16%、株式会社テイカ製、品番TKD−702)359部と、Cu2O粉のエタノール分散液(固形分割合1.5%、シグマアルドリッチジャパン社製、品名Copper(I) oxide, nanospheres)128部とを混合することで、コーティング材を得た。
[評価試験]
各実施例及び比較例で得られたコーティング材を、ガラス板上にバーコータ#10を用いて塗布してから、このガラス板を室温下で30分静置した。続いて、ガラス板上のコーティング材を、電気式乾燥機を用いて90℃で30分加熱した。これにより、ガラス板上二コーティング層を形成した。
このコーティング層に対して、次の評価試験を実施した。その結果を後掲の表に示す。
(成膜性)
コーティング層を目視で観察した。その結果、コーティング層にクラック及び剥離が認められなかった場合を「○」、コーティング層の一部にクラック又は剥離が認められた場合を「△」、コーティング層の全体に亘ってクラック又は剥離が認められた場合を「×」と、評価した。
(外観)
コーティング層のヘイズを、日本電色工業株式会社製のヘイズメーター(型番NDH2000)を用いて測定した。
その結果、曇価が5以下の場合を「○」、曇価が5より大きい場合を「×」と、評価した。
(防藻性)
コーティング層に対し、JIS Z2911に準拠した試験を実施した。
その結果、試験前と比較して、試験後にコーティング層に外観の変化が認められず、或いは外観の変化が認められたのがコーティング層の10%未満の面積であった場合を「○」、コーティング層の10%以上30%未満の面積において外観の変化が認められた場合を「△」、コーティング層の30%以上の面積において外観の変化が認められた場合を「×」と、評価した。
(硬度)
コーティング層の引っかき硬度を、JIS K5600−5−4に規定される鉛筆法に準拠して判定した。
(耐溶剤性)
コーティング層の表面に、イソプロピルアルコールを含浸させたウエスを押し当てながら、このウエスをコーティング層上で摺動させて10往復させた。続いて、コーティング層の表面の外観を目視で観察した。その結果、異常が認められなかった場合を「○」、白化又は剥離が認められた場合を「×」と、評価した。
(耐候性)
岩崎電気製のアイスーパーテスタW231試験機を用いて、コーティング層に紫外線を1000時間照射した。続いて、コーティング層の外観を目視で観察した。その結果、異常が認められなかった場合を「○」、クラック又は剥離が認められた場合を「×」と、評価した。
(耐汚染性)
コーティング層の表面が鉛直線と平行になり、且つコーティング層の表面が北を向くようにして、コーティング層を屋外に配置した。この状態を3ヶ月維持してから、コーティング層の表面外観を目視で観察した。その結果、雨筋汚れが認められた場合を「×」、雨筋汚れが認められなかった場合を「○」と、評価した。
Figure 2013194181

Claims (3)

  1. (A)加水分解性ケイ素化合物とその加水分解縮合物とから選ばれる少なくとも一種を含む無機質樹脂、
    (B)光半導体、及び
    (C)銅化合物を、含有し、
    前記(A)成分100質量部に対する前記(B)成分の割合が10質量部以上300質量部以下の範囲であり、前記(A)成分100質量部に対する前記(C)成分中の銅原子の割合が0.5質量部以上10質量部以下の範囲であるコーティング材。
  2. 前記(A)成分が、
    (D)一般式(R1aSiX4-a(R1は置換もしくは非置換の炭素数1以上8以下の1価の炭化水素基を示し、一分子中のR1が複数の場合はR1は互いに同一でも異なっていてもよい。Xは加水分解性基を示す。aは0以上3以下の整数である。)で表される加水分解性オルガノシランを、シリカ粒子の存在下で加水分解縮合させてなる、オルガノシランのシリカ分散オリゴマー;及び
    (E)平均組成式(R2bSi(OH)c(4-b-c)/2(R2は置換もしくは非置換の炭素数1以上8以下の1価の炭化水素基を示し、(E)成分中に複数種のR2が含まれていてもよい。bは0.2≦b≦2.0を満たす数、cは0.0001≦c≦3を満たす数であり、且つbとcはb+c<4の関係を満たす。)で示されるポリオルガノシロキサンを、含有し、
    (F)硬化触媒
    を更に含有するコーティング材。
  3. 請求項1又は2に記載のコーティング材から形成されているコーティング層を備える外装材。
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